JP2004201474A - スイッチング電源回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】フライバックトランスの構造を簡単にし、かつ、出力電圧の検出を1次側で行うことで、スイッチング電源を安価に提供すること。
【解決手段】フライバックトランスのドライブコイルからの電圧が印加されることによって自励発振し、励磁コイルを励磁する第1スイッチング素子を、励磁コイルと直流電源間に挿入し、この励磁コイルの一方端に前記ドライブコイルを直結し、励磁コイルに出力電圧に対応した電圧を検出する出力電圧検出部を設け、この出力電圧検出部に、検出電圧と基準電圧を比較する誤差検出部を設け、この誤差検出部に、スイッチング制御部を結合してなり、誤差検出部にて検出した誤差電圧の大きさに基づいてスイッチング制御部の時定数回路を可変して第2スイッチング素子のオン、オフを制御して出力電圧が一定となるように第1スイッチング素子のオン時間を制御するようにしたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】フライバックトランスのドライブコイルからの電圧が印加されることによって自励発振し、励磁コイルを励磁する第1スイッチング素子を、励磁コイルと直流電源間に挿入し、この励磁コイルの一方端に前記ドライブコイルを直結し、励磁コイルに出力電圧に対応した電圧を検出する出力電圧検出部を設け、この出力電圧検出部に、検出電圧と基準電圧を比較する誤差検出部を設け、この誤差検出部に、スイッチング制御部を結合してなり、誤差検出部にて検出した誤差電圧の大きさに基づいてスイッチング制御部の時定数回路を可変して第2スイッチング素子のオン、オフを制御して出力電圧が一定となるように第1スイッチング素子のオン時間を制御するようにしたものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノートブック型コンピュータ、携帯電話機等に使われるACアダプタやテレビ受信機、オーディオ製品等の電源回路に用いられる自励式のスイッチング電源回路に関するもので、トランスの構造の簡素化と出力電圧検出方法の簡素化により、より安価な電源回路を提供することを目的とするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の電源として用いられてきた自励式スイッチング電源回路の構成を、図3を用いて説明する。
図3に示すようなRCCといわれるスイッチング電源回路は、1次側の励磁コイル28aとドライブコイル28c、2次側の出力コイル28bで構成されるフライバックトランス28を有する。これらのコイル28a、28b、28cは、それぞれ独立していて互いに絶縁されており、このうち励磁コイル28aとドライブコイル28cは、同極性で、出力コイル28bは、逆極性で構成される。この図3において、直流電源を接続するための+側端子11と−側端子12の間には、平滑用コンデンサ13が接続される。この+側端子11には、励磁コイル28aの一方端が接続され、励磁コイル28aの他方端には、第1スイッチング素子としてのMOS・FET14のドレインが接続され、このMOS・FET14のソースは、−側端子12に接続される。このMOS・FET14のゲートと+側端子11の間には、起動用抵抗15が接続される。前記励磁コイル28aと並列に、スイッチング電源における切り替わりの過渡状態で発生する高いスパイク電圧を防止するための抵抗24、ダイオード25、及び、コンデンサ26からなるスナバ回路27が接続されている。
また、MOS・FET14のゲートには、−側端子12との間に、第2スイッチング素子としてのバイポーラトランジスタ18が接続され、前記ドライブコイル28cの一方端との間に、コンデンサ16、抵抗17、抵抗23が直列に接続されている。
【0003】
前記トランジスタ18のベースは、コンデンサ19を介して−側端子12に接続されるとともに、ツェナーダイオード21のアノード側、カソード側を経、さらに、抵抗22を介してドライブコイル28cと抵抗23との間に接続されている。また、フォトカプラ20の受光素子20aのコレクタが抵抗17と抵抗23の間に、エミッタがトランジスタ18のベースに接続されている。
【0004】
前記出力コイル28bには、整流用ダイオード29と平滑用コンデンサ30の直列回路が接続され、この平滑用コンデンサ30の両端に負荷34が接続されている。また、負荷34と並列にツェナーダイオード31と抵抗33が接続され、この抵抗33と並列にフォトカプラ20の発光素子20bと抵抗32の直列回路が接続されている。
【0005】
このような構成において、+側端子11と−側端子12の間に直流電圧が印加されると、起動用抵抗15を介してMOS・FET14のゲートに閾値電圧以上の電圧が瞬時に印加される。すると、MOS・FET14に微小なドレイン電流が流れ、これにより、励磁コイル28aに電圧が発生し、その影響でドライブコイル28cにも電圧が発生する。ドライブコイル28cに発生した電圧は、抵抗23、抵抗17、コンデンサ16を介してMOS・FET14のゲートに加わり、これにより正帰還ループが形成されて、MOS・FET14は、図4のt1時に瞬時にON状態となる。このときのMOS・FET14のドレイン・ソース間電圧Vdsは、図4(a)に示すような波形となる。MOS・FET14がON状態となったことにより、励磁コイル28aには、+側端子11と−側端子12の間に印加した直流電圧と略同等の電圧が印加され、ドライブコイル28cには、励磁コイル28aの巻数に対する出力コイル28bの巻数比によって決まる電圧Vdが発生する。電圧Vdの波形を図4(d)に示す。
【0006】
このドライブコイル28cに発生する電圧Vdにより、抵抗23、フォトカプラ20の受光素子20aを介してコンデンサ19の充電が始まる。コンデンサ19に充電される電圧Vcは、図4(e)に示すような波形となり、この電圧Vcがt2時に、トランジスタ18のベース・エミッタ間電圧Vbeに達すると、トランジスタ18にベース電流が流れてON状態となる。トランジスタ18がON状態となると、MOS・FET14のゲート・ソース間電圧が略0Vとなるため、MOS・FET14は、瞬時にOFF状態となる。MOS・FET14がONしてからOFFするまでの期間t1〜t2に図4(b)に示すように、励磁コイル28aに電流Idが流れる。
【0007】
MOS・FET14がt2時にOFFすると同時に、2次側の出力コイル28bに正負反転した電圧が発生する。この電圧は、ダイオード29、コンデンサ30でそれぞれ整流、平滑化されて負荷34に供給される。このとき出力コイル28bに流れる電流Ioを図4(c)に示す。この電流Ioは、急激に立上り、以後徐々に0に向かって減少していき、ダイオード29がOFFするまで降下する。このダイオード29がOFFするt3時と同時に、出力コイル28bの内部にある残留磁束により、ドライブコイル28cに反転した電圧Vd(図4(d)に示す)が発生し、再びMOS・FET14をONにする。この発振動作を繰り返すことで出力電圧が得られる。
【0008】
ここで、出力電圧Voは、ツェナーダイオード31の基準電圧Rrefと比較され、出力電圧Voが基準電圧Rrefを超えると、その差分がフォトカプラ20の発光素子20bに流れる。これにより、フォトカプラ20の受光素子20aのコレクタ・エミッタ間のインピーダンスが変化するので、MOS・FET14のON期間にコンデンサ19を充電する経路にある抵抗23、フォトカプラの受光素子20a、コンデンサ19による時定数が変化する。すると、コンデンサ電圧VcがVbeに達し、トランジスタ18をONして、MOS・FET14をOFFする。この時定数の変化により、VcがVbeに達するまでの時間が変化し、これにより、MOS・FET14のON期間がコントロールされ、出力電圧Voが安定する(例えば、非特許文献1参照。)。
【0009】
【非特許文献1】
戸川治朗著「実用電源回路設計ハンドブック」CQ出版、1999年3月1日第17版発行、P.140〜147
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記図3に示す従来の自励式スイッチング電源回路10は、2次側で出力電圧Voを検出して、これを1次側にフィードバックして制御する構成をとっているため、高精度に出力電圧Voをコントロールすることができる。
しかし、図3の回路において、直流電源の+側端子11に励磁コイル28aを直結し、MOS・FET14のソースを、直流電源の−側端子12に接続しているため、ドライブコイル28cを励磁コイル28aと直結して構成することができない。このため、フライバックトランス28の1次側の励磁コイル28aとドライブコイル28cは、それぞれ独立して構成し、互いに電気的絶縁が必要であり、構造が複雑でコストが高いという問題があった。また、2次側で出力電圧Voを検出して、これを1次側にフィードバックするために用いるフォトカプラ20は、高価な部品であり、これもコストを高くする要因であった。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、フライバックトランスの構造を簡単にすることと、出力電圧の検出を1次側で行いフォトカプラを取り除くことで、コストを低減した電源回路を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1次側に励磁コイルとドライブコイルを有し、2次側に出力コイルを有するフライバックトランスと、前記ドライブコイルからの電圧が印加されることによって自励発振し、前記励磁コイルを励磁する第1スイッチング素子と、この第1スイッチング素子の発振周波数を制御するためのスイッチング制御部とを具備したスイッチング電源回路において、前記第1スイッチング素子を、前記励磁コイルと直流電源間に挿入し、前記励磁コイルの一方端に前記ドライブコイルを直結し、前記励磁コイルに、2次側の出力電圧に対応した電圧を検出する出力電圧検出部を設け、この出力電圧検出部に、この出力電圧検出部にて検出した電圧を基準電圧と比較する誤差検出部を設け、この誤差検出部に、前記スイッチング制御部を結合してなり、前記誤差検出部にて検出した誤差電圧の大きさに基づいて前記スイッチング制御部の時定数回路を可変して第2スイッチング素子のオン、オフを制御して出力電圧が一定となるように前記第1スイッチング素子のオン時間を制御するようにしたことを特徴とするスイッチング電源回路である。
【0013】
このような構成とすることで、励磁コイルとドライブコイルは直結して構成でき、絶縁する必要がないので、フライバックトランスを簡素化できる。また、出力電圧を1次側で検出するようにしたので、従来2次側からフィードバックするために用いたフォトカプラ等の高価な素子が必要なくなり、回路を安価に構成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のスイッチング電源回路は、図1に示すように、励磁コイル52a、出力コイル52b、ドライブコイル52cからなるフライバックトランス52と、直流電源の+側端子11と前記励磁コイル52aとの間に挿入された第1スイッチング素子36とを具備してなり、また、同極性である励磁コイル52aとドライブコイル52cを直結して構成するとともに、出力電圧をフライバックトランス52の1次側で検出するように出力電圧検出部を設け、この出力電圧検出部で検出した出力電圧を誤差検出部で基準電圧と比較し、その誤差の大きさに応じてスイッチング制御部で第1スイッチング素子36のON期間を制御する構成となっている。
【0015】
以下、さらに詳しい本発明のスイッチング電源回路の構成を説明する。
図1において、直流電源を接続するための+側端子11と−側端子12の間には、平滑用コンデンサ13が接続される。この+側端子11には、第1スイッチング素子36(例えばMOS・FET)のドレインが接続され、この第1スイッチング素子36のソースは、励磁コイル52aの一方端に接続され、励磁コイル52aの他方端は、−側端子12に接続される。また、励磁コイル52aの一方端側には、ドライブコイル52cの一方端が直結してあり、ドライブコイル52cの他方端は、抵抗38とコンデンサ37を介して第1スイッチング素子36のゲートに接続され、また、第1スイッチング素子36のゲートと+側端子11の間には、起動用抵抗35が接続される。
【0016】
前記第1スイッチング素子36とフライバックトランス52の間には、スイッチング制御部56、誤差検出部57及び出力電圧検出部58が順次接続されている。
前記スイッチング制御部56は、前記第1スイッチング素子36のスイッチング動作を制御するためのもので、第1スイッチング素子36のゲート、ソースには、バイポーラトランジスタなどの第2スイッチング素子39のコレクタ、エミッタがそれぞれ接続されている。この第2スイッチング素子39のベース・エミッタ間には、コンデンサ40が接続され、第2スイッチング素子39のベースとドライブコイル52cの他方端との間には、定電流素子41が接続されている。また、この定電流素子41と並列に、抵抗42とダイオード43の直列回路がダイオード43のアノード側を第2スイッチング素子39のベース側にして接続され、さらに、前記コンデンサ40と並列に、抵抗44と充電電流制御用トランジスタ45の直列回路が抵抗44を第2スイッチング素子39のベース側にして接続されている。
【0017】
前記出力電圧検出部58及び誤差検出部57の構成について説明する。
前記励磁コイル52aの両端間に整流用ダイオード51と平滑用コンデンサ50が接続され、このコンデンサ50と並列に、分圧用の抵抗48と抵抗49の直列回路が接続されて、出力電圧検出部58が構成されている。
前記誤差検出部57は、ツェナーダイオード46と誤差増幅器47からなり、前記抵抗48と抵抗49の接続点に、前記誤差増幅器47の−入力が接続されている。また、誤差増幅器47の+入力には、ツェナーダイオード46のカソード側が接続され、このツェナーダイオード46のアノード側は、励磁コイル52aの一方端に接続されている。そしてこの誤差増幅器47の出力は、前記充電電流制御用トランジスタ45のベースに接続されている。
【0018】
前記フライバックトランス52の2次側に設けた出力コイル52bには、整流用ダイオード53と平滑用コンデンサ54が接続され、このコンデンサ54と並列に負荷55が接続される。
【0019】
このような構成における作用を図2に基づき説明する。
+側端子11と−側端子12の間に直流電源が印加されると、起動用抵抗35を介して第1スイッチング素子36のゲートに電圧が印加される。この電圧は、ゲートの閾値電圧以上の電圧であるため、印加された瞬間のt1時に第1スイッチング素子36は、ON状態になり、励磁コイル52aに、図2(a)に示すような、直流電源に略等しい電圧Vsが加わる。同時に、この励磁コイル52aの電圧Vsに比例した電圧がドライブコイル52cに発生して、抵抗38、コンデンサ37を介して第1スイッチング素子36のゲートに印加される。このドライブコイル52cからのゲート電圧により、第1スイッチング素子36のON状態は維持される。また、ドライブコイル52cに発生した電圧は、定電流素子41を介してコンデンサ40にも印加され、これによりコンデンサ40の充電が開始される。図2(b)は、コンデンサ40の充電電圧Vcの波形を表している。この図2(b)に示すように、充電電圧Vcが、t2時に第2スイッチング素子39のベース・エミッタ間電圧Vbeに達すると、第2スイッチング素子39は、ONして、第1スイッチング素子36のゲート・ソース間を短絡するので、第1スイッチング素子36は、OFF状態となる。ここで、第1スイッチング素子36がONしてからOFFするまでに励磁コイル52aに流れる電流Idは、図2(c)に示すような波形となる。
【0020】
第1スイッチング素子36がt2時にOFFすると、励磁コイル52a、出力コイル52b、ドライブコイル52cは、それぞれ電圧の極性が反転し、出力コイル52bは、ダイオード53を介して出力側に図2(d)に示すような電流Ioを供給する。この間、励磁コイル52aには、図2(a)に示すようなマイナスの電圧が発生する。また、ドライブコイル52cにも同様のマイナスの電圧が発生する。このドライブコイル52cに発生したマイナスの電圧は、抵抗42、ダイオード43を介してコンデンサ40に印加され、コンデンサ40は、逆極性に充電を開始する。ここで、トランス52の1次側に蓄えられたエネルギーが2次側に放出を続け、図2(d)に示すように出力コイル52bに流れる電流Ioが徐々に減少していき、t3時に放出し切り電流が0になると、トランス52内の残留磁束により再び電圧が反転して励磁コイル52a及びドライブコイル52cにプラス方向の電圧が発生する。このドライブコイル52cに発生したプラスの電圧が再度抵抗38、コンデンサ37を介して第1スイッチング素子36のゲートに印加され、これにより第1スイッチング素子36は再びON状態となる。すると、図2(b)に示すように、コンデンサ40は再び+に向かって充電を開始する。このコンデンサ40の電圧が第2スイッチング素子39のベース・エミッタ間電圧Vbeに達するまでが、第1スイッチング素子36のON期間である。このように、自動的にON・OFFを繰り返しながら、出力コイル52bより負荷55に電力を供給する。
【0021】
次に、出力電圧のコントロール方法について説明する。負荷55にかかる出力電圧Voは、出力コイル52bの電圧をダイオード53とコンデンサ54を用いて整流平滑化したものであり、従来はこの2次側の出力電圧Voを直接検出してフォトカプラ等を用いて1次側にフィードバックして出力電圧のコントロールを行っていた。
これに対して本発明は、1次側の励磁コイル52aの電圧をダイオード51とコンデンサ50を用いて整流平滑化した電圧が出力電圧Voに比例することを利用して出力電圧のコントロールを行っている。
【0022】
コンデンサ50には、励磁コイル52aの電圧を整流平滑化した電圧が発生する。このコンデンサ50に発生した電圧は、2次側の出力電圧Voに略比例しており、この電圧を抵抗48と抵抗49を用いて分圧し、この分圧した電圧は、誤差増幅器47によってツェナーダイオード46の基準電圧と比較され、その差分が増幅されて充電電流制御用トランジスタ45のベースに入力される。この充電電流制御用トランジスタ45は、ベースへの入力の大きさによってインピーダンスがリニアに変化するものであり、このインピーダンスの大きさによって、コンデンサ40の充電速度が変化する。
【0023】
例えば、出力電圧Voが設定値より低い場合には、ツェナーダイオード46の基準電圧に比べて抵抗48と抵抗49を用いて分圧した電圧は低くなるため、充電電流制御用トランジスタ45のベースには、+の電圧が増幅されて入力され、このため充電電流制御用トランジスタ45のインピーダンスは小さくなる。充電電流制御用トランジスタ45のインピーダンスが小さくなると、定電流素子41からの電流のうち、抵抗44及び充電電流制御用トランジスタ45を流れる割合は増加し、図2(b)の1点鎖線のように、コンデンサ40に流れる割合は減少する。すると、コンデンサ40の電圧が第2スイッチ素子39のベース・エミッタ間電圧Vbeに達するまでの時間がt41時と長くかかるようになるため、その結果、第1スイッチング素子36のON期間が長くなり、出力電圧Voは増加する。
【0024】
逆に、出力電圧Voが高い場合には、ツェナーダイオード46の基準電圧に比べて抵抗48と抵抗49を用いて分圧した電圧は高くなるため、充電電流制御用トランジスタ45のベースには−の電圧が増幅されて入力され、このため充電電流制御用トランジスタ45のインピーダンスは大きくなる。充電電流制御用トランジスタ45のインピーダンスが大きくなると、定電流素子41からの電流のうち、抵抗44及び充電電流制御用トランジスタ45を流れる割合は減少し、図2(b)の2点鎖線のように、コンデンサ40に流れる割合は増加する。すると、コンデンサ40の電圧が第2スイッチ素子39のベース・エミッタ間電圧Vbeに達するまでの時間がt42時と短くなるため、その結果、第1スイッチング素子36のON期間が短くなり、出力電圧Voは減少する。
このようにして、コンデンサ40の充電時間を制御することで、第1スイッチング素子36のON期間を制御し、出力電圧Voを一定に保っている。
【0025】
前記実施例では、第1スイッチ素子36をMOS・FETとしたが、これに限られるものではなく、バイポーラトランジスタであってもよい。
【0026】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、第1スイッチング素子を、励磁コイルと直流電源間に挿入し、励磁コイルの一方端にドライブコイルを直結し、励磁コイルに、2次側の出力電圧に対応した電圧を検出する出力電圧検出部を設け、この出力電圧検出部に、この出力電圧検出部にて検出した電圧を基準電圧と比較する誤差検出部を設け、この誤差検出部に、スイッチング制御部を結合してなり、誤差検出部にて検出した誤差電圧の大きさに基づいて前記スイッチング制御部の時定数回路を可変して第2スイッチング素子のオン、オフを制御して出力電圧が一定となるように前記第1スイッチング素子のオン時間を制御するようにしたので、励磁コイルとドライブコイルを直結して構成し、絶縁する必要がないので、フライバックトランスを簡素化できる。また、出力電圧を1次側で検出するようにしたので、従来2次側からフィードバックするために用いたフォトカプラ等の高価な素子が必要なくなり、回路を安価に構成することができる。
【0027】
請求項2記載の発明によれば、スイッチング制御部は、第1スイッチング素子としてのMOS・FETのゲート、ソースに、コレクタ、エミッタをそれぞれ接続した第2スイッチング素子としてのバイポーラトランジスタと、この第2スイッチング素子としてのバイポーラトランジスタのベース・エミッタ間に設けたコンデンサと、第2スイッチング素子としてのバイポーラトランジスタのベースと前記ドライブコイルとの間に設けた定電流素子と、第2スイッチング素子としてのバイポーラトランジスタのベース・エミッタ間に抵抗を介して設けた充電電流制御用トランジスタとを具備し、充電電流制御用トランジスタのベースに誤差検出部を結合し、充電電流制御用トランジスタは、この誤差の大きさに応じてインピーダンスが変化し、定電流素子からの電流のうち、コンデンサに流れる電流を制御するようにしたので、第1スイッチング素子のゲート・ソース間に接続した第2スイッチング素子のON/OFFは、この第2スイッチング素子のベース・エミッタ間に設けたコンデンサの充電電圧によって決定され、その充電電圧は、充電電流制御用トランジスタのインピーダンスを出力電圧の大きさに応じて変化させるようにし、これによって、定電流素子からの電流のうち、コンデンサに流れる電流を制御して、第2スイッチング素子のON/OFFを制御することができ、その結果、第1スイッチング素子のスイッチングを制御することができる。
【0028】
請求項3記載の発明によれば、出力電圧検出部は、整流用ダイオードと平滑用コンデンサの直列回路を励磁コイルの両端間に接続し、このコンデンサとダイオードで整流平滑化された電圧を抵抗で分圧して得た電圧を出力電圧として検出するようにしたので、2次側の負荷に供給される電圧に比例した電圧を、1次側で得ることができる。
【0029】
請求項4記載の発明によれば、誤差検出部は、ツェナーダイオードと誤差増幅器とで構成し、この誤差増幅器によって、出力電圧検出部で検出した出力電圧をツェナーダイオードの基準電圧と比較してその誤差を出力するようにしたので、基準電圧に対する出力電圧の大きさを誤差として検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスイッチング電源回路の一実施例を示す電気回路図である。
【図2】図1の回路における各部の波形図である。
【図3】従来のスイッチング電源回路を示す電気回路図である。
【図4】図3の回路における各部の波形図である。
【符号の説明】
11…直流+側端子、12…直流−側端子、13…平滑用コンデンサ、14…第1スイッチング素子、15…起動用抵抗、16…コンデンサ、17…抵抗、18…第2スイッチング素子、19…コンデンサ、20…フォトカプラ、20a…受光側、20b…発光側、21…ツェナーダイオード、22…抵抗、23…抵抗、24…抵抗、25…ダイオード、26…コンデンサ、27…スナバ回路、28…フライバックトランス、28a…励磁コイル、28b…出力コイル、28c…ドライブコイル、29…ダイオード、30…コンデンサ、31…ツェナーダイオード、32…抵抗、33…抵抗、34…負荷、35…起動用抵抗、36…第1スイッチング素子、37…コンデンサ、38…抵抗、39…第2スイッチング素子、40…コンデンサ、41…定電流素子、42…抵抗、43…ダイオード、44…抵抗、45…充電電流制御用トランジスタ、46…ツェナーダイオード、47…誤差増幅器、48…抵抗、49…抵抗、50…コンデンサ、51…ダイオード、52…フライバックトランス、52a…励磁コイル、52b…出力コイル、52c…ドライブコイル、53…ダイオード、54…コンデンサ、55…負荷、56…スイッチング制御部、57…誤差検出部、58…出力電圧検出部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノートブック型コンピュータ、携帯電話機等に使われるACアダプタやテレビ受信機、オーディオ製品等の電源回路に用いられる自励式のスイッチング電源回路に関するもので、トランスの構造の簡素化と出力電圧検出方法の簡素化により、より安価な電源回路を提供することを目的とするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の電源として用いられてきた自励式スイッチング電源回路の構成を、図3を用いて説明する。
図3に示すようなRCCといわれるスイッチング電源回路は、1次側の励磁コイル28aとドライブコイル28c、2次側の出力コイル28bで構成されるフライバックトランス28を有する。これらのコイル28a、28b、28cは、それぞれ独立していて互いに絶縁されており、このうち励磁コイル28aとドライブコイル28cは、同極性で、出力コイル28bは、逆極性で構成される。この図3において、直流電源を接続するための+側端子11と−側端子12の間には、平滑用コンデンサ13が接続される。この+側端子11には、励磁コイル28aの一方端が接続され、励磁コイル28aの他方端には、第1スイッチング素子としてのMOS・FET14のドレインが接続され、このMOS・FET14のソースは、−側端子12に接続される。このMOS・FET14のゲートと+側端子11の間には、起動用抵抗15が接続される。前記励磁コイル28aと並列に、スイッチング電源における切り替わりの過渡状態で発生する高いスパイク電圧を防止するための抵抗24、ダイオード25、及び、コンデンサ26からなるスナバ回路27が接続されている。
また、MOS・FET14のゲートには、−側端子12との間に、第2スイッチング素子としてのバイポーラトランジスタ18が接続され、前記ドライブコイル28cの一方端との間に、コンデンサ16、抵抗17、抵抗23が直列に接続されている。
【0003】
前記トランジスタ18のベースは、コンデンサ19を介して−側端子12に接続されるとともに、ツェナーダイオード21のアノード側、カソード側を経、さらに、抵抗22を介してドライブコイル28cと抵抗23との間に接続されている。また、フォトカプラ20の受光素子20aのコレクタが抵抗17と抵抗23の間に、エミッタがトランジスタ18のベースに接続されている。
【0004】
前記出力コイル28bには、整流用ダイオード29と平滑用コンデンサ30の直列回路が接続され、この平滑用コンデンサ30の両端に負荷34が接続されている。また、負荷34と並列にツェナーダイオード31と抵抗33が接続され、この抵抗33と並列にフォトカプラ20の発光素子20bと抵抗32の直列回路が接続されている。
【0005】
このような構成において、+側端子11と−側端子12の間に直流電圧が印加されると、起動用抵抗15を介してMOS・FET14のゲートに閾値電圧以上の電圧が瞬時に印加される。すると、MOS・FET14に微小なドレイン電流が流れ、これにより、励磁コイル28aに電圧が発生し、その影響でドライブコイル28cにも電圧が発生する。ドライブコイル28cに発生した電圧は、抵抗23、抵抗17、コンデンサ16を介してMOS・FET14のゲートに加わり、これにより正帰還ループが形成されて、MOS・FET14は、図4のt1時に瞬時にON状態となる。このときのMOS・FET14のドレイン・ソース間電圧Vdsは、図4(a)に示すような波形となる。MOS・FET14がON状態となったことにより、励磁コイル28aには、+側端子11と−側端子12の間に印加した直流電圧と略同等の電圧が印加され、ドライブコイル28cには、励磁コイル28aの巻数に対する出力コイル28bの巻数比によって決まる電圧Vdが発生する。電圧Vdの波形を図4(d)に示す。
【0006】
このドライブコイル28cに発生する電圧Vdにより、抵抗23、フォトカプラ20の受光素子20aを介してコンデンサ19の充電が始まる。コンデンサ19に充電される電圧Vcは、図4(e)に示すような波形となり、この電圧Vcがt2時に、トランジスタ18のベース・エミッタ間電圧Vbeに達すると、トランジスタ18にベース電流が流れてON状態となる。トランジスタ18がON状態となると、MOS・FET14のゲート・ソース間電圧が略0Vとなるため、MOS・FET14は、瞬時にOFF状態となる。MOS・FET14がONしてからOFFするまでの期間t1〜t2に図4(b)に示すように、励磁コイル28aに電流Idが流れる。
【0007】
MOS・FET14がt2時にOFFすると同時に、2次側の出力コイル28bに正負反転した電圧が発生する。この電圧は、ダイオード29、コンデンサ30でそれぞれ整流、平滑化されて負荷34に供給される。このとき出力コイル28bに流れる電流Ioを図4(c)に示す。この電流Ioは、急激に立上り、以後徐々に0に向かって減少していき、ダイオード29がOFFするまで降下する。このダイオード29がOFFするt3時と同時に、出力コイル28bの内部にある残留磁束により、ドライブコイル28cに反転した電圧Vd(図4(d)に示す)が発生し、再びMOS・FET14をONにする。この発振動作を繰り返すことで出力電圧が得られる。
【0008】
ここで、出力電圧Voは、ツェナーダイオード31の基準電圧Rrefと比較され、出力電圧Voが基準電圧Rrefを超えると、その差分がフォトカプラ20の発光素子20bに流れる。これにより、フォトカプラ20の受光素子20aのコレクタ・エミッタ間のインピーダンスが変化するので、MOS・FET14のON期間にコンデンサ19を充電する経路にある抵抗23、フォトカプラの受光素子20a、コンデンサ19による時定数が変化する。すると、コンデンサ電圧VcがVbeに達し、トランジスタ18をONして、MOS・FET14をOFFする。この時定数の変化により、VcがVbeに達するまでの時間が変化し、これにより、MOS・FET14のON期間がコントロールされ、出力電圧Voが安定する(例えば、非特許文献1参照。)。
【0009】
【非特許文献1】
戸川治朗著「実用電源回路設計ハンドブック」CQ出版、1999年3月1日第17版発行、P.140〜147
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記図3に示す従来の自励式スイッチング電源回路10は、2次側で出力電圧Voを検出して、これを1次側にフィードバックして制御する構成をとっているため、高精度に出力電圧Voをコントロールすることができる。
しかし、図3の回路において、直流電源の+側端子11に励磁コイル28aを直結し、MOS・FET14のソースを、直流電源の−側端子12に接続しているため、ドライブコイル28cを励磁コイル28aと直結して構成することができない。このため、フライバックトランス28の1次側の励磁コイル28aとドライブコイル28cは、それぞれ独立して構成し、互いに電気的絶縁が必要であり、構造が複雑でコストが高いという問題があった。また、2次側で出力電圧Voを検出して、これを1次側にフィードバックするために用いるフォトカプラ20は、高価な部品であり、これもコストを高くする要因であった。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、フライバックトランスの構造を簡単にすることと、出力電圧の検出を1次側で行いフォトカプラを取り除くことで、コストを低減した電源回路を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1次側に励磁コイルとドライブコイルを有し、2次側に出力コイルを有するフライバックトランスと、前記ドライブコイルからの電圧が印加されることによって自励発振し、前記励磁コイルを励磁する第1スイッチング素子と、この第1スイッチング素子の発振周波数を制御するためのスイッチング制御部とを具備したスイッチング電源回路において、前記第1スイッチング素子を、前記励磁コイルと直流電源間に挿入し、前記励磁コイルの一方端に前記ドライブコイルを直結し、前記励磁コイルに、2次側の出力電圧に対応した電圧を検出する出力電圧検出部を設け、この出力電圧検出部に、この出力電圧検出部にて検出した電圧を基準電圧と比較する誤差検出部を設け、この誤差検出部に、前記スイッチング制御部を結合してなり、前記誤差検出部にて検出した誤差電圧の大きさに基づいて前記スイッチング制御部の時定数回路を可変して第2スイッチング素子のオン、オフを制御して出力電圧が一定となるように前記第1スイッチング素子のオン時間を制御するようにしたことを特徴とするスイッチング電源回路である。
【0013】
このような構成とすることで、励磁コイルとドライブコイルは直結して構成でき、絶縁する必要がないので、フライバックトランスを簡素化できる。また、出力電圧を1次側で検出するようにしたので、従来2次側からフィードバックするために用いたフォトカプラ等の高価な素子が必要なくなり、回路を安価に構成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のスイッチング電源回路は、図1に示すように、励磁コイル52a、出力コイル52b、ドライブコイル52cからなるフライバックトランス52と、直流電源の+側端子11と前記励磁コイル52aとの間に挿入された第1スイッチング素子36とを具備してなり、また、同極性である励磁コイル52aとドライブコイル52cを直結して構成するとともに、出力電圧をフライバックトランス52の1次側で検出するように出力電圧検出部を設け、この出力電圧検出部で検出した出力電圧を誤差検出部で基準電圧と比較し、その誤差の大きさに応じてスイッチング制御部で第1スイッチング素子36のON期間を制御する構成となっている。
【0015】
以下、さらに詳しい本発明のスイッチング電源回路の構成を説明する。
図1において、直流電源を接続するための+側端子11と−側端子12の間には、平滑用コンデンサ13が接続される。この+側端子11には、第1スイッチング素子36(例えばMOS・FET)のドレインが接続され、この第1スイッチング素子36のソースは、励磁コイル52aの一方端に接続され、励磁コイル52aの他方端は、−側端子12に接続される。また、励磁コイル52aの一方端側には、ドライブコイル52cの一方端が直結してあり、ドライブコイル52cの他方端は、抵抗38とコンデンサ37を介して第1スイッチング素子36のゲートに接続され、また、第1スイッチング素子36のゲートと+側端子11の間には、起動用抵抗35が接続される。
【0016】
前記第1スイッチング素子36とフライバックトランス52の間には、スイッチング制御部56、誤差検出部57及び出力電圧検出部58が順次接続されている。
前記スイッチング制御部56は、前記第1スイッチング素子36のスイッチング動作を制御するためのもので、第1スイッチング素子36のゲート、ソースには、バイポーラトランジスタなどの第2スイッチング素子39のコレクタ、エミッタがそれぞれ接続されている。この第2スイッチング素子39のベース・エミッタ間には、コンデンサ40が接続され、第2スイッチング素子39のベースとドライブコイル52cの他方端との間には、定電流素子41が接続されている。また、この定電流素子41と並列に、抵抗42とダイオード43の直列回路がダイオード43のアノード側を第2スイッチング素子39のベース側にして接続され、さらに、前記コンデンサ40と並列に、抵抗44と充電電流制御用トランジスタ45の直列回路が抵抗44を第2スイッチング素子39のベース側にして接続されている。
【0017】
前記出力電圧検出部58及び誤差検出部57の構成について説明する。
前記励磁コイル52aの両端間に整流用ダイオード51と平滑用コンデンサ50が接続され、このコンデンサ50と並列に、分圧用の抵抗48と抵抗49の直列回路が接続されて、出力電圧検出部58が構成されている。
前記誤差検出部57は、ツェナーダイオード46と誤差増幅器47からなり、前記抵抗48と抵抗49の接続点に、前記誤差増幅器47の−入力が接続されている。また、誤差増幅器47の+入力には、ツェナーダイオード46のカソード側が接続され、このツェナーダイオード46のアノード側は、励磁コイル52aの一方端に接続されている。そしてこの誤差増幅器47の出力は、前記充電電流制御用トランジスタ45のベースに接続されている。
【0018】
前記フライバックトランス52の2次側に設けた出力コイル52bには、整流用ダイオード53と平滑用コンデンサ54が接続され、このコンデンサ54と並列に負荷55が接続される。
【0019】
このような構成における作用を図2に基づき説明する。
+側端子11と−側端子12の間に直流電源が印加されると、起動用抵抗35を介して第1スイッチング素子36のゲートに電圧が印加される。この電圧は、ゲートの閾値電圧以上の電圧であるため、印加された瞬間のt1時に第1スイッチング素子36は、ON状態になり、励磁コイル52aに、図2(a)に示すような、直流電源に略等しい電圧Vsが加わる。同時に、この励磁コイル52aの電圧Vsに比例した電圧がドライブコイル52cに発生して、抵抗38、コンデンサ37を介して第1スイッチング素子36のゲートに印加される。このドライブコイル52cからのゲート電圧により、第1スイッチング素子36のON状態は維持される。また、ドライブコイル52cに発生した電圧は、定電流素子41を介してコンデンサ40にも印加され、これによりコンデンサ40の充電が開始される。図2(b)は、コンデンサ40の充電電圧Vcの波形を表している。この図2(b)に示すように、充電電圧Vcが、t2時に第2スイッチング素子39のベース・エミッタ間電圧Vbeに達すると、第2スイッチング素子39は、ONして、第1スイッチング素子36のゲート・ソース間を短絡するので、第1スイッチング素子36は、OFF状態となる。ここで、第1スイッチング素子36がONしてからOFFするまでに励磁コイル52aに流れる電流Idは、図2(c)に示すような波形となる。
【0020】
第1スイッチング素子36がt2時にOFFすると、励磁コイル52a、出力コイル52b、ドライブコイル52cは、それぞれ電圧の極性が反転し、出力コイル52bは、ダイオード53を介して出力側に図2(d)に示すような電流Ioを供給する。この間、励磁コイル52aには、図2(a)に示すようなマイナスの電圧が発生する。また、ドライブコイル52cにも同様のマイナスの電圧が発生する。このドライブコイル52cに発生したマイナスの電圧は、抵抗42、ダイオード43を介してコンデンサ40に印加され、コンデンサ40は、逆極性に充電を開始する。ここで、トランス52の1次側に蓄えられたエネルギーが2次側に放出を続け、図2(d)に示すように出力コイル52bに流れる電流Ioが徐々に減少していき、t3時に放出し切り電流が0になると、トランス52内の残留磁束により再び電圧が反転して励磁コイル52a及びドライブコイル52cにプラス方向の電圧が発生する。このドライブコイル52cに発生したプラスの電圧が再度抵抗38、コンデンサ37を介して第1スイッチング素子36のゲートに印加され、これにより第1スイッチング素子36は再びON状態となる。すると、図2(b)に示すように、コンデンサ40は再び+に向かって充電を開始する。このコンデンサ40の電圧が第2スイッチング素子39のベース・エミッタ間電圧Vbeに達するまでが、第1スイッチング素子36のON期間である。このように、自動的にON・OFFを繰り返しながら、出力コイル52bより負荷55に電力を供給する。
【0021】
次に、出力電圧のコントロール方法について説明する。負荷55にかかる出力電圧Voは、出力コイル52bの電圧をダイオード53とコンデンサ54を用いて整流平滑化したものであり、従来はこの2次側の出力電圧Voを直接検出してフォトカプラ等を用いて1次側にフィードバックして出力電圧のコントロールを行っていた。
これに対して本発明は、1次側の励磁コイル52aの電圧をダイオード51とコンデンサ50を用いて整流平滑化した電圧が出力電圧Voに比例することを利用して出力電圧のコントロールを行っている。
【0022】
コンデンサ50には、励磁コイル52aの電圧を整流平滑化した電圧が発生する。このコンデンサ50に発生した電圧は、2次側の出力電圧Voに略比例しており、この電圧を抵抗48と抵抗49を用いて分圧し、この分圧した電圧は、誤差増幅器47によってツェナーダイオード46の基準電圧と比較され、その差分が増幅されて充電電流制御用トランジスタ45のベースに入力される。この充電電流制御用トランジスタ45は、ベースへの入力の大きさによってインピーダンスがリニアに変化するものであり、このインピーダンスの大きさによって、コンデンサ40の充電速度が変化する。
【0023】
例えば、出力電圧Voが設定値より低い場合には、ツェナーダイオード46の基準電圧に比べて抵抗48と抵抗49を用いて分圧した電圧は低くなるため、充電電流制御用トランジスタ45のベースには、+の電圧が増幅されて入力され、このため充電電流制御用トランジスタ45のインピーダンスは小さくなる。充電電流制御用トランジスタ45のインピーダンスが小さくなると、定電流素子41からの電流のうち、抵抗44及び充電電流制御用トランジスタ45を流れる割合は増加し、図2(b)の1点鎖線のように、コンデンサ40に流れる割合は減少する。すると、コンデンサ40の電圧が第2スイッチ素子39のベース・エミッタ間電圧Vbeに達するまでの時間がt41時と長くかかるようになるため、その結果、第1スイッチング素子36のON期間が長くなり、出力電圧Voは増加する。
【0024】
逆に、出力電圧Voが高い場合には、ツェナーダイオード46の基準電圧に比べて抵抗48と抵抗49を用いて分圧した電圧は高くなるため、充電電流制御用トランジスタ45のベースには−の電圧が増幅されて入力され、このため充電電流制御用トランジスタ45のインピーダンスは大きくなる。充電電流制御用トランジスタ45のインピーダンスが大きくなると、定電流素子41からの電流のうち、抵抗44及び充電電流制御用トランジスタ45を流れる割合は減少し、図2(b)の2点鎖線のように、コンデンサ40に流れる割合は増加する。すると、コンデンサ40の電圧が第2スイッチ素子39のベース・エミッタ間電圧Vbeに達するまでの時間がt42時と短くなるため、その結果、第1スイッチング素子36のON期間が短くなり、出力電圧Voは減少する。
このようにして、コンデンサ40の充電時間を制御することで、第1スイッチング素子36のON期間を制御し、出力電圧Voを一定に保っている。
【0025】
前記実施例では、第1スイッチ素子36をMOS・FETとしたが、これに限られるものではなく、バイポーラトランジスタであってもよい。
【0026】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、第1スイッチング素子を、励磁コイルと直流電源間に挿入し、励磁コイルの一方端にドライブコイルを直結し、励磁コイルに、2次側の出力電圧に対応した電圧を検出する出力電圧検出部を設け、この出力電圧検出部に、この出力電圧検出部にて検出した電圧を基準電圧と比較する誤差検出部を設け、この誤差検出部に、スイッチング制御部を結合してなり、誤差検出部にて検出した誤差電圧の大きさに基づいて前記スイッチング制御部の時定数回路を可変して第2スイッチング素子のオン、オフを制御して出力電圧が一定となるように前記第1スイッチング素子のオン時間を制御するようにしたので、励磁コイルとドライブコイルを直結して構成し、絶縁する必要がないので、フライバックトランスを簡素化できる。また、出力電圧を1次側で検出するようにしたので、従来2次側からフィードバックするために用いたフォトカプラ等の高価な素子が必要なくなり、回路を安価に構成することができる。
【0027】
請求項2記載の発明によれば、スイッチング制御部は、第1スイッチング素子としてのMOS・FETのゲート、ソースに、コレクタ、エミッタをそれぞれ接続した第2スイッチング素子としてのバイポーラトランジスタと、この第2スイッチング素子としてのバイポーラトランジスタのベース・エミッタ間に設けたコンデンサと、第2スイッチング素子としてのバイポーラトランジスタのベースと前記ドライブコイルとの間に設けた定電流素子と、第2スイッチング素子としてのバイポーラトランジスタのベース・エミッタ間に抵抗を介して設けた充電電流制御用トランジスタとを具備し、充電電流制御用トランジスタのベースに誤差検出部を結合し、充電電流制御用トランジスタは、この誤差の大きさに応じてインピーダンスが変化し、定電流素子からの電流のうち、コンデンサに流れる電流を制御するようにしたので、第1スイッチング素子のゲート・ソース間に接続した第2スイッチング素子のON/OFFは、この第2スイッチング素子のベース・エミッタ間に設けたコンデンサの充電電圧によって決定され、その充電電圧は、充電電流制御用トランジスタのインピーダンスを出力電圧の大きさに応じて変化させるようにし、これによって、定電流素子からの電流のうち、コンデンサに流れる電流を制御して、第2スイッチング素子のON/OFFを制御することができ、その結果、第1スイッチング素子のスイッチングを制御することができる。
【0028】
請求項3記載の発明によれば、出力電圧検出部は、整流用ダイオードと平滑用コンデンサの直列回路を励磁コイルの両端間に接続し、このコンデンサとダイオードで整流平滑化された電圧を抵抗で分圧して得た電圧を出力電圧として検出するようにしたので、2次側の負荷に供給される電圧に比例した電圧を、1次側で得ることができる。
【0029】
請求項4記載の発明によれば、誤差検出部は、ツェナーダイオードと誤差増幅器とで構成し、この誤差増幅器によって、出力電圧検出部で検出した出力電圧をツェナーダイオードの基準電圧と比較してその誤差を出力するようにしたので、基準電圧に対する出力電圧の大きさを誤差として検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスイッチング電源回路の一実施例を示す電気回路図である。
【図2】図1の回路における各部の波形図である。
【図3】従来のスイッチング電源回路を示す電気回路図である。
【図4】図3の回路における各部の波形図である。
【符号の説明】
11…直流+側端子、12…直流−側端子、13…平滑用コンデンサ、14…第1スイッチング素子、15…起動用抵抗、16…コンデンサ、17…抵抗、18…第2スイッチング素子、19…コンデンサ、20…フォトカプラ、20a…受光側、20b…発光側、21…ツェナーダイオード、22…抵抗、23…抵抗、24…抵抗、25…ダイオード、26…コンデンサ、27…スナバ回路、28…フライバックトランス、28a…励磁コイル、28b…出力コイル、28c…ドライブコイル、29…ダイオード、30…コンデンサ、31…ツェナーダイオード、32…抵抗、33…抵抗、34…負荷、35…起動用抵抗、36…第1スイッチング素子、37…コンデンサ、38…抵抗、39…第2スイッチング素子、40…コンデンサ、41…定電流素子、42…抵抗、43…ダイオード、44…抵抗、45…充電電流制御用トランジスタ、46…ツェナーダイオード、47…誤差増幅器、48…抵抗、49…抵抗、50…コンデンサ、51…ダイオード、52…フライバックトランス、52a…励磁コイル、52b…出力コイル、52c…ドライブコイル、53…ダイオード、54…コンデンサ、55…負荷、56…スイッチング制御部、57…誤差検出部、58…出力電圧検出部。
Claims (4)
- 1次側に励磁コイルとドライブコイルを有し、2次側に出力コイルを有するフライバックトランスと、前記ドライブコイルからの電圧が印加されることによって自励発振し、前記励磁コイルを励磁する第1スイッチング素子と、この第1スイッチング素子の発振周波数を制御するためのスイッチング制御部とを具備したスイッチング電源回路において、前記第1スイッチング素子を、前記励磁コイルと直流電源間に挿入し、前記励磁コイルの一方端に前記ドライブコイルを直結し、前記励磁コイルに、2次側の出力電圧に対応した電圧を検出する出力電圧検出部を設け、この出力電圧検出部に、この出力電圧検出部にて検出した電圧を基準電圧と比較する誤差検出部を設け、この誤差検出部に、前記スイッチング制御部を結合してなり、前記誤差検出部にて検出した誤差電圧の大きさに基づいて前記スイッチング制御部の時定数回路を可変して第2スイッチング素子のオン、オフを制御して出力電圧が一定となるように前記第1スイッチング素子のオン時間を制御するようにしたことを特徴とするスイッチング電源回路。
- スイッチング制御部は、第1スイッチング素子としてのMOS・FETのゲート、ソースに、コレクタ、エミッタをそれぞれ接続した第2スイッチング素子としてのバイポーラトランジスタと、この第2スイッチング素子としてのバイポーラトランジスタのベース・エミッタ間に設けたコンデンサと、第2スイッチング素子としてのバイポーラトランジスタのベースと前記ドライブコイルとの間に設けた定電流素子と、第2スイッチング素子としてのバイポーラトランジスタのベース・エミッタ間に抵抗を介して設けた充電電流制御用トランジスタとを具備し、前記充電電流制御用トランジスタのベースに誤差検出部を結合し、前記充電電流制御用トランジスタは、この誤差の大きさに応じてインピーダンスが変化し、定電流素子からの電流のうち、コンデンサに流れる電流を制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源回路。
- 出力電圧検出部は、整流用ダイオードと平滑用コンデンサの直列回路を励磁コイルの両端間に接続し、このコンデンサとダイオードで整流平滑化された電圧を抵抗で分圧して得た電圧を出力電圧として検出することを特徴とする請求項1又は2記載のスイッチング電源回路。
- 誤差検出部は、ツェナーダイオードと誤差増幅器とで構成し、この誤差増幅器によって、出力電圧検出部で検出した出力電圧をツェナーダイオードの基準電圧と比較してその誤差を出力するようにしたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のスイッチング電源回路。
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