JP2004262548A - カバーテープ及び包装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材シートと、該基材シートの上に設けられたシール層からなるカバーテープにおいて、前記シール層が熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂中に固溶したπ電子共役系導電性高分子を含有し、前記シール層のイオン性残留物質濃度が10ppm以下であるカバーテープ、及び、該カバーテープを用いて、キャリアテープの電子部品収納部をシールしてなる包装体。
【選択図】 なし
Description
このような問題を改善するため、従来から様々な帯電防止策が提案されている。例えば、基材シート上に設けられたシール層の表面に、厚さ0.1μm以下のπ電子共役系導電性高分子層を設け、帯電防止と透明性を得たカバーテープの提案がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、シール層に、球状シリコンなどの導電性化合物、高分子帯電防止剤、有機導電性高分子を添加したカバーテープの提案もある(例えば、特許文献2参照。)。
また、基材シート上に水性エマルジョンを塗布してシール層とし、このシール層に、π電子共役系導電性高分子のチオフェンを帯電防止剤として分散配合したカバーテープの提案もある(例えば、特許文献3参照。)。
また、特許文献2に記載のカバーテープのように、導電性微粒子をシール層に配合したものは、透明性やヘイズに問題があった。
さらに厳密に言うと、導電性微粒子はシール層内の体積の大部分を有するほど添加されておらず、シール層内には導電性微粒子の存在しない絶縁性シール層の部分があり、この極小部分で発生した静電気を蓄えるため速やかな電荷減衰が行われない。この極小部分は計測器などでは測定の範囲が広すぎて検出できず、この認知しがたい帯電防止上の障害が発生していた。
さらには、シール層の形成工程において、導電性微粒子が沈降しやすく、シール層内での導電性微粒子の濃度にムラを生じ。帯電防止機能が安定しないという問題があった。
これらの水溶性樹脂や吸水性樹脂(水性エマルジョン)を用いる場合は、イオン交換や透析を行ない、イオン性残留物質を排除したのちに使用することもできるが、製造行程が頻雑になるため好ましくなく、また、水溶性樹脂や吸水性樹脂(水性エマルジョン)はキャリアテープにカバーテープをシールした状態にて高温高湿環境下で保管した場合、可塑化し、その結果、ピール強度が経時的にばらつき実装トラブルの原因となり、また、輸送時の振動等により、収納側に露出したカバーテープ面のシール層と電子部品等とが接触、ブロッキングすることも実装トラブルの原因となる。
加えて、高温高湿環境下ではカバーテープ単体が製品として巻かれた状態で保存された場合、水溶性樹脂や吸水性樹脂(水性エマルジョン)の可塑化により、シート基材裏面とシール層表面でブロッキングが頻発するため、実装トラブルの原因となっている。
さらに、高温高湿環境化では水溶性樹脂や吸水性樹脂は白濁するため、カバーテープの透明性が著しく低下し、またヘイズも強くなり、収納部品が認識し難くなる欠点もある。
よって本発明は、イオン性残留物質が少なく、電子部品等収納物への汚染移行性が低いシール層を備えたカバーテープであるとともに、高温高湿環境下において、経時変化のない安定した十分な接着性と帯電防止機能を有し、且つ耐ブロッキング性、透明性に優れたカバーテープおよび包装体を提供することを目的としている。
又、本発明の包装体は、カバーテープを用いて、キャリアテープの電子部品収納部をシールしてなることを特徴とする。
本発明で用いられる基材シートには、剥離時に切断されることのない強度を有し、環境や熱に対して寸法安定性の高い絶縁性高分子フィルムが用いられる。
この基材シートとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート等のフィルムが挙げられる。
上記のフィルムの中では、ポリエチレンテレフタレートが強度、耐熱性、透明性に優れる点で最も好ましい。
また、上記ポリマー変性物のフィルムや複合化フィルムを用いることもできる。
ポリマー変性物としては、2種類以上のポリマーを組み合わせてポリマーアロイとしたものを挙げることができる。ポリマーアロイは、異種ポリマーをブレンドしたものであり、ブレンドにあたって用いる相溶化剤としては、異種ポリマーを化学的に結合したブロック共重合体、グラフト共重合体を挙げることができる。
複合化フィルムは上記例示の2種以上のフィルムを積層したフィルム、上記のいずれかのフィルムと上記以外の公知のフィルムを積層したものなどを挙げることができる。
フィルムの複合化にあたっては、貼り合わせ面を粗面化、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、プライマー処理あるいはアンカーコート処理など公知の手法を用いて処理することができる。
基材シートの厚さは、おおよそ12〜150μmが好ましい。12μmよりも薄いと、剥離強度が不充分となり、剥離が断続的に20〜50m/秒の速さで行われると、切断してしまう場合がある。また、150μmよりも厚いと剛性が強くなり、ハンドリングが難しくシールの際の熱伝導に時間がかかるため、高速シール性に不利になる。
また、基材シートの外表面に界面活性剤などからなる帯電防止層や二酸化ケイ素などの薄膜などからなる透湿防止層などを設けることも任意とされる。
次にシール層は、カバーテープを後述するキャリアテープに熱圧着させる際に必要な熱可塑性樹脂からなる接着剤層であって、熱圧着の際のシール条件で接着活性化することが必要である。
このシール条件としては、例えば、幅0.3〜1.0mm、長さ10〜50mmのコテを用いて、表面温度120〜200℃、圧力1〜5g/mm2で、毎分50〜100回のサイクルで1〜5回の重ね押しする例を挙げることができる。
シール層としての膜厚は0.5〜50μmが好ましい。0.5μmより薄いと充分な接着強度が維持し難くなり、剥がれ易くなる。一方、50μmより厚いと接着剤がフローしてしまい、安定な剥離強度を得難くなる。
シール層の接着強度は、100〜1000g/cm(180℃剥離)であって、熱圧着の条件によって変動せず、シール温度に対して依存性の低いものが好ましく、低温接着時と高温接着時の接着条件の温度差が60℃以上ある場合であっても、接着強度のばらつきが、高温接着時で低温接着時の強度の4倍以下、好ましくは3倍以下であることが好ましい。
シール層を形成する熱可塑性樹脂は、具体的にはポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系、スチレン系、スチレン系熱可塑性エラストマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール系、エチレン・酢酸ビニル・アクリレート共重合体、エチレン・メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体等を例示することができる。
また、上記熱可塑性樹脂の中でも、π電子共役系導電性高分子との相溶性が高く、種々のキャリアテープ材料に対して接着強度を調節できるアクリル系共重合体が特に好ましい。
このアクリル系共重合体としては、メチル(メタ)アクリレート、イソノニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、(メタ)アクリル酸、アクリルアミド等から選ばれるモノマー(アクリル系モノマー)の二次元以上の共重合体及び、前記アクリル系モノマーと、酢酸ビニル、スチレン、エチレン、プロピレン、ブテン−1、アクリロニトリル、マレイン酸、コハク酸等のエチレン性不飽和カルボン酸あるいはそれらの無水物とからなる二次元以上の共重合体などが挙げられる。なお、モノマーの選択はシール条件に応じて、そのシール条件に適したガラス転移点(Tg)を有するものを選ぶことができるほか、被着体の極性を考慮して選ぶこともできる。
シール層に含有されるπ電子共役系導電性高分子は分子構造中に共役二重結合を有する高分子であって、導電機構がイオン導電でないため、湿度の変化に対しても安定した導電性を得ることができる。
この導電性高分子の重合前の好ましいモノマーとしては、アニリン、スルホン化アニリン、アルキル化アニリン等のアニリン誘導体あるいは複素5員環化合物が挙げられる。
この複素5員環には、ピロール、チオフェン、フラン、インドールおよびこれらの誘導体があり、例えば、N−メチルピロール、N−エチルピロール、3−メチルピロール、3−メトキシピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3,4−ジメチルピロール、3−ヘキシルピロール、3−メチル−4−ピロールカルボン酸メチル、3−メチルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−ブチルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−チオフェン−β−エタンスルフォネール、2,3−ジハイドロチエノ(3,4−b)−1,4−ジオキシン、3−メチルフラン、3−メチルインドール等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、単一あるいは複数のモノマーを共重合して用いることもできる。特に誘導体として、炭素数で3以上の長い側鎖を複素5員環化合物のβ位に有するものは、導電性はさほど高くないが、相溶性に優れるという特徴がある。
上記モノマーを重合してなる導電性高分子の重合度は10〜1000であることが好ましい。重合度が10未満であると導電性が低いため、シール層に導電性高分子を大量に加えなければならず、透明性が低下しやすい。他方、重合度が高いとシール層への相溶性が低下する傾向にあるため、上記の重合度の範囲とすることが好ましい。
本発明で用いるπ電子共役系導電性高分子は、熱可塑性樹脂中に固溶している必要がある。
一般的に有機導電性高分子は不溶不融の高分子であり、熱可塑性樹脂に固溶させない状態でシール層に添加すると凝集体すなわち粒子状となってカーボンブラックのような導電性フィラーを添加したものとなんら変ることがない。すなわちπ電子共役系導電性高分子を導電性微粒子としてシール層に分散配合したものは、透明性やヘイズに問題があった。
これに対して、本発明のカバーテープにおいては、π電子共役系導電性高分子が熱可塑性樹脂中に固溶しているので、透明性を損なうことなく、又、帯電防止の均一性をはかることができる。また、有機化合物であるため、無機の導電材料と比べて軟らかいこととも相まって、基材シートを損傷することはない。
本発明において、「π電子共役系導電性高分子が熱可塑性樹脂中に固溶している」とは、π電子共役系導電性高分子が該高分子のみの粒子を形成することなく、π電子共役系導電性高分子と熱可塑性樹脂とが互いに均一に溶け合った固相を形成していることを示す。
π電子共役系導電性高分子を熱可塑性樹脂中に固溶させるためには、π電子共役系導電性高分子と熱可塑性樹脂とが相溶性を有するものであって、この両者を溶媒に溶解して均一に混合し、賦形すればよい。π電子共役系導電性高分子と熱可塑性樹脂との相溶性が不充分な場合は、相溶化剤を用いてπ電子共役系導電性高分子と熱可塑性樹脂とを溶媒に溶解して均一に混合し、賦形すればよい。
シール層中の導電性高分子の含有量は、シール層表面での抵抗値が105〜1010Ω/□になるように0.01〜20質量%とされる。0.01質量%未満では充分な導電性が得られず、また20質量%を超えると透明性、特にヘイズに悪影響を与える。
シール層を形成する熱可塑性樹脂の種類によっては、その極性、分子間力などによって、先に述べた誘導体のような可溶化されたπ電子共役系導電性高分子であっても、分離、凝集するものがあるが、この場合、相溶化剤を用いることで解決できる。
この相溶化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステルナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノラート、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール等の非イオン系界面活性剤および、フルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パーフルオロアルキル4級アンモニウム、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等のフッ素系の界面活性剤が用いられるが、好ましくはイオン性残留物質の少ない非イオン系界面活性剤が選択される。
本発明で用いる熱可塑性樹脂として、先に挙げたアクリル系共重合体は、低極性から高極性のモノマーを選択することによって、幅広い極性を有する共重合体を合成でき、またバルキーな基を側鎖に有し分子密度が低いため、透明性が高い。さらに、種々のπ電子共役系導電性高分子との相溶性も高いので好ましい。
また、この中間層を、剥離強度を安定させるための剥離層として用いる場合には、先の疎水性の有機溶剤可溶型熱可塑性樹脂の種類にもよるが、キャリアテープとは異なる材質で、シール層に対する接着性が比較的低い素材が選択され、一般的には、オレフィン系フィルムが選ばれる。また、剥離性を調整するために、ワックス、シリコーン、アクリルシリコーンなどの化合物を配合しても良いが、透明性を阻害しないようにすることが重要である。この中間層にも、必要であれば帯電防止処理を施してもよい。これには一般的な帯電防止剤を使用してもよいが、接着性のよくないπ電子共役系導電性高分子を選ぶと、剥離性を向上する点で大変好ましい。
重合触媒はイオン性残留物質となり、電子部品を腐食させたりする恐れがあるため、重合終了後にイオン交換、透析などにより排除することが必要である。イオン性残留物質濃度を10ppm以下、より好ましくは3ppm以下とすることが好ましい。
熱可塑性樹脂とπ共役系導電性高分子とを溶解する有機溶媒としては、溶解性パラメータδが12.0未満、より好ましくは10.0未満である有機溶媒が好ましく用いられる。
本発明で好ましい有機溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド等が挙げられ、これらは単独であっても混合であってもよい。混合有機溶剤を用いる場合には、混合有機溶剤の溶解性パラメータδが12.0未満となるように溶剤を調製するのであれば、有機溶剤単独の溶解性パラメータが12.0以上の有機溶剤、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類等も併用することもできる。
該コーティング後、乾燥して得られた原反を数〜数十mmの所望の幅にスリットし、リールに巻き取ることで、カバーテープが得られる。
フィルムには、予め帯電防止剤や導電性フィラーが練り込まれていたり、あるいはこれらの導電性付与物質がウレタン系あるいはアクリル系バインダー混合されたインクが表面に塗布されていてもよい。
本発明の包装体は、前記カバーテープを用いて、前記キャリアテープの電子部品収納部をシールしてなる。すなわち、エンボス成形されたキャリテープのキャビティに電子部品等を収納した後、これをカバーテープに合わせて、カバーテープの長手方向の両縁部をそれぞれ例えば0.3〜1.0mm幅で連続的にシールすることで得られる。この包装体は、通常、リールに巻き取られる。電子部品等はこの状態で保管あるいは輸送される。
包装体から電子部品等を取り出すには、キャリアテープの長手方向の両縁部に沿って設けられた送り用の孔で搬送しながら、断続的にカバーテープを引き剥がし、ピックアップ装置により電子部品等の存在、向き、位置を確認しながら取り出し、使用に共する。
なお、以下の実施例、比較例で得られたカバーテープの評価は以下の評価方法に基づいて行った。また、高温高湿環境試験は60℃、85%RHにて240時間保存後、評価した。
<評価方法>
a. 透明性の測定 (全光線透過率、ヘイズ) ;村上色彩技術研究所製 HR−100を用いて測定した。
b. 表面抵抗:ダイヤインスツルメンツ社製、ハイレスタUPを用いて測定した(測定電圧100V)。
c. イオン性残留物質濃度:シート基材、中間層よりシール層のみを剥離し、90℃の純水に浸漬、超音波発信をかけてイオン抽出後、液体クロマトグラフ、原子吸光にて測定した。
d. ブロッキング性:高温高湿放置後、剥離強度測定を行ない、工程能力指数CpKを考察した。
○:1.33以下
×:1.33を超えて大きい
e. 外観:高温高湿放置後、目視にて外観の変化を確認した。
○:カバーテープを通して物体形状が明確に視認できる。
×:カバーテープを通しての物体形状の視認が困難である。
(比較例1〜3のいずれも、カバーテープが白濁した。)
f. 総合評価 上記各評価の結果に基づき、カバーフィルムとしての適性を以下の基準で評価した。
◎:カバーテープとして優れた特性を有している。
○:カバーテープとして使用可能である。
×:カバーテープとしての適性がない。
(シール層材Aの調製)
アクリル共重合体(メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、モル比率4:3:3)をメチルエチルケトン(MEK)とトルエンの混合溶媒(質量比50:50)に溶解し、固形分10質量%の接着剤溶液を得た。π電子共役導電性高分子として、アニリンとスルホン化剤兼相溶化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸を加え、低温で攪拌しながら、酸化重合触媒として過硫酸アンモニウムを徐々に加えて、均一なポリアニリン水溶液を作成する。この水溶液にメタノールを加えると、ポリアニリンの沈殿が得られる。イオン性残留物質を排除するため、沈殿物を繰り返し純水で洗浄したのち、沈殿物をトルエンに溶解させて、ポリアニリンのトルエン溶液を調整した。前記接着剤溶液の固形分に対して、π電子共役系導電性高分子が6.55質量%となるように、接着剤溶液にポリアニリンのトルエン溶液を加え、均一に溶解した緑色透明のシール材Aを調整した。
(カバーテープの調製)
36μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製、商品名:ルミラー、片面帯電防止処理品)を基材シートとし、帯電防止処理されている面とは逆の面に、上記で調製したシール材Aをグラビアコータにより10μm厚で設けて、カバーテープを得た。評価結果を表1に表す。
(シール材Bの調製)
π電子共役系導電性高分子として、イオン交換、透析を行ない、イオン性残留物質を排除したポリジオキシチオフェン水溶液(アグファゲバルト社製、商品名 ORGACON)を用い、該水溶液をN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)にて溶剤置換したポリジオキシチオフェンのDMAC溶液を調製した。実施例1と同様にして得た接着剤溶液に、接着剤溶液の固形分に対して、π電子共役系導電性高分子が1.0質量%となるように、前記ポリジオキシチオフェンのDMAC溶液を加え、均一に溶解した薄紺色透明のシール材Bを調製した。
(カバーテープの調製)
実施例1でも地位多と同様のフィルムを基材シートとし、シール材Bを用いた以外は実施例1と同様にしてカバーテープを得た。評価結果を表1に示す。
(シール材Cの調製)
アクリル共重合体(メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、モル比率4:3:3)をMEKとトルエンの混合溶媒(質量比50:50)に溶解し、固形分10質量%の接着剤溶液を得た。
π電子共役系導電性高分子として、イオン交換、透析を行ない、イオン性残留物質を排除したポリジオキシチオフェン水溶液(アグファゲバルト社製、商品名 ORGACON)を用い、該水溶液をエタノールにて溶剤置換したポリジオキシチオフェンのエタノール溶液を調製した。このポリジオキシチオフェンのエタノール溶液を前記接着剤溶液の固形分に対して、π電子共役系導電性高分子が1.0質量%となるように、ポリジオキシチオフェンのエタノール溶液を加え、均一に溶解した薄紺色透明のシール材Cを調製した。
(カバーテープの調製)
実施例1で用いたと同様の基材シートの、帯電防止処理されている面とは逆の面に、中間層としてエチレン・酢酸ビニル共重合体(住友ケムテックス社製、商品名スミカフレックスS−205)をグラビアコータにより2μm厚で設けた後、さらに、上記で調製したシール材Cをグラビアコータにより10μm厚で設けて、カバーテープを得た。評価結果を表1に示す。
(シール材Dの調製)
ポリエステルエマルジョン(東洋紡績株式会社製、商品名バイナロールMD−1200、固形分34質量%)100部に、π電子共役系導電性高分子として、実施例2と同様にしてイオン性残留物質を排除したポリジオキシチオフェン水溶液(アグファゲバルト社製、商品名 ORGACON)をπ電子共役系導電性高分子が1.0質量%となるように加え、均一に溶解した薄紺色透明のシール材Dを調製した。
(カバーテープの調製)
上記で調製したシール剤Dを用いた以外は実施例1と同様にして、カバーテープを得た。評価結果を表1に示す。
シール材Dを調製後、更にイオン交換、透析を行ない、イオン性残留物質を排除して調製したシール材Eを用いた以外は実施例1と同様にしてカバーテープを得た。評価結果を表1に示す。
(シール材Fの調製)
水溶性ポリエステル(帝国化学産業製、商品名 ガブセンES−901A)にπ電子共役系導電性高分子として、イオン交換、透析を行ない、イオン性残留物質を排除したポリジオキシチオフェンの水/イソプロピルアルコール溶液(長瀬産業製、商品名 デナトロン P−502S)をπ電子共役系導電性高分子が1.0質量%となるように加え、均一な薄紺色透明のシール材Fを調製した。
(カバーテープの調製)
上記で調製したシール剤Dを用いた以外は実施例1と同様にして、カバーテープを得た。評価結果を表1に示す。
又、比較例1〜3のカバーテープはいずれも高温高湿雰囲気に240時間放置後は白濁し、カバーテープとして使用した場合、キャリヤーテープ内の電子部品の目視確認ができなくなることがわかる。また、高温高湿試験後はキャリヤーテープからの剥離強度も大きくばらついていることがわかる。従って、各比較例のカバーテープは実装トラブルを起こしやすくなっているものである。
Claims (7)
- 基材シートと、該基材シートの上に設けられたシール層からなるカバーテープにおいて、前記シール層が熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂中に固溶したπ電子共役系導電性高分子を含有し、前記シール層のイオン性残留物質濃度が10ppm以下であることを特徴とするカバーテープ。
- 前記シール層が相溶化剤を含有することを特徴とする請求項1記載のカバーテープ。
- 前記熱可塑性樹脂が疎水性且つ有機溶剤に可溶であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカバーテープ。
- 前記熱可塑性組成物がアクリル系共重合体であることを特徴とする請求項3記載のカバーテープ。
- カバーテープの全光線透過率が85%以上、ヘイズ値5%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のカバーテープ。
- 基材シートとシール層との間に中間層を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のカバーテープ。
- 請求項1〜6のいずれかに1項記載のカバーテープを用いて、キャリアテープの電子部品収納部をシールしてなることを特徴とする包装体
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