JP5104615B2 - 車両用昇温装置 - Google Patents

車両用昇温装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5104615B2
JP5104615B2 JP2008186650A JP2008186650A JP5104615B2 JP 5104615 B2 JP5104615 B2 JP 5104615B2 JP 2008186650 A JP2008186650 A JP 2008186650A JP 2008186650 A JP2008186650 A JP 2008186650A JP 5104615 B2 JP5104615 B2 JP 5104615B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
amount
engine
heat amount
waste heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008186650A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010023633A (ja
Inventor
翼 作石
池本  宣昭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2008186650A priority Critical patent/JP5104615B2/ja
Publication of JP2010023633A publication Critical patent/JP2010023633A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5104615B2 publication Critical patent/JP5104615B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、車両の所定の昇温対象を昇温するための車両用昇温装置に関する。
車両には、一般的に車両用暖房装置が搭載されている。車両用暖房装置としては、冷却水によりエンジンから回収した廃熱を利用して暖房を行う構成が知られている。詳細には、配管によって冷却水をヒータコアに導き、送風装置によって起こした風がヒータコアを通過するようにすることにより温風を得るようにしている。
また、エンジンの廃熱とは異なる熱源として、電気ヒータが設けられた構成が知られている(例えば特許文献1参照)。この場合、冷却水にて回収した廃熱では車室を十分に暖房することができない状況などにおいて電気ヒータへの通電を行い、当該電気ヒータからの熱によって温風を得るようにしている。当該構成としては、送風装置によって起こした風が電気ヒータを通過するようにする構成や、電気ヒータによって冷却水を暖める構成が知られている。
特開2001―171335号公報
ここで、近年では、交差点などで走行停止した際に、エンジンのアイドリングを停止するアイドリングストップ制御を行って、燃費向上を図る車両が提案されている。また、エンジンと電動機とを駆動源として搭載された車両では、走行停止した際などにエンジンを停止して燃費向上を図っている。
しかしながら、上記のようにエンジンの廃熱を利用して暖房を行う構成では、車室における暖房要求が冷却水の温度に比して高い場合には、燃費の向上を図る上でエンジンを停止させている状況であってもエンジンを始動させ、冷却水の温度を上昇させるようにしている。この場合、必要な熱量が低い状況などにおいては燃費効率が低効率である状態でエンジンを動作させる必要が生じ、エンジンの燃費向上を好適に図れなくなってしまう。その一方、エンジンを停止させている状況では常に電気ヒータを熱源として用いるとすると、当該電気ヒータを発熱させる上で多大な動作電力を要することとなり好ましくない。
なお、上記のような問題は、車両用暖房装置に限定される問題ではなく、例えば、触媒の暖機装置や、オートマチックトランスミッションの動作油やエンジンオイルといった各種オイルの昇温装置などにおいても同様に発生する問題である。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、エンジンの廃熱とそれとは異なる発熱手段とを熱源として有する車両用昇温装置であって、エンジンの燃費向上を図りつつ、所定の昇温対象の昇温を好適に行うことができる車両用昇温装置を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段、及び作用効果について記載する。
本発明の車両用昇温装置は、昇温対象をエンジンの廃熱を利用して昇温させるとともに、当該廃熱とは異なる熱源である発熱手段を発熱させることによっても前記昇温対象を昇温させる構成である。そして、第1の発明では、前記昇温対象にて要求される要求熱量を算出する要求熱量算出手段と、当該要求熱量算出手段により算出された要求熱量のうち前記エンジンの廃熱により分担する量であって前記エンジンの燃費効率が所定の効率以上となるようにするための廃熱量を取得する取得手段と、当該取得手段が取得した廃熱量に応じて前記エンジンの廃熱量を増加させる廃熱制御手段と、前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量に対して前記エンジンの廃熱量では不足する熱量を補うように前記発熱手段を発熱させる発熱制御手段と、を備えている。
本構成によれば、昇温対象を昇温させる必要が生じた場合には、算出された要求熱量のうち、エンジンの燃費効率を所定の効率以上とする熱量分についてはエンジンの廃熱により生じさせ、エンジンの廃熱では足りない分については発熱手段を発熱させることにより補われる。このように所定の廃熱量を基準として、エンジンの廃熱及び発熱手段の少なくとも一方において要求熱量を満たすようにしたことにより、エンジンの燃費効率が所定の効率以上となるようにしながら、要求される温度レベルに対応させて昇温対象を昇温させることができる。
第2の発明では、前記取得手段により取得される前記廃熱量は、所定の下限値を下回る要求熱量に対してはゼロとなるように設定されている。要求熱量が少ない場合にそれを生じさせるためだけの目的でエンジンを動作させると、当該エンジンを燃費効率が低効率である状態で動作させる必要が生じるが、上記のとおり取得手段により取得される廃熱量が所定の下限値を下回る要求熱量に対してはゼロとなるように設定されていることにより、このような状況では要求熱量は発熱手段を発熱させることにより補われる。よって、エンジンの燃費効率の向上を図りながら、要求される温度レベルに対応させて昇温対象を昇温させることができる。
第3の発明では、前記エンジンの停止中において前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量が前記所定の下限値を下回っている場合、前記廃熱制御手段は前記エンジンの停止中である状態を維持させるとともに、前記発熱制御手段は前記算出された要求熱量の全てを補うように前記発熱手段を発熱させる。これにより、エンジンの停止中において少ない要求熱量に係る昇温要求があった場合には、エンジンの停止状態が維持されながら、その要求熱量は発熱手段を発熱させることにより補われる。よって、昇温対象の昇温要求に応じて燃費効率が低効率である状態でエンジンを始動させる必要がなくなり、燃費効率の向上を図ることができる。
第4の発明では、前記取得手段により取得される前記廃熱量は、前記所定の下限値を下回る要求熱量に対してはゼロとなるように設定されているとともに、当該所定の下限値の要求熱量に対しては前記エンジンの燃費効率が前記所定の効率以上となる開始基準値となるように設定されている。取得手段により取得される廃熱量が要求熱量の増加に応じてゼロから除々に増加する構成とするのではなく、要求熱量が所定の下限値に達することでそれまでのゼロの状態から開始基準値に立ち上がる構成としたことにより、燃費効率を所定の効率以上としながら、エンジンの廃熱量及び発熱手段の発熱量への要求熱量の配分が開始されることとなる。
第5の発明では、前記発熱手段は、車両において電力を蓄える蓄電手段から電力が供給されることにより発熱する電気ヒータであり、前記所定の下限値は、前記蓄電手段における残電力量が第1残電力量よりも少ない第2残電力量である場合、前記第1残電力量の場合よりも小さい値となるように設定されている。これにより、蓄電手段の残電力量の関係から電気ヒータでは要求熱量を補えない状況においては、それを補うようにエンジンの廃熱量が増加することとなる。
第6の発明では、前記発熱手段は、前記エンジンから出力された動力に基づき発電手段において生成された電力が供給され、その電力供給により発熱する電気ヒータであり、前記取得手段により取得される前記廃熱量は、前記エンジンの廃熱量及び前記電気ヒータの発熱量の少なくとも一方への前記要求熱量の配分を前記エンジンの燃費効率が前記所定の効率以上となるようにして行った場合における前記エンジンの予測廃熱量として設定されている。本構成では、エンジンが動作した場合、エンジンの廃熱により昇温対象を昇温させることができるとともに、エンジンの動力に基づき発電手段にて発電された電力が電気ヒータに供給され当該電気ヒータが発熱することによっても昇温対象を昇温させることができる。この場合に、取得手段により取得される廃熱量は、エンジンの廃熱量及び電気ヒータの発熱量の少なくとも一方への要求熱量の配分を燃費効率が所定の効率以上となるようにして行った場合におけるエンジンの予測廃熱量として設定されているため、燃費効率の向上を図ることができる。
第7の発明では、前記取得手段が取得した前記廃熱量及び車両の走行要求の両方を満たすように前記エンジンを動作させた場合の廃熱量を算出する廃熱量算出手段を備え、前記発熱制御手段は、前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量に対して前記廃熱量算出手段により算出された廃熱量では不足する熱量を補うように前記発熱手段を発熱させるとともに、前記廃熱量算出手段により算出された廃熱量が前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量を上回る場合には前記発熱手段を発熱させないようにするものである。これにより、車両の走行要求を満たすようにエンジンを動作させることにより生じる廃熱量によって要求熱量が全て補われる場合には発熱手段が発熱されることはなく、発熱手段における発熱が必要以上に行われてしまうことが防止される。
第8の発明では、前記廃熱制御手段は、前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量が前記発熱手段の発熱により補える限界熱量を超えている場合には、少なくともその不足分の熱量を前記エンジンの廃熱によって補うようにするものである。これにより、発熱手段の発熱により補える限界熱量を超えるような温度レベルが要求された場合であっても、その際の要求熱量を補うことができる。
第9の発明では、前記昇温対象は、前記エンジンの冷却水又は車室である。車両用暖房装置において上記優れた効果を奏することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。本実施形態は、エンジンと電動発電機とを駆動源としてそれらいずれかの動力により走行する、いわゆるハイブリッド車両に具体化する事例を説明する。図1は、本実施形態の車両における制御システムの概略構成を示す図面である。
図1に示すように、本制御システムが適用される車両には、主動力発生手段として、ガソリンや軽油等の燃料の燃焼により動力を発生するエンジン10が搭載されている。また、副動力発生手段として、発電機11と、電動発電機12とが搭載されている。
エンジン10のトルクを伝達するための出力軸13(クランクシャフトを含む)は動力分配部14に接続されているとともに、発電機11及び電動発電機12がそれぞれ第1回転軸15及び第2回転軸16を介して動力分配部14に接続されている。動力分配部14は、遊星歯車機構を備えて構成されており、そのプラネタリギア(図示略)がエンジン10の出力軸13と、サンギア(図示略)が発電機11に通じる第1回転軸15と、リングギア(図示略)が電動発電機12に通じる第2回転軸16とそれぞれ接続されている。
エンジン10のトルクは、動力分配部14を介して、第1回転軸15と第2回転軸16とに分配される。第2回転軸16は減速機21を介して車軸22と接続されており、当該第2回転軸16に分配されたエンジン10のトルクは、車両の車軸22に伝えられる。また、第1回転軸15に分配されたトルクにより発電機11が動作し、当該発電機11の発電エネルギはインバータ23を介して直流電源としてのバッテリ24に充電される。このバッテリ24の電力により、電動発電機12が動作し、当該電動発電機12のトルクは第2回転軸16を介して車軸22に伝えられる。
上記車両では、車両の発進時や低速走行時にはエンジン10を停止状態としながら電動発電機12のトルクのみにより車両を走行させることができるとともに、通常走行時や高負荷時にはエンジン10及び電動発電機12の両方のトルクにより車両を走行させることができる。また、減速時や制動時にはエンジン10は停止状態とされ、さらには電動発電機12において走行エネルギを回生して発電を行いバッテリ24の充電を行うことができる。なお、車両の停止時においてエンジン10を動作状態とすることでバッテリ24の充電を行うこともできる。
上記車両においてエンジン10には、冷却機構30が接続されている。当該冷却機構30は、ウォータポンプ31が動作することによって冷却水が循環することとなる循環通路32を備えている。当該循環通路32を通じてエンジン10に冷却水が供給されるとともに、エンジン10内を循環した冷却水は循環通路32内に戻ることとなる。また、循環通路32の途中位置には、冷却部としてのラジエータ33と、流量調節部としてのサーモスタット34と、放熱部としてのヒータコア35とが設けられている。
循環通路32は、サーモスタット34→エンジン10→ラジエータ33→サーモスタット34という順に冷却水が流れることとなる第1流路と、サーモスタット34→エンジン10→ヒータコア35→サーモスタット34という順に冷却水が流れることとなる第2流路とが設定されるように形成されている。第1流路及び第2流路の両方が通ることとなるサーモスタット34は、冷却水の温度に応じて感温部(図示略)が伸縮するようになっているとともに、この感温部の伸縮に応じて弁体(図示略)が開閉されるようになっている。また、サーモスタット34の弁体は、上述した冷却水温による制御だけではなく、後述するECU40によっても制御されるようになっており、いわゆる電御サーモスタットが適用されている。サーモスタット34が開弁されている状況では第1流路及び第2流路の両方を冷却水が循環し、サーモスタット34が閉弁されている状況では第2流路のみを冷却水が循環する。なお、後者の場合、ラジエータ33により冷却された冷却水がエンジン10に供給されなくなることで、エンジン10の動作時においては前者の場合よりもエンジン10内を循環する冷却水の温度は上昇することとなる。
ヒータコア35には、図示しないブロアファンから空調風が送り込まれるようになっており、ヒータコア35が設けられた領域を通過した空調風は車室に排出される。当該空調風は、ヒータコア35を通過する際に、当該ヒータコア35に供給されている冷却水を熱源として発熱される。
ヒータコア35に供給される冷却水は、動作状態のエンジン10を冷却する際に熱を奪うことにより、すなわちエンジン10の廃熱により、昇温される。また、第2流路においてエンジン10よりも下流側であってヒータコア35の上流側には電気ヒータ36が設けられている。電気ヒータ36は、インバータ23を介して、発電機11及びバッテリ24と電気的に接続されており、発電機11又はバッテリ24からの電力が供給されることにより発熱するようになっている。そして、電気ヒータ36が発熱することにより、エンジン10からヒータコア35に供給される冷却水が昇温される。
ここで、発電機11は既に説明したとおり、動力分配部14により第1回転軸15に分配されたエンジン10のトルクにより動作する。したがって、エンジン10の動作状態においては、当該エンジン10の動作に基づいて生じる廃熱により冷却水温を上昇させることができるとともに、エンジン10の動作に基づいて生じるトルクを通じて発電された電力によって電気ヒータ36を発熱させることにより冷却水温を上昇させることができる。
本制御システムは、ECU40を備えている。ECU40は、CPU、ROM、RAM、バックアップエリア等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成されている。なお、ECU40のROMには、記憶手段として、後述する各種マップ情報を記憶するマップ情報記憶部41が設けられている。
ECU40には、エンジン10に供給されている冷却水の温度を検出する冷却水温検出センサ42など、エンジン10の状態を検出するための各種センサが接続されている。その他に、ECU40には、車室における暖房の要求レベルを検出する暖房要求レベル検出スイッチ43と、車室内の温度を検出する車室温検出センサ44と、ドライバによるアクセル操作を検出するアクセル検出センサ45と、ドライバによるブレーキ操作を検出するブレーキ検出センサ46と、電動発電機12の回転数を検出する回転数検出センサ47と、が接続されている。
ECU40は、上記の各種センサ等の検出信号に基づいて、エンジン10においてインジェクタによる燃料噴射制御、点火装置による点火時期制御等を実行するとともに、発電機11や電動発電機12の動作状態や回生状態等を制御する。また、ECU40は、上記の各種センサ等の検出信号に基づいて、冷却水温を車室の暖房要求レベルに応じた温度とするために当該冷却水の温度を制御する。なお、エンジン10を制御するためのECUと、発電機11や電動発電機12を制御するためのECUとを個別に設けるとともに、前者のECUによって冷却水の温度を制御する構成としてもよく、上記各ECUとは別に冷却水の温度を制御するためのECUを設けてもよい。
ところで、エンジン10では、既に説明したとおり、燃費改善等を目的として、車両の停止時、始動時及び減速時には基本的に停止状態とされる。但し、車室における暖房要求は車両の走行状態に依存することなく行われ、エンジン10が停止状態であっても冷却水を昇温させる必要が生じる。本実施形態では、冷却水を昇温させるための熱源としてエンジン10の廃熱だけでなく電気ヒータ36が設けられていることを利用して、燃費改善の目的を果たしながら暖房要求を満たすこととしている。かかる冷却水の温度制御について以下に詳しく説明する。
図2及び図3を用いて、ECU40による冷却水温制御処理の手順を説明する。図2は冷却水温制御処理を示すフローチャートである。なお、この処理はECU40により例えば所定周期で繰り返し起動される。また、図3は冷却水温制御処理に用いる各種値を算出するよう機能する時の、ECU40のブロック図である。
冷却水温制御処理では、先ずステップS11において各種センサ42〜47からの検出信号を読み込み、ステップS12において目標冷却水温を算出する。当該目標冷却水温の算出は、暖房要求レベル検出スイッチ43によって検出されている暖房要求レベルと、車室温検出センサ44によって検出されている車室温とに基づき行われる。その後、ステップS13において、冷却水温検出センサ42によって検出されている冷却水の実温度が目標冷却水温を超えているか否かを判定する。
目標冷却水温を超えている場合(S13:YES)には、ステップS14にて、サーモスタット34を開弁状態とする又は開弁状態に維持するための開処理を実行し、ステップS15にて、電気ヒータ36の通電停止処理を実行した後に、本処理を一旦終了する。
一方、目標冷却水温以下である場合(S13:NO)には、ステップS16にて、サーモスタット34を閉弁状態とする又は閉弁状態に維持するための閉処理を実行する。その後、ステップS17にて、暖房の要求熱量を算出し、ステップS18にて、エンジンの推定廃熱量を算出し、ステップS19にて電気ヒータ36の要求発熱量を算出した後に、ステップS20にて、電気ヒータ36に発熱要求があるか否かを判定する。その結果、発熱要求がある場合(S20:YES)には、ステップS21にて電気ヒータ36の通電処理を実行した後に、本処理を一旦終了するとともに、発熱要求がない場合(S20:NO)には、ステップS15にて電気ヒータ36の通電停止処理を実行した後に、本処理を一旦終了する。
ここで、ステップS17〜ステップS19の処理について、図3のブロックB1〜B12を用いて詳細に説明する。
水温偏差算出部B1では、ステップS12において算出した目標冷却水温と、冷却水温検出センサ42によって検出されている実冷却水温との偏差を算出する。
要求熱量算出部B2では、水温偏差算出部B1が算出した偏差の情報と、ECU40に予め記憶されている冷却水の熱容量の情報と、ゲイン算出部B3において算出された補正量とを積算することに基づいて要求熱量Phrを算出する。この場合、冷却水の熱容量の情報は、冷却機構30において循環することとなる冷却水の全量を基準として設定されているが、これに限定されることはなく第2流路の容量に対応した冷却水の量を基準として設定されていてもよい。
また、ゲイン算出部B3は、冷却水温検出センサ42によって検出されている実冷却水温に基づいて要求熱量Phrのゲイン(補正量)を算出する機能を有しており、要求熱量算出部B2において上記ゲインがパラメータとして用いられることにより、要求熱量Phrが単に目標冷却水温と実冷却水温との偏差に対応したものではなく、実冷却水温に依存したものとなる。当該ゲインは、複数に区分けされた実冷却水温の温度範囲に対して個別にマップ情報として設定されており、高い温度範囲ほど大きなゲインとなるように設定されている。これにより、目標冷却水温と実冷却水温との偏差が同一であったとしても、実冷却水温が高いほど要求熱量Phrは大きくなる。
基準廃熱量算出部B4では、上記要求熱量Phrに基づき、現状の暖房要求に対してエンジン10の廃熱に分担させる量を算出する。
ここで、本実施形態では、エンジン10の燃費効率が高効率となるようにすべく、要求熱量Phrをエンジン10の廃熱により生じさせる分と電気ヒータ36の発熱により生じさせる分とに配分するようにしている。当該配分は、エンジン10の燃費効率が所定の効率以上となるように定められた基準廃熱量Phcrを参照することで行われる。基準廃熱量Phcrは、暖房要求レベルや実冷却水温に応じて変動することとなる要求熱量Phrに対応させてマップ情報として設定されている。
基準廃熱量Phcrは、要求熱量Phrがゼロから下限要求熱量Lp未満までの範囲Rにおいてはゼロとなるように設定されている。これにより、エンジン10の停止状態において少ない要求熱量Phrに係る暖房要求があった場合、それが電気ヒータ36の発熱によって補われることとなり、エンジン10を燃費効率が低効率な状態で動作させる必要がなくなる。
また、基準廃熱量Phcrは、下限要求熱量Lpにおいてゼロから初期廃熱量Ipに立ち上がるように設定されている。この場合、初期廃熱量Ipは下限要求熱量Lpと等しくなるように設定されている。下限要求熱量Lpはそれをエンジン10の廃熱により生じさせたとしても燃費効率が所定の効率以上とすることができる熱量として設定されている。
また、要求熱量Phrが下限要求熱量Lpを超えた場合には、要求熱量Phrの増加に応じて基準廃熱量Phcrが初期廃熱量Ipから増加するように、詳細には線形的に増加するように設定されている。この線形的に増加する範囲における基準廃熱量Phcrの傾き(増加率)は、エンジン10を動作状態とすることで廃熱量の増加及び電気ヒータ36の発熱の両方を同時に行うことができることに鑑みて、両者への配分比率によってエンジン10の燃費効率が所定の効率以上となるように設定されている。換言すれば、当該増加領域における基準廃熱量Phcrは、エンジン10の廃熱量及び電気ヒータ36の発熱量の両方への要求熱量Phrの配分を燃費効率が所定の効率以上となるようにして仮想的に行った場合におけるエンジン10の予測廃熱量として設定されている。これにより、エンジン10の動作に基づいて生じる廃熱とトルクとの両方を有効利用して暖房要求に応えることができ、燃費効率の向上を図ることができる。
また、基準廃熱量Phcrがゼロである範囲Rでは、要求熱量Phrの全てを電気ヒータ36の発熱量により補うこととなる。この場合に、当該範囲Rでは、電気ヒータ36はバッテリ24に蓄電された電力が供給されることにより動作することとなるが、当該バッテリ24に蓄電された電力は電動発電機12にも供給されるものであり、要求熱量Phrの全てを電気ヒータ36の発熱量により補えるほどの電力がバッテリ24に蓄電されていない場合も生じうる。そこで、上記基準廃熱量Phcrのマップ情報はバッテリ24の残存容量SOCに応じて複数設定されている。これら複数のマップ情報は、残存容量SOCが複数段階に設定された範囲に1対1で対応させて設定されており、下限要求熱量Lp及び初期廃熱量Ipの値が異なっているとともに、基準廃熱量Phcrの傾きが異なっている。また、ECU40には、バッテリ24の残存容量SOCが複数段階に設定された範囲のいずれに含まれているかを判定するSOC判定部B5が設けられている。
基準熱量算出部B4では、先ずSOC判定部B5における判定結果の情報から今回参照する基準廃熱量Phcrのマップ情報を特定する。そして、要求熱量算出部B2において算出された要求熱量Phrに応じた基準廃熱量Phcrを、上記特定したマップ情報を参照することで算出する。
暖房側要求パワー算出部B6では、現状の基準廃熱量Phcrを補うべくエンジン10の運転状態を設定した場合に車軸22に出力されることとなる暖房側要求パワーPherを算出する。詳細には、ECU40に予め設定されている暖房側要求パワーPherのマップ情報を参照して、現状の基準廃熱量Phcrに対応した暖房側要求パワーPherを算出する。
アクセル要求トルク算出部B7では、ECU40に予め設定されているアクセル要求トルクTpvのマップ情報を参照して、アクセル検出センサ45によって検出されているアクセル操作量と回転数検出センサ47によって検出されている電動発電機12の回転数とに対応したアクセル要求トルクTpvを算出する。なお、電動発電機12の回転数は車軸22の回転数又は車速に対応しており、アクセル要求トルク算出部B7では、アクセル操作量と、車軸22の回転数又は車速とに基づき、アクセル要求トルクTpvを算出しているとも言える。
走行側要求トルク算出部B8では、上記アクセル要求トルクTpvと、ブレーキ検出センサ46によって検出されているブレーキ操作量に対応したブレーキ要求トルクとの偏差として、走行側要求トルクTpを算出する。走行側要求パワー算出部B9では、上記走行側要求トルクTpと、回転数検出センサ47によって検出されている電動発電機12の回転数とを積算することで、走行側要求パワーPdを算出する。なお、上記走行側要求トルクTpは、ECU40において発電機11や電動発電機12を制御する場合にも用いられる。
車両要求パワー算出部B10では、SOC判定部B5の判定結果に対応した充放電要求パワーと、暖房側要求パワー算出部B6にて算出された暖房側要求パワーPherと、走行側要求パワー算出部B9にて算出された走行側要求パワーPdと、ECU40に予め記憶されている損失パワーとに基づき、これら各パワーの合計として車両要求パワーPvを算出する。なお、損失パワーの情報は、エンジン10のトルクが車軸22のパワーとして伝わる過程における動力分配部14やオートマチックトランスミッションなどにおける損失の推定量として設定されている。
エンジン要求パワー算出部B11では、上記車両要求パワーPvに基づき、現状の暖房要求及び走行要求を満たす上で必要なエンジン10の出力によるパワーとしてエンジン要求パワーPeを算出する。詳細には、ECU40に予め設定されているエンジン要求パワーPeのマップ情報を参照して、現状の車両要求パワーPvに対応したエンジン要求パワーPeを算出する。この場合、当該マップ情報は、車両要求パワーPvがゼロから所定の下限量未満までの範囲においてはエンジン要求パワーPeがゼロとなるように設定されているとともに、下限量ではエンジン要求パワーPeが初期要求パワーに立ち上がるように設定されている。そして、下限量を超えた場合には車両要求パワーPvの増加に応じてエンジン要求パワーPeが初期要求パワーから線形的に増加するように設定されている。
上記のようにエンジン要求パワーPeのマップ情報が設定されていることにより、車両要求パワーPvが所定の下限量よりも低い場合にはそれが電動発電機12の動作のみによって補われ、下限量以上となった場合にはエンジン10の動作のみ又は電動発電機12の動作との共同によって補われることとなる。これにより、燃費効率が高効率となる状況においてのみエンジン10を動作させることができる。なお、当該マップ情報の上記下限量は、基準廃熱量Phcrが初期廃熱量Ip以上である場合に暖房側要求パワー算出部B6にて算出された暖房側要求パワーPherの方が常に大きな値となるように設定されている。
推定廃熱量算出部B12では、ECU40に予め設定されている推定廃熱量Phcのマップ情報を参照して、上記エンジン要求パワーPeに対応した推定廃熱量Phcを算出する。
要求発熱量算出部B13では、要求熱量算出部B2にて算出された要求熱量Phrと、推定廃熱量算出部B12にて算出された推定廃熱量Phcとの偏差によって、電気ヒータ36の要求発熱量を算出する。この場合、推定廃熱量Phcが要求熱量Phrを上回っている場合には電気ヒータ36の通電は行われない。これにより、車両の走行要求を満たすようにエンジン10を動作させることにより生じる廃熱量によって要求熱量Phrが全て補われる場合には電気ヒータ36が通電されることはなく、電気ヒータ36の通電が必要以上に行われてしまうことが防止される。
また、上記エンジン要求パワーPeは、ECU40においてエンジン10を制御する場合にも用いられる。詳細には、ECU40では、エンジン要求パワーPeを満たすように、インジェクタによる燃料噴射制御や、点火装置による点火時期制御等が行われる。これにより、基準廃熱量算出部B4にて算出された基準廃熱量Phcrがゼロでない場合には、少なくともその基準廃熱量Phcr分がエンジン10の廃熱量により補われることとなる。なお、上記エンジン要求パワーPeは、ECU40において発電機11や電動発電機12を制御する場合にも用いられる。
図4〜図6は、上記図2及び図3の制御が実行された場合にエンジン10の廃熱量及び電気ヒータ36の発熱量に要求熱量が配分される様子を示すタイミングチャートであり、(a)は暖房スイッチのON状態又はOFF状態を示し、(b)は車速を示し、(c)はエンジン10の出力トルクを示し、(d)は実冷却水温を示し、(e)は暖房の要求熱量を示し、(f)はエンジン10の廃熱量を示し、(g)は電気ヒータ36の発熱量を示す。
先ず、車両が停止状態から走行状態となる場合であってエンジン10が暖房要求及び車両の走行要求のうち、車両の走行要求に応じて動作する場合について、図4を用いて説明する。
t1のタイミングで暖房スイッチがON状態に操作されると、(e)に示されるように実冷却水温を暖房要求レベルに応じた目標冷却水温にするために必要な要求熱量が算出される。この場合、当該要求熱量は、基準廃熱量のマップ情報において設定されている下限要求熱量よりも低い熱量である。したがって、(c)に示されるようにエンジン10は停止状態に維持されるとともに、(g)に示されるように上記要求熱量の全てを補うように電気ヒータ36の発熱が開始される。
その後、t2のタイミングで車両の走行が開始される。但し、(c)に示されるように、エンジン10は停止状態に維持され、車両の走行は電動発電機12が動作することにより行われる。その後、t3のタイミングで所定の車速となることで、(c)に示されるようにエンジン10が始動され、(f)に示されるようにエンジン10の廃熱量が増加し出す。
その後、t4のタイミングで、車両の走行要求に応じて動作するエンジン10の廃熱量によって暖房の要求熱量の全てを補うことができる状況となることで、(g)に示されるように電気ヒータ36の発熱が停止される。
その後、t5のタイミングで(d)に示されるように実冷却水温が目標冷却水温と一致する。但し、実冷却水温が外気などによって冷却されて目標冷却水温から低下してしまわないように、要求熱量は所定量に設定され続ける。かかる要求熱量はエンジン10の廃熱により補われる。
次に、車両が走行状態から停止状態となる場合であってエンジン10が暖房要求及び車両の走行要求のうち車両の走行要求に応じて動作する場合について、図5を用いて説明する。
t11のタイミングで暖房スイッチがON状態に操作されると、(e)に示されるように実冷却水温を暖房要求レベルに応じた目標冷却水温にするために必要な要求熱量が算出される。この場合、当該要求熱量は基準廃熱量のマップ情報において設定されている下限要求熱量よりも低い熱量である。但し、(c)に示されるように車両の走行に係る車両の走行要求に応じてエンジン10が動作状態であるため、(f)に示されるようにエンジン10の廃熱量は所定の熱量となっている。したがって、(g)に示されるように要求熱量に対してエンジン10の廃熱量の差分を補うように電気ヒータ36の発熱が開始される。
その後、t12のタイミングでドライバによるブレーキ操作が行われることでエンジン10は停止状態となり、(f)に示されるようにエンジン10の廃熱量が減少し出すことに合わせて、(g)に示されるように電気ヒータ36の発熱量がそれまでよりも若干増加する。
その後、t13のタイミングで(d)に示されるように実冷却水温が目標冷却水温と一致する。但し、実冷却水温が外気などによって冷却されて目標冷却水温から低下してしまわないように、要求熱量は所定量に設定され続ける。これに対応させて(g)に示されるように電気ヒータ36も発熱量が所定量となるように通電され続ける。その後、t14のタイミングで車両が停止状態となる。
次に、車両が停止状態に維持される場合であってエンジン10が暖房要求に応じて動作する場合について、図6を用いて説明する。
t21のタイミングで暖房スイッチがON状態に操作されると、(e)に示されるように実冷却水温を暖房要求レベルに応じた目標冷却水温にするために必要な要求熱量が算出される。この場合、当該要求熱量は、基準廃熱量のマップ情報において設定されている下限要求熱量よりも多い熱量である。したがって、(f)及び(g)に示されるように、要求熱量をエンジン10の廃熱量により補う分と電気ヒータ36の発熱量により補う分とのそれぞれに配分すべく、エンジン10が始動されるとともに電気ヒータ36の通電が開始される。
その後、t22のタイミングで要求熱量が、基準廃熱量のマップ情報において設定されている下限要求熱量よりも低い熱量となる。したがって、(c)に示されるようにエンジン10が停止状態となり(f)に示されるようにエンジン10の廃熱量が減少し出すことに合わせて、(g)に示されるように電気ヒータ36の発熱量がそれまでよりも若干増加する。その後、t23のタイミングで(d)に示されるように実冷却水温が目標冷却水温と一致する。この場合に、要求熱量及び電気ヒータ36の発熱量が所定量に設定され続けるのは、図5の場合と同様である。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
暖房要求に応じて冷却水を昇温させる必要が生じた場合には、その暖房要求レベルに基づき算出された要求熱量Phrのうち、エンジン10の燃費効率が所定の効率以上となるように当該要求熱量Phrに対して予め定められている基準廃熱量Phcrの分はエンジン10の廃熱により生じさせ、エンジン10の廃熱では補えない分が電気ヒータ36を発熱させることにより補われる。このように基準廃熱量Phcrを基準として要求熱量Phrを生じさせるようにしたことにより、エンジン10の燃費効率が所定の効率以上となるようにしながら、暖房要求レベルに対応させて冷却水を昇温させることができる。
基準廃熱量Phcrは、下限要求熱量Lpを下回る要求熱量Phrに対してはゼロとなるように設定されている。要求熱量Phrが少ない場合にそれを生じさせるためだけの目的でエンジン10を動作させると、当該エンジン10は燃費効率が低効率である状態で動作する必要が生じるが、上記のとおり下限要求熱量Lpを下回る要求熱量Phrに対しては基準廃熱量Phcrがゼロとなるように設定されていることにより、このような状況では電気ヒータ36を発熱させることにより要求熱量Phrが補われる。よって、エンジン10の燃費効率の向上を図りながら、暖房要求レベルに対応させて冷却水を昇温させることができる。
基準廃熱量Phcrは、下限要求熱量Lpを下回る要求熱量Phrに対してはゼロとなるように設定されているとともに、当該下限要求熱量Lpに対してはエンジン10の燃費効率が所定の効率以上となる初期廃熱量Ipとなるように設定されている。要求熱量Phrの増加に応じて基準廃熱量Phcrがゼロから除々に増加する構成とするのではなく、要求熱量Phrが下限要求熱量Lpに達することでそれまでのゼロの状態から初期廃熱量Ipに立ち上がる構成としたことにより、燃費効率を所定の効率以上としながら、エンジン10の廃熱量及び電気ヒータ36の発熱量の両方への要求熱量Phrの配分が開始されることとなる。
バッテリ24の残存容量SOCに応じて、参照する基準廃熱量Phcrのマップ情報が変更される。これにより、バッテリ24の残存容量SOCの関係から電気ヒータ36では要求熱量Phrを補えない状況においては、それを補うようにエンジン10の廃熱量が増加することとなる。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
・図7(a)及び(b)には、基準廃熱量Phcrのマップ情報の別形態を示す。
図7(a)の場合、上記実施形態と異なり、下限要求熱量Lp及び初期廃熱量Ipが設定されておらず、要求熱量Phrがゼロから増加するのに応じて基準廃熱量Phcrが線形的に増加する。この場合、基準廃熱量Phcrの傾きは、エンジン10を動作状態とすることで廃熱量の増加及び電気ヒータ36の発熱の両方を同時に行うことができることに鑑みて、両者への配分比率によってエンジン10の燃費効率が所定の効率以上となるように設定されている。この場合であっても、基準廃熱量Phcrを基準として要求熱量Phrがエンジン10の廃熱量と電気ヒータ36の発熱量とに配分されるため、燃費効率の向上を図りながら暖房を良好に行うことができる。
また、図7(b)の場合、上記実施形態と同様に、下限要求熱量Lp及び初期廃熱量Ipが設定されているが、当該初期廃熱量Ipは下限要求熱量Lpよりも少ない熱量として設定されている。この場合、下限要求熱量Lpとなったタイミングからエンジン10の廃熱量及び電気ヒータ36の発熱量への所定の比率での配分が開始されることとなる。本構成によれば、暖房要求を満たすべくエンジン10が始動されたタイミングから熱量の配分が行われるため、エンジン10の燃費効率をより高めることができる。
・上記実施形態及び図7(a),(b)において要求熱量Phrの増加に応じて基準廃熱量Phcrが増加する場合、その増加が線形的であることは必須ではなく、非線形的に増加するように基準廃熱量Phcrが設定されていてもよい。また、電気ヒータ36において発熱量の限界があることに鑑みて、要求熱量Phrが所定の上限要求熱量以上となった場合には上記配分の割合が電気ヒータ36の発熱量よりもエンジン10の廃熱量の方が高くなるように基準廃熱量Phcrが設定されていてもよく、その全てがエンジン10の廃熱量により補われるように基準廃熱量Phcrが設定されていてもよい。これにより、電気ヒータ36の発熱により補える限界熱量を超えるような暖房要求レベルであった場合であっても、その際の要求熱量Phrを補うことができる。
・基準廃熱量Phcrは、マップ情報として予め記憶されている情報から取得される構成に限定されることはなく、基準廃熱量Phcrを算出するための演算式の情報を予め設定しておき、その演算結果として基準廃熱量Phcrが取得される構成としてもよい。
・上記実施形態における基準廃熱量Phcrを用いた車両用暖房装置の構成を、ハイブリッド車両ではなくアイドリングストップ制御を行う車両に対して適用してもよい。この場合、アイドリングストップ制御を行っている状態において、基準廃熱量Phcrを用いた冷却水温制御を行うようにする。また、図3における各制御ブロックB1〜B13のうち、少なくとも水温偏差算出部B1と、ゲイン算出部B3と、基準廃熱量算出部B4と、SOC判定部B5と、要求熱量算出部B13とを備えておればよく、要求熱量算出部B13では、要求熱量算出部B2にて算出された要求熱量Phrと基準廃熱量算出部B4にて算出された基準廃熱量Phcrとの偏差を算出するようにする。これにより、アイドリングストップ制御を行う車両であっても燃費効率の向上を図りながら、暖房を好適に行うことができる。なお、本構成においては、車両の走行を行う上で利用されないが、エンジン10の軸出力により発電を行う発電機やその発電された電力を蓄えるバッテリからの電力により電気ヒータ36を通電させる構成とするとよい。
・発熱手段は電気ヒータ36に限定されることはなく、例えば、発電機11や電動発電機12が動作する際に生じる熱を回収してその熱を利用して冷却水などの昇温対象を昇温させる構成としてもよい。この場合、発熱制御手段は、例えばヒートパイプのように作動流体を用いる場合にはその作動流体の流量を制御する構成としてもよい。
・要求熱量Phrを算出する構成は上記実施形態における構成に限定されることはなく任意であり、例えば、目標冷却水温と実冷却水温との偏差から、マップ情報を用いて要求熱量Phrを算出する構成としてもよい。
・電気ヒータ36により冷却水を昇温させるのではなく、ブロアファンからの空調風が通過する領域において電気ヒータ36をヒータコア35に対して並設し、電気ヒータ36が発熱した場合には、上記空調風が直接加熱される構成としてもよい。この場合、昇温対象は冷却水ではなく、車室に送られる空調風となる。また、冷却水の昇温に係る上記実施形態における構成を、暖房用ではなくオートマチックトランスミッションの動作油やエンジンオイルなどの昇温用として用いてもよく、エンジン10の排気系に設けられる触媒の暖機に用いてもよい。触媒の暖機に用いる場合には、エンジン10の排気を廃熱と電気ヒータ36とを熱源として昇温させる構成としてもよく、触媒自身をエンジン10の排気と電気ヒータ36とを熱源として昇温させる構成としてもよい。
一実施形態における車両用暖房装置の概略を示す構成図。 冷却水温制御処理を示すフローチャート。 冷却水温制御に関する処理を示すブロック図。 (a)〜(h)は、冷却水温制御処理が実行された場合にエンジンの廃熱量及び電気ヒータの発熱量に要求熱量が配分される様子を示すタイミングチャート。 (a)〜(h)は、冷却水温制御処理が実行された場合にエンジンの廃熱量及び電気ヒータの発熱量に要求熱量が配分される様子を示すタイミングチャート。 (a)〜(h)は、冷却水温制御処理が実行された場合にエンジンの廃熱量及び電気ヒータの発熱量に要求熱量が配分される様子を示すタイミングチャート。 (a)及び(b)は、基準廃熱量のマップ情報の別形態を示す図。
符号の説明
10…エンジン、11…発電機、12…電動発電機、24…バッテリ、36…電気ヒータ、40…ECU、41…マップ情報記憶部、B2…要求熱量算出部、B4…基準廃熱量算出部、B5…SOC判定部、B11…エンジン要求パワー算出部、B12…推定廃熱量算出部。

Claims (7)

  1. エンジンと、当該エンジンの動作中に発電を行って、電力を蓄える蓄電手段の充電を行うことが可能な電動発電機とを駆動源とするハイブリッド車両に適用され、前記エンジンの発生する熱のうち当該エンジンの冷却水を昇温させる熱である廃熱を利用して前記冷却水を昇温させ暖房熱源とするとともに、当該廃熱とは異なる熱源である発熱手段を電力により発熱させることによっても暖房熱源とする車両用暖房装置であって、
    前記車両用暖房装置として要求される要求熱量を算出する要求熱量算出手段と、
    当該要求熱量算出手段により算出された要求熱量のうち前記エンジンの廃熱により分担する量であって、所定の下限値を下回る要求熱量に対してはゼロとなるように設定されているとともに、当該所定の下限値の要求熱量に対しては前記エンジンの熱効率である燃費効率が所定以上となる開始基準値となるように設定されている廃熱量を取得する取得手段と、
    当該取得手段が取得した廃熱量に応じて前記エンジンの廃熱量を制御し、前記エンジンの停止中において前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量が前記所定の下限値を下回っている場合に前記エンジンの停止中である状態を維持させるとともに、前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量が前記所定の下限値以上である場合に前記エンジンを始動させる廃熱制御手段と、
    前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量が前記所定の下限値を下回っている場合、及び前記要求熱量が前記所定の下限値以上であり且つ前記要求熱量に対して前記エンジンの廃熱量では不足する場合に、前記発熱手段を発熱させる発熱制御手段と、
    を備えていることを特徴とする車両用暖房装置。
  2. エンジンと、当該エンジンの動力により発電を行って、電力を蓄える蓄電手段の充電を行うことが可能な発電機とを有し、アイドリングストップ制御を行う車両において、アイドリングストップ状態に適用され、前記エンジンの発生する熱のうち当該エンジンの冷却水を昇温させる熱である廃熱を利用して前記冷却水を昇温させ暖房熱源とするとともに、当該廃熱とは異なる熱源である発熱手段を電力により発熱させることによっても暖房熱源とする車両用暖房装置であって、
    前記車両用暖房装置として要求される要求熱量を算出する要求熱量算出手段と、
    当該要求熱量算出手段により算出された要求熱量のうち前記エンジンの廃熱により分担する量であって、所定の下限値を下回る要求熱量に対してはゼロとなるように設定されているとともに、当該所定の下限値の要求熱量に対しては前記エンジンの熱効率である燃費効率が所定以上となる開始基準値となるように設定されている廃熱量を取得する取得手段と、
    当該取得手段が取得した廃熱量に応じて前記エンジンの廃熱量を制御し、前記エンジンの停止中において前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量が前記所定の下限値を下回っている場合に前記エンジンの停止中である状態を維持させるとともに、前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量が前記所定の下限値以上である場合に前記エンジンを始動させる廃熱制御手段と、
    前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量が前記所定の下限値を下回っている場合、及び前記要求熱量が前記所定の下限値以上であり且つ前記要求熱量に対して前記エンジンの廃熱量では不足する場合に、前記発熱手段を発熱させる発熱制御手段と、
    を備えていることを特徴とする車両用暖房装置。
  3. エンジンと、当該エンジンの動力によりに発電を行って、電力を蓄える蓄電手段の充電を行うことが可能な発電機とを有するハイブリッド車両に適用され、前記エンジンの発生する熱のうち当該エンジンの冷却水を昇温させる熱である廃熱を利用して前記冷却水を昇温させ暖房熱源とするとともに、当該廃熱とは異なる熱源である発熱手段を電力により発熱させることによっても暖房熱源とする車両用暖房装置であって、
    前記車両用暖房装置として要求される要求熱量を算出する要求熱量算出手段と、
    当該要求熱量算出手段により算出された要求熱量のうち前記エンジンの廃熱により分担する量であって、所定の下限値を下回る要求熱量に対してはゼロとなるように設定されているとともに、当該所定の下限値の要求熱量に対しては前記エンジンの熱効率である燃費効率が所定以上となる開始基準値となるように設定されている廃熱量を取得する取得手段と、
    当該取得手段が取得した廃熱量に応じて前記エンジンの廃熱量を制御し、前記エンジンの停止中において前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量が前記所定の下限値を下回っている場合に前記エンジンの停止中である状態を維持させるとともに、前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量が前記所定の下限値以上である場合に前記エンジンを始動させる廃熱制御手段と、
    前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量が前記所定の下限値を下回っている場合、及び前記要求熱量が前記所定の下限値以上であり且つ前記要求熱量に対して前記エンジンの廃熱量では不足する場合に、前記発熱手段を発熱させる発熱制御手段と、
    を備えていることを特徴とする車両用暖房装置。
  4. 前記エンジンの停止中において前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量が前記所定の下限値を下回っている場合、前記廃熱制御手段は前記エンジンの停止中である状態を維持させるとともに、前記発熱制御手段は前記算出された要求熱量の全てを補うように前記発熱手段を発熱させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の車両用暖房装置。
  5. 前記発熱手段は、車両において電力を蓄える蓄電手段から電力が供給されることにより発熱する電気ヒータであり、
    前記所定の下限値は、前記蓄電手段における残電力量が第1残電力量よりも少ない第2残電力量である場合、前記第1残電力量の場合よりも小さい値となるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の車両用暖房装置。
  6. 前記取得手段が取得した前記廃熱量及び車両の走行要求の両方を満たすように前記エンジンを動作させた場合の廃熱量を算出する廃熱量算出手段を備え、
    前記発熱制御手段は、前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量に対して前記廃熱量算出手段により算出された廃熱量では不足する熱量を補うように前記発熱手段を発熱させるとともに、前記廃熱量算出手段により算出された廃熱量が前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量を上回る場合には前記発熱手段を発熱させないようにするものであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1に記載の車両用暖房装置。
  7. 前記廃熱制御手段は、前記要求熱量算出手段により算出された要求熱量が前記発熱手段の発熱により補える限界熱量を超えている場合には、少なくともその不足分の熱量を前記エンジンの廃熱によって補うようにするものであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1に記載の車両用暖房装置。
JP2008186650A 2008-07-18 2008-07-18 車両用昇温装置 Expired - Fee Related JP5104615B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008186650A JP5104615B2 (ja) 2008-07-18 2008-07-18 車両用昇温装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008186650A JP5104615B2 (ja) 2008-07-18 2008-07-18 車両用昇温装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010023633A JP2010023633A (ja) 2010-02-04
JP5104615B2 true JP5104615B2 (ja) 2012-12-19

Family

ID=41729857

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008186650A Expired - Fee Related JP5104615B2 (ja) 2008-07-18 2008-07-18 車両用昇温装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5104615B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5071504B2 (ja) * 2010-03-26 2012-11-14 株式会社デンソー 車両の熱源制御装置
US8823203B2 (en) 2009-11-12 2014-09-02 Denso Corporation Controller for engine
US8918247B2 (en) * 2010-03-01 2014-12-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for vehicle
JP5370402B2 (ja) * 2011-03-28 2013-12-18 株式会社デンソー 車両用空調装置
JP5772646B2 (ja) * 2012-02-14 2015-09-02 株式会社デンソー 車両用空調装置
JP6136885B2 (ja) * 2013-11-22 2017-05-31 トヨタ自動車株式会社 倒立型移動体
CN114810453A (zh) * 2021-06-09 2022-07-29 长城汽车股份有限公司 P2构型混动车辆低温冷起动方法、***及车辆

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001171335A (ja) * 1999-12-20 2001-06-26 Denso Corp 車両用暖房装置
JP2005199911A (ja) * 2004-01-16 2005-07-28 Nissan Motor Co Ltd 車両用空調装置
JP4678139B2 (ja) * 2004-05-10 2011-04-27 トヨタ自動車株式会社 自動車の暖房制御システム
JP4617930B2 (ja) * 2005-03-02 2011-01-26 株式会社デンソー 車両用空調装置
JP4624853B2 (ja) * 2005-05-27 2011-02-02 富士重工業株式会社 車両用エアコン制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010023633A (ja) 2010-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5783080B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
US9014895B2 (en) Vehicle control system
CA2564280C (en) Heating control system for vehicle
US8660733B2 (en) Control device for hybrid vehicle
US10124651B2 (en) Systems and methods for controlling electrically powered heating devices within electrified vehicles
US9631547B2 (en) PHEV heating modes to provide cabin comfort
KR100789359B1 (ko) 하이브리드 차량 및 그 제어방법
US7317985B2 (en) Motor vehicle and control method of motor vehicle
JP5104615B2 (ja) 車両用昇温装置
US9127582B2 (en) Control apparatus for hybrid vehicle
US20110109157A1 (en) Controller for engine
US7513325B2 (en) Method for operating a hybrid motor vehicle
US10844824B2 (en) System and method for a range extender engine of a hybrid electric vehicle
US20190249640A1 (en) System and method for a range extender engine of a hybrid electric vehicle
EP1231092A1 (en) Reducing number of engine stop-start cycles in a hybrid electric vehicle
JP5982850B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2005130629A (ja) 自動車
US10746117B2 (en) Vehicle control device
WO2017110214A1 (ja) 車両の空調装置
JP2004360544A (ja) 冷却水温制御装置
JP2013086670A (ja) ハイブリッド車両

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100817

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120411

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120904

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120917

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5104615

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151012

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees