JP2004255410A - スタッブ溶接用レーザ加工ヘッド及びこれを用いたボイラヘッダの製作方法 - Google Patents

スタッブ溶接用レーザ加工ヘッド及びこれを用いたボイラヘッダの製作方法 Download PDF

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浩 渡辺
Keiji Ueda
圭司 上田
Sukenari Ikeda
祐成 池田
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【課題】ボイラヘッダ40等に仮り付けされたスタッブチューブ41などを溶接するのに好適なスタッブ溶接用レーザ加工ヘッド1及びこれを用いたボイラヘッダ40の製作方法を提供すること。
【解決手段】溶接ロボットに搭載し、ヘッダ40の溶接部に仮付けされたスタッブ41を溶接するに際して、ワイヤノズル18とアシストガスノズル22をレーザ光25の光軸Eを挟んで反対側に配置し、かつワイヤノズル18の長手方向の延長線Aとアシストガスノズル22の長手方向の延長線Bとレーザ光25の光軸Eがスタッブ41のチューブ40への溶接点G又はその近傍で交わるように配置し、前記延長線AとBを含む平面Cとレーザ光25の光軸Eは溶接点G又はその近傍で交わるように配置し、スタッブ41の長手方向の軸線Fに平行で、溶接点Gを通る線F’と光軸Eとの間に前記平面Cがあるように配置して溶接するレーザ加工ヘッド1である。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ溶接装置とこれを用いた製作方法に係わり、特にボイラヘッダ等に仮付けされたスタッブチューブを溶接するのに好適なスタッブ溶接用レーザ加工ヘッド及びこれを用いたボイラヘッダの製作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
発電用ボイラでは図14に示す管群からなる部品が使用されている。ヘッダ40にはスタッブチューブ41が溶接されていて、上下のスタッブチューブ間にはフィンチューブ42が溶接されている。フィンチューブ42での熱交換効率を高めるために、フィンチューブ42は非常に狭い間隔で密集していて、スタッブチューブ41もヘッダ40に非常に狭い間隔で取り付けられる。スタッブチューブ41の大きさは 直径38.1mm、50.8mmなどのものが使用され、スタッブチューブ41の管と管の隙間は55〜65mm程度になる。スタッブチューブ41とヘッダ40の溶接作業は、特公平4−31784号公報、特開平3−155470号公報及び特開平7−214320号公報に開示されているようにロボット溶接により自動化されている。溶接法としては、アーク溶接が適用されていて、多層盛施工が行われている。
【0003】
一方、レーザ加工は金属、セラミック等の加工に適用され、高密度のエネルギーを非常に狭い範囲に集中させることが可能で、従来のアーク熱源よりもより深い溶け込みを得ることができて入熱量を下げることが可能であることから、高能率で高品質な溶接や切断加工が可能で、近年各種の産業で適用されている。特にYAGレーザなどの光ファイバ伝送可能なレーザ加工では、ロボット等と組合せて使用されている。また、レーザ隅肉レーザ溶接装置に関する発明としては、特開昭61−229489号公報、特開平8−187587号公報がある。
【0004】
さらに、原子力蒸気発生器の管板に支持された数千本の管内にスリーブを収束手段、溶接ミラー手段及び焦点距離維持手段を有する溶接ヘッドを用いてレーザ溶接する方法が特開昭62−173092号公報に開示されている。
【0005】
さらに、特開2002−59286号公報にはレーザー光のコリメート光学系と反射ミラーと集光光学系と加工手段を備えたレーザ加工ヘッドの発明が開示されている。
【0006】
レーザ加工ヘッドの一例となる概略構成を図13に示す。図13に示すレーザ加工ヘッド100は、ハウジング5bと、YAGレーザ光(波長1060nm)を光ファイバ2から被加工物の加工点まで導光する出射光学系と、被加工物の加工点を観察するための観察光学系と、添加ワイヤを溶接部にガイドするワイヤノズル18aと、溶接部から発生するプラズマやフュームを吹き飛ばし、溶接部をシールドするためのアシストガスを溶接部に噴射するためのアシストガスノズル22aなどから構成される。また、レーザ加工ヘッド100はロボットに搭載するために小型・軽量であることが望ましく、レーザ加工ヘッド100の重量が重い場合は、大型のロボットを適用する必要がある。
【0007】
図13に示すレーザ加工ヘッド100について、まず出射光学系から説明する。図示されていないレーザ発振器で発生したYAGレーザ光は、光ファイバ2によりレーザ加工ヘッド100に導光され、光ファイバ端より広角に出射する。光ファイバ2は、光ファイバコネクタ6によりハウジング5bに固定されている。出射光学系は、光ファイバ2より出射レーザ光25を下方に反射するディフレクタ36と、レーザ光25の広がりを平行光にするコリメートレンズ3と、レーザ光25を被加工物の加工点において焦点を結ぶようにする集光レンズ4などから構成される。コリメートレンズ3と集光レンズ4は、焦点距離fが100〜200mmのレンズが一般的に使用される。集光レンズ4の焦点距離fが100〜200mmと長く、溶接線に沿ってワイヤノズル18aとアシストガスノズル22aが直線上に配列される。
【0008】
次に、観察光学系について説明する。レーザ発振器(図示せず)には低出力の位置決め用可視光レーザ出力源が設けてあることが多い。可視光レーザとしては赤色のHeNeレーザ(波長632nm)が一般に用いられ、YAGレーザ光と同様に光ファイバ2によりレーザ加工ヘッド100に導光され、HeNeレーザ光スポットを被加工物の加工点において焦点を結ぶようになっている。
【0009】
レーザ加工ヘッド100には、レーザ光25を照射する被加工物の加工点を観察するために観察光学系を備えていることが多い。観察光学系は、加工に先立ちロボットの動作教示を行うために利用され、撮像装置8がハウジング5bの上部に取り付けられる。このような観察光学系を設けるために、ディフレクタ36はYAGレーザ光とHeNeレーザ光を反射し、可視光を透過するものが用いられる。そして、ディフレクタ36、コリメートレンズ3、集光レンズ4、撮像装置8はレーザ光および撮像装置8の光軸10上に一直線上に位置するように設置される。特に、ディフレクタ36は、光軸10に対して45度の傾斜角度になるように配置される。ディフレクタ36は、コリメートレンズ3と集光レンズ4の有効口径に合わせる必要があり、レーザ加工ヘッド100を大きくする原因になる。すなわち、レーザ加工ヘッド100の大きさは、ディフレクタ36の大きさに依存している。また、レーザ加工ヘッド100内にディフレクタ36を設けることにより、このディフレクタ36での反射によるレーザ光25のエネルギー損失も発生する。
【0010】
撮像装置8で撮影された画像は図示されていないモニタテレビに映し出され、被加工物の表面状態を観察できるようになっている。これらのモニタテレビには、電子ライン発生器によりクロスターゲットを発生させることも可能であり、被加工材へのレーザスポット光の照射位置を正確に合わせることが可能である。
【0011】
次に、レーザ加工ヘッド100の加工狙い位置および姿勢をロボットに教示する手順について説明する。
まず、YAGレーザ発振器を停止させ、赤色の可視光を出すHeNeレーザからなる位置決め用レーザ出力源を作動させ、位置決め用レーザビームを出射させる。オペレータはロボットの先端に取り付けられたレーザ加工ヘッド100を被加工物の教示位置に移動させ、この赤色の位置決め用レーザビームのスポットにより、レーザ加工ヘッド100の大まかな狙い位置と作業姿勢を決めて、ロボット制御装置に登録する。被加工物の加工線に沿って、この操作を繰り返して概略の教示作業を行う。
【0012】
次に、さらに正確な狙い位置と作業姿勢を教示するために、位置決め用可視光レーザ源の作動を停止させ、撮像装置8を作動させて、この撮像装置8で捕らえた被加工物の映像をテレビモニタなどの視覚装置(図示せず)に表示させる。このとき被加工物の映像を鮮明にするため、外部より被加工物を照明する必要がある。オペレータは、先ほどの概略の教示作業により登録した位置にレーザ加工ヘッド100を移動させ、この視覚装置に表示された映像を見ながら正確な位置決めを実施する。そして、その時の位置と姿勢とを、ロボット制御装置に再登録して教示する。このようにして先ほど行った概略の教示点を全て修正して正確な位置決めを実施し、教示した内容の加工または作業をロボットに再実施させることが可能となる。
【0013】
【特許文献1】
特公平4−31784号公報
【0014】
【特許文献2】
特開平3−155470号公報
【0015】
【特許文献3】
特開平7−214320号公報
【0016】
【特許文献4】
特開昭61−229489号公報
【0017】
【特許文献5】
特開平8−187587号公報
【0018】
【特許文献6】
特開昭62−173092号公報
【0019】
【特許文献7】
特開2002−59286号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、ヘッダ40とスタッブチューブ41の溶接作業は、アーク溶接ロボットにより自動化された多層盛施工が行われている。
【0021】
ところが、ヘッダ40に取り付けられるスタッブチューブ41は、ヘッダ40の片側長手方向に一列あるいは複数列の一定ピッチで密集して多数取り付けられるために多大の溶接時間が掛かると同時に溶接による変形によりヘッダ40が大きく曲るため、曲り修正作業を行う必要があった。また、アーク溶接ではスパッタやスラグが発生して溶接部や溶接部周辺に付着するため、その除去作業を行う必要があった。
【0022】
アーク溶接に代わり、高能率で低入熱溶接が可能なレーザ溶接法においては、レーザ加工ヘッド100の集光レンズ4の焦点距離fが従来は100〜200mmと長く、溶接線に沿ってワイヤノズル18aとアシストガスノズル22aが直線に配列するため、ヘッダ40とスタッブチューブ41の溶接を行おうとすると、溶接対象スタッブチューブ41の周辺に近接するその他のスタッブチューブ41とレーザ加工ヘッド100のハウジング5bあるいはワイヤノズル18a、アシストガスノズル22aが干渉してしまい溶接を行うことができなかった。
【0023】
また、ロボットには可搬重量の制約があり、レーザ加工ヘッド100は軽量にする必要があり、被加工物の加工位置が狭隘部の場合もあるため、小型にした方が適用範囲を広くすることができる。しかるに、レーザ加工ヘッド100には、ロボット教示作業で必要な監視光学系が設けられているために小型化と重量軽減には限界があり、可搬重量の大きなロボットを適用せざるをえなく、ロボットを小型化すると適用範囲が限定されるといった問題があった。
【0024】
本発明の課題は、ボイラヘッダ等に仮り付けされたスタッブチューブなどを溶接するのに好適なスタッブ溶接用レーザ加工ヘッド及びこれを用いたボイラヘッダの製作方法を提供することにある。
【0025】
また、本発明の課題は、溶接対象スタッブチューブ周辺に他のスタッブチューブあるいは障害物があるような狭隘部の溶接が可能なレーザ加工ヘッドで、このレーザ加工ヘッドを使用してボイラヘッダのスタッブチューブを溶接すると高能率で低入熱溶接が可能でヘッダの溶接変形が少なくなり曲り修正作業が無くなり、スパッタやスラグの除去作業も無くなるボイラヘッダの製作方法を提供することにある。
【0026】
さらに、本発明の課題はロボット教示作業は従来通りに行えて、加工時には加工に必要な出射光学系のみとする、小型、軽量なレーザ加工ヘッドを提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は次の解決手段により達成される。
すなわち、溶接ロボットに搭載し、被溶接物(40)の溶接部に仮付けされたスタッブ41を溶接するレーザ加工ヘッドにおいて、
光ファイバー2から出射したレーザ光25の広がりを平行光にするコリメートレンズ3と、コリメートされたレーザ光25を集光する集光レンズ4と、
レーザ光25を反射して被溶接物(40)の溶接部に照射する反射ミラー16と、溶接部からのフューム、スパッタ等から光学系を保護する保護ガラス29と、該保護ガラス29と溶接部の間に高速エアーを噴射するエアーブローノズル26と、添加ワイヤ21を溶接部にガイドするワイヤノズル18と、溶接部から発生するプラズマやフュームを吹き飛ばして溶接部をシールドするためのアシストガスを溶接部に噴射するためのアシストガスノズル22とを備え、
ワイヤノズル18とアシストガスノズル22をレーザ光25の光軸(E)を挟んで反対側に配置し、かつワイヤノズル18の長手方向の延長線(A)とアシストガスノズル22の長手方向の延長線(B)とレーザ光25の光軸(E)がスタッブ41のチューブ40への溶接点(G)又はその近傍で交わるように配置し、
ワイヤノズル18の長手方向の延長線(A)とアシストガスノズル22の長手方向の延長線(B)を含む平面(C)とレーザ光25の光軸(E)は前記溶接点(G)又はその近傍で交わるように配置し、
スタッブ41の長手方向の軸線(F)に平行で、前記溶接点(G)を通る線(F’)とレーザ光25の光軸(E)との間に前記平面(C)があるように配置し、
前記アシストガスノズル22は、その形状が管状であり、溶接部に噴射するアシストガスの吹き出し方向が溶接進行方向に、溶接線の接線に対して水平方向の傾斜角度θGaが0〜40度であり、垂直方向の傾斜角度θGbが5〜40度で傾斜配置され、
前記エアーブローノズル26は、その形状が薄い箱型であり、そのエアー吹き出し口が薄い長方形であり、高速エアーの吹き出し方向が溶接進行方向に保護ガラス29のなす平面に対して傾斜角度θAbが0〜15度であり、高速エアーの吹き出し方向が溶接線の接線に平行な保護ガラス29の中心線(溶接進行方向の保護ガラスの中心線)に対する傾斜角度θAaが0〜40度で傾斜配置され、前記ワイヤノズル18からの添加ワイヤ21の溶接部への挿入方向が溶接進行方向前方から、溶接線の接線に対して水平方向の傾斜角度θWaが0〜40度であり、垂直方向の角度θWbが5〜40度の傾斜角度であるスタッブ溶接用レーザ加工ヘッドである。
【0028】
上記レーザ加工ヘッドにおいて、アシストガスとしてNガスを用いることができる。また、上記レーザ加工ヘッドにおいて、ロボットの教示プログラムを作成するときに、光ファイバをレーザ加工ヘッドより外してレーザ光軸上に撮像装置を取り付け被加工材の映像を撮影可能にすることができる。
【0029】
また、本発明の上記課題は次の解決手段により達成される。
すなわち、ボイラヘッダの長手方向に沿って移動する溶接ロボットを用いて、該ボイラヘッダの長手方向に一列あるいは複数列の一定ピッチで仮付けされた同一径で複数のスタッブ41を溶接するボイラヘッダの製作方法において、溶接ロボットに前記スタッブ溶接用レーザ加工ヘッドを搭載し、ボイラヘッダの長手方向に沿って溶接ロボットを移動させて、ボイラヘッダに仮付けされたスタッブチューブをレーザ溶接法で順次溶接するボイラヘッダの製作方法である。
【0030】
【作用】
レーザ加工ヘッドにおいて、光ファイバ、コリメートレンズ、集光レンズの出射光学系の集光レンズ後に反射ミラーを設置することにより、レーザ光を反射してヘッダとスタッブチューブの溶接部にレーザ光を照射する。これにより、スタッブチューブと平行にレーザ光を導光することが可能になる。また、コリメートレンズと集光レンズと反射ミラーが配置されるレーザ光の光軸をはさんで、ワイヤノズルと、アシストガスノズルとエアーブローノズルを、ヘッダとスタッブチューブの円周溶接線方向に配置したレーザ加工ヘッドならば、近接するスタッブチューブと干渉することなくレーザ溶接を行うことができる。
【0031】
そして、アシストガスノズルの形状を管状とし、アシストガスの吹き出し方向が溶接進行方向に、溶接線の接線に対して水平方向の傾斜角度θGaが0〜40度、垂直方向の傾斜角度θGbが5〜40度の方向となるように溶接部にアシストガスを噴射することにより、溶接部から発生するプラズマやフュームを吹き飛ばし、レーザ光を効率的に溶接部に照射させることができると共に、溶接部を空気からシールドし、溶融金属の酸化を防ぐことができる。また、アシストガスとしてNガスを用いることにより、ブローホール等の溶接欠陥を低減でき健全な溶接部が得られる。
【0032】
また、エアーブローノズルを薄い箱型で、吹き出し口も薄い長方形にすることにより、エアーブローの吹き出しを層流状態にし、溶接進行方向に、保護ガラスのなす平面に対して傾斜角度θAbが0〜15度であり、高速エアーの吹き出し方向が溶接線の接線に平行な保護ガラス29の中心線(溶接進行方向の保護ガラスの中心線)に対する傾斜角度θAaが0〜40度の傾斜角度で高速エアーの噴射をすることにより、アシストガスへの干渉がなく、高速エアーが対象溶接スタッブチューブと干渉することもなく、溶接部から発生するスパッタやフュームを保護ガラスの手前で払い飛ばし保護ガラスの汚染を極小にすることができる。
【0033】
また、前記ワイヤノズルからの添加ワイヤを溶接進行方向前方から、溶接線の接線に対して水平方向の傾斜角度θWaが0〜40度であり、垂直方向の傾斜角度θWbが5〜40度となるようにの溶接部へ挿入することにより、溶接部にワイヤを安定して挿入でき、そして健全な溶接部を得ることができる。
【0034】
さらに、光ファイバとコリメートレンズと集光レンズをレーザ光軸上に一直線に配置した出射光学系からなるレーザ加工ヘッドにおいて、光ファイバをレーザ加工ヘッドより外してレーザ光軸上に撮像装置を取り付け簡単に観察光学系を構成することができ、被加工材の映像をモニタテレビで見て教示作業を行うことができる。それによって、教示は従来ヘッド同様に行え、加工時のレーザ加工ヘッドの小型、軽量化を図ることができる。
【0035】
そして、レーザ加工は高密度のエネルギーを非常に狭い範囲に集中させることが可能で、従来のアーク熱源よりもより深い溶け込みを得ることができ入熱量を下げることが可能であることから、高能率で高品質な溶接が可能である。ボイラヘッダの長手方向に沿って移動する溶接ロボットに前記スタッブ溶接用レーザ加工ヘッドを搭載し、ボイラヘッダの長手方向に沿って溶接ロボットを移動させて、ボイラヘッダに仮付けされたスタッブチューブをレーザ溶接法で順次溶接することにより、アーク溶接に比べておよそ溶接時間とヘッダの曲り変形量を半分以下にすることができ、溶接後のヘッダの曲り修正作業を省略することができる。
【0036】
また、レーザ溶接でもスパッタは発生するが、アーク溶接に比べてスパッタの粒が非常に小さく、量的にも少ないためにヘッダに付着したスパッタはエアーブローなどの簡単な処置で除去することができ、またレーザ溶接ではほとんどスラグの発生が無く、余分な溶接後の作業を省略できる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を挙げ、図面を用いてさらに詳細に説明する。
図1は本発明の実施例に係るスタッブ溶接用レーザ加工ヘッドの側面図である。図2は本発明の実施例に係るスタッブ溶接用レーザ加工ヘッドの正面図である。図3は本発明のスタッブ溶接用レーザ加工ヘッドをロボットに搭載した全体溶接装置を示す平面図である。図4は本発明のスタッブ溶接用レーザ加工ヘッドをロボットに搭載した全体溶接装置を示す正面図である。図5は図1のA−A線切断断面図である。図7は溶接部へのアシストガス吹き出し方向とワイヤ挿入方向を示す平面図である。図8は溶接部へのアシストガス吹き出し方向とワイヤ挿入方向を示す正面図である。図9は図1のB−B線矢視図である。図10は図9のC−C線切断断面図である。
【0038】
図1および図2において、スタッブ溶接用レーザ加工ヘッド1は以下の構成を備えている。
すなわち、レーザ発振器で発生したレーザ光をレーザ加工ヘッド1に導光する光ファイバ2、光ファイバ2から広角に出射したレーザ光25を平行光にするコリメートレンズ3、コリメートレンズ3で平行光になったレーザ光25を被加工物の加工点において焦点を結ぶようにする集光レンズ4、光ファイバ2とコリメートレンズ3間のレーザ光25をカバーするハウジング5、光ファイバ2をハウジング5に固定し、光ファイバ2とコリメートレンズ3のレーザ光25の光軸を正確に合わせるための光ファイバコネクタ6、レーザ加工ヘッド1をロボットに取り付けるためのアーム7、レーザ光25の光軸10、コリメートレンズ3と集光レンズ4を収納するレンズハウジング11、レンズハウジング11に取り付けられ、下部のブロックをサポートするサポートブロック12、レーザ光をカバーするカバー13、サポートブロック12と下部のブロックを締結し、支持する柱14、反射ミラーハウシング15、レーザ光25を反射して被溶接物の溶接部に照射する反射ミラー16、反射ミラー16を反射ミラーハウシング15に固定する反射ミラー押さえ17、添加ワイヤ21を溶接部に導くためのワイヤノズル18、ワイヤノズル18を反射ミラーハウシング15に固定するためのワイヤノズルサポート19、ワイヤノズル18先端に取り付けられ、添加ワイヤの狙い位置を固定するためのワイヤチップ20、溶接部に添加するワイヤ21、溶接部から発生するプラズマやフュームを吹き飛ばす効果と溶接部をシールドするためのアシストガスを溶接部に噴射するためのアシストガスノズル22、アシストガスノズル22をサポートブロック12に固定するためのアシストガスノズルサポート23、アシストガスノズル22にアシストガスを供給するアシストガス入口24、レーザ光25、溶接部からのフューム、スパッタ等を払い飛ばすための高速エアーを噴射するエアーブローノズル26、エアーブローノズル26を反射ミラーハウシング15に固定するためのエアーブローノズルサポート27、エアーブローノズル26にエアーを供給するエアー入口28、溶接部からのフューム、スパッタ等から光学系を保護する保護ガラス29、保護ガラス29を反射ミラーハウシング15に固定する保護ガラス押さえ30、反射ミラーハウシング15に冷却水を供給する冷却水入口31、冷却水出口32、光学部品やケーシングを冷却するための乾燥エアーをレーザ光学ヘッド1に供給する乾燥エアー出口33及び乾燥エアー入口34などである。
【0039】
図3および図4において、ヘッダ40とスタッブチューブ41との溶接箇所を溶接するロボット45がYAGレーザ光とHeNeレーザを発振するレーザ発振器43とロボット制御装置44に接続され、レール47上を走行する走行台車46上に載置されている。また、ロボット45の教示を行うためのペンダントボックス48、支持台49、ヘッダ40を固定するための拘束ジグ50、ヘッドを固定するための拘束台51などが設けられている。
【0040】
また、図7と図8に、それぞれ溶接部へのアシストガスノズル22からの吹き出し方向とワイヤノズル18からのワイヤ21の挿入方向を示す平面図と正面図には、ヘッダ40へのスタッブチューブ41の溶接線に対する溶接線接線35を示す。
【0041】
図3と図4によりレーザ溶接装置全体の説明をする。
スタッブチューブ41がヘッダ40に取り付く側が上を向くように、ヘッダ40を拘束台51上に拘束ジグ50で固定する。スタッブチューブ41は、ヘッダ40に1列かあるいは3列で仮付けされて固定されている。スタッブチューブ41が3列でヘッダ40に取付く場合は、拘束台51が傾いて各列のスタッブチューブ41の溶接線が水平になるようにする場合もある。
【0042】
ロボット45は走行台車46によりヘッダ40の長手方向に沿って移動する。スタッブチューブ41の溶接手順としては、スタッブチューブ41をブロックに分けて溶接を行う。まず走行台車46が停止し、ロボット45の稼動範囲内にあるスタッブチューブ41のブロックをロボット45が溶接を行う。次に、走行台車46が移動し、次のブロックのスタッブチューブ41の溶接を行うことを繰り返して全てのスタッブチューブ41の溶接を完了させる。ロボットのプログラムの教示作業は、ペンダントボックス48を使用して行う。
【0043】
図1と図2にそれぞれ示す本発明の一実施例のスタッブ溶接用レーザ加工ヘッドの側面図と正面図により本実施例のスタッブ溶接用レーザ加工ヘッドについて説明をする。
【0044】
レーザ発振器43(図3)で発生したYAGレーザ光25(波長1060nm)は、光ファイバ2によりレーザ加工ヘッド1に導光され、光ファイバ端より広角に出射し、コリメートレンズ3で平行光になり、集光レンズ4でレーザ光25を被加工物の加工点において焦点を結ぶようにする。集光中のレーザ光25は、反射ミラー16により45度の角度で曲げられ、ヘッダ40とスタッブチューブ41の溶接部に照射するようにする。これにより、スタッブチューブ41と平行にレーザ光25を導光することが可能になる。
【0045】
光ファイバ2は、ハウジング5に光ファイバコネクタ6で固定されていて、簡単に取り外しができ、また光ファイバ2とコリメートレンズ3のレーザ光25の光軸が正確に合うようになっている。レーザ加工ヘッド1は内部が密閉構造になっていて、外部から埃や溶接のフュームが入らないようになっている。そして、乾燥エアーをハウジング5の乾燥エアー入口34より供給し、レーザ加工ヘッド1内を流れて、反射ミラーハウジング15に取りけられた乾燥エアー出口33より排出して、光学部品とハウジング5、15の冷却を行う。反射ミラー16と保護ガラス29は、集光中の絞られたレーザ光25が照射されるため、他の光学部品に比べてレーザ光25による発熱が大きい、そのため反射ミラーハウジング15は水冷構造になっている。
【0046】
溶接部にレーザ光25が照射されると、照射された金属は急激に高温になり蒸発を始め、溶接部からはプラズマやフュームが発生し、このプラズマやフュームがレーザ光25を吸収あるいはレーザ光25を散乱させる。そのためプラズマやフュームを吹き飛ばして、レーザ光25を効率的に溶接部に照射させるために、アシストガスを溶接部に吹き付ける必要がある。またこのアシストガスは、溶接部のシールドガスとしての役目も果たしている。アシストガスの成分としては、Nガスを用いるとブローホール等の溶接欠陥を低減でき、健全な溶接部が得られることが知られている。ワイヤノズル18は添加ワイヤ21を溶接部に導き、アシストガスノズル22はアシストガスを溶接部に吹き付けるため、従来レーザ加工ヘッド1ではワイヤノズル18と溶接部とアシストガスノズル22は直列に配置されていた。
【0047】
ワイヤノズル18とアシストガスノズル22の配置について、図5、図6により説明する。
ワイヤノズル18とアシストガスノズル22をレーザ光25の光軸(E)を挟んで反対側に配置し、かつワイヤノズル18の長手方向の延長線(A)とアシストガスノズル22の長手方向の延長線(B)とレーザ光25の光軸(E)がスタッブ41のチューブ40への溶接点(G)又はその近傍で交わるように配置し、
ワイヤノズル18の長手方向の延長線(A)とアシストガスノズル22の長手方向の延長線(B)を含む平面(C)とレーザ光25の光軸(E)は前記溶接点(G)又はその近傍で交わるように配置し、スタッブ41の長手方向の軸線(F)に平行で、前記溶接点(G)を通る線(F’)とレーザ光25の光軸(E)との間に前記平面(C)があるように配置する。
【0048】
上記配置により、ワイヤノズル18の長手方向の延長線(A)とアシストガスノズル22の長手方向の延長線(B)を含む平面(C)がレーザ光25の光軸(E)と溶接点(G)を通る線(F’)との間にあることで、レーザ光25が溶接点(G)に入射する角度はエネルギー密度が高く、溶接部深くまで照射できる範囲に保たれと同時に林立するスタッブ41とヘッダ40との干渉なしにワイヤノズル13をスタッブ41の円周に沿って送給できる。
【0049】
次に、アシストガスノズル22からのアシストガスの吹き出し方向と、ワイヤノズル18からのワイヤ21の溶接部への挿入方向について、図7と図8により説明する。アシストガスノズル22からのアシストガスの吹き出し方向は溶接進行方向に、溶接線接線35に対して水平方向の傾斜角度θGaが0〜40度、垂直方向の傾斜角度θGbが5〜40度の方向で溶接部に噴射するのが良い。また、ワイヤノズル18からのワイヤ21の溶接部への挿入方向が溶接進行方向前方から、溶接線接線35に対して水平方向に対する傾斜角度θWaが0〜40度、垂直方向に対する傾斜角度θWbが5〜40度の方向で溶接部に挿入するのが良い。
【0050】
アシストガスは溶接部から発生するプラズマやフュームを吹き飛ばし、溶接部をシールドするために、溶接部に対して真横あるいは斜めの位置から吹き付けるのが良く、アシストガスノズル22のガス噴出方向と溶接線接線35のなす角度を大きくするとアシストガスノズル22とエアーブローノズル26あるいは反射ミラーハウジング15とが干渉することになる。
【0051】
また、溶接進行方向にはワイヤノズル18が設置されているため、アシストガスノズル22は溶接進行方向後方に設置するのが良い。溶接部へのワイヤ21の挿入角度も溶接部に対して真横あるいは斜めの位置からが良く、ワイヤ21の挿入方向と溶接線接線35のなす角度が大きくなると、ワイヤ21が溶融池に立って入ることになるため、ワイヤ21の溶融池狙い位置の裕度が狭くなる。また、ヘッダ40とスタッブチューブ41の溶接では溶融池が小さいために、ワイヤ21は溶接進行方向から挿入したほうが良い。以上の条件を満足させることにより、ヘッダ40とスタッブチューブ41の溶接を安定して行うことができ、健全な溶接部を得るこことができる。
【0052】
保護ガラス29は溶接部の近傍にあるため、溶接部から発生するスパッタやフュームにより汚染されやすい。そのためにエアーブローノズル26より高速エアーを吹き出し、スパッタやフュームを保護ガラス29の手前で吹き飛ばす必要がある。但し、保護ガラス29と溶接部の距離が接近しているため、エアーブローによりアシストガスの吹き付け状態が影響されないようにする必要がある。
【0053】
エアーブローノズル26の構造を図9と図10により説明する。
エアーブローノズル26はエアーブローノズルサポート27により反射ミラーハウジング15に固定されている。エアーブローノズル26は薄い箱型で、吹き出し口も薄い長方形にすることにより、エアーブローの吹き出しを層流状態にすることができる。そして、高速エアーの吹き出し方向を溶接進行方向に、保護ガラス29のなす平面に対して高速エアーの吹き出し傾斜角度θAbが0〜15度で、高速エアーの吹き出し方向が溶接線の接線に平行な保護ガラスの中心線(溶接進行方向の保護ガラスの中心線)に対する傾斜角度θAaが0〜40度となるように高速エアーを噴射することにより、アシストガスへの干渉がなく、高速エアーが対象溶接スタッブチューブ41と干渉することもなく、溶接部から発生するスパッタやフュームを保護ガラス29の手前で払い飛ばし保護ガラス29の汚染を極小にすることができた。
【0054】
保護ガラス29とエアーブローノズル26の距離が近接している場合は、スパッタを完全に吹き飛ばすことができず、保護ガラスを汚染し易いので、高速エアーの吹き出し方向の前記角度θAbをゼロ度以上の小さな傾斜角度とすることが良い。但し、前記高速エアーの吹き出し傾斜角度θAbを15度より大きくすると、アシストガスと高速エアーが干渉しアシストガスの流れを乱すので良くない。
【0055】
【その他の実施例】
本発明の他の実施例を図11と図12に示す。図11は、本発明のその他の実施例に係るスタッブ溶接用レーザ加工ヘッド1aの正面図である。図12は、図11とは別の本発明のその他の実施例に係るスタッブ溶接用レーザ加工ヘッド1bで光ファイバ2を取り外し、撮像装置8を取り付けた状態を示すレーザ加工ヘッド1bの正面図である。
【0056】
図11および図12において、CCDカメラ等の撮像装置8をハウジング5または5aに固定し、撮像装置8とコリメートレンズ3の光軸を正確に合わせるための撮像装置ハウジング9を設け、レーザ光25および撮像装置8の光軸10およびYAGレーザ光とHeNeレーザ光を反射し、可視光を透過するディフレクタ36が設けられている。
【0057】
図11のレーザ加工ヘッド1aは、図13に示す従来型レーザ加工ヘッド100の光学系の構成と同仕様であり、出射光学系にディフレクタ36を用い、撮像装置8等の観察光学系を搭載している。当然ながらこの構成でも、ヘッダ40とスタッブチューブ41の溶接施工を行うことが可能である。ディフレクタ36は、コリメートレンズ3と集光レンズ4の有効口径に合わせる必要があり、どうしてもレーザ加工ヘッド1aを大きくする原因になる。すなわち、レーザ加工ヘッド1aの大きさは、ディフレクタ36の大きさに依存している。また、レーザ加工ヘッド1a内にディフレクタ36を設けることにより、このディフレクタ36での反射によるレーザ光25のエネルギー損失も発生する。
【0058】
そこで本発明の実施例に係るスタッブ溶接用レーザ加工ヘッド1では、ディフレクタ36を省略して出射光学系をレーザ加工に最低必要な構成とし、観察光学系も取り外した構成にした。
【0059】
レーザ発振器43には低出力の位置決め用可視光レーザ出力源が設けてあり、可視光の赤色のHeNeレーザ(波長632nm)が、YAGレーザ光と同様に光ファイバ2によりレーザ加工ヘッド1に導光され、レーザ光25を被加工物の加工点において焦点を結ぶようになっている。
【0060】
次に、図12によりロボットの正確な教示を行うための観察光学系を取り付けた状態を説明する。図2に示す光ファイバ2と光ファイバコネクタ6をレーザ加工ヘッド1bより取り外し、撮像装置8を撮像装置ハウジング9によりレーザ加工ヘッド1bに取り付ける。これにより、加工に先立ちロボットの正確な教示を行うことが可能になる。撮像装置ハウジング9はレーザ加工ヘッド1bに簡単に取り外しができるようになっていて、また撮像装置8とコリメートレンズ3の光軸が正確に合うようになっている。撮像装置8で撮影された画像は図示されていないモニタテレビに映し出され、被加工物の表面状態を観察できるようになっている。これらのモニタテレビには、電子ライン発生器によりクロスターゲットを発生させることも可能であり、被加工材へのレーザスポット光の照射位置を正確に合わせることが可能である。
【0061】
以上の構成において、レーザ加工ヘッド1bの加工狙い位置および姿勢をロボットに教示する手順について説明する。
まず、図2に示す構成において、YAGレーザ発振器を停止させ、赤色の可視光を出すHeNeレーザからなる位置決め用レーザ出力源を作動させ、位置決め用レーザビームを出射させる。オペレータはロボットのペンダントボックス48を使用して、ロボット45の先端に取り付けられたレーザ加工ヘッド1bを被加工物の教示位置に移動させ、この赤色の位置決め用レーザビームのスポットにより、レーザ加工ヘッド1bの大体の狙い位置と作業姿勢を決めて、ロボット制御装置44に登録する。被加工物の加工線に沿って、この操作を繰り返して概略の教示作業を行う。
【0062】
次に、さらに正確な狙い位置と作業姿勢を教示するために、位置決め用可視光レーザ源の作動を停止させ、光ファイバ2と光ファイバコネクタ6をレーザ加工ヘッド1bより外して、図12に示すように、撮像装置8と撮像装置ハウジング9をレーザ加工ヘッド1bに取り付け、撮像装置8を作動させて、この撮像装置8で捕らえた被加工物の映像をテレビモニタなどの視覚装置に表示させる。このとき被加工物の映像を鮮明にするため、外部より被加工物を照明する必要がある。オペレータは、先ほどの概略の教示作業により登録した位置にレーザ加工ヘッド1bを移動させ、この視覚装置に表示された映像を見ながら正確な位置決めを実施する。そして、その時の位置と姿勢とを、ロボット制御装置44に再登録して教示する。このようにして先ほど行った概略の教示点を全て修正し、正確な位置決めを実施し、教示した内容の加工または作業をロボット45に再実施させることが可能となる。レーザ加工を行うために、撮像装置8と撮像装置ハウジング9をレーザ加工ヘッド1bより取り外し、光ファイバ2と光ファイバコネクタ6をレーザ加工ヘッド1bに取り付けて図2の状態に戻す。
【0063】
本発明の上記各実施例によりレーザ加工中は、レーザ加工ヘッド1の小型、軽量化が図れ、可搬重量の小さいロボットに適用することができ、加工位置が狭隘な被加工物にも適用可能になり適用範囲を広げることができる。
【0064】
また、本発明の上記実施例のスタッブ溶接用レーザ加工ヘッドによれば、従来アーク溶接で施工していたヘッダの片側に密集したスタッブチューブの溶接をレーザ溶接により実施できるので、アーク溶接に比べて溶接時間とヘッダの曲り変形量をおよそ半分以下にすることができ、ヘッダの曲り修正作業が省略できる。また、レーザ溶接でもスパッタは発生するが、アーク溶接に比べてスパッタの粒が非常に小さく、量的にも少ないためにヘッダに付着したスパッタはエアーブローなどの簡単な処置で除去することができる。このように上記実施例によれば、レーザ溶接を適用することにより大幅な作業時間の短縮を図ることができる。
【0065】
そして、本発明の上記実施例のスタッブ溶接用レーザ加工ヘッド1は、従来のレーザ加工ヘッド100のディフレクタ36を無くした(図11に示す実施例を除く)ので、レーザ光25のディフレクタ36での損失をなくすことができ、また、加工装置が複数台ある場合は、撮像装置8を兼用することができ、設備費を抑えることができ、さらに、加工中は撮像装置8等の余分な部品を外しているため、レーザ加工ヘッド1と被加工物の干渉による故障等が減りメンテナンス性を向上させることができる。
【0066】
また、本発明の上記実施例によるスタッブ溶接用レーザ加工ヘッド1によれば、レーザ加工ヘッド1の小型、軽量化が図れ、可搬重量の小さいロボットに適用することができる。そして、従来レーザ加工ヘッドに対してレーザ光の光路にディフレクタ36等の光学部品を削減できるため、レーザ光の光学部品での損失を少なくすることができる。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、ボイラヘッダ等に仮り付けされたスタッブチューブを溶接するのに好適なスタッブ溶接用レーザ加工ヘッド及びこれを用いたボイラヘッダの製作方法を提供するができる。
【0068】
また、本発明によれば、レーザ加工ヘッドの小型、軽量化が図れ、可搬重量の小さいロボットに適用できるため、溶接対象スタッブチューブ周辺に他のスタッブチューブあるいは障害物があるような狭隘部の溶接が可能なレーザ加工ヘッドを提供でき、このレーザ加工ヘッドを使用してボイラヘッダのスタッブチューブを溶接すると高能率で低入熱溶接が可能でヘッダの溶接変形が少なくなり、曲り修正作業が無くなってスパッタやスラグの除去作業も無くなる。
【0069】
さらに、本発明によれば、ロボット教示作業は従来通りに行えて、加工時には加工に必要な出射光学系のみとする、小型、軽量なレーザ加工ヘッドを提供することができる。
【0070】
より具体的には、ワイヤノズルの長手方向の延長線(A)とアシストガスノズルの長手方向の延長線(B)を含む平面(C)がレーザ光の光軸(E)と溶接点(G)を通る線(F’)との間にあることで、レーザ光が溶接点(G)に入射する角度はエネルギー密度が高く、溶接部深くまで照射できる範囲に保たれと同時に林立するスタッブとヘッダとの干渉なしにワイヤノズルをスタッブの円周に沿って送給できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るスタッブ溶接用レーザ加工ヘッドの側面図である。
【図2】本発明の実施例に係るスタッブ溶接用レーザ加工ヘッドの正面図である。
【図3】本発明のスタッブ溶接用レーザ加工ヘッドをロボットに搭載した全体溶接装置を示す平面図である。
【図4】本発明のスタッブ溶接用レーザ加工ヘッドをロボットに搭載した全体溶接装置を示す正面図である。
【図5】図1のA−A線切断断面図である。
【図6】スタッブのヘッドへの溶接部へのアシストガス吹き出し方向とワイヤ挿入方向とレーザ光との配置関係を示す図である。
【図7】溶接部へのアシストガス吹き出し方向とワイヤ挿入方向を示す平面図である。
【図8】溶接部へのアシストガス吹き出し方向とワイヤ挿入方向を示す正面図である。
【図9】図1のB−B線矢視図である。
【図10】図9のC−C線切断断面図である。
【図11】本発明のその他の実施例に係るスタッブ溶接用レーザ加工ヘッドの正面図である。
【図12】本発明のその他の実施例に係るスタッブ溶接用レーザ加工ヘッドで光ファイバを取り外し、撮像装置を取り付けた状態を示すレーザ加工ヘッドの正面図である。
【図13】従来のレーザ加工ヘッドの構造を示す概略構成図である。
【図14】管群を説明する斜視図である。
【符号の名称】
1、1a、1b レーザ加工ヘッド
2 光ファイバ
3 コリメートレンズ
4 集光レンズ
5、5a、5b ハウジング
6 光ファイバコネクタ
7 アーム
8 撮像装置
9 撮像装置ハウジング
10 レーザ光および撮像装置の光軸
11 レンズハウジング
12 サポートブロック
13 カバー
14 柱
15 反射ミラーハウジング
16 反射ミラー
17 反射ミラー押さえ
18 ワイヤノズル
19 ワイヤノズルサポート
20 ワイヤチップ
21 ワイヤ
22 アシストガスノズル
23 アシストガスノズルサポート
24 アシストガス入口
25 レーザ光
26 エアーブローノズル
27 エアーブローノズルサポート
28 エアー入口
29 保護ガラス
30 保護ガラス押さえ
31 冷却水入口
32 冷却水出口
33 乾燥エアー出口
34 乾燥エアー入口
35 溶接線接線
36 ディフレクタ
40 ヘッダ
41 スタッブチューブ
42 フィンチューブ
43 レーザ発振器
44 ロボット制御装置
45 ロボット
46 走行台車
47 レール
48 ペンダントボックス
49 支持台
50 拘束ジグ
51 拘束台
100 レーザ加工ヘッド

Claims (4)

  1. 溶接ロボットに搭載し、被溶接物の溶接部に仮付けされたスタッブを溶接するレーザ加工ヘッドにおいて、
    光ファイバーから出射したレーザ光の広がりを平行光にするコリメートレンズと、
    コリメートされたレーザ光を集光する集光レンズと、
    レーザ光を反射して被溶接物の溶接部に照射する反射ミラーと、
    溶接部からのフューム、スパッタ等から光学系を保護する保護ガラスと、
    該保護ガラスと溶接部の間に高速エアーを噴射するエアーブローノズルと、
    添加ワイヤを溶接部にガイドするワイヤノズルと、
    溶接部から発生するプラズマやフュームを吹き飛ばして溶接部をシールドするためのアシストガスを溶接部に噴射するためのアシストガスノズルと
    を備え、
    ワイヤノズルとアシストガスノズルをレーザ光の光軸を挟んで反対側に配置し、かつ、ワイヤノズルの長手方向の延長線とアシストガスノズルの長手方向の延長線とレーザ光の光軸がスタッブのチューブへの溶接点又はその近傍で交わるように配置し、
    ワイヤノズルの長手方向の延長線とアシストガスノズルの長手方向の延長線を含む平面とレーザ光の光軸は前記溶接点又はその近傍で交わるように配置し、
    スタッブの長手方向の軸線に平行で、前記溶接点を通る線とレーザ光の光軸との間に前記ワイヤノズルの長手方向の延長線とアシストガスノズルの長手方向の延長線を含む平面があるように配置し、
    前記アシストガスノズルは、その形状が管状であり、溶接部に噴射するアシストガスの吹き出し方向が溶接進行方向に、溶接線の接線に対して水平方向の傾斜角度θGaが0〜40度であり、垂直方向の傾斜角度θGbが5〜40度で傾斜配置され、
    前記エアーブローノズルは、その形状が薄い箱型であり、そのエアー吹き出し口が薄い長方形であり、高速エアーの吹き出し方向が溶接進行方向に保護ガラスのなす平面に対して傾斜角度θAbが0〜15度であり、
    高速エアーの吹き出し方向が溶接線の接線に平行な保護ガラスの中心線(溶接進行方向の保護ガラスの中心線)に対する傾斜角度θAaが0〜40度で傾斜配置され、
    前記ワイヤノズルからの添加ワイヤの溶接部への挿入方向が溶接進行方向前方から、溶接線の接線に対して水平方向の傾斜角度θWaが0〜40度であり、垂直方向の角度θWbが5〜40度の傾斜角度である
    ことを特徴とするスタッブ溶接用レーザ加工ヘッド。
  2. アシストガスとしてNガスを用いることを特徴とする請求項1記載のスタッブ溶接用レーザ加工ヘッド。
  3. 前記溶接ロボットの教示プログラムを作成するときに、前記光ファイバをレーザ加工ヘッドより外してレーザ光軸上に撮像装置を取り付け被加工材の映像を撮影可能にしたことを特徴とする請求項1又は2記載のスタッブ溶接用レーザ加工ヘッド。
  4. ボイラヘッダの長手方向に沿って移動する溶接ロボットを用いて、該ボイラヘッダの長手方向に一列あるいは複数列の一定ピッチで仮付けされた同一径で複数のスタッブチューブを溶接するボイラヘッダの製作方法において、
    該溶接ロボットに前記請求項1記載のスタッブ溶接用レーザ加工ヘッドを搭載し、該ボイラヘッダの長手方向に沿って該溶接ロボットを移動させて、該ボイラヘッダに仮付けされたスタッブチューブをレーザ溶接法で順次溶接することを特徴とするボイラヘッダの製作方法。
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