JP2004217796A - 球状希土類酸化物系蛍光体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高電流密度の電子線による励起時にも解像度の向上した蛍光膜を形成することが出来る、希土類酸化物系蛍光体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】粒子の形状が球状であり、中央粒子径が3〜9μm、粒径重量分布の4分位偏差値(QD)が0.25以下である希土類酸化物蛍光体とする。そのために、蛍光体原料の焼成物粒子を浮遊状態で再加熱して溶融させ、急冷して粒子を球状化し、分散、分級処理を施す。
【選択図】 図1
【解決手段】粒子の形状が球状であり、中央粒子径が3〜9μm、粒径重量分布の4分位偏差値(QD)が0.25以下である希土類酸化物蛍光体とする。そのために、蛍光体原料の焼成物粒子を浮遊状態で再加熱して溶融させ、急冷して粒子を球状化し、分散、分級処理を施す。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光膜にして高電流密度の電子線で励起して発光させた際、輝度劣化が少なく、解像度が良好であり、特に背面投写型テレビジョン(PRT)や高輝度ディスプレー管(CDT)の蛍光膜用として好適であり、更に蛍光体をマウントした発光ダイオード素子(LED)、蛍光体を用いたカラープラズマディスプレー(PDP)、高演色性ランプ(FL)、冷陰極管(CCFL)等の種々の用途に推奨される球状の希土類酸化物系蛍光体並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン(TV)の大型化に伴い、PRTが海外を中心に普及している。PRTはそれぞれ青(B)、緑(G)、赤(R)の蛍光体からなる蛍光面をもった7インチ程度の3つの小型ブラウン管(投写管)からの発光をレンズを用いて背面からスクリーン上に拡大投写してこれらを合成して1つの画像を再生するTVであり、そのための各色の投射管は通常の一般のブラウン管に比べて50〜100倍の高い電流密度で動作させる。 従って、PRTに使用される蛍光体には、一般に発光輝度が高いこと、できるだけ輝度と電流密度との関係においてリニアリティがある(γ特性が良好である)こと、長時間の電子線励起に対して劣化や発光輝度の低下(輝度劣化)が少ないこと、蛍光面の温度が上昇しても輝度低下が少ない(温度特性が良好である)こと等の特性を有することが要求される。その上、近年は、ブラウン管の表示画像の高解像度化の要求が高まり、従来より各色投射管における電子ビームのスポット径を絞る必要性が生じてきている。
【0003】
現在、PRT用の蛍光体としては、赤色としてY2O3:Euが、緑色としてY3(Al,Ga)5O12:Tb、Y3Al5O12:Tb、Y2SiO5:Tb、Zn2SiO4:Mn等が、また、青色としてはZnS:Ag,Alが主に用いられている。
ところで、PRT用の上記蛍光体の中でも、Y2SiO5:Tb、Y3(Al,Ga)5O12:Tb、Y2O3:Eu等の希土類酸化物系蛍光体は発光色度が良好で発光効率が比較的高く、γ特性も優れており、また温度変化に対して輝度の変化が比較的少なく総合的に見てバランスの取れた蛍光体として実用されている。
【0004】
しかし、これらY2SiO5:Tb、Y3(Al,Ga)5O12:Tb、Y2O3:Euをはじめとする希土類酸化物系蛍光体は、これを用いて実際の蛍光膜とした時の解像度で見ると必ずしも満足すべきものではなく、輝度劣化改善と共に蛍光膜とした時の解像度の一層の改善が望まれていた。
このような要望に対し、解像度を上げるための蛍光膜構造の改善策の1つの方法として、高温プラズマ溶射法により製造した球状粒子の蛍光体を用いる方法が検討されている(特許文献1、2等参照)。しかし、これらプラズマ法は実用性において球状化の処理能力が低いという欠点を有する上、品質面においても好ましい蛍光膜を得るためには粒度、粒度分布など粒子構成の面でも不満足であった。
【0005】
【特許文献1】
特公平7−45655号公報
【特許文献2】
特開平11−043672号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、PRTをはじめとする高電流密度の電子線で動作させる上記映像表示装置においてその蛍光膜として用いた場合、電子線が蛍光膜に照射された際に得られるフォーカスパターンの広がりをより一層少なくし、映像の解像度の改善がはかれる球状希土類酸化物系蛍光体及び実用化が容易で生産能力の大きい方法でその蛍光体が得られる蛍光体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するため、蛍光膜に電子線を照射した際のフォーカスと、蛍光膜として用いられる蛍光体の粒子形状及び粒度依存性等との関係について鋭意検討を行った結果、特にY2SiO5:Tb、Y3(Al,Ga)5O12:Tb、Y2O3:Euをはじめとする希土類元素で付活した希土類の珪酸塩、アルミノガリウム酸塩、酸化物などの希土類酸化物系蛍光体において、特定の製造方法を採用することによりこの蛍光体の粒子形状を出来るだけ球状にすると共に、特定の粒子径及び粒子径分布となるように蛍光体粉体特性を設計することによって、これをPRTなどの蛍光膜に適用した際にフォーカスの広がりが改善さることを見出し本発明に至った。
【0008】
本発明の希土類酸化物系蛍光体並びにその製造方法は以下の構成からなる。
(1) 形状がほぼ球状であって、中央粒子径が3〜9μmであり、かつ粒径重量分布の4分位偏差値(QD)が0.25以下であることを特徴とする球状希土類酸化物系蛍光体。
(2) 前記粒径重量分布の4分位偏差値(QD)が0.10〜0.20であることを特徴とする前記(1)記載の球状希土類酸化物系蛍光体。
(3) 前記蛍光体の組成式が(Ln1−x Ln’x)2O3・mSiO2であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の球状希土類酸化物系蛍光体。(但し、上記組成式において、LnはY、La、Gd及びLuの中の少なくとも1種であり、Ln’はTb、EuおよびCeの中の各少なくとも1種であり、x及びmはそれぞれ1×10−3≦x≦2×10−1、及び0.95≦m≦2.05なる条件を満足する数を表す。)
【0009】
(4) 前記蛍光体の組成式が(Ln1−x Ln’x)2O3・n(Al1−y Gay)2O3であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の球状希土類酸化物系蛍光体。(但し、上記組成式において、LnはY、La、Gd及びLuの中の少なくとも1種であり、Ln’はTb、EuおよびCeの中の各少なくとも1種であり、x、y及びnはそれぞれ1×10−3≦x≦2×10−1、0≦y≦0.6及び0.45≦n≦1.75なる条件を満足する数を表す。)
(5) 前記蛍光体の組成式が(Ln1−x Eux)2O3であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の球状希土類酸化物系蛍光体。(但し、上記組成式において、LnはY、La、Gd及びLuの中の少なくとも1種であり、xは1×10−3≦x≦2×10−1なる条件を満足する数を表す。)
(6) 前記組成式におけるLnがYであることを特徴とする前記(3)〜(5)のいずれかに記載の球状希土類酸化物系蛍光体。
【0010】
(7) 前記蛍光体の粒子表面がアルカリ土類金属の燐酸塩化合物で被覆されていることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の球状希土類酸化物系蛍光体。
(8)希土類酸化物系蛍光体の原料混合物を焼成して焼成物を得る原料焼成工程と、前記原料焼成工程で得られた前記焼成物粒子を火炎中に投射し再加熱して溶融し、次いで溶融状態の前記焼成物粒子を冷却して捕集する球状化工程と、前記球状化工程で得られた前記焼成物粒子を分散、分級手段により分散させ分級する工程とを少なくとも含むことを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の球状希土類酸化物系蛍光体の製造方法。
(9)前記焼成物粒子の前記球状化工程における前記再加熱して溶融する手段をバーナーから噴射される火炎による、火炎溶射法によって行うことを特徴とする前記(8)記載の球状希土類酸化物系蛍光体の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の蛍光体の製造方法は、基本的には所望の蛍光体の原料混合物を焼成して各原料を熱反応させてその焼成物を得る工程(原料焼成工程)と、該原料焼成工程で得られた焼成物の粉体粒子を浮遊状態で該粒子が熔融し得る温度下で再加熱して該粒子を溶融した後、これを冷却して該焼成物の粉体粒子形状をほぼ球状化する工程(球状化工程)と、前記原料焼成工程で得られた焼成物の粉体粒子及び前記球状化工程で得られた球状化された前記焼成物の粉体粒子の少なくとも一方の焼成物の粉体粒子を分散、分級処理して所定の粒子径並びに粒子径分布となるように分級する工程(分級工程)からなる。
【0012】
先ず、蛍光体原料としては、所望の組成の希土類酸化物系蛍光体の母体並びに付活剤を構成する各金属元素の酸化物もしくはこれらの硝酸塩、炭酸塩、水酸化物、蓚酸塩等の化合物を目的とする蛍光体組成に相当する化学量論量秤取し、更に必要に応じてこれにアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のバロゲン化物やハロゲン化アンモニウム、酸化硼素、硼酸等をフラックスとして配合し、湿式又は乾式で充分に混合する。上記蛍光体原料中、希土類化合物からなる原料は一旦溶解してから溶液の状態で混合し、蓚酸塩等で共沈させた後、これと残りの原料化合物及びフラックスと混合する方がより発光特性の良い蛍光体を得ることができる。なお、本発明の蛍光体を製造する場合、使用する蛍光体原料のうち、特に希土類原料に関しては例えば小さな原料を選択すれば、小さい粒子径の希土類酸化物系蛍光体を得ることが出来るし、逆に大きい粒子径の原料を選択すれば、大きい粒子径の蛍光体が得られやすいので、目的とする粒子径に応じた所定粒子径を持つ希土類化合物原料を選択することが好ましい。また、上記原料中の母体構成原料は粒子形状が球状のものや粒径分布の狭い原料を使用することにより、本発明の蛍光体の粒子形状や粒度分布の制御がより容易となる。
【0013】
この蛍光体原料混合物をアルミナルツボ等の耐熱容器に充填し、中性雰囲気中もしくは還元雰囲気中、1000〜1700℃で1〜12時間、1回以上焼成する。但し、得られる蛍光体の発光輝度をより高め得る点で、少なくとも必ず一度は1300℃以上で焼成することが必要である。また、付活剤の原料としてEuの化合物を用いる場合は、赤色発光輝度の点で蛍光体原料混合物は中性雰囲気もしくは空気中で焼成することが好ましい。
【0014】
上述のようにして焼成を終えた焼成物を粉砕し、薄い鉱酸で洗浄した後、水洗を行い、更に脱イオン水をガラス玉、アルミナボール等のメディアと共にボールミル容器に入れて数時間回転分散させて分散処理を施す。
このようにして得られた蛍光体原料混合物の焼成物は電子線などで励起すると発光はするが、その粒子の形状が必ずしも球状をなしていなくて、蛍光膜とした際、解像度の良好な蛍光膜が得られない。そこで次にこの焼成物粒子を球状化する処理を施す。
【0015】
本発明の蛍光体の製造方法において、原料混合物の焼成とその後の分散、分級処理により得られた焼成物の形状を球状化するには、この焼成物を水洗し焼成物塊をほぐして粉体化した粉体粒子を粉体供給容器に入れ、搬送ガスと共に浮遊させ、溶射バーナーによる溶射法でこの焼成物の粒子をその粒子が溶融し得る温度で再度急激に加熱して溶融した後に急冷することによって得ることが出来る。焼成物を溶射法により球状化する方法としては、前述のように原料粉末もしくは原料を一旦焼成して蛍光体となったものを高温プラズマ中に浮遊させながら熔融して球状化する方法(高温プラズマ法)が従来より提案されていて(特許文献1、2等参照)、本発明においてもこの方法も採用することが出来る。しかしながら、高温プラズマ法によるとプラズマ化さる高温域の長さが短いため、火炎中に充分な溶融温度域を確保することが出来ず、大量生産には不向きで工業的には好ましくない。これに対し、燃料ガスを燃焼させたバーナーから噴射される火炎中に焼成物を供給浮遊させて加熱しこれを溶融する、いわゆる火炎溶射法によるとプラズマ法に比べて火炎長が長く、火炎中に十分な溶融温度域を確保出来て比較的量産に適しているところから、本発明の製造方法においては溶射法の中でも特に火炎溶射法によって球状化する方法によるのがより好ましい。
【0016】
図1は火炎溶射装置を用いて本発明の蛍光体を製造する方法の要部を示す概念図であるが、上述のようにして分散処理された原料焼成物の粉体粒子を火炎溶射装置を用いて球状化するには、溶射バーナー1に燃料ガスとして例えばプロパンガスと酸素を供給してプレミックスし、その後溶射バーナー1でこれを燃焼させて火炎2を発生させ、この火炎2中に溶融させたい原料焼成物の粒子を粉体供給機(図示せず)より酸素、窒素などの搬送用ガスと共に溶射バーナー1の先端から噴射し、燃料ガスの燃焼により生じる火炎2中においてこれを2000℃前後の温度で瞬時加熱、溶融させる。粉体は一般的な場合バーナー噴出後極めて短時間例えば、0.003秒で溶融を開始し、形状として丸みを帯び始める。さらに0.01秒を経過したところでほぼ球状となり溶融が完了する。得られた該焼成物の溶融粒子3は溶射バーナー1から噴射される火炎2の直下に設けられた冷却水4が供給されている捕集容器(水槽)5に落下させて急冷され、球状の固体状蛍光体粒子6となって捕集回収される。このようにして得られた蛍光体はSEM写真での観察によると長径、短形のアスペクト比が、従来の蛍光体粒子ではほぼ1.2以上であるの対し、この様にして得た本発明の蛍光体はその大部分がかなり1に近くなりはっきり球状粒子になっていることが確認できる。なお、本発明の蛍光体において球状粒子とは、SEM写真観察での粒子の長径と短径のアスペクト比がほぼ1.0〜1.2である粒子をおよそ60%以上含有する蛍光体をいうものとする。
【0017】
火炎2を生成させるための燃料としては、例えばLPG(Liquefied PetroleumGas)−酸素の混合ガスによって行う。LPGの具体例にはプロパン(C3H8)、n−ブタン(C4H10)、I−ブタン(C4H10)、プロピレン(C3H6)等があるが、このうち発熱量が最も高いことから焼成物粒子の球状化処理が効率的であることに加え、さらにはコスト、供給性等からプロパンの使用が特に好ましい。
ここで得られた球状粒子の粒度分布は最終的に得られる本発明の球状蛍光体の粒度分布に大きく左右されるので、この分散処理の途中で採取し、粒径や粒度分布を測定して確認しながら行うことによって分散処理の程度を調整し、更に得られたスラリーを脱イオン水にて希釈後、ストークスの原理を用いた水簸等の分級手段によって粗大粒子や微少粒子を除去して、ほぼ中央粒径が3〜9μmの範囲となり、また粒子の重量分布の広がりの尺度を表す4分位偏差値(Quartil Deviation=QD)が0.25以下となるよう上記分散、分級処理の程度が調整される。なお、上記を含め、本発明における粒子径並びに粒度分布はコールターカウンターを用いて測定しこれを重量換算で解析した値である。このようにして本発明の希土類酸化物系蛍光体を製造することができる。
【0018】
蛍光膜に電子線を照射してこれを発光させた際に得られるフォーカスの広がりと蛍光膜構成とは強い相関があり、異なった粒度分布を有する蛍光体についてそれぞれ同一の塗布重量で蛍光膜を形成して電子線を照射しその時のフォーカスの広がりを見ると、蛍光膜の膜厚が薄くなればフォーカスの広がりが小さくなる傾向があり、結果的に解像度が良くなることになる。従って、フォーカス特性を計る簡便な代用評価法として、同一重量の蛍光体で蛍光膜のテストピースを作製し、得られる蛍光膜の断面膜厚を測定することによってそのフォーカス特性が評価出来るが、このようにして粒子径や粒度分布の異なる種々の球状希土類酸化物系蛍光体蛍光体について加速電圧が20KVで電流密度が2μA/cm2である電子線を照射してフォーカス特性を評価したところ、粒度分布に関しては粒径重量分布のQDがほぼ0.25以下、より好ましくは0.10〜0.20であるような粒度分布を有する球状希土類酸化物系球状蛍光体からなる蛍光膜は、従来の希土類酸化物系蛍光体からなる蛍光膜に比べてフォーカスの良い蛍光膜が得られることがわかった。QDが0.25より大である粒径分布を持った蛍光体を用いて蛍光膜を形成すると、蛍光膜が厚くなり、フォーカスの広がりが大きくなる。また、逆にQDが0.10より小である粒径分布を持った蛍光体により蛍光膜を形成すると、蛍光膜が極端に薄く膜の緻密性が悪くなり、フォーカス以前の問題として、ガラス基板の膜焼けの現象が現れて使用できない。
【0019】
また、粒子径に関しては中央粒径はおよそ3〜9μmとするのが好ましいことが確認された。中央粒径がおよそ9μmより大である希土類酸化物系蛍光体を用いた蛍光膜では、蛍光膜の初期輝度は向上する傾向にあるものの蛍光膜を形成する際の膜厚が目的の設計の膜厚より厚くなって、フォーカスが悪くなり、そのため解像度が悪化し目的とする解像度特性が得られないので好ましくない。一方、中央粒径がおよそ3μmより小さい希土類酸化物系蛍光体を蛍光膜として用いると、得られる蛍光膜の発光輝度が低下するので好ましくない。
【0020】
上述のようにして得られた本発明の球状希土類酸化物系蛍光体は、原料混合物を高温で焼成しただけの従来の希土類酸化物系蛍光体とは異なり、形状が球状で、その中央粒径がおよそ3〜9μmであり、また粒子の重量分布の広がりの尺度を表すQDが0.25以下であって、これをPRTなどの蛍光膜とした時、その塗膜構造は改善され、これを発光させたときの輝度劣化が少なく、フォーカス特性が改善された。
なお、このようにして得られた蛍光体は更にその表面にCa、Zn及びMg等の中の少なくとも1種以上のアルカリ土類金属の燐酸塩を通常の湿式法で被覆処理を施しておくと、蛍光膜を形成する際の蛍光体塗布性が向上するためにより好ましい。
【0021】
【実施例】
次に実施例により本発明を説明する。
〔実施例1〕
Y2O3 21.0g
Tb4O7 2.6g
SiO2 6.1g
上記の蛍光体原料を充分に混合し、アルミナルツボに詰めて還元雰囲気中において1600℃で2時間焼成した。得られた焼成物に分散処理を施した後、図1に示したような機能を有するハンディー型溶射装置(黒崎播磨株式会社製)を用い、上記焼成物を粉体輸送ガスとして窒素と共に輸送し、プロパンガス15Nm3/hと燃焼酸素ガス60Nm3/hで輸送された混合ガスを燃焼させ、溶射ノズルよりおよそ2000℃の高温の火炎と共に溶射噴出させてその粒子を溶融させ、これを水中で蛍光体として捕集した。得られた蛍光体に分散、分級処理を施してからその蛍光体表面に燐酸カルシウムを被覆させて実施例1の希土類珪酸塩蛍光体を得た。
このようにして製造された実施例1の蛍光体について、X線回折分析並びに化学分析によりその結晶の組成を調べたところ、組成が(Y0.93Tb0.07)2SiO5である希土類珪酸塩蛍光体であった。
コールターカウンターによりこの蛍光体の粒子径並びに粒径分布を測定したところ、中央粒径が7.0μmであり、粒径重量分布のQDが0.17であった。
【0022】
この実施例1の蛍光体の電子顕微鏡写真を撮影したところ、図2−(a)に示したようにほぼ球状の粒子からなる蛍光体であった。
次に、酢酸バリウム水溶液(クッション液)の入った容器の底に2cm×2cmのガラス板を沈めておき、その中にカリ水ガラスを含有する液に実施例1の蛍光体1gを縣濁させたスラリーを投入して攪拌後そのまま静置し、蛍光体をこのガラス板の一面に沈降させた後、上澄みのクッション液を抜き取り、これを乾燥してガラス板上に実施例1の蛍光体からなる蛍光膜を作製し、この蛍光膜のフォーカス特性を簡便評価するため、この蛍光膜の断面膜厚を電子顕微鏡で測定したところ、膜厚は19μmであった。
【0023】
〔比較例1〕
実施例1において、蛍光体原料の混合物を1600℃で2時間焼成して得られた焼成物に分散処理を施した後、得られた焼成物の粒子を溶射装置により溶融することなくその表面に蛍光体に燐酸カルシウムを被覆させた以外は実施例1の蛍光体と同様にして比較例1の蛍光体を得た。
このようにして製造された比較例1の蛍光体についてX線回折分析並びに化学分析によりその結晶の組成を調べたところ、組成は実施例1の蛍光体と同様に(Y0.93Tb0.07)2SiO5であった。
【0024】
また、この比較例1の蛍光体について実施例1と同様にしてコールターカウンターで粒子径並びに粒度分布を測定したところ、中央粒径が6.0μmであり、粒径重量分布のQDは0.21であった。
この比較例1の蛍光体の電子顕微鏡写真を撮影したところ、図2−(b)に示したように板状で不規則な形状の粒子からなる蛍光体であった。
この比較例1の蛍光体1gを用いて実施例1と同様にしてガラス板に比較例1の蛍光体からなる蛍光膜を作製し、この蛍光膜のフォーカス特性を簡便評価するため、その膜厚を測定したところ膜厚は24μmであった。
【0025】
〔実施例2〕
Y2O3 21.0g
Eu2O3 2.50g
BaCl2・2H2O 0.33g
H3BO3 0.2g
上記の蛍光体原料を充分に混合し、アルミナルツボに詰めて酸化雰囲気中において1400℃で2時間焼成した。得られた焼成物に分散処理を施した後、この焼成物の粒子を実施例1において使用したハンディー型溶射装置を用いて実施例1と同様にして溶融させ、これを水中で蛍光体として捕集した。得られた蛍光体に分散、分級処理を施してからその蛍光体表面に燐酸亜鉛を被覆させて実施例2の蛍光体を得た。
このようにして製造された実施例2の蛍光体をX線回折分析並びに化学分析によりその結晶の組成を調べたところ、組成が(Y0.93Eu0.07)2O3であった。
【0026】
また、コールターカウンターでこの蛍光体の粒子径並びに粒度分布を測定したところ、中央粒径が7.0μmであり、粒径重量分布のQDは0.19であった。
この実施例2の蛍光体の電子顕微鏡写真を撮影したところ、図3−(a)に示したようにその大部分がほぼ球状の粒子からなる蛍光体であった。
実施例1の蛍光体と同様の方法でこの蛍光体1gをガラス板のテストピース上に沈降塗布して蛍光膜を作製し、この蛍光膜のフォーカス特性を簡便評価するため、この蛍光膜の断面膜厚を電子顕微鏡で測定したところ、膜厚は20μmであった。
【0027】
〔比較例2〕
実施例2において、蛍光体原料混合物を1400℃で2時間焼成した後、得られた焼成物の粒子を溶射装置により溶融することなく分散、分級処理及びその表面に蛍光体に燐酸亜鉛を被覆させた以外は実施例2の蛍光体と同様にして比較例2の蛍光体を得た。
このようにして製造された比較例2の蛍光体についてX線回折分析並びに化学分析によりその結晶の組成を調べたところ、組成は実施例2の蛍光体と同様に(Y0.93Eu0.07)2O3であった。
【0028】
また、この比較例2の蛍光体を実施例1と同様にしてコールターカウンターで粒子径並びに粒径分布を測定したところ、中央粒径が6.0μmであり粒径重量分布のQDは0.21であった。
この比較例2の蛍光体の電子顕微鏡写真を撮影したところ、図3−(b)に示したように板状で不規則な形状の粒子からなる蛍光体であった。
この蛍光体1gを用いて実施例1と同様にしてガラス板に比較例2からなる蛍光膜を作製し、この蛍光膜のフォーカス特性を簡便評価するため、その膜厚を測定したところ膜厚は23μmであった。
【0029】
〔評価〕
上記実施例1と比較例1との比較、並びに実施例2と比較例2との比較から分かるように、本発明のY2SiO5:Tb蛍光体、Y2O3:Eu蛍光体(実施例1及び2の各蛍光体)ともそれぞれの組成の従来の蛍光体(比較例1及び2の各蛍光体)とは違ってその粒子形状がとも明確に球状化している。またそれぞれの本発明の蛍光体(実施例1及び2の蛍光体)からな蛍光膜の膜厚が、従来の蛍光体(比較例1及び2の蛍光体)からなる蛍光膜に比べて同一塗布重量の同一蛍光体からなる蛍光膜同士で比べると、本発明の蛍光体からなる蛍光膜の方が従来の蛍光体からなる蛍光膜に比べて膜厚の小さい蛍光膜が得られ、これに高電流密度の電子線を照射した場合にフォーカスが小さくなり、フォーカス特性が改善されることを示している。
【0030】
【発明の効果】
本発明の蛍光体は上記の構成を採用することにより、特に高電流密度の電子線を照射して動作させる映像表示装置用の蛍光膜として用いた場合、電子線が蛍光膜に照射された際に得られるフォーカスパターンの広がりをより一層少なくすることが出来、その結果映像の解像度を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光体の製造の際に用いられる火炎溶射法について説明するための概念図である。
【図2】本発明の実施例1の希土類酸化物系蛍光体並びに比較例1の従来の希土類酸化物系蛍光体の粒子の形状を例示する電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明の実施例2の希土類酸化物系蛍光体並びに比較例2の従来の希土類酸化物系蛍光体の粒子の形状を例示する電子顕微鏡写真である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光膜にして高電流密度の電子線で励起して発光させた際、輝度劣化が少なく、解像度が良好であり、特に背面投写型テレビジョン(PRT)や高輝度ディスプレー管(CDT)の蛍光膜用として好適であり、更に蛍光体をマウントした発光ダイオード素子(LED)、蛍光体を用いたカラープラズマディスプレー(PDP)、高演色性ランプ(FL)、冷陰極管(CCFL)等の種々の用途に推奨される球状の希土類酸化物系蛍光体並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン(TV)の大型化に伴い、PRTが海外を中心に普及している。PRTはそれぞれ青(B)、緑(G)、赤(R)の蛍光体からなる蛍光面をもった7インチ程度の3つの小型ブラウン管(投写管)からの発光をレンズを用いて背面からスクリーン上に拡大投写してこれらを合成して1つの画像を再生するTVであり、そのための各色の投射管は通常の一般のブラウン管に比べて50〜100倍の高い電流密度で動作させる。 従って、PRTに使用される蛍光体には、一般に発光輝度が高いこと、できるだけ輝度と電流密度との関係においてリニアリティがある(γ特性が良好である)こと、長時間の電子線励起に対して劣化や発光輝度の低下(輝度劣化)が少ないこと、蛍光面の温度が上昇しても輝度低下が少ない(温度特性が良好である)こと等の特性を有することが要求される。その上、近年は、ブラウン管の表示画像の高解像度化の要求が高まり、従来より各色投射管における電子ビームのスポット径を絞る必要性が生じてきている。
【0003】
現在、PRT用の蛍光体としては、赤色としてY2O3:Euが、緑色としてY3(Al,Ga)5O12:Tb、Y3Al5O12:Tb、Y2SiO5:Tb、Zn2SiO4:Mn等が、また、青色としてはZnS:Ag,Alが主に用いられている。
ところで、PRT用の上記蛍光体の中でも、Y2SiO5:Tb、Y3(Al,Ga)5O12:Tb、Y2O3:Eu等の希土類酸化物系蛍光体は発光色度が良好で発光効率が比較的高く、γ特性も優れており、また温度変化に対して輝度の変化が比較的少なく総合的に見てバランスの取れた蛍光体として実用されている。
【0004】
しかし、これらY2SiO5:Tb、Y3(Al,Ga)5O12:Tb、Y2O3:Euをはじめとする希土類酸化物系蛍光体は、これを用いて実際の蛍光膜とした時の解像度で見ると必ずしも満足すべきものではなく、輝度劣化改善と共に蛍光膜とした時の解像度の一層の改善が望まれていた。
このような要望に対し、解像度を上げるための蛍光膜構造の改善策の1つの方法として、高温プラズマ溶射法により製造した球状粒子の蛍光体を用いる方法が検討されている(特許文献1、2等参照)。しかし、これらプラズマ法は実用性において球状化の処理能力が低いという欠点を有する上、品質面においても好ましい蛍光膜を得るためには粒度、粒度分布など粒子構成の面でも不満足であった。
【0005】
【特許文献1】
特公平7−45655号公報
【特許文献2】
特開平11−043672号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、PRTをはじめとする高電流密度の電子線で動作させる上記映像表示装置においてその蛍光膜として用いた場合、電子線が蛍光膜に照射された際に得られるフォーカスパターンの広がりをより一層少なくし、映像の解像度の改善がはかれる球状希土類酸化物系蛍光体及び実用化が容易で生産能力の大きい方法でその蛍光体が得られる蛍光体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するため、蛍光膜に電子線を照射した際のフォーカスと、蛍光膜として用いられる蛍光体の粒子形状及び粒度依存性等との関係について鋭意検討を行った結果、特にY2SiO5:Tb、Y3(Al,Ga)5O12:Tb、Y2O3:Euをはじめとする希土類元素で付活した希土類の珪酸塩、アルミノガリウム酸塩、酸化物などの希土類酸化物系蛍光体において、特定の製造方法を採用することによりこの蛍光体の粒子形状を出来るだけ球状にすると共に、特定の粒子径及び粒子径分布となるように蛍光体粉体特性を設計することによって、これをPRTなどの蛍光膜に適用した際にフォーカスの広がりが改善さることを見出し本発明に至った。
【0008】
本発明の希土類酸化物系蛍光体並びにその製造方法は以下の構成からなる。
(1) 形状がほぼ球状であって、中央粒子径が3〜9μmであり、かつ粒径重量分布の4分位偏差値(QD)が0.25以下であることを特徴とする球状希土類酸化物系蛍光体。
(2) 前記粒径重量分布の4分位偏差値(QD)が0.10〜0.20であることを特徴とする前記(1)記載の球状希土類酸化物系蛍光体。
(3) 前記蛍光体の組成式が(Ln1−x Ln’x)2O3・mSiO2であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の球状希土類酸化物系蛍光体。(但し、上記組成式において、LnはY、La、Gd及びLuの中の少なくとも1種であり、Ln’はTb、EuおよびCeの中の各少なくとも1種であり、x及びmはそれぞれ1×10−3≦x≦2×10−1、及び0.95≦m≦2.05なる条件を満足する数を表す。)
【0009】
(4) 前記蛍光体の組成式が(Ln1−x Ln’x)2O3・n(Al1−y Gay)2O3であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の球状希土類酸化物系蛍光体。(但し、上記組成式において、LnはY、La、Gd及びLuの中の少なくとも1種であり、Ln’はTb、EuおよびCeの中の各少なくとも1種であり、x、y及びnはそれぞれ1×10−3≦x≦2×10−1、0≦y≦0.6及び0.45≦n≦1.75なる条件を満足する数を表す。)
(5) 前記蛍光体の組成式が(Ln1−x Eux)2O3であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の球状希土類酸化物系蛍光体。(但し、上記組成式において、LnはY、La、Gd及びLuの中の少なくとも1種であり、xは1×10−3≦x≦2×10−1なる条件を満足する数を表す。)
(6) 前記組成式におけるLnがYであることを特徴とする前記(3)〜(5)のいずれかに記載の球状希土類酸化物系蛍光体。
【0010】
(7) 前記蛍光体の粒子表面がアルカリ土類金属の燐酸塩化合物で被覆されていることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の球状希土類酸化物系蛍光体。
(8)希土類酸化物系蛍光体の原料混合物を焼成して焼成物を得る原料焼成工程と、前記原料焼成工程で得られた前記焼成物粒子を火炎中に投射し再加熱して溶融し、次いで溶融状態の前記焼成物粒子を冷却して捕集する球状化工程と、前記球状化工程で得られた前記焼成物粒子を分散、分級手段により分散させ分級する工程とを少なくとも含むことを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の球状希土類酸化物系蛍光体の製造方法。
(9)前記焼成物粒子の前記球状化工程における前記再加熱して溶融する手段をバーナーから噴射される火炎による、火炎溶射法によって行うことを特徴とする前記(8)記載の球状希土類酸化物系蛍光体の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の蛍光体の製造方法は、基本的には所望の蛍光体の原料混合物を焼成して各原料を熱反応させてその焼成物を得る工程(原料焼成工程)と、該原料焼成工程で得られた焼成物の粉体粒子を浮遊状態で該粒子が熔融し得る温度下で再加熱して該粒子を溶融した後、これを冷却して該焼成物の粉体粒子形状をほぼ球状化する工程(球状化工程)と、前記原料焼成工程で得られた焼成物の粉体粒子及び前記球状化工程で得られた球状化された前記焼成物の粉体粒子の少なくとも一方の焼成物の粉体粒子を分散、分級処理して所定の粒子径並びに粒子径分布となるように分級する工程(分級工程)からなる。
【0012】
先ず、蛍光体原料としては、所望の組成の希土類酸化物系蛍光体の母体並びに付活剤を構成する各金属元素の酸化物もしくはこれらの硝酸塩、炭酸塩、水酸化物、蓚酸塩等の化合物を目的とする蛍光体組成に相当する化学量論量秤取し、更に必要に応じてこれにアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のバロゲン化物やハロゲン化アンモニウム、酸化硼素、硼酸等をフラックスとして配合し、湿式又は乾式で充分に混合する。上記蛍光体原料中、希土類化合物からなる原料は一旦溶解してから溶液の状態で混合し、蓚酸塩等で共沈させた後、これと残りの原料化合物及びフラックスと混合する方がより発光特性の良い蛍光体を得ることができる。なお、本発明の蛍光体を製造する場合、使用する蛍光体原料のうち、特に希土類原料に関しては例えば小さな原料を選択すれば、小さい粒子径の希土類酸化物系蛍光体を得ることが出来るし、逆に大きい粒子径の原料を選択すれば、大きい粒子径の蛍光体が得られやすいので、目的とする粒子径に応じた所定粒子径を持つ希土類化合物原料を選択することが好ましい。また、上記原料中の母体構成原料は粒子形状が球状のものや粒径分布の狭い原料を使用することにより、本発明の蛍光体の粒子形状や粒度分布の制御がより容易となる。
【0013】
この蛍光体原料混合物をアルミナルツボ等の耐熱容器に充填し、中性雰囲気中もしくは還元雰囲気中、1000〜1700℃で1〜12時間、1回以上焼成する。但し、得られる蛍光体の発光輝度をより高め得る点で、少なくとも必ず一度は1300℃以上で焼成することが必要である。また、付活剤の原料としてEuの化合物を用いる場合は、赤色発光輝度の点で蛍光体原料混合物は中性雰囲気もしくは空気中で焼成することが好ましい。
【0014】
上述のようにして焼成を終えた焼成物を粉砕し、薄い鉱酸で洗浄した後、水洗を行い、更に脱イオン水をガラス玉、アルミナボール等のメディアと共にボールミル容器に入れて数時間回転分散させて分散処理を施す。
このようにして得られた蛍光体原料混合物の焼成物は電子線などで励起すると発光はするが、その粒子の形状が必ずしも球状をなしていなくて、蛍光膜とした際、解像度の良好な蛍光膜が得られない。そこで次にこの焼成物粒子を球状化する処理を施す。
【0015】
本発明の蛍光体の製造方法において、原料混合物の焼成とその後の分散、分級処理により得られた焼成物の形状を球状化するには、この焼成物を水洗し焼成物塊をほぐして粉体化した粉体粒子を粉体供給容器に入れ、搬送ガスと共に浮遊させ、溶射バーナーによる溶射法でこの焼成物の粒子をその粒子が溶融し得る温度で再度急激に加熱して溶融した後に急冷することによって得ることが出来る。焼成物を溶射法により球状化する方法としては、前述のように原料粉末もしくは原料を一旦焼成して蛍光体となったものを高温プラズマ中に浮遊させながら熔融して球状化する方法(高温プラズマ法)が従来より提案されていて(特許文献1、2等参照)、本発明においてもこの方法も採用することが出来る。しかしながら、高温プラズマ法によるとプラズマ化さる高温域の長さが短いため、火炎中に充分な溶融温度域を確保することが出来ず、大量生産には不向きで工業的には好ましくない。これに対し、燃料ガスを燃焼させたバーナーから噴射される火炎中に焼成物を供給浮遊させて加熱しこれを溶融する、いわゆる火炎溶射法によるとプラズマ法に比べて火炎長が長く、火炎中に十分な溶融温度域を確保出来て比較的量産に適しているところから、本発明の製造方法においては溶射法の中でも特に火炎溶射法によって球状化する方法によるのがより好ましい。
【0016】
図1は火炎溶射装置を用いて本発明の蛍光体を製造する方法の要部を示す概念図であるが、上述のようにして分散処理された原料焼成物の粉体粒子を火炎溶射装置を用いて球状化するには、溶射バーナー1に燃料ガスとして例えばプロパンガスと酸素を供給してプレミックスし、その後溶射バーナー1でこれを燃焼させて火炎2を発生させ、この火炎2中に溶融させたい原料焼成物の粒子を粉体供給機(図示せず)より酸素、窒素などの搬送用ガスと共に溶射バーナー1の先端から噴射し、燃料ガスの燃焼により生じる火炎2中においてこれを2000℃前後の温度で瞬時加熱、溶融させる。粉体は一般的な場合バーナー噴出後極めて短時間例えば、0.003秒で溶融を開始し、形状として丸みを帯び始める。さらに0.01秒を経過したところでほぼ球状となり溶融が完了する。得られた該焼成物の溶融粒子3は溶射バーナー1から噴射される火炎2の直下に設けられた冷却水4が供給されている捕集容器(水槽)5に落下させて急冷され、球状の固体状蛍光体粒子6となって捕集回収される。このようにして得られた蛍光体はSEM写真での観察によると長径、短形のアスペクト比が、従来の蛍光体粒子ではほぼ1.2以上であるの対し、この様にして得た本発明の蛍光体はその大部分がかなり1に近くなりはっきり球状粒子になっていることが確認できる。なお、本発明の蛍光体において球状粒子とは、SEM写真観察での粒子の長径と短径のアスペクト比がほぼ1.0〜1.2である粒子をおよそ60%以上含有する蛍光体をいうものとする。
【0017】
火炎2を生成させるための燃料としては、例えばLPG(Liquefied PetroleumGas)−酸素の混合ガスによって行う。LPGの具体例にはプロパン(C3H8)、n−ブタン(C4H10)、I−ブタン(C4H10)、プロピレン(C3H6)等があるが、このうち発熱量が最も高いことから焼成物粒子の球状化処理が効率的であることに加え、さらにはコスト、供給性等からプロパンの使用が特に好ましい。
ここで得られた球状粒子の粒度分布は最終的に得られる本発明の球状蛍光体の粒度分布に大きく左右されるので、この分散処理の途中で採取し、粒径や粒度分布を測定して確認しながら行うことによって分散処理の程度を調整し、更に得られたスラリーを脱イオン水にて希釈後、ストークスの原理を用いた水簸等の分級手段によって粗大粒子や微少粒子を除去して、ほぼ中央粒径が3〜9μmの範囲となり、また粒子の重量分布の広がりの尺度を表す4分位偏差値(Quartil Deviation=QD)が0.25以下となるよう上記分散、分級処理の程度が調整される。なお、上記を含め、本発明における粒子径並びに粒度分布はコールターカウンターを用いて測定しこれを重量換算で解析した値である。このようにして本発明の希土類酸化物系蛍光体を製造することができる。
【0018】
蛍光膜に電子線を照射してこれを発光させた際に得られるフォーカスの広がりと蛍光膜構成とは強い相関があり、異なった粒度分布を有する蛍光体についてそれぞれ同一の塗布重量で蛍光膜を形成して電子線を照射しその時のフォーカスの広がりを見ると、蛍光膜の膜厚が薄くなればフォーカスの広がりが小さくなる傾向があり、結果的に解像度が良くなることになる。従って、フォーカス特性を計る簡便な代用評価法として、同一重量の蛍光体で蛍光膜のテストピースを作製し、得られる蛍光膜の断面膜厚を測定することによってそのフォーカス特性が評価出来るが、このようにして粒子径や粒度分布の異なる種々の球状希土類酸化物系蛍光体蛍光体について加速電圧が20KVで電流密度が2μA/cm2である電子線を照射してフォーカス特性を評価したところ、粒度分布に関しては粒径重量分布のQDがほぼ0.25以下、より好ましくは0.10〜0.20であるような粒度分布を有する球状希土類酸化物系球状蛍光体からなる蛍光膜は、従来の希土類酸化物系蛍光体からなる蛍光膜に比べてフォーカスの良い蛍光膜が得られることがわかった。QDが0.25より大である粒径分布を持った蛍光体を用いて蛍光膜を形成すると、蛍光膜が厚くなり、フォーカスの広がりが大きくなる。また、逆にQDが0.10より小である粒径分布を持った蛍光体により蛍光膜を形成すると、蛍光膜が極端に薄く膜の緻密性が悪くなり、フォーカス以前の問題として、ガラス基板の膜焼けの現象が現れて使用できない。
【0019】
また、粒子径に関しては中央粒径はおよそ3〜9μmとするのが好ましいことが確認された。中央粒径がおよそ9μmより大である希土類酸化物系蛍光体を用いた蛍光膜では、蛍光膜の初期輝度は向上する傾向にあるものの蛍光膜を形成する際の膜厚が目的の設計の膜厚より厚くなって、フォーカスが悪くなり、そのため解像度が悪化し目的とする解像度特性が得られないので好ましくない。一方、中央粒径がおよそ3μmより小さい希土類酸化物系蛍光体を蛍光膜として用いると、得られる蛍光膜の発光輝度が低下するので好ましくない。
【0020】
上述のようにして得られた本発明の球状希土類酸化物系蛍光体は、原料混合物を高温で焼成しただけの従来の希土類酸化物系蛍光体とは異なり、形状が球状で、その中央粒径がおよそ3〜9μmであり、また粒子の重量分布の広がりの尺度を表すQDが0.25以下であって、これをPRTなどの蛍光膜とした時、その塗膜構造は改善され、これを発光させたときの輝度劣化が少なく、フォーカス特性が改善された。
なお、このようにして得られた蛍光体は更にその表面にCa、Zn及びMg等の中の少なくとも1種以上のアルカリ土類金属の燐酸塩を通常の湿式法で被覆処理を施しておくと、蛍光膜を形成する際の蛍光体塗布性が向上するためにより好ましい。
【0021】
【実施例】
次に実施例により本発明を説明する。
〔実施例1〕
Y2O3 21.0g
Tb4O7 2.6g
SiO2 6.1g
上記の蛍光体原料を充分に混合し、アルミナルツボに詰めて還元雰囲気中において1600℃で2時間焼成した。得られた焼成物に分散処理を施した後、図1に示したような機能を有するハンディー型溶射装置(黒崎播磨株式会社製)を用い、上記焼成物を粉体輸送ガスとして窒素と共に輸送し、プロパンガス15Nm3/hと燃焼酸素ガス60Nm3/hで輸送された混合ガスを燃焼させ、溶射ノズルよりおよそ2000℃の高温の火炎と共に溶射噴出させてその粒子を溶融させ、これを水中で蛍光体として捕集した。得られた蛍光体に分散、分級処理を施してからその蛍光体表面に燐酸カルシウムを被覆させて実施例1の希土類珪酸塩蛍光体を得た。
このようにして製造された実施例1の蛍光体について、X線回折分析並びに化学分析によりその結晶の組成を調べたところ、組成が(Y0.93Tb0.07)2SiO5である希土類珪酸塩蛍光体であった。
コールターカウンターによりこの蛍光体の粒子径並びに粒径分布を測定したところ、中央粒径が7.0μmであり、粒径重量分布のQDが0.17であった。
【0022】
この実施例1の蛍光体の電子顕微鏡写真を撮影したところ、図2−(a)に示したようにほぼ球状の粒子からなる蛍光体であった。
次に、酢酸バリウム水溶液(クッション液)の入った容器の底に2cm×2cmのガラス板を沈めておき、その中にカリ水ガラスを含有する液に実施例1の蛍光体1gを縣濁させたスラリーを投入して攪拌後そのまま静置し、蛍光体をこのガラス板の一面に沈降させた後、上澄みのクッション液を抜き取り、これを乾燥してガラス板上に実施例1の蛍光体からなる蛍光膜を作製し、この蛍光膜のフォーカス特性を簡便評価するため、この蛍光膜の断面膜厚を電子顕微鏡で測定したところ、膜厚は19μmであった。
【0023】
〔比較例1〕
実施例1において、蛍光体原料の混合物を1600℃で2時間焼成して得られた焼成物に分散処理を施した後、得られた焼成物の粒子を溶射装置により溶融することなくその表面に蛍光体に燐酸カルシウムを被覆させた以外は実施例1の蛍光体と同様にして比較例1の蛍光体を得た。
このようにして製造された比較例1の蛍光体についてX線回折分析並びに化学分析によりその結晶の組成を調べたところ、組成は実施例1の蛍光体と同様に(Y0.93Tb0.07)2SiO5であった。
【0024】
また、この比較例1の蛍光体について実施例1と同様にしてコールターカウンターで粒子径並びに粒度分布を測定したところ、中央粒径が6.0μmであり、粒径重量分布のQDは0.21であった。
この比較例1の蛍光体の電子顕微鏡写真を撮影したところ、図2−(b)に示したように板状で不規則な形状の粒子からなる蛍光体であった。
この比較例1の蛍光体1gを用いて実施例1と同様にしてガラス板に比較例1の蛍光体からなる蛍光膜を作製し、この蛍光膜のフォーカス特性を簡便評価するため、その膜厚を測定したところ膜厚は24μmであった。
【0025】
〔実施例2〕
Y2O3 21.0g
Eu2O3 2.50g
BaCl2・2H2O 0.33g
H3BO3 0.2g
上記の蛍光体原料を充分に混合し、アルミナルツボに詰めて酸化雰囲気中において1400℃で2時間焼成した。得られた焼成物に分散処理を施した後、この焼成物の粒子を実施例1において使用したハンディー型溶射装置を用いて実施例1と同様にして溶融させ、これを水中で蛍光体として捕集した。得られた蛍光体に分散、分級処理を施してからその蛍光体表面に燐酸亜鉛を被覆させて実施例2の蛍光体を得た。
このようにして製造された実施例2の蛍光体をX線回折分析並びに化学分析によりその結晶の組成を調べたところ、組成が(Y0.93Eu0.07)2O3であった。
【0026】
また、コールターカウンターでこの蛍光体の粒子径並びに粒度分布を測定したところ、中央粒径が7.0μmであり、粒径重量分布のQDは0.19であった。
この実施例2の蛍光体の電子顕微鏡写真を撮影したところ、図3−(a)に示したようにその大部分がほぼ球状の粒子からなる蛍光体であった。
実施例1の蛍光体と同様の方法でこの蛍光体1gをガラス板のテストピース上に沈降塗布して蛍光膜を作製し、この蛍光膜のフォーカス特性を簡便評価するため、この蛍光膜の断面膜厚を電子顕微鏡で測定したところ、膜厚は20μmであった。
【0027】
〔比較例2〕
実施例2において、蛍光体原料混合物を1400℃で2時間焼成した後、得られた焼成物の粒子を溶射装置により溶融することなく分散、分級処理及びその表面に蛍光体に燐酸亜鉛を被覆させた以外は実施例2の蛍光体と同様にして比較例2の蛍光体を得た。
このようにして製造された比較例2の蛍光体についてX線回折分析並びに化学分析によりその結晶の組成を調べたところ、組成は実施例2の蛍光体と同様に(Y0.93Eu0.07)2O3であった。
【0028】
また、この比較例2の蛍光体を実施例1と同様にしてコールターカウンターで粒子径並びに粒径分布を測定したところ、中央粒径が6.0μmであり粒径重量分布のQDは0.21であった。
この比較例2の蛍光体の電子顕微鏡写真を撮影したところ、図3−(b)に示したように板状で不規則な形状の粒子からなる蛍光体であった。
この蛍光体1gを用いて実施例1と同様にしてガラス板に比較例2からなる蛍光膜を作製し、この蛍光膜のフォーカス特性を簡便評価するため、その膜厚を測定したところ膜厚は23μmであった。
【0029】
〔評価〕
上記実施例1と比較例1との比較、並びに実施例2と比較例2との比較から分かるように、本発明のY2SiO5:Tb蛍光体、Y2O3:Eu蛍光体(実施例1及び2の各蛍光体)ともそれぞれの組成の従来の蛍光体(比較例1及び2の各蛍光体)とは違ってその粒子形状がとも明確に球状化している。またそれぞれの本発明の蛍光体(実施例1及び2の蛍光体)からな蛍光膜の膜厚が、従来の蛍光体(比較例1及び2の蛍光体)からなる蛍光膜に比べて同一塗布重量の同一蛍光体からなる蛍光膜同士で比べると、本発明の蛍光体からなる蛍光膜の方が従来の蛍光体からなる蛍光膜に比べて膜厚の小さい蛍光膜が得られ、これに高電流密度の電子線を照射した場合にフォーカスが小さくなり、フォーカス特性が改善されることを示している。
【0030】
【発明の効果】
本発明の蛍光体は上記の構成を採用することにより、特に高電流密度の電子線を照射して動作させる映像表示装置用の蛍光膜として用いた場合、電子線が蛍光膜に照射された際に得られるフォーカスパターンの広がりをより一層少なくすることが出来、その結果映像の解像度を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光体の製造の際に用いられる火炎溶射法について説明するための概念図である。
【図2】本発明の実施例1の希土類酸化物系蛍光体並びに比較例1の従来の希土類酸化物系蛍光体の粒子の形状を例示する電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明の実施例2の希土類酸化物系蛍光体並びに比較例2の従来の希土類酸化物系蛍光体の粒子の形状を例示する電子顕微鏡写真である。
Claims (9)
- 形状がほぼ球状であって、中央粒子径が3〜9μmであり、かつ粒径重量分布の4分位偏差値(QD)が0.25以下であることを特徴とする球状希土類酸化物系蛍光体。
- 前記粒径重量分布の4分位偏差値(QD)が0.10〜0.20であることを特徴とする請求項1記載の球状希土類酸化物系蛍光体。
- 前記蛍光体の組成式が(Ln1−x Ln’x)2O3・mSiO2であることを特徴とする請求項1または2記載の球状希土類酸化物系蛍光体。(但し、上記組成式において、LnはY、La、Gd及びLuの中の少なくとも1種であり、Ln’はTb、EuおよびCeの中の各少なくとも1種であり、x及びmはそれぞれ1×10−3≦x≦2×10−1、及び0.95≦m≦2.05なる条件を満足する数を表す。)
- 前記蛍光体の組成式が(Ln1−x Ln’x)2O3・n(Al1−y Gay)2O3であることを特徴とする請求項1または2記載の球状希土類酸化物系蛍光体。(但し、上記組成式において、LnはY、La、Gd及びLuの中の少なくとも1種であり、Ln’はTb、EuおよびCeの中の各少なくとも1種であり、x、y及びnはそれぞれ1×10−3≦x≦2×10−1、0≦y≦0.6及び0.45≦n≦1.75なる条件を満足する数を表す。)
- 前記蛍光体の組成式が(Ln1−x Eux)2O3であることを特徴とする請求項1または2記載の球状希土類酸化物系蛍光体。(但し、上記組成式において、LnはY、La、Gd及びLuの中の少なくとも1種であり、xは1×10−3≦x≦2×10−1なる条件を満足する数を表す。)
- 前記組成式におけるLnがYであることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の球状希土類酸化物系蛍光体。
- 前記蛍光体の粒子表面がアルカリ土類金属の燐酸塩化合物で被覆されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の球状希土類酸化物系蛍光体。
- 希土類酸化物系蛍光体の原料混合物を焼成して焼成物を得る原料焼成工程と、前記原料焼成工程で得られた前記焼成物粒子を火炎中に投射し再加熱して溶融し、次いで溶融状態の前記焼成物粒子を冷却して捕集する球状化工程と、前記球状化工程で得られた前記焼成物粒子を分散、分級手段により分散させ分級する工程とを少なくとも含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の球状希土類酸化物系蛍光体の製造方法。
- 前記焼成物粒子の前記球状化工程における前記再加熱して溶融する手段をバーナーから噴射される火炎による、火炎溶射法によって行うことを特徴とする請求項8記載の球状希土類酸化物系蛍光体の製造方法
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