JP2004263597A - ダイヤフラムポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バルブホルダー35と蓋体50とによって、弁室40と中空部55との間に第2の消音空間59が形成されている。ポンプ室49が拡張すると、第1の弁体47が吸気通路45とポンプ室49との間を開放するため、通気口57から流体が第1の消音空間58内に流入する。次に、拡張したポンプ室49が収縮すると、第2の弁体31が排気通路42と弁室40との間を開放する。したがって、ポンプ室49から排気通路42を通って弁室40に流体が圧送される。圧送された流体は第2の消音空間59において膨張するため、流体の振動によって生じるノイズや、第2の弁体31の開閉によって生じる振動音が消音される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血圧計等において圧縮空気を供給するために使用されるダイヤフラムポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
[従来技術1]
図2を用いて従来技術1を示すダイヤフラムポンプを説明する。
同図に示すように、全体を符号101で示すダイヤフラムポンプは、駆動源であるモータ2を備えており、このモータ2は、上方が開口した有底円筒状に形成されたケース3の底部5に、モータ軸4がケース3の底部5に形成した穴6からケース3内に臨むように固定されている。同図に符号8で示すクランク台は、略小円柱状に形成され、中央にはモータ軸4が固着されており、このモータ軸4の軸線から偏心した位置には、駆動軸9が傾斜した状態で固着されている。
【0003】
同図に符号10で示す駆動体は、軸孔12が設けられたボス13と、このボス13の上端に一体に形成された本体14とによって形成されており、軸孔12には上記駆動軸9がボール11を介して回転自在に挿入されている。本体14は、平面視において円周方向に等角度おいて中心から放射状に延設された3つの駆動子15によって一体に形成され、これら3つの駆動子15は中心から先端に向かっていずれも同じ角度だけ下方に傾斜しており、各駆動子15の先端側には、後述するダイヤフラム25の各ダイヤフラム部26を取り付けるための取付孔16が設けられている。
【0004】
同図に符号20で示すダイヤフラムホルダーは、略キャップ状に形成され、天井部21には、3つのダイヤフラム部保持孔22が円周方向に等角度おいて設けられており、このダイヤフラムホルダー20は、上記したケース3上に載置されている。
【0005】
同図に符号25で示すダイヤフラムは、ゴム等の柔軟性を有する材料によって、平面視において円周方向に等角度おいて設けられ上方が開口した3つのダイヤフラム部26と、これら3つのダイヤフラム部26の上端部を連設する略円板状に形成されたフランジ27とによって一体に形成されている。各ダイヤフラム部26の下面には、断面が略円錐台状のピストン28が一体に形成されており、このピストン28の下部には、細径の首部29を介して係止用の凸部30が一体に形成されている。また、フランジ27の中央部には円筒状に形成された第2の弁体31が一体に立設されている。
【0006】
このダイヤフラム25は、各ダイヤフラム部26の凸部30を弾性変形させながら、駆動体10の各駆動子15のダイヤフラム部取付孔16に挿入することにより、首部29がダイヤフラム部取付孔16に取り付けられる。また、ダイヤフラムホルダー20のダイヤフラム部保持孔22に各ダイヤフラム部26が挿入されて、ダイヤフラムホルダー20の天井部21上に載置されている。
【0007】
同図に符号135で示すバルブホルダーは、略円板状に形成されており、このバルブホルダー135の中央部には、大径の筒体39が一体に立設され、この筒体39に囲まれた部位に円筒状の弁室40が形成されている。この筒体39の内周面41には、弁室40に臨む第2の弁体31が密着し、この筒体39の内周面41には、後述する各ポンプ室49と連通する溝状に形成された3つの排気通路42が円周方向に等角度おいて凹設されている。
【0008】
第2の弁体31は、弁室40と排気通路42との間を閉塞するように筒体39の内周面41に密着する。したがって、これら第2の弁体31と筒体39の内周面41とが、後述する吐出口56から吸気通路42を通ってポンプ室49に流体が流れるのを規制する逆止め弁を構成する。
【0009】
大径の筒体39の上側には、弁室40と連通する中空部55を有する小径の筒体54が一体に立設されており、この筒体54の上端開口は吐出口56を形成している。また、大径の筒体39の周りには、3つの第1の弁体取付孔44が円周方向に等角度おいて穿孔されており、これら第1の弁体取付孔44の周りには多数の吸気通路45が穿孔されている。
【0010】
同図に符号47で示す第1の弁体は、ゴム等の柔軟性を有する材料によって傘形に形成されており、第1の弁体取付孔44に取り付けられることにより、吸気通路45とポンプ室49との間を閉塞するようにバルブホルダー135の下面に密着する。したがって、この第1の弁体47とバルブホルダー135の下面とが、ポンプ室49から吸気通路45へ流体が流れるのを規制する逆止め弁を構成する。
【0011】
このバルブホルダー135は、上記したダイヤフラム25をダイヤフラムホルダー20とともに挟持するように、ダイヤフラムホルダー20上に載置されており、ダイヤフラム25の各ダイヤフラム部26とともに3つのポンプ室49を形成している。また、このバルブホルダー135の3つの排気通路42と3組の吸気通路45のそれぞれは、各ポンプ室49に対応するように位置付けられている。また、ダイヤフラム25の第2の弁体31が、バルブホルダー135の弁室40に臨み、大径の筒体39の内周面41に密着する。上記したケース3、ダイヤフラムホルダー20およびバルブホルダー135が、図示を省略した棒状(線状)ばねまたは板ばねあるいは通しねじによって一体化されることによりダイヤフラムポンプ101が形成される。
【0012】
このように構成されたダイヤフラムポンプ101においては、モータ2が駆動しモータ軸4が回転すると、クランク台8も一体的に回転し、このクランク台8にモータ軸4の軸線から偏心した位置に傾斜した状態で固着された駆動軸9が、モータ軸4の周りを傾斜方向を変えるようにして偏心回転する。したがって、この駆動軸9に回動自在に支持された駆動体10の各駆動子15が順次上下に揺動し、ダイヤフラム25の各ダイヤフラム部26も順次昇降するので、各ポンプ室49は順次拡縮しポンプ作用を行う。
【0013】
すなわち、図1に示すように、ダイヤフラム25の3つのダイヤフラム部26のうちの一つが下降すると、そのポンプ室49は拡張するので、ポンプ室49が負圧状態になる。このとき、第2の弁体31は、流体が弁室40から排気通路42を通ってポンプ室49へ流れるのを規制する逆止弁として機能するから、この第2の弁体31によって排気通路42が閉じられる。一方、第1の弁体47は吸気通路45とポンプ室49との間を開放するので、吸気通路45からポンプ室49内に流入する。
【0014】
モータ2の出力軸4がさらに回転して、拡張したポンプ室49のダイヤフラム部26が上昇するとポンプ室49は収縮するため、ポンプ室49内の流体の圧力が上昇する。このとき、第1の弁体47は、流体がポンプ室49から吸気通路45へ流れるのを阻止する逆止弁として機能するから、この第1の弁体47によってポンプ室49と吸気通路45との間が閉塞される。一方、第2の弁体31は排気通路42と弁室40との間を開放するために、ポンプ室49内の流体は排気通路42を通って弁室40に流入し中空部55を介して吐出口56から吐出される。このポンプ室49の拡縮動作は、各ポンプ室49において順次連続して行われるので、各排気通路42から弁室40に排出された流体は、弁室40によって集められて1つの吐出口56から連続して吐出される。(例えば、特許文献1参照。)。
【0015】
[従来技術2]
図3は従来技術2を示すダイヤフラムポンプ201の断面図である。同図において、上述した図2に示す従来技術1において説明した同一または同等の部材については、同一の符号を付し詳細な説明は適宜省略する。
同図に符号235で示すバルブホルダーは、底部36と筒部37とによって略有底円筒状に形成されており、底部36の中央部には筒体39が一体に立設され、この筒体39に囲まれた部位に円筒状の弁室40が形成されている。この筒体39の内周面41には弁室40に臨む第2の弁体31が密着し、この筒体39の内周面には、後述する各ポンプ室49と連通する溝状に形成された3つの排気通路42が円周方向に等角度おいて凹設されている。筒体39の上面39aには、中空部55を有する小径の筒体54が一体に立設されており、この筒体54の上端開口は吐出口56を形成している。
【0016】
同図に符号250で示す蓋体は、天井部51と筒部52とによって略キャップ状に形成されており、天井部51の中央部には、上記した筒体54が嵌合する嵌合孔251が設けられ、この嵌合孔251の周縁には、円環状の仕切壁252が下方に向かって一体に突設されている。また、天井部51の周縁部には通気口57が穿孔されている。
【0017】
このように構成された蓋体50の嵌合孔251を、バルブホルダー37の筒体54に嵌合させ、筒部52の下端と筒部37の上端とを溶着によって接合することにより、この蓋体250によってバルブホルダー235が密閉された状態になり、蓋体250の仕切壁252の下端がバルブホルダー235の筒体39の上面39aに対接する。これら仕切壁252と筒体39および蓋体250とバルブホルダー235とによって、通気口57と吸気通路45との間に第1の消音空間としての吸気空間58が形成される。
【0018】
このように構成されたダイヤフラムポンプ201においては、ポンプ室49が拡張してポンプ室49内が負圧状態になり、第1の弁体47が吸気通路45とポンプ室49との間を開放すると、通気口57から流体が吸気空間58内に流入する。流入した流体は吸気空間58において膨張することにより、流体の振動によって生じるノイズが消音されるとともに、第1の弁体47の開閉によって生じる振動音をも消音される。
【0019】
なお、上述した従来技術のうち従来技術2は、出願人が出願時点で知る限りにおいて文献公知ではない。
また、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0020】
【特許文献1】
特願2001−172564号明細書および図面(段落「0003」、図2)
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術のうち、従来技術1のダイヤフラムポンプにおいては、ポンプ室49から圧送され排気通路42から弁室40に流入した流体は、径の小さい中空部55を通って吐出口56から吐出される構造を有しており、弁室40の容積が小さいために、流体の振動によって生じるノイズや第2の弁体31の開閉によって生じる振動音が外部に放出されるといった問題があった。また、従来技術2のダイヤフラムポンプにおいては、流体が通気口57から吸気されるとき、第1の消音空間58によって、流体のノイズや第1の弁体47の振動音が外部に放出されるのを規制することができるが、流体が吐出口56から吐出されるときに、流体のノイズや第2の弁体31の振動音が外部に放出されるといった問題があった。
【0022】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、流体が吐出口から吐出されるときに、流体のノイズや弁体の振動音が外部に放出されるのを規制することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本願発明は、ポンプ室を形成する複数のダイヤフラム部を有するダイヤフラムと、このダイヤフラムの各ダイヤフラム部を上下動させることにより前記ポンプ室を拡縮させる駆動体と、前記各ポンプ室に対応した吸気通路および排気通路が設けられたバルブホルダーと、このバルブホルダーに取り付けられ流体が前記ポンプ室から前記吸気通路へ流れるのを阻止する第1の弁体と、前記ダイヤフラムの中央部に一体に立設され流体が前記排気通路を通って前記ポンプ室へ流れるのを阻止する円筒状に形成された第2の弁体と、この第2弁体によって前記排気通路との間を開閉され前記バルブホルダーの中央部に円筒状に形成された弁室と、前記弁室と連通する吐出口および外部に連通する通気口が設けられた蓋体とを備え、前記蓋体と前記バルブホルダーとによって前記通気口と前記吸気通路との間に第1の消音空間を形成したダイヤフラムポンプにおいて、前記蓋体と前記バルブホルダーとによって前記弁室と前記吐出口との間に第2の消音空間を形成したものである。
したがって、ポンプ室から排気通路を通って弁室に圧送された流体が第2の消音空間において膨張することにより、流体の振動によって生じるノイズを消音するばかりではなく、第2の弁体の開閉によって生じる振動音をも消音する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は本発明に係るダイヤフラムポンプの断面図である。同図において、上述した図2および図3に示す従来技術において説明した同一または同等の部材については、同一の符号を付し詳細な説明は適宜省略する。
【0025】
同図に符号35で示すバルブホルダーは、底部36と筒部37とによって略有底円筒状に形成されており、底部36の中央部には筒体39が一体に立設され、この筒体39に囲まれた部位に円筒状の弁室40が形成されている。この筒体39の内周面41には弁室40に臨む第2の弁体31が密着し、この筒体39の内周面には、後述する各ポンプ室49と連通する溝状に形成された3つの排気通路42が円周方向に等角度おいて凹設されている。
【0026】
底部36には、この筒体39を囲むようにして、平面視円環状に形成された仕切壁43が一体に立設されており、この仕切壁43の高さ方向の寸法は、筒体39よりも高く形成され、吸気通路45はこの仕切壁43の外側に設けられている。
【0027】
同図に符号50で示す蓋体は、天井部51と筒部52とによって扁平な略キャップ状に形成されており、天井部51の下面側に、上記した仕切壁43と同じ径によって形成した平面視円環状の仕切壁53が下方に向かって一体に突設されている。また、天井部51の上面側の中央部には、中空部55を有する小径の筒体54が一体に立設されており、この筒体54の上端開口は吐出口56を形成している。また、天井部51の周縁部には通気口57が穿孔されている。
【0028】
このように構成された蓋体50の筒部52の下端と、バルブホルダー35の筒部37の上端とを溶着によって接合するとともに、蓋体50の仕切壁53の下端とバルブホルダー35の仕切壁43の上端とを溶着によって接合することにより、蓋体50によってバルブホルダー35が密閉された状態になる。同時に、両仕切壁43,53の外側において、蓋体50とバルブホルダー35とによって、通気口57と吸気通路45との間に第1の消音空間としての吸気空間58が形成される。さらに、これら両仕切壁53,43の内側において、蓋体50とバルブホルダー35とによって、弁室40と中空部55との間に第2の消音空間としての吐出空間59が形成される。
【0029】
このように構成されていることにより、ポンプ室49が拡張してポンプ室49内が負圧状態になり、第1の弁体47が吸気通路45とポンプ室49との間を開放すると、通気口57から流体が吸気空間58内に流入する。流入した流体は吸気空間58において膨張することにより、流体の振動によって生じるノイズが消音されるとともに、第1の弁体47の開閉によって生じる振動音をも消音される。
【0030】
拡張したポンプ室49が収縮してポンプ室49内の流体の圧力が上昇すると、第2の弁体31が排気通路42と弁室40との間を開放するため、ポンプ室49から排気通路42を通って弁室40に流体が圧送される。圧送された流体は吐出空間59において膨張することにより、流体の振動によって生じるノイズを消音するとともに、第2の弁体31の開閉によって生じる振動音をも消音する。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、流体が吐出口から吐出されるときに、流体のノイズや弁体の振動音が外部に放出されるのを規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイヤフラムポンプの断面図である。
【図2】従来技術1を示すダイヤフラムポンプの断面図である。
【図3】従来技術2を示すダイヤフラムポンプの断面図である。
【符号の説明】
1…ダイヤフラムポンプ、2…モータ、10…駆動体、20…ダイヤフラムホルダー、25…ダイヤフラム、26…ダイヤフラム部、31…第2の弁体、35…バルブホルダー、40…弁室、42…排気通路、45…吸気通路、47…第1の弁体、50…蓋体、56…吐出口、57…通気口、58…吸気空間(第1の消音空間)、59…吐出空間(第2の消音空間)。
Claims (1)
- ポンプ室を形成する複数のダイヤフラム部を有するダイヤフラムと、このダイヤフラムの各ダイヤフラム部を上下動させることにより前記ポンプ室を拡縮させる駆動体と、前記各ポンプ室に対応した吸気通路および排気通路が設けられたバルブホルダーと、このバルブホルダーに取り付けられ流体が前記ポンプ室から前記吸気通路へ流れるのを阻止する第1の弁体と、前記ダイヤフラムの中央部に一体に立設され流体が前記排気通路を通って前記ポンプ室へ流れるのを阻止する円筒状に形成された第2の弁体と、この第2弁体によって前記排気通路との間を開閉され前記バルブホルダーの中央部に円筒状に形成された弁室と、前記弁室と連通する吐出口および外部と連通する通気口が設けられた蓋体とを備え、前記通気口と前記吸気通路との間に第1の消音空間を形成したダイヤフラムポンプにおいて、前記蓋体と前記バルブホルダーとによって前記弁室と前記吐出口との間に第2の消音空間を形成したことを特徴とするダイヤフラムポンプ。
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2003
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