JP4159297B2 - スポット接合システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の被接合材を重ね合わせて摩擦攪拌方式のスポット接合(摩擦攪拌スポット接合)を行うスポット接合システムであって、特に曲面状部分を有する長尺の板材(被接合材)を接合するスポット接合システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、曲面状部分を有する長尺の板材を製造する際に、その曲面状部分に対応した曲面形状の部分を有する定盤に金属板を載置して、溶接構成にて製造する方法は、特開平3−75279号公報等に記載されるように知られている。複数の薄い平板を重ね合わせて摩擦攪拌スポット接合を行う方法も、特開2001−314982号公報にて公開されているように既に公知である。
【0003】
また、図12に示すように、平坦なベッド101上に載置された2枚のワークK(被接合材)の突合せ部K’を、長手方向Xに移動する門型フレーム102の水平フレーム部102aに装着された接合ヘッド105によって摩擦攪拌接合するものであって、該接合ヘッド105が、可動部材104を介して横方向Yに移動可能かつ上下方向Zに昇降可能に設けられたものも知られている。上記のように、平坦なベッド上に載置した被接合材の突合せ部を摩擦攪拌方式により接合するものは、例えば特開2000−135577号公報に記載されている。
【0004】
最近開発された摩擦攪拌方式によるスポット接合方法は、多大の電力を必要とせず、消耗品も発生しないという利点があり、また、接合部の配置も自由であり、近接させて接合することも可能であって、接合部に圧痕等が残らず外装板として利用可能であることから、最近その利用が有望視されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、重ね合わされた複数の被接合材(金属板)を、摩擦攪拌方式によりスポット接合する際に、自動で連続的スポット接合することができるスポット接合システムの開発が望まれている。
【0006】
本発明の目的は、複数の被接合材を重ね合わせてスポット接合する際に、大容量の電力を必要とせず、消耗品が発生しない摩擦攪拌方式のスポット接合方法を採用することで、連続的かつ自動的に接合することができるスポット接合システムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1の発明は、複数の被接合材を重ね合わせてスポット接合するスポット接合システムであって、前記被接合材が載置される定盤と、該定盤を跨ぐように配設される門型フレームと、前記門型フレームに装着され、前記定盤に載置された前記被接合材を摩擦攪拌スポット接合するスポット接合ヘッドと、前記被接合材を所定の送り方向に移動させる移動手段と、前記定盤の入口側および出口側の両側において前記被接合材を案内する載置台とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記の構成を有する請求項1の発明によれば、被接合材を定盤上に載置して移動手段で所定の送り方向(定盤の入口側から出口側へ向かう方向)に移動させながら、門型フレームに装着されたスポット接合ヘッドによって、安定して摩擦攪拌スポット接合することができる。よって、摩擦攪拌スポット接合の自動化が実現される。
【0009】
請求項2の発明は、前記被接合材が、曲面状部分を有する板材であり、前記定盤および載置台が、前記被接合材の曲面状部分に対応する曲面形状の支持部分を有することを特徴とする。
【0010】
上記の構成を有する請求項2の発明によれば、少なくとも一部に曲面状部分を有する板材(被接合材)同士を摩擦攪拌スポット接合することができる。よって、少なくとも一部に曲面状となっている外装材等の板材を、安定して摩擦攪拌スポット接合することが可能となる。
【0011】
請求項3の発明は、前記スポット接合ヘッドが、前記被接合材の送り方向に直交する方向に横行自在でかつ傾動自在であり、上下方向に昇降自在に構成され、前記門型フレームは、前記被接合材の送り方向に移動自在であることを特徴とする。
【0012】
上記の構成を有する請求項3の発明によれば、被接合材を移動手段により移動させることができると共に、門型フレームが移動することでスポット接合ヘッド自体を前記被接合材の移動方向(長手方向)と同一方向に移動させることができる。よって、門型フレームの移動範囲に限定されず、長さの短い被接合材から長さの長い被接合材まで、被接合材の長さにかかわりなく、スポット接合が可能となる。
【0013】
請求項4の発明は、前記移動手段が、前記定盤あるいは載置台に載置される被接合材の端部を把持し所定ピッチの送り動作を行うものであることを特徴とする。
【0014】
上記の構成を有する請求項4の発明によれば、被接合材を移動したりスポット接合する際に、被接合材の端部をしっかり把持することができる。さらに所定のピッチの送りが可能となるので、所定の位置に所定のピッチ間隔で、精度よくスポット接合することができる。
【0015】
請求項5の発明は、曲面状部分を有する複数の被接合材を重ね合わせてスポット接合するスポット接合システムであって、前記被接合材の曲面状部分に対応する曲面形状の支持部分を有し前記被接合材が載置される定盤と、該定盤を跨ぐように配設される門型フレームと、前記門型フレームに装着され、前記定盤に載置された被接合材を摩擦攪拌スポット接合するスポット接合ヘッドと、前記被接合材を所定の送り方向に移動させる移動手段と、前記被接合材の曲面状部分に対応する曲面形状の支持部分を有し前記定盤の入口側および出口側の両側において前記被接合材を案内する載置台とを備え、前記スポット接合ヘッドが、前記被接合材の送り方向に直交する方向に横行自在でかつ傾動自在であり、上下方向に昇降自在に構成される一方、前記門型フレームが定位置に固定されていることを特徴とする。
【0016】
上記の構成を有する請求項5の発明によれば、門型フレームが定位置に固定されていても、載置台上の被接合材を移動手段により移動することが可能であり、長い寸法の被接合材についてのスポット接合もできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスポット接合システムの実施の形態について、図1〜図9に基づいて説明する。
【0023】
図1は本発明のスポット接合システムの全体を示す斜視図、図2は前記システム全体を示す平面図、図3は同側面図、図4は同正面図である。また、図5は移動手段を示す拡大斜視図、図6はスポット接合ヘッドの拡大側面図、図7はスポット接合ヘッドの拡大正面図である。図8はスポット接合ヘッドの突っ込み量制御装置の実施例を示し、(a)は主要部分を示す側面図、(b)は制御の流れを示すブロック図である。図9はスポット接合ヘッドの突っ込み量制御装置の別の実施例を示し、(a)は主要部分を示す側面図、(b)は制御の流れを示すブロック図である。
【0024】
まず、図1〜図4によりスポット接合システムについて説明する。本発明のスポット接合システムは、摩擦攪拌スポット接合ヘッド2が装着された門型フレーム1を有し、この門型フレーム1がレール3上を水平方向(図1のX方向)に移動可能に設けられている。そして、この門型フレーム1の移動によりスポット接合ヘッド2が移動することで、定盤6上に載置された被接合材の所定位置をスポット接合するものである。本例では、2枚の被接合材すなわち上側板材P1と下側板材P2とを重ね合わせたものをスポット接合するようにしているが、3枚以上の板材を重ね合わせたものをスポット接合することもできる。
【0025】
前記スポット接合ヘッド2は、門型フレーム1に対し、横方向(図1のY方向)に横行自在であり、上下方向(図1のZ方向)に昇降自在に設けられている。
【0026】
よって、被接合材の長さが定盤6上に全て載置できる程度の長さの短いものであれば、門型フレーム1をX方向(図1参照)に移動させるだけで全ての必要箇所にスポット接合を行うことができる。しかし、被接合材の長さが定盤6より長い場合には門型フレーム1を移動させるだけでは全ての必要箇所にスポット接合を行うことができないので、被接合材自体もX方向において移動させる必要がある。そのため、本例では、定盤6の入口側および出口側に、それぞれ載置台4,5を設け、該載置台4,5上に載置された被接合材を移動させる移動手段7を配設している。
【0027】
前記入口側載置台4および定盤6上に載置された板材P1,P2(被接合材)は、移動手段7により端部を把持され所定ピッチだけ送られる。所定位置に停止した被接合材に対してその接合位置に移動してきたスポット接合ヘッド2が下降し、摩擦攪拌スポット接合を行い、その接合終了後にスポット接合ヘッド2が上昇する。その後、被接合材のピッチ送りもしくはスポット接合ヘッド2の移動が実行され、次の摩擦攪拌スポット接合が行われる。このような動作を繰り返して被接合材の長手方向の全ての所要位置に摩擦攪拌スポット接合が施される。
【0028】
前記入口側載置台4と出口側載置台5とにそれぞれ、前記被接合材を把持して移動させる移動手段7を設け、両者の協働にて被接合材を移動させるようにしている。なお、前記移動手段7は、必ずしも、前記入口側載置台4と出口側載置台5とに設ける必要なく、被接合材を定盤6上で移動させ、それの全長に渡ってスポット接合を行うことができるのであれば、いずれか一方の載置台4,5に対し設けるだけでもよい。
【0029】
図5(a)(b)により移動手段7について説明する。被接合材を入口側載置台4に載置し、移動手段7をセットする。被接合材は、上側板材P1と、下側板材P2とを重ね合わせたものであり、いずれも曲面状部分を有する板材である。
【0030】
入口側載置台4は、被接合材の曲面状部分に対応した曲面形状の部分が一部に形成されており、その上面には、転動自在な球体である転動輪41が多数埋設して設けられ、載置される被接合材(板材P1,P2)を自在に移動可能とした搬送機能を備える構成とされている。
【0031】
被接合材の各端部を把持して搬送する場合には、図5(a)に示す移動手段7が有効であって、移動ガイド71内に装着されたボールネジ75を回転させることで、スクリューブロック74を直線的に移動させることができる。このスクリューブロック74と一体的に構成された把持部73と腕部72とを直線的に移動させることで、被接合材を水平方向に移動させる。尚、76は直線移動する腕部72を案内する案内ガイドであり、転がり軸受を多数配設して構成しているが、低摩擦で移動可能(搬送可能)とする他の方法でもよい。
【0032】
前記把持部73は、断面コの字形状をしており、上側板材P1と下側板材P2とを装着した後でセットスクリューで固定する構成としているが、スプリングを利用して弾性的に固定する構成としてもよく、また、エアーチャック方式としてもよい。
【0033】
前記被接合材の各端部を把持して移動する移動手段7は、正確なピッチ送りができる構成としている。
【0034】
図5(b)に示す移動手段7Aは、被接合材の中間部分の端部を把持して移動させるものであり、機台の両側に移動ガイド71を配設し、その移動ガイド71間において、連結腕部72aをスクリューブロック74を介して水平移動可能としたものである。スクリューブロック74は、ボールネジ75の回転で直線移動する。連結腕部72aの所定の位置には、垂直部材73bと把持部材73aとが一体的に設けられ、被接合材の後端を把持して送るよう構成されている。
【0035】
前記移動手段7Aを採用すれば、被接合材の後端のどの位置でも把持可能であって、上側板材P1と下側板材P2との組み合わせにより把持する場所を選択することができる。ただし、把持部材73aの大きさによっては、把持手段73aが移動する走行空間を確保する必要がある。その場合は、載置台4の上面に一部段差を設け、把持手段73aを走行可能とするか、もしくは載置台を2つの載置台4a,4bに分割構成し移動空間を設ければよい。移動手段7もしくは移動手段7Aのうちどちらの構成の移動手段を採用するかは、被接合材の上側板材P1,下側板材P2の形状または組み合わせによる。
【0036】
図6および図7によりスポット接合ヘッド2について説明する。門型フレーム1に、前記被接合材の送り方向とは直交する方向にブラケット25aが横行自在に装着され、このブラケット25aに、枢支軸24gを介して、リニアガイド23d,ガイド部材23cおよび取付板25bが配設されている。前記取付板25bには、スポット接合ツールである回転工具21と、この回転工具21を回転させるモータ22aと、上下方向に移動させるエアーシリンダ23aとが一体的に配設され、回転工具21を回転しながら被接合材に押圧する構成となっている。また、前記ブラケット25aにはサーボモータ24aも配設されている。このサーボモータ24aの駆動力は、プーリ24b、伝動ベルト24cおよびプーリ24dを介して、ウォーム24eに伝達され、ウォームホイール24fを回転するのに用いられる。ウォームホイール24fの枢支軸24gにはリニアガイド23d,ガイド部材23cおよび取付板25bが一体的に配設されているので、サーボモータ24aの回転によりスポット接合ヘッド2が回転する。そのために、サーボモータ24aによりスポット接合ヘッド2は、垂直方向に対して所定角度首を振った状態を維持可能となり、垂直方向に対して所定角度傾いてスポット接合を行うことができる。
【0037】
前記リニアガイド23dの上部に配設されたエアーシリンダ23aのピストンロッド23bの伸縮動により、接合ヘッド2は取付板25bとともに上下方向において昇降自在に構成される。
【0038】
前記接合ヘッド2は、上部にモータ22aを備え、下端部に回転工具21が軸受22cにより回転自在に支承されている。回転工具21はモータ22aの回転軸22bの下端に一体回転可能に接続されている。回転工具21は、工具本体21aの先端中心部に中央ピン21bが突設され、被接合材よりも硬質で剛性の高い金属材料で形成されている。
【0039】
前記エアーシリンダ23aを制御してピストンロッド23bの移動量を制御することで、被接合材に対する回転工具21の突っ込み量を制御してもよいが、さらに精密に突っ込み量を制御するために、図8(a)(b)に示すように、前記エアーシリンダ23aに代えて、サーボモータ81とロードセル83を使用する制御装置80を採用することも可能である。
【0040】
前記サーボモータ81により接合ヘッド2を下向きに移動させる。接合ヘッド2をL形ブラケット82に対し上下方向にスライド可能に取り付け、ブラケット82と接合ヘッド2との間にロードセル83を介装する。そして、接合作業時に先端の回転工具21からの反力をロードセル83で計測し、図8(b)に示すように、コントローラ84にてあらかじめ設定した反力値と比較器(図示せず)で比較し、CPU85を介してサーボモータ81の回転量を制御する。なお、コントローラ84にて最適な回転工具21の押付け力を任意に設定できるようにしている。図中の符号81aはスクリューシャフト、符号81bはナットである。
【0041】
図9は回転工具21の突っ込み量制御装置についての別の実施例を示す。本例では、回転工具21の被接合材に対する突っ込み量を、距離センサ86により計測して制御する制御装置80’を備えている。また、距離センサ86に先行させて押えローラ87を装着し、重ね合わされた被接合材が浮き上がらないようにしている。従って、距離センサ86を回転工具21に取り付けて、回転工具21と被接合材との距離を計測し、コントローラ88にてあらかじめ設定した距離と比較器で比較し、そのずれをCPU89によりサーボモータ81’を制御する。距離センサ86による計測値などの距離情報はCPU89にフィードバックされる。
【0042】
続いて、図3および図4によりスポット接合動作をさらに詳細に説明する。門型フレーム1は、水平フレーム部11と、垂直フレーム部12とを有し、前後に車輪14を備えた走行部13が配設されている。定盤6の両側の床B上にレール3が長手方向に平行に敷設されている。前記レール3上を車輪14が転動することにより、門型フレーム1が長手方向に走行(水平移動)する。走行部13は、走行用駆動モータ13aとブレーキ13bとを備える。
【0043】
前記水平フレーム部11の上面にガイドレール16,17が横方向に敷設され、このガイドレール16、17に沿ってガイドベース25が、水平フレーム部11のすぐ下方にボールスクリューシャフト18が両側の垂直フレーム部12に跨って架設されている。このボールスクリューシャフト18には、ナット部18cが螺合しており、各ガイドベース25に搭載されたサーボモータ18aにより無端ベルト18bを介して前記ナット部18cが正逆いずれの方向にも所定角度回転し停止するように構成されている。ガイドベース25は、サーボモータ18aにて、ボールスクリューシャフト18に螺合するナット部18cを所定方向に回転することにより任意の位置に横移動する。
【0044】
それから、サーボモータ24aによりウォーム24eを時計方向および反時計方向に回転させることにより、これに噛合するウォームホイール24fが枢支軸24gと一体回転し、取付板25bに装着された接合ヘッド2が枢支軸24gの中心軸線の回りに旋回し、被接合材の曲面に位置する接合部に対応した角度に設定される。尚、図7に、接合ヘッド2が、枢支軸24gを回転中心として、傾動しているところを示す。
【0045】
図4に示すスポット接合ヘッド2は、それぞれのサーボモータ18aにて横方向(Y方向)に移動自在であり、ガイドベース25の上端に設置したサーボモータ15によりスクリューシャフト15aとナット15bとを介して上下方向(Z方向)に昇降自在である。さらに、接合ヘッド2が、サーボモータ24aにより傾動自在であり、エアーシリンダ23aまたはサーボモータ81により上下方向に昇降自在に構成されている。
【0046】
それゆえ、先ず、サーボモータ18aにより横方向に位置決めされ、サーボモータ15により上下方向に概ね位置決めされる。その後、サーボモータ24aにより、被接合材の曲面状の部分に対応した傾きに調節された接合ヘッド2を、エアーシリンダ23aまたはサーボモータ81により押し下げ、接合ヘッド2の先端に装着された回転工具21を被接合材に対して押圧して侵入させスポット接合を行うことになる。
【0047】
所定の位置においてスポット接合作業が終了すれば、エアーシリンダ23aまたはサーボモータ81により各接合ヘッド2を上昇させ、被接合材から離間させる。そして門型フレーム1を次のスポット接合位置まで走行させる。もしくは、定盤上の被接合材を移動手段7により水平方向に移動させる。この操作を繰り返して、被接合材の長手方向の所定位置の全てにスポット接合を行う。
【0048】
ところで、一般に、摩擦攪拌スポット接合において、回転工具(スポット接合ツール)の進入側(上側)の被接合材の板厚は接合により薄くなる傾向にあり、その部分の強度が低下しやすい。そこで、そのような強度の低下を解消するために、回転工具の形状によらず、被接合材の回転工具の進入側の板厚をはじめから厚くしておくことで、接合後に所定の板厚を把持することが可能である。
【0049】
図10に示すように、回転工具21の進入側の上側板材P1は、接合部分に他の部分より板厚が厚い厚肉部P1aを形成し、スポット接合後も周囲の板厚よりも薄くならないように構成することができる。図11は下側の被接合材91(構造用板材)に上側の被接合材92(構造用板材)を接合する例であって、回転工具21が進入する側の被接合材92の接合部分を、図11(a)に示すように、最初からに厚を厚くした接合部92Aとしてもよく、図11(b)に示すように接合部分に沿った帯状の長い厚肉部92Bを形成してもよい。また、図11(c)に示すように、それぞれの接合部にそれぞれ独立した円柱形状の厚肉部92Cとして形成してもよい。
【0050】
このようにすれば、曲面状部分を有する構体を連続的にスポット接合により製造可能となり、低電力で消耗品のない、また外面の綺麗な製品が製造可能なスポット接合システムを得ることができる。自動車や電車等の車両の車体や航空機の外装材等も自動生産することが可能となる。
【0051】
前記実施の形態においては、門型フレームも被接合材も送り方向(X方向)に移動するように構成しているが、目的に応じて、いずれか一方のみ移動するように構成することもできる。すなわち、門型フレームを移動させる手段あるいは被接合材の移動手段を省略することができる。
【0052】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、重ね合わされた複数の被接合材が載置される定盤と、前記定盤を跨ぐように配設される門型フレームと、該門型フレームに装着されるスポット接合ヘッドと、被接合材を所定の送り方向に移動させる移動手段と、前記定盤の入口側および出口側の両側において前記被接合材を案内する載置台とを備える構成としているので、移動手段で被接合材を移動させながら、門型フレームにて支持が安定したスポット接合ヘッドによって定盤上でスポット接合を精度よく行うことができる。
【0053】
請求項2の発明によれば、前記前記被接合材が曲面状部分を有する板材であり、前記定盤および載置台が被接合材の曲面状部分に対応した曲面形状の部分を有するので、曲面状部分を有する平板同士をスポット接合することができる。よって、曲面状部分を有する外装材等の板材を摩擦攪拌スポット接合することが可能となる。
【0054】
請求項3の発明によれば、前記スポット接合ヘッドが、前記被接合材の送り方向とは直交する方向に横行自在でかつ傾動自在であり、上下方向に昇降自在に構成され、門型フレームが前記被接合材の送り方向に移動自在であるので、被接合材を移動手段により移動可能であると共に、門型フレームが移動することでスポット接合ヘッド自体が移動可能となり、門型フレームの移動範囲に限定されず、被接合材の長さの短いものから長いものまで全てスポット接合することができる。
【0055】
請求項4の発明によれば、前記移動手段を、定盤あるいは載置台に載置される被接合材の端部を把持し所定ピッチの送り動作を行う移動手段としたので、被接合材を移動したり接合加工する際に被接合材をしっかり把持することができる。また、所定のピッチ送りが可能であるので、所定の位置に所定のピッチ間隔で、正しくスポット接合をすることができる。
【0056】
請求項5の発明によれば、前記スポット接合ヘッドが、前記被接合材の送り方向とは直交する方向に横行自在でかつ傾動自在であり、上下方向に昇降自在に構成され、門型フレームが固定されている構成としたので、門型フレームが固定されていても定盤上の被接合材を、移動手段により移動することが可能であり、長い寸法の被接合材のスポット接合も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスポット接合システムの全体を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るスポット接合システムの全体を示す平面図である。
【図3】本発明に係るスポット接合システムの全体を示す側面図である。
【図4】本発明に係るスポット接合システムの全体を示す正面図である。
【図5】移動手段を示す拡大斜視図である。
【図6】スポット接合ヘッドの拡大側面図である。
【図7】スポット接合ヘッドの拡大正面図である。
【図8】スポット接合ヘッドの突っ込み量制御装置の実施例を示し、(a)は主要部分を示す側面図、(b)は制御の流れを示すブロック図である。
【図9】スポット接合ヘッドの突っ込み量制御装置の別の実施例を示し、(a)は主要部分を示す側面図、(b)は制御の流れを示すブロック図である。
【図10】接合部分の厚さを維持する実施例の説明図である。
【図11】(a)(b)(c)はそれぞれスポット接合後も周囲の板厚よりも薄くならない実施例の説明図である。
【図12】従来の摩擦攪拌接合装置の全体斜視図である。
【符号の説明】
1 門型フレーム
2 スポット接合ヘッド
3 レール
4 入口側載置台
5 出口側載置台
6 定盤
7 移動手段
73 把持部材
15 サーボモータ
21 回転工具
41 転動輪
P1 上側板材(被接合材)
P2 下側板材(被接合材)
Claims (5)
- 複数の被接合材を重ね合わせてスポット接合するスポット接合システムであって、
前記被接合材が載置される定盤と、
該定盤を跨ぐように配設される門型フレームと、
前記門型フレームに装着され、前記定盤に載置された前記被接合材を摩擦攪拌スポット接合するスポット接合ヘッドと、
前記被接合材を所定の送り方向に移動させる移動手段と、
前記定盤の入口側および出口側の両側において前記被接合材を案内する載置台とを備えることを特徴とするスポット接合システム。 - 前記被接合材は、曲面状部分を有する板材であり、
前記定盤および載置台は、前記被接合材の曲面状部分に対応する曲面形状の支持部分を有することを特徴とする請求項1に記載のスポット接合システム。 - 前記スポット接合ヘッドは、前記被接合材の送り方向に直交する方向に横行自在でかつ傾動自在であり、上下方向に昇降自在に構成され、
前記門型フレームは、前記被接合材の送り方向に移動自在であることを特徴とする請求項1または2に記載のスポット接合システム。 - 前記移動手段は、前記定盤あるいは載置台に載置される被接合材の端部を把持し所定ピッチの送り動作を行うものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスポット接合システム。
- 曲面状部分を有する複数の被接合材を重ね合わせてスポット接合するスポット接合システムであって、
前記被接合材の曲面状部分に対応する曲面形状の支持部分を有し前記被接合材が載置される定盤と、
該定盤を跨ぐように配設される門型フレームと、
前記門型フレームに装着され、前記定盤に載置された被接合材を摩擦攪拌スポット接合するスポット接合ヘッドと、
前記被接合材を所定の送り方向に移動させる移動手段と、
前記被接合材の曲面状部分に対応する曲面形状の支持部分を有し前記定盤の入口側および出口側の両側において前記被接合材を案内する載置台とを備え、
前記スポット接合ヘッドが、前記被接合材の送り方向に直交する方向に横行自在でかつ傾動自在であり、上下方向に昇降自在に構成される一方、前記門型フレームが定位置に固定されていることを特徴とするスポット接合システム。
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Publications (3)
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