JP2004270618A - 車両の油温制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】暖機に要する燃料量を削減して燃費を低減すると共に既設の発電機を活用してコストダウンが図れる車両の油温制御装置を提供する。
【解決手段】車両のエンジン本体1内のエンジンオイルの温度を検出する油温センサ12と、上記車両が減速状態にあることを検出するための各種走行条件信号と、上記エンジンオイルを加熱可能に設けられた電気加熱ヒータ11と、上記油温センサが検出するエンジンオイル温度が所定温度以下で且つ車両が減速状態であるときにオルタネータ8による発電の余剰電力を上記電気加熱ヒータ11に通電する電子制御ユニット10と、を備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】車両のエンジン本体1内のエンジンオイルの温度を検出する油温センサ12と、上記車両が減速状態にあることを検出するための各種走行条件信号と、上記エンジンオイルを加熱可能に設けられた電気加熱ヒータ11と、上記油温センサが検出するエンジンオイル温度が所定温度以下で且つ車両が減速状態であるときにオルタネータ8による発電の余剰電力を上記電気加熱ヒータ11に通電する電子制御ユニット10と、を備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等車両の内燃機関や変速機の暖機を効果的に促進するようにした車両の油温制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
自動車の内燃機関(エンジン)部分は熱容量が大きく始動直後の冷態時は、エンジン本体や冷却水,潤滑油の昇温にも燃料が使われている。自動車ユーザの約半分における1走行距離は5km以内であり、実用燃費に暖機過程が占める割合は大きい。暖機中は潤滑油粘度が高くフリクション増大の一要因となっている。また、潤滑油温は冷却水温より昇温が遅い。
【0003】
そこで、暖機中のフリクション低減のためにエンジンオイル(潤滑油)の昇温促進が望まれており、従来では特許文献1及び2で、オイルウォーマなどのアイデアが提案されているが、これらはエンジン冷却水からの熱移動によるものであることから熱交換効率が低く、エンジンの暖機促進効果は目減りするという問題点があった。
【0004】
また、特許文献3では、制動時に車載発電機により発電された電力をコンデンサに充電し、エンジンオイルが所定温度に達しないうちはコンデンサやバッテリからヒータに電力を供給してエンジンオイルを暖める技術が開示されている。しかしながら、この技術ではバッテリの他にコンデンサを設ける必要があるため装置が複雑化すると共にコストアップを招来するという問題がある。また、コンデンサからの電力で不十分ならバッテリも使用する制御となっており、エンジンオイルの昇温を最優先とする制御となっているため、燃費向上効果は殆ど期待できない問題もある。
【0005】
そこで本発明は、暖機に要する燃料量を削減して燃費を低減すると共に既設の発電機を活用してコストダウンが図れる車両の油温制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−323117号公報
【特許文献2】
特開2001−132450号公報
【特許文献3】
実開平4−69605号公報
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための、本発明の請求項1に係る車両の油温制御装置は、車両の内燃機関内または変速機内のオイルの温度を検出する油温検出手段と、上記車両が減速状態にあることを検出する減速状態検出手段と、上記オイルを加熱可能に設けられたオイル加熱ヒータと、上記油温検出手段が検出するオイル温度が所定温度以下で且つ車両が減速状態であるときに車載発電機による発電の余剰電力を上記オイル加熱ヒータに通電する制御装置と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
これにより、燃費悪化要因とならない範囲でオイルの暖機を促進して燃費を向上させることができるし、余剰電力をオイル加熱ヒータに直接供給するので装置が複雑化することも防止できる。
【0009】
また、上記制御装置は、オイル温度が所定温度以下で且つ車両が減速状態であるときは上記発電機による発電量を大きく設定するよう構成されていることを特徴とする。
【0010】
これにより、オイル加熱ヒータに通電するときの余剰電力が多くなるので效率良くオイルを加熱でき燃費を向上できる。
【0011】
また、上記オイル加熱ヒータは、オイルフィルタの取付部に取り付けられていることを特徴とする。
【0012】
これにより、オイルフィルタはオイルが流通し易い位置に取り付けられるので效率良くオイルを加熱できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両の油温制御装置を実施例により図面を用いて詳細に説明する。
【0014】
[第1実施例]
図1は本発明の第1実施例を示すエンジンの油温制御装置の概略構成図、図2は同じく油温制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0015】
図1において、1は内燃機関としてのエンジン本体で、2は前記エンジン本体1の各部の潤滑に供されるエンジンオイル(潤滑油)が貯溜されるオイルパンである。このオイルパン2内にはエンジン本体1のカム軸から駆動力を受けて回転する図示しないオイルポンプが備えられ、このオイルポンプによりオイルパン2内のエンジンオイルがエンジン本体1のメインジャーナルをはじめ各部に圧送される。各部を潤滑したエンジンオイルは重力によって再びオイルパン2内に戻される。
【0016】
3は前記エンジン本体1のウォータジャケット内を流れて高温となったエンジン冷却水の熱を大気中に放熱するラジエータで、4は前記エンジン冷却水をウォータジャケット,ラジエータ3及びヒータコア5等からなる冷却系内を循環させるウォータポンプである。このウォータポンプ4はエンジン本体1のクランク軸からVベルト6によって駆動される。7は前記エンジン冷却水の温度を適正に制御すべく前記冷却系を切り替えるサーモスタットである。
【0017】
8は前記エンジン本体1のクランク軸からVベルト6によって駆動されるオルタネータ(発電機)で、バッテリ9に回路接続されている。このオルタネータ8は制御装置としての電子制御ユニット(以下、ECUと記す)10により後述する発電制御(励磁電流の増減制御)が行われるようになっている。
【0018】
そして、本実施例では、前記ECU10により前記オイルパン2内に設けられてオイルパン2内のエンジンオイルを加熱・昇温し得る電気加熱ヒータ(オイル加熱ヒータ)11が通電制御されるようになっている。
【0019】
前記ECU10は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたマイクロコンピュータからなる。このECU10には、オイルパン2内のエンジンオイルの温度を検出する油温検出手段としての油温センサ12の検出信号が入力されると共に、クランク角センサのエンジン回転数信号,アイドルスイッチのON−OFF信号,ブレーキランプ(スイッチ)のON−OFF信号,減速燃料カット信号等の車両の走行条件信号(減速状態検出手段)と、リアデフォッガースイッチのON−OFF信号やエアコンディショナーのON−OFF信号等の車両の電気負荷信号が入力されている。
【0020】
そして、前記ECU10は、前記油温センサ12が検出するエンジンオイルの温度(油温)が所定温度以下で且つ前記走行条件信号により車両が減速状態にあることを検出した場合に、前記オルタネータ8による発電の余剰電力を前記電気加熱ヒータ11に通電・制御するようになっている。
【0021】
これを図2の制御ルーチンに沿って、詳しく説明する。
先ず、ステップP1で油温センサ12によりオイルパン2内のエンジンオイルの温度を検出した後、ステップP2で該検出温度が所定値以下か否かを判断する。ここで、所定値を越えていればエンジン本体1は暖機後であると判定して油温制御は行わず、所定値以下であれば暖機途上であると判定してステップP3に移行する。
【0022】
前記ステップP3でクランク角センサのエンジン回転数信号,アイドルスイッチのON−OFF信号,ブレーキランプのON−OFF信号,減速燃料カット信号等の車両の走行条件信号を読み込んだ後、ステップP4で該走行条件信号から車両が減速状態にあるか否かを判断する。例えば、エンジン回転数が所定値以上でアイドルスイッチがONまたはエンジン回転数が所定値以上でブレーキランプが点灯(スイッチON)または減速燃料カット信号が入力されれば車両が減速状態にあると判定されるのである。
【0023】
前記ステップP4で車両が減速状態にないと判定したら、ステップP8でオルタネータ8を発電量が小さい通常発電モードに制御した後、ステップP9で電気加熱ヒータ11への通電を中止する。すなわち、オイルパン2内のエンジンオイルへの加熱・昇温は行わないのである。
【0024】
一方、前記ステップP4で車両が減速状態にあると判定したら、ステップP5でリアデフォッガースイッチのON−OFF信号やエアコンディショナーのON−OFF信号等の車両の電気負荷信号に基づいて、車両の要求電気負荷(必要電力)を検出・計算した後、ステップP6でオルタネータ8を発電量が大きい回生発電モードに制御する。
【0025】
そして、最後にステップP7でオルタネータ8の発電電力から車両の要求電気負荷(必要電力)を差し引いた発電電力余剰分を計算し、この余剰分を前記電気加熱ヒータ11に通電して、オイルパン2内のエンジンオイルを加熱・昇温するのである。
【0026】
このようにして本実施例では、エンジンオイルの温度が所定温度以下で且つ車両が減速状態であるときにオルタネータ8による発電の余剰電力を電気加熱ヒータ11に通電してエンジンオイルを暖めるようにしているため、燃費悪化要因とならない範囲でエンジンオイルの暖機を促進して燃費を向上させることができると共に、余剰電力を電気加熱ヒータに直接供給するので別にバッテリやキャパシタ等を設ける必要がなく、装置の簡略化によりコストダウンが図れる。
【0027】
また、エンジンオイルの温度が所定温度以下で且つ車両が減速状態であるときは前記オルタネータ8による発電量を大きく設定するようにしているので、電気加熱ヒータ11に通電するときの余剰電力が多くなるので效率良くエンジンオイルを加熱でき燃費を向上できる。
【0028】
[第2実施例]
図3は本発明の第2実施例を示すエンジンの油温制御装置の要部構成図である。
【0029】
本実施例は、第1実施例における電気加熱ヒータ11をエンジン本体1におけるオイルフィルタ13の取付部に外付けするようにしたもので、その他の構成は第1実施例と同様である。
【0030】
これによれば、エンジンオイルの流通し易いオイル通路にて效率良くエンジンオイルを加熱できる。
【0031】
尚、本発明は上記各実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能であることはいうまでもない。例えば、本発明の油温制御はエンジンオイルに限定されず、変速機のオイルにも適用できる。また、本発明の発電機はオルタネータ8に限定されず、HEV(ハイブリット電気自動車)のモータ/ジェネレータ等でも良い。この場合、車両にはバッテリやキャパシタが搭載されるが、これらの受け入れ性が確保されていれば、暖機中の条件が外れてもモータ/ジェネレータ等を回生発電モードに制御して回生電力を充電に廻すことができるのはいうまでもない。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、車両の内燃機関内または変速機内のオイルの温度を検出する油温検出手段と、上記車両が減速状態にあることを検出する減速状態検出手段と、上記オイルを加熱可能に設けられたオイル加熱ヒータと、上記油温検出手段が検出するオイル温度が所定温度以下で且つ車両が減速状態であるときに車載発電機による発電の余剰電力を上記オイル加熱ヒータに通電する制御装置と、を備えたので、燃費悪化要因とならない範囲でオイルの暖機を促進して燃費を向上させることができると共に、余剰電力をオイル加熱ヒータに直接供給するので装置が複雑化することも防止できコストダウンが図れる。
【0033】
請求項2の発明によれば、上記制御装置は、オイル温度が所定温度以下で且つ車両が減速状態であるときは上記発電機による発電量を大きく設定するよう構成されているので、オイル加熱ヒータに通電するときの余剰電力が多くなるので效率良くオイルを加熱でき燃費を向上できる。
【0034】
請求項3の発明によれば、上記オイル加熱ヒータは、オイルフィルタの取付部に取り付けられているので、オイルの流通し易いオイル通路にて效率良くオイルを加熱できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すエンジンの油温制御装置の概略構成図である。
【図2】同じく油温制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施例を示すエンジンの油温制御装置の要部構成図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体,2 オイルパン,3 ラジエータ,4 ウォータジャケット,5 ヒータコア,6 Vベルト,7 サーモスタット,8 オルタネータ,9 バッテリ,10 電子制御ユニット(ECU),11 電気加熱ヒータ,12 油温センサ,13 オイルフィルタ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等車両の内燃機関や変速機の暖機を効果的に促進するようにした車両の油温制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
自動車の内燃機関(エンジン)部分は熱容量が大きく始動直後の冷態時は、エンジン本体や冷却水,潤滑油の昇温にも燃料が使われている。自動車ユーザの約半分における1走行距離は5km以内であり、実用燃費に暖機過程が占める割合は大きい。暖機中は潤滑油粘度が高くフリクション増大の一要因となっている。また、潤滑油温は冷却水温より昇温が遅い。
【0003】
そこで、暖機中のフリクション低減のためにエンジンオイル(潤滑油)の昇温促進が望まれており、従来では特許文献1及び2で、オイルウォーマなどのアイデアが提案されているが、これらはエンジン冷却水からの熱移動によるものであることから熱交換効率が低く、エンジンの暖機促進効果は目減りするという問題点があった。
【0004】
また、特許文献3では、制動時に車載発電機により発電された電力をコンデンサに充電し、エンジンオイルが所定温度に達しないうちはコンデンサやバッテリからヒータに電力を供給してエンジンオイルを暖める技術が開示されている。しかしながら、この技術ではバッテリの他にコンデンサを設ける必要があるため装置が複雑化すると共にコストアップを招来するという問題がある。また、コンデンサからの電力で不十分ならバッテリも使用する制御となっており、エンジンオイルの昇温を最優先とする制御となっているため、燃費向上効果は殆ど期待できない問題もある。
【0005】
そこで本発明は、暖機に要する燃料量を削減して燃費を低減すると共に既設の発電機を活用してコストダウンが図れる車両の油温制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−323117号公報
【特許文献2】
特開2001−132450号公報
【特許文献3】
実開平4−69605号公報
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための、本発明の請求項1に係る車両の油温制御装置は、車両の内燃機関内または変速機内のオイルの温度を検出する油温検出手段と、上記車両が減速状態にあることを検出する減速状態検出手段と、上記オイルを加熱可能に設けられたオイル加熱ヒータと、上記油温検出手段が検出するオイル温度が所定温度以下で且つ車両が減速状態であるときに車載発電機による発電の余剰電力を上記オイル加熱ヒータに通電する制御装置と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
これにより、燃費悪化要因とならない範囲でオイルの暖機を促進して燃費を向上させることができるし、余剰電力をオイル加熱ヒータに直接供給するので装置が複雑化することも防止できる。
【0009】
また、上記制御装置は、オイル温度が所定温度以下で且つ車両が減速状態であるときは上記発電機による発電量を大きく設定するよう構成されていることを特徴とする。
【0010】
これにより、オイル加熱ヒータに通電するときの余剰電力が多くなるので效率良くオイルを加熱でき燃費を向上できる。
【0011】
また、上記オイル加熱ヒータは、オイルフィルタの取付部に取り付けられていることを特徴とする。
【0012】
これにより、オイルフィルタはオイルが流通し易い位置に取り付けられるので效率良くオイルを加熱できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両の油温制御装置を実施例により図面を用いて詳細に説明する。
【0014】
[第1実施例]
図1は本発明の第1実施例を示すエンジンの油温制御装置の概略構成図、図2は同じく油温制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0015】
図1において、1は内燃機関としてのエンジン本体で、2は前記エンジン本体1の各部の潤滑に供されるエンジンオイル(潤滑油)が貯溜されるオイルパンである。このオイルパン2内にはエンジン本体1のカム軸から駆動力を受けて回転する図示しないオイルポンプが備えられ、このオイルポンプによりオイルパン2内のエンジンオイルがエンジン本体1のメインジャーナルをはじめ各部に圧送される。各部を潤滑したエンジンオイルは重力によって再びオイルパン2内に戻される。
【0016】
3は前記エンジン本体1のウォータジャケット内を流れて高温となったエンジン冷却水の熱を大気中に放熱するラジエータで、4は前記エンジン冷却水をウォータジャケット,ラジエータ3及びヒータコア5等からなる冷却系内を循環させるウォータポンプである。このウォータポンプ4はエンジン本体1のクランク軸からVベルト6によって駆動される。7は前記エンジン冷却水の温度を適正に制御すべく前記冷却系を切り替えるサーモスタットである。
【0017】
8は前記エンジン本体1のクランク軸からVベルト6によって駆動されるオルタネータ(発電機)で、バッテリ9に回路接続されている。このオルタネータ8は制御装置としての電子制御ユニット(以下、ECUと記す)10により後述する発電制御(励磁電流の増減制御)が行われるようになっている。
【0018】
そして、本実施例では、前記ECU10により前記オイルパン2内に設けられてオイルパン2内のエンジンオイルを加熱・昇温し得る電気加熱ヒータ(オイル加熱ヒータ)11が通電制御されるようになっている。
【0019】
前記ECU10は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたマイクロコンピュータからなる。このECU10には、オイルパン2内のエンジンオイルの温度を検出する油温検出手段としての油温センサ12の検出信号が入力されると共に、クランク角センサのエンジン回転数信号,アイドルスイッチのON−OFF信号,ブレーキランプ(スイッチ)のON−OFF信号,減速燃料カット信号等の車両の走行条件信号(減速状態検出手段)と、リアデフォッガースイッチのON−OFF信号やエアコンディショナーのON−OFF信号等の車両の電気負荷信号が入力されている。
【0020】
そして、前記ECU10は、前記油温センサ12が検出するエンジンオイルの温度(油温)が所定温度以下で且つ前記走行条件信号により車両が減速状態にあることを検出した場合に、前記オルタネータ8による発電の余剰電力を前記電気加熱ヒータ11に通電・制御するようになっている。
【0021】
これを図2の制御ルーチンに沿って、詳しく説明する。
先ず、ステップP1で油温センサ12によりオイルパン2内のエンジンオイルの温度を検出した後、ステップP2で該検出温度が所定値以下か否かを判断する。ここで、所定値を越えていればエンジン本体1は暖機後であると判定して油温制御は行わず、所定値以下であれば暖機途上であると判定してステップP3に移行する。
【0022】
前記ステップP3でクランク角センサのエンジン回転数信号,アイドルスイッチのON−OFF信号,ブレーキランプのON−OFF信号,減速燃料カット信号等の車両の走行条件信号を読み込んだ後、ステップP4で該走行条件信号から車両が減速状態にあるか否かを判断する。例えば、エンジン回転数が所定値以上でアイドルスイッチがONまたはエンジン回転数が所定値以上でブレーキランプが点灯(スイッチON)または減速燃料カット信号が入力されれば車両が減速状態にあると判定されるのである。
【0023】
前記ステップP4で車両が減速状態にないと判定したら、ステップP8でオルタネータ8を発電量が小さい通常発電モードに制御した後、ステップP9で電気加熱ヒータ11への通電を中止する。すなわち、オイルパン2内のエンジンオイルへの加熱・昇温は行わないのである。
【0024】
一方、前記ステップP4で車両が減速状態にあると判定したら、ステップP5でリアデフォッガースイッチのON−OFF信号やエアコンディショナーのON−OFF信号等の車両の電気負荷信号に基づいて、車両の要求電気負荷(必要電力)を検出・計算した後、ステップP6でオルタネータ8を発電量が大きい回生発電モードに制御する。
【0025】
そして、最後にステップP7でオルタネータ8の発電電力から車両の要求電気負荷(必要電力)を差し引いた発電電力余剰分を計算し、この余剰分を前記電気加熱ヒータ11に通電して、オイルパン2内のエンジンオイルを加熱・昇温するのである。
【0026】
このようにして本実施例では、エンジンオイルの温度が所定温度以下で且つ車両が減速状態であるときにオルタネータ8による発電の余剰電力を電気加熱ヒータ11に通電してエンジンオイルを暖めるようにしているため、燃費悪化要因とならない範囲でエンジンオイルの暖機を促進して燃費を向上させることができると共に、余剰電力を電気加熱ヒータに直接供給するので別にバッテリやキャパシタ等を設ける必要がなく、装置の簡略化によりコストダウンが図れる。
【0027】
また、エンジンオイルの温度が所定温度以下で且つ車両が減速状態であるときは前記オルタネータ8による発電量を大きく設定するようにしているので、電気加熱ヒータ11に通電するときの余剰電力が多くなるので效率良くエンジンオイルを加熱でき燃費を向上できる。
【0028】
[第2実施例]
図3は本発明の第2実施例を示すエンジンの油温制御装置の要部構成図である。
【0029】
本実施例は、第1実施例における電気加熱ヒータ11をエンジン本体1におけるオイルフィルタ13の取付部に外付けするようにしたもので、その他の構成は第1実施例と同様である。
【0030】
これによれば、エンジンオイルの流通し易いオイル通路にて效率良くエンジンオイルを加熱できる。
【0031】
尚、本発明は上記各実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能であることはいうまでもない。例えば、本発明の油温制御はエンジンオイルに限定されず、変速機のオイルにも適用できる。また、本発明の発電機はオルタネータ8に限定されず、HEV(ハイブリット電気自動車)のモータ/ジェネレータ等でも良い。この場合、車両にはバッテリやキャパシタが搭載されるが、これらの受け入れ性が確保されていれば、暖機中の条件が外れてもモータ/ジェネレータ等を回生発電モードに制御して回生電力を充電に廻すことができるのはいうまでもない。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、車両の内燃機関内または変速機内のオイルの温度を検出する油温検出手段と、上記車両が減速状態にあることを検出する減速状態検出手段と、上記オイルを加熱可能に設けられたオイル加熱ヒータと、上記油温検出手段が検出するオイル温度が所定温度以下で且つ車両が減速状態であるときに車載発電機による発電の余剰電力を上記オイル加熱ヒータに通電する制御装置と、を備えたので、燃費悪化要因とならない範囲でオイルの暖機を促進して燃費を向上させることができると共に、余剰電力をオイル加熱ヒータに直接供給するので装置が複雑化することも防止できコストダウンが図れる。
【0033】
請求項2の発明によれば、上記制御装置は、オイル温度が所定温度以下で且つ車両が減速状態であるときは上記発電機による発電量を大きく設定するよう構成されているので、オイル加熱ヒータに通電するときの余剰電力が多くなるので效率良くオイルを加熱でき燃費を向上できる。
【0034】
請求項3の発明によれば、上記オイル加熱ヒータは、オイルフィルタの取付部に取り付けられているので、オイルの流通し易いオイル通路にて效率良くオイルを加熱できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すエンジンの油温制御装置の概略構成図である。
【図2】同じく油温制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施例を示すエンジンの油温制御装置の要部構成図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体,2 オイルパン,3 ラジエータ,4 ウォータジャケット,5 ヒータコア,6 Vベルト,7 サーモスタット,8 オルタネータ,9 バッテリ,10 電子制御ユニット(ECU),11 電気加熱ヒータ,12 油温センサ,13 オイルフィルタ。
Claims (3)
- 車両の内燃機関内または変速機内のオイルの温度を検出する油温検出手段と、
上記車両が減速状態にあることを検出する減速状態検出手段と、
上記オイルを加熱可能に設けられたオイル加熱ヒータと、
上記油温検出手段が検出するオイル温度が所定温度以下で且つ車両が減速状態であるときに車載発電機による発電の余剰電力を上記オイル加熱ヒータに通電する制御装置と、を備えたことを特徴とする車両の油温制御装置。 - 上記制御装置は、オイル温度が所定温度以下で且つ車両が減速状態であるときは上記発電機による発電量を大きく設定するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両の油温制御装置。
- 上記オイル加熱ヒータは、オイルフィルタの取付部に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の車両の油温制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003064836A JP2004270618A (ja) | 2003-03-11 | 2003-03-11 | 車両の油温制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003064836A JP2004270618A (ja) | 2003-03-11 | 2003-03-11 | 車両の油温制御装置 |
Publications (1)
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