JP2004218103A - 流体噴射式織機の緯糸張力付与装置 - Google Patents

流体噴射式織機の緯糸張力付与装置 Download PDF

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Abstract

【課題】流体噴射式織機の緯糸張力付与装置において、効率良く緯糸を捕捉すること。
【解決手段】流体噴射式織機の緯糸張力付与装置は、貫通穴を有する貫通穴部材と、緯入れ経路を間にして貫通穴の一端に対向する空気噴射ノズルと、空気噴射ノズルと貫通穴部材とをこれらが離間された状態から相対的に接近させる移動手段とを含む。貫通穴の一端は、緯入れ経路に向けて開口している。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筬の反緯入れ側に配置されて、緯糸に張力を付与する機能を備えた緯糸張力付与装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
緯糸張力付与装置の1つとして、緯入れの際に緯糸が筬に沿って直線的に飛走する緯入れ経路の緯糸到達側に配置された空気噴射ノズルとこれに対向する位置に配置された貫通穴部材とがリードホルダに相対的移動不能に組み付けられており、空気噴射ノズルより噴射される空気を、緯入れ後の緯糸の先端部に吹きつけて、緯糸を貫通穴部材の一端に開口する貫通穴に吹き入れ、緯糸と空気との摩擦によって、緯糸に張力を付与する技術がある(特許文献1)。
【0003】
そのような緯糸張力付与装置の空気噴射ノズルは、緯糸を捕捉パイプの貫通穴に導くための吹き入れ期間と、捕捉された緯糸に張力を付与するための緯糸緊張期間とを含む期間に空気噴射ノズルから空気を噴射させる。
【0004】
ここで、吹き入れ期間とは、緯入れ後の緯糸の先端を貫通穴部材の貫通穴に吹き入れるために緯糸の先端部に向けて噴射される空気の噴射期間である。
【0005】
一般に、吹き入れ期間の開始タイミングは、緯糸が筬の反緯入れ側に到達するタイミング以前に設定され、緯糸は貫通穴部材に到達すると直ちに貫通穴に挿入される。
【0006】
緯糸は緯入れ経路内を飛走するため、緯糸の先端の飛走位置は、緯入れ毎に異なり不規則である。そのような緯糸の先端を貫通穴部材の貫通穴内に確実に吹き入れるために、空気噴射ノズルから吹き出る空気は緯入れ経路内を広範囲に覆う必要があり、空気噴射ノズルの空気噴射口と貫通穴部材の一端との距離はある程度大きく設定される。
【0007】
緯糸緊張期間とは、織物中に緯入れされた緯糸に張力を付与し、付与された緯糸のゆるみを防止するために貫通穴内に吹き入れられた緯糸に向けて噴射される空気の噴射期間である。
【0008】
貫通穴内の流速は、吹き切れなどが緯糸に生じない限り速い方が望ましい。換言すると、空気噴射ノズルから噴射される空気圧力は、高圧であることが望ましい。そのような貫通穴内の流速を得るためには、空気噴射ノズルの空気噴射口と貫通穴部材の一端との距離は短い方がよい。
【0009】
また、特許文献1の緯糸張力付与装置は、前記貫通穴部材内に一端が開口する第2の貫通穴部材と、第2の貫通穴部材の一端に向かって移動可能な第2の空気噴射ノズルとを含む。前記貫通穴部材内を第2の貫通穴部材の一端に達した緯糸は、第2の空気噴射ノズルからの空気噴射により第2の貫通穴部材内に挿入され、第2の空気噴射ノズルの移動により、第2の空気噴射ノズルと第2の貫通穴部材の一端との間で挟持される。
【0010】
【特許文献1】
特開平3−241038号公報
【0011】
【解決しようとする課題】
従来の緯糸張力付与装置では、空気噴射ノズルと貫通穴部材とがリードホルダに相対的移動不能に組み付けられているため、吹き入れ期間及び緯糸緊張期間、空気噴射ノズルの空気噴射口と貫通穴部材の貫通穴の一端との相対的距離が一定に保たれている。このため、緯糸の先端を貫通穴内に確実に吹き入れるため、噴射される空気の圧力値を高く設定する必要がある。
【0012】
したがって、空気消費量が多くなり、少ない空気噴射で効率よく緯糸を牽引することができない。また、緯糸は第2の空気噴射ノズルと第2の貫通穴部材の一端との間で挟持されるものの、緯糸長さにバラツキがあって、緯糸が第2の貫通穴部材の一端に達しない緯入れ時には、挟持されないので、緯糸張力付与の状態は、緯入れ毎に異なり非常に不安定となる。
【0013】
本発明の目的は、流体噴射式織機の緯糸張力付与装置において、効率良く緯糸を捕捉することにある。
【0014】
【解決手段、作用、効果】
発明者らは、誠意研究の結果、空気噴射ノズルの噴射口と貫通部材の貫通穴の一端との距離が小さいほど貫通穴内の流速は、速くなり、緯糸の牽引力が増すこと、及び、空気噴射ノズルの噴射口と貫通部材の貫通穴の一端との距離を小さくする機構と緯糸を挟持する機構とに着目し、以下の緯糸張力付与装置を発明した。
【0015】
本発明に係る第1の緯糸張力付与装置は、貫通穴部材と、緯糸経路を間にして前記貫通穴部材の一端に対向する空気噴射ノズルと、前記空気噴射ノズルと前記貫通穴部材とを、これらが大きく離間された状態から小さく離間された状態に、又はこれらが離間された状態から前記空気噴射ノズルが前記貫通穴部材との間隙を維持して前記貫通穴部材に挿入された状態に、相対的に接近させる移動手段とを含む。
【0016】
ここで、「緯糸経路」とは、緯入れの際、緯糸が筬に沿って直線的に飛走する「緯入れ経路」(筋が変形筬の場合は、緯糸案内溝及びその延長)と、「緯入れ経路」と略直角に交差して接続され緯糸が吹き込まれる「張力付与経路」(緯糸張力付与装置の貫通穴部材内の経路)とから形成される経路である。
【0017】
第1の緯糸張力付与装置において、空気噴射ノズルが貫通穴部材の貫通穴の一端から大きく離間しているから、緯糸経路を飛走する緯糸は、吹き込み期間において、空気噴射ノズルと干渉することなく容易に貫通穴部材に吹き込まれる。その後、緯糸緊張期間において、空気噴射ノズルの先端部を形成している一部が貫通穴の一端に接近、挿入されることにより、貫通穴部材を流れる空気の流れは、より強くなって緯糸を強く牽引し、把持する。換言すれば、少ない空気噴射で効率良く緯糸を牽引することができる。
【0018】
前記一端は、前記緯糸経路のうち緯入れ経路に向けて開口してもよい。そのようにすれば、空気噴射ノズルと貫通穴部材の一端との間を飛走する緯糸の飛走位置が緯入れ毎に変化しても、空気噴射ノズルは大きく離間した状態で一端に向かって空気を噴射する。このため、緯糸は貫通孔部材内に確実に吹き込まれる。また、一端により接近した状態で空気噴射ノズルから噴出した空気が貫通穴部材の一端から貫通穴に確実に吹き込まれるから、牽引力が向上する。さらに、従来よりも空気噴射ノズルと貫通穴部材の一端とが離間した位置から緯糸に向けて空気を噴射することができる。このため、緯糸の飛走は、空気噴射ノズルに干渉されず、貫通穴部材の一端と空気噴射ノズルとの間に確実に到達できる。
【0019】
本発明に係る第2の緯糸張力付与装置は、貫通穴部材と、緯入れ経路を間にして前記貫通穴部材の一端に対向する空気噴射ノズルと、前記空気噴射ノズルと前記貫通穴部材とを、これらが離間された状態から相対的に接近させ互いに当接させる移動手段とを含む。
【0020】
第2の緯糸張力付与装置は、空気噴射ノズルが離間した位置から貫通穴部材の一端に空気を噴射することができる。そのため、空気噴射ノズルが干渉して緯糸の飛走を妨げることがなく、緯入れ経路上の緯糸飛走位置が緯入れ毎に変化しても、緯糸を確実に貫通穴部材の一端に吹き込むことができる。さらにその後、空気噴射ノズルと貫通穴部材とが相対的に接近して、空気噴射ノズルと貫通穴部材が当接するので、緯糸は空気噴射ノズルと貫通穴部材の一端との間で挟持される。したがって、その後、空気噴射ノズルからの空気噴射を停止しても、緯糸に付与された張力は維持され、緯糸は弛まない。よって、空気噴射ノズルの空気噴射量を抑えることができる。
【0021】
本発明に係る第3の緯糸張力付与装置は、一端が緯入れ経路に開口する貫通穴部材と、前記緯入れ経路を間にして前記一端と対向する緯糸挟持部を有すると共に、先端が前記一端に挿入状態に常時支持されている空気噴射ノズルと、前記緯糸挟持部と前記一端とを離間した状態から相対的に接近させ互いに当接させる移動手段とを含む。
【0022】
第3の緯糸張力付与装置は、空気噴射ノズルの先端が一端に常に挿入されることにより、空気噴射ノズルから噴出する空気はすべて貫通穴部材の貫通穴内に吹き入れられ、貫通穴内を負圧とする。このため、空気噴射ノズルから噴出する空気は効率よく緯入れ経路上の緯糸を貫通穴内に吸引して牽引する。そして、緯糸を効率よく牽引した状態で、緯糸挟持部と貫通穴部材の一端とをこれらが離間した状態から相対的に接近させ互いに当接させることにより、緯糸は緯糸挟持部と貫通穴部材の一端との間で挟持され、確実に把持される。
【0023】
さらに、緯糸が挟持されるから、緯糸を挟持した後の空気噴射ノズルからの空気噴射を停止しても、緯糸に付与された張力は維持される。したがって、空気噴射ノズルから噴射する空気噴射量を抑えることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
[第1の実施例]
【0025】
図1から図5を参照するに、緯糸張力付与装置10は、筬12の反緯入れ側に配置されており、また、織機14のアーム(図示せず)に取り外し可能に組み付けられたリードホルダ16に取り外し可能に堅固に組み付けられている。したがって、緯糸張力付与装置10は、筬12と共に揺動し、緯入れされた緯糸18に張力を付与すべく緯入れされた緯糸18を捕捉する。
【0026】
図1及び図2に示すように、筬12は、複数の筬羽20と、上部口金(上部取付部材)22と、下部口金(下部取付部材)24と、左右の側部口金(結合部材)26,26とを含む。図2における側部口金26は、その中央部分を省略している。
【0027】
各筬羽20は、上下方向に長くかつ略一定の厚さ寸法を有する板状に形成されており、また上下方向の両端部を丸くされている。各筬羽20は、織前側とされる前縁部(表面部)28と織後側とされる後縁部(裏面部)30とを有している。
【0028】
各筬羽20の前縁部28の上下中央付近には、略三角形状をした凸部32が形成されていると共に凸部32の頂部付近に凹欠部34を形成している。凹欠部34は、2つの側面36と奥底部(奥底面)38とにより、角部を丸くされたコ字状の形状を有している。各筬羽20の後縁部30は、略直線形状とされている。
【0029】
筬羽20の材質としては、例えばステンレスが採用される。したがって、筬羽20は弾性体である。
【0030】
上部口金22及び下部口金24は、それぞれ、コ字状の断面形状を有する溝40及び42を有する。
【0031】
側部口金26,26は、筬羽20よりやや厚い厚さ寸法を有する帯状の板材からなり、その板材の両端部を厚さ方向に曲げてコ字状に形成されている。
【0032】
側部口金26,26の前後方向(経糸44の飛走方向)の寸法は、緯糸18の飛走を妨げないように、筬羽20の凹欠部34を塞がない寸法とされている。
【0033】
筬羽20は、口金22,24,26,26によって組まれた枠組みの内側に配置され、筬羽20の上端部及び下端部を上部及び下部口金22及び24の溝40及び42に差し込まれている。溝40及び42に差し込まれた複数の筬羽20は、その厚さ方向を緯入れ方向とされて、緯入れ方向に間隔をおいて並列的に並べられた状態に整列している。複数の筬羽20の凹欠部34は整列して緯糸案内溝46を形成している。
【0034】
隣り合う筬羽20の空間48は、上下方向に間隔をおいて配置された一対のスペーサ50により、経糸44及び捨経糸52を通すための空間48(図11参照)とされている。図示の例では、スペーサ50はコイル状巻線であり、コイル状巻線の各リング状部は隣り合う筬羽20の間に位置されて空間48を維持している。
【0035】
各サブノズル54は、ブロック形状のサブノズルホルダ56に形成された貫通穴に挿通され、例えばプラスねじ58で取り外し可能に取り付けられている。
【0036】
緯糸18を検知する緯糸フィーラ60は、緯糸フィーラホルダ62に一体的に取り付けられている。緯糸フィーラ60は、織布64の反緯入れ側に配置されており、その緯糸検知用のヘッドを複数の筬羽20の凹欠部34で形成される緯糸案内溝46に対向させている。これにより、織布64の反緯入れ側の緯糸案内溝46に存在する緯糸18を緯糸フィーラ60で検知して、緯糸18が緯入れされたか否かを確実に検出することができる。
【0037】
リードホルダ16は、取付溝66及び68を有しており、筬12、サブノズル54、緯糸フィーラ60及び緯糸張力付与装置10を緯入れ方向の位置を調整可能に及び取り外し可能に取り付ける。
【0038】
図3に示すように、緯糸張力付与装置10は、筬12の反緯入れ側端に配置されており、また、貫通穴部材として作用するL字形状の捕捉パイプ78と、緯糸案内溝46を緯入れ方向に延長した緯入れ経路80を間にして捕捉パイプ78の貫通穴82の一端に対向する空気噴射口84を有する空気噴射ノズル86と、空気噴射ノズル86の移動手段を構成する駆動ソレノイド102とを含む。
【0039】
空気噴射ノズル86は、外径寸法が小さい円筒状の前方部分88と外径寸法が大きい円筒状の後方部分90とが各円筒状部分の軸線が一致するように一体的に形成されている。前方部分88と後方部分90との堺は截頭円錐形とされている。
【0040】
前方部分88には、後方部分90と反対側の先端及び前方部分88の中間に、それぞれ、鍔部92及び94が一体的に形成されている。また、後方部分90にも、前方部分88と反対側の先端に鍔部96が一体的に形成されている。空気噴射ノズル86の材料としては、磁性材料、例えば鉄が採用される。
【0041】
空気噴射ノズル86は、軸線方向に伸びる貫通穴98を有している。貫通穴98は、前方部分88及び後方部分90の軸線を中心とし、前方部分88の鍔部92及び後方部分90の鍔部96の中心位置に開口している。前方部分88の開口は空気噴射口84とされ、後方部分90の開口は、空気噴射ノズル86の後端部に気密的に嵌合されたホース100の一端に連通されている。したがって、織機制御装置の指令に基づいて、コンプレッサのような図示しない圧縮空気源からホース100内に圧縮空気が供給され、その圧縮空気が空気噴射ノズル86から噴射される。
【0042】
駆動ソレノイド102は、中空のボビンに巻かれた励磁コイル104を円柱形状のハウジング部材106の内部に配置している。ボビンの中空部分には、空気噴射ノズル86の後方部分90が移動可能に配置されている。励磁コイル104と後方部分90との相対的な移動性を高めるために、前方部分88とハウジング部材106との間及び後方部分90とハウジング部材106との間に、それぞれ、例えばブッシュ部材108,108が配置されている。
【0043】
ハウジング部材106と後方部分90の鍔部96との間には、後退スプリング110が若干圧縮された状態で配置されている。したがって、後退スプリング110は、空気噴射ノズル86の後方部分の鍔部96をハウジング部材106から離れる方向に付勢する。
【0044】
ソレノイドホルダ112は、それ自身をリードホルダ16に取り外し可能に組み付けるための差し込み部114と、駆動ソレノイド102を保持するリング状のソレノイド保持部116と、空気噴射ノズル86の前方部分88を摺動可能に保持するノズル保持部118と、L字形状の捕捉パイプ78の一端を保持するパイプ保持部120とを含む。
【0045】
図3において、ソレノイド保持部116、ノズル保持部118及びパイプ保持部120には、それぞれ、内径の異なる筒円形の貫通穴122,124及び126が形成されている。貫通穴124及び126の軸線は共通とされるが、緯糸18の飛走状態によっては異なっていてもよい。
【0046】
ノズル保持部118とパイプ保持部120との間は、コの字状の溝128とされている。したがって、貫通穴124及び126は、それぞれ、溝128の対向する一方及び他方の側面に開口している。
【0047】
ノズル保持部118の貫通穴124の内周面には、空気噴射ノズル86の鍔部92及び94の間の前方部分88を軸線方向に摺動可能に支持するために、例えばブッシュ部材130が嵌合されている。したがって、空気噴射ノズル86の前方部分88は、2つの鍔部92及び94の間をブッシュ部材130を介してノズル保持部118に対し摺動可能に保持されている。
【0048】
捕捉パイプ78の一端は、パイプ保持部120の貫通穴126に嵌合されている。捕捉パイプ78の一端は、溝128を間にして、空気噴射ノズル86の鍔部92に開口している貫通穴98に対向している。
【0049】
ソレノイドホルダ112は、筬12の反緯入れ側に配置されていると共に、溝128が織り幅方向に移動可能に、及び、ノズル保持部118とパイプ保持部120とが緯入れ経路80を間に挟むように(換言すると、緯糸案内溝46の延長線上に溝128が位置されるように)、その差し込み部114をリードホルダ16の取付溝66にくさび70とによって取り外し可能に組み付けられている。
【0050】
以上の緯糸張力付与装置10の動作は、エンコーダなどによって測定される織機主軸の所定の回転角度に対応するタイミングで、空気噴射ノズル86の空気噴射は、例えば図4に示すタイミングチャートにおける200°から310°の間、また、励磁コイル104の通電による空気噴射ノズル86の捕捉パイプ78の一端との当接は、300°から350°の間、動作される。
【0051】
次に、上記緯糸張力付与装置10の動作について説明する。
【0052】
先ず、空気噴射ノズル86の鍔部92と捕捉パイプ78の一端とが離間された状態で、緯糸18が筬12の緯入れ側から経糸開口に緯入れされる。
【0053】
次いで、緯糸18の先端がソレノイドホルダ112の溝128を通過する前の所定の回転角度(図4に示す例では、織機主軸の回転角度θが200°)になると、空気噴射ノズル86が圧縮空気を噴射する。噴射された空気は、溝128を横切り、捕捉パイプ78の貫通穴82に、捕捉パイプ78の一端であるこれの溝128側端から入り、溝128と反対側の端部より流出する。
【0054】
次いで、緯入れされた緯糸18は、緯糸18の先端が反緯入れ側の所定の位置に到達する。緯糸18の先端が反緯入れ側の所定の位置に到達すると、緯糸フィーラ60の出力信号を基に、正常に緯入れされたことを示す緯糸検出信号が織機制御装置(図示せず)に出力される。図4では、織機主軸の回転角度θが240°のとき、緯糸18の有無が検出されることを示す。
【0055】
空気噴射ノズル86は、この時点において、励磁コイル104に通電されていないため、後退スプリング110の付勢力により、鍔部92をブッシュ部材108側に移動されている。
【0056】
したがって、空気噴射ノズル86の空気噴射口84は、捕捉パイプ78の貫通穴82の一端から離間しているため、緯入れ経路80を飛走する緯糸18は、空気噴射ノズル86と干渉することなく、又、飛走位置が緯入れ毎に変化しても、空気噴射口84と捕捉パイプ78の貫通穴82の一端の間に確実に吹き込まれる(吹き入れ期間)。
【0057】
溝128が緯糸案内溝46の延長上の緯入れ経路80に配置されており、しかも、空気噴射ノズル86が緯糸18の検出前から噴射を続けているから、緯糸18の先端側は、捕捉パイプ78の一端に達すると同時に、空気噴射ノズル86から噴射される空気に乗り、溝128の側面に開口している捕捉パイプ78の貫通穴82内に強制的に吹き入れられる。
【0058】
図3は、本実施例における織機主軸の回転角度θが緯糸検出後の250°のときの緯糸張力付与装置10の状態を示す。この状態においては、貫通穴82に挿通された部分の緯糸18が、空気噴射ノズル86から噴射される空気によって、捕捉パイプ78の貫通穴82の溝128側から、溝128と反対側へ牽引されるため、緯糸18に張力が付与される。
【0059】
次いで、緯糸18に張力が付与されている状態を保ったまま、その後所定のタイミング(図4において、織機主軸角度θが300°のとき)で、励磁コイル104に通電される。励磁コイル104に通電されると、空気噴射口84からの空気噴射を維持しながら、空気噴射ノズル86が、後退スプリング110の付勢力に抗して、捕捉パイプ78の一端に向かって移動される(緯糸緊張期間)。この励磁コイル104に通電されたときから空気噴射ノズル86の鍔部92が捕捉パイプ78の一端に当接して貫通穴82を塞ぐときまでの緯糸緊張期間、空気噴射ノズル86に供給される圧縮空気の圧力は吹き入れ期間と同じ圧力とされる。
【0060】
上記緯糸緊張期間では、捕捉パイプ78の貫通穴82を流れる空気の流れは、空気噴射ノズル86の空気噴射口84を形成している鍔部92が捕捉パイプ78の貫通穴82の一端に接近するほど強くなり、緯糸18を強く牽引する。したがって、少ない空気噴射で効率良く緯糸18を牽引することができる。
【0061】
次いで、図5に示すように、緯糸緊張期間が終了しても、鍔部92は、捕捉パイプ78の一端に当接する状態を維持する。このため、緯糸18は、空気噴射ノズル86の鍔部92と捕捉パイプ78の一端とに挟持される。
【0062】
次いで、所定のタイミング(図4において、織機主軸の回転角度θが310°)で空気噴射ノズル86から空気噴射が停止される。しかし、緯糸18が空気噴射ノズル86の鍔部92と捕捉パイプ78とで挟持されているため、張力を付与されたまま、緯糸18は励磁コイル104の通電が解除されるまで、ゆるまない。
【0063】
次いで、経糸開口が閉口となる直前又は直後の所定のタイミング(図4において、織機主軸の回転角度θが350°のとき)で、励磁コイル104への通電が停止される。
【0064】
図3に示すように、励磁コイル104に通電されなくなると、空気噴射ノズル86は、後退スプリング110の付勢力により、再び、捕捉パイプ78から離間され、緯糸18の挟持が解除される。
【0065】
上記第1の実施例は、図6に示すように変形することができる。図6(A)及び(B)は、それぞれ、織機主軸の回転角度θが250°及び330°のときの空気噴射ノズル86と捕捉パイプ78との位置関係を示す。
【0066】
図6を参照するに、緯糸張力付与装置132において、空気噴射ノズル86は、空気噴射ノズル86の前方部分88の先端に鍔部92を形成する代わりに緯糸挟持部材134としての截頭円錐形の外周面を有する弾性体が配置されている。また、捕捉パイプ78の溝128側の開口は、緯糸挟持部材134の凸部が嵌合しやすい截頭円錐形の形状を有している。
【0067】
緯糸挟持部材134の材料としては、ウレタンゴムのような高摩擦弾性部材が好ましい。
【0068】
空気噴射ノズル86は、緯糸挟持部材134を捕捉パイプ78に当接させることにより、捕捉パイプ78とで、緯糸18を挟持する。この場合、緯糸挟持部材134の弾性変形により、及び緯糸18の挟持する領域が上記実施例よりも長くなることにより、緯糸18をより確実に挟持することができる。
【0069】
実施例1では、緯入れ経路80上の貫通穴部材である捕捉パイプ78の一端に到達した緯糸18を挟持する。このため、緯入れ長さにバラツキがあり緯糸18が短くても、確実に挟持することができる。換言すれば、従来よりも緯糸長さを短くすることができ、製織コストを下げる。
【0070】
[第2の実施例]
【0071】
図7を参照するに、緯糸張力付与装置136において、空気噴射ノズル86は、空気噴射ノズル86の前方部分88の先端に鍔部92を形成する代わりに、捕捉パイプ78に挿通可能な外径寸法を有する段部138が形成されている。
【0072】
図8に示すように、空気噴射ノズル86の噴射は、励磁コイル104への通電と同様、経糸開口が閉口となる直前又は直後まで続ける。
【0073】
以下、緯糸張力付与装置136の動作を説明する。
【0074】
先ず、織機主軸の回転角度θが例えば200°のとき、空気噴射ノズル86の空気噴射口84からの空気の噴射が開始されている(吹き入れ期間)。このとき、空気噴射ノズル86の段部138の先端は、図7(A)に示すように、緯入れ経路80の外側に位置されている。
【0075】
この時点においては、空気噴射口84が捕捉パイプ78の貫通穴82内に挿通されていないから、空気噴射口84から噴射された空気は拡散される。そのため、緯入れ経路80内を飛走している緯糸18は飛走位置が緯入れ毎に変化しても確実に貫通穴82内に導入される。
【0076】
次いで、励磁コイル104に通電されて、空気噴射ノズル86が捕捉パイプ78側に移動され、空気噴射ノズル86の段部138の先端が捕捉パイプ78の貫通穴82近傍に移動される(緯糸緊張期間)。これにより、空気噴射ノズル86の先端と捕捉パイプ78の一端とは、大きく離間した状態から小さく離間した状態に、相対的に接近し、空気噴射ノズル86の空気噴射口84から噴射される空気は殆ど捕捉パイプ78の貫通穴82内に吹き込まれ、貫通穴82の他方の開口から流出する。図7(B)は、織機主軸の回転角度θが330°のときの緯糸張力付与装置の側面図を示す。
【0077】
上記の結果、貫通穴82内の圧力は減圧され、貫通穴82と空気噴射ノズル86との隙間から貫通穴82内に向かう空気の流れが生じ、この流れと空気噴射口84から噴射される空気とが相まって、緯糸18を貫通穴82内に効率よく牽引する。
【0078】
上記緯糸張力付与装置136は、図9に示すように、空気噴射ノズル86の段部138を、これの先端が捕捉パイプ78の貫通穴82内に位置するように移動させてもよい。そのようにすれば、空気噴射ノズル86の先端と捕捉パイプ78の一端とは、離間した状態から空気噴射ノズル86が捕捉パイプ78との間隙を維持して捕捉パイプ78に挿入状態に相対的に接近し、空気噴射ノズル86の空気噴射口84から噴射される空気はすべて捕捉パイプ78の貫通穴82内に吹き込まれ、貫通穴82の他方の開口から流出する。
【0079】
これにより、貫通穴82内の圧力はさらに減圧され、貫通穴82と空気噴射ノズル86との隙間から貫通穴82内に向かう空気の流れが強くなり、この流れと空気噴射口84から噴射される空気とがさらに相まって、緯糸18を貫通穴82内に効率よく牽引する。
【0080】
[第3の実施例]
【0081】
図10及び図11を参照するに、緯糸張力付与装置140は、揺動タイプの空気噴射ノズル142と、隣接する筬羽20に取り外し可能に取り付けられて貫通穴部材として作用する捕捉パイプ144と、空気噴射ノズル142の移動手段を備える空気噴射ノズル支持台146とを含む。
【0082】
揺動タイプの空気噴射ノズル142は、空気噴射ノズル支持台146によりリードホルダ16に取り外し可能に組み付けられている。また、空気噴射ノズル支持台146は、空気噴射ノズル142の移動手段として回転駆動機能を有するロータリソレノイドを備え、空気噴射ノズル142は、緯入れ方向に伸びる回転軸148の周りを角度的回転運動する。
【0083】
捕捉パイプ144は、L字形状に屈曲されており、また、空気噴射ノズル142側に向いて略平行に突出する2つのピン150を貫通穴82の一端側の開口を間にして対向する位置に備えている。また、捕捉パイプ144は、アーム部152により筬12の反緯糸飛走路側に取り外し可能に取り付けられている。アーム部152は上部口金22に向けて伸びて上部口金22に取り付けられている。
【0084】
図11に示すように、2つのピン150は、上下方向に間隔を置いており、また、隣接する筬羽20が形成する1つの空間48に共に挿通されている。ピン150の外径寸法は、隣接する筬羽20のピッチよりはるかに大きい。このため、ピン150が挿通された空間48に隣接する数枚の筬羽20は、弾性体であることから、ピン150から離れるように緯入れ側及び反緯入れ側に押されて、弾性変形する。この弾性変形によって、ピン150が挿通された空間48は広がって、噴射空気の通過を可能とすると共に、その空間48に隣接する空間48は、狭くなって噴射空気の通過を妨げ、2つのピン150と2つのピン150に接触している2つの筬羽20とが貫通穴の一部として連通する空間154を形成している。
【0085】
空間154は、点線の斜線で示した範囲であって、上下方向は2つのピン150の間の図10(B)の点線の斜線で示す上下方向の範囲、2つのピン150に接触している両筬羽20の間の緯入れ方向の範囲、筬羽20の後縁部30と凹欠部34の奥底部38との間の経糸方向の範囲からなる。
【0086】
したがって、2つのピン150と2つのピン150に接触している2つの筬羽20は貫通穴部材として作用する。
【0087】
緯糸張力付与装置140は、例えば、図8に示すタイミングと同じタイミングで作動される。本実施例では、図8に示す励磁コイルは、ロータリソレノイドへの通電のタイミングを示す。したがって、空気噴射ノズル142は、200°から350°の織機主軸の回転角度範囲で噴射され、ロータリソレノイドは、300°から350°の織機主軸の回転角度範囲で通電され、空気噴射ノズル142は、空間154に大きく離間した状態から小さく離間した状態に接近する。
【0088】
[第4の実施例]
【0089】
図12を参照するに、緯糸張力付与装置156は、図7に示す緯糸張力付与装置136の空気噴射ノズル86の段部138の突出寸法を大きくし、段部138の一部が常に捕捉パイプ78の貫通穴82内に位置されている状態に保ち、さらに、空気噴射ノズル86は、前方部分88と段部138との堺に緯糸挟持部158を有する。緯糸挟持部158は、緯入れ経路80を間にして捕捉パイプ78の貫通穴82の一端と対向している。
【0090】
緯糸挟持部158の材料としては、緯糸18を図3に示す捕捉パイプ78の端部及び貫通穴82が開口しているソレノイドホルダ112の溝128の側面と緯糸挟持部158とによって確実に把持するために、ウレタンゴムのような弾性材料を用いることが好ましい。
【0091】
先ず、緯糸18を捕捉する吹き入れ期間では、緯糸張力付与装置156は、段部138の空気噴射口84が貫通穴82内に挿通されているが、緯糸挟持部158が貫通穴82やソレノイドホルダ112の溝128の側面に当接していないため、図9に示す緯糸張力付与装置136と同様の作用効果を生じる。
【0092】
すなわち、空気噴射ノズル86が空気噴射口84から空気を噴射させると、貫通穴82内が負圧となって、貫通穴82と空気噴射ノズル86との隙間より貫通穴82内に向かう空気流が生じ、緯入れ経路80を飛走する緯糸18の先端部は、貫通穴82内に引き込まれる。そして、貫通穴82に引き込まれた緯糸18の先端部は、空気噴射ノズル86の空気噴射口84から噴射される空気によって、効率よく牽引される。
【0093】
次いで、図12(B)に示すように、励磁コイル104に通電されると、空気噴射ノズル86が捕捉パイプ78側に移動される(緯糸緊張期間)。この移動により、緯糸挟持部158は、捕捉パイプ78の一端に当接し、緯糸18を挟持する。緯糸挟持部158が弾性体であるから、緯糸18は確実に捕捉される。
【0094】
緯糸挟持部158と捕捉パイプ78とで緯糸18を挟持した後、空気噴射ノズル86からの空気の噴射を中止してもよく、そのようにすることにより、圧縮空気の消費を抑える。
【0095】
[第5の実施例]
【0096】
図13を参照するに、緯糸張力付与装置160において、空気噴射ノズル162は、その前方部分88の先端部にスライドパイプ164を位置させている。スライドパイプ164は、これが、緯入れ経路80を間にして捕捉パイプ78の一端と対向する位置に緯糸挟持部158を有する。
【0097】
スライドパイプ164は、図示しないソレノイドのような移動手段によって、挿入された前方部分88の外周面を摺動し、緯糸挟持部158と捕捉パイプ78の一端とをこれらが離間された状態から相対的に接近させる。
【0098】
緯糸張力付与装置160は、図13(A)に示すように、緯糸18を貫通穴82に吹き入れる吹き入れ期間では、スライドパイプ164を移動手段によって移動させ、緯糸挟持部158を緯入れ経路80の範囲外に退避させている。
【0099】
さらに、吹き入れ期間においては、先ず、空気噴射ノズル162の空気噴射口84から空気を噴射させる。これにより、緯入れ経路80を飛走する緯糸18は貫通穴82に導かれる。
【0100】
緯糸緊張期間では、次いで、緯糸張力付与装置160は、図13(B)に示すように、緯糸挟持部158が緯入れ経路80の範囲を横切り、図3に示す捕捉パイプ78の一端及びソレノイドホルダ112の溝128の側面に当接するように、スライドパイプ164を移動手段によって前進移動させる。この当接により、緯糸18は緯糸挟持部158によって確実に捕捉される。
【0101】
[第6の実施例]
【0102】
図14を参照するに、緯糸張力付与装置166は、噴射ノズル172と、引込みパイプ170と、捕捉パイプ78と、空気噴射ノズル86と、シリンダ部材168と、アーム180を備えるロータリソレノイド176とを含む。
【0103】
引込みパイプ170は、開放端と閉鎖端を有し、閉鎖端側の側部の両側に、それぞれ貫通穴が設けられて捕捉パイプ78とシリンダ部材168が接合される。
【0104】
噴射ノズル172は、緯入れ経路80を間にして、引込みパイプ170の開放端と対向する。
【0105】
空気噴射ノズル86は、後方部分90がピン174を介してアーム180と連結され、ロータリソレノイド176によってシリンダ部材168を摺動可能に設けられている。空気噴射ノズル86の先端部は、捕捉パイプ78の一端と対向しながら、引込みパイプ170内を進退する。
【0106】
噴射ノズル172、引込みパイプ170及びロータリソレノイドは、ソレノイドホルダ112を介してリードホルダ16に固定される。
【0107】
緯糸経路は、緯入れ方向に延在する緯入れ経路80と、緯入れ経路80と略直角に交差して緯入れ経路80に接続される張力付与経路であって、引込みパイプ170と捕捉パイプ78の内部に形成され略直角に屈曲するパイプ内経路190とからなる。したがって、緯糸経路は、クランク状に屈曲すると共に、空気噴射ノズル86は、引込みパイプ170内のパイプ内経路190を間にして、捕捉パイプ78の一端と対向する。空気噴射ノズル86からの噴射空気はほぼ直進するので流路抵抗が抑えられて高速状態が維持され、噴射ノズル172によって引込みパイプ170内に吹き込まれた緯糸18を効率良く捕捉し把持することができる。
【0108】
空気噴射ノズル86は、半径方向に延在する一対のピン174を有する。ピン174は、シリンダ部材168の両側面に形成されて空気噴射ノズル86の移動方向へ伸びて対向する一対のスリット182に挿入されている。アーム180は、そのロータリソレノイド176の角度的回転する回転軸178に相対的移動不能に取り付けられている。ピン174は、シリンダ部材168から突出し、アーム180の先端に形成されている長穴184に、差し込まれている。こうして空気噴射ノズル86はアーム180に連結されている。
【0109】
吹き入れ期間においては、ロータリソレノイド176に通電される。この通電により、ロータリソレノイド176の回転軸178が図14において反時計方向に角度的に回転される。この回転によって、アーム180は、空気噴射ノズル86を貫通穴82に向けて、離間された状態から相対的に接近させ、空気噴射ノズル86の先端は、捕捉パイプ78との間隙を有したまま捕捉パイプ78への挿入状態となる。
【0110】
空気噴射ノズル86の先端は、捕捉パイプ78に挿入されるものの、捕捉パイプ78に当接しないので、緯糸18は挟持されない。したがって、緯入れ長さにバラツキがあり緯糸18が短くて捕捉パイプ78に到達しなくても、空気噴射ノズル86からの空気噴射によりほぼ直進する空気流が生じて捕捉パイプ78内が負圧となる。そのため、捕捉パイプ78の開放端から空気が流入し、緯糸18に張力が付与される。したがって、緯入れ長さにバラツキがあっても、安定した張力の付与が可能となる。
【0111】
[その他の実施例]
【0112】
上記いずれの実施例において、移動手段として電磁式のソレノイドを例にして説明したがこれに限定されず、例えば、電動式、空気圧式等の直線運動又は回転運動アクチュエータや、カム及びリンク機構を用いた機械式装置であってもよい。機械式装置は、例えば他の装置の駆動源により駆動させてもよい。
【0113】
上記実施例において、空気噴射ノズル86や緯糸挟持部158が当接することにより緯糸18が把持される場合があり、その場合には、緯糸18を把持した後の空気噴射ノズル86からの空気噴射を停止してもよい。そのようにすれば、空気噴射量を抑えることができる。
【0114】
本発明は、上記実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない限り、種々変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る緯糸張力付与装置の第1の実施例を示す概略正面図である。
【図2】図1に示す緯糸張力付与装置が取り付けられている筬を緯入れ方向から見た側面図である。
【図3】図1に示す緯糸張力付与装置の反緯入れ方向から見た吹き入れ期間の状態を示す一部断面側面図である。
【図4】図1に示す緯糸張力付与装置の動作タイミングを示すタイミングチャート図である。
【図5】図1に示す緯糸張力付与装置が緯糸を把持した状態を示す反緯入れ側から見た緯糸緊張期間の状態を示す一部断面側面図である。
【図6】図1に示す緯糸張力付与装置の変形例を示す一部断面図である。(A)は吹き入れ期間の状態を示す図である。(B)は緯糸緊張期間の状態を示す図である。
【図7】本発明に係る緯糸張力付与装置の第2の実施例を示す一部断面図である。(A)は吹き入れ期間の状態を示す図である。(B)は緯糸緊張期間の状態を示す図である。
【図8】図7に示す緯糸張力付与装置の動作タイミングを示すタイミングチャート図である。
【図9】図7に示す緯糸張力付与装置の変形例であって緯糸緊張期間の状態を示す一部断面図である。
【図10】本発明に係る緯糸張力付与装置の第3の実施例を示す側面図である。(A)は吹き入れ期間の状態を示す一部断面図である。(B)は緯糸緊張期間の状態を示す図である。
【図11】図10に示す11−11に沿って得た断面図である。
【図12】本発明に係る緯糸張力付与装置の第4の実施例を示す一部断面図である。(A)は吹き入れ期間の状態を示す図である。(B)は緯糸緊張期間の状態を示す図である。
【図13】本発明に係る緯糸張力付与装置の第5の実施例を示す一部断面図である。(A)は吹き入れ期間の状態を示す図である。(B)は緯糸緊張期間の状態を示す図である。
【図14】本発明に係る緯糸張力付与装置の第6の実施例を示す一部断面図である。
【符号の説明】
10,132,136,140,156,160,166 緯糸張力付与装置
12 筬
14 織機
16 リードホルダ(筬スレー)
18 緯糸
20 筬羽
22 上部口金(上部取付部材)
24 下部口金(下部取付部材)
26 側部口金(結合部材)
28 筬羽の前縁部(表面部)
30 筬羽の後縁部(裏面部)
32 筬羽の凸部
34 筬羽の凹欠部
36 筬羽の凹欠部の側面
38 筬羽の凹欠部の奥底部(奥底面)
40 上部口金の溝
42 下部口金の溝
44 経糸
46 緯糸案内溝
48 空間
50 スペーサ
52 捨経糸
54 サブノズル
56 サブノズルホルダ
60 緯糸フィーラ
62 緯糸フィーラホルダ
64 織布
78,144 捕捉パイプ
80 緯入れ経路
82 捕捉パイプの貫通穴
84 空気噴射口
86,142,162 空気噴射ノズル
88 空気噴射ノズルの前方部分
90 空気噴射ノズルの後方部分
92,94,96 空気噴射ノズルの鍔部
98 空気噴射ノズルの貫通穴
102 駆動ソレノイド
104 励磁コイル
106 ハウジング部材
110 後退スプリング
112 ソレノイドホルダ
114 ソレノイドホルダの差し込み部
116 ソレノイドホルダのソレノイド保持部
118 ソレノイドホルダのノズル保持部
120 ソレノイドホルダのパイプ保持部
122,124,126 ソレノイドホルダの貫通穴
128 ソレノイドホルダの溝
134 緯糸挟持部材
138 空気噴射ノズルの段部
146 空気噴射ノズル支持台
148 空気噴射ノズル支持台の回転軸
150 捕捉パイプのピン
152 捕捉パイプ固定用のアーム
154 隣接する筬羽が形成する空間
158 緯糸挟持部
164 スライドパイプ
168 シリンダ部材
170 引込パイプ
172 噴射ノズル
174 空気噴射ノズルのピン
176 ロータリソレノイド
190 パイプ内経路

Claims (4)

  1. 貫通穴部材と、
    緯糸経路を間にして前記貫通穴部材の一端に対向する空気噴射ノズルと、
    前記空気噴射ノズルと前記貫通穴部材とを、これらが大きく離間された状態から小さく離間された状態に、又はこれらが離間された状態から前記空気噴射ノズルが前記貫通穴部材との間隙を維持して前記貫通穴部材に挿入された状態に、相対的に接近させる移動手段とを含む、流体噴射式織機の緯糸張力付与装置。
  2. 前記一端は、前記緯糸経路のうち緯入れ経路に向けて開口している、請求項1に記載の緯糸張力付与装置。
  3. 貫通穴部材と、
    緯入れ経路を間にして前記貫通穴部材の一端に対向する空気噴射ノズルと、
    前記空気噴射ノズルと前記貫通穴部材とを、これらが離間された状態から相対的に接近させ互いに当接させる移動手段とを含む、流体噴射式織機の緯糸張力付与装置。
  4. 一端が緯入れ経路に開口する貫通穴部材と、
    前記緯入れ経路を間にして前記一端と対向する緯糸挟持部を有すると共に、先端が前記一端に挿入された状態に常時支持されている空気噴射ノズルと、
    前記緯糸挟持部と前記一端とをこれらが離間された状態から相対的に接近させ互いに当接させる移動手段とを含む、流体噴射式織機の緯糸張力付与装置。
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