JP2004250647A - 接着剤組成物およびそれを用いた積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自然環境温度下においても粘接着性に優れる水酸基含有ブタジエン重合体を含有する接着剤組成物を用いて、熱硬化性樹脂からなる防水材層と熱可塑性樹脂層とを接着する。さらに前記接着剤組成物として、水酸基含有ブタジエン重合体を含む一液硬化型接着剤組成物または二液硬化型接着剤組成物を用いる。
【効果】基材のひび割れへの追従性や防水性能に優れる熱硬化性樹脂からなる防水材層と、アスファルト舗装材との接着性に優れる熱可塑性樹脂層とを強固に接着することができる。
【選択図】 なし
【効果】基材のひび割れへの追従性や防水性能に優れる熱硬化性樹脂からなる防水材層と、アスファルト舗装材との接着性に優れる熱可塑性樹脂層とを強固に接着することができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、屋上、高架橋、高架道路、橋、駐車場など高度の防水を要する建築、土木分野における接着剤組成物および該接着剤組成物を用いた積層体に関する。より詳しくは、熱硬化性樹脂からなる防水材(A)と熱可塑性樹脂(C)との接着に用いる水酸基含有ブタジエン重合体を含む接着剤組成物(B)、および該接着剤組成物(B)を用いて前記防水材(A)と熱可塑性樹脂(C)とを接着した積層体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
屋根、屋上、高架橋、高架道路、橋梁などの構造物には、雨水などの浸透を防止するため、防水材が施工されている。このような構造物の基材防水施工法は従来から種々の技術が提案されており、特に高架道路等では従来のアスファルト系シート防水技術やアスファルト乳剤など用いる防水技術の他、近年は種々の技術が提案されている。たとえば、コンクリート床版の表層に施された塗膜防水層の上に熱可塑性樹脂粒子を散布した後、アスファルト舗装を施す技術(特許文献1)、コンクリート床版上面に防水膜を形成するための常温硬化型合成樹脂を塗付し、この合成樹脂の硬化前に熱溶融型樹脂のペレットを散布し、この合成樹脂が硬化した後に、この上に加熱混合物を舗設して舗装層を形成する技術(特許文献2)、コンクリート等の床版に湿潤面接着性に優れた常温硬化型液状樹脂を塗付して直ちに硅砂等を散布した後、二液混合可撓性速硬化型のウレタン樹脂またはウレア樹脂またはウレアウレタン樹脂(以下、「二液混合可撓性速硬化型一次防水樹脂」という)を塗付し、直ちに硅砂等を散布して二液混合可撓性速硬化型一次防水樹脂を硬化させた後、アスファルト乳剤またはゴム改質アスファルト乳剤に顆粒状または粉末の熱溶融接着剤を混合分散した防水接着剤を散布してアスファルト舗装材を舗設する技術(特許文献3)などが提案されている。
【0003】
これらの複合構造体は、四季を通した温度変化や雨水による負荷、車輌走行による繰り返し荷重負荷、基材の撓み負荷を受けることにより、基材のひび割れへの追従性が十分に満足できるものではないという問題がある。さらには前記問題点による防水機能の低下、基材と防水材または防水材とアスファルト舗装材(合材)との接着が不十分であるという問題がある。
【0004】
さらに、前記二液混合可撓性速硬化型一次防水樹脂からなる防水材は、基材のひび割れへの追従性や防水性能に優れることから防水材として広く利用されているが、この防水材はアスファルト舗装材との接着が非常に難しいという問題がある。このため、前記二液混合可撓性速硬化型一次防水樹脂からなる防水材と、アスファルトおよび骨材からなるアスファルト舗装材とを接着するために、前述したような種々の接着剤が提案されているが、未だ十分なものとはいえず、さらなる改良が望まれている。
【0005】
【特許文献1】
特開平3−93904号公報
【特許文献2】
特公平8−9851号公報
【特許文献3】
特開2000−170111号公報
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、基材のひび割れへの追従性や防水性能に優れる熱硬化性樹脂からなる防水材(A)と、アスファルト舗装材との接着性に優れる熱可塑性樹脂(C)層とを
強固に接着する接着剤組成物(B)を提供することを目的としている。また、本発明は、防水材(A)層と接着剤(B)層と熱可塑性樹脂(C)層とを含む積層体、および基材とアスファルト舗装材との間に防水材(A)と接着剤組成物(B)と熱可塑性樹脂(C)とを含む積層体を含有する構造体を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】
本願発明者は、上記問題点を解決すべく鋭意研究し、特定の水酸基含有ブタジエン重合体を含有する接着剤が、自然環境温度下においても熱可塑性樹脂シートなどとの粘接着性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る接着剤組成物は、少なくとも防水材層と熱可塑性樹脂層とを接着する接着剤組成物であって、該接着剤組成物が1分子中の平均水酸基数が1以上である水酸基含有ブタジエン重合体を含むことを特徴としている。
【0008】
本発明に係る接着剤組成物は、1分子中の平均水酸基数が1.7以上である水酸基含有ブタジエン重合体を、接着剤組成物中の硬化性成分に対して10重量%以上含有することが好ましい。
本発明に係る接着剤組成物は、一液硬化型接着剤組成物であって、
(I)1分子中に平均2個以上のイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートと、
(II−1)水酸基含有ブタジエン重合体、または(II−2)水酸基含有ブタジエン重合体および活性水素基含有化合物とを、
成分(I)に含まれるイソシアネート基1個に対して成分(II−1)または(II−2)に含まれる活性水素基(−OH、−NRH、−NH2)が0.1〜0.5個の範囲になる割合で、少なくとも含有することが好ましい。
【0009】
本発明に係る接着剤組成物は、
(I−1)1分子中に平均2個以上イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネート、および/または(I−2)1分子中に平均2個以上イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物との反応生成物を含有するA液と、
水酸基含有ブタジエン重合体および/または活性水素基含有化合物を含有するB液とを
含む二液硬化型接着剤組成物であって、
前記A液および/またはB液が1分子中の平均水酸基数が1以上である水酸基含有ブタジエン重合体を含有し、
A液とB液とを、前記A液に含まれるイソシアネート基1個に対して前記B液に含まれる活性水素基(−OH、−NRH、−NH2)が0.3〜0.7個の範囲になる割合で含有することが好ましい。
【0010】
本発明に係る積層体は、少なくとも防水材層、接着剤層、熱可塑性樹脂層からなる積層体であって、
該防水材層が硬化性ウレタン樹脂、硬化性ウレア樹脂、硬化性ウレタンウレア樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化性樹脂を用いて形成され、
該接着剤層が、1分子中の平均水酸基数が1以上である水酸基含有ブタジエン重合体を含む接着剤組成物を用いて形成されることを特徴としている。
【0011】
前記接着剤組成物は、一液硬化型接着剤組成物または二液硬化型接着剤組成物であることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂層は、
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のカルボキシル変性体、エチレン−酢酸ビニル共重合体のカルボキシル変性体、エチレン−アクリル酸類共重合体およびポリオレフィンの酸無水物変性体からなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を用いて形成され、
該熱可塑性樹脂が、水酸基価および/または酸価が1.0mgKOH/g以上である熱可塑性樹脂であることが好ましい。
【0012】
本発明に係る構造体は、基材とアスファルト舗装材との間に、前記積層体を含むことを特徴としている。
【0013】
【発明の具体的説明】
本発明は、熱硬化性樹脂からなる防水材(A)層と熱可塑性樹脂(C)層とを接着する接着剤組成物(B)、防水材(A)層と接着剤(B)層と熱可塑性樹脂(C)層とを含む積層体、および基材と前記積層体とアスファルト舗装材とを含む構造体に関する。
【0014】
<接着剤組成物(B)>
まず、本発明に係る接着剤組成物(B)について説明する。接着剤組成物(B)は、熱硬化性樹脂からなる防水材(A)層と熱可塑性樹脂(C)層とを接着する接着剤組成物である。
本発明に係る接着剤組成物(B)(「プライマー」ということもある)は1分子中に平均1個以上の水酸基を有するブタジエン重合体(以下、「水酸基含有ブタジエン重合体」という)を含有する。接着剤組成物(B)は、−25℃〜200℃の範囲の温度で反応して硬化し、反応硬化後に未反応成分が残留しないものが好ましい。
【0015】
この接着剤組成物(B)は、1分子中の平均水酸基数が1以上の水酸基含有ブタジエン重合体を含有するものであれば、特に限定はされないが、1分子中の平均水酸基数が1以上の水酸基含有ブタジエン重合体が反応して硬化する接着剤組成物である。このような接着剤組成物(B)としては、一液硬化型(湿気硬化型ということもある)または二液硬化型の接着剤組成物が好ましく用いられる。
【0016】
いずれの接着剤組成物も、1分子中の平均水酸基数が1以上の水酸基含有ブタジエン重合体と結果として反応して硬化する接着剤成分(B1)を含有する。 このような接着剤組成物(B)として、たとえば、酸素上に活性水素を有する化合物であるポリオールを用いるポリウレタン系接着剤組成物、窒素上に活性水素を有する化合物であるポリアミンを用いるポリウレア系接着剤組成物、ポリオールとポリアミンを併用して用いるポリウレタンウレア系接着剤組成物が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0017】
ポリウレタン系接着剤組成物、ポリウレア系接着剤組成物またはポリウレタンウレア系接着剤組成物において、接着剤成分(B1)は、たとえば、
(I−1)有機ポリイソシアネート、および/または
(I−2)有機ポリイソシアネートと、水酸基含有ブタジエン重合体および/または活性水素基含有化合物との反応生成物(以下、「プレポリマー」ともいう)が好ましい。本明細書において、活性水素基含有化合物は水酸基含有ブタジエン重合体以外の活性水素基含有化合物を意味する。
【0018】
接着剤組成物(B)は、水酸基含有ブタジエン重合体と接着剤成分(B1)に加えて、水酸基含有ブタジエン重合体以外の活性水素基含有化合物を含有することが好ましい。この活性水素基含有化合物は、後述するプレポリマーの製造に用いられる活性水素基含有化合物と同じであっても異なってもよく、また、1種単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
【0019】
前記ポリウレタン系接着剤組成物、ポリウレア系接着剤組成物またはポリウレタンウレア系接着剤組成物において、接着剤組成物(B)中の活性水素基含有化合物と有機イソシアネートとの割合は特に限定されないが、化学量論的に等価な割合であることが特に好ましい。制御が困難なときには、その割合はイソシアネートリッチにすることが好ましい。
【0020】
また、接着剤組成物(B)には、必要に応じて、従来公知の触媒、溶剤、可塑剤、フィラー、着色剤、安定剤、消泡剤、カップリング剤などの添加剤を混合することができる。
(水酸基含有ブタジエン重合体)
本発明に用いられる水酸基含有ブタジエン重合体はブタジエン重合体に水酸基を導入した変性重合体である。この水酸基はブタジエン重合体の分子鎖末端、分子鎖内のいずれに存在してもよいが、分子鎖末端に存在することが好ましい。水酸基を含有するブタジエン重合体を接着剤組成物(B)に含有させることにより、自然環境温度下での接着性を向上させ、防水材(A)と熱可塑性樹脂(C)とを自然環境温度下でも強固に接着することができる。
【0021】
この水酸基含有ポリブタジエン重合体は、1分子中に少なくとも平均1個以上の水酸基を有するものであり、好ましくは1分子中に少なくとも平均1.5個以上10個以下、より好ましくは2個以上5個以下の水酸基を有することが望ましい。
この水酸基含有ブタジエン重合体に用いられるブタジエン重合体は、1,4−シス結合体、1,4−トランス結合体および1,2−結合体からなる群から選択される少なくとも1種の結合体の単独重合体または共重合体、または、前記少なくとも1種の結合体と、その他のジエン類、またはアクリロニトリル、スチレン、ブテンなどの付加重合モノマーとの共重合体であってもよい。これらのブタジエン重合体は、単独重合体、共重合体それぞれを単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の樹脂を併用してもよい。
【0022】
このような水酸基含有ブタジエン重合体は、たとえば、特開平5−59218号公報に記載の無溶剤系での方法により合成できるが、好ましくは、アルコール類の溶剤の存在下、少なくとも1種の炭素数4〜22のジエンモノマーと、過酸化水素、水酸基を有するアゾ化合物、水酸基を有するパーオキサイドなどの出発物質とを、80〜150℃で0.5〜15時間攪拌してラジカル重合反応させた後、減圧蒸留することによって得ることができる。前記出発物質としては過酸化水素が好ましい。
【0023】
また、本発明に用いられる水酸基含有ブタジエン重合体は、ブタジエン重合体を合成した後、水酸基を導入してもよい。さらに、市販の水酸基含有ブタジエン重合体を用いてもよい。市販の水酸基含有ブタジエン重合体としては、たとえば、出光アトフィナ社製のR−15HT、R−45HT等が挙げられる。
本発明に用いられる水酸基含有ブタジエン重合体は、数平均分子量が300以上10000以下であることが好ましく、500以上5000以下であることが特に好ましい。また、その水酸基価は、11mgKOH/g以上570mgKOH/g以下が好ましく、22mgKOH/g以上340mgKOH/g以下がより好ましい。
【0024】
接着剤組成物(B)中の水酸基含有ブタジエン重合体含有量は、接着剤組成物(B)中の硬化性成分量に対して、通常10重量%以上、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは15〜65重量%が望ましい。ここで、硬化性成分とは、接着剤組成物(B)の硬化に寄与する成分を意味する。たとえば、水酸基含有ブタジエン重合体、有機ポリイソシアネート、活性水素基含有化合物などが挙げられる。
【0025】
特に、本発明に係る接着剤組成物(B)は、1分子中に少なくとも平均1.7個以上の水酸基を有する水酸基含有ブタジエン重合体を接着剤組成物中の硬化性成分に対して10重量%以上含有することが好ましい。
(接着剤成分(B1))
本発明に用いられる接着剤成分(B1)としては、
(I−1)有機ポリイソシアネート、および/または
(I−2)有機ポリイソシアネートと水酸基含有ブタジエン重合体および/または活性水素基含有化合物との反応生成物(プレポリマー)
が好ましく用いられる。
【0026】
前記有機ポリイソシアネートは、1分子中に平均2個以上のイソシアネート基を有する。このような有機ポリイソシアネートは、−25℃〜200℃の範囲にある温度において水酸基含有ブタジエン重合体と反応して硬化するものであれば、特に制限されないが、たとえば、
m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4’−または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;
1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートなどの芳香環含有脂肪族ジイソシアネート;
トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエートなどの脂肪族ジイソシアネート;
1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどの脂環族ジイソシアネート;および
これらのジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、二量体、三量体など、通常のポリウレタン樹脂の製造に使用される有機ポリイソシアネートを挙げることができる。また、これらの有機ポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
【0027】
上記有機ポリイソシアネートのうち、芳香族ジイソシアネートが好ましく、さらに2,4−トリレンジイソシアネートまたは2,6−トリレンジイソシアネートまたはそれらの混合物、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(以下、「クルードMDI」という)が好ましい。
【0028】
プレポリマーの製造に用いられる活性水素基含有化合物としては、たとえば、ポリアミン、ポリオールが挙げられる。
前記ポリアミンとしては、たとえば、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリオキシアルキレンポリアミンなどの脂肪族ポリアミン;
イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、水添キシリレンジアミンなどの脂環式ポリアミン;
キシリレンジアミンなどの芳香環含有脂肪族ポリアミン;
3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、1,1’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,1’,2,2’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニル−メタン、N,N’−ビス(t−ブチル)−4,4’−ジアミノジフェニル−メタン、ジ(メチルチオ)トルエンジアミンなどのアミン価180〜700の芳香族ポリアミンが挙げられる。
【0029】
前記ポリオールとしては、たとえば、エチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、アルカンジオール(炭素数:7〜22)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、アルカン−1,2−ジオール(炭素数:17〜20),水素化ビスフェノールA,1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、キシレングリコール、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどの低分子ジオール;
グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノール、および炭素数8〜24の脂肪族トリオールなどの低分子トリオール;
テトラヒドロフランの開環重合によって得られるポリテトラメチレングリコール;
ひまし油などの天然油脂ポリオール;
ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなどのポリオレフィンポリオール、およびこれらの水素添加物などを挙げることがでる。
【0030】
また、前記ポリオールとして、前記の低分子ジオール、低分子トリオール、ジアミンまたは3官能以上のポリアミンと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドとの付加反応によって得られるポリオキシアルキレンポリオール;
前記低分子ジオール、低分子トリオールを出発物質としてε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトンを開環重合して得られるポリエステルポリオール;
前記低分子ジオール、低分子トリオールを出発物質としてエチレンカーボネートを開環重合して得られるポリカーボネートポリオール;
前記低分子ジオール類および低分子トリオール類からなる群から選択される少なくとも1種のポリオールと、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、1,1−ジメチル−1,3−ジカルボキシプロパン、3−メチル−3−エチルグルタール酸、アゼライン酸、セバチン酸、その他の脂肪族ジカルボン酸(炭素数:11〜13)、ヘット酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物との反応によって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。ここで、前記カルボン酸の誘導体としては、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水2−アルキル(炭素数:12〜18)コハク酸などの酸無水物、シュウ酸ジクロリド、アジピン酸クロライド、セバチン酸クロライドなどの酸ハライドが挙げられる。
【0031】
これらの活性水素基含有化合物は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
前記プレポリマーは、前記有機ポリイソシアネートと、前記水酸基含有ブタジエン重合体および/または前記活性水素基含有化合物とから得ることができ、たとえば、活性水素基含有化合物としてポリオールを用いるウレタン系プレポリマー、活性水素基含有化合物としてポリオールとポリアミンとを併用するウレタンウレア系プレポリマー、活性水素基含有化合物としてポリアミンを用いるウレア系プレポリマーが挙げられる。これらのうち、ウレタン系プレポリマー、ウレタンウレア系プレポリマーが好ましい。
【0032】
(触媒)
触媒としては、特に限定されないが、たとえば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N−メチルモルホリン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、ジモルホリノジエチレングリコール、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリン酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、オクチル酸コバルトが挙げられる。
【0033】
(溶剤)
溶剤としては、特に限定されないが、たとえば、アセトン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンが挙げられる。
【0034】
(可塑剤)
可塑剤としては、特に限定されないが、たとえば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジオクチル、燐酸トリクレジル、燐酸トリオクチル、エポキシ化大豆油、変性ひまし油が挙げられる。
【0035】
(フィラー)
フィラーとしては、特に限定されないが、たとえば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、マイカ、コロイダルシリカ、亜鉛華が挙げられる。
(着色剤)
着色剤としては、特に限定されないが、たとえば、二酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、酸価クロム、ウルトラマリン、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルーが挙げられる。
【0036】
(その他添加剤)
その他添加剤としては、従来公知の消泡剤、レベリング剤、色別れ防止剤、安定剤、シランカップリング剤などが挙げられる。
<二液硬化型接着剤組成物>
本発明の接着剤組成物(B)としては前述のとおり、一液硬化型または二液硬化型接着剤組成物が好ましく用いられる。まず二液硬化型接着剤組成物について説明する。
【0037】
二液硬化型接着剤組成物は、有機ポリイソシアネートおよび/または有機ポリイソシアネートから得られるプレポリマーを含有するA液と、水酸基含有ブタジエン重合体および/または活性水素基含有化合物を含有するB液とからなる。このA液またはB液の少なくともいずれか一方に、前記水酸基含有ブタジエン重合体が含まれる。
【0038】
A液は、
(I−1)前述した有機ポリイソシアネート類から選択される少なくとも1種の有機ポリイソシアネート、および/または
(I−2)前述した有機ポリイソシアネート類から選択される少なくとも1種の有機ポリイソシアネートと前記水酸基含有ブタジエン重合体および/または前記活性水素基含有化合物との反応生成物(プレポリマー)
を含み、好ましくは1分子中に少なくとも1個の遊離イソシアネート基を有するプレポリマーを含む。
【0039】
具体的には、窒素ガス雰囲気下、有機ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物とを、有機ポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO基)1個に対して活性水素基含有化合物中の活性水素基(−OH、−NRH、−NH2)が0.001〜0.5の割合で、攪拌下、温度40〜120℃で4〜8時間反応させ、必要に応じて真空蒸留して未反応の微量の有機ポリイソシアネートを留去することによりA液を調製することができる(Rはアルキル基を示す)。このA液には、必要に応じて、前記触媒、溶剤、可塑剤、フィラー、着色剤、安定剤、消泡剤、カップリング剤などの添加剤を含有させることができる。
【0040】
B液は、
(II−1)前記水酸基含有ブタジエン重合体、または
(II−2)前記水酸基含有ブタジエン重合体と前述した活性水素基含有化合物類から選択される少なくとも1種の活性水素基含有化合物との混合物
を含む。
【0041】
このB液には、必要に応じて、前記触媒、溶剤、可塑剤、フィラー、着色剤、安定剤、消泡剤、カップリング剤などの添加剤を含有させることができる。
A液とB液とを、A液中のイソシアネート基1個に対し、B液中の活性水素基が好ましくは0.3〜0.7個、より好ましくは0.35個を超え0.6個以下の範囲になるような割合で混合することが望ましい。
【0042】
(一液硬化型接着剤組成物)
次いで、一液硬化型接着剤組成物について説明する。一液硬化型接着剤組成物は、
(I)前述した有機ポリイソシアネート類から選択される少なくとも1種の有機ポリイソシアネートと、
(II−1)前記水酸基含有ブタジエン重合体、または(II−2)前記水酸基含有ブタジエン重合体と前述した活性水素基含有化合物類から選択される少なくとも1種の活性水素基含有化合物との混合物と
を反応させることによって調製される。
【0043】
具体的には、たとえば、窒素ガス雰囲気下、有機ポリイソシアネートのイソシアネート基1個に対して活性水素基含有化合物中の活性水素基が0.1〜0.5、好ましくは0.1〜0.35の割合で活性水素基含有化合物、および50重量%の溶剤を添加して、温度35〜65℃で1〜48時間、激しく攪拌して反応させることにより調製することができる。この一液硬化型接着剤組成物には、必要に応じて、前記触媒、溶剤、可塑剤、フィラー、着色剤、安定剤、消泡剤、カップリング剤などの添加剤を含有させることができる。
【0044】
<積層体>
<防水材(A)>
本発明に用いられる防水材(A)は、駐車場、道路等の基礎、橋梁、高架道路、高架鉄道等の高架橋等の舗装用に用いられる床版、家屋、ビル等の建築物の屋根、屋上等に用いられるスラブ、地下鉄、地下道、地下駐車場、地下室等の地下構造物に用いられる擁壁や天井部などの一般的には鉄板、コンクリート等の基材に塗布される熱硬化性樹脂からなる。熱硬化性樹脂からなる防水材としては、エポキシ防水材、アクリル樹脂防水材、ウレタン樹脂防水材、ウレア樹脂防水材およびウレタンウレア樹脂防水材などが挙げられる。これらのうち、コンクリートのひび割れ追従性に優れ、防水材の破断伸び率が250〜800%、引張強度が5〜25MPaの物性を有するものが好ましく、たとえば、ウレタン樹脂防水材、ウレア樹脂防水材およびウレタンウレア樹脂防水材が好ましい。
【0045】
これらは一液硬化型、二液硬化型脂などいずれの形態で使用してもよいが、二液硬化型の形態が好ましい。
(二液硬化型ウレタン樹脂)
本発明に用いられる二液硬化型ウレタン樹脂は、有機ポリイソシアネートを含むA液と活性水素基含有化合物を含むB液とからなり、使用の直前に所定の比率に計量、混合して用いられる。
【0046】
A液としては、有機ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物との反応によって1分子中に少なくとも1個の遊離イソシアネート基を有するプレポリマーが主成分として調製される。具体的には、窒素ガス雰囲気下、有機ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物とを、有機ポリイソシアネートのイソシアネート基1個に対して活性水素基含有化合物中の活性水素基が0.1〜0.8の割合で、攪拌下、温度40〜120℃で4〜8時間反応させることで調製される。このようにして得られるウレタンプレポリマーは、イソシアネート基含有量が3〜17%、好ましくは5〜15%であることが望ましい。
【0047】
A液に用いられる有機ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、前述した有機ポリイソシアネート類が挙げられる。これらのうち、芳香族ポリイソシアネートが好ましく、より好ましくは2,4−トリレンジイソシアネートまたは2,6−トリレンジイソシアネートまたはそれらの混合物、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートが用いられる。
【0048】
A液に用いられる活性水素基含有化合物としては、特に限定されないが、前述した活性水素基含有化合物類と同様のものが挙げられる。これらの活性水素基含有化合物は、単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。この活性水素基含有化合物としては、好ましくは、1分子中の活性水素基が2〜4、平均分子量が200〜6000のポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシエチレンプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ビスフェノール系ポリオール、ひまし油ポリオールが挙げられる。
【0049】
B液に用いられる活性水素基含有化合物としては、前述した活性水素基含有化合物類のうち、ポリオールが好ましい。これらのうち、1分子中の活性水素基が2〜4の多価アルコール類およびポリオール類から選択される2種以上化合物を併用したものが好ましい。B液には、これら活性水素基含有化合物を主成分とし、必要に応じて触媒、フィラー、着色剤、添加剤などを混合して調製される。
【0050】
A液とB液とは、A液中のイソシアネート基1個に対し、B液中の活性水素基(水酸基)が好ましくは0.5〜2個、より好ましくは0.8〜1.2個の範囲になる割合で混合される。
また、A液および/またはB液には、必要に応じて、前記触媒、溶剤、可塑剤、フィラー、着色剤、安定剤、消泡剤、カップリング剤などの添加剤を含有させることができる。
【0051】
(二液硬化型ウレタンウレア樹脂)
本発明に用いられる二液硬化型ウレタンウレア樹脂は、有機ポリイソシアネート化合物を含むA液と活性水素基含有化合物を含むB液とからなり、使用の直前に所定の比率に計量、混合して用いられる。
A液は、前記二液硬化型ウレタン樹脂のA液と同様のものを用いることができる。
【0052】
B液に用いられる活性水素基含有化合物としては、特に限定されないが、たとえば、前述した活性水素基含有化合物類と同様のものが挙げられる。これらのうち、1分子中の活性水素基が2〜4の多価アルコール類、1分子中の活性水素基が2〜4の平均分子量が200〜6000のポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシエチレンプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ビスフェノール系ポリオールおよびひまし油ポリオールからなる群から選択される少なくとも1種のポリオールと、アミン価が180〜700の芳香族ポリアミンとを併用したものが好ましい。
【0053】
B液には、必要に応じて、前記触媒、フィラー、着色剤、添加剤などを混合して調製される。
A液とB液とは、A液中のイソシアネート基1個に対し、B液中の活性水素基(水酸基およびアミノ基)が好ましくは0.5〜1.5個、より好ましくは0.8〜1.2個の範囲になる割合で混合される。
【0054】
(二液硬化型ウレア樹脂)
本発明に用いられる二液硬化型ウレタン樹脂は、有機ポリイソシアネートを含むA液とポリアミンを含むB液とからなり、使用の直前に所定の比率に計量、混合して用いられる。
A液は、前記二液硬化型ウレタン樹脂のA液と同様のものを用いることができる。
【0055】
B液としては、特に限定されないが、たとえば、1分子中のアミノ基が1個以上の平均分子量が200〜6000のポリオキシアルキレンジアミン、ポリオキシアルキレントリアミン類、より具体的にはポリプロピレングリコール鎖の末端水酸基がアミノ化されたジアミン、トリアミンが挙げられる。また、これとその他のアミン類とを併用することができる。その他のアミン類としては、特に限定されないが、前述した活性水素基含有化合物類のうちのポリアミンが挙げられる。また、必要に応じて、アルキル基置換脂肪族ポリアミン、前記触媒、フィラー、着色剤、添加剤などを混合して用いることができる。
【0056】
A液とB液とは、A液中のイソシアネート基1個に対し、B液中のアミノ基が好ましくは0.5〜1.5個、より好ましくは0.8〜1.2個の範囲になる割合で混合される。
本発明において、二液硬化型ウレタン樹脂、二液硬化型ウレタンウレア樹脂または二液硬化型ウレア樹脂の反応性は、JIS K5400に規定されている指触乾燥時間として2〜3600秒、好ましくは2〜1800秒であり、この反応性の調整は、前記触媒、好ましくは酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリン酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケルおよびオクチル酸コバルトからなる群から選択される少なくとも1種の触媒と、必要に応じて有機酸とを併用することにより行うことができる。二液硬化型ウレア樹脂においては、たとえば、電子吸引性基を有する、1,1’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,1’,2,2’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンまたはジ(メチルチオ)トルエンジアミンなどを併用または多用することにより調整できる。
【0057】
<熱可塑性樹脂(C)>
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(C)は、水酸基および/またはカルボキシル基を有する熱可塑性樹脂であれば、特に限定されないが、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物および/またはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のカルボキシル変性体、エチレン−酢酸ビニル共重合体のカルボキシル変性体、エチレン−アクリル酸類共重合体、ポリオレフィンの酸無水物変性体、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、ポリビニルブチラール(ブチラール樹脂)をアセタール化したポリビニルアセタール、アクリロニトリル−ブタジエン−HEMA3元共重合体、エチレン−アクリロニトリル共重合体の部分ケン化物が挙げられる。これらのうち、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のカルボキシル変性体、エチレン−酢酸ビニル共重合体のカルボキシル変性体、エチレン−アクリル酸類共重合体、ポリオレフィンの酸無水物変性体が好ましい。
【0058】
このような熱可塑性樹脂(C)は、本発明に係る接着剤組成物(B)とアスファルト組成物との接着性に優れている。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(C)は、軟化点や溶融粘度、ズリ応力などを調整する目的で、必要に応じて、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリハロゲン化ビニル、ポリオレフィン、スチレン−ブタジエン共重合体、石油アスファルト、樹脂酸およびその誘導体、炭化水素樹脂などのタッキファイヤーなどを水酸基価および/または酸価が1.0mgKOH/g以上となる範囲で併用することができる。
【0059】
熱可塑性樹脂(C)の形状は、特に限定されないが、たとえば、織布、不織布、シートが好ましい。これらのうち、シートについては、張り付け時の空気等のガス溜りを逃がす程度の穴を有することが好ましい。この穴はシート1m2当り100個以上有することが好ましく、1m2あたり500個以上有することがより好ましく、1m2あたり1000個以上有することが特に好ましい。この穴はシートに均等に開けることが好ましいが、空気抜きの目的のためにその穴の開孔密度をシートの各部分において適宜変更してもよい。穴の形状としては、円状、楕円状、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形等いずれの形状でもよい。
【0060】
熱可塑性樹脂(C)の製造方法は、公知の方法を用いることができる。また、熱可塑性樹脂(C)は市販のものを使用してもよい。
<積層体>
本発明に係る積層体は、前記防水材(A)からなる層と前記接着剤組成物(B)からなる層と前記熱可塑性樹脂(C)からなる層とを少なくとも含有する積層体である。
【0061】
(積層体および構造体の製造方法)
本発明に係る積層体および構造体の製造方法を、高架道路を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
前記高架道路は、基材、防水材(A)層、接着剤組成物(B)層、熱可塑性樹脂(C)層、およびアスファルト舗装材からなる構造体である。
【0062】
まず、基材上に、必要に応じて基材用プライマーを塗付した後、前記防水材(A)を施工し防水材(A)層を形成する。次いで、防水材(A)層表面に前記接着剤組成物(B)を塗布して接着剤組成物(B)層し、さらに前記熱可塑性樹脂(C)を施工し熱可塑性樹脂(C)層を形成する。これによって、基材上に、少なくとも防水材(A)層と接着剤組成物(B)層と熱可塑性樹脂(C)層を含む積層体が形成される。その後、熱可塑性樹脂(C)層表面に熱アスファルト舗装材を敷設し転圧することによって高架道路用構造体が得られる。
【0063】
前記基材用プライマーとしては、硬化性エポキシ樹脂プライマー、硬化性ウレタン樹脂プライマー、硬化性ビニルエステル樹脂プライマー、硬化性アクリル樹脂プライマーなどが挙げられる。これらのうち、基材への接着性と低温速硬化性の点で、硬化性エポキシ樹脂プライマー、硬化性ウレタン樹脂プライマーが好ましい。
【0064】
防水材(A)として、二液硬化型熱硬化性樹脂を用いる場合には、使用の直前に所定の比率に計量、混合して用いることが好ましい。
防水材(A)の施工方法は、特に制限はないが、たとえば、防水材(A)として二液硬化型ウレタンウレアまたは二液混合型ウレアを用いる場合には、ガスマー社製プロポーショナーH−2000による計量、調圧、調温の下、ホットホースを介して、(i)スタティックミキサーを装着したガスマー社製GAPガン等により混合吐出する方法、または(ii)ガスマー社製GX−7ガン、グラスクラフト社製プロブラーガン等によるスプレー塗装する方法が好ましい。
【0065】
防水材(A)の塗付量は、特に限定はないが、通常0.3〜4kg/m2、好ましくは0.3〜3kg/m2が望ましい。より詳しくは、下地基材のひび割れや車輌通行による基材の繰り返し撓み負荷に対する耐性を付与するために、新設基材を用いる場合には、0.3〜3kg/m2、好ましくは0.3〜2.5kg/m2、さらに好ましくは1.5〜2.5kg/m2であり、改修基材を用いる場合には、下地の荒れている部分を被覆するのに十分な量、好ましくは1〜4kg/m2、より好ましくは1.5〜3.5kg/m2であることが望ましい。
【0066】
本発明に用いられる防水材(A)としては、JIS−K5400に規定されている指触乾燥時間として好ましくは2〜3600秒、より好ましくは2〜1800秒であり、歩行可能な迄の時間は5秒〜120分が好ましい。この時間が経過すれば、次工程、すなわち本発明の接着剤組成物を塗布する工程へ移行することができる。
【0067】
接着剤組成物(B)として、二液硬化型接着剤組成物を用いる場合には、使用の直前に所定の比率に計量、混合して用いることが好ましい。
二液硬化型接着剤組成物の塗布方法は、特に制限はないが、たとえば、(i)混合塗布機による計量、調圧、調温の下、スタティックミキサーを装着した塗布ガン等により混合吐出する方法、または(ii)適当な容器に計量、混合し、刷毛、ローラーにより塗布する方法が好ましい。
【0068】
一方、一液硬化型接着剤組成物の塗装方法は、特に制限はないが、たとえば、従来公知の塗布機、またはローラー、刷毛、鏝などにより塗布する方法が好ましく用いられる。
本発明に係る接着剤組成物(B)の塗付量は、特に限定はないが、通常0.05〜0.5kg/m2、好ましくは0.08〜0.3kg/m2であることが望ましい。
【0069】
熱可塑性樹脂(C)を塗付して熱可塑性樹脂(C)層を形成することによって、接着剤組成物(B)層と熱アスファルト舗装材層との接着性が向上する。
熱可塑性樹脂(C)は、前記接着剤組成物(B)として二液硬化型接着剤組成物を用いた場合は、この接着剤組成物(B)の塗布直後から熱可塑性樹脂(C)の施工が可能であり、一液硬化型接着剤組成物を用いた場合は、接着剤組成物(B)を塗布してから10分後以降に熱可塑性樹脂(C)を施工することが好ましい。
【0070】
熱可塑性樹脂(C)は、溶融下、上記接着剤組成物(B)の表面に塗工することができる。塗工方法は、特に限定されないが、たとえば、(i)溶融状態の熱可塑性樹脂(C)を柄杓で汲み取り、接着剤組成物(B)表面に散布し、金鏝で流し延べる方法、(ii)ラインマーカ等の専用機械で熱可塑性樹脂(C)を溶融状態にして塗工する方法が挙げられる。熱可塑性樹脂(C)の塗付量は,特に限定はないが、通常0.3〜2kg/m2、好ましくは0.5〜1.5kg/m2が望ましい。この熱可塑性樹脂(C)は、冷却されると固化し歩行可能な状態となるが、特に夏季などの気温の高い環境では合材運搬車輌等による損傷を防ぐため6号硅砂等の砂を必要に応じて散布する。砂の散布量は100〜300g/m2が好ましい。
【0071】
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(C)は、織布状、不織布状、シート状に加工して使用することができる。織布、不織布、シートの張り付け方法は、特に限定なく、公知のシートの張り付け方法を用いることができる。本発明に係る接着剤組成物(B)は粘着性に優れるため、シートを加熱することなく接着することができるが、熱風などを吹き付けるの方法により加熱して張り合わせることもできる。
【0072】
熱可塑性樹脂(C)の施工完了後、舗装用熱アスファルトコンクリートを敷設し転圧する。具体的には、施主指定の合材(アスファルト舗装材)を、この合材に適した160〜185℃の範囲の温度で熱可塑性樹脂(C)層表面にアスファルトフィニッシャーにより敷きならし、鉄輪ローラー、タイヤローラーで転圧する。この方法によって合材の熱が防水材(A)層まで伝わり、熱可塑性樹脂(C)層とアスファルト舗装材とが溶融接着し、防水材(A)層と熱可塑性樹脂(C)層とが本発明に係る接着剤組成物(B)により接着された積層体が得られる。この積層体は、基材からアスファルト舗装材まで強固に一体化し、自動車道路等に適用できる。
【0073】
(積層体)
本発明に係る積層体は、上記製造方法により得られる、少なくとも防水材(A)と熱可塑性樹脂(C)とが水酸基含有ブタジエン重合体を含む接着剤組成物(B)により接着された積層体である
この積層体は、防水材(A)と熱可塑性樹脂(C)とを自然環境温度下でも強固に接着することができる水酸基含有ブタジエン重合体を含有する接着剤組成物を使用して形成されることから、熱可塑性樹脂(C)の溶融工程や熱風による融着処理などの工程が削減できる。この積層体を、高架道路等の構造体中に含ませることによって、構造体の防水性能や、基材とアスファルト舗装材との接着性を向上させることができる。
【0074】
(物性測定方法)
(1)酸価の測定方法
酸価は、JIS K2501に記載の方法に準拠して測定する。
(2)水酸基価の測定方法
酸価は、JIS K1557に記載の方法に準拠して測定する。
(3)1分子中の平均水酸基数の算出方法
水酸基含有水酸基含有ポリブタジエン重合体1分子中の平均水酸基数は、以下の方法により算出する。まず、上記(2)水酸基価の測定方法により水酸基含有水酸基含有ポリブタジエン重合体の水酸基価(OHV)を測定する。また、水酸基含有水酸基含有ポリブタジエン重合体の数平均分子量(Mn)をASTM D2503に記載の方法に準拠して測定する。1分子中の平均水酸基数(f)を次式により算出する。
【0075】
f=OHV×Mn/56100
【0076】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。まず、実施例および比較例で用いた成分を示す。
(二液硬化型ウレタン系接着剤(1))
A液:ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート78重量部に対して、ひまし油10重量部およびポリプロピレングリコール(平均分子量1000)12重量部を混合して反応させた。
B液:1分子中の平均水酸基数が2.2個の末端水酸基含有ポリブタジエン重合体(R−15HT、出光石油化学製)65重量部および1,4−ブタンジオール5重量部に炭酸カルシウム30重量部を添加して混合した。
【0077】
A液100重量部とB液120重量部とを混合して二液硬化型ウレタン系接着剤(1)を調製した。
(湿気硬化型一液ウレタン系接着剤(2))
ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート78重量部に対して、ひまし油10重量部、ポリプロピレングリコール(平均分子量1000)12重量部、1分子中の平均水酸基数が2.2個の末端水酸基含有ポリブタジエン重合体(R−15HT)65重量部、1,4−ブタンジオール5重量部、トルエン85重量部および酢酸エチル85重量部を添加し、窒素ガス雰囲気下、激しく攪拌しながら50℃で5時間加熱した後、さらに酢酸エチル146重量部を添加して湿気硬化型一液ウレタン系接着剤(2)を調製した。
【0078】
(湿気硬化型一液ウレタン系接着剤(3))
アミン系触媒を添加したウレタン樹脂分が約35%のポリウエイP−2080(サンテクノケミカル社製)を湿気硬化型一液ウレタン系接着剤(3)として用いた。
(防水材(1))
二液硬化型ウレタンウレア系防水材として、リムスプレーF−1000(三井化学産資社製)を用いた。
【0079】
(防水材(2))
二液硬化型ウレア系防水材として、ポリウエイAR−400(サンテクノケミカル社製)を用いた。
(熱可塑性樹脂シート(1))
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物および/またはそのカルボキシル変性物(デュミランC−2271、三井武田ケミカル社製)100重量部に対して、ストレートアスファルト(昭和シェル石油製)67重量部を200℃に加熱溶融し、T−ダイで厚さ0.3mm、幅1000mmに加工した後、冷却して熱可塑性樹脂シート(1)を得た。このシート(1)には、1cm2当り1個の割合で1mm径の穴を細工した。
【0080】
(熱可塑性樹脂シート(2))
デュミランC−2271を100重量部に対して、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV−250、三井デュポンポリケミカル製)66重量部を200℃に加熱溶融し、T−ダイで厚さ0.3mm、幅1000mmに加工した後、冷却して熱可塑性樹脂シート(2)を得た。このシート(2)には、1cm2当り1個の割合で1mm径の穴を細工した。
【0081】
(熱可塑性樹脂シート(3))
デュミランC−2271を200℃に加熱溶融し、T−ダイで厚さ0.3mm、幅1000mmに加工した後、冷却して熱可塑性樹脂シート(3)を得た。このシート(3)には、1cm2当り1個の割合で1mm径の穴を細工した。
【0082】
【実施例1】
水中に24時間浸漬した形状60×300×300mmのJISマーク入りコンクリート板(市販品)を水中から取出し、表面の水膜をペーパータオルで除去後、直ちにプライマーJW(三井武田ケミカル製)を中毛ローラー刷毛で塗付した。このプライマーは15分で指触乾燥状態となったが、塗付してから1時間後に、温度60℃、吐出圧力10.5MPaで防水材(1)を2.2kg/m2、プロブラーガンで吹き付けた。吹き付けから3時間後、接着剤(1)をゴムベラを用いて約0.2kg/m2塗付し、次いで熱可塑性樹脂(2)を軟質ローラーで押さえながら張り付け、試験体(X)を2枚作製した。翌日、試験体(X)の1枚について、予め185℃で混合したアスファルト舗装材を厚さ4cmになるように敷設、転圧してアスファルト付き試験体(Y)を作製した。
【0083】
作製した試験体について以下の試験を行った。
試験体(X)について、JIS K6256−1993に記載の90°剥離試験方法を参考にして、180°剥離試験を実施した。結果を表1に示す。
また、アスファルト付き試験体(Y)から9×9cm角の試験片6個を切り出し、−30℃、−10℃、60℃での引張り接着試験を実施した。結果を表2に示す。
【0084】
【実施例2】
接着剤(1)の代わりに接着剤(2)を用い、熱可塑性樹脂(2)の代わりに熱可塑性樹脂(3)を用いた以外は、実施例1と同様にして試験体(X)およびアスファルト付き試験体(Y)を作製し、180°剥離試験および引張り接着試験を実施した。結果を表1および2に示す。
【0085】
【実施例3】
防水材(1)の代わりに、温度70℃、吐出圧力12.3MPaで防水材(2)をガスマーGX−7DIスプレーガンで吹き付けた以外は、実施例1と同様にして試験体(X)を作製し、180°剥離試験を実施した。結果を表1に示す。
【0086】
【実施例4】
接着剤(1)の代わりに、接着剤(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして試験体(X)を作製し、180°剥離試験を実施した。結果を表1に示す。
【0087】
【実施例5】
防水材(1)の代わりに、防水材(2)を用いた以外は、実施例4と同様にして試験体(X)を作製し、180°剥離試験を実施した。結果を表1に示す。
【0088】
【実施例6】
熱可塑性樹脂(2)の代わりに、熱可塑性樹脂(1)を用いた以外は、実施例4と同様にして試験体(X)を作製し、180°剥離試験を実施した。結果を表1に示す。
【0089】
【比較例1】
接着剤(2)の代わりに、接着剤(3)を用いた以外は、実施例2と同様にして試験体(X)を2枚作製した。試験体(X)のうちの1枚については、ホットブラスターにより熱可塑性樹脂を熱融着させた。試験体(X)について180°剥離試験を実施した。結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【発明の効果】
本発明に係る接着剤組成物(B)は、基材のひび割れへの追従性や防水性能に優れる熱硬化性樹脂からなる防水材(A)層と、アスファルト舗装材との接着性に優れる熱可塑性樹脂(C)層とを強固に接着することができる。また、少なくとも防水材(A)層と熱可塑性樹脂(C)層とを、本発明に係る接着剤組成物(B)を用いて接着した積層体は、基材のひび割れへの追従性や防水性能に優れ、かつ、各層の接着強度が優れている。
【発明の技術分野】
本発明は、屋上、高架橋、高架道路、橋、駐車場など高度の防水を要する建築、土木分野における接着剤組成物および該接着剤組成物を用いた積層体に関する。より詳しくは、熱硬化性樹脂からなる防水材(A)と熱可塑性樹脂(C)との接着に用いる水酸基含有ブタジエン重合体を含む接着剤組成物(B)、および該接着剤組成物(B)を用いて前記防水材(A)と熱可塑性樹脂(C)とを接着した積層体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
屋根、屋上、高架橋、高架道路、橋梁などの構造物には、雨水などの浸透を防止するため、防水材が施工されている。このような構造物の基材防水施工法は従来から種々の技術が提案されており、特に高架道路等では従来のアスファルト系シート防水技術やアスファルト乳剤など用いる防水技術の他、近年は種々の技術が提案されている。たとえば、コンクリート床版の表層に施された塗膜防水層の上に熱可塑性樹脂粒子を散布した後、アスファルト舗装を施す技術(特許文献1)、コンクリート床版上面に防水膜を形成するための常温硬化型合成樹脂を塗付し、この合成樹脂の硬化前に熱溶融型樹脂のペレットを散布し、この合成樹脂が硬化した後に、この上に加熱混合物を舗設して舗装層を形成する技術(特許文献2)、コンクリート等の床版に湿潤面接着性に優れた常温硬化型液状樹脂を塗付して直ちに硅砂等を散布した後、二液混合可撓性速硬化型のウレタン樹脂またはウレア樹脂またはウレアウレタン樹脂(以下、「二液混合可撓性速硬化型一次防水樹脂」という)を塗付し、直ちに硅砂等を散布して二液混合可撓性速硬化型一次防水樹脂を硬化させた後、アスファルト乳剤またはゴム改質アスファルト乳剤に顆粒状または粉末の熱溶融接着剤を混合分散した防水接着剤を散布してアスファルト舗装材を舗設する技術(特許文献3)などが提案されている。
【0003】
これらの複合構造体は、四季を通した温度変化や雨水による負荷、車輌走行による繰り返し荷重負荷、基材の撓み負荷を受けることにより、基材のひび割れへの追従性が十分に満足できるものではないという問題がある。さらには前記問題点による防水機能の低下、基材と防水材または防水材とアスファルト舗装材(合材)との接着が不十分であるという問題がある。
【0004】
さらに、前記二液混合可撓性速硬化型一次防水樹脂からなる防水材は、基材のひび割れへの追従性や防水性能に優れることから防水材として広く利用されているが、この防水材はアスファルト舗装材との接着が非常に難しいという問題がある。このため、前記二液混合可撓性速硬化型一次防水樹脂からなる防水材と、アスファルトおよび骨材からなるアスファルト舗装材とを接着するために、前述したような種々の接着剤が提案されているが、未だ十分なものとはいえず、さらなる改良が望まれている。
【0005】
【特許文献1】
特開平3−93904号公報
【特許文献2】
特公平8−9851号公報
【特許文献3】
特開2000−170111号公報
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、基材のひび割れへの追従性や防水性能に優れる熱硬化性樹脂からなる防水材(A)と、アスファルト舗装材との接着性に優れる熱可塑性樹脂(C)層とを
強固に接着する接着剤組成物(B)を提供することを目的としている。また、本発明は、防水材(A)層と接着剤(B)層と熱可塑性樹脂(C)層とを含む積層体、および基材とアスファルト舗装材との間に防水材(A)と接着剤組成物(B)と熱可塑性樹脂(C)とを含む積層体を含有する構造体を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】
本願発明者は、上記問題点を解決すべく鋭意研究し、特定の水酸基含有ブタジエン重合体を含有する接着剤が、自然環境温度下においても熱可塑性樹脂シートなどとの粘接着性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る接着剤組成物は、少なくとも防水材層と熱可塑性樹脂層とを接着する接着剤組成物であって、該接着剤組成物が1分子中の平均水酸基数が1以上である水酸基含有ブタジエン重合体を含むことを特徴としている。
【0008】
本発明に係る接着剤組成物は、1分子中の平均水酸基数が1.7以上である水酸基含有ブタジエン重合体を、接着剤組成物中の硬化性成分に対して10重量%以上含有することが好ましい。
本発明に係る接着剤組成物は、一液硬化型接着剤組成物であって、
(I)1分子中に平均2個以上のイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートと、
(II−1)水酸基含有ブタジエン重合体、または(II−2)水酸基含有ブタジエン重合体および活性水素基含有化合物とを、
成分(I)に含まれるイソシアネート基1個に対して成分(II−1)または(II−2)に含まれる活性水素基(−OH、−NRH、−NH2)が0.1〜0.5個の範囲になる割合で、少なくとも含有することが好ましい。
【0009】
本発明に係る接着剤組成物は、
(I−1)1分子中に平均2個以上イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネート、および/または(I−2)1分子中に平均2個以上イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物との反応生成物を含有するA液と、
水酸基含有ブタジエン重合体および/または活性水素基含有化合物を含有するB液とを
含む二液硬化型接着剤組成物であって、
前記A液および/またはB液が1分子中の平均水酸基数が1以上である水酸基含有ブタジエン重合体を含有し、
A液とB液とを、前記A液に含まれるイソシアネート基1個に対して前記B液に含まれる活性水素基(−OH、−NRH、−NH2)が0.3〜0.7個の範囲になる割合で含有することが好ましい。
【0010】
本発明に係る積層体は、少なくとも防水材層、接着剤層、熱可塑性樹脂層からなる積層体であって、
該防水材層が硬化性ウレタン樹脂、硬化性ウレア樹脂、硬化性ウレタンウレア樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化性樹脂を用いて形成され、
該接着剤層が、1分子中の平均水酸基数が1以上である水酸基含有ブタジエン重合体を含む接着剤組成物を用いて形成されることを特徴としている。
【0011】
前記接着剤組成物は、一液硬化型接着剤組成物または二液硬化型接着剤組成物であることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂層は、
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のカルボキシル変性体、エチレン−酢酸ビニル共重合体のカルボキシル変性体、エチレン−アクリル酸類共重合体およびポリオレフィンの酸無水物変性体からなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を用いて形成され、
該熱可塑性樹脂が、水酸基価および/または酸価が1.0mgKOH/g以上である熱可塑性樹脂であることが好ましい。
【0012】
本発明に係る構造体は、基材とアスファルト舗装材との間に、前記積層体を含むことを特徴としている。
【0013】
【発明の具体的説明】
本発明は、熱硬化性樹脂からなる防水材(A)層と熱可塑性樹脂(C)層とを接着する接着剤組成物(B)、防水材(A)層と接着剤(B)層と熱可塑性樹脂(C)層とを含む積層体、および基材と前記積層体とアスファルト舗装材とを含む構造体に関する。
【0014】
<接着剤組成物(B)>
まず、本発明に係る接着剤組成物(B)について説明する。接着剤組成物(B)は、熱硬化性樹脂からなる防水材(A)層と熱可塑性樹脂(C)層とを接着する接着剤組成物である。
本発明に係る接着剤組成物(B)(「プライマー」ということもある)は1分子中に平均1個以上の水酸基を有するブタジエン重合体(以下、「水酸基含有ブタジエン重合体」という)を含有する。接着剤組成物(B)は、−25℃〜200℃の範囲の温度で反応して硬化し、反応硬化後に未反応成分が残留しないものが好ましい。
【0015】
この接着剤組成物(B)は、1分子中の平均水酸基数が1以上の水酸基含有ブタジエン重合体を含有するものであれば、特に限定はされないが、1分子中の平均水酸基数が1以上の水酸基含有ブタジエン重合体が反応して硬化する接着剤組成物である。このような接着剤組成物(B)としては、一液硬化型(湿気硬化型ということもある)または二液硬化型の接着剤組成物が好ましく用いられる。
【0016】
いずれの接着剤組成物も、1分子中の平均水酸基数が1以上の水酸基含有ブタジエン重合体と結果として反応して硬化する接着剤成分(B1)を含有する。 このような接着剤組成物(B)として、たとえば、酸素上に活性水素を有する化合物であるポリオールを用いるポリウレタン系接着剤組成物、窒素上に活性水素を有する化合物であるポリアミンを用いるポリウレア系接着剤組成物、ポリオールとポリアミンを併用して用いるポリウレタンウレア系接着剤組成物が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0017】
ポリウレタン系接着剤組成物、ポリウレア系接着剤組成物またはポリウレタンウレア系接着剤組成物において、接着剤成分(B1)は、たとえば、
(I−1)有機ポリイソシアネート、および/または
(I−2)有機ポリイソシアネートと、水酸基含有ブタジエン重合体および/または活性水素基含有化合物との反応生成物(以下、「プレポリマー」ともいう)が好ましい。本明細書において、活性水素基含有化合物は水酸基含有ブタジエン重合体以外の活性水素基含有化合物を意味する。
【0018】
接着剤組成物(B)は、水酸基含有ブタジエン重合体と接着剤成分(B1)に加えて、水酸基含有ブタジエン重合体以外の活性水素基含有化合物を含有することが好ましい。この活性水素基含有化合物は、後述するプレポリマーの製造に用いられる活性水素基含有化合物と同じであっても異なってもよく、また、1種単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
【0019】
前記ポリウレタン系接着剤組成物、ポリウレア系接着剤組成物またはポリウレタンウレア系接着剤組成物において、接着剤組成物(B)中の活性水素基含有化合物と有機イソシアネートとの割合は特に限定されないが、化学量論的に等価な割合であることが特に好ましい。制御が困難なときには、その割合はイソシアネートリッチにすることが好ましい。
【0020】
また、接着剤組成物(B)には、必要に応じて、従来公知の触媒、溶剤、可塑剤、フィラー、着色剤、安定剤、消泡剤、カップリング剤などの添加剤を混合することができる。
(水酸基含有ブタジエン重合体)
本発明に用いられる水酸基含有ブタジエン重合体はブタジエン重合体に水酸基を導入した変性重合体である。この水酸基はブタジエン重合体の分子鎖末端、分子鎖内のいずれに存在してもよいが、分子鎖末端に存在することが好ましい。水酸基を含有するブタジエン重合体を接着剤組成物(B)に含有させることにより、自然環境温度下での接着性を向上させ、防水材(A)と熱可塑性樹脂(C)とを自然環境温度下でも強固に接着することができる。
【0021】
この水酸基含有ポリブタジエン重合体は、1分子中に少なくとも平均1個以上の水酸基を有するものであり、好ましくは1分子中に少なくとも平均1.5個以上10個以下、より好ましくは2個以上5個以下の水酸基を有することが望ましい。
この水酸基含有ブタジエン重合体に用いられるブタジエン重合体は、1,4−シス結合体、1,4−トランス結合体および1,2−結合体からなる群から選択される少なくとも1種の結合体の単独重合体または共重合体、または、前記少なくとも1種の結合体と、その他のジエン類、またはアクリロニトリル、スチレン、ブテンなどの付加重合モノマーとの共重合体であってもよい。これらのブタジエン重合体は、単独重合体、共重合体それぞれを単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の樹脂を併用してもよい。
【0022】
このような水酸基含有ブタジエン重合体は、たとえば、特開平5−59218号公報に記載の無溶剤系での方法により合成できるが、好ましくは、アルコール類の溶剤の存在下、少なくとも1種の炭素数4〜22のジエンモノマーと、過酸化水素、水酸基を有するアゾ化合物、水酸基を有するパーオキサイドなどの出発物質とを、80〜150℃で0.5〜15時間攪拌してラジカル重合反応させた後、減圧蒸留することによって得ることができる。前記出発物質としては過酸化水素が好ましい。
【0023】
また、本発明に用いられる水酸基含有ブタジエン重合体は、ブタジエン重合体を合成した後、水酸基を導入してもよい。さらに、市販の水酸基含有ブタジエン重合体を用いてもよい。市販の水酸基含有ブタジエン重合体としては、たとえば、出光アトフィナ社製のR−15HT、R−45HT等が挙げられる。
本発明に用いられる水酸基含有ブタジエン重合体は、数平均分子量が300以上10000以下であることが好ましく、500以上5000以下であることが特に好ましい。また、その水酸基価は、11mgKOH/g以上570mgKOH/g以下が好ましく、22mgKOH/g以上340mgKOH/g以下がより好ましい。
【0024】
接着剤組成物(B)中の水酸基含有ブタジエン重合体含有量は、接着剤組成物(B)中の硬化性成分量に対して、通常10重量%以上、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは15〜65重量%が望ましい。ここで、硬化性成分とは、接着剤組成物(B)の硬化に寄与する成分を意味する。たとえば、水酸基含有ブタジエン重合体、有機ポリイソシアネート、活性水素基含有化合物などが挙げられる。
【0025】
特に、本発明に係る接着剤組成物(B)は、1分子中に少なくとも平均1.7個以上の水酸基を有する水酸基含有ブタジエン重合体を接着剤組成物中の硬化性成分に対して10重量%以上含有することが好ましい。
(接着剤成分(B1))
本発明に用いられる接着剤成分(B1)としては、
(I−1)有機ポリイソシアネート、および/または
(I−2)有機ポリイソシアネートと水酸基含有ブタジエン重合体および/または活性水素基含有化合物との反応生成物(プレポリマー)
が好ましく用いられる。
【0026】
前記有機ポリイソシアネートは、1分子中に平均2個以上のイソシアネート基を有する。このような有機ポリイソシアネートは、−25℃〜200℃の範囲にある温度において水酸基含有ブタジエン重合体と反応して硬化するものであれば、特に制限されないが、たとえば、
m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4’−または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;
1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートなどの芳香環含有脂肪族ジイソシアネート;
トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエートなどの脂肪族ジイソシアネート;
1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどの脂環族ジイソシアネート;および
これらのジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、二量体、三量体など、通常のポリウレタン樹脂の製造に使用される有機ポリイソシアネートを挙げることができる。また、これらの有機ポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
【0027】
上記有機ポリイソシアネートのうち、芳香族ジイソシアネートが好ましく、さらに2,4−トリレンジイソシアネートまたは2,6−トリレンジイソシアネートまたはそれらの混合物、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(以下、「クルードMDI」という)が好ましい。
【0028】
プレポリマーの製造に用いられる活性水素基含有化合物としては、たとえば、ポリアミン、ポリオールが挙げられる。
前記ポリアミンとしては、たとえば、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリオキシアルキレンポリアミンなどの脂肪族ポリアミン;
イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、水添キシリレンジアミンなどの脂環式ポリアミン;
キシリレンジアミンなどの芳香環含有脂肪族ポリアミン;
3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、1,1’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,1’,2,2’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニル−メタン、N,N’−ビス(t−ブチル)−4,4’−ジアミノジフェニル−メタン、ジ(メチルチオ)トルエンジアミンなどのアミン価180〜700の芳香族ポリアミンが挙げられる。
【0029】
前記ポリオールとしては、たとえば、エチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、アルカンジオール(炭素数:7〜22)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、アルカン−1,2−ジオール(炭素数:17〜20),水素化ビスフェノールA,1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、キシレングリコール、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどの低分子ジオール;
グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノール、および炭素数8〜24の脂肪族トリオールなどの低分子トリオール;
テトラヒドロフランの開環重合によって得られるポリテトラメチレングリコール;
ひまし油などの天然油脂ポリオール;
ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなどのポリオレフィンポリオール、およびこれらの水素添加物などを挙げることがでる。
【0030】
また、前記ポリオールとして、前記の低分子ジオール、低分子トリオール、ジアミンまたは3官能以上のポリアミンと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドとの付加反応によって得られるポリオキシアルキレンポリオール;
前記低分子ジオール、低分子トリオールを出発物質としてε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトンを開環重合して得られるポリエステルポリオール;
前記低分子ジオール、低分子トリオールを出発物質としてエチレンカーボネートを開環重合して得られるポリカーボネートポリオール;
前記低分子ジオール類および低分子トリオール類からなる群から選択される少なくとも1種のポリオールと、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、1,1−ジメチル−1,3−ジカルボキシプロパン、3−メチル−3−エチルグルタール酸、アゼライン酸、セバチン酸、その他の脂肪族ジカルボン酸(炭素数:11〜13)、ヘット酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物との反応によって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。ここで、前記カルボン酸の誘導体としては、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水2−アルキル(炭素数:12〜18)コハク酸などの酸無水物、シュウ酸ジクロリド、アジピン酸クロライド、セバチン酸クロライドなどの酸ハライドが挙げられる。
【0031】
これらの活性水素基含有化合物は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
前記プレポリマーは、前記有機ポリイソシアネートと、前記水酸基含有ブタジエン重合体および/または前記活性水素基含有化合物とから得ることができ、たとえば、活性水素基含有化合物としてポリオールを用いるウレタン系プレポリマー、活性水素基含有化合物としてポリオールとポリアミンとを併用するウレタンウレア系プレポリマー、活性水素基含有化合物としてポリアミンを用いるウレア系プレポリマーが挙げられる。これらのうち、ウレタン系プレポリマー、ウレタンウレア系プレポリマーが好ましい。
【0032】
(触媒)
触媒としては、特に限定されないが、たとえば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N−メチルモルホリン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、ジモルホリノジエチレングリコール、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリン酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、オクチル酸コバルトが挙げられる。
【0033】
(溶剤)
溶剤としては、特に限定されないが、たとえば、アセトン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンが挙げられる。
【0034】
(可塑剤)
可塑剤としては、特に限定されないが、たとえば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジオクチル、燐酸トリクレジル、燐酸トリオクチル、エポキシ化大豆油、変性ひまし油が挙げられる。
【0035】
(フィラー)
フィラーとしては、特に限定されないが、たとえば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、マイカ、コロイダルシリカ、亜鉛華が挙げられる。
(着色剤)
着色剤としては、特に限定されないが、たとえば、二酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、酸価クロム、ウルトラマリン、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルーが挙げられる。
【0036】
(その他添加剤)
その他添加剤としては、従来公知の消泡剤、レベリング剤、色別れ防止剤、安定剤、シランカップリング剤などが挙げられる。
<二液硬化型接着剤組成物>
本発明の接着剤組成物(B)としては前述のとおり、一液硬化型または二液硬化型接着剤組成物が好ましく用いられる。まず二液硬化型接着剤組成物について説明する。
【0037】
二液硬化型接着剤組成物は、有機ポリイソシアネートおよび/または有機ポリイソシアネートから得られるプレポリマーを含有するA液と、水酸基含有ブタジエン重合体および/または活性水素基含有化合物を含有するB液とからなる。このA液またはB液の少なくともいずれか一方に、前記水酸基含有ブタジエン重合体が含まれる。
【0038】
A液は、
(I−1)前述した有機ポリイソシアネート類から選択される少なくとも1種の有機ポリイソシアネート、および/または
(I−2)前述した有機ポリイソシアネート類から選択される少なくとも1種の有機ポリイソシアネートと前記水酸基含有ブタジエン重合体および/または前記活性水素基含有化合物との反応生成物(プレポリマー)
を含み、好ましくは1分子中に少なくとも1個の遊離イソシアネート基を有するプレポリマーを含む。
【0039】
具体的には、窒素ガス雰囲気下、有機ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物とを、有機ポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO基)1個に対して活性水素基含有化合物中の活性水素基(−OH、−NRH、−NH2)が0.001〜0.5の割合で、攪拌下、温度40〜120℃で4〜8時間反応させ、必要に応じて真空蒸留して未反応の微量の有機ポリイソシアネートを留去することによりA液を調製することができる(Rはアルキル基を示す)。このA液には、必要に応じて、前記触媒、溶剤、可塑剤、フィラー、着色剤、安定剤、消泡剤、カップリング剤などの添加剤を含有させることができる。
【0040】
B液は、
(II−1)前記水酸基含有ブタジエン重合体、または
(II−2)前記水酸基含有ブタジエン重合体と前述した活性水素基含有化合物類から選択される少なくとも1種の活性水素基含有化合物との混合物
を含む。
【0041】
このB液には、必要に応じて、前記触媒、溶剤、可塑剤、フィラー、着色剤、安定剤、消泡剤、カップリング剤などの添加剤を含有させることができる。
A液とB液とを、A液中のイソシアネート基1個に対し、B液中の活性水素基が好ましくは0.3〜0.7個、より好ましくは0.35個を超え0.6個以下の範囲になるような割合で混合することが望ましい。
【0042】
(一液硬化型接着剤組成物)
次いで、一液硬化型接着剤組成物について説明する。一液硬化型接着剤組成物は、
(I)前述した有機ポリイソシアネート類から選択される少なくとも1種の有機ポリイソシアネートと、
(II−1)前記水酸基含有ブタジエン重合体、または(II−2)前記水酸基含有ブタジエン重合体と前述した活性水素基含有化合物類から選択される少なくとも1種の活性水素基含有化合物との混合物と
を反応させることによって調製される。
【0043】
具体的には、たとえば、窒素ガス雰囲気下、有機ポリイソシアネートのイソシアネート基1個に対して活性水素基含有化合物中の活性水素基が0.1〜0.5、好ましくは0.1〜0.35の割合で活性水素基含有化合物、および50重量%の溶剤を添加して、温度35〜65℃で1〜48時間、激しく攪拌して反応させることにより調製することができる。この一液硬化型接着剤組成物には、必要に応じて、前記触媒、溶剤、可塑剤、フィラー、着色剤、安定剤、消泡剤、カップリング剤などの添加剤を含有させることができる。
【0044】
<積層体>
<防水材(A)>
本発明に用いられる防水材(A)は、駐車場、道路等の基礎、橋梁、高架道路、高架鉄道等の高架橋等の舗装用に用いられる床版、家屋、ビル等の建築物の屋根、屋上等に用いられるスラブ、地下鉄、地下道、地下駐車場、地下室等の地下構造物に用いられる擁壁や天井部などの一般的には鉄板、コンクリート等の基材に塗布される熱硬化性樹脂からなる。熱硬化性樹脂からなる防水材としては、エポキシ防水材、アクリル樹脂防水材、ウレタン樹脂防水材、ウレア樹脂防水材およびウレタンウレア樹脂防水材などが挙げられる。これらのうち、コンクリートのひび割れ追従性に優れ、防水材の破断伸び率が250〜800%、引張強度が5〜25MPaの物性を有するものが好ましく、たとえば、ウレタン樹脂防水材、ウレア樹脂防水材およびウレタンウレア樹脂防水材が好ましい。
【0045】
これらは一液硬化型、二液硬化型脂などいずれの形態で使用してもよいが、二液硬化型の形態が好ましい。
(二液硬化型ウレタン樹脂)
本発明に用いられる二液硬化型ウレタン樹脂は、有機ポリイソシアネートを含むA液と活性水素基含有化合物を含むB液とからなり、使用の直前に所定の比率に計量、混合して用いられる。
【0046】
A液としては、有機ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物との反応によって1分子中に少なくとも1個の遊離イソシアネート基を有するプレポリマーが主成分として調製される。具体的には、窒素ガス雰囲気下、有機ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物とを、有機ポリイソシアネートのイソシアネート基1個に対して活性水素基含有化合物中の活性水素基が0.1〜0.8の割合で、攪拌下、温度40〜120℃で4〜8時間反応させることで調製される。このようにして得られるウレタンプレポリマーは、イソシアネート基含有量が3〜17%、好ましくは5〜15%であることが望ましい。
【0047】
A液に用いられる有機ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、前述した有機ポリイソシアネート類が挙げられる。これらのうち、芳香族ポリイソシアネートが好ましく、より好ましくは2,4−トリレンジイソシアネートまたは2,6−トリレンジイソシアネートまたはそれらの混合物、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートが用いられる。
【0048】
A液に用いられる活性水素基含有化合物としては、特に限定されないが、前述した活性水素基含有化合物類と同様のものが挙げられる。これらの活性水素基含有化合物は、単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。この活性水素基含有化合物としては、好ましくは、1分子中の活性水素基が2〜4、平均分子量が200〜6000のポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシエチレンプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ビスフェノール系ポリオール、ひまし油ポリオールが挙げられる。
【0049】
B液に用いられる活性水素基含有化合物としては、前述した活性水素基含有化合物類のうち、ポリオールが好ましい。これらのうち、1分子中の活性水素基が2〜4の多価アルコール類およびポリオール類から選択される2種以上化合物を併用したものが好ましい。B液には、これら活性水素基含有化合物を主成分とし、必要に応じて触媒、フィラー、着色剤、添加剤などを混合して調製される。
【0050】
A液とB液とは、A液中のイソシアネート基1個に対し、B液中の活性水素基(水酸基)が好ましくは0.5〜2個、より好ましくは0.8〜1.2個の範囲になる割合で混合される。
また、A液および/またはB液には、必要に応じて、前記触媒、溶剤、可塑剤、フィラー、着色剤、安定剤、消泡剤、カップリング剤などの添加剤を含有させることができる。
【0051】
(二液硬化型ウレタンウレア樹脂)
本発明に用いられる二液硬化型ウレタンウレア樹脂は、有機ポリイソシアネート化合物を含むA液と活性水素基含有化合物を含むB液とからなり、使用の直前に所定の比率に計量、混合して用いられる。
A液は、前記二液硬化型ウレタン樹脂のA液と同様のものを用いることができる。
【0052】
B液に用いられる活性水素基含有化合物としては、特に限定されないが、たとえば、前述した活性水素基含有化合物類と同様のものが挙げられる。これらのうち、1分子中の活性水素基が2〜4の多価アルコール類、1分子中の活性水素基が2〜4の平均分子量が200〜6000のポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシエチレンプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ビスフェノール系ポリオールおよびひまし油ポリオールからなる群から選択される少なくとも1種のポリオールと、アミン価が180〜700の芳香族ポリアミンとを併用したものが好ましい。
【0053】
B液には、必要に応じて、前記触媒、フィラー、着色剤、添加剤などを混合して調製される。
A液とB液とは、A液中のイソシアネート基1個に対し、B液中の活性水素基(水酸基およびアミノ基)が好ましくは0.5〜1.5個、より好ましくは0.8〜1.2個の範囲になる割合で混合される。
【0054】
(二液硬化型ウレア樹脂)
本発明に用いられる二液硬化型ウレタン樹脂は、有機ポリイソシアネートを含むA液とポリアミンを含むB液とからなり、使用の直前に所定の比率に計量、混合して用いられる。
A液は、前記二液硬化型ウレタン樹脂のA液と同様のものを用いることができる。
【0055】
B液としては、特に限定されないが、たとえば、1分子中のアミノ基が1個以上の平均分子量が200〜6000のポリオキシアルキレンジアミン、ポリオキシアルキレントリアミン類、より具体的にはポリプロピレングリコール鎖の末端水酸基がアミノ化されたジアミン、トリアミンが挙げられる。また、これとその他のアミン類とを併用することができる。その他のアミン類としては、特に限定されないが、前述した活性水素基含有化合物類のうちのポリアミンが挙げられる。また、必要に応じて、アルキル基置換脂肪族ポリアミン、前記触媒、フィラー、着色剤、添加剤などを混合して用いることができる。
【0056】
A液とB液とは、A液中のイソシアネート基1個に対し、B液中のアミノ基が好ましくは0.5〜1.5個、より好ましくは0.8〜1.2個の範囲になる割合で混合される。
本発明において、二液硬化型ウレタン樹脂、二液硬化型ウレタンウレア樹脂または二液硬化型ウレア樹脂の反応性は、JIS K5400に規定されている指触乾燥時間として2〜3600秒、好ましくは2〜1800秒であり、この反応性の調整は、前記触媒、好ましくは酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリン酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケルおよびオクチル酸コバルトからなる群から選択される少なくとも1種の触媒と、必要に応じて有機酸とを併用することにより行うことができる。二液硬化型ウレア樹脂においては、たとえば、電子吸引性基を有する、1,1’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,1’,2,2’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンまたはジ(メチルチオ)トルエンジアミンなどを併用または多用することにより調整できる。
【0057】
<熱可塑性樹脂(C)>
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(C)は、水酸基および/またはカルボキシル基を有する熱可塑性樹脂であれば、特に限定されないが、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物および/またはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のカルボキシル変性体、エチレン−酢酸ビニル共重合体のカルボキシル変性体、エチレン−アクリル酸類共重合体、ポリオレフィンの酸無水物変性体、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、ポリビニルブチラール(ブチラール樹脂)をアセタール化したポリビニルアセタール、アクリロニトリル−ブタジエン−HEMA3元共重合体、エチレン−アクリロニトリル共重合体の部分ケン化物が挙げられる。これらのうち、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のカルボキシル変性体、エチレン−酢酸ビニル共重合体のカルボキシル変性体、エチレン−アクリル酸類共重合体、ポリオレフィンの酸無水物変性体が好ましい。
【0058】
このような熱可塑性樹脂(C)は、本発明に係る接着剤組成物(B)とアスファルト組成物との接着性に優れている。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(C)は、軟化点や溶融粘度、ズリ応力などを調整する目的で、必要に応じて、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリハロゲン化ビニル、ポリオレフィン、スチレン−ブタジエン共重合体、石油アスファルト、樹脂酸およびその誘導体、炭化水素樹脂などのタッキファイヤーなどを水酸基価および/または酸価が1.0mgKOH/g以上となる範囲で併用することができる。
【0059】
熱可塑性樹脂(C)の形状は、特に限定されないが、たとえば、織布、不織布、シートが好ましい。これらのうち、シートについては、張り付け時の空気等のガス溜りを逃がす程度の穴を有することが好ましい。この穴はシート1m2当り100個以上有することが好ましく、1m2あたり500個以上有することがより好ましく、1m2あたり1000個以上有することが特に好ましい。この穴はシートに均等に開けることが好ましいが、空気抜きの目的のためにその穴の開孔密度をシートの各部分において適宜変更してもよい。穴の形状としては、円状、楕円状、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形等いずれの形状でもよい。
【0060】
熱可塑性樹脂(C)の製造方法は、公知の方法を用いることができる。また、熱可塑性樹脂(C)は市販のものを使用してもよい。
<積層体>
本発明に係る積層体は、前記防水材(A)からなる層と前記接着剤組成物(B)からなる層と前記熱可塑性樹脂(C)からなる層とを少なくとも含有する積層体である。
【0061】
(積層体および構造体の製造方法)
本発明に係る積層体および構造体の製造方法を、高架道路を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
前記高架道路は、基材、防水材(A)層、接着剤組成物(B)層、熱可塑性樹脂(C)層、およびアスファルト舗装材からなる構造体である。
【0062】
まず、基材上に、必要に応じて基材用プライマーを塗付した後、前記防水材(A)を施工し防水材(A)層を形成する。次いで、防水材(A)層表面に前記接着剤組成物(B)を塗布して接着剤組成物(B)層し、さらに前記熱可塑性樹脂(C)を施工し熱可塑性樹脂(C)層を形成する。これによって、基材上に、少なくとも防水材(A)層と接着剤組成物(B)層と熱可塑性樹脂(C)層を含む積層体が形成される。その後、熱可塑性樹脂(C)層表面に熱アスファルト舗装材を敷設し転圧することによって高架道路用構造体が得られる。
【0063】
前記基材用プライマーとしては、硬化性エポキシ樹脂プライマー、硬化性ウレタン樹脂プライマー、硬化性ビニルエステル樹脂プライマー、硬化性アクリル樹脂プライマーなどが挙げられる。これらのうち、基材への接着性と低温速硬化性の点で、硬化性エポキシ樹脂プライマー、硬化性ウレタン樹脂プライマーが好ましい。
【0064】
防水材(A)として、二液硬化型熱硬化性樹脂を用いる場合には、使用の直前に所定の比率に計量、混合して用いることが好ましい。
防水材(A)の施工方法は、特に制限はないが、たとえば、防水材(A)として二液硬化型ウレタンウレアまたは二液混合型ウレアを用いる場合には、ガスマー社製プロポーショナーH−2000による計量、調圧、調温の下、ホットホースを介して、(i)スタティックミキサーを装着したガスマー社製GAPガン等により混合吐出する方法、または(ii)ガスマー社製GX−7ガン、グラスクラフト社製プロブラーガン等によるスプレー塗装する方法が好ましい。
【0065】
防水材(A)の塗付量は、特に限定はないが、通常0.3〜4kg/m2、好ましくは0.3〜3kg/m2が望ましい。より詳しくは、下地基材のひび割れや車輌通行による基材の繰り返し撓み負荷に対する耐性を付与するために、新設基材を用いる場合には、0.3〜3kg/m2、好ましくは0.3〜2.5kg/m2、さらに好ましくは1.5〜2.5kg/m2であり、改修基材を用いる場合には、下地の荒れている部分を被覆するのに十分な量、好ましくは1〜4kg/m2、より好ましくは1.5〜3.5kg/m2であることが望ましい。
【0066】
本発明に用いられる防水材(A)としては、JIS−K5400に規定されている指触乾燥時間として好ましくは2〜3600秒、より好ましくは2〜1800秒であり、歩行可能な迄の時間は5秒〜120分が好ましい。この時間が経過すれば、次工程、すなわち本発明の接着剤組成物を塗布する工程へ移行することができる。
【0067】
接着剤組成物(B)として、二液硬化型接着剤組成物を用いる場合には、使用の直前に所定の比率に計量、混合して用いることが好ましい。
二液硬化型接着剤組成物の塗布方法は、特に制限はないが、たとえば、(i)混合塗布機による計量、調圧、調温の下、スタティックミキサーを装着した塗布ガン等により混合吐出する方法、または(ii)適当な容器に計量、混合し、刷毛、ローラーにより塗布する方法が好ましい。
【0068】
一方、一液硬化型接着剤組成物の塗装方法は、特に制限はないが、たとえば、従来公知の塗布機、またはローラー、刷毛、鏝などにより塗布する方法が好ましく用いられる。
本発明に係る接着剤組成物(B)の塗付量は、特に限定はないが、通常0.05〜0.5kg/m2、好ましくは0.08〜0.3kg/m2であることが望ましい。
【0069】
熱可塑性樹脂(C)を塗付して熱可塑性樹脂(C)層を形成することによって、接着剤組成物(B)層と熱アスファルト舗装材層との接着性が向上する。
熱可塑性樹脂(C)は、前記接着剤組成物(B)として二液硬化型接着剤組成物を用いた場合は、この接着剤組成物(B)の塗布直後から熱可塑性樹脂(C)の施工が可能であり、一液硬化型接着剤組成物を用いた場合は、接着剤組成物(B)を塗布してから10分後以降に熱可塑性樹脂(C)を施工することが好ましい。
【0070】
熱可塑性樹脂(C)は、溶融下、上記接着剤組成物(B)の表面に塗工することができる。塗工方法は、特に限定されないが、たとえば、(i)溶融状態の熱可塑性樹脂(C)を柄杓で汲み取り、接着剤組成物(B)表面に散布し、金鏝で流し延べる方法、(ii)ラインマーカ等の専用機械で熱可塑性樹脂(C)を溶融状態にして塗工する方法が挙げられる。熱可塑性樹脂(C)の塗付量は,特に限定はないが、通常0.3〜2kg/m2、好ましくは0.5〜1.5kg/m2が望ましい。この熱可塑性樹脂(C)は、冷却されると固化し歩行可能な状態となるが、特に夏季などの気温の高い環境では合材運搬車輌等による損傷を防ぐため6号硅砂等の砂を必要に応じて散布する。砂の散布量は100〜300g/m2が好ましい。
【0071】
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(C)は、織布状、不織布状、シート状に加工して使用することができる。織布、不織布、シートの張り付け方法は、特に限定なく、公知のシートの張り付け方法を用いることができる。本発明に係る接着剤組成物(B)は粘着性に優れるため、シートを加熱することなく接着することができるが、熱風などを吹き付けるの方法により加熱して張り合わせることもできる。
【0072】
熱可塑性樹脂(C)の施工完了後、舗装用熱アスファルトコンクリートを敷設し転圧する。具体的には、施主指定の合材(アスファルト舗装材)を、この合材に適した160〜185℃の範囲の温度で熱可塑性樹脂(C)層表面にアスファルトフィニッシャーにより敷きならし、鉄輪ローラー、タイヤローラーで転圧する。この方法によって合材の熱が防水材(A)層まで伝わり、熱可塑性樹脂(C)層とアスファルト舗装材とが溶融接着し、防水材(A)層と熱可塑性樹脂(C)層とが本発明に係る接着剤組成物(B)により接着された積層体が得られる。この積層体は、基材からアスファルト舗装材まで強固に一体化し、自動車道路等に適用できる。
【0073】
(積層体)
本発明に係る積層体は、上記製造方法により得られる、少なくとも防水材(A)と熱可塑性樹脂(C)とが水酸基含有ブタジエン重合体を含む接着剤組成物(B)により接着された積層体である
この積層体は、防水材(A)と熱可塑性樹脂(C)とを自然環境温度下でも強固に接着することができる水酸基含有ブタジエン重合体を含有する接着剤組成物を使用して形成されることから、熱可塑性樹脂(C)の溶融工程や熱風による融着処理などの工程が削減できる。この積層体を、高架道路等の構造体中に含ませることによって、構造体の防水性能や、基材とアスファルト舗装材との接着性を向上させることができる。
【0074】
(物性測定方法)
(1)酸価の測定方法
酸価は、JIS K2501に記載の方法に準拠して測定する。
(2)水酸基価の測定方法
酸価は、JIS K1557に記載の方法に準拠して測定する。
(3)1分子中の平均水酸基数の算出方法
水酸基含有水酸基含有ポリブタジエン重合体1分子中の平均水酸基数は、以下の方法により算出する。まず、上記(2)水酸基価の測定方法により水酸基含有水酸基含有ポリブタジエン重合体の水酸基価(OHV)を測定する。また、水酸基含有水酸基含有ポリブタジエン重合体の数平均分子量(Mn)をASTM D2503に記載の方法に準拠して測定する。1分子中の平均水酸基数(f)を次式により算出する。
【0075】
f=OHV×Mn/56100
【0076】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。まず、実施例および比較例で用いた成分を示す。
(二液硬化型ウレタン系接着剤(1))
A液:ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート78重量部に対して、ひまし油10重量部およびポリプロピレングリコール(平均分子量1000)12重量部を混合して反応させた。
B液:1分子中の平均水酸基数が2.2個の末端水酸基含有ポリブタジエン重合体(R−15HT、出光石油化学製)65重量部および1,4−ブタンジオール5重量部に炭酸カルシウム30重量部を添加して混合した。
【0077】
A液100重量部とB液120重量部とを混合して二液硬化型ウレタン系接着剤(1)を調製した。
(湿気硬化型一液ウレタン系接着剤(2))
ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート78重量部に対して、ひまし油10重量部、ポリプロピレングリコール(平均分子量1000)12重量部、1分子中の平均水酸基数が2.2個の末端水酸基含有ポリブタジエン重合体(R−15HT)65重量部、1,4−ブタンジオール5重量部、トルエン85重量部および酢酸エチル85重量部を添加し、窒素ガス雰囲気下、激しく攪拌しながら50℃で5時間加熱した後、さらに酢酸エチル146重量部を添加して湿気硬化型一液ウレタン系接着剤(2)を調製した。
【0078】
(湿気硬化型一液ウレタン系接着剤(3))
アミン系触媒を添加したウレタン樹脂分が約35%のポリウエイP−2080(サンテクノケミカル社製)を湿気硬化型一液ウレタン系接着剤(3)として用いた。
(防水材(1))
二液硬化型ウレタンウレア系防水材として、リムスプレーF−1000(三井化学産資社製)を用いた。
【0079】
(防水材(2))
二液硬化型ウレア系防水材として、ポリウエイAR−400(サンテクノケミカル社製)を用いた。
(熱可塑性樹脂シート(1))
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物および/またはそのカルボキシル変性物(デュミランC−2271、三井武田ケミカル社製)100重量部に対して、ストレートアスファルト(昭和シェル石油製)67重量部を200℃に加熱溶融し、T−ダイで厚さ0.3mm、幅1000mmに加工した後、冷却して熱可塑性樹脂シート(1)を得た。このシート(1)には、1cm2当り1個の割合で1mm径の穴を細工した。
【0080】
(熱可塑性樹脂シート(2))
デュミランC−2271を100重量部に対して、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV−250、三井デュポンポリケミカル製)66重量部を200℃に加熱溶融し、T−ダイで厚さ0.3mm、幅1000mmに加工した後、冷却して熱可塑性樹脂シート(2)を得た。このシート(2)には、1cm2当り1個の割合で1mm径の穴を細工した。
【0081】
(熱可塑性樹脂シート(3))
デュミランC−2271を200℃に加熱溶融し、T−ダイで厚さ0.3mm、幅1000mmに加工した後、冷却して熱可塑性樹脂シート(3)を得た。このシート(3)には、1cm2当り1個の割合で1mm径の穴を細工した。
【0082】
【実施例1】
水中に24時間浸漬した形状60×300×300mmのJISマーク入りコンクリート板(市販品)を水中から取出し、表面の水膜をペーパータオルで除去後、直ちにプライマーJW(三井武田ケミカル製)を中毛ローラー刷毛で塗付した。このプライマーは15分で指触乾燥状態となったが、塗付してから1時間後に、温度60℃、吐出圧力10.5MPaで防水材(1)を2.2kg/m2、プロブラーガンで吹き付けた。吹き付けから3時間後、接着剤(1)をゴムベラを用いて約0.2kg/m2塗付し、次いで熱可塑性樹脂(2)を軟質ローラーで押さえながら張り付け、試験体(X)を2枚作製した。翌日、試験体(X)の1枚について、予め185℃で混合したアスファルト舗装材を厚さ4cmになるように敷設、転圧してアスファルト付き試験体(Y)を作製した。
【0083】
作製した試験体について以下の試験を行った。
試験体(X)について、JIS K6256−1993に記載の90°剥離試験方法を参考にして、180°剥離試験を実施した。結果を表1に示す。
また、アスファルト付き試験体(Y)から9×9cm角の試験片6個を切り出し、−30℃、−10℃、60℃での引張り接着試験を実施した。結果を表2に示す。
【0084】
【実施例2】
接着剤(1)の代わりに接着剤(2)を用い、熱可塑性樹脂(2)の代わりに熱可塑性樹脂(3)を用いた以外は、実施例1と同様にして試験体(X)およびアスファルト付き試験体(Y)を作製し、180°剥離試験および引張り接着試験を実施した。結果を表1および2に示す。
【0085】
【実施例3】
防水材(1)の代わりに、温度70℃、吐出圧力12.3MPaで防水材(2)をガスマーGX−7DIスプレーガンで吹き付けた以外は、実施例1と同様にして試験体(X)を作製し、180°剥離試験を実施した。結果を表1に示す。
【0086】
【実施例4】
接着剤(1)の代わりに、接着剤(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして試験体(X)を作製し、180°剥離試験を実施した。結果を表1に示す。
【0087】
【実施例5】
防水材(1)の代わりに、防水材(2)を用いた以外は、実施例4と同様にして試験体(X)を作製し、180°剥離試験を実施した。結果を表1に示す。
【0088】
【実施例6】
熱可塑性樹脂(2)の代わりに、熱可塑性樹脂(1)を用いた以外は、実施例4と同様にして試験体(X)を作製し、180°剥離試験を実施した。結果を表1に示す。
【0089】
【比較例1】
接着剤(2)の代わりに、接着剤(3)を用いた以外は、実施例2と同様にして試験体(X)を2枚作製した。試験体(X)のうちの1枚については、ホットブラスターにより熱可塑性樹脂を熱融着させた。試験体(X)について180°剥離試験を実施した。結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【発明の効果】
本発明に係る接着剤組成物(B)は、基材のひび割れへの追従性や防水性能に優れる熱硬化性樹脂からなる防水材(A)層と、アスファルト舗装材との接着性に優れる熱可塑性樹脂(C)層とを強固に接着することができる。また、少なくとも防水材(A)層と熱可塑性樹脂(C)層とを、本発明に係る接着剤組成物(B)を用いて接着した積層体は、基材のひび割れへの追従性や防水性能に優れ、かつ、各層の接着強度が優れている。
Claims (8)
- 少なくとも防水材層と熱可塑性樹脂層とを接着する接着剤組成物であって、該接着剤組成物が1分子中の平均水酸基数が1以上である水酸基含有ブタジエン重合体を含むことを特徴とする接着剤組成物。
- 前記接着剤組成物が、1分子中の平均水酸基数が1.7以上である水酸基含有ブタジエン重合体を、接着剤組成物中の硬化性成分に対して10重量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
- 前記接着剤組成物が、一液硬化型接着剤組成物であって、
(I)1分子中に平均2個以上のイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートと、
(II−1)水酸基含有ブタジエン重合体、または(II−2)水酸基含有ブタジエン重合体および活性水素基含有化合物とを、
成分(I)に含まれるイソシアネート基1個に対して成分(II−1)または(II−2)に含まれる活性水素基(−OH、−NRH、−NH2)が0.1〜0.5個の範囲になる割合で、少なくとも含有することを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤組成物。 - 前記接着剤組成物が、
(I−1)1分子中に平均2個以上イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネート、および/または(I−2)1分子中に平均2個以上イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物との反応生成物を含有するA液と、
水酸基含有ブタジエン重合体および/または活性水素基含有化合物を含有するB液とを
含む二液硬化型接着剤組成物であって、
前記A液および/またはB液が1分子中の平均水酸基数が1以上である水酸基含有ブタジエン重合体を含有し、
A液とB液とを、前記A液に含まれるイソシアネート基1個に対して前記B液に含まれる活性水素基(−OH、−NRH、−NH2)が0.3〜0.7個の範囲になる割合で含有することを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤組成物。 - 少なくとも防水材層、接着剤層、熱可塑性樹脂層からなる積層体であって、
該防水材層が硬化性ウレタン樹脂、硬化性ウレア樹脂、硬化性ウレタンウレア樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化性樹脂を用いて形成され、
該接着剤層が、1分子中の平均水酸基数が1以上である水酸基含有ブタジエン重合体を含む接着剤組成物を用いて形成されることを特徴とする積層体。 - 前記接着剤組成物が、一液硬化型接着剤組成物または二液硬化型接着剤組成物であることを特徴とする請求項5に記載の積層体。
- 前記熱可塑性樹脂層が、
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のカルボキシル変性体、エチレン−酢酸ビニル共重合体のカルボキシル変性体、エチレン−アクリル酸類共重合体およびポリオレフィンの酸無水物変性体からなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を用いて形成され、
該熱可塑性樹脂が、水酸基価および/または酸価が1.0mgKOH/g以上である熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項5または6に記載の積層体。 - 基材とアスファルト舗装材との間に、請求項5〜7のいずれかに記載の積層体を含むことを特徴とする構造体。
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