JP2004197674A - 筒内噴射型内燃機関の触媒昇温装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ピストンで区画される燃焼室内に対して直接的に燃料を噴射する燃料噴射手段と、所定の点火時期で燃料と吸入空気の混合気を点火する点火手段と、排気通路に設けられて混合気の燃焼による排ガスを浄化する触媒とを備えた筒内噴射型内燃機関の触媒昇温装置であって、触媒の昇温が要求されるとき(S201〜S205)、内燃機関の空燃比を理論空燃比近傍として圧縮行程中に燃料を噴射させるとともに(S206)、点火時期を圧縮行程の上死点近傍である第一の所定値に設定し(S208)、その後、点火時期を第一の所定値よりも遅角側の第二の所定値まで徐々に遅角する(S210)昇温制御手段を備えて構成する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内噴射型内燃機関の触媒昇温装置に係り、詳しくは、冷態始動時の触媒の早期活性化及び燃焼安定化の達成に適用される筒内噴射型内燃機関の触媒昇温装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
筒内噴射型内燃機関は、燃焼室内に直接的に燃料を噴射して燃費と出力との両立を図る内燃機関である。一方、この種の内燃機関でも、機関の始動時の如く冷態始動時においては、触媒の早期活性化を達成させたいとの要求がある。
ここで、筒内噴射型内燃機関に対しては、均質予混合燃焼が行われる吸気ポート噴射型内燃機関の如く、吸気行程噴射において点火時期を圧縮上死点よりも遅角側に設定させて触媒を昇温させることが考えられる。しかし、冷態始動時の如くの低負荷状態では、吸入空気量の減少により残留ガスの影響を受け易いため、燃焼反応が緩慢になり、燃焼が不安定になるとの問題がある。この燃焼変動の増大は、熱発生量にばらつきを生じさせて失火の原因になり、この失火は、未燃HCを発生させて排ガス性能を悪化させる。
【0003】
なお、筒内噴射型内燃機関では、燃料噴射のタイミングを自由に設定できるとの特性を有していることから、上記触媒の早期活性化及び燃焼の安定化の各要求に対し、主噴射以外に膨張行程中に追加の燃料噴射を行う二段燃焼方法の他、排気マニホールドの容積部内で燃え残った燃料を燃焼させる方法も考えられるが、この場合には、各気筒間の排気の干渉によって出力の低下を招くとの問題がある。
【0004】
そこで、これらの問題を解決すべく、冷態始動時の触媒の暖機を行う筒内噴射型内燃機関の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
当該技術では、触媒の暖機運転モードとして、機関の空燃比が理論空燃比近傍となるように圧縮行程中に燃料を噴射させるとともに、点火時期を圧縮上死点よりも遅角側に設定させている。これにより、触媒の早期活性化を達成することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−336467号公報(段落番号0021〜0024、図3等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の技術では、吸気行程噴射において触媒暖機制御の開始との判定がなされたときには、圧縮行程噴射に切り換えるとともに、点火時期を、圧縮上死点よりも進角側の時期から、圧縮上死点後すなわち膨張行程中である遅角側の時期に大きな変化量で、かつ、瞬時に変更させている。
【0007】
しかしながら、内燃機関の冷態始動直後は筒内温度が低いことから、燃焼が不安定になり易いものである。つまり、冷態始動時では、燃焼を不安定にさせる要素を可能な限り除く必要があるのに対し、前記従来の技術のように、遅角側への点火時期の設定を過大に、かつ、瞬時に変更することでは、燃焼安定性を確保する点については依然として問題が残されている。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、筒内噴射型内燃機関において、燃焼の不安定化を極力抑制させつつ、触媒の早期活性化を達成させることができる筒内噴射型内燃機関の触媒昇温装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の筒内噴射型内燃機関の触媒昇温装置は、ピストンで区画される燃焼室内に対して直接的に燃料を噴射する燃料噴射手段と、所定の点火時期で前記燃料と吸入空気の混合気を点火する点火手段と、排気通路に設けられて前記混合気の燃焼による排ガスを浄化する触媒とを備えた筒内噴射型内燃機関の触媒昇温装置であって、前記触媒の昇温が要求されるとき、前記内燃機関の空燃比を理論空燃比近傍として圧縮行程中に燃料を噴射するとともに、点火時期を前記圧縮行程の上死点近傍である第一の所定値に設定し、その後、点火時期を前記第一の所定値よりも遅角側の第二の所定値まで徐々に遅角する昇温制御手段を備えたことを特徴としている。
【0010】
このように、本発明の筒内噴射型内燃機関の触媒昇温装置は、機関の始動直後ではまずは点火時期のリタードを行うが、このリタードは燃焼安定性に対する不安定要素になることから、始動直後のリタードを必要最小限に抑えているので、筒内温度の上昇によって触媒が昇温されるとともに、燃焼の安定性が確保される。そして、始動直後からの時間の経過に伴って目標の点火時期の近づくように徐々にリタードさせているので、筒内温度のさらなる上昇によって触媒がより昇温され、未燃HCの排出の低減化とフィーリングの向上とが図られる。
【0011】
また、請求項2記載の発明では、前記昇温制御手段は、前記第一の所定値から前記第二の所定値まで時間あたり一定の割合で点火時期を徐々に遅角することを特徴としている。これにより、触媒の活性化がより速やかに行われる。
さらに、請求項3記載の発明では、前記昇温制御手段は、前記内燃機関の空燃比を理論空燃比よりも若干リーン側に設定するとともに、前記第一の所定値を前記内燃機関の始動直後で燃焼安定化が可能な始動時安定確保点火時期に設定し、前記第二の所定値を前記圧縮行程中の燃料噴射で燃焼安定化が可能な圧縮行程噴射時安定限界点火時期に設定することを特徴としている。これにより、燃焼の不安定化が確実に抑制され、触媒の早期活性化と燃焼の安定化との両立が確実に図られる。
【0012】
なお、始動時安定確保点火時期を圧縮上死点よりも若干リタード側に設定し、圧縮行程噴射時安定限界点火時期を吸気行程噴射の燃焼安定限界値よりもさらにリタード側に設定することが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1を参照すると、車両に搭載された本発明に係る筒内噴射型内燃機関の概略構成図が示されており、以下、当該筒内噴射型内燃機関の触媒昇温装置の構成を説明する。
【0014】
内燃機関(以下、エンジン)1としては、例えば、燃料噴射モードを吸気行程噴射モード或いは圧縮行程噴射モードに切り換えて、吸気行程での燃料噴射(吸気行程噴射)及び圧縮行程での燃料噴射(圧縮行程噴射)を実施可能な筒内噴射型火花点火式4サイクル4気筒ガソリンエンジンが採用される。この筒内噴射型のエンジン1は、上記燃料噴射モードの切り替えと空燃比制御とにより、ストイキオやリーンの各空燃比での運転が実現可能である。
【0015】
同図に示すように、エンジン1のシリンダヘッド2には、各気筒毎に点火プラグ(点火手段)5とともに電磁式のインジェクタ(燃料噴射手段)6が取り付けられており、インジェクタ6は、ピストン3で区画される燃焼室4内に燃料を直接的に噴射可能である。
点火プラグ5には高電圧を出力する点火コイル(図示せず)が接続されている。また、インジェクタ6には、燃料パイプを介して燃料タンクを擁した燃料供給装置(図示せず)が接続されている。より詳しくは、燃料供給装置には、低圧燃料ポンプと高圧燃料ポンプとが設けられており、これにより、燃料タンク内の燃料をインジェクタ6に対し低燃圧或いは高燃圧で供給し、燃料をインジェクタ6から燃焼室4内に向けて所定の燃圧で噴射可能である。
【0016】
シリンダヘッド2には、各気筒毎に略直立方向に吸気ポート7が形成されており、各吸気ポート7には吸気マニホールド8の一端がそれぞれ接続されている。
吸気マニホールド8には吸入空気量を調節する電子制御式スロットル弁(ETV)9が設けられている。ETV9の近傍には、スロットル開度を検出するスロットルポジションセンサ(TPS)14が設けられている。
【0017】
また、シリンダヘッド2には、各気筒毎に略水平方向に排気ポート11が形成されており、各排気ポート11には排気マニホールド12の一端がそれぞれ接続されている。
排気マニホールド12の他端側には、ストイキオ近傍においてHC、CO、NOxを高効率で浄化可能な三元触媒コンバータ(触媒)13が介装されている。
また、三元触媒コンバータ13の直上流部分には、排気中の酸素濃度ひいては排気空燃比を検出するO2センサ17が設けられている。
【0018】
電子コントロールユニット(ECU)10は、入出力装置、記憶装置、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えており、当該ECU10により、エンジン1の総合的な制御が行われる。
ECU10の入力側には、上記TPS14、O2センサ17等の他、エンジン1の冷却水温を検出する水温センサ15やクランク角を検出するクランク角センサ16等の各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力される。
【0019】
一方、ECU10の出力側には、上記インジェクタ6、点火プラグ5、スロットル弁9等の各種出力デバイスが接続されており、インジェクタ6、点火プラグ5、スロットル弁9には、上記各種検出情報に基づき選択された燃料噴射モード及び各種センサ類からの検出情報に応じて求められた空燃比等に基づいて燃料噴射量及び時期、点火時期、並びにスロットル開度の各信号がそれぞれ出力される。
【0020】
これにより、インジェクタ6からは適正量の燃料が適正なタイミングで噴射され、点火プラグ5により適正なタイミングで火花点火が実施される。
特に、本実施形態では、三元触媒コンバータ13の温度の制御を行う機能がECU10に設けられている。具体的には、ECU10は、筒内噴射型内燃機関の触媒昇温制御部(昇温制御手段)10Aを備えている。
【0021】
当該触媒昇温制御部10Aは、三元触媒コンバータ13の昇温が要求されるときには、エンジン1の空燃比を理論空燃比近傍の約14.7〜16の値とし、圧縮行程中(約50〜70゜BTDC)にて燃料をインジェクタ6に噴射させるとともに、点火プラグ5の点火時期を圧縮行程の上死点近傍である第一の所定値(約2゜ATDC:始動時安定確保点火時期)に設定させ、その後、点火時期を第一の所定値よりも遅角側の第二の所定値(約10゜ATDC以上:圧縮行程噴射時安定限界点火時期)まで徐々に遅角するように設定させる如く構成されている。
【0022】
このように、エンジン1の始動直後にて噴射モードを圧縮行程噴射とするのは、点火時期を遅角させても、吸気ポート噴射型内燃機関に比して安定した運転が可能だからであり、速い燃焼により安定化が図られて失火を防止することができ、未燃HCの発生を抑制させることができるからである。なお、一部過濃となってCO及びスモークが増え易いものの、点火時期の遅角によって燃料との混合が促進され、その結果、CO及びスモークもともに低減される。
【0023】
また、エンジン1の空燃比を理論空燃比近傍の約14.7〜16の値とするのは、三元触媒コンバータ13の昇温に伴って浄化効率を良くするためである。さらに、点火時期を遅角側に移行させるのは、三元触媒コンバータ13の早期活性化を図るためであるが、この点火時期の第一の所定値を圧縮上死点後の2゜ATDCとするのは、この値が、エンジン1の冷態始動直後における燃焼の安定化を少なくとも確保できる限界の点火時期(始動時安定確保点火時期)であると考えられるからである。また、点火時期の第二の所定値を圧縮上死点後の10゜ATDC以上とするのは、この値が、圧縮行程噴射における燃焼の安定化を確保できる限界の点火時期(圧縮行程噴射時安定限界点火時期)であると考えられるからである。
【0024】
そして、当該触媒昇温制御部10Aでは、始動時安定確保点火時期と圧縮行程噴射時安定限界点火時期とを直線的に結ぶ如く点火時期を徐々に遅角することで、エンジン1の冷態始動時に対する燃焼安定性を確保しつつ、三元触媒コンバータ13の早期活性化を速やかに達成させている。
図2は、触媒昇温制御部10Aにより実施される触媒昇温制御ルーチンのフローチャートであり、以下、上記のように構成された触媒昇温装置の本発明に係る作用について説明する。
【0025】
まず、三元触媒コンバータ13の昇温が要求されているか否かを以下の各種判別によって決定する。具体的には、同図のステップS201では、水温センサ15からのエンジン1の冷却水温が冷機状態を示す所定値以下であるか否かを判別し、冷却水温が所定値に達していないと判定された場合、すなわちYESのときにはステップS202に進む。
【0026】
ステップS202では、エンジン1の始動直後から冷機状態を示す所定時間(例えば20秒程)以内であるか否かを判別し、始動直後から所定時間以内であると判定された場合、すなわちYESのときにはステップS203に進む。
ステップS203では、前回のイグニッションキーのオフ時の冷却水温と現在の冷却水温との差が、例えば、暫く停止されて冷態時であることが明確であるとの所定値以上であるか否かを判別し、これらの冷却水温の差が所定値以上であると判定された場合、すなわちYESのときにはステップS204に進む。
【0027】
ステップS204では、アクセルが全閉であるか否かを判別し、アクセルが全閉であると判定された場合、すなわちYESのときにはステップS205に進み、エンジン1の始動後から所定時間(例えば1秒程)経過しているか否かを判別し、所定時間経過していると判定された場合、すなわちYESのときにはステップS206に進んで、噴射モードを圧縮行程噴射モードにしてステップS207に進む。
【0028】
一方、ステップS201で冷却水温が所定値に達していると判定された場合、ステップS202で始動直後から所定時間以内でないと判定された場合、ステップS203で、再始動が直ちに行われた場合の如く、冷却水温の差が所定値以上でないと判定された場合、ステップS204でアクセルが全閉でないと判定された場合、及びステップS205で始動後から所定時間経過していないと判定された場合には、三元触媒コンバータ13の昇温が要求されていないので、ステップS212に進み、圧縮行程噴射モードに切り換えることなく、吸気行程噴射モードによる通常の制御を行ってこのルーチンを抜ける。
【0029】
ステップS207では、現在の点火時期が、始動時安定確保点火時期(例えば2゜ATDC)よりも進角側にあるか否かを判別し、始動時安定確保点火時期よりも進角側にあると判定された場合、すなわちYESのときにはステップS208に進んで、点火時期を始動時安定確保点火時期に設定してステップS209に進む。一方、ステップS207で始動時安定確保点火時期よりも遅角側にあると判定された場合には、既に燃焼安定性の確保を行う点火時期であるので、その点火時期を利用すべく始動時安定確保点火時期への設定を行わずにステップS209に進む。
【0030】
ステップS209では、現在の点火時期が、圧縮行程噴射時安定限界点火時期(例えば10゜ATDC以上)よりも進角側にあるか否かを判別し、圧縮行程噴射時安定限界点火時期よりも進角側にあると判定された場合、すなわちYESのときにはステップS210に進んで、点火時期を圧縮行程噴射時安定限界点火時期に設定し、その後はテーリングによって始動時安定確保点火時期から圧縮行程噴射時安定限界点火時期へ移行させてこのルーチンを抜ける。
【0031】
一方、ステップS209で圧縮行程噴射時安定限界点火時期よりも遅角側にあると判定された場合にはステップS211に進んで、圧縮行程噴射時安定限界点火時期を超えないように制御を行ってこのルーチンを抜ける。
図3は、触媒昇温制御部10Aにより実施される上記触媒昇温制御のタイミングチャートである。
【0032】
上述のように、冷却水温、時間、前回との水温差、及びアクセル開度から、エンジン1が冷態始動時であって三元触媒コンバータ13の昇温が要求されている場合には、同図に示すように、エンジン1の始動時を示すエンジン回転速度Neの立ち上がり時点から約1秒後に、噴射モードが吸気行程噴射モードから圧縮行程噴射モードに切り換えられる。そして、空燃比を若干リーン側に設定するとともに、噴射モードの切り換え時点の点火時期が圧縮上死点前の点火時期Sであるときには、まず、始動時安定確保点火時期Mに遅角され、次いで、テーリングによって圧縮行程噴射時安定限界点火時期Lにさらに遅角される。
【0033】
なお、三元触媒コンバータ13が昇温された後は、点火時期を再び圧縮上死点前に移行させ、吸気行程噴射モードに切り換える。
以上のように、本発明では、触媒昇温制御部10Aが、エンジン1の始動直後では、まず点火時期を始動時安定確保点火時期Mに設定し、点火時期のリタードを可能な限り抑制させており、燃焼安定性を確保して失火を防止しつつ、筒内温度の上昇による三元触媒コンバータ13の早期活性化を図る。次に、点火時期を圧縮行程噴射時安定限界点火時期Lに設定し、始動時安定確保点火時期Mと圧縮行程噴射時安定限界点火時期Lとを直線で結んで時間経過に伴って次第にリタードさせているので、筒内温度がさらに上昇して三元触媒コンバータ13が速やかに昇温する。よって、エンジン1の冷態始動時に対する燃焼安定性を確保しつつ、三元触媒コンバータ13の早期活性化を達成させることができ、フィーリングの悪化の防止と未燃HCの排出を防止とを図ることができる。
【0034】
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、エンジン1の冷却水温で冷態始動時を判定しているが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、例えば、触媒の温度又は排気温度を検出することによっても冷態始動時の判定をすることができ、この場合にも上記と同様に、冷態始動時に対する燃焼安定性及び三元触媒コンバータ13の早期活性化を同時に達成させる効果を奏する。
【0035】
また、上記実施形態の触媒装置では、排気マニホールド12の他端側に三元触媒コンバータ13が介装されているが、この実施形態に限定されるものでもなく、上記実施形態の他、排気マニホールド12と一体させた近接触媒として三元触媒を配置し、その下流側にNOx触媒と三元触媒とを配置させた構成であっても良い。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、請求項1記載の本発明の筒内噴射型内燃機関の触媒昇温装置によれば、機関の始動直後では、まずは点火時期のリタードを行うものの、このリタードは燃焼安定性に対する不安定要素になることから、始動直後のリタードを必要最小限に抑えているので、筒内温度の上昇によって触媒が昇温されるともに、燃焼の安定性が確保される。そして、始動直後からの時間の経過に伴って目標の点火時期の近づくように徐々にリタードさせているので、筒内温度のさらなる上昇によって触媒がより昇温される。これにより、未燃HCの排出の低減化とフィーリングの向上とをともに達成することができる。
【0037】
また、請求項2記載の発明によれば、第一の所定値と第二の所定値とを直線的に結ぶようにリタードさせるので、触媒の早期活性化をより速やかに達成することができる。
さらに、請求項3記載の発明によれば、内燃機関の空燃比を理論空燃比よりも若干リーン側に、第一の所定値を内燃機関の始動直後で燃焼安定化が可能な始動時安定確保点火時期に、かつ、第二の所定値を圧縮行程噴射で燃焼安定化が可能な圧縮行程噴射時安定限界点火時期に設定するので、燃焼の不安定化が確実に抑制され、触媒の早期活性化と燃焼の安定化との両立を確実に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエンジンシステム構成図である。
【図2】本発明に係る触媒昇温制御ルーチンのフローチャートである。
【図3】触媒昇温制御結果を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン(筒内噴射型内燃機関)
3 ピストン
4 燃焼室
5 点火プラグ(点火手段)
6 インジェクタ(燃料噴射手段)
10 ECU(電子コントロールユニット)
10A 触媒昇温制御部(昇温制御手段)
13 触媒
15 水温センサ
Claims (3)
- ピストンで区画される燃焼室内に対して直接的に燃料を噴射する燃料噴射手段と、所定の点火時期で前記燃料と吸入空気の混合気を点火する点火手段と、排気通路に設けられて前記混合気の燃焼による排ガスを浄化する触媒とを備えた筒内噴射型内燃機関の触媒昇温装置において、
前記触媒の昇温が要求されるとき、前記内燃機関の空燃比を理論空燃比近傍として圧縮行程中に燃料を噴射するとともに、点火時期を前記圧縮行程の上死点近傍である第一の所定値に設定し、その後、点火時期を前記第一の所定値よりも遅角側の第二の所定値まで徐々に遅角する昇温制御手段を備えたことを特徴とする筒内噴射型内燃機関の触媒昇温装置。 - 前記昇温制御手段は、前記第一の所定値から前記第二の所定値まで時間あたり一定の割合で点火時期を徐々に遅角することを特徴とする請求項1記載の筒内噴射型内燃機関の触媒昇温装置。
- 前記昇温制御手段は、前記内燃機関の空燃比を理論空燃比よりも若干リーン側に設定するとともに、前記第一の所定値を前記内燃機関の始動直後で燃焼安定化が可能な始動時安定確保点火時期に設定し、前記第二の所定値を前記圧縮行程中の燃料噴射で燃焼安定化が可能な圧縮行程噴射時安定限界点火時期に設定することを特徴とする請求項1又は2記載の筒内噴射型内燃機関の触媒昇温装置。
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