JP2004221400A - 高密度配線および高密度配線を用いたプリント配線板 - Google Patents
高密度配線および高密度配線を用いたプリント配線板 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】高速デジタル信号やアナログ信号配線に対して、放射ノイズまたはクロストークノイズ抑制の目的で併設されたガードGND配線を工夫する事により、高密度配線を実現する。
【解決手段】ガードGNDの電位的安定性確保の為に設けられたGND−VIAホール3の間隔は、問題となる周波数に対応する波長から規定する。上記GNDーVIAの間隔を守りながらも、そのGND−VIAホール3の配置を互いに隣り合うガードGND配線2同士で、千鳥状になるようにし、且つGND−VIAホール3周辺は該ホールのパッド径により規定される配線幅以上、その他の部分をより細い配線幅にする事によって、全体としてのパターン配線幅を圧縮する。尚、各ガードGND配線の上記太い配線幅部と細い配線幅部を概略同じにする。
【選択図】 図1
【解決手段】ガードGNDの電位的安定性確保の為に設けられたGND−VIAホール3の間隔は、問題となる周波数に対応する波長から規定する。上記GNDーVIAの間隔を守りながらも、そのGND−VIAホール3の配置を互いに隣り合うガードGND配線2同士で、千鳥状になるようにし、且つGND−VIAホール3周辺は該ホールのパッド径により規定される配線幅以上、その他の部分をより細い配線幅にする事によって、全体としてのパターン配線幅を圧縮する。尚、各ガードGND配線の上記太い配線幅部と細い配線幅部を概略同じにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速なデジタル信号または微弱な変化を扱うアナログ信号を、搭載電子部品間で伝送処理するプリント配線板において、放射ノイズやクロストークを抑制しつつ、高密度配線を実現できるパターン配線に工夫を施した高密度配線および高密度配線を用いたプリント配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、放射ノイズによる悪影響を防止する為に、信号配線パターン上に抵抗を入れたり、高周波成分をカットする為に周波数特性を持ったインダクタやキャパシタをフィルタ形成の目的で設けたりしていた。しかしながらこの様な部品の後付けによる防止対策は、設計変更やコストアップを招く。プリント配線板の裏層において平行な複数のGND配線と、同じく平行な複数の電源配線を設け、表層に裏層のGND配線,電源配線に直行させた平行な複数のGND配線,電源配線を設けている。そして、裏層のGND配線は表層のGND配線との交叉点においてVIAホールによって導通し、同じく裏層の電源配線は表層の電源配線と交叉点においてVIAホールによって導通させる。さらにこれによって形成されたGNDおよび電源のVIAホール間にノイズ抑制の為のキャパシタ部品を実装する事と提案している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、上記発明においては、該GNDおよび電源のVIAホールの間隔は、IC(実施例ではDIP=Dual In−line Packageを用いている)の実装間隔によって規定されており、且つ、ノイズ抑制のために搭載するキャパシタも、別々のICのGND,電源ピン間に挿入される位置関係になるため、本来のバイパスコンデンサとしての効果を充分発揮できる構成にはなっていない。
【0004】
それを補う目的で、まず対象とするプリント配線板がノイズ的に問題とする周波数を求め、その周波数に対応した波長から、任意の2層間で井桁状に構成されたGND,電源配線同士の間隔、および、それらの交叉点で電気的に導通を取るVIAホールの間隔を規定したものもある(例えば、特許文献2参照)。但し、通常この様な井桁状のGND,電源配線構造を形成する場合、規定間隔以下でVIAホールを形成する都合上、GND,電源の配線幅は、VIAホールのパッド径以上の配線幅となり、より高い周波数を扱うようになり、つまりそれに対応した波長が短くなってくると、井桁の間隔はより一層狭まってきて、信号配線より太いGND,電源配線により、プリント配線板全体の配線面積は大幅に制約を受けてしまう事になる。
【0005】
信号配線に併走させる事によりリターン電流経路として機能するGND配線の有効性を、上記井桁状GND,電源構造と同様な内容で定義しているが、ここでもGND配線に設けられたGND−VIAホールの間隔のみ規定しようとしており、実施例を見てもGND配線幅はGND−VIAホールより充分広い配線幅になっており、上記井桁状配線と同様に該当する高速デジタル信号や微弱成分を扱うアナログ信号が増えてくると、プリント配線板全体の配線面積に大幅な制約を与えてしまう事になる(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特公平1−47032号公報
【特許文献2】
特開平7−321429号公報
【特許文献3】
特開平9−181400号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明における技術課題としては、動作周波数が高くなってきて、それに対応した波長が短くなってきても、また、高速で動作するデジタル信号や、アナデジ混載により微弱成分を扱うアナログ信号が増えてきても、それらの信号に放射ノイズ抑制、あるいはクロストーク回避の目的のために併設させるガードGND配線が、プリント配線板全体の配線面積を大幅に制約しない様、パターン配線の工夫を施す事により、結果としてプリント配線板の面積を大きくする事を避けた高密度配線を実現する高密度配線および高密度配線を用いたプリント配線板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、放射ノイズを抑制するガードGND配線を施しつつ、且つ、信号配線も含めたプリント配線板全体の配線も高密度に配線したプリント配線板を提供する事にある。上記目的を達成するための本発明による配線方法は、略平行に延設された信号配線の両側または片側に併走して延設されたガードGNDには、複数のGND−VIAホールが設けられており、該GND−VIAホールを介して他の層の直交方向に延設されたGND配線に電気的に接続される。該GND−VIAホールの間隔は、信号に含まれる高調波成分や、信号の立上り時間(tr)や立下り時間(tf)によって規定される問題となる周波数成分に対応した波長の20分の1の長さに対応するように設けられている。該規定の間隔以下で各ガードGND配線上に設けられたGND−VIAホール周辺のガードGND配線は、当然のごとく該GND−VIAホールのパッド径以上の配線幅を有する必要がある訳であるが、それ以外の部分ではより細い配線幅で配線する事も可能である。
【0009】
そこで、互いに隣り合うガードGND配線同士において、該GND−VIAホールの配置を千鳥状に交互に配置する事によって、該ガードGNDの配線方向に対して、太い配線幅の部分と細い配線幅の部分とが互い違いにくる様にする。その分、信号配線も含めてパターン配線を最低限必要な間隔を残して寄せていけば、全体として幅方向に配線スペースが圧縮されることになる。
【0010】
尚、この際、ガードGNDの配線幅を細くしていくと放射ノイズ抑制効果が徐々に低減していく事は明らかであり、また、放射ノイズ抑制において、他のガードGND配線よりも極端に細い配線幅の区間が長く、インピーダンスの高いガードGND配線が1つでも存在すると、それが律速となって放射ノイズ抑制効果が著しく損なわれる事から、各ガードGNDが、ほぼ均等な太い配線幅/細い配線幅の区間を有するべきであることは言うまでも無い。
【0011】
また、必要であれば各ガードGNDに設けられるGNV−VIAホールの間隔や太い配線幅/細い配線幅の比率を、信号配線に伝送される信号の放射ノイズ的危険度、すなわち信号に含まれる高調波成分や信号のtr/tf特性の応じて調整しうる事は自明である。
【0012】
すなわち、本発明の技術内容は以下の構成を備えることにより前記課題を解決できた。
【0013】
(1)プリント配線板上に実装された電子部品間に、高速なデジタル信号または微弱な変化を扱うアナログ信号を伝送する為に複数本平行に延設されたクロックやデータバス配線等に対して、放射ノイズ抑制,クロストークノイズ抑制の観点から併設された複数のガードGND配線を有する配線形態において、該複数のガードGND配線に所定の間隔以下で設けられた複数のGND−VIAホールが、隣り合うGND配線同士において、千鳥状に配置されたことを特徴とする高密度配線。
【0014】
(2)ガードGND配線において、該配線上に設けられたGND−VIAホールの周辺付近は、該VIAホールのパッド径によって規定される以上の配線幅とし、それ以外の部分は該VIAホールのパッド径によって規定される配線幅未満の細い配線にしたことを特徴とする前記(1)に記載の高密度配線。
【0015】
(3)ガードGND配線上に設けられたGND−VIAホール付近のより太い配線幅を有する部分と、それ以外の細い配線幅を有する部分との長さの比を概略1対1にしたことを特徴とする前記(2)に記載の高密度配線。
【0016】
(4)配線幅が太い部分と細い部分を交互に有する複数のガードGND配線に対して、該ガードGND配線が併設されている信号配線を追従する形で屈曲配線させることを特徴とする前記(2)に記載の高密度配線。
【0017】
(5)隣り合うガードGNDに設けられたGND−VIAホールの千鳥状配置において、該千鳥状に配置されたGND−VIAホールが概略等間隔で配置されていることを特徴とする前記(1)に記載の高密度配線。
【0018】
(6)概略等間隔で千鳥状に配置されたGND−VIAホールに対して、該GND−VIAホールが設けられたガードGND配線が、GND−VIAホールの周辺付近は、該VIAホールのパッド径によって規定される以上の配線幅とし、それ以外の部分は該VIAホールのパッド径によって規定される配線幅未満の細い配線にしたことを特徴とする前記(5)に記載の高密度配線。
【0019】
(7)配線幅が太い部分と細い部分を交互に有する複数のガードGND配線において、GND−VIAホール周辺付近の太い配線幅を有する部分の長さ、あるいは、狭間の細い配線幅を有する部分の長さを、各ガードGND配線において概略均一にしたことを特徴とする前記(6)に記載の高密度配線。
【0020】
(8)記載の配線幅が太い部分と細い部分を交互に有する複数のガードGND配線に対して、該ガードGND配線が併設されている信号配線を追従する形で屈曲配線させることを特徴とする前記(7)に記載の高密度配線。
【0021】
(9)隣り合うガードGND配線同士において千鳥状に配置されたGND−VIAホールにおいて、隣り合う3本以上のガードGND配線を一組と考えて、該GND−VIAホールを千鳥状に配置したことを特徴とする前記(1)に記載の高密度配線。
【0022】
(10)GND−VIAホールが設けられたガードGND配線において、該配線上に設けられたGND−VIAホールの周辺付近は、該VIAホールのパッド径によって規定される以上の配線幅とし、それ以外の部分は該VIAホールのパッド径によって規定される配線幅未満の細い配線にしたことを特徴とする前記(9)に記載の高密度配線。
【0023】
(11)ガードGND配線上に設けられたGND−VIAホール付近のより太い配線幅を有する部分と、それ以外の細い配線幅を有する部分との長さの比が、各ガードGND配線において同等になることを特徴とする前記(10)に記載の高密度配線。
【0024】
(12)配線幅が太い部分と細い部分を交互に有する複数のガードGND配線に対して、該ガードGND配線が併設されている信号配線を追従する形で屈曲配線させることを特徴とする前記(10)に記載の高密度配線。
【0025】
(13)隣り合うガードGNDに設けられたGND−VIAホールの千鳥状配置において、該千鳥状に配置されたGND−VIAホールが、他層の同一GND配線上にGND−VIAホールが設けられるよう、隣り合うガードGND上に設けられたGND−VIAホール同士を、信号配線が間を通れる間隔を残して千鳥状に隣接配置したことを特徴とする前記(1)に記載の高密度配線。
【0026】
(14)配線幅が太い部分と細い部分を交互に有する複数のガードGND配線において、GND−VIAホール周辺付近の太い配線幅を有する部分の長さ、あるいは、狭間の細い配線幅を有する部分の長さを、各ガードGND配線とも概略均一にしたことを特徴とする前記(13)に記載の高密度配線。
【0027】
(15)GND−VIAホール周辺付近以外の部分を細い配線にしたガードGND配線において、該細い配線幅が併設されている信号配線幅以上であることを特徴とする前記(2),(6),(10),(13)いずれかに記載の高密度配線。
【0028】
(16)隣り合うガードGND配線が併設された信号配線において、隣り合うガードGND配線間に複数本の信号配線があることを特徴とする前記(1)ないし(15)いずれかに記載の高密度配線。
【0029】
(17)隣り合うガードGND配線同士において千鳥状に配置されたGND−VIAホールにおいて、同一配線幅の配線内に複数個のGND−VIAホールを設けたことを特徴とする前記(1)ないし(16)いずれかに記載の高密度配線。
【0030】
(18)ガードGND配線上に所定の間隔で設けられた複数のGND−VIAホールについて、所定の間隔が、i)信号の持つ高調波成分、ii)信号の立上り/立下り(tr/tf)特性、iii)規格認定試験上の上限周波数の何れかによって規定される問題となる周波数から求められる波長の20分の1になる事を特徴とする前記(1)に記載の高密度配線。
【0031】
(19)前記(1)ないし(18)いずれかに記載の高密度配線を施したことを特徴とする高密度配線を用いたプリント配線板。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係るプリント配線板上のパターン配線方法の実施例について説明する。
【0033】
【実施例】
図1は本発明の第一の実施例を示すものであり、プリント配線板上のクロック信号やデータバス、あるいはアナログ信号配線1とそれに併設されたガードGND配線2とを、プリント配線板の極一部のエリアを取り出して模式図的に表現したものである。
【0034】
該ガードGND配線2上には、信号配線1において伝送される信号の高調波成分、または、信号のtr/tfによって規定された放射ノイズ的に問題となる周波数に対応した波長の略20分の1以下の間隔(Δd1)で、GND−VIAホール3が設けられている。この間隔の規定については後述する。
【0035】
本実施例では、該GND−VIAホール3の設けられた、該ガードGND配線幅が太い部分4と、それ以外のガードGND配線幅が細い部分5とが、交互に存在している事がわかる。さらに、隣り合うガードGND配線2同士では、GND−VIAホール3の設けられる位置が、千鳥状に互い違いに配置されており、必然的に、配線方向に対してガードGND配線が太い部分4と細い部分5とが互い違いの関係になることになり、その分全体としての配線幅を圧縮できる構造になっている。本実施例においては、ガードGND配線幅が太い部分4の配線幅は、GND−VIAホールのパッド径(ミドルVIAで直径0.8mm)と同じくし、ガードGND配線幅が細い部分5の配線幅は、信号配線1の幅と同じ、つまりこのプリント配線板の製造上の最小配線幅にしている。
【0036】
また、図3に示すように、ガードGNDの放射ノイズ抑制効果は、僅かながらその配線幅に依存している事がわかる。よって、特定のガードGND配線が弱くならないよう、各ガードGND配線2における、太い部分4と細い部分5とを概略1:1の比にしている。なお、該ガードGND配線2は該GND−VIAホール3によって、他層の鉛直方向に配線されたGND配線と接続されており、全体として井桁状の構造を取ることによって、安定したGNDとして機能し得る様にしている事は自明である。
【0037】
これに対して図2は、従来例を示すものであり、プリント配線板上のクロック信号やデータバス、あるいはアナログ信号配線1とそれに併設されたガードGND配線2とを、プリント配線板の極一部のエリアを取り出して模式図的に表現したものである。
【0038】
本実施例と同様に、該ガードGND配線2上には、信号配線1において伝送される信号の高調波成分、または、信号のtr/tfによって規定された放射ノイズ的に問題となる周波数に対応した波長の略20分の1以下の間隔(Δd1)で、GND−VIAホール3が設けられている。通常、該GND−VIAホール3は、各ガードGND配線2において、配線に対して鉛直な方向にほぼ揃っていたり、特に意図されず無秩序に配置されている。よって、各ガードGND配線2も、何処に該GND−VIAホール3が配置されるか確定できないので、該GND−VIAホール3のパッド径を最少配線幅として、該配線幅以上を保って配線されていることが分かる。これでは、ガードGNDが必要な高速信号やアナログ信号が増えてくると、パターン配線面積の点で、プリント配線板のサイズを大きくしたり、層数を多くする事を余儀無くされたり、実装的にも、コスト的にも大きく不利になってくる訳である。
【0039】
<GND−VIAホール間隔の規定>
デジタル信号において、その性質に大きな影響を与えるものに、システムの動作周波数とそのシステムに流れる信号の許容される立上り時間/立下り時間特性(tr/tf)とがある。図4,図5は、夫々、74AC240,74HC240という汎用ロジックICが動作したときの、信号成分に含まれる高周波成分の周波数特性を示したものである。74AC240のtr/tfは約1.4ns程度であり、74HC240のtr/tfは約2.0ns程度である。
【0040】
これらの図から明らかなように、tr,tfが小さいほど(信号中の高周波成分が高いほど)広い周波数帯域にわたって高いノイズレベルの成分を含み、これが電磁波として放射される事になる事が分かる。電磁波には進行波と定在波とがあるが、発明者達は、放射ノイズとしてより大きな影響を与えるものは後者の定在波である事に着目した。定在波においては、周波数(f)と波長(λ)の間にf=C/λ(Cは光速)の関係がある。定在波は、その波長(λ)の1/2,1,3/2……あるいは、1/4,3/4,5/4……の倍数に等しい長さの配線パターンのラインから多く発生する。
【0041】
即ち、この様な長さの回路パターンが、波長λに起因した定在波を放射するアンテナに適合してしまうのである。反対に回路パターンの長さが1/20λ以下であれば、そのパターン上の電位差も、振幅の1/2よりも小さくなる。つまり定在波の発生は回避できるのである。
【0042】
図6に周波数fの定在波の波長λと、パターン長との関係を示す。どの様な周波数の定在波が実際のプリント配線板上で問題になるかは、該プリント配線板上に搭載されたデバイスのtr,tfに依存する。近年のICではtr,tfが1ns以下のものも多数使用される。
【0043】
図4,図5に示すように、信号に含まれる高調波成分の低減度合いが20dB/octから40dB/oct変化する変異点の周波数は、
ft=1/(πtr(f)) ……(1)
で与えられる。一方、通常ICからの信号には、この周波数ftの2倍から3倍程度、つまり100dB/octになる周波数帯域まで高調波成分が含まれている。従って、前式(1)にこの最大3倍程度の高調波成分が含まれるという前提のもとに、係数=3を掛けた値(これをfTとする)を、放射ノイズが問題になる周波数とすると、
fT=3/(πtr(f)) ……(2)
と定義できる。例えば、tr,tfが1nsのICがあった場合、放射ノイズが問題となる周波数は、
fT=3/(π×1×10E−9)=1(GHz) ……(3)
となる。プリント配線板の誘電率はガラエポFR−4基板、ソルダーレジスト付きでεr=3〜4程度であり、この誘電体であるプリント配線板による波長短縮効果を考慮すると、(3)式で与えられた1GHzの周波数に対応する波長λTは、150〜200mm程度となる。
【0044】
前述したように、ここで言うパターンの配線長をガードGND配線に設けられたGND−VIAホール間の配線長と考えると、該同一のガードGND配線上に設けられたGND−VIAホールの間隔が、放射する電磁波の波長λの1/20以下に設定すれば、その電磁波の強度は急減するので、プリント配線板の波長短縮率をα、該GND−VIAホールの間隔をΔdとすると、
Δd≦α×(1/fT)×(1/20) ……(4)
以下に抑えればよい。(4)式に(2)式を代入すると、
Δd≦α×{(π×C×tr(f))/(3×20)} ……(5)
が得られる。もっとも、必要以上に該GND−VIAの間隔を狭くする事は、却ってコスト増になる場合があるので、プリント配線板全体の大部分のガードGND配線上のGND−VIAホールが上記間隔程度に抑えられていれば良い訳である。
【0045】
図7は本発明による第一の実施例による信号配線1と、ガードGND配線2との関係を、より分かり易くイメージ図で表現したものである。該ガードGND配線2上に設けられたGND−VIAホール3は、互いに隣り合うガードGNDは線2a,2b同士で、互いのGND−VIAホール3a,3bは、該ガードGND配線方向に対して鉛直方向に揃った位置にではなく、交互に千鳥状の配置になっており、且つ、該GND−VIAホール3a,3bの周辺の、必然的にガードGND配線が太くなる部分4a,4bと、該GND−VIAホール3a,3bの狭間となる、ガードGND配線を細くし得る部分5a,5bとが、互いに干渉し合うこと無く、交互に配置されるようにする。信号配線1はそれらのガードGND配線2a,2bの間を縫うように配線される事により、結果として、ガードGND配線がGND−VIAホールのパッド径によって規定された配線幅以上で配線される通常の場合に比べて、全体の配線幅が大きく圧縮できる訳である。
【0046】
図8は信号配線1が配線途中で、信号−VIAホール6で他の配線層に切り替わった場合、ガードGND配線2は、その本数分まとめられる事になり、より一層全体の配線幅が圧縮され得ることをイメージ図で表現したものである。図中右側のエリアがその部分に相当する。
【0047】
図9は本発明による第二の実施例を示すものであり、プリント配線板上のクロック信号やデータバス、あるいはアナログ信号配線1とそれに併設されたガードGND配線2とを、プリント配線板の極一部のエリアを取り出して模式図的に表現したものである。ここでは、信号配線1で伝送される信号の高調波成分、または、信号のtr/tfによって規定された放射ノイズ的に問題となる周波数に対応した波長の略20分の1以下の間隔(Δd1)で配置されたGND−VIAホール3が、隣り合うガードGND配線2上に配置されたGND−VIAホール3同士で、千鳥状にほぼ等間隔(Δd2)で並んでおり、且つ、各ガードGND配線において、該GND−VIAホール3の配置付近の太い配線幅を有する部分4がほぼ同程度の長さになるようにする。あるいは、該GND−VIAホール3の狭間となる細い配線幅を有する部分5がほぼ同程度の長さになっても良い。この様な構造を取る事により、本発明による第一の実施例と同様な効果が得られる訳である。
【0048】
図10は本発明による第三の実施例を示すものであり、プリント配線板上のクロック信号やデータバス、あるいはアナログ信号配線1とそれに併設されたガードGND配線2とを、プリント配線板の極一部のエリアを取り出して模式図的に表現したものである。ここでは、信号配線1で伝送される信号の高調波成分、または、信号のtr/tfによって規定された放射ノイズ的に問題となる周波数に対応した波長の略20分の1以下の間隔(Δd1)で配置されたGND−VIAホール3を介して、該ガードGND配線2は、他層のGND配線7に電気的に接続される訳であるが、隣り合うガードGND配線2上に、千鳥状に配置されてGND−VIAホール3同士が、他層の同一のGND配線7上に設けられるように、該隣り合うガードGND配線上のGND−VIAホール3同士を、最低、信号配線1が間を通る間隔を開けて、千鳥状に近接配置するものである。これによって、他層のGND配線7を介して、隣り合うガードGND配線2上に設けられたGND−VIAホール3同士が、確実に最短で電気的に接続されることになり、前記実施例に対して、よりガードGNDによる放射ノイズ抑制効果を発揮し易い形態にしたものである。
【0049】
図11は本発明による第四の実施例を示すものであり、プリント配線板上のクロック信号やデータバス、あるいはアナログ信号配線1とそれに併設されたガードGND配線2とを、プリント配線板の極一部のエリアを取り出して模式図的に表現したものである。ここでは、信号配線1で伝送される信号の高調波成分、または、信号のtr/tfによって規定された放射ノイズ的に問題となる周波数に対応した波長の略20分の1以下の間隔(Δd1)で配置されたGND−VIAホール3の配置において、隣り合うガードGND配線2を、4本一組のグループとして捉え、該4本組みのガードGND配線2上に設けられたGND−VIAホール3同士を、互いに配線の鉛直方向に揃わないよう概略周期性を持って配置し、且つ、該GND−VIAホール3の周辺の太い配線部分4が、該4本組みのガードGND配線2においてほぼ同程度の長さになるようにする。こうする事によって、前記実施例よりも、さらに全体の配線幅を圧縮する事が可能になる。尚、本実施例ではガードGND配線を4本一組みにした場合を示したが、Δd1の間隔が許す範囲で、ガードGND配線の組数をより増やしたり減らしたりできるのは、自明である。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明によるプリント配線板上の信号・GND配線構造をとれば、放射ノイズ抑制の目的で、あるいは信号配線同士のクロストーク回避の目的で、高速なデジタル信号やアナログ信号配線に併設されるガードGND配線の本数が増えてきたとしても、通常のGND−VIAホールのパッド径に規定された配線幅分、全体の配線面積が拡大する事にはならず、最小限の配線幅の拡がりに抑えることができる訳である。よって、プリント配線板全体のサイズをより小さく抑えられ、配線に必要な層数を必要以上に増やすこともなくなり、製品への基板実装面積の面でも、コストの面でも有効に作用することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示すものであり、プリント配線板上の信号配線とそれに併設されたガードGND配線とを、プリント配線板の極一部のエリアを取り出して模式図で表現したものである。
【図2】従来例を示したものであり、プリント配線板上の信号配線とそれに併設されたガードGND配線とを、プリント配線板の極一部のエリアを取り出して模式図で表現したものである。
【図3】ガードGND配線の配線幅と放射ノイズ抑制効果との相関を示した図である。
【図4】ICの立上り/立下り特性(tr/tf)と、信号に含まれる高調波成分との相関を示した図である。74AC240の場合。
【図5】ICの立上り/立下り特性(tr/tf)と、信号に含まれる高調波成分との相関を示した図である。74HC240の場合。
【図6】周波数fの定在波の波長λと、パターン長との関係を示した図である。
【図7】本発明の第一の実施例を示すものであり、信号配線とそれに併設されたガードGND配線およびGND−VIAホールとの関係を、より分かり易くイメージ図で表現したものである。
【図8】本発明の第一の実施例を示すものであり、信号配線とそれに併設されたガードGND配線およびGND−VIAホールおよび信号−VIAホールとの関係を、より分かり易くイメージ図で表現したものである。
【図9】本発明の第二の実施例を模式図で表現したものである。
【図10】本発明の第三の実施例を模式図で表現したものである。
【図11】本発明の第四の実施例を模式図で表現したものである。
【符号の説明】
1 プリント配線板上のクロック信号やデータバス、あるいはアナログ信号配線
2 ガードGND配線
3 GND−VIAホール
4 ガードGND配線の太い配線幅を有する部分
5 ガードGND配線の細い配線幅を有する部分
6 信号−VIAホール
7 他層のGND配線
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速なデジタル信号または微弱な変化を扱うアナログ信号を、搭載電子部品間で伝送処理するプリント配線板において、放射ノイズやクロストークを抑制しつつ、高密度配線を実現できるパターン配線に工夫を施した高密度配線および高密度配線を用いたプリント配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、放射ノイズによる悪影響を防止する為に、信号配線パターン上に抵抗を入れたり、高周波成分をカットする為に周波数特性を持ったインダクタやキャパシタをフィルタ形成の目的で設けたりしていた。しかしながらこの様な部品の後付けによる防止対策は、設計変更やコストアップを招く。プリント配線板の裏層において平行な複数のGND配線と、同じく平行な複数の電源配線を設け、表層に裏層のGND配線,電源配線に直行させた平行な複数のGND配線,電源配線を設けている。そして、裏層のGND配線は表層のGND配線との交叉点においてVIAホールによって導通し、同じく裏層の電源配線は表層の電源配線と交叉点においてVIAホールによって導通させる。さらにこれによって形成されたGNDおよび電源のVIAホール間にノイズ抑制の為のキャパシタ部品を実装する事と提案している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、上記発明においては、該GNDおよび電源のVIAホールの間隔は、IC(実施例ではDIP=Dual In−line Packageを用いている)の実装間隔によって規定されており、且つ、ノイズ抑制のために搭載するキャパシタも、別々のICのGND,電源ピン間に挿入される位置関係になるため、本来のバイパスコンデンサとしての効果を充分発揮できる構成にはなっていない。
【0004】
それを補う目的で、まず対象とするプリント配線板がノイズ的に問題とする周波数を求め、その周波数に対応した波長から、任意の2層間で井桁状に構成されたGND,電源配線同士の間隔、および、それらの交叉点で電気的に導通を取るVIAホールの間隔を規定したものもある(例えば、特許文献2参照)。但し、通常この様な井桁状のGND,電源配線構造を形成する場合、規定間隔以下でVIAホールを形成する都合上、GND,電源の配線幅は、VIAホールのパッド径以上の配線幅となり、より高い周波数を扱うようになり、つまりそれに対応した波長が短くなってくると、井桁の間隔はより一層狭まってきて、信号配線より太いGND,電源配線により、プリント配線板全体の配線面積は大幅に制約を受けてしまう事になる。
【0005】
信号配線に併走させる事によりリターン電流経路として機能するGND配線の有効性を、上記井桁状GND,電源構造と同様な内容で定義しているが、ここでもGND配線に設けられたGND−VIAホールの間隔のみ規定しようとしており、実施例を見てもGND配線幅はGND−VIAホールより充分広い配線幅になっており、上記井桁状配線と同様に該当する高速デジタル信号や微弱成分を扱うアナログ信号が増えてくると、プリント配線板全体の配線面積に大幅な制約を与えてしまう事になる(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特公平1−47032号公報
【特許文献2】
特開平7−321429号公報
【特許文献3】
特開平9−181400号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明における技術課題としては、動作周波数が高くなってきて、それに対応した波長が短くなってきても、また、高速で動作するデジタル信号や、アナデジ混載により微弱成分を扱うアナログ信号が増えてきても、それらの信号に放射ノイズ抑制、あるいはクロストーク回避の目的のために併設させるガードGND配線が、プリント配線板全体の配線面積を大幅に制約しない様、パターン配線の工夫を施す事により、結果としてプリント配線板の面積を大きくする事を避けた高密度配線を実現する高密度配線および高密度配線を用いたプリント配線板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、放射ノイズを抑制するガードGND配線を施しつつ、且つ、信号配線も含めたプリント配線板全体の配線も高密度に配線したプリント配線板を提供する事にある。上記目的を達成するための本発明による配線方法は、略平行に延設された信号配線の両側または片側に併走して延設されたガードGNDには、複数のGND−VIAホールが設けられており、該GND−VIAホールを介して他の層の直交方向に延設されたGND配線に電気的に接続される。該GND−VIAホールの間隔は、信号に含まれる高調波成分や、信号の立上り時間(tr)や立下り時間(tf)によって規定される問題となる周波数成分に対応した波長の20分の1の長さに対応するように設けられている。該規定の間隔以下で各ガードGND配線上に設けられたGND−VIAホール周辺のガードGND配線は、当然のごとく該GND−VIAホールのパッド径以上の配線幅を有する必要がある訳であるが、それ以外の部分ではより細い配線幅で配線する事も可能である。
【0009】
そこで、互いに隣り合うガードGND配線同士において、該GND−VIAホールの配置を千鳥状に交互に配置する事によって、該ガードGNDの配線方向に対して、太い配線幅の部分と細い配線幅の部分とが互い違いにくる様にする。その分、信号配線も含めてパターン配線を最低限必要な間隔を残して寄せていけば、全体として幅方向に配線スペースが圧縮されることになる。
【0010】
尚、この際、ガードGNDの配線幅を細くしていくと放射ノイズ抑制効果が徐々に低減していく事は明らかであり、また、放射ノイズ抑制において、他のガードGND配線よりも極端に細い配線幅の区間が長く、インピーダンスの高いガードGND配線が1つでも存在すると、それが律速となって放射ノイズ抑制効果が著しく損なわれる事から、各ガードGNDが、ほぼ均等な太い配線幅/細い配線幅の区間を有するべきであることは言うまでも無い。
【0011】
また、必要であれば各ガードGNDに設けられるGNV−VIAホールの間隔や太い配線幅/細い配線幅の比率を、信号配線に伝送される信号の放射ノイズ的危険度、すなわち信号に含まれる高調波成分や信号のtr/tf特性の応じて調整しうる事は自明である。
【0012】
すなわち、本発明の技術内容は以下の構成を備えることにより前記課題を解決できた。
【0013】
(1)プリント配線板上に実装された電子部品間に、高速なデジタル信号または微弱な変化を扱うアナログ信号を伝送する為に複数本平行に延設されたクロックやデータバス配線等に対して、放射ノイズ抑制,クロストークノイズ抑制の観点から併設された複数のガードGND配線を有する配線形態において、該複数のガードGND配線に所定の間隔以下で設けられた複数のGND−VIAホールが、隣り合うGND配線同士において、千鳥状に配置されたことを特徴とする高密度配線。
【0014】
(2)ガードGND配線において、該配線上に設けられたGND−VIAホールの周辺付近は、該VIAホールのパッド径によって規定される以上の配線幅とし、それ以外の部分は該VIAホールのパッド径によって規定される配線幅未満の細い配線にしたことを特徴とする前記(1)に記載の高密度配線。
【0015】
(3)ガードGND配線上に設けられたGND−VIAホール付近のより太い配線幅を有する部分と、それ以外の細い配線幅を有する部分との長さの比を概略1対1にしたことを特徴とする前記(2)に記載の高密度配線。
【0016】
(4)配線幅が太い部分と細い部分を交互に有する複数のガードGND配線に対して、該ガードGND配線が併設されている信号配線を追従する形で屈曲配線させることを特徴とする前記(2)に記載の高密度配線。
【0017】
(5)隣り合うガードGNDに設けられたGND−VIAホールの千鳥状配置において、該千鳥状に配置されたGND−VIAホールが概略等間隔で配置されていることを特徴とする前記(1)に記載の高密度配線。
【0018】
(6)概略等間隔で千鳥状に配置されたGND−VIAホールに対して、該GND−VIAホールが設けられたガードGND配線が、GND−VIAホールの周辺付近は、該VIAホールのパッド径によって規定される以上の配線幅とし、それ以外の部分は該VIAホールのパッド径によって規定される配線幅未満の細い配線にしたことを特徴とする前記(5)に記載の高密度配線。
【0019】
(7)配線幅が太い部分と細い部分を交互に有する複数のガードGND配線において、GND−VIAホール周辺付近の太い配線幅を有する部分の長さ、あるいは、狭間の細い配線幅を有する部分の長さを、各ガードGND配線において概略均一にしたことを特徴とする前記(6)に記載の高密度配線。
【0020】
(8)記載の配線幅が太い部分と細い部分を交互に有する複数のガードGND配線に対して、該ガードGND配線が併設されている信号配線を追従する形で屈曲配線させることを特徴とする前記(7)に記載の高密度配線。
【0021】
(9)隣り合うガードGND配線同士において千鳥状に配置されたGND−VIAホールにおいて、隣り合う3本以上のガードGND配線を一組と考えて、該GND−VIAホールを千鳥状に配置したことを特徴とする前記(1)に記載の高密度配線。
【0022】
(10)GND−VIAホールが設けられたガードGND配線において、該配線上に設けられたGND−VIAホールの周辺付近は、該VIAホールのパッド径によって規定される以上の配線幅とし、それ以外の部分は該VIAホールのパッド径によって規定される配線幅未満の細い配線にしたことを特徴とする前記(9)に記載の高密度配線。
【0023】
(11)ガードGND配線上に設けられたGND−VIAホール付近のより太い配線幅を有する部分と、それ以外の細い配線幅を有する部分との長さの比が、各ガードGND配線において同等になることを特徴とする前記(10)に記載の高密度配線。
【0024】
(12)配線幅が太い部分と細い部分を交互に有する複数のガードGND配線に対して、該ガードGND配線が併設されている信号配線を追従する形で屈曲配線させることを特徴とする前記(10)に記載の高密度配線。
【0025】
(13)隣り合うガードGNDに設けられたGND−VIAホールの千鳥状配置において、該千鳥状に配置されたGND−VIAホールが、他層の同一GND配線上にGND−VIAホールが設けられるよう、隣り合うガードGND上に設けられたGND−VIAホール同士を、信号配線が間を通れる間隔を残して千鳥状に隣接配置したことを特徴とする前記(1)に記載の高密度配線。
【0026】
(14)配線幅が太い部分と細い部分を交互に有する複数のガードGND配線において、GND−VIAホール周辺付近の太い配線幅を有する部分の長さ、あるいは、狭間の細い配線幅を有する部分の長さを、各ガードGND配線とも概略均一にしたことを特徴とする前記(13)に記載の高密度配線。
【0027】
(15)GND−VIAホール周辺付近以外の部分を細い配線にしたガードGND配線において、該細い配線幅が併設されている信号配線幅以上であることを特徴とする前記(2),(6),(10),(13)いずれかに記載の高密度配線。
【0028】
(16)隣り合うガードGND配線が併設された信号配線において、隣り合うガードGND配線間に複数本の信号配線があることを特徴とする前記(1)ないし(15)いずれかに記載の高密度配線。
【0029】
(17)隣り合うガードGND配線同士において千鳥状に配置されたGND−VIAホールにおいて、同一配線幅の配線内に複数個のGND−VIAホールを設けたことを特徴とする前記(1)ないし(16)いずれかに記載の高密度配線。
【0030】
(18)ガードGND配線上に所定の間隔で設けられた複数のGND−VIAホールについて、所定の間隔が、i)信号の持つ高調波成分、ii)信号の立上り/立下り(tr/tf)特性、iii)規格認定試験上の上限周波数の何れかによって規定される問題となる周波数から求められる波長の20分の1になる事を特徴とする前記(1)に記載の高密度配線。
【0031】
(19)前記(1)ないし(18)いずれかに記載の高密度配線を施したことを特徴とする高密度配線を用いたプリント配線板。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係るプリント配線板上のパターン配線方法の実施例について説明する。
【0033】
【実施例】
図1は本発明の第一の実施例を示すものであり、プリント配線板上のクロック信号やデータバス、あるいはアナログ信号配線1とそれに併設されたガードGND配線2とを、プリント配線板の極一部のエリアを取り出して模式図的に表現したものである。
【0034】
該ガードGND配線2上には、信号配線1において伝送される信号の高調波成分、または、信号のtr/tfによって規定された放射ノイズ的に問題となる周波数に対応した波長の略20分の1以下の間隔(Δd1)で、GND−VIAホール3が設けられている。この間隔の規定については後述する。
【0035】
本実施例では、該GND−VIAホール3の設けられた、該ガードGND配線幅が太い部分4と、それ以外のガードGND配線幅が細い部分5とが、交互に存在している事がわかる。さらに、隣り合うガードGND配線2同士では、GND−VIAホール3の設けられる位置が、千鳥状に互い違いに配置されており、必然的に、配線方向に対してガードGND配線が太い部分4と細い部分5とが互い違いの関係になることになり、その分全体としての配線幅を圧縮できる構造になっている。本実施例においては、ガードGND配線幅が太い部分4の配線幅は、GND−VIAホールのパッド径(ミドルVIAで直径0.8mm)と同じくし、ガードGND配線幅が細い部分5の配線幅は、信号配線1の幅と同じ、つまりこのプリント配線板の製造上の最小配線幅にしている。
【0036】
また、図3に示すように、ガードGNDの放射ノイズ抑制効果は、僅かながらその配線幅に依存している事がわかる。よって、特定のガードGND配線が弱くならないよう、各ガードGND配線2における、太い部分4と細い部分5とを概略1:1の比にしている。なお、該ガードGND配線2は該GND−VIAホール3によって、他層の鉛直方向に配線されたGND配線と接続されており、全体として井桁状の構造を取ることによって、安定したGNDとして機能し得る様にしている事は自明である。
【0037】
これに対して図2は、従来例を示すものであり、プリント配線板上のクロック信号やデータバス、あるいはアナログ信号配線1とそれに併設されたガードGND配線2とを、プリント配線板の極一部のエリアを取り出して模式図的に表現したものである。
【0038】
本実施例と同様に、該ガードGND配線2上には、信号配線1において伝送される信号の高調波成分、または、信号のtr/tfによって規定された放射ノイズ的に問題となる周波数に対応した波長の略20分の1以下の間隔(Δd1)で、GND−VIAホール3が設けられている。通常、該GND−VIAホール3は、各ガードGND配線2において、配線に対して鉛直な方向にほぼ揃っていたり、特に意図されず無秩序に配置されている。よって、各ガードGND配線2も、何処に該GND−VIAホール3が配置されるか確定できないので、該GND−VIAホール3のパッド径を最少配線幅として、該配線幅以上を保って配線されていることが分かる。これでは、ガードGNDが必要な高速信号やアナログ信号が増えてくると、パターン配線面積の点で、プリント配線板のサイズを大きくしたり、層数を多くする事を余儀無くされたり、実装的にも、コスト的にも大きく不利になってくる訳である。
【0039】
<GND−VIAホール間隔の規定>
デジタル信号において、その性質に大きな影響を与えるものに、システムの動作周波数とそのシステムに流れる信号の許容される立上り時間/立下り時間特性(tr/tf)とがある。図4,図5は、夫々、74AC240,74HC240という汎用ロジックICが動作したときの、信号成分に含まれる高周波成分の周波数特性を示したものである。74AC240のtr/tfは約1.4ns程度であり、74HC240のtr/tfは約2.0ns程度である。
【0040】
これらの図から明らかなように、tr,tfが小さいほど(信号中の高周波成分が高いほど)広い周波数帯域にわたって高いノイズレベルの成分を含み、これが電磁波として放射される事になる事が分かる。電磁波には進行波と定在波とがあるが、発明者達は、放射ノイズとしてより大きな影響を与えるものは後者の定在波である事に着目した。定在波においては、周波数(f)と波長(λ)の間にf=C/λ(Cは光速)の関係がある。定在波は、その波長(λ)の1/2,1,3/2……あるいは、1/4,3/4,5/4……の倍数に等しい長さの配線パターンのラインから多く発生する。
【0041】
即ち、この様な長さの回路パターンが、波長λに起因した定在波を放射するアンテナに適合してしまうのである。反対に回路パターンの長さが1/20λ以下であれば、そのパターン上の電位差も、振幅の1/2よりも小さくなる。つまり定在波の発生は回避できるのである。
【0042】
図6に周波数fの定在波の波長λと、パターン長との関係を示す。どの様な周波数の定在波が実際のプリント配線板上で問題になるかは、該プリント配線板上に搭載されたデバイスのtr,tfに依存する。近年のICではtr,tfが1ns以下のものも多数使用される。
【0043】
図4,図5に示すように、信号に含まれる高調波成分の低減度合いが20dB/octから40dB/oct変化する変異点の周波数は、
ft=1/(πtr(f)) ……(1)
で与えられる。一方、通常ICからの信号には、この周波数ftの2倍から3倍程度、つまり100dB/octになる周波数帯域まで高調波成分が含まれている。従って、前式(1)にこの最大3倍程度の高調波成分が含まれるという前提のもとに、係数=3を掛けた値(これをfTとする)を、放射ノイズが問題になる周波数とすると、
fT=3/(πtr(f)) ……(2)
と定義できる。例えば、tr,tfが1nsのICがあった場合、放射ノイズが問題となる周波数は、
fT=3/(π×1×10E−9)=1(GHz) ……(3)
となる。プリント配線板の誘電率はガラエポFR−4基板、ソルダーレジスト付きでεr=3〜4程度であり、この誘電体であるプリント配線板による波長短縮効果を考慮すると、(3)式で与えられた1GHzの周波数に対応する波長λTは、150〜200mm程度となる。
【0044】
前述したように、ここで言うパターンの配線長をガードGND配線に設けられたGND−VIAホール間の配線長と考えると、該同一のガードGND配線上に設けられたGND−VIAホールの間隔が、放射する電磁波の波長λの1/20以下に設定すれば、その電磁波の強度は急減するので、プリント配線板の波長短縮率をα、該GND−VIAホールの間隔をΔdとすると、
Δd≦α×(1/fT)×(1/20) ……(4)
以下に抑えればよい。(4)式に(2)式を代入すると、
Δd≦α×{(π×C×tr(f))/(3×20)} ……(5)
が得られる。もっとも、必要以上に該GND−VIAの間隔を狭くする事は、却ってコスト増になる場合があるので、プリント配線板全体の大部分のガードGND配線上のGND−VIAホールが上記間隔程度に抑えられていれば良い訳である。
【0045】
図7は本発明による第一の実施例による信号配線1と、ガードGND配線2との関係を、より分かり易くイメージ図で表現したものである。該ガードGND配線2上に設けられたGND−VIAホール3は、互いに隣り合うガードGNDは線2a,2b同士で、互いのGND−VIAホール3a,3bは、該ガードGND配線方向に対して鉛直方向に揃った位置にではなく、交互に千鳥状の配置になっており、且つ、該GND−VIAホール3a,3bの周辺の、必然的にガードGND配線が太くなる部分4a,4bと、該GND−VIAホール3a,3bの狭間となる、ガードGND配線を細くし得る部分5a,5bとが、互いに干渉し合うこと無く、交互に配置されるようにする。信号配線1はそれらのガードGND配線2a,2bの間を縫うように配線される事により、結果として、ガードGND配線がGND−VIAホールのパッド径によって規定された配線幅以上で配線される通常の場合に比べて、全体の配線幅が大きく圧縮できる訳である。
【0046】
図8は信号配線1が配線途中で、信号−VIAホール6で他の配線層に切り替わった場合、ガードGND配線2は、その本数分まとめられる事になり、より一層全体の配線幅が圧縮され得ることをイメージ図で表現したものである。図中右側のエリアがその部分に相当する。
【0047】
図9は本発明による第二の実施例を示すものであり、プリント配線板上のクロック信号やデータバス、あるいはアナログ信号配線1とそれに併設されたガードGND配線2とを、プリント配線板の極一部のエリアを取り出して模式図的に表現したものである。ここでは、信号配線1で伝送される信号の高調波成分、または、信号のtr/tfによって規定された放射ノイズ的に問題となる周波数に対応した波長の略20分の1以下の間隔(Δd1)で配置されたGND−VIAホール3が、隣り合うガードGND配線2上に配置されたGND−VIAホール3同士で、千鳥状にほぼ等間隔(Δd2)で並んでおり、且つ、各ガードGND配線において、該GND−VIAホール3の配置付近の太い配線幅を有する部分4がほぼ同程度の長さになるようにする。あるいは、該GND−VIAホール3の狭間となる細い配線幅を有する部分5がほぼ同程度の長さになっても良い。この様な構造を取る事により、本発明による第一の実施例と同様な効果が得られる訳である。
【0048】
図10は本発明による第三の実施例を示すものであり、プリント配線板上のクロック信号やデータバス、あるいはアナログ信号配線1とそれに併設されたガードGND配線2とを、プリント配線板の極一部のエリアを取り出して模式図的に表現したものである。ここでは、信号配線1で伝送される信号の高調波成分、または、信号のtr/tfによって規定された放射ノイズ的に問題となる周波数に対応した波長の略20分の1以下の間隔(Δd1)で配置されたGND−VIAホール3を介して、該ガードGND配線2は、他層のGND配線7に電気的に接続される訳であるが、隣り合うガードGND配線2上に、千鳥状に配置されてGND−VIAホール3同士が、他層の同一のGND配線7上に設けられるように、該隣り合うガードGND配線上のGND−VIAホール3同士を、最低、信号配線1が間を通る間隔を開けて、千鳥状に近接配置するものである。これによって、他層のGND配線7を介して、隣り合うガードGND配線2上に設けられたGND−VIAホール3同士が、確実に最短で電気的に接続されることになり、前記実施例に対して、よりガードGNDによる放射ノイズ抑制効果を発揮し易い形態にしたものである。
【0049】
図11は本発明による第四の実施例を示すものであり、プリント配線板上のクロック信号やデータバス、あるいはアナログ信号配線1とそれに併設されたガードGND配線2とを、プリント配線板の極一部のエリアを取り出して模式図的に表現したものである。ここでは、信号配線1で伝送される信号の高調波成分、または、信号のtr/tfによって規定された放射ノイズ的に問題となる周波数に対応した波長の略20分の1以下の間隔(Δd1)で配置されたGND−VIAホール3の配置において、隣り合うガードGND配線2を、4本一組のグループとして捉え、該4本組みのガードGND配線2上に設けられたGND−VIAホール3同士を、互いに配線の鉛直方向に揃わないよう概略周期性を持って配置し、且つ、該GND−VIAホール3の周辺の太い配線部分4が、該4本組みのガードGND配線2においてほぼ同程度の長さになるようにする。こうする事によって、前記実施例よりも、さらに全体の配線幅を圧縮する事が可能になる。尚、本実施例ではガードGND配線を4本一組みにした場合を示したが、Δd1の間隔が許す範囲で、ガードGND配線の組数をより増やしたり減らしたりできるのは、自明である。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明によるプリント配線板上の信号・GND配線構造をとれば、放射ノイズ抑制の目的で、あるいは信号配線同士のクロストーク回避の目的で、高速なデジタル信号やアナログ信号配線に併設されるガードGND配線の本数が増えてきたとしても、通常のGND−VIAホールのパッド径に規定された配線幅分、全体の配線面積が拡大する事にはならず、最小限の配線幅の拡がりに抑えることができる訳である。よって、プリント配線板全体のサイズをより小さく抑えられ、配線に必要な層数を必要以上に増やすこともなくなり、製品への基板実装面積の面でも、コストの面でも有効に作用することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示すものであり、プリント配線板上の信号配線とそれに併設されたガードGND配線とを、プリント配線板の極一部のエリアを取り出して模式図で表現したものである。
【図2】従来例を示したものであり、プリント配線板上の信号配線とそれに併設されたガードGND配線とを、プリント配線板の極一部のエリアを取り出して模式図で表現したものである。
【図3】ガードGND配線の配線幅と放射ノイズ抑制効果との相関を示した図である。
【図4】ICの立上り/立下り特性(tr/tf)と、信号に含まれる高調波成分との相関を示した図である。74AC240の場合。
【図5】ICの立上り/立下り特性(tr/tf)と、信号に含まれる高調波成分との相関を示した図である。74HC240の場合。
【図6】周波数fの定在波の波長λと、パターン長との関係を示した図である。
【図7】本発明の第一の実施例を示すものであり、信号配線とそれに併設されたガードGND配線およびGND−VIAホールとの関係を、より分かり易くイメージ図で表現したものである。
【図8】本発明の第一の実施例を示すものであり、信号配線とそれに併設されたガードGND配線およびGND−VIAホールおよび信号−VIAホールとの関係を、より分かり易くイメージ図で表現したものである。
【図9】本発明の第二の実施例を模式図で表現したものである。
【図10】本発明の第三の実施例を模式図で表現したものである。
【図11】本発明の第四の実施例を模式図で表現したものである。
【符号の説明】
1 プリント配線板上のクロック信号やデータバス、あるいはアナログ信号配線
2 ガードGND配線
3 GND−VIAホール
4 ガードGND配線の太い配線幅を有する部分
5 ガードGND配線の細い配線幅を有する部分
6 信号−VIAホール
7 他層のGND配線
Claims (19)
- プリント配線板上に実装された電子部品間に、高速なデジタル信号または微弱な変化を扱うアナログ信号を伝送する為に複数本平行に延設されたクロックやデータバス配線等に対して、放射ノイズ抑制,クロストークノイズ抑制の観点から併設された複数のガードGND配線を有する配線形態において、該複数のガードGND配線に所定の間隔以下で設けられた複数のGND−VIAホールが、隣り合うGND配線同士において、千鳥状に配置されたことを特徴とする高密度配線。
- ガードGND配線において、該配線上に設けられたGND−VIAホールの周辺付近は、該VIAホールのパッド径によって規定される以上の配線幅とし、それ以外の部分は該VIAホールのパッド径によって規定される配線幅未満の細い配線にしたことを特徴とする請求項1に記載の高密度配線。
- ガードGND配線上に設けられたGND−VIAホール付近のより太い配線幅を有する部分と、それ以外の細い配線幅を有する部分との長さの比を概略1対1にしたことを特徴とする請求項2に記載の高密度配線。
- 配線幅が太い部分と細い部分を交互に有する複数のガードGND配線に対して、該ガードGND配線が併設されている信号配線を追従する形で屈曲配線させることを特徴とする請求項2に記載の高密度配線。
- 隣り合うガードGNDに設けられたGND−VIAホールの千鳥状配置において、該千鳥状に配置されたGND−VIAホールが概略等間隔で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の高密度配線。
- 概略等間隔で千鳥状に配置されたGND−VIAホールに対して、該GND−VIAホールが設けられたガードGND配線が、GND−VIAホールの周辺付近は、該VIAホールのパッド径によって規定される以上の配線幅とし、それ以外の部分は該VIAホールのパッド径によって規定される配線幅未満の細い配線にしたことを特徴とする請求項5に記載の高密度配線。
- 配線幅が太い部分と細い部分を交互に有する複数のガードGND配線において、GND−VIAホール周辺付近の太い配線幅を有する部分の長さ、あるいは、狭間の細い配線幅を有する部分の長さを、各ガードGND配線において概略均一にしたことを特徴とする請求項6に記載の高密度配線。
- 記載の配線幅が太い部分と細い部分を交互に有する複数のガードGND配線に対して、該ガードGND配線が併設されている信号配線を追従する形で屈曲配線させることを特徴とする請求項7に記載の高密度配線。
- 隣り合うガードGND配線同士において千鳥状に配置されたGND−VIAホールにおいて、隣り合う3本以上のガードGND配線を一組と考えて、該GND−VIAホールを千鳥状に配置したことを特徴とする請求項1に記載の高密度配線。
- GND−VIAホールが設けられたガードGND配線において、該配線上に設けられたGND−VIAホールの周辺付近は、該VIAホールのパッド径によって規定される以上の配線幅とし、それ以外の部分は該VIAホールのパッド径によって規定される配線幅未満の細い配線にしたことを特徴とする請求項9に記載の高密度配線。
- ガードGND配線上に設けられたGND−VIAホール付近のより太い配線幅を有する部分と、それ以外の細い配線幅を有する部分との長さの比が、各ガードGND配線において同等になることを特徴とする請求項10に記載の高密度配線。
- 配線幅が太い部分と細い部分を交互に有する複数のガードGND配線に対して、該ガードGND配線が併設されている信号配線を追従する形で屈曲配線させることを特徴とする請求項10に記載の高密度配線。
- 隣り合うガードGNDに設けられたGND−VIAホールの千鳥状配置において、該千鳥状に配置されたGND−VIAホールが、他層の同一GND配線上にGND−VIAホールが設けられるよう、隣り合うガードGND上に設けられたGND−VIAホール同士を、信号配線が間を通れる間隔を残して千鳥状に隣接配置したことを特徴とする請求項1に記載の高密度配線。
- 配線幅が太い部分と細い部分を交互に有する複数のガードGND配線において、GND−VIAホール周辺付近の太い配線幅を有する部分の長さ、あるいは、狭間の細い配線幅を有する部分の長さを、各ガードGND配線とも概略均一にしたことを特徴とする請求項13に記載の高密度配線。
- GND−VIAホール周辺付近以外の部分を細い配線にしたガードGND配線において、該細い配線幅が併設されている信号配線幅以上であることを特徴とする請求項2,6,10,13いずれかに記載の高密度配線。
- 隣り合うガードGND配線が併設された信号配線において、隣り合うガードGND配線間に複数本の信号配線があることを特徴とする請求項1ないし15いずれかに記載の高密度配線。
- 隣り合うガードGND配線同士において千鳥状に配置されたGND−VIAホールにおいて、同一配線幅の配線内に複数個のGND−VIAホールを設けたことを特徴とする請求項1ないし16いずれかに記載の高密度配線。
- ガードGND配線上に所定の間隔で設けられた複数のGND−VIAホールについて、所定の間隔が、i)信号の持つ高調波成分、ii)信号の立上り/立下り(tr/tf)特性、iii)規格認定試験上の上限周波数の何れかによって規定される問題となる周波数から求められる波長の20分の1になる事を特徴とする請求項1に記載の高密度配線。
- 前記請求項1ないし18いずれかに記載の高密度配線を施したことを特徴とする高密度配線を用いたプリント配線板。
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