JP2004217045A - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源電圧が舵角センサや車速センサの最低安定動作電圧未満に低下しても動作不安定な状態に陥らないパワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】マイクロコンピュータ51は、バッテリ電圧が舵角センサ6および車速センサ7の最低安定動作電圧以上であれば、予め用意された複数の舵角速度−目標回転速度特性の中から、車速センサ7によって検出された車速に応じた舵角速度−目標回転速度特性を選択し、その選択した舵角速度−目標回転速度特性に従って、舵角センサ6の出力信号に基づいて演算した舵角速度に応じた電動モータ29の目標回転速度を設定する。一方、バッテリ電圧が舵角センサ6および車速センサ7の最低安定動作電圧未満であれば、マイクロコンピュータ51は、舵角速度および車速をそれぞれ中間的な固定値として、それらの値に応じた電動モータ29の目標回転速度を設定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ステアリング操作を補助するパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、ステアリング機構に結合されたパワーシリンダにオイルポンプから作動油を供給することによって、ステアリング操作の補助を行うパワーステアリング装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
オイルポンプは、電動モータによって駆動され、その電動モータの回転速度に応じた流量の作動油を送出する。また、ステアリング軸には、ステアリングホイールに加えられた操舵トルクの方向および大きさに応じてねじれを生じるトーションバーと、このトーションバーのねじれの方向および大きさに応じて開度が変化する油圧制御弁とが組み込まれている。油圧制御弁は、オイルポンプとパワーシリンダとの間の油圧系統に介装されていて、この油圧制御弁の開度およびオイルポンプからの作動油の流量に応じた操舵補助力がパワーシリンダから発生される。
【0003】
電動モータの駆動制御は、たとえば、ステアリングホイールの舵角速度および車速に基づいて行われる。すなわち、ステアリングホイールに関連して設けられた舵角センサの出力信号に基づいて舵角速度が求められるとともに、車速センサによって車速が検出される。そして、舵角速度および車速に基づいて、電動モータの目標回転速度が設定され、その目標回転速度が達成されるように、電動モータに駆動電圧が供給される。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−228264号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
定格出力電圧が約13.5ボルトのバッテリを搭載した車両に適用されるパワーステアリング装置では、電動モータは、その車載バッテリの発生電圧(バッテリ電圧)が約6.5ボルト以上で正常に動作するように設計されている。これに対し、舵角センサおよび車速センサは、バッテリ電圧が約9V未満に低下すると動作が不安定になる。このため、バッテリ電圧が6.5〜9Vに低下した状態では、舵角センサおよび車速センサからの異常な出力信号に基づいて電動モータの駆動制御が行われ、その結果、パワーステアリング装置の動作が不安定になるおそれがある。
【0006】
そこで、この発明の目的は、電源電圧が舵角センサや車速センサの最低安定動作電圧未満に低下しても動作不安定な状態に陥らないパワーステアリング装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、電源(3)からの電圧供給を受けて、ステアリング機構(1)に操舵補助力を与えるために駆動される電動モータ(29)と、上記電源からの電圧供給を受けて、上記電動モータの駆動制御のための情報を検出する情報検出手段(6,7)と、上記電源の発生電圧を検出する電源電圧検出手段(52)と、この電源電圧検出手段の検出電圧が上記情報検出手段の最低安定動作電圧以上であるときには、上記情報検出手段によって検出される情報に基づいて上記電動モータを制御し、上記電源電圧検出手段の検出電圧が上記情報検出手段の最低安定動作電圧未満であるときには、上記情報検出手段によって検出される情報に依存せずに上記電動モータを駆動制御するモータ制御手段(51)とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置である。上記電動モータは、上記情報検出手段の最低安定動作電圧よりも低い電圧で安定した駆動を実現できる構成である。
【0008】
括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
上記の構成によれば、電源の発生電圧(電源電圧)が情報検出手段の最低安定動作電圧未満に低下した状態では、情報検出手段が検出する情報に依存しない電動モータの駆動制御が行われる。よって、電源電圧が情報検出手段の最低安定動作電圧未満に低下し、電圧不足のために情報検出手段が動作不安定な状態になっても、電動モータが不安定な駆動状態に陥ることがない。
【0009】
請求項2記載の発明は、電源(3)からの電圧供給を受けて、ステアリング機構に操舵補助力を与えるために駆動される電動モータ(29)と、上記電源からの電圧供給を受けて、上記電動モータの駆動制御のための情報を検出する情報検出手段(6,7)と、上記電源の発生電圧を検出する電源電圧検出手段(52)と、この電源電圧検出手段の検出電圧が上記情報検出手段の最低安定動作電圧以上であるときに、上記情報検出手段の異常を検出する電圧正常時異常検出手段(51,T4)と、上記電源電圧検出手段の検出電圧が上記情報検出手段の最低安定動作電圧未満であるときに、上記情報検出手段の異常を検出する電圧低下時異常検出手段(51,T10)と、上記電圧正常時異常検出手段および電圧低下時異常検出手段が異常を検出していないときには、上記情報検出手段によって検出される情報に基づいて上記電動モータを制御し、上記電圧正常時異常検出手段または電圧低下時異常検出手段が異常を検出しているときには、上記情報検出手段によって検出される情報に依存せずに上記電動モータを駆動制御するモータ制御手段(51,T6,T9)とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置である。上記電動モータは、上記情報検出手段の最低安定動作電圧よりも低い電圧で安定した駆動を実現できる構成である。
【0010】
この構成によれば、電源の発生電圧(電源電圧)が情報検出手段の最低安定動作電圧未満に低下した状態であって、かつ、電圧低下時異常検出手段が情報検出手段の異常を検出しているときには、情報検出手段が検出する情報に依存しない電動モータの駆動制御が行われる。よって、電動モータが不安定な駆動状態に陥ることがない。
上記パワーステアリング装置(請求項1または2に記載のパワーステアリング装置)は、電動モータにより駆動されるポンプ(27)の発生油圧によって操舵補助力を発生させる電動油圧ポンプ式のパワーステアリング装置であってもよいし、電動モータの発生トルクを操舵補助力とする電動パワーステアリング装置であってもよい。
【0011】
上記パワーステアリング装置が電動油圧ポンプ式のパワーステアリング装置である場合、上記情報検出手段は、上記ステアリング機構の舵角を検出する舵角センサ(6)と、当該パワーステアリング装置が搭載される車両の車速を検出する車速センサ(7)とを含むものであることが好ましく、さらには、上記モータ制御手段は、舵角の時間微分値に相当する舵角速度および車速をそれぞれ中間的な固定値として、それらの値に基づいて電動モータを駆動制御することにより、上記情報検出手段によって検出される情報に依存しない上記電動モータの駆動制御を達成するものであることが好ましい。これにより、低速走行時および高速走行時のいずれにおいても、応答性および安定性が適当なバランスで満たされた操舵補助を実現することができる。
【0012】
また、上記パワーステアリング装置が電動パワーステアリング装置である場合には、上記情報検出手段は、上記ステアリング機構に入力された操舵トルクを検出するトルクセンサと、当該パワーステアリング装置が搭載される車両の車速を検出する車速センサとを含むものであることが好ましく、さらには、上記モータ制御手段は、操舵トルクおよび車速をそれぞれ中間的な固定値として、それらの値に基づいて電動モータを駆動制御することにより、上記情報検出手段によって検出される情報に依存しない上記電動モータの駆動制御を達成するものであることが好ましい。これにより、低速走行時および高速走行時のいずれにおいても、応答性および安定性が適当なバランスで満たされた操舵補助を実現することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係るパワーステアリング装置の基本的な構成を示す概念図である。このパワーステアリング装置は、車両のステアリング機構1に関連して設けられ、このステアリング機構1に操舵補助力を与えるためのものである。
【0014】
ステアリング機構1は、運転者によって操作されるステアリングホイール11と、このステアリングホイール11に連結されたステアリング軸12と、ステアリング軸12の先端部に設けられたピニオンギヤ13と、車両の左右方向に延びたラック軸14とを備えている。ラック軸14には、ラックギヤ部14aが形成されていて、このラックギヤ部14aにピニオンギヤ13が噛合している。ラック軸14の両端には、タイロッド15がそれぞれ結合されており、このタイロッド15は、それぞれ、操舵輪としての前左輪FLおよび前右輪FRを支持するナックルアーム16に結合されている。ナックルアーム16は、キングピン17まわりに回動自在に設けられている。
【0015】
この構成により、ステアリングホイール11が操作されてステアリング軸12が回転されると、この回転がピニオンギヤ13およびラック軸14によって車両の左右方向に沿う直線運動に変換される。この直線運動は、ナックルアーム16のキングピン17まわりの回動に変換されて、前左輪FLおよび前右輪FRの転舵が達成される。
ステアリング軸12には、ステアリングホイール11に加えられた操舵トルクの方向および大きさに応じてねじれを生じるトーションバー21と、このトーションバー21のねじれの方向および大きさに応じて開度が変化する油圧制御弁22とが組み込まれている。油圧制御弁22は、ステアリング機構1に操舵補助力を与えるパワーシリンダ23に接続されている。パワーシリンダ23は、ラック軸14に一体的に設けられたピストン231と、ピストン231によって区画された一対のシリンダ室232,233とを有しており、シリンダ室232,233は、それぞれ、オイル供給/帰還路24,25を介して、油圧制御弁22に接続されている。
【0016】
また、油圧制御弁22は、リザーバタンク26およびオイルポンプ27を通るオイル循環路28の途中部に介装されている。オイルポンプ27は、電動モータ29によって駆動され、リザーバタンク26に貯留されている作動油を汲み出して油圧制御弁22に供給する。
ステアリングホイール11が左方向Lへ回転操作されると、トーションバー21にねじれが生じ、オイル供給/帰還路25を介して、油圧制御弁22からパワーシリンダ23のシリンダ室233に作動油が供給される。すると、シリンダ室232,233間に油圧差が生じ、この油圧差によって、パワーシリンダ23のピストン231が左方向へ移動する。これにより、ラック軸14に左方向の操舵補助力が作用することになる。逆に、ステアリングホイール11が右方向Rへ回転操作されたときには、オイル供給/帰還路24を介して、油圧制御弁22からパワーシリンダ23のシリンダ室232に作動油が供給される。そして、シリンダ室232,233間に生じる油圧差によって、パワーシリンダ23のピストン231が右方向へ移動し、ラック軸14に右方向の操舵補助力が作用する。オイルポンプ27から油圧制御弁22に供給された作動油のうち、余剰分の作動油は、油圧制御弁22からオイル循環路28を介してリザーバタンク26に帰還される。また、トーションバー21にねじれがほとんど加わっていない状態では、油圧制御弁22は、いわば平衡状態となり、作動油は、パワーシリンダ23に供給されることなく、オイル循環路28を循環する。
【0017】
電動モータ29の駆動電圧は、電源としての車載バッテリ3(電源)に接続された駆動回路4から供給される。たとえば、電動モータ29が3相DCブラシレスモータである場合、駆動回路4は、2個のパワー素子の直列回路を車載バッテリ3とアースとの間に3つ並列に接続したブリッジ回路からなる。駆動回路4の各パワー素子は、電子制御ユニット5から与えられる制御信号に応じてオン/オフし、そのパワー素子のオン/オフに応じた駆動電圧が、駆動回路4から電動モータ29に供給される。
【0018】
電子制御ユニット5は、車載バッテリ3からの電力供給を受けて動作するマイクロコンピュータ51を備えている。マイクロコンピュータ51は、CPU、CPUのワークエリアなどを提供するRAM、およびCPUの動作プログラムなどを記録したROMなどを含む。また、電子制御ユニット5は、車載バッテリ3の発生電圧(バッテリ電圧)を検出するバッテリ電圧検出回路52を備えている。電子制御ユニット5には、舵角センサ6(情報検出手段)、車速センサ7(情報検出手段)およびモータ角センサ8の出力信号が与えられるようになっている。舵角センサ6は、たとえば、ステアリング軸12に関連して設けられていて、そのステアリング軸12(ステアリングホイール11)が一定角度回転する度にパルス信号を出力する。また、車速センサ7は、一定周期で車速を検出し、その検出した車速に応じた信号を出力する。モータ角センサ8は、たとえば、電動モータ29のロータが一定角度回転する度にパルス信号を出力するものであってもよいし、ロータの回転位置に応じた信号を出力するものであってもよい。
【0019】
マイクロコンピュータ51は、舵角センサ6から与えられる信号に基づいて、単位時間あたりの舵角変化量に相当する舵角速度を演算する。また、モータ角センサ8から与えられる信号に基づいて、電動モータ29の単位時間あたりの回転数(回転角)であるモータ回転速度を演算する。そして、マイクロコンピュータ51は、バッテリ電圧検出回路52で検出されたバッテリ電圧、舵角センサ6の出力信号に基づいて演算した舵角速度、および車速センサ7によって検出された車速に基づいて、電動モータ29の目標回転速度を設定し、その設定した目標回転速度とモータ角センサ8の出力信号に基づいて演算したモータ回転速度との偏差に応じた制御信号を生成する。この制御信号が駆動回路4に与えられて、駆動回路4の各パワー素子がオン/オフし、そのパワー素子のオン/オフに応じた駆動電圧が駆動回路4から電動モータ29に供給されることにより、電動モータ29が目標回転速度で駆動される。
【0020】
図2は、マイクロコンピュータ51による目標回転速度の設定処理について説明するためのフローチャートである。マイクロコンピュータ51は、まず、バッテリ電圧検出回路52で検出されたバッテリ電圧が舵角センサ6および車速センサ7の最低安定動作電圧(この実施形態では9ボルト)未満であるか否かを判断する(ステップS1)。
バッテリ電圧が舵角センサ6および車速センサ7の最低安定動作電圧未満でない場合、つまりバッテリ電圧が舵角センサ6および車速センサ7の最低安定動作電圧以上であれば(ステップS1のNO)、たとえば、予め用意された複数の舵角速度−目標回転速度特性の中から、車速センサ7によって検出された車速に応じた舵角速度−目標回転速度特性を選択し、その選択した舵角速度−目標回転速度特性に従って、舵角センサ6の出力信号に基づいて演算した舵角速度に応じた目標回転速度を設定する(ステップS2)。
【0021】
舵角速度−目標回転速度特性は、図3に示すように、舵角速度が0から予め定められたしきい値SVまでの範囲で、目標回転速度が下限値R1と上限値R2との間で単調に増加(この実施形態ではリニアに増加)するように定められている。これにより、素速いステアリング操作に対しては、目標回転速度が大きな値に設定され、良好な応答性でパワーシリンダ23から操舵補助力が発生される。また、舵角速度−目標回転速度特性は、車速が大きいほど舵角速度に対する目標回転速度の増加の割合が小さくなるように定められている。これにより、車速が大きいほど目標回転速度は小さな値に設定されるので、低速走行時には、良好な応答性で操舵補助力を発生させることができる一方、高速走行時には、過剰な操舵補助による車両のふらつきなどを抑制することができる。
【0022】
一方、バッテリ電圧が舵角センサ6および車速センサ7の最低安定動作電圧未満であれば(ステップS1のYES)、マイクロコンピュータ51は、舵角速度および車速をそれぞれの変動範囲内の中間的な固定値として、それらの値に応じた目標回転速度を設定する(ステップS3)。この実施形態では、舵角速度を200deg/sとし、車速を80km/hとして、目標回転速度を舵角速度200deg/sおよび車速80km/hに応じた値Rfに設定する。
【0023】
これにより、バッテリ電圧が舵角センサ6および車速センサ7の最低安定動作電圧未満に低下した状態では、舵角センサ6および車速センサ7の出力信号に基づいた電動モータ29の制御は行われず、電動モータ29が一定の目標回転速度Rfで駆動されることになる。よって、バッテリ電圧が舵角センサ6および車速センサ7の最低安定動作電圧未満に低下し、電圧不足のために舵角センサ6または車速センサ7が動作不安定な状態になっても、電動モータ29が不安定な駆動状態に陥ることがなく、低速走行時および高速走行時のいずれにおいても、ステアリングホイール11の操舵に対する応答性および安定性が適当なバランスで満たされた操舵補助を実現することができる。
【0024】
図4は、この発明の他の実施形態について説明するためのフローチャートである。この実施形態に係るパワーステアリング装置は、上述の実施形態に係るパワーステアリング装置とハードウエア構成(図1参照)はほぼ同じであるが、マイクロコンピュータ51によって行われる処理(電動モータ29の駆動制御)が異なる。
この実施形態では、マイクロコンピュータ51は、まず、電圧低下状態フェールフラグおよび電圧正常状態フェールフラグを調べる。電圧低下状態フェールフラグおよび電圧正常状態フェールフラグは、たとえば、マイクロコンピュータ51に内蔵されたEEPROMに設けられている。電圧低下状態フェールフラグおよび電圧正常状態フェールフラグの両方がクリア状態(=0)であれば(ステップT1,T2のYES)、バッテリ電圧が舵角センサ6および車速センサ7の最低安定動作電圧(この実施形態では9ボルト)未満であるか否かを判断する(ステップT3)。
【0025】
バッテリ電圧が舵角センサ6および車速センサ7の最低安定動作電圧以上であれば(ステップT3のNO)、予め定める電圧正常状態用フェール検出基準に照らして、舵角センサ6および車速センサ7に異常が生じていないかどうかを検出する(ステップT4)。
舵角センサ6は、ステアリング軸12(ステアリングホイール11)が一定角度回転する度にハイレベルおよびローレベルがそれぞれ一定のパルス信号を出力するものであるから、舵角センサ6のセンサラインから正常時に入力されるパルス信号のハイレベルよりも高い信号が入力されていれば、舵角センサ6に異常が生じていると判断することができる。また、車速センサ7は、一定周期で車速を検出し、その検出した車速に応じた信号を出力するものであるから、車速センサ7のセンサラインからハイレベルの信号が一定時間以上続けて入力されていれば、車速センサ7に異常が生じていると判断することができる。
【0026】
舵角センサ6および車速センサ7のいずれにも異常が生じていなければ(ステップT5のNO)、操舵速度および車速に基づいて、通常のモータ駆動制御を行う(ステップT6)。すなわち、マイクロコンピュータ51(電圧低下時異常検出手段、モータ制御手段)は、図3に示す複数の舵角速度−目標回転速度特性の中から、車速センサ7によって検出された車速に応じた舵角速度−目標回転速度特性を選択し、その選択したモータ制御マップに従って、舵角センサ6の出力信号に基づいて演算した舵角速度に応じた目標回転速度を設定する。そして、その目標回転速度が達成されるように、駆動回路4から電動モータ29に供給される駆動電圧を制御する。
【0027】
一方、舵角センサ6または車速センサ7の少なくとも一方の異常を検出すると(ステップT5のYES)、その異常の内容を表すフェールコードがマイクロコンピュータ51に内蔵されたEEPROMに書き込まれる(ステップT7)。また、電圧正常状態フェールフラグがオン状態にされる(ステップT8)。そして、マイクロコンピュータ51は、フェールセーフ制御を実行し、その異常なセンサから入力される信号に依存しない電動モータ29の制御を行う(ステップT9)。たとえば、舵角センサ6の異常を検出した場合には、舵角速度を中間的な固定値(たとえば、200deg/s)として、図5に示すような車速−目標回転速度特性に従って、車速に応じた目標回転速度を設定し、その目標回転速度が達成されるように、駆動回路4から電動モータ29に供給される駆動電圧を制御する。また、車速センサ7の異常を検出した場合には、車速を中間的な固定値(たとえば、80km/h)として、図3に示す複数の舵角速度−目標回転速度特性の中から、その中間的な固定値とされた車速に応じた舵角速度−目標回転速度特性を選択して、その選択したモータ制御マップに従って、舵角センサ6の出力信号に基づいて演算した舵角速度に応じた目標回転速度を設定し、その目標回転速度が達成されるように、駆動回路4から電動モータ29に供給される駆動電圧を制御する。さらに、舵角センサ6および車速センサ7の両方の異常を検出した場合には、舵角速度および車速をそれぞれ中間的な固定値として、それらの値に応じた一定の目標回転速度Rfを設定し、その目標回転速度Rfが達成されるように、駆動回路4から電動モータ29に供給される駆動電圧を制御する。
【0028】
バッテリ電圧が舵角センサ6および車速センサ7の最低安定動作電圧未満であれば(ステップT3のYES)、予め定める電圧低下状態用フェール検出基準に照らして、舵角センサ6および車速センサ7の出力信号が異常かどうかを検出する(ステップT10)。
バッテリ電圧が舵角センサ6および車速センサ7の最低安定動作電圧未満に低下している状態では、舵角センサ6および車速センサ7に異常が生じていなくても、動作が不安定になるために、舵角センサ6および車速センサ7から異常な信号が出力される蓋然性が高い。しかし、このとき舵角センサ6および車速センサ7から出力される異常信号は、舵角センサ6および車速センサ7に異常が生じた場合にマイクロコンピュータ51に入力される異常信号とは異なり、High状態の電圧値(ハイレベル信号の値)が規格値以下である。そこで、バッテリ電圧が舵角センサ6および車速センサ7の最低安定動作電圧未満に低下している状態では、出力信号のHigh状態の電圧値が規格値以下であれば、舵角センサ6および車速センサ7の出力信号は異常であると判断し、バッテリ電圧の低下に起因するフェール状態を検出することができる。
【0029】
舵角センサ6および車速センサ7のいずれの出力信号も正常であれば(ステップT11のNO)、操舵速度および車速に基づいて、通常のモータ駆動制御を行う(ステップT6)。また、舵角センサ6または車速センサ7の少なくとも一方の出力信号の異常を検出すると(ステップT11のYES)、電圧低下状態フェールフラグをオン状態にして(ステップT12)、フェールセーフ制御を実行し、その異常なセンサから入力される信号に依存しない電動モータ29の制御を行う(ステップT9)。このとき、舵角センサ6または車速センサ7の異常ではないから、マイクロコンピュータ51に内蔵されたEEPROMへのフェールコードの書込みは行われない。
【0030】
電圧正常状態フェールフラグおよび電圧低下状態フェールフラグは、一旦オン状態にされると、その後、それぞれ電圧正常状態用復帰条件および電圧低下状態用復帰条件が満たされるまでクリア状態にされない。したがって、電圧正常状態フェールフラグまたは電圧低下状態フェールフラグがオン状態にされて、その後、電圧正常状態用復帰条件または電圧低下状態用復帰条件が満たされるまでの間に再び図4の処理が行われたときには、ステップT1またはT2からステップT9へと進み、フェールセーフ制御が実行されることになる。
【0031】
なお、電圧正常状態用復帰条件と電圧低下状態用復帰条件とは異なり、たとえば、電圧正常状態フェールフラグは、車両のイグニッションキースイッチのオフ/オンを3回繰り返して、イグニッションキースイッチのオン直後の舵角センサ6および車速センサ7の出力信号が3回とも正常であればクリア状態にされるのに対し、電圧低下状態用フェール検出基準に従って検出されるフェール状態は舵角センサ6または車速センサ7の異常に起因したものでないから、電圧低下状態フェールフラグは、イグニッションキースイッチをオフからオンにして、そのオン直後の舵角センサ6および車速センサ7の出力信号が正常であれば直ちにクリア状態にされる。
【0032】
以上のように、この実施形態によれば、バッテリ電圧が舵角センサ6および車速センサ7の最低安定動作電圧未満に低下した状態では、予め定める電圧低下状態用フェール判断基準に照らして、舵角センサ6および車速センサ7の出力信号が正常であるか異常であるかが判断され、舵角センサ6および車速センサ7の出力信号が正常であれば、舵角センサ6および車速センサ7の出力信号に基づいた電動モータ29の制御(通常制御)が行われ、舵角センサ6または車速センサ7の少なくとも一方の出力信号が異常であれば、その異常な出力信号に依存しない電動モータ29の制御(フェールセーフ制御)が行われる。
【0033】
これにより、第1の実施形態と同様に、バッテリ電圧が舵角センサ6および車速センサ7の最低安定動作電圧未満に低下し、電圧不足のために舵角センサ6または車速センサ7が動作不安定な状態になっても、電動モータ29が不安定な駆動状態に陥ることがなく、低速走行時および高速走行時のいずれにおいても、ステアリングホイール11の操舵に対する応答性および安定性が適当なバランスで満たされた操舵補助を実現することができる。
【0034】
以上、この発明の2つの実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することが可能である。たとえば、この発明は、上記の各実施形態で例にとった電動油圧ポンプ式のパワーステアリング装置に限らず、操舵トルクおよび車速などに基づいて電動モータを駆動制御し、この電動モータの発生トルクを操舵補助力としてステアリング機構に与える電動パワーステアリング装置に適用することもできる。
【0035】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るパワーステアリング装置の基本的な構成を示す概念図である。
【図2】目標回転速度の設定処理について説明するためのフローチャートである。
【図3】舵角速度と目標回転速度との関係を示す特性図である。
【図4】この発明の他の実施形態について説明するためのフローチャートである。
【図5】車速と目標回転速度との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 ステアリング機構
3 車載バッテリ
5 電子制御ユニット
6 舵角センサ(情報検出手段)
7 車速センサ(情報検出手段)
27 オイルポンプ
29 電動モータ
51 マイクロコンピュータ(モータ制御手段、電圧正常時異常検出手段)
52 バッテリ電圧検出回路

Claims (2)

  1. 電源からの電圧供給を受けて、ステアリング機構に操舵補助力を与えるために駆動される電動モータと、
    上記電源からの電圧供給を受けて、上記電動モータの駆動制御のための情報を検出する情報検出手段と、
    上記電源の発生電圧を検出する電源電圧検出手段と、
    この電源電圧検出手段の検出電圧が上記情報検出手段の最低安定動作電圧以上であるときには、上記情報検出手段によって検出される情報に基づいて上記電動モータを制御し、上記電源電圧検出手段の検出電圧が上記情報検出手段の最低安定動作電圧未満であるときには、上記情報検出手段によって検出される情報に依存せずに上記電動モータを駆動制御するモータ制御手段と
    を含むことを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 電源からの電圧供給を受けて、ステアリング機構に操舵補助力を与えるために駆動される電動モータと、
    上記電源からの電圧供給を受けて、上記電動モータの駆動制御のための情報を検出する情報検出手段と、
    上記電源の発生電圧を検出する電源電圧検出手段と、
    この電源電圧検出手段の検出電圧が上記情報検出手段の最低安定動作電圧以上であるときに、上記情報検出手段の異常を検出する電圧正常時異常検出手段と、
    上記電源電圧検出手段の検出電圧が上記情報検出手段の最低安定動作電圧未満であるときに、上記情報検出手段の異常を検出する電圧低下時異常検出手段と、
    上記電圧正常時異常検出手段および電圧低下時異常検出手段が異常を検出していないときには、上記情報検出手段によって検出される情報に基づいて上記電動モータを制御し、上記電圧正常時異常検出手段または電圧低下時異常検出手段が異常を検出しているときには、上記情報検出手段によって検出される情報に依存せずに上記電動モータを駆動制御するモータ制御手段と
    を含むことを特徴とするパワーステアリング装置。
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