JP2002194347A - 蛍光体,その製造方法および発光デバイス - Google Patents

蛍光体,その製造方法および発光デバイス

Info

Publication number
JP2002194347A
JP2002194347A JP2000391027A JP2000391027A JP2002194347A JP 2002194347 A JP2002194347 A JP 2002194347A JP 2000391027 A JP2000391027 A JP 2000391027A JP 2000391027 A JP2000391027 A JP 2000391027A JP 2002194347 A JP2002194347 A JP 2002194347A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
particles
fluorescent substance
raw material
sphericity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000391027A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Yokozawa
信幸 横沢
Futoshi Yoshimura
太志 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2000391027A priority Critical patent/JP2002194347A/ja
Publication of JP2002194347A publication Critical patent/JP2002194347A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】発光特性を向上させることが可能なように真球
度を高めた蛍光体およびその蛍光体を安価に、かつ容易
に量産することが可能な製造方法を提供する。 【解決手段】蛍光体成分を含有する溶液を噴霧乾燥した
後に焼成した多数の粒子から成り、各粒子の投影像の周
囲長をLとし、投影像の実面積をAとしたときに4πA
/Lで表わされる真球度の平均値が0.95以上であ
ることを特徴とする蛍光体である。また、上記蛍光体
は、蛍光体成分を含有する溶液を噴霧分散して液滴を調
製し、得られた液滴を熱風と接触せしめて乾燥し球状の
原料粒子とし、さらに原料粒子を温度900〜1200
℃で焼成して製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蛍光体およびその製
造方法に係り、特に発光特性を向上させることが可能な
ように真球度を高めた蛍光体およびその蛍光体を安価
に、かつ容易に量産することが可能な製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】所定組成を有する蛍光体粉末を含有する
蛍光膜を表示画面等の発光面(透光性気密容器)の内面
に一体に形成した発光デバイスが、CRT(陰極線
管),FED(電界放射ディスプレイ),PDP(プラ
ズマディスプレイパネル),Hgランプ,Xeランプ等
として広く使用されている。
【0003】上記発光デバイスに使用されている従来の
蛍光体粉末は、蛍光体を構成する成分化合物と活性剤
(反応促進剤)とを、所定比率で配合した原料混合体を
1200〜1300℃程度の温度で焼成し、固相反応を
経て製造されている。ところが、焼成したままの蛍光体
粒子は焼結操作により団塊状に形成されているため、焼
成後の蛍光体粒子を所定の粒径を有するように粉砕して
実際の使用に適した蛍光体粉末とされている。
【0004】しかしながら、上記のように合成調製した
蛍光体粉末は、蛍光体の結晶構造を反映した粒子形状と
なってしまう場合が多く、反応促進剤などの添加剤によ
ってその粒子形状を僅かに制御できるだけに留まってい
る。そのため、従来の合成方法による蛍光体粉末は、一
般に不定形状を有する粉末の割合が多く、発光特性が均
一になりにくく、また、粉砕工程で粒子表面に損傷を受
けているため、発光効率が低下し易い問題点があった。
【0005】上記不定形状を有する蛍光体粉末による発
光特性の低下を防止するために、例えば特開2000−
96048号公報および特開2000−109825号
公報に開示されているように、蛍光体の原料混合体を熱
分解反応炉を通して微細化し、球状度を改善した蛍光体
粉末を得る方法も試行されている。具体的には、テルビ
ウム付活アルミン酸イットリウム蛍光体の構成成分を含
有する水溶液を液滴状にして熱分解反応炉内に導入し、
600〜1750℃の高温度範囲で加熱した後に、さら
に1050〜1750℃の温度範囲で再加熱することを
特徴とするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように熱分解反応炉を用いた従来の合成方法において
は、原料混合体の熱分解時に600℃以上の高温度に加
熱する必要があり、高い熱エネルギーを消費する製造プ
ロセスであるためエネルギー効率が低く、蛍光体粉末の
製造コストが大幅に上昇してしまう致命的な問題点があ
った。また、熱分解反応を均一に進行させるためには熱
分解反応炉の運転制御を高精度に実施する必要があり、
製造装置の運転管理および取扱いが極めて煩雑になる問
題点があった。
【0007】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、特に発光特性を向上させることが可能
なように真球度を高めた蛍光体およびその蛍光体を安価
に、かつ容易に量産することが可能な製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願発明者らは蛍光体粉末の真球度を高めることが
可能な蛍光体の製造方法を種々検討した。その結果、特
に蛍光体成分を含有する溶液を噴霧乾燥処理してほぼ球
状の原料粒子とし、この原料粒子の形状を維持できる温
度で焼成したときに、真球度が特に優れた蛍光体粉末
が、安価に、かつ容易に得られるという知見を得た。本
発明は上記知見に基づいて完成されたものである。
【0009】すなわち、本発明に係る蛍光体は、蛍光体
成分を含有する溶液を噴霧乾燥した後に焼成した多数の
粒子から成り、各粒子の投影像の周囲長をLとし、投影
像の実面積をAとしたときに4πA/Lで表わされる
真球度の平均値が0.95以上であることを特徴とす
る。
【0010】上記蛍光体において、前記蛍光体がマンガ
ン付活珪酸亜鉛蛍光体であることが好ましい。
【0011】また、本発明に係る蛍光体の製造方法は、
蛍光体成分を含有する溶液を噴霧分散して液滴を調製
し、得られた液滴を熱風と接触せしめて乾燥し球状の原
料粒子とし、さらに原料粒子を温度900〜1200℃
で焼成することを特徴とする。
【0012】さらに上記製造方法において、前記熱風の
温度が200℃以下であることが好ましく、また前記蛍
光体がマンガン付活珪酸亜鉛蛍光体であることが好まし
い。
【0013】また、本発明に係る発光デバイスは上記蛍
光体を含有する発光層を透光性気密容器内面に一体に形
成したことを特徴とする。
【0014】本発明が対象とする蛍光体の組成は特に限
定されるものではないが、蛍光体がマンガン付活珪酸亜
鉛蛍光体である場合には、特に真球度が高く、蛍光体膜
として構成したときに優れた発光特性を有する蛍光体粉
末が得られる。
【0015】上記マンガン付活珪酸亜鉛蛍光体を製造す
る場合には、下記のような珪酸化合物,亜鉛化合物,活
性剤(付活剤)を使用する。すなわち、珪酸化合物とし
ては、オルト珪酸メチルやオルト珪酸エチルなどのシリ
コンアルコキシドもしくはコロイダルシリカが使用でき
る。また亜鉛化合物としては硝酸亜鉛,酢酸亜鉛,塩化
亜鉛,硫酸亜鉛などの可溶性塩の他に亜鉛のアルコキシ
ドやエステルを使用することができる。さらに活性剤と
してはマンガン化合物等を使用することができる。この
マンガン化合物としては、硝酸マンガン,酢酸マンガ
ン,塩化マンガン,硫酸マンガンなどの可溶性塩の他
に、マンガンのアルコキシドやエステルのいずれでも使
用することが可能である。
【0016】本発明に係る真球形状を有する蛍光体は、
以下のような手順で製造される。まず溶媒中に珪酸化合
物,亜鉛化合物,活性剤などの蛍光体を構成する成分原
料を溶解または分散させて原料溶液として調製する。溶
媒としては、水,メタノール,エタノールなどのアルコ
ール類,n−ヘキサン等の飽和炭化水素などが好適に使
用できる。
【0017】各成分原料の溶解量または分散量は、過大
になると後述する噴霧処理が困難となるため、1mol
の蛍光体を製造するために必要な化学量論的組成に応じ
た各成分原料を2〜6リットルの溶媒に溶解または分散
させた濃度が好適である。
【0018】具体的にマンガン付活珪酸亜鉛蛍光体を調
製する場合には、水溶性の亜鉛,珪素,マンガン化合
物,例えばZn,Mnの塩化物もしくは水中で容易にこ
れら元素のイオンとなり得る化合物を純水に溶解し、こ
の水溶液中に組成式ZnSiO:Mn(Mn量は、
ZnSiO母体に対して0.03〜0.12mol
%)となるように、化学量論比で秤量した珪酸エチルを
添加し、さらに少量の硝酸を添加する。次に珪酸エチル
が完全に溶解するまで十分に撹拌して所定量のZn,M
n,Siを含有する水溶液を調製する。
【0019】次に上記のように調製した原料溶液を噴霧
・分散して球状の液滴を調製する。噴霧・分散装置(微
粒子化装置)としては、超音波振動を利用した噴霧装
置,回転円板によるアトマイズ装置などの汎用の微粒子
化装置の他に、加圧したアトマイズ用気体を利用して液
体を微細に分散する加圧二流体ノズルを用いることも効
果的である。
【0020】上記加圧二流体ノズルに供給するアトマイ
ズ用気体の圧力および液体供給量を制御することによ
り、液滴の粒径を0.5〜50μmの範囲で調節するこ
とが可能である。この液滴の粒径は、最終的に形成する
蛍光体粉末の粒径の大小によって異なるが2〜8μm程
度に調節することが好ましい。
【0021】次に生成した球状の液滴を、所定温度に加
熱した熱風が充填または流通している乾燥室に送給す
る。熱効率を高めるために、液滴を生成する微粒子化装
置は乾燥室に直結して配置することが好ましい。乾燥室
に送給された液滴は熱風と接触することにより乾燥さ
れ、球状の原料粒子となる。
【0022】ここで上記液滴を乾燥する熱風の温度は2
00℃以下とすることが好ましい。上記熱風温度が20
0℃を超えると、原料粒子の表面に亀裂や欠陥が発生し
易くなり、また粒子の表面粗さも荒れ易く、蛍光体特性
を低下させ易い上に、熱エネルギーコストが大幅に上昇
してしまう。上記熱風温度を200℃以下とすることに
よって、表面粗さが小さく、欠陥が少ない原料粒子が得
られ、蛍光体製造時のエネルギー効率が大幅に改善され
る。
【0023】次に得られた球状の原料粒子を大気中また
は非酸化性雰囲気中において温度900〜1200℃の
範囲で焼成することによって、本発明に係る蛍光体粉末
が効率的に製造される。上記焼成温度が900度未満と
低過ぎる場合には、結晶性が低い上に、Mnが結晶内に
付活されないために発光特性が低下する。一方、焼成温
度が1200℃を超えるように過大になると、原料粒子
の真球形状を維持したままで焼成することが困難にな
り、蛍光体の真球度が低下してしまう上に、熱エネルギ
ーコストが高くなり、蛍光体の製造コストの上昇を招き
易い。
【0024】本発明に係る蛍光体は、上記製造方法で説
明したように、蛍光体成分を含有する溶液を噴霧乾燥し
た後に焼成した多数の粒子から成り、各粒子の投影像の
周囲長をLとし、投影像の実面積をAとしたときに4π
A/Lで表わされる真球度Rの平均値が0.95以上
であることを特徴とする。
【0025】各種ディスプレイやランプなどの発光デバ
イスに用いられる蛍光膜は、蛍光体の粒子形状やサイズ
により、蛍光体の充填密度が大きく影響を受ける。そし
て蛍光体の粒子形状が真球状であれば、具体的には上記
真球度Rの平均値が0.95以上であれば、蛍光膜にお
ける蛍光体の充填密度を高めることが可能であり、発光
輝度を大幅に改善できる。
【0026】そこで本発明に係る蛍光体を構成する各蛍
光体粒子の真球度Rの平均値は0.95以上と規定され
る。ここで上記真球度Rは各蛍光体粒子の平面への投影
像の面積をAとする一方、投影像の周囲長さをLとした
ときに4πA/Lで与えられる値として定義される。
【0027】上記真球度R(=4πA/L)は蛍光体
粒子の真球度を表わす係数であり、この係数値が1に近
いほど、粒子形状が真球に近いことになり、粒子形状が
完全に球である場合には1となる値である。
【0028】上記各蛍光体粒子の真球度Rの平均値が
0.95未満の場合は、蛍光膜に高い充填密度で蛍光体
を充填することが困難となり、この蛍光膜を有する発光
デバイスの輝度向上が不十分となる。そのため、真球度
Rの平均値は0.95以上に規定されるが、0.97以
上がより好ましく、さらには0.98以上が望ましい。
【0029】上記蛍光体粒子の真球度Rの平均粒径は、
無作為に選別した約100個の磁性粒子を平板上に載置
した状態で走査型電子顕微鏡(SEM)によって投影像
を撮影し、得られた粒子投影像画像を画像処理すること
により迅速に測定することができる。上記画像処理を実
施するための画像処理装置としては、例えばピアス社製
画像処理装置(型番:PIAS−III)が好適に使用
できる。
【0030】上記構成に係る蛍光体によれば蛍光体粒子
の真球度を所定の範囲に高く規定しているため、蛍光膜
に高い充填密度で蛍光体を充填することが可能になり、
発光デバイスの輝度を大幅に改善することができる。
【0031】また本発明に係る蛍光体の製造方法によれ
ば、蛍光体原料溶液を噴霧し、低温度の熱風により乾燥
し、さらに得られた粒子の形状を維持できる温度で焼成
しているため、欠陥が少なく真球度に優れた蛍光体を容
易かつ効率的に製造することができる。特に乾燥時の熱
風温度を200℃以下にすることにより、熱エネルギー
消費量が低減されるとともに製造装置の運転管理も容易
になり、蛍光体を安価に、かつ効率的に製造することが
できる。
【0032】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について以
下に示す実施例および比較例を参照して具体的に説明す
る。
【0033】実施例1 2molのZnSOと0.07molのMnCl
を秤量し2リットルの純水中に溶解し、少量の硝酸を添
加して均一に混合した。得られた混合液に1molのS
i(OCを添加し、完全に溶解するまで十分
に撹拌して原料溶液を調製した。次に、加圧二流体ノズ
ルを有し、温度200℃の熱風を流通させた乾燥室に直
結した微粒子装置に上記原料溶液を供給し、原料溶液を
液滴状に噴霧すると同時に液滴を熱風に接触せしめ乾燥
して原料微粒子を調製した。さらに乾燥した原料微粒子
を大気中で温度1000℃で3時間焼成することによ
り、実施例1に係るマンガン付活珪酸亜鉛蛍光体を製造
した。
【0034】実施例2〜3 蛍光体の原料微粒子の焼成温度をそれぞれ1050℃,
1100℃に変更した点以外は実施例1と同一条件で原
料溶液調製,噴霧乾燥,焼成処理を実施することによ
り、実施例2〜3に係るマンガン付活珪酸亜鉛蛍光体を
製造した。
【0035】実施例4 2molのZnSOと0.05molのMnCl
を秤量し2リットルの純水中に溶解し、少量の硝酸を添
加して均一に混合した。得られた混合液に1molのS
i(OCを添加し、完全に溶解するまで十分
に撹拌して原料溶液を調製した。次に、加圧二流体ノズ
ルを有し、温度200℃の熱風を流通させた乾燥室に直
結した微粒子装置に上記原料溶液を供給し、原料溶液を
液滴状に噴霧すると同時に液滴を熱風に接触せしめ乾燥
して原料微粒子を調製した。さらに乾燥した原料微粒子
を大気中で温度1000℃で3時間焼成することによ
り、実施例4に係るマンガン付活珪酸亜鉛蛍光体を製造
した。
【0036】比較例1 蛍光体の化学組成が(Zn0.96Mn0.04
iOとなるように硫酸亜鉛(ZnSO),塩化マン
ガン(MnCl)およびSi(OC を秤量
し、十分に混合した。この原料混合体をアルミナ製るつ
ぼに投入し、窒素ガス雰囲気中で温度1000℃で3時
間焼成した。得られた焼成物を粉砕し、純水で十分に洗
浄した後に、濾過・乾燥して比較例1に係る蛍光体を製
造した。
【0037】比較例2 蛍光体の化学組成が(Y0.96Tb0.04Si
となるように硝酸イットリウム、テトラエチルオル
ソシリケートおよび硝酸テルビウムをそれぞれ水に溶解
し、少量の硝酸を添加して均質な蛍光体原料溶液を作成
した。この液を1.7MHzの振動子を有する超音波噴
霧器に入れて液滴を形成し、空気をキャリアガスとして
使用して1200℃の温度に保持した管状炉内にこの液
滴を導入して5秒間熱分解反応を行い比較例2に係る蛍
光体を得た。
【0038】比較例3 メタノール100mlに硝酸亜鉛六水和物29.6g、
硝酸マンガン六水和物0.144g、95重量%オルト
珪酸エチル10.96gを溶解し、56℃で100時間
還流加熱した後、メタノールで500℃の温度に設定し
た電気炉中に噴霧した。得られた非晶質粉体を水に分散
させ、圧力容器中250℃で5時間水熱反応を行った。
反応後、生成物を濾過、水洗し、平均粒子径が3μmの
球状を呈する比較例3に係る珪酸亜鉛蛍光体を得た。
【0039】次に上記のように調製した各実施例および
比較例に係る蛍光体粉末から無作為に100個の磁性粒
子を選別し、平板ガラス上に載置した状態で走査型電子
顕微鏡(SEM)によって投影像を撮影し、得られた各
投影画像について、画像処理装置(ピアス社製、型番:
PIAS−III)を使用して画像解析を実施すること
により、蛍光体粉末粒子の真球度(R)の平均値および
平均粒子径を測定した。測定結果は、表1に示す。
【0040】次に上記のように調製した各蛍光体の発光
特性を評価するため、各蛍光体について波長254nm
の紫外線照射下での発光スペクトル,残光時間および色
度値(x,y)を測定した。そして発光スペクトルにお
ける主発光ピークの発光強度を測定した。また、残光時
間は、紫外線を遮断した後の発光輝度が遮断直前の発光
輝度の1/10までに低下するまでの時間とした測定し
た。測定結果を下記表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】上記表1に示す結果から明らかなように、
原料溶液を噴霧乾燥した後に、その形状を維持できる温
度範囲で焼成して製造された各実施例に係る蛍光体にお
いては、真球度(R)の平均値が極めて高くなり、優れ
た発光強度および残光特性を発揮し、色度特性も良好で
あることが確認できた。
【0043】また各実施例に係る蛍光体粒子を電子顕微
鏡にて観察したところ、表面は極めて平滑であり、表面
粗さはRmax基準で0.1〜0.3μmの範囲であ
り、幅が0.1μm以上の亀裂や凹部は存在していない
ことが判明した。また各蛍光体粒子の相対密度は96〜
99%の範囲であった。
【0044】一方、るつぼにおいて焼成した後に粉砕し
て調製した比較例1に係る蛍光体では、不定形状の粒子
が多数含まれており真球度の平均値が低く発光特性も低
下する上に、粉砕時に作用する衝撃力によって亀裂の発
生が多くなり、蛍光体寿命が低下し易いことも再確認で
きた。
【0045】また、熱分解法によって形成された比較例
2に係る蛍光体では、ある程度の真球度の改善結果は得
られているが、発光特性は十分ではない。また噴霧処理
後に水熱反応を実施して製造された比較例3に係る蛍光
体においても、粒子の真球度の改善効果は、ある程度は
得られているが十分ではなく、蛍光体粒子の表面粗さが
高まる傾向にあることが判明した。
【0046】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係る蛍光体に
よれば蛍光体粒子の真球度を所定の範囲に高く規定して
いるため、蛍光膜に高い充填密度で蛍光体を充填するこ
とが可能になり、発光デバイスの輝度を大幅に改善する
ことができる。
【0047】また本発明に係る蛍光体の製造方法によれ
ば、蛍光体原料溶液を噴霧し、低温度の熱風により乾燥
し、さらに得られた粒子の形状を維持できる温度で焼成
しているため、欠陥が少なく真球度に優れた蛍光体を容
易かつ効率的に製造することができる。特に乾燥時の熱
風温度を200℃以下にすることにより、熱エネルギー
消費量が低減されるとともに製造装置の運転管理も容易
になり、蛍光体を安価に、かつ効率的に製造することが
できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体成分を含有する溶液を噴霧乾燥し
    た後に焼成した多数の粒子から成り、各粒子の投影像の
    周囲長をLとし、投影像の実面積をAとしたときに4π
    A/Lで表わされる真球度の平均値が0.95以上で
    あることを特徴とする蛍光体。
  2. 【請求項2】 前記蛍光体がマンガン付活珪酸亜鉛蛍光
    体であることを特徴とする請求項1記載の蛍光体。
  3. 【請求項3】 蛍光体成分を含有する溶液を噴霧分散し
    て液滴を調製し、得られた液滴を熱風と接触せしめて乾
    燥し球状の原料粒子とし、さらに原料粒子を温度900
    〜1200℃で焼成することを特徴とする蛍光体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記熱風の温度が200℃以下であるこ
    とを特徴とする請求項3記載の蛍光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記蛍光体がマンガン付活珪酸亜鉛蛍光
    体であることを特徴とする請求項3記載の蛍光体の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の蛍光体を含有す
    る発光層を透光性気密容器内面に一体に形成したことを
    特徴とする発光デバイス。
JP2000391027A 2000-12-22 2000-12-22 蛍光体,その製造方法および発光デバイス Pending JP2002194347A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000391027A JP2002194347A (ja) 2000-12-22 2000-12-22 蛍光体,その製造方法および発光デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000391027A JP2002194347A (ja) 2000-12-22 2000-12-22 蛍光体,その製造方法および発光デバイス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002194347A true JP2002194347A (ja) 2002-07-10

Family

ID=18857268

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000391027A Pending JP2002194347A (ja) 2000-12-22 2000-12-22 蛍光体,その製造方法および発光デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002194347A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004081142A1 (ja) * 2003-03-11 2004-09-23 Konica Minolta Holdings, Inc. 蛍光体、蛍光体の製造方法、蛍光体ペースト及びプラズマディスプレイパネル
WO2007129713A1 (ja) * 2006-05-10 2007-11-15 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha サイアロン蛍光体及びその製造方法並びにそれを用いた照明器具及び発光素子
JP2007332324A (ja) * 2006-06-19 2007-12-27 Denki Kagaku Kogyo Kk サイアロン蛍光体とその製造方法、およびそれを用いた発光素子
JP2009173905A (ja) * 2007-12-28 2009-08-06 Mitsubishi Chemicals Corp 蛍光体、蛍光体の製造方法、蛍光体含有組成物および発光装置
WO2013137434A1 (ja) * 2012-03-16 2013-09-19 株式会社東芝 蛍光体、蛍光体の製造方法および発光装置
WO2013137436A1 (ja) * 2012-03-16 2013-09-19 株式会社東芝 蛍光体、蛍光体の製造方法および発光装置
WO2013137435A1 (ja) * 2012-03-16 2013-09-19 株式会社東芝 蛍光体、蛍光体の製造方法および発光装置
US11391728B2 (en) 2015-01-21 2022-07-19 Konica Minolta, Inc. Phosphor-integrated nanoparticles used in fluorescence observation

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004081142A1 (ja) * 2003-03-11 2004-09-23 Konica Minolta Holdings, Inc. 蛍光体、蛍光体の製造方法、蛍光体ペースト及びプラズマディスプレイパネル
US8685279B2 (en) 2006-05-10 2014-04-01 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Sialon phosphor, process for producing the same, and illuminator and luminescent element employing the same
WO2007129713A1 (ja) * 2006-05-10 2007-11-15 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha サイアロン蛍光体及びその製造方法並びにそれを用いた照明器具及び発光素子
CN102676163A (zh) * 2006-05-10 2012-09-19 电气化学工业株式会社 赛隆荧光粉及其制备方法以及使用该荧光粉的照明器具和发光元件
KR101221691B1 (ko) * 2006-05-10 2013-01-11 덴끼 가가꾸 고교 가부시키가이샤 사이알론 형광체 및 그 제조 방법 및 그것을 이용한 조명기구 및 발광소자
JP2007332324A (ja) * 2006-06-19 2007-12-27 Denki Kagaku Kogyo Kk サイアロン蛍光体とその製造方法、およびそれを用いた発光素子
JP2009173905A (ja) * 2007-12-28 2009-08-06 Mitsubishi Chemicals Corp 蛍光体、蛍光体の製造方法、蛍光体含有組成物および発光装置
KR20140054305A (ko) * 2012-03-16 2014-05-08 가부시끼가이샤 도시바 형광체, 형광체의 제조 방법 및 발광 장치
WO2013137435A1 (ja) * 2012-03-16 2013-09-19 株式会社東芝 蛍光体、蛍光体の製造方法および発光装置
WO2013137436A1 (ja) * 2012-03-16 2013-09-19 株式会社東芝 蛍光体、蛍光体の製造方法および発光装置
WO2013137434A1 (ja) * 2012-03-16 2013-09-19 株式会社東芝 蛍光体、蛍光体の製造方法および発光装置
EP2743330A1 (en) * 2012-03-16 2014-06-18 Kabushiki Kaisha Toshiba Phosphor, phosphor production method, and light-emitting device
CN104204134A (zh) * 2012-03-16 2014-12-10 株式会社东芝 荧光体、荧光体的制造方法及发光装置
EP2743330A4 (en) * 2012-03-16 2015-04-01 Toshiba Kk PHOSPHORE, METHOD FOR THE PRODUCTION OF PHOSPHORUS AND LIGHT-EMITTING DEVICE
JPWO2013137434A1 (ja) * 2012-03-16 2015-08-03 株式会社東芝 蛍光体、蛍光体の製造方法および発光装置
KR101593857B1 (ko) * 2012-03-16 2016-02-12 가부시끼가이샤 도시바 형광체, 형광체의 제조 방법 및 발광 장치
CN104204134B (zh) * 2012-03-16 2016-03-02 株式会社东芝 荧光体、荧光体的制造方法及发光装置
US9487696B2 (en) 2012-03-16 2016-11-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Phosphor of SiAlON crystal, method for producing phosphor and light emitting device
US9512359B2 (en) 2012-03-16 2016-12-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Phosphor, method for producing phosphor and light emitting device
US11391728B2 (en) 2015-01-21 2022-07-19 Konica Minolta, Inc. Phosphor-integrated nanoparticles used in fluorescence observation

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW550239B (en) Method of preparing high brightness, shorter persistence zinc orthosilicate phosphor
JP3875027B2 (ja) 球状のオルトケイ酸亜鉛系緑色発光蛍光体の製造方法
CN106660814A (zh) 硅酸镁悬浮液、其制造方法及其作为荧光体的用途
TW460413B (en) Method of preparing high brightness, small particle red emitting phosphor
WO2012050051A1 (ja) マンガン賦活ゲルマン酸塩蛍光体の製造方法
JP2002194347A (ja) 蛍光体,その製造方法および発光デバイス
JP2001288465A (ja) Vuv励起光発光装置のための緑色発光性アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製法
JP2000087033A (ja) 蛍光体の製造方法
JP2000336353A (ja) アルミン酸塩蛍光体の製造方法
JP2003213254A (ja) 珪酸塩蛍光体の製造方法
JPH03207787A (ja) 希土類ケイ酸塩蛍光体およびその製法
JP2000109825A (ja) テルビウム付活アルミン酸イットリウム蛍光体の製造方法
JP2003292949A (ja) 高輝度発光材料とその製造方法
JP4373670B2 (ja) 真空紫外線励起発光体の製造方法およびプラズマディスプレイパネルの製造方法
KR100496046B1 (ko) 실리케이트계 형광체 및 그의 제조방법
JP4023222B2 (ja) ケイ酸塩蛍光体の製造方法
JP5145625B2 (ja) 球状蛍光体の製造方法
JP2000096048A (ja) テルビウム付活珪酸イットリウム蛍光体の製造方法
KR100469214B1 (ko) 잔광 시간이 짧은 구형 녹색 형광체 및 그의 제조방법
KR100447936B1 (ko) 진공자외선 여기 녹색발광 형광체와 그 제조방법
KR100424861B1 (ko) 가수분해법을 이용한 구상의 붕소산화물계 적색형광체의제조방법
KR100419863B1 (ko) 구상의 붕소산화물계 적색 형광체의 제조방법
JP2002155276A (ja) 希土類燐酸塩蛍光体の製造方法
JP2003183645A (ja) 無機蛍光体及びその製造方法
JPH06287551A (ja) 蛍光体およびその製造方法