JP2004200908A - 弾性表面波装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】相対的に高い周波数特性の弾性表面波素子を金属バンプの再結晶温度よりも低い温度に熱したパッケージに、フリップチップボンディング法で搭載して、相対的に高い周波数特性の弾性表面波素子をパッケージのアースと導通させる。次に、相対的に低い周波数特性を有する弾性表面波素子を、金属バンプの再結晶温度よりも高い温度までパッケージを熱してから、フリップチップボンディング法で搭載する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾性表面波装置に係わり、特にパッケージ内に弾性表面波素子を搭載した弾性表面波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車電話機や携帯電話機といった移動体通信機器の小型化、軽量化、高周波化に伴い、これらの移動体通信機器に搭載されるフィルタとして、小型で軽量な弾性表面波装置(弾性表面波フィルタ)が多用されている。特に携帯電話機は特に小型で軽量であることが強く要求されるため、搭載される弾性表面波装置においても同様に小型で軽量であることが要求されている。
【0003】
弾性表面波装置は、このような要求に対応するため、弾性表面波素子をパッケージに搭載する際、従来のワイヤボンディング法から、Au又はAuを主成分とする金属バンプを用いたフリップチップボンディング法へ移行しつつある。
【0004】
弾性表面波素子をパッケージにフリップチップボンディング法で搭載する際、まず、弾性表面波素子の電極パッド上に、Au又はAuを主成分とする金属バンプをボールボンディング法によって形成する。次に、弾性表面波素子のくし型電極部などが形成された弾性表面波伝播面をパッケージのダイアタッチ面に対向させ、ボンディングツールによって弾性表面波素子の裏面に超音波と荷重とを同時に印加する。これによって、弾性表面波素子の各電極パッドとこれに対応するパッケージの各電極ランドとをAu又はAuを主成分とする金属バンプで接合して、弾性表面波素子をパッケージに接続・固定する。
【0005】
従来、ボンディングツールによって弾性表面波素子の裏面に、超音波と荷重とを同時に印加する際、Au又はAuを主成分とする金属バンプの再結晶温度よりも高い温度にパッケージを熱した状態でボンディングツールを用い、超音波・荷重・熱を同時に印加して接合を行なうと、金属バンプの固相拡散・組成変形が促進されて接合が良くなる。このため、Au又はAuを主成分とする金属バンプの再結晶温度である200度よりも高い温度にパッケージを熱して、弾性表面波素子を搭載していた。
【0006】
また、1つのパッケージに2つ以上の弾性表面波素子を搭載する場合も同様に、Au又はAuを主成分とする金属バンプの再結晶温度である200度よりも高い温度にパッケージを熱した状態でボンディングツールを用い、搭載する全ての弾性表面波素子に対して同時に、超音波・荷重・熱を印加してパッケージとの接合を行なっていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−122072号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高周波化に伴い、特に中心周波数が1GHz以上と高い周波数特性を有する弾性表面波素子を、Au又はAuを主成分とする金属バンプの再結晶温度である200度よりも高い温度にパッケージを熱した状態でボンディングツールを用い、超音波・荷重・熱を印加してパッケージに接合しようとすると、弾性表面波素子の電極指破壊が発生する。
【0009】
これは、パッケージの直上に弾性表面波素子を位置させてから実装するまでの間に、200度よりも高い温度に熱したパッケージの温度の影響を受けて、弾性表面波素子の圧電基板の温度が常温から加熱したパッケージの温度まで急速に上がるため、この急な温度勾配(単位時間あたりの温度変化)により、圧電基板の焦電性によって、くし型電極部の電極指間に電荷が発生、ショートし、電極指の焦電破壊が発生したためである。
【0010】
ここで、焦電性とは、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)などの圧電基板が有する、結晶を熱すると一方の端は正に他方の端は負に帯電し、温度が違うと基板の膨張の程度が違うので内部の自発分極に差が現れ、その影響で基板表面に電荷が発生するという性質のことをいう。
【0011】
また、焦電破壊とは、急な温度勾配(時間あたりの温度変化)の影響で上述の圧電基板の焦電性により弾性表面波素子に電位が発生し、くし型電極部の電極指間の電荷が大きくなると間隔の狭い電極指間で放電し、その熱の影響で電極指が焦げて(溶けて)変形したり、非接触でなければいけないのに接触してしまったりすること、つまり、圧電基板の焦電性を原因とする電極破壊をいう。
【0012】
圧電基板の焦電性によって発生する電荷は温度勾配に比例するので、基板温度が常温から高い温度まで急に上がるほど、その分、焦電破壊は起こりやすくなる。また、電極指のギャップが狭いほど、発生した電荷によるショートが起こりやすくなる。特に、高い周波数特性を有する弾性表面波素子においては、電極指ピッチが狭くなるので、電極指のギャップも狭くなる。特に中心周波数が1GHz以上の弾性表面波素子の電極指のギャップの平均は、約1μm以下とかなり狭いため、焦電破壊が起こりやすい。ここで、図6に示すように、くし型電極部を構成するくし歯状電極において、電極指ピッチは一方のくし歯状電極の電極指から対向する、他方のくし歯状電極の電極指の端部までの間隔を、電極指のギャップは、一方のくし歯状電極の電極指と、その電極指に隣接する他方のくし歯状電極の電極指との間隔をいう。
【0013】
本発明の弾性表面波の製造方法は、上述の問題を鑑みてなされたものであり、これらの問題を解決し、特に中心周波数が1GHz以上の高い周波数帯に用いる弾性表面波素子を、焦電破壊を防止しつつ、パッケージに良好な密着強度で接合する弾性表面波装置の製造方法を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第一の弾性表面波装置の製造方法は、圧電基板上に形成された少なくとも一つのくし型電極部を有する複数の弾性表面波素子を、電極ランドが形成されたパッケージに、金属バンプを用いてフリップチップボンディング法により搭載する弾性表面波装置の製造方法であって、前記複数の弾性表面波素子のうち少なくとも一つは、残余のものより、前記くし型電極部を構成する電極指のギャップの平均が小さく、該くし型電極部を構成する電極指のギャップの平均が小さい弾性表面波素子を金属バンプの再結晶温度よりも低い温度で前記パッケージに搭載した後、残余の弾性表面波素子を前記金属バンプの再結晶温度よりも高い温度で前記パッケージに搭載することを特徴とする。
【0015】
これにより、まず、電極指のギャップの平均が小さいために焦電破壊が起こりやすい、相対的に高い周波数特性を有する弾性表面波素子を金属バンプの再結晶温度よりも低い温度で先に搭載してパッケージのアースと導通させる。このとき、パッケージの温度は金属バンプの再結晶温度よりも低いので、パッケージの直上に弾性表面波素子を位置させてから実装するまでの間での、弾性表面波素子の圧電基板の温度変化、つまり温度勾配(単位時間あたりの温度変化)が小さいので、焦電破壊は発生しない。次いで、残余の相対的に低い周波数特性を有する弾性表面波素子を搭載する際に、金属バンプの再結晶温度よりも高い温度までパッケージを加熱しても、相対的に高い周波数特性を有する弾性表面波素子はパッケージのアースと導通されているために圧電基板の焦電性によって発生した電荷はパッケージに移り、くし型電極部の電極指間では放電が発生せず、焦電破壊が起こらない。
【0016】
電極指のギャップの平均が小さい、つまり、相対的に高い周波数特性を有する弾性表面波素子のパッケージとの接合強度は、焦電破壊が起こらない程度の低い温度で接合されるので弱いものとなる。しかし、続けて、残余の相対的に低い周波数特性を有する弾性表面波素子を搭載する際に、金属バンプの再結晶温度よりも高い温度までパッケージを熱するので、それと共に、相対的に高い周波数特性を有する弾性表面波素子の接合界面も温度が上がり、金属バンプの固相拡散が促進されるために接合が良くなる。
【0017】
なお、電極指のギャップの平均とは、弾性表面波素子における、全てのくし型電極部を構成する一方のくし歯状電極の電極指と、その電極指に隣接する他方のくし歯状電極の電極指との間隔の平均のことを意味する。
【0018】
また、本発明の第二の弾性表面波装置の製造方法は、圧電基板上に形成された少なくとも一つのくし型電極部を有する少なくとも一つの弾性表面波素子を、電極ランドが形成されたパッケージに、金属バンプを用いてフリップチップボンディング法により搭載する弾性表面波装置の製造方法であって、前記弾性表面波素子を、金属バンプの再結晶温度よりも低い温度で前記パッケージに搭載した後、前記金属バンプの再結晶温度よりも高い温度で熱処理を行うことを特徴とする。
【0019】
これにより、電極指のギャップの平均が小さいために焦電破壊が起こりやすい、高い周波数特性を有する弾性表面波素子を金属バンプの再結晶温度よりも低い温度で搭載して、弾性表面波素子をパッケージのアースと導通させることで、後に金属バンプの再結晶温度よりも高い温度で熱処理しても、弾性表面波素子はパッケージのアースと導通されているので、圧電基板の焦電性によって発生した電荷はパッケージに移り、くし型電極部の電極指間に放電は発生せず、焦電破壊が起こらない。
【0020】
弾性表面波素子の接合強度は、当初、金属バンプの再結晶温度よりも低い温度で接合されるので弱いものであるが、搭載後に、バンプの再結晶温度よりも高い温度で熱処理すると、パッケージと弾性表面波素子の接合界面の温度が上がり、金属バンプの固相拡散が促進されるために接合が良くなる。
【0021】
前記金属バンプはAu若しくはAu合金であることが好ましい。Au若しくはAu合金は、弾性表面波素子の電極材料として多用されているAlとの接合性が良い上に、安定で、腐食・酸化しにくいので、弾性表面波素子がパッケージに十分に接合され、且つ信頼性の高い弾性表面波装置が得られる。
【0022】
また、金属バンプの再結晶温度が約200度であることが好ましい。
【0023】
また、前記弾性表面波素子の電極指のギャップの平均が約1μm以下であることが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図に基づいて説明する。
(実施の形態1)図1は本発明の第一の実施例における弾性表面波素子を実装する工程図、図2は本発明に用いる弾性表面波素子のくし型電極の平面図、図3は本発明におけるパッケージの加熱温度と焦電破壊発生率の関係を示す図、図4は本発明におけるパッケージに搭載された弾性表面波素子の金属バンプシェア強度を示す図である。
【0025】
まず、図1(a)に示すように、複数層のアルミナセラミックシートを積層することで凹部形状に形成されてなるパッケージ4を用意する。パッケージ4のダイアタッチ面は図示しないが、該パッケージ4に搭載される弾性表面波素子2と金属バンプ3を介して電気的に接続される複数の電極ランド及び配線が形成されており、これらはAuめっきされている。複数の電極ランド及び配線がAuめっきされていることで、金属バンプ3にAu又はAuを主成分とする合金を用いた場合、特に接合しやすい。また、パッケージ4の裏面から側面には外部端子41が形成されている。なお、パッケージ4はセラミックではなく、樹脂で形成されていてもよい。
【0026】
パッケージ4と共に、互いに異なる周波数特性を有する2つの弾性表面波素子2a、2bを用意する。弾性表面波素子は2a、相対的に高い周波数特性、つまり、弾性表面波素子は2bより高い周波数特性を有し、弾性表面波素子2bは相対的に低い周波数特性、つまり、弾性表面波素子は2aより低い周波数特性を有する。より詳細には、相対的に高い周波数特性を有する弾性表面波素子は、中心周波数が1GHzであり、電極指のギャップの平均が約1μm、電極指ピッチが約2μmである。相対的に低い周波数特性を有する弾性表面波素子は、中心周波数が800MHzであり、電極指のギャップの平均が約1.5μm、電極指ピッチが2.5μmである。
【0027】
弾性表面波素子2a及び2bは、図2に示すように、圧電基板21の一方主面にAl又はAlを主成分とする合金により形成されている、くし型電極部22、反射器23、配線24、電極パッド25を有する。圧電基板21としては、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)などを用いる。また、電極パッド25上には、Au又はAuを主成分とする金属バンプ3をボールボンディング法によって形成する。金属バンプ3として、Auは電極の材料となるAlとの接合性が良く、安定で、腐食、酸化しないので、好適に用いられる。
【0028】
次に、図1(b)に示すように、相対的に高い周波数特性を有する弾性表面波素子2aを用意し、この弾性表面波素子2aをくし型電極部などが形成された弾性表面波伝播面をパッケージのダイアタッチ面に対向させると共に、パッケージ4をワーク(図示せず)で支持した状態で、ボンディングツール5によって弾性表面波素子2aの裏面に超音波と荷重とを同時に印加することで、パッケージ4に搭載する。このとき、パッケージ4はAu又はAuを主成分とする金属バンプ3の再結晶温度である約200度よりも低い温度である170度に熱されている。これによって、弾性表面波素子2aの複数の電極パッド25とこれに対応するパッケージ4の各電極ランドとをAu又はAuを主成分とする金属バンプ3を介して接合し、相対的に高い周波数特性を有する弾性表面波素子2aをパッケージ4に接続・固定する共に、電気的に接続する。
【0029】
図3に、パッケージに電極指のギャップの平均が約1μmの弾性表面波素子を搭載する際の、パッケージの加熱温度と弾性表面波素子の焦電破壊発生率の関係が示されている。図3から明らかなように、Au又はAuを主成分とする金属バンプの再結晶温度よりも高い温度、つまり約200度よりも高い温度にパッケージを加熱した状態で、弾性表面波素子2aを搭載すると、約50%以上の焦電破壊が発生していることが分かる。一方で、加熱するパッケージの温度が約200度では弾性表面波素子の焦電破壊発生率が約13%に、約170度では0%にまで低下する。
【0030】
焦電破壊は、パッケージの直上に弾性表面波素子を位置させてから実装するまでの間に、200度よりも高い温度に熱したパッケージの温度の影響を受けて、弾性表面波素子の圧電基板の温度が常温からパッケージの温度まで急速に上がるため、弾性表面波素子の圧電基板の温度勾配(単位時間あたりの温度変化)により、圧電基板の焦電性によってくし型電極部の電極指間に電荷が発生することが原因で発生する。そこで、パッケージを熱する温度をある程度低い温度、特にAu又はAuを主成分とする金属バンプの再結晶温度よりも低い温度にすると、パッケージの直上に弾性表面波素子を位置させてから実装するまでの間の圧電基板の温度勾配は緩やかなものとなり、くし型電極部の電極指間に電荷が発生しにくくなるために、図3のような関係となる。
【0031】
なお、焦電破壊は、電極指のギャップの平均が小さい、つまり、電極指のギャップが狭いほど発生しやすくなる。弾性表面波素子では中心周波数が高くなるにつれて、電極指のギャップ及び電極指ピッチが狭くなる。例えば、中心周波数が800MHzの場合、電極指のギャップは約1.5μm、電極指ピッチは約2.5μmであるが、中心周波数が1GHzになると、電極指のギャップは約0.5〜1.0μm、電極指ピッチは約2μmになる。更に、中心周波数が2GHzになると、電極指のギャップは約0.2〜0.6μm、電極指ピッチは約1.1μmになる。
【0032】
上述のように、図3は電極指のギャップの平均が約1μmの弾性表面波素子を用いた場合を示しているが、中心周波数が2GHz以上と高くなると、その分、電極指のギャップ及び電極指ピッチが狭くなり、パッケージの加熱温度に対する焦電破壊発生率は高くなることになる。よって、本発明のように、弾性表面波素子を実装する際のパッケージの温度を、Au又はAuを主成分とする金属バンプの再結晶温度よりも低くすることで焦電破壊を防止することは、弾性表面波素子の中心周波数が高くなるほど、大きな効果が得られることになる。
【0033】
次に、図1(c)に示すように、Au又はAuを主成分とする金属バンプ3の再結晶温度よりも高い温度にパッケージ4を熱した上で、相対的に低い周波数特性を有する弾性表面波素子2bのくし型電極部22などが形成された弾性表面波伝播面をパッケージ4のダイアタッチ面に対向させ、パッケージ4をワーク(図示せず)で支持した状態でボンディングツール5によって弾性表面波素子2bの裏面に超音波と荷重とを同時に印加することで、パッケージ4に搭載する。
【0034】
パッケージ4は、Au又はAuを主成分とする金属バンプ3の再結晶温度である約200度よりも高い温度に熱されているため、金属バンプ3の固相拡散・塑性変形が促進されて、接合が良くなる。
【0035】
このとき、Au又はAuを主成分とする金属バンプ3の再結晶温度よりも高い温度、つまり約200度以上にパッケージを熱しても、相対的に高い周波数特性を有する弾性表面波素子2aはパッケージ4のアースと導通しているので(図示せず)、圧電基板の焦電性によって発生した電荷はパッケージに移り、くし型電極部の電極指間に放電は発生せず、焦電破壊が起こらない。一方の相対的に低い周波数特性を有する弾性表面波素子2bは、電極指のギャップの平均が相対的に広く、約1μmよりも広いので、くし型電極部の電極指間の電荷はそもそも発生しにくく、焦電破壊は起こらない。
【0036】
相対的に高い周波数特性を有する弾性表面波素子2aは、当初Au又はAuを主成分とする金属バンプ3の再結晶温度である約200度よりも低い温度である約170度で接合されるので金属バンプ3の固相拡散・塑性変形が十分ではなく、図4に示すように、パッケージ4との接合強度は弱いものであるが、相対的に低い周波数特性の弾性表面波素子2bを搭載する際に、金属バンプ3の再結晶温度である約200度よりも高い温度までパッケージ4を熱するので、それと共に、相対的に高い周波数特性の弾性表面波素子2aのパッケージ4との接合界面も温度が上がり、金属バンプ3の固相拡散が促進されるために接合が良くなる。
【0037】
最後に、図1(d)に示すように、パッケージ4を気密封止するために、Fe−Ni合金又はFeを主成分とする合金からなるリッド43を、半田からなる接合部材42により接合する。これにより、弾性表面波装置1を得る。
【0038】
なお、本実施例では、Fe−Ni合金又はFeを主成分とする合金からなるリッド43を用いたが、パッケージ4を気密封止することができるのであれば、樹脂で形成されていてもよい。また、本実施例では半田からなる接合部材42を用いてリッドを接合したが、樹脂を用いてもよい。
【0039】
本実施例では、互いに周波数の異なる2つの弾性表面波素子を用いたが、本発明はこれに限らず、周波数の異なる複数の弾性表面波素子を用意し、先に相対的に高い周波数特性を有する少なくとも1つの弾性表面波素子を金属バンプの再結晶温度よりも低い温度でパッケージにフリップチップボンディング法で搭載した後、残余の相対的に低い周波数特性を有する弾性表面波素子を金属バンプの再結晶温度よりも高い温度で搭載してもよい。
【0040】
(実施の形態2)図5は本発明の第二の実施例における弾性表面波素子を実装する工程図である。なお、実施の形態1と同様の要素については、同様の記号を用い、説明は省略する。
【0041】
図5(a)に示すように、実施の形態1と同様に複数層のアルミナセラミックシートを積層することで凹部形状に形成されてなるパッケージ4を用意する。パッケージ4のダイアタッチ面には該パッケージに搭載される弾性表面波素子と金属バンプを介して電気的に接続される複数の電極ランド及び配線が、パッケージの裏面から側面には外部端子が形成されている。
【0042】
パッケージと共に、中心周波数が1GHzである、電極指のギャップの平均ピが約2μmである弾性表面波素子20を用意する。この弾性表面波素子20は、図2に示すものと同様に、圧電基板21の一方主面にAl又はAlを主成分とする合金により形成されている、くし型電極部22、反射器23、配線24、電極パッド25を有し、電極パッド上には、Au又はAuを主成分とする金属バンプ3をボールボンディング法によって形成する。
【0043】
次に、図5(b)に示すように、弾性表面波素子20のくし型電極部22などが形成された弾性表面波伝播面をパッケージ4のダイアタッチ面に対向させると共に、パッケージをワーク(図示せず)で支持した状態で、ボンディングツール5によって弾性表面波素子20の裏面に超音波と荷重とを同時に印加することで、パッケージ4に搭載する。このとき、パッケージ4はAu又はAuを主成分とする金属バンプ3の再結晶温度である約200度よりも低い温度である170度に熱されている。これによって、弾性表面波素子20の複数の電極パッド25とこれに対応するパッケージ4の各電極ランドとをAu又はAuを主成分とする金属バンプ3で接合して、弾性表面波素子20をパッケージ4に接続・固定する共に、電気的に接続する。このとき、弾性表面波素子20で焦電破壊が起こらないのは、実施の形態1の場合と同様の原理による。
【0044】
次に、図5(c)に示すように、弾性表面波素子20を搭載したパッケージ4を、Au又はAuを主成分とする金属バンプ3の再結晶温度である約200度よりも高い温度まで加熱し、熱処理を行う。弾性表面波素子20のパッケージ4との接合強度は、当初、Au又はAuを主成分とする金属バンプ3の再結晶温度よりも低い温度で搭載されたために弱いものであったが、この熱処理によって、弾性表面波素子20のパッケージ4との接合界面も温度が上がり、金属バンプ3の固相拡散が促進されるために接合が良くなる。
【0045】
最後に、図5(d)に示すように、パッケージ4を気密封止するために、Fe−Ni合金又はFeを主成分とする合金からなるリッド43を、半田からなる接合部材42により接合する。これにより、弾性表面波装置10を得る。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明の第一の弾性表面波装置の製造方法によると、圧電基板上に形成された少なくとも一つのくし型電極部を有する複数の弾性表面波素子を、電極ランドが形成されたパッケージに、金属バンプを用いてフリップチップボンディング法により搭載する際、電極指ギャップの平均が小さいために焦電破壊が起こりやすい、相対的に高い周波数特性を有する弾性表面波素子を金属バンプの再結晶温度よりも低い温度で先に搭載して、相対的に高い周波数特性を有する弾性表面波素子をパッケージのアースと導通させることで、相対的に低い周波数特性を有する弾性表面波素子を後で搭載する際に、金属バンプの再結晶温度よりも高い温度までパッケージを熱しても、相対的に高い周波数特性を有する弾性表面波素子はパッケージのアースと導通されているために圧電基板の焦電性によって発生した電荷はパッケージに移り、くし型電極部の電極指間の放電は発生せず、焦電破壊を防止することができると共に、パッケージと弾性表面波素子の密着強度を十分なものにすることができる。
【0047】
また、本発明の第二の弾性表面波装置の製造方法によると、圧電基板上に形成された少なくとも一つのくし型電極部を有する少なくとも一つの弾性表面波素子を、電極ランドが形成されたパッケージに、金属バンプを用いてフリップチップボンディング法により搭載する際、電極指のギャップが狭いために焦電破壊が起こりやすい、弾性表面波素子を金属バンプの再結晶温度よりも低い温度で搭載して、弾性表面波素子をパッケージのアースと導通させることで、後に金属バンプの再結晶温度よりも高い温度で熱処理しても、焦電破壊を防止することができると共に、パッケージと弾性表面波素子の密着強度を十分なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例における弾性表面波素子を実装する工程図である。
【図2】本発明に用いる弾性表面波素子のくし型電極の平面図である。
【図3】本発明におけるパッケージの加熱温度と焦電破壊発生率の関係を示す図である。
【図4】本発明におけるパッケージに搭載された弾性表面波素子の金属バンプシェア強度を示す図である。
【図5】本発明の第二の実施例における弾性表面波素子を実装する工程図である。
【図6】一般的な弾性表面波素子のくし型電極部の拡大平面図である。
【符号の説明】
1、10 弾性表面波装置
2、20 弾性表面波素子
3 金属バンプ
4 パッケージ
5 ボンディングツール
Claims (5)
- 圧電基板上に形成された少なくとも一つのくし型電極部を有する複数の弾性表面波素子を、電極ランドが形成されたパッケージに、金属バンプを用いてフリップチップボンディング法により搭載する弾性表面波装置の製造方法であって、
前記複数の弾性表面波素子のうち少なくとも一つは、残余のものより、前記くし型電極部を構成する電極指のギャップの平均が小さく、
該くし型電極部を構成する電極指のギャップの平均が小さい弾性表面波素子を金属バンプの再結晶温度よりも低い温度で前記パッケージに搭載した後、残余の弾性表面波素子を前記金属バンプの再結晶温度よりも高い温度で前記パッケージに搭載することを特徴とする、弾性表面波装置の製造方法。 - 圧電基板上に形成された少なくとも一つのくし型電極部を有する少なくとも一つの弾性表面波素子を、電極ランドが形成されたパッケージに、金属バンプを用いてフリップチップボンディング法により搭載する弾性表面波装置の製造方法であって、
前記弾性表面波素子を、金属バンプの再結晶温度よりも低い温度で前記パッケージに搭載した後、前記金属バンプの再結晶温度よりも高い温度で熱処理を行うことを特徴とする、弾性表面波装置の製造方法。 - 前記金属バンプはAu若しくはAu合金からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の弾性表面波装置の製造方法。
- 前記金属バンプの再結晶温度が約200度であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の弾性表面波装置の製造方法。
- 前記くし型電極部を構成する電極指のギャップの平均が小さい弾性表面波素子のくし型電極部を構成する電極指のギャップの平均が約1μm以下であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の弾性表面波装置の製造方法。
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