JP5712916B2 - イットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体及び発光装置 - Google Patents

イットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体及び発光装置 Download PDF

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Description

本発明は、発光素子が発光する光の波長を変換するイットリウムセリウムアルミニウムガーネット(以下、YAG:Ceともいう)蛍光体、及びそのYAG:Ce蛍光体を備える発光装置に関し、特に白色系の発光ダイオードに好適に用いられる粒子状のYAG:Ce蛍光体、並びに一般照明、バックライト光源、ヘッドライト光源などの照明装置に用いられる発光ダイオード等の発光装置に関する。
発光ダイオードは、現在利用可能な光源の中で最も効率的な光源の一つである。とりわけ白色発光ダイオード(白色LED:Light Emitting Diode)は、白熱電球、蛍光灯、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)バックライト、ハロゲンランプなどに代わる次世代光源として急激に市場を拡大している。
この白色LEDは青色LEDと青色光の励起により発光する蛍光体(緑色もしくは黄色蛍光体)との組み合わせにより実現できる。青色LEDとの組み合わせにより擬似白色を実現可能な蛍光体としては、Y3Al512:Ce、(Y,Gd)3(Al,Ga)512:Ce、(Y,Gd)3Al512:Ce、Tb3Al512:Ce、CaGa24:Eu、(Sr,Ca,Ba)2SiO4:Eu、Ca−α−サイアロン:Eu等が知られている。
これらのうちでY3Al512:Ce蛍光体は青色光励起時に高い発光効率を持ち、最も使用されている蛍光体の一つであり、その製造方法は公知文献(特許第3700502号公報(特許文献1))などによれば、Y,Ceの希土類元素を所定の化学量論比で酸に溶解した溶解液を蓚酸で共沈させ、沈殿物を焼成して得られる共沈酸化物と、酸化アルミニウムを混合し、この混合原料にフラックスとしてフッ素化合物(フッ素化アンモニウムやフッ化バリウムなど)を混合して坩堝に詰めて、空気中1,400℃の温度で3時間焼成した後、その焼成品をボールミルを用いて湿式粉砕して、洗浄、分離、乾燥後、最後に篩を通すことにより作製する蛍光体の製造方法が記載されている。
また、Y3Al512:Ce蛍光体については、発光色を長波長側にシフトする方法として、イットリウムの一部をガドリニウムで置換することが記載されている。
しかしながら、イットリウムの一部をガドリニウムに置換することで、室温での発光の量子効率や高温における発光特性が大きく低下してしまうという欠点があった。
特許第3700502号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、イットリウムの一部をガドリニウムに置換しなくても従来よりも発光色を長波長側にシフトできると共に高温での発光特性を大きく低下させることのないイットリウムセリウムアルミニウムガーネット(YAG:Ce)蛍光体及び発光装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために検討した結果、イットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体において、結晶粒内にマトリックス相の平均セリウム濃度よりも高濃度のセリウムを含有する平均サイズが5nm以上20nm以下のナノクリスタル(ナノ結晶粒)を分散的に存在させることによって、この蛍光体が450nm励起光で発光する発光色がxy色度座標上のx値が0.47≦x≦0.54であるイットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体が得られ、更にはこの蛍光体を450nm励起光で励起したときの80℃での発光ピーク強度が25℃での発光ピーク強度の93%以上であることを見出して本発明に至った。
即ち、本発明は上記目的を達成するため、下記のイットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体及び発光装置を提供する。
〔1〕 Ce/(Y+Ce)が4〜15モル%となるような配合比の蛍光体原料の造粒粉末をプラズマ中で高温溶融した後に、プラズマから出たところで急冷する方法により得られた結晶組織を有するイットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体であって、結晶組織のマトリックス相がYAG:Ceからなる相であり、この結晶組織のマトリックス相に、該マトリックス相よりもセリウムを高濃度で含有する粒サイズ5nm以上20nm以下のナノ結晶粒分散して含有することを特徴とするイットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体。
〔2〕 450nm励起光で励起させたときの発光色がxy色度座標上のx値で0.47以上0.54以下であることを特徴とする〔1〕に記載のイットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体。
〕 前記ナノ結晶粒のセリウム濃度が前記マトリックス相のセリウム濃度よりも1〜20質量%高いことを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載のイットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体。
〕 450nm励起光で励起したときの蛍光体温度25℃の発光スペクトルのピーク強度に対する蛍光体温度80℃の発光スペクトルのピーク強度の比率が93%以上であることを特徴とする〔1〕〜〔〕のいずれか1項に記載のイットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体。
〕 400〜470nmの発光波長を持つ光を発光する発光素子と、この発光素子からの光の少なくとも一部を波長変換する〔1〕〜〔〕のいずれか1項に記載の蛍光体とを備えたことを特徴とする発光装置。
本発明のイットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体によれば、結晶組織のマトリックス相のセリウム濃度よりもセリウムを高濃度に含有する粒サイズ5nm以上20nm以下のナノ結晶粒を結晶組織内に分散して含有するので、従来よりも蛍光体の発光色を長波長側にシフトでき、イットリウム、セリウム、アルミニウム以外の元素を主成分として含まないので、高温においても良好な発光特性(蛍光特性)を維持することができる。
YAG:Ce蛍光体のセリウム濃度と色度xの関係を示す図である。 実施例1のYAG:Ce蛍光体の結晶組織を示すTEM像であり、(a)は蛍光体の一部の組織写真、(b)はその中の一結晶粒を拡大した組織写真である。 実施例1の結晶組織におけるTEM−EDXの分析位置(1)を示すTEM像である。 実施例1の結晶組織におけるTEM−EDXの分析位置(2)を示すTEM像である。 実施例1の結晶組織におけるTEM−EDXの分析位置(3)を示すTEM像である。 比較例1のYAG:Ce蛍光体の結晶組織を示すTEM像であり、(a)は蛍光体の一部の組織写真、(b)はその中の一結晶粒を拡大した組織写真である。
イットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体(イットリウムの一部をガドリニウムで置換したものを含む。以下、YAG:Ce蛍光体という)は高い化学的安定性、高い量子効率、人間の視感度とのマッチングのよさによる高い発光効率等の長所を持ち、白色LED用蛍光体として最も使用されている蛍光体の一つである。YAG:Ce蛍光体を用いる白色LEDの多くは擬似白色LEDと呼ばれ、ほとんどのものに青色LEDと黄色系の発光を示すYAG:Ce蛍光体が使われている。
この擬似白色LEDは目的、用途によって様々な色温度の発光色が使い分けられているが、LEDの色温度を変化させる手段として、YAG:Ce蛍光体の発光色を変化させる方法が一般的である。更に、YAG:Ce蛍光体の発光色を変化させる方法としてはYAG:Ce蛍光体中のイットリウムの一部をガドリニウムで置換することで蛍光スペクトルの色度を変化させる方法が一般的である。
即ち、YAG:Ce蛍光体では、蛍光体中に含まれる賦活剤であるセリウムの濃度が高くなるにつれて、xy色度座標上のx値が大きくなる。しかし、特許文献1に記載の方法ではセリウムのイオン半径がイットリウムのイオン半径よりも大きいことに起因して、ある一定濃度以上のセリウムを含有させることが困難である(参考値:イオン半径としてY3+;0.893Å、Ce3+;1.034Å)。そのため、高いx値を持つYAG:Ce蛍光体を得るにはイットリウムの一部をガドリニウムで置換することが行われている。
しかしながら、イットリウムの一部をガドリニウムで置換することで得られた高いx値を持つYAG:Ce蛍光体はガドリニウムの置換割合が大きくなるに従って蛍光体の室温付近での発光効率が低下し、高温での発光強度の低下も著しくなる。蛍光体の発光効率の低下は白色LEDの発光効率を下げることになり、また高温での発光強度の低下はLEDチップ温度、環境温度等によってLED照明装置から発光する光の色が変わってしまうことになるため、蛍光体の特性として好ましくない。
本発明者らは、イットリウムの一部をガドリニウムで置換したYAG:Ce蛍光体並みに発光色の長波長側へのシフトを維持しつつ、イットリウムの一部をガドリニウムで置換したYAG:Ce蛍光体において発生する高温での発光特性の低下を改善するために鋭意検討を行い、本発明を成すに至った。即ち、本発明は、YAG:Ce蛍光体の結晶組織内にマトリックス相のセリウム濃度よりも高濃度のセリウムを含有する平均サイズが5nm以上20nm以下のナノ結晶粒を分散的に存在させる構造を持たせることにより、その改善を図るものである。このような構造を持つ蛍光体では、従来イットリウムの一部をガドリニウムで置換したYAG:Ce蛍光体で得ていた色度x値をガドリニウムを含有させずに達成することができる。更に、本発明のYAG:Ce蛍光体の温度(蛍光体温度)をそれぞれ25℃及び80℃に保ち、450nm励起光で励起したときの発光ピーク強度を測定したところ、蛍光体温度80℃の発光ピーク強度が蛍光体温度25℃の発光ピーク強度の93%以上という優れた温度特性を示した。
以下、本発明に係るYAG:Ce蛍光体について更に詳細に説明する。
本発明者らが実際に特許文献1に記載されている方法を用いてYAG:Ce蛍光体を製造したところ、ガドリニウムを含有しないYAG:Ce蛍光体で450nm励起光で励起したとき、x値が0.47以上の発光色を出すことは困難であり、x値が0.47以上の発光色を持つYAG:Ce蛍光体を製造するためには、イットリウムの一部をガドリニウムに置換しなければならなかった。
図1に、YAG:Ce蛍光体のセリウム濃度と色度変化の関係を示す。
特許文献1記載の方法で製造したYAG:Ce蛍光体(図1では固相法と表記)において、セリウム濃度、即ち全希土類元素に対するセリウムの仕込み比率(ここでは、イットリウムとセリウムの合計に対するセリウムのモル比)を変化させた場合、セリウムの仕込み比率が4モル%未満まではセリウムの仕込み比率が増えるに従ってx値は大きくなる。しかし、セリウムの仕込み比率が4モル%以上では仕込み比率を増やしてもx値は大きくならない。これは、できあがったYAG:Ce蛍光体の中にセリウムが4モル%以上含有されないことを示していると考えられる。
特許文献1に記載されている方法では賦活剤であるセリウムを一定以上の濃度含有させられないのは、この製造方法が固相法による反応であり、比較的ゆっくりした結晶成長過程を経てYAG:Ce蛍光体が生成されるため、イオン半径の大きなセリウムがYAG:Ce蛍光体の結晶組織(蛍光体の組成)の外に追い出される(排出される)傾向が強いためだと考えられる。
そこで、本発明者らはYAG:Ce蛍光体組成物を急速に溶解、凝固させることによってセリウムが蛍光体の組成外に排出される時間を与えずに粒子を形成し、これを高温で結晶成長させる方法でYAG:Ce蛍光体を得た。得られたYAG:Ce蛍光体中のx値を測定したところ、図1に示すように、原料中のセリウム仕込み比率が増加するに従って、x値が増加した。このYAG:Ce蛍光体は賦活剤であるセリウムを高い濃度で含有しており、イットリウムの一部をガドリニウムで置換させることなく、450nm励起光で励起したときにx値0.47以上0.54以下の範囲で発色するものであった。
このYAG:Ce蛍光体の結晶組織について、透過電子顕微鏡(TEM)による構造解析を行ったところ、結晶組織内にYAG:Ce結晶マトリックス(以下、マトリックス相と称する)よりも高濃度のセリウム元素を含有するナノ結晶粒を分散的に含有させていることが分かった。なお、ナノ結晶粒とは、ナノクリスタルともいわれるものであり、ナノメートルオーダーの超微細結晶である。このナノ結晶粒の粒サイズは、TEMによる結晶構造解析から測定されるものであり、例えば対象のナノ結晶粒が円周内部に収まる最小の円の径である。
また、このようなマトリックス相中に高濃度セリウムのナノ結晶粒が分散している構造は、特許文献1の方法で合成したYAG:Ce蛍光体では観察されなかった。また、本発明と同じ手法で合成したYAG:Ce蛍光体のうち、全希土類元素に対するセリウム仕込み比率が3モル%以下のYAG:Ce蛍光体でもマトリックス相内に高濃度セリウムのナノ結晶粒は観察されなかった。このことから、ナノ結晶粒がマトリックス相中で分散している構造は、セリウム仕込み比率が全希土類元素に対して4モル%以上の組成で本発明の手法で合成したときに特徴的な構造であることが分かった。即ち、YAG:Ce蛍光体においてこのような構造(結晶組織)を持たせることによって、全希土類元素に対して4モル%以上の高濃度のセリウムを含有するYAG:Ce蛍光体を合成することが可能であると考えられる。
本発明のYAG:Ce蛍光体のマトリックス相中に分散的に存在する高濃度のセリウムを含むナノ結晶粒の大きさは、その組成、特に全希土類元素に対するセリウムの含有率(仕込み比率)、その他の製造条件によっても変化し、またある程度の分布を持つが、通常5nm以上20nm以下である。ナノ結晶粒の大きさが小さすぎてはセリウムの含有量をあまり多くできない。また、ナノ結晶粒の大きさが大きすぎる場合はYAG:Ce蛍光体の結晶としての相を維持することが困難になる。
なお、高濃度セリウムのナノ結晶粒は、マトリックス相中にできるだけ均一に分布していることが好ましい。
ナノ結晶粒(分散相)とマトリックス相それぞれのセリウム濃度を透過型電子顕微鏡におけるエネルギー分散型X線解析(TEM−EDX)を用いて測定したところ、ナノ結晶粒中に含有されるセリウム濃度はマトリックス相が含有するセリウム濃度よりも高いことが分かった。YAG:Ce蛍光体の組成によってナノマトリックス相中に含有されるセリウム濃度は影響を受けるが、本発明の組成範囲においては、ナノ結晶粒はマトリックス相と比較して1.01〜3.00倍のセリウム濃度を示す。即ち、ナノ結晶粒のセリウム濃度がマトリックス相のセリウム濃度よりも1〜20質量%高かった。
ナノ結晶粒の生成する機構は明らかでないが、本発明の蛍光体の製造過程(後述)において、本来結晶性のYAG:Ce合金では含有し難い量のセリウム元素を含むアモルファス組成物の結晶化が進むにつれて、結晶組織のいたるところでマトリックス相からセリウムが排出され、結晶組織全体に点在する微小領域ごとに集まることで、結晶組織全体で分散した高濃度セリウムの合金相としてナノ結晶粒を生じるのではないかと推察される。
本発明のYAG:Ce蛍光体は、例えばつぎの組成式(1)で表される。
aCebAlcd (1)
ここで、0.04≦b/(a+b)≦0.15の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.04≦b/(a+b)≦0.10である。即ち、セリウムはイットリウムに対して4〜15モル%、好ましくは4〜10モル%の範囲で制御される。b/(a+b)が0.04未満の場合、本発明の方法をとらず、ガドリニウムを添加しない従来のYAG:Ce合成方法でもxy色度座標における同様のx値を得ることができ、0.15を超える場合はYAG:Ce蛍光体としてガーネット相を維持することが困難となるおそれがある。
なお、組成式(1)において、a+b=3、5.0≦c≦5.5、12≦d≦12.75である。
本発明のYAG:Ce蛍光体の発光色の色度はセリウムの濃度(イットリウムに対する仕込み比率)を変えることで変化させることができ、セリウムのイットリウムに対する割合が4モル%から15モル%に増えるに従って色度のx値は大きくなり、このx値、即ち450nm励起光で励起させたときの発光色がxy色度座標上のx値で0.47以上、特に0.47〜0.54の範囲である。なお、得られた蛍光体は、ガーネット相以外の相、例えばアルミナ相等を含まないものである。
本発明のYAG:Ce蛍光体の温度特性について説明する。なお、ここでいう蛍光体温度は、蛍光体近傍の雰囲気温度をその蛍光体の温度とみなすことができる。
発光色x値が0.47以上0.54以下の範囲となるよう組成調整して製造した本発明のYAG:Ce蛍光体について、波長450nmの励起光で励起したときの蛍光体温度25℃における発光スペクトルのピーク強度(P25)に対する蛍光体温度80℃における発光スペクトルのピーク強度(P80)のピーク強度比(P80/P25)を測定したところ、ピーク強度比(P80/P25)は93%以上であった。
一方、引用文献1記載の製造方法に従って、イットリウムの一部をガドリニウムで置換する方法で本発明のYAG:Ce蛍光体と同程度のx値を持つ蛍光体を製造したところ、いずれのx値の蛍光体でも同程度のx値を持つ本発明のYAG:Ce蛍光体と比較して前記ピーク強度比(P80/P25)が劣っている(小さい)ことが分かった。
今後、LEDが大型化、高出力化する場合、LEDの発熱によってより高温となり、それによる蛍光体の特性低下が問題となるが、本発明によれば、イットリウムの一部をガドリニウムで置換する従来の製造方法で得られるYAG:Ce蛍光体よりも高温での蛍光特性に優れたものを実現することができる。
次に、本発明のYAG:Ce蛍光体の製造方法について説明する。
本発明のYAG:Ce蛍光体は、前述したように蛍光体組成原料を急速に溶解、冷却することでアモルファス状態を含むYAG:Ce蛍光体組成物を製造し、これを結晶化することを特徴とする製造方法により製造される。
急冷凝固によりアモルファス状態とされるYAG:Ce蛍光体組成物は、固相法で製造されるガドリニウムを含有しないYAG:Ce蛍光体が含有できるセリウム濃度よりも高濃度でセリウムを含有することができる。なぜなら、アモルファス状態のYAG:Ce蛍光体組成物では、組成物を構成する各々の原子間隔が同組成の結晶と比較すると広がっていると考えられ、そのためイットリウムイオンよりもイオン半径の大きいセリウムイオンを多く含有していても組成物外にセリウムイオンを排出しようとする働きを持たないからである。本発明者らが検討したところによると、アモルファス状態のYAG:Ce蛍光体組成物中に、イットリウムに対する置換割合で15モル%までセリウムを含有できることを確認した。
蛍光体原料は、イットリウム、アルミニウム、セリウムの化合物を混合することで得られる。イットリウム、アルミニウム、セリウムの化合物としては、酸化物、水酸化物、有機酸塩、鉱酸塩等が挙げられるが、コスト、取り扱いの容易さを考えると、酸化物、水酸化物を使用することが好ましい。これらの原料については蛍光体各粒子の組成の均一性を得る観点から、できるだけ小さい粒子であることが好ましく、原料となる各化合物の平均粒径は1μm以下であるとよい。これらの原料の配合量を蛍光体の組成として所定のY、Al、Ceのモル比となるように調整する。例えば、原料の配合量をセリウム濃度(全希土類元素に対するセリウムの仕込み比率)が4〜15モル%になるように調整し、また、イットリウムとセリウムの合計に対してアルミニウムが5/3〜5.5/3のモル比になるように調整する。
混合された蛍光体原料は、出来上がる蛍光体の粒径を考慮して、一定範囲の大きさに造粒してもよい。例えば、混合された原料を平均粒径が5〜100μm、好ましくは10〜65μmの粒径になるように造粒する。造粒する方法としては、転動造粒、スプレードライ、乾式粉砕後の分級等、目的とする大きさになる方法であればどのような方法でもよい。また、造粒時に原料の混合状態をよくする目的で分散剤を添加することもある。更に、造粒時の粒子の結着をよくする目的でバインダーを添加することもある。その場合、造粒後にバインダーを除去するために造粒粉末について焼成処理を行う。
アモルファス状を含むYAG:Ce蛍光体組成物は、前記蛍光体原料(造粒粉末)を高温雰囲気中で溶融し、これを急冷する方法で得ることができる。詳しくは、以上のように造粒して得られた平均粒径5〜100μmの粒子をプラズマ中で高温溶融する。蛍光体原料の溶融温度は2,500℃以上、好ましくは4,000℃以上、更に好ましくは10,000℃以上がよい。冷却温度は室温付近でよいが、雰囲気としては大気、窒素雰囲気が好ましい。
溶融された粒子はプラズマを出たところで急速に冷却されて球状の粒子となる。得られる球状粒子は投入される造粒粉末の粒径にほぼ一致し、平均粒径が5〜100μmの球状粒子として回収される。回収された球状粒子は結晶性が低いか、もしくは非晶質である(アモルファス状態を含むYAG:Ce蛍光体組成物)。
次いで、アモルファス状態を含むYAG:Ce蛍光体組成物は、熱処理を行うことで容易に結晶性のYAG:Ce蛍光体とすることができる。熱処理の温度は900℃以上1,700℃以下、好ましくは1,200℃以上1,650℃以下、更に好ましくは1,400℃以上1,600℃以下である。900℃未満の温度では粒子の結晶成長が不十分なために蛍光体としての発光効率が低い場合があり、1,700℃超の温度では蛍光体同士の融着が著しくなるおそれがある。熱処理雰囲気は還元雰囲気であることが好ましく、例えばアルゴン、窒素に水素を混合した雰囲気下での処理が好ましい。
高温雰囲気での熱処理前、粒子中に含有されるセリウムは粒子内部でほぼ均一に存在しており、これを高温雰囲気での熱処理によって結晶性の高いYAG:Ce蛍光体にしても、セリウムはほぼ全量蛍光体粒子中に留まることになる。詳しくは、熱処理工程を通じて、YAG:Ce蛍光体粒子のマトリックス相中に前述したナノ結晶粒を生成させることができる。このナノ結晶粒はYAG:Ce蛍光体組織のマトリックス相中に分散的に存在する。
得られた蛍光体はX線回折装置(XRD:X−Ray Diffractometer)によりイットリウムセリウムアルミニウムガーネットであることが確認できる。
本発明のYAG:Ce蛍光体は、発光装置(発光ダイオード)に用いられる発光素子からの光を波長変更するために用いる蛍光体、特に暖色系の白色LED用蛍光体として好適であり、本発明のYAG:Ce蛍光体の粒子は、発光装置(発光ダイオード)、これを用いた照明装置、バックライト光源等に好適に使用できる。
即ち、本発明の発光装置は、上記YAG:Ce蛍光体と、400〜470nmの発光波長を持つ光を発光する発光素子とを備えたもので、この発光素子が発光する光の少なくとも一部を上記YAG:Ce蛍光体により波長変換(例えば、白色光に変換)するもので、このように本発明の蛍光粒子は、発光ダイオードに用いられる発光素子からの光を波長変換するために用いる蛍光体として好適であり、本発明の蛍光粒子は、発光ダイオード、これを用いた照明装置、バックライト光源などに好適に使用できる。この蛍光体で青色LEDの発光の一部を波長変換することで、従来のイットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体では得られなかった暖色系の白色LEDを製造できる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
純度99.9質量%、平均粒径1.0μmの酸化イットリウム粉末と、純度99.0質量%、平均粒径0.5μmの酸化アルミニウム粉末と、純度99.9質量%、平均粒径0.2μmの酸化セリウム粒子とを、各々2.88:5.00:0.12の含有比率(Y、Al、Ceのモル比)で混合し、1,000gの混合粉を得た。得られた混合粉を脱イオン水1,500g、ポリアクリル酸アンモニウム10g、カルボキシメチルセルロース2gと共にボールミルで6時間混合した。得られたスラリーから、2流体ノズルを用いて造粒し、平均粒径15μmの粒子を得た。次に、得られた粒子を1,000℃、2時間、大気中で熱処理し、有機成分を除去した(混合粒子)。
更に、高周波誘導熱プラズマ装置を用いて、得られた混合粒子をアルゴンプラズマ中を通すことにより、溶融、凝固させて球状の粒子を得た。この球状粒子をX線回折装置(XRD:X−Ray Diffractometer)で定性分析したところ、アモルファス状態の複合物であった。
次いで、得られた球状粒子を1vol%水素を含有するアルゴンガス中で1,350℃、5時間の加熱処理を行い、蛍光体粒子を得た。
図2に、この蛍光体粒子の結晶組織を透過型電子顕微鏡(日立製作所製、型式H9000NAR)でTEM観察した結果を示す。
蛍光体粒子の結晶組織は、結晶粒が集合した組織となっており(図2(a))、それぞれの結晶粒の結晶組織(マトリックス相)中に大きさ(粒サイズ)が5〜10nmの結晶の配列が周囲(マトリックス相)とは異なるナノ結晶粒が分散的に観察された(図2(b))。
また、この結晶組織について、図3〜図5に示すようにTEM像の異なる3視野においてスポット(ビーム径約10nm)でエネルギー分散型X線分析(EDX)によりセリウム含有量を測定した。その結果、図3に示すスポット1(マトリックス部)では6.3質量%であり、スポット2(ナノ結晶粒部)では8.1質量%であった。また、図4に示すスポット3(ナノ結晶粒部)では9.3質量%であった。また、図5に示すスポット4(マトリックス部)では5.8質量%であり、スポット5(ナノ結晶粒部)では12.2質量%であった。
また、この蛍光体粒子を450nm励起光(波長450nmにピークを有する光)で発光させたときの色度を測定したところ(色度測定装置、大塚電子社製、型式QE1100)、xy色度座標で、x=0.474であった。
また、この蛍光体の温度を加熱により25℃と80℃に変化させ、それぞれの蛍光体温度において450nm励起光で発光させたときの蛍光体の発光スペクトルを測定し(発光スペクトル測定装置、日本分光社製、型式FP6500)、両者の発光スペクトルのピーク強度を比較したところ、蛍光体温度25℃でのピーク強度を100としたときの蛍光体温度80℃のピーク強度は97.5であった。
[実施例2]
純度99.9質量%、平均粒径1.0μmの酸化イットリウム粉末と、純度99.0質量%、平均粒径0.5μmの酸化アルミニウム粉末と、純度99.9質量%、平均粒径0.2μmの酸化セリウム粒子とを、各々2.79:5.50:0.21の含有比率(Y、Al、Ceのモル比)で混合し、1,000gの混合粉を得た。得られた混合粉を脱イオン水1,500g、ポリアクリル酸アンモニウム10g、カルボキシメチルセルロース2gと共にボールミルで6時間混合した。得られたスラリーから、スプレードライヤーを用いて造粒し、平均粒径20μmの粒子を得た。次に、得られた粒子を1,500℃、2時間、大気中で熱処理し、有機成分を除去した(混合粒子)。
更に、高周波誘導熱プラズマ装置を用いて、得られた混合粒子をアルゴンプラズマ中を通すことにより、溶融、凝固させて球状の粒子を得た。この球状粒子をXRDで定性分析したところ、アモルファス状態の複合物であった。
次いで、得られた球状粒子を1vol%水素を含有するアルゴンガス中で1,500℃、4時間の加熱処理を行い、蛍光体粒子を得た。
この蛍光体粒子の結晶組織をTEM観察したところ、結晶組織(マトリックス相)中にナノ結晶粒が分散的に観察された。また、このナノ結晶粒の大きさ(粒サイズ)は5〜10nmであった。
また、この蛍光体粒子を450nm励起光で発光させたときの色度を測定したところ(色度測定装置、大塚電子社製、型式QE1100)、xy色度座標で、x=0.501であった。
また、この蛍光体の温度を加熱により25℃と80℃に変化させ、実施例1と同様に、それぞれの蛍光体温度において450nm励起光で発光させたときの蛍光体の発光スペクトルを測定し、両者の発光スペクトルのピーク強度を比較したところ、蛍光体温度25℃でのピーク強度を100としたときの蛍光体温度80℃のピーク強度は93.7であった。
[実施例3]
純度99.9質量%の硝酸イットリウムと、純度99.0質量%の硝酸アルミニウムと、純度99.9質量%の硝酸セリウムとを、各々2.85:5.30:0.15の含有比率(Y、Al、Ceのモル比)で混合し、0.25モル/Lの溶液を10L得た。この溶液に0.5モル/Lのアンモニウム水20Lをゆっくりと添加して約2kgの混合水酸化物を得た。
得られた混合水酸化物を脱イオン水5,000g、ポリアクリル酸アンモニウム30g、カルボキシメチルセルロース50gと共にボールミルで6時間混合した。得られたスラリーから、スプレードライヤーを用いて造粒し、平均粒径20μmの粒子を得た。次に、得られた粒子を1,500℃、2時間、大気中で熱処理し、有機成分を除去した(混合粒子)。
更に、高周波誘導熱プラズマ装置を用いて、得られた混合粒子をアルゴンプラズマ中を通すことにより、溶融、凝固させて球状の粒子を得た。この球状粒子をXRDで定性分析したところ、アモルファス状態の複合物であった。
次いで、得られた球状粒子を1vol%水素を含有するアルゴンガス中で1,500℃、4時間の加熱処理を行い、蛍光体粒子を得た。
この蛍光体粒子の結晶組織をTEM観察したところ、結晶組織(マトリックス相)中にナノ結晶粒が分散的に観察された。また、このナノ結晶粒の大きさ(粒サイズ)は5〜10nmであった。
また、この蛍光体粒子を450nm励起光で発光させたときの色度を測定したところ(色度測定装置、大塚電子社製、型式QE1100)、xy色度座標で、x=0.485であった。
また、この蛍光体の温度を加熱により25℃と80℃に変化させ、実施例1と同様に、それぞれの蛍光体温度において450nm励起光で発光させたときの蛍光体の発光スペクトルを測定し、両者の発光スペクトルのピーク強度を比較したところ、蛍光体温度25℃でのピーク強度を100としたときの蛍光体温度80℃のピーク強度は96.5であった。
[比較例1]
純度99.9質量%、平均粒径1.0μmの酸化イットリウム粉末と、純度99.0質量%、平均粒径3.0μmの酸化アルミニウム粉末と、純度99.9質量%、平均粒径0.2μmの酸化セリウム粉末とを、各々2.85:5.00:0.15の含有比率(Y、Al、Ceのモル比)で混合し、1,000gの混合粉を得た。得られた混合粉に、更にフラックスとしてフッ化バリウム200g添加して十分に混合し、アルミナ坩堝に充填して、水素2vol%、アルゴン98vol%ガス雰囲気中、1,400℃で4時間熱処理した。得られた焼成体を、水洗、分離、乾燥して、蛍光体粒子を得た。
この蛍光粉体を電子顕微鏡で観察したところ、結晶面が観察されるような多面体形状であった。
この蛍光体粒子の結晶組織をTEM観察したところ、図6に示すように、結晶組織中にナノ結晶粒は観察されなかった。
また、この蛍光体粒子を450nm励起光で発光させたときの色度を測定したところ、xy色度座標で、x=0.460であり、実施例1と同組成の原料比率であるにも拘らず、x値は低かった。
[比較例2]
純度99.9質量%、平均粒径1.0μmの酸化イットリウム粉末と、純度99.9質量%、平均粒径1.0μmの酸化ガドリニウム粉末と、純度99.0質量%、平均粒径3.0μmの酸化アルミニウム粉末と、純度99.9質量%、平均粒径0.2μmの酸化セリウム粉末とを、各々2.058:0.882:5.00:0.06の含有比率(Y、Gd、Al、Ceのモル比)で混合し、1,000gの混合粉を得た。得られた混合粉に、更にフラックスとしてフッ化バリウム200g添加して十分に混合し、アルミナ坩堝に充填して、水素2vol%、アルゴン98vol%ガス雰囲気中、1,400℃で4時間熱処理した。得られた焼成体を、水洗、分離、乾燥して、蛍光体粒子を得た。
この蛍光粉体を電子顕微鏡で観察したところ、結晶面が観察されるような多面体形状であった。
この蛍光体粒子の結晶組織をTEM観察したところ、結晶組織中にナノ結晶粒は観察されなかった。
また、この蛍光体粒子を450nm励起光で発光させたときの色度を測定したところ、xy色度座標で、x=0.477と実施例1とほぼ同じ色度を示した。
また、この蛍光体の温度を加熱により25℃と80℃に変化させ、実施例1と同様に、それぞれの蛍光体温度において450nm励起光で発光させたときの蛍光体の発光スペクトルを測定し、両者の発光スペクトルのピーク強度を比較したところ、蛍光体温度25℃でのピーク強度を100としたときの蛍光体温度80℃のピーク強度は91.4であった。
[比較例3]
純度99.9質量%、平均粒径1.0μmの酸化イットリウム粉末と、純度99.9質量%、平均粒径1.0μmの酸化ガドリニウム粉末と、純度99.0質量%、平均粒径3.0μmの酸化アルミニウム粉末と、純度99.9質量%、平均粒径0.2μmの酸化セリウム粉末とを、各々2.058:0.882:5.00:0.12の含有比率(Y、Gd、Al、Ceのモル比)で混合し、1,000gの混合粉を得た。得られた混合粉に、更にフラックスとしてフッ化バリウム200g添加して十分に混合し、アルミナ坩堝に充填して、水素2vol%、アルゴン98vol%ガス雰囲気中、1,400℃で4時間熱処理した。得られた焼成体を、水洗、分離、乾燥して、蛍光体粒子を得た。
この蛍光粉体を電子顕微鏡で観察したところ、結晶面が観察されるような多面体形状であった。
この蛍光体粒子の結晶組織をTEM観察したところ、結晶組織中にナノ結晶粒は観察されなかった。
また、この蛍光体粒子を450nm励起光で発光させたときの色度を測定したところ、xy色度座標で、x=0.500と実施例2とほぼ同じ色度を示した。
また、この蛍光体の温度を加熱により25℃と80℃に変化させ、実施例1と同様に、それぞれの蛍光体温度において450nm励起光で発光させたときの蛍光体の発光スペクトルを測定し、両者の発光スペクトルのピーク強度を比較したところ、蛍光体温度25℃でのピーク強度を100としたときの蛍光体温度80℃のピーク強度は90.3であった。

Claims (5)

  1. Ce/(Y+Ce)が4〜15モル%となるような配合比の蛍光体原料の造粒粉末をプラズマ中で高温溶融した後に、プラズマから出たところで急冷する方法により得られた結晶組織を有するイットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体であって、結晶組織のマトリックス相がYAG:Ceからなる相であり、この結晶組織のマトリックス相に、該マトリックス相よりもセリウムを高濃度で含有する粒サイズ5nm以上20nm以下のナノ結晶粒分散して含有することを特徴とするイットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体。
  2. 450nm励起光で励起させたときの発光色がxy色度座標上のx値で0.47以上0.54以下であることを特徴とする請求項1に記載のイットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体。
  3. 前記ナノ結晶粒のセリウム濃度が前記マトリックス相のセリウム濃度よりも1〜20質量%高いことを特徴とする請求項1又は2に記載のイットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体。
  4. 450nm励起光で励起したときの蛍光体温度25℃の発光スペクトルのピーク強度に対する蛍光体温度80℃の発光スペクトルのピーク強度の比率が93%以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のイットリウムセリウムアルミニウムガーネット蛍光体。
  5. 400〜470nmの発光波長を持つ光を発光する発光素子と、この発光素子からの光の少なくとも一部を波長変換する請求項1〜のいずれか1項に記載の蛍光体とを備えたことを特徴とする発光装置。
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