JP2004196614A - Co除去方法及びco除去器及び水素製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成によりCO除去率を向上する。
【解決手段】選択酸化触媒が充填された複数の触媒層46〜49に空気が添加された改質ガスを導入しCOを酸化させるとともに、各触媒層46〜49の間に改質ガスを冷却する熱交換器54〜56を配置し、各触媒層46〜49におけるCO濃度低下に応じて、各熱交換器に通流する冷媒流量を調整して各触媒層の活性温度範囲をCO濃度に応じた値に保持させて、COの除去率を向上させる。
【選択図】 図1
【解決手段】選択酸化触媒が充填された複数の触媒層46〜49に空気が添加された改質ガスを導入しCOを酸化させるとともに、各触媒層46〜49の間に改質ガスを冷却する熱交換器54〜56を配置し、各触媒層46〜49におけるCO濃度低下に応じて、各熱交換器に通流する冷媒流量を調整して各触媒層の活性温度範囲をCO濃度に応じた値に保持させて、COの除去率を向上させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池に用いられる水素製造装置に係り、特に、改質ガス中のCOを酸化するCO除去技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素製造装置は、例えば、メタンなどの炭化水素系燃料を水蒸気で改質して水素リッチな改質ガスを生成して燃料電池に供給するものであり、燃料電池は、水素と酸素とを電極反応させて、直接電気エネルギを発生させるものである。
【0003】
水素製造装置において、炭化水素系燃料を水蒸気(H2O)で改質するとCOとH2が発生し、さらにCOは水蒸気との改質反応によりCO2とH2に変換される。しかし、この改質反応は平衡反応であるためCOを十分に低減することができない。このCOは、電極を被毒して燃料電池の性能低下の原因となるので、改質ガス中のCOをH2に変換するCO変成器と、CO変成器から排出される改質ガス中の微量のCOをCO2にするCO除去器とが設けられている。
【0004】
このようなCO除去器は、改質ガスに、酸素または酸素含有ガス(例えば、空気など、以下、空気と総称する)を添加して、COを燃焼させてCO2に転換するものである。ところで、改質ガスに空気を添加すると、改質ガス中のH2が燃焼することがあるため、COを選択的に酸化させる例えば、PtやRuなどの選択酸化触媒が用いられている。一般に、選択酸化触媒には、COを酸化する活性が高くなる温度範囲(以下、活性温度範囲と称する)があり、選択酸化触媒の温度、言い換えれば、改質ガスの温度を活性温度範囲内にすることにより効率良くCOを除去することができる。
【0005】
例えば、従来(特許文献1)、改質ガスの流れ方向に沿って触媒層を複数に分けて配置し、各触媒層にCOの酸化に必要な空気量を分散して供給し、各触媒層でのCOの燃焼による発熱を調整して触媒層の温度を活性温度範囲に調整することが提案されている。また、粒状の触媒を充填して触媒層を形成する場合、入口側の触媒の粒径を大きく、出口側に向かって小さくし、入口部分における改質ガスと触媒との接触面積を減らしてCOの酸化反応を抑えることにより、入口部分における急激な温度上昇を抑制するものが提案されている。さらに、改質ガスの流れ方向に沿って触媒層を複数に区分し、改質ガスの流れの下流側に対する上流側の単位体積当たりの触媒量が少なくなるように各区分に触媒を収納することが提案されている。
【0006】
また、改質ガスの流れ方向に沿って触媒層を複数の区分に分け、各区分の選択酸化触媒を活性温度が高いルテニウムRuと活性温度が低い白金Ptとを混合して形成し、各区分の混合割合を変えることにより触媒層の活性温度を上流側から下流側に向かうにつれて低下させ、これに合せて触媒層内部を冷却することが提案されている(特許文献2)。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−47621号公報
【特許文献2】
特開平11−310402号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、触媒層を流れ方向に複数に分けて配置し、各触媒層に空気を分散供給するものによれば、空気の量が多過ぎると改質ガス中の水素を燃焼させてしまうおそれがあるので、微妙な空気量の調整が必要になり制御が難しい。
【0009】
また、入口側の触媒粒径を大きくして入口部分における改質ガスと触媒との接触面積を減らし、これによりCOの酸化反応を抑えて触媒層の急激な温度上昇を抑える方法は、径が異なる多種の触媒を用意しなければならず、製造工程が煩雑になる。
【0010】
また、触媒層の下流側に対する上流側の単位体積当たりの触媒量を少なくして、上流側におけるCO酸化反応による急激な温度上昇を抑えるものについては、単位体積当たりの触媒量を調整する具体的な構成が不明であり、実現手段の開発が望まれる。
【0011】
さらに、活性温度が高い触媒と低い触媒の混合割合を改質ガスの流れ方向に沿って変え、触媒層の活性温度を上流側から下流側に向かって低下させるようにし、これに合せて出口の改質ガス温度を基準に触媒層内部を冷却する方法によれば、出口部の改質ガス温度をその部分の触媒の活性温度に調整できても、上流側の改質ガス温度(触媒層の温度)がその位置の触媒の活性温度に制御されているか否か不明であるから、必ずしもCO除去率を最適化できないという問題がある。
【0012】
本発明の第1の課題は、CO濃度に応じて変化する選択酸化触媒の活性温度に合せて、改質ガスの流れ方向の位置に応じて触媒層の温度を調整可能にすることにある。
【0013】
また、本発明の第2の課題は、CO濃度が高い上流側の触媒層の選択酸化反応を抑制するとともに、触媒層の流れ方向の温度分布をCO濃度に対応した選択酸化触媒の活性温度に調整可能な具体的な手段を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、図3に示すように、触媒の活性温度範囲が改質ガス中のCOの濃度により変化することに着目してなされたものである。すなわち、図3は、縦軸にCO除去率を、横軸にCO選択酸化触媒の温度を表し、CO濃度250ppmを実線で、CO濃度4200ppmを破線で示し、CO濃度別のCO選択酸化触媒温度とCO除去率の関係を示したグラフである。同図に示すように、COの濃度が高い場合には活性温度範囲が高く、COの濃度が低い場合には活性温度範囲が低くなるという傾向がある。
【0015】
そこで、本発明のCO除去方法は、上記第1の課題を解決するために、触媒層における流れ方向のCO濃度の低下に応じて、前記触媒層の流れ方向の位置に応じて前記改質ガスを冷却することを特徴とする。これにより、CO濃度に応じて、触媒の温度を活性温度範囲に調節できるので、CO除去率を向上させることができる。
【0016】
具体的には、触媒層を冷却する冷却器を流れ方向に分散して複数設け、各冷却器の冷却能を調整することにより実現できる。この場合において、触媒層における流れ方向の位置に対応させてCO濃度を、シミュレーションや事前試験などにより予め求め、これに対応させて触媒層の各位置の活性温度範囲を求める。そして、各位置の触媒の温度が求めた各位置の活性温度範囲になるように、各冷却器の冷却能を設定する。冷却器は、例えば、水などの冷媒を通流させる熱交換器を用いることができ、冷媒流量を調整することによって冷却能を設定する。また、熱交換器に代えてヒートパイプの一端を触媒層に挿入し、他端に水冷の冷却器などを設けるようにしてもよい。
【0017】
また、本発明のCO除去器は、第2の課題を解決するため、触媒層に不活性粒子を混入し、不活性粒子の混入割合を改質ガスの流れの下流に向かうにつれて減少させた構成とする。これによれば、不活性粒子の混入割合を変えることにより、触媒層の各部位における改質ガスに対する触媒の比表面積を調整できる。その結果、触媒層各部位における酸化反応の進行を調整して、触媒層の各部位の温度をCO濃度に応じた活性温度に調整することができる。また、これによれば、任意粒径の触媒を用いることができるから、触媒の製造が容易になる。この場合において、粒子状の触媒は、不活性粒子の表面に触媒を塗布・添加して製造することができる。
【0018】
また、本発明のCO除去器は、改質ガス中のCOを添加された空気で酸化する触媒層の流路断面積を改質ガスの流れの下流に向かうにつれて増大させて形成することを特徴とする。つまり、流れの上流の流路断面積は流れの下流の流路断面積より小さくすることで、上流の流れを早く、下流の流れを遅くする。これにより、上流のCO酸化反応は抑えられ触媒層の入口部温度の急激な上昇を抑制するとともに、触媒層の各部位の温度をCO濃度に応じた活性温度に調整することができる。
【0019】
また、本発明のCO除去器は、両端が板で塞がれた角筒状の外筒内に、外筒の長手方向に間隔を空けて複数の仕切板を適宜配置して外筒の内部にジクザグ状の流路を形成し、隣り合う仕切板の対向する空間にそれぞれ触媒層を配置し、外筒の一端に改質ガスを導く導入口を、他端に前記改質ガスを排出する排出口を設けた構成とすることができる。すなわち、改質ガスが通流する流路を蛇行させ、改質ガスをリターンフローさせることを特徴とする。これにより、例えば、隣り合う触媒層の外周部分の半分は仕切板を介して互いに保温できるので、外周部分の温度が自然放熱により低下することを緩和できる。その結果、触媒層の中心部分の温度が高く、外周部分の温度が低くなるという温度の分布を比較的なだらかにでき、広い範囲で活性温度範囲を保持できるからCO除去率を向上させることができる。
【0020】
この場合において、ジグザグ状の流路の流れの反転部、つまり、仕切板の先端と側壁との間の空間に、改質ガスを冷却する冷却器を配置した構造にすることができる。これにより、冷却器で改質ガスの温度を触媒層単位で調整することができるから、流れ方向の位置に応じて触媒層の温度を、その位置の触媒の活性温度に木目細かく調整することができ、CO除去率を最適化することができる。また、各触媒層を出た改質ガスが、流れの反転部で混合されるとともに、触媒層の中心部分を流れた比較的温度の高い改質ガスと、外周部分を流れた比較的温度の低い改質ガスとを混合して改質ガスの温度を均一にすることができる。この構成は、例えば、触媒層の中心部分と外周部分との改質ガスが混合しないハニカム状に形成された触媒層を用いる場合に特に有効である。
【0021】
また、導入口が形成された側の閉塞板と仕切板とが対向する空間に配置された触媒層に代えて、不活性粒子で形成された層を配設することができる。この不活性粒子の層により、例えば、改質ガスと改質ガスに添加された空気とを混合させることができ、例えば、混合のための絞りバルブなどが必要なくなり、絞りによる圧力損失を低減することができる。
【0022】
さらに、改質ガスの流路を下流に向かうにつれて広くする場合には、隣り合う仕切板の間隔、及び閉塞板と仕切板との間隔を、改質ガスの下流に向かうにつれて広げることで足りる。さらに、触媒層に不活性粒子を混入し、不活性粒子の混入割合を、改質ガスの流れの下流に向かうにつれて減少させる構成とすることもできる。また、触媒層を、改質ガス中のCOの酸化を促進させる第1の触媒と、この第1の触媒より高い活性で改質ガス中のCOの酸化を促進させる第2の触媒とで形成し、第1の触媒の割合を、改質ガスの流れの下流に向かうにつれて増やし、第2の触媒の割合を、改質ガスの流れの下流に向かうにつれて減らして配合することができる。
【0023】
また、本発明のCO除去器は、上述した構成のCO除去器を流れ方向に複数直列に連結し、CO除去器のそれぞれの入側に空気を供給する多段構成とすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施の形態について、図1〜図4を用いて説明する。図1は、本発明を適用してなるCO除去器を用いた水素製造装置の第1の実施形態を示した図である。図2は、本発明を適用してなる水素製造装置の一例の全体構成を示した図である。
【0025】
本実施形態の水素製造装置は、図2に示すように、例えば、天然ガス、都市ガス、メタンガス、プロパンガス、メタノール、ナフサ、ガソリンなどの炭化水素系燃料1(以下、単に燃料1と称する)、水3及び空気5が起動バーナ7に供給される。それらの燃料1、空気5、水蒸気3は、それぞれ図示していない供給量制御手段により供給量が制御されるようになっている。起動バーナ7は、起動時に燃料1を空気5で燃焼し、燃焼ガスを改質器9に供給して、燃焼触媒及び改質触媒を予熱するとともに、それらの昇温後は、改質器9に原料である燃料1と水蒸気3及び部分燃焼用の空気5を供給するものである。改質器9は、燃料1を空気5で部分燃焼させる燃焼触媒層と、燃料1に水蒸気3を反応させて燃料1を改質させる改質触媒層とを内部に備えて構成される。改質触媒としては、例えば、Ni系やRu系などの触媒を用いることができる。改質器9の改質触媒層では、昇温後、起動バーナ7から供給される燃料1と水蒸気3とが反応し、水素リッチな改質ガスを生成する。この改質反応熱(吸熱反応)を供給するため、燃焼触媒層では、起動バーナ7から供給される燃料1の一部を空気5により燃焼するようになっている。
【0026】
改質器9から排出される改質ガスは、水などの冷媒と改質ガスとを熱交換させる熱交換器15を介してCO変成器17に導かれる。CO変成器17は、改質ガス中のCOとH2Oとを反応させてCO2とH2に転換する触媒層を有している。このCOシフト触媒としては、例えば、Cu−Zn系などの遷移金属系またはPt、Ru系などの貴金属系のものを用いることができる。CO変成器17から排出される改質ガスは、水などの冷媒と改質ガスとを熱交換させる熱交換器21を通して減温され、絞りバルブ23を介してCO除去器25に導かれる。CO除去器25は、CO変成器17から排出される改質ガス中に残存しているCOを空気により燃焼させて除去するものであり、CO選択酸化触媒を備えた2つの触媒ブロックa、bを含んで形成されている。一方、熱交換器21から排出される改質ガスには絞りバルブ23を介して空気供給器27から空気が注入されるようになっている。また、触媒ブロックa、bの中間にも空気供給器27から空気が注入されるようになっている。
【0027】
次に、図1を参照して、本実施形態の特徴部であるCO除去器25の詳細構成について説明する。CO除去器25は、直方形状の筐体29の内部に、同一の構成を有する2つの触媒ブロックa、bを収納して形成されている。触媒ブロックaは、両端が閉塞板31、32で塞がれた角筒状の外筒33と、この外筒33の長手方向に間隔を空けて配置された伝熱性を有する複数(図示例では2枚)の仕切板38、40と、この仕切板38、40の間に配置された伝熱性を有する仕切板(図示例では1枚)39とを備えて形成されている。仕切板38、40は、外筒33の一方の側壁42から対向する側壁45に向かって延在され、かつ、先端が側壁45から間隔をあけて位置されている。また、仕切板39は、仕切板38、40と反対に、側壁45から対向する側壁42に向かって延在され、かつ、先端が側壁42に対して間隔をあけて位置されている。
【0028】
そして、閉塞板31と仕切板38、仕切板38と仕切板39、仕切板39と仕切板40、仕切板40と閉塞板32とが対向するそれぞれの空間に、改質ガスに添加された空気中の酸素で改質ガス中のCOを酸化する複数(図示例では4つ)の触媒層46、47、48、49が配置されている。これらの触媒層46〜49と側壁42、45との間には、多孔板または金網などからなる触媒支持材51、52が配設され、これによって触媒層46〜49が支持されるとともに、側壁42、45との間に空間が形成されている。また、閉塞板31と仕切板38と触媒層46とにより形成される空間に改質ガスを導く導入口34が設けられ、仕切板40と閉塞板32と触媒層49とにより形成される空間に、改質ガスを触媒ブロックbに供給する連絡管路35が設けられている。
【0029】
また、触媒層46〜49の選択酸化触媒は、活性温度範囲が高い高温用触媒C1と活性温度範囲が低い低温用触媒C2の2種類の粒子状触媒を混合して構成されている。その混合比は、改質ガス温度が高い上流側の触媒層46において高温用触媒C1の割合を高く設定し、改質ガス温度が低い下流の触媒層49に向かうにつれて低温用触媒C2の割合を高くするように設定する。例えば、高温用触媒C1として活性温度範囲160〜180℃のRuなどの触媒を用い、低温用触媒C2として活性温度範囲70〜80℃のPtを用いる。
【0030】
さらに、触媒層46〜49には、COに対して活性を有しない不活性粒子50(図中、白丸で示す)を混合する。この不活性粒子50としては、例えば、鉄球や、アルミナまたはジルコニアなどのセラミック粒子、等々を用いることができる。この不活性粒子50の混合割合は、CO濃度が高い上流側の触媒層46で大きく設定し、CO濃度が低くなる下流の触媒層49に向かうにつれて小さくするように設定する。例えば、触媒体積/不活性粒子体積の比が、触媒層46から触媒層49までの順に、20、10、5、0となるように調整されている。
【0031】
また、閉塞板31、側壁45、仕切板39及び触媒支持材52に囲まれた空間には熱交換器54が設置され、閉塞板32、側壁45、仕切板39及び触媒支持材52に囲まれた空間に熱交換器55が設置され、側壁42、仕切板38、仕切板40及び触媒支持材51に囲まれた空間に熱交換器56が配置されている。熱交換器54〜56を構成する伝熱パイプは、筐体29を挿通して外部に配置された弁58、59、60を介して水などの冷媒を供給する冷媒供給手段に連結されている。
【0032】
一方、触媒ブロックaと連絡管路35を介して連結されたに触媒ブロックbは、触媒ブロックaと同一の構成を有して形成されている。このように構成されるCO除去器25の触媒ブロックaの導入口34に、図2の絞りバルブ23の吐出側が連通されている。また、触媒ブロックbの排出口36が、図示していない固体高分子型の燃料電池のアノードに連通されている。また、触媒ブロックaと触媒ブロックaの連絡管路35に空気供給器27から空気が供給されるようになっている。
【0033】
このように構成される水素製造装置の実施形態の動作について、全体動作から説明する。起動時に起動バーナ7に燃料1と空気5を供給して火炎燃焼させることにより、その燃焼ガスが改質器9に供給されて燃焼触媒及び改質触媒を予熱する。燃焼触媒の温度が改質反応を進行させる所定温度(例えば、650〜850℃)に上昇したら、起動バーナ7に供給する空気5の量を下げて火炎燃焼を停止させ、起動バーナ7から水蒸気3を改質器9に供給する。燃焼触媒層においては、起動バーナ7から供給された燃料1と空気5との部分燃焼が生ずる。この燃焼反応は、燃料1がメタンの場合は下記(1)式で表せる。
【0034】
CH4+2O2 → CO2+2H2O (1)
燃焼触媒層を通過した燃料1と水蒸気3は、部分燃焼により加熱されて改質触媒に導かれ改質反応によりCOと水素に変換される。この改質反応は、燃料1がメタンの場合は下記(2)式で表せる。
【0035】
CH4+H2O ←→CO+3H2 (2)
同時に、改質触媒層では(2)式により発生したCOが水蒸気と反応して、さらに水素が生成される。この改質反応は、燃料1がメタンの場合は下記(3)式で表せる。
【0036】
CO+H2O ←→ CO2+H2 (3)
ここで、(2)式と(3)式の反応は、吸熱反応であることから、前記(1)式の燃焼熱により燃焼触媒の温度を所定温度範囲に保持するようにしているのである。また、(2)式と(3)式の反応は平衡反応であり、改質器9から排出される改質ガスは、H2の他にH2O、CO2及びCOなどを含んでいる。固体高分子型の燃料電池は、電極に白金触媒が用いられていることから、改質ガスにCOが含まれていると発電性能が劣化する。そこで、改質器9から排出される改質ガス中のCOを無視できる濃度に低減するため、CO変成器17とCO除去器25が設けられているのである。
【0037】
まず、改質器9から排出される改質ガスは、熱交換器15によりCO変成器17のCOシフト触媒に適した温度に冷却される。例えば、COシフト触媒としてCu−Zn系やPtなどを適用した場合は、その活性温度(例えば、200〜300℃)に冷却する。熱交換器15により減温された改質ガス中のCOは、CO変成器17においてCOシフト触媒の作用により、次式(4)の反応によりCO2にシフトされ、例えばCO濃度は5000ppm程度に低減される。
【0038】
CO+H2O → CO2+H2 (4)
CO変成器17により処理された改質ガスは、熱交換器21によりCO除去器25の選択酸化触媒の活性温度範囲(例えば、200℃)まで冷却される。熱交換器21で冷却された改質ガスは、絞りバルブ23を通流する過程で空気が添加されてCO除去器25に導かれる。CO除去器25に導かれた改質ガスは、触媒ブロックa、bを通流する過程で、改質ガス中に残存する微量のCOは、選択酸化触媒の作用により燃焼される(次式(5))。
【0039】
CO + 1/2O2 → CO2 (5)
次に、本発明の特徴であるCO除去器25の動作について詳細に説明する。改質ガスは、触媒ブロックaの導入口34からまず触媒層46に導入され、(5)式の反応でCOが酸化される。触媒ブロックaに流入される改質ガスのCO濃度は高いことから、選択酸化触媒により盛んにCOが酸化されて温度が上昇する。しかし、触媒層46は不活性粒子50の混合率を高く設定されているので、COの酸化反応が抑制されて温度の上昇が抑えられる。その結果、CO濃度に合せて高温用触媒C1の混合率を高く設定した触媒層46の活性温度範囲内に温度が抑えられる。
【0040】
触媒層46によりCO濃度が低下された改質ガスは、熱交換器54が設けられた空間を通過する際に冷却されて次段の触媒層47に導入される。このとき、改質ガスの流れ方向が反転(リターンフロー)するので、改質ガスの混合が促進される。触媒層47においては、不活性粒子50の混合割合がCO濃度の低下に合せて触媒層46よりも小さく設定されているので、触媒層46よりも選択酸化反応が促進される。このようにして、改質ガス中のCOは、不活性粒子50の混合割合が順次減少された触媒層46〜49順次通過する過程で、言い換えればCO濃度に応じた選択触媒の比表面積を有する触媒層46〜49を順次通過する過程で除去されることになる。また、触媒層46〜49の各段間に配置された熱交換器54〜56により、CO濃度の低下に応じて改質ガスを冷却する。これにより、各段を通過する改質ガスの温度を各段の触媒層46〜49の活性温度範囲に調整することができる。その結果、各段の触媒層46〜49におけるCO除去率を最適化して、全体としてのCO除去率を向上できる。
【0041】
さらに、触媒ブロックaで効率よくCO濃度が低減された改質ガスは、触媒ブロックaの連結管路35において空気が添加されて、次の触媒ブロックbに導入され、触媒ブロックaと同様に触媒層46〜49を順次通過する過程で十分にCOが除去される。なお、CO酸化に必要な空気量を触媒ブロックaと触媒ブロックbに分散して添加する理由は、全量の空気を触媒ブロックaに添加すると、触媒ブロックaの各触媒層の温度上昇を抑えるとともに、改質ガス中のH2の燃焼を抑えることにある。
【0042】
ここで、本実施形態の効果について、図3及び図4を用いて説明する。図3は、CO選択酸化触媒温度とCO除去率との関係の一例を、流入側のCO濃度をパラメータとして示したグラフである。図4は、CO除去器25における改質ガス温度とCO濃度の変化のシミュレーション結果の一例を示しており、横軸はCO除去器25のガス流れ方向の位置(全長を1として表した相対長)を表し、縦軸は改質ガス温度とCO濃度を表している。なお、シミュレーションに用いた触媒ブロックa、bは、筐体29は50mm×160mm×85mmの直方体のステンレス製とし、外筒33はステンレス製とし、仕切板38、39、40は50mm×55mm×0.6mmのステンレス製とし、触媒支持材51、52はステンレス製とし、触媒層46〜49の各容積は110cm3に設定した。
【0043】
まず、触媒ブロックa、bの各熱交換器54〜56の弁58〜60の開度を、各触媒層46〜49のCO濃度の低下に合せて、各触媒層の温度が低下するように設定しておく。例えば、表1に示すように、各触媒層46〜49における流れ方向の位置に対応させて、CO濃度をシミュレーションや事前試験などにより予め求める。表1において、改質ガス測定位置A〜Pは、図1中に示した点A〜Pに対応する。このようにして求めた各測定位置A〜PにおけるCO濃度と図3から、各触媒層の選択酸化触媒の活性温度範囲を求め、各弁58、59、60の開度を調整して各触媒層に流入する改質ガスの温度を調節する。例えば、触媒ブロックaの弁58は、触媒層46を通流した改質ガスの温度を230℃から180℃まで下がるように冷媒の流量を設定する。同様に、触媒ブロックaの弁59、60、触媒ブロックbの弁58、59、60の開度を、表1に基づいて設定する。なお、表1は一例を示したものであり、選択酸化触媒の種類や量、改質ガスの組成や温度などにより異なることはいうまでもない。
【0044】
【表1】
ここで、具体的な効果の一例を説明する。いま、触媒ブロックaに供給される改質ガス中のCO濃度が5000ppmの場合、触媒層46の選択酸化反応によりCO濃度が2236ppmとなり、改質ガスの温度が230℃まで上昇した。触媒層46を通過した改質ガスは、点Bから点Cまで流れる間に熱交換器54によって180℃まで冷却される。これは、CO濃度が2236ppmの場合の触媒層47の活性温度範囲である。点Cから触媒層47に流入した改質ガスは、CO濃度が1000ppmに低減され、温度が210℃まで上昇して点Dに至る。点Dから点Eまで流れる間に、熱交換器56により改質ガスは170℃まで冷却される。つまり、CO濃度が1000ppmの場合の触媒層48の活性温度範囲である170℃まで冷却される。点Eから触媒層48に流入した改質ガスのCO濃度は447ppmに低減され、温度が190℃まで上昇して点Fに至る。点Fから点Gまでに流れる間に、熱交換器55により改質ガスは、150℃まで冷却される。つまり、CO濃度が447ppmの場合の触媒層49の活性温度範囲に冷却される。そして、点Gから触媒層49に流入した改質ガスのCO濃度は200ppmに低減され、温度が160℃まで上昇して点Hに至る。
【0045】
改質ガスは点Hから連絡管路35を通流する過程で空気供給器27により空気が添加されて触媒ブロックbに流入する。触媒ブロックbに導かれた改質ガスは、触媒ブロックbの触媒層46に導かれてCO濃度が89ppmに低減され、温度が170℃まで上昇されて点Jに至る。点Jから点Kまで流れる間に、熱交換器54により改質ガスは140℃まで冷却される。つまり、CO濃度が89ppmの場合の触媒層47の活性温度範囲まで冷却される。点Kから触媒層47に流入した改質ガスは、CO濃度が40ppmに低減され、温度が150℃まで上昇して点Lに至る。点Lから点Mに流れる間で、熱交換器56により改質ガスは120℃まで冷却される。つまり、CO濃度が40ppmの場合の触媒層48の活性温度範囲に冷却される。点Mから触媒層48に流入した改質ガスは、CO濃度が18ppmに低減され、温度が125℃まで上昇して点Nに至る。点Nから点Oに流れる改質ガスは、熱交換器55により95℃まで冷却される。これは、CO濃度が18ppmの場合の触媒層49の活性温度範囲である。点Oから触媒層49に流入した改質ガスは、CO濃度が十分低濃度の8ppmに低減され、温度が100℃まで上昇して排出された。
【0046】
すなわち、図4に示すように、CO除去器25の前段の触媒ブロックaにおいては改質ガス温度を150〜240℃、後段の触媒ブロックbにおいては100〜165℃にできた。また、前段の触媒ブロックaでCO濃度を5000ppmから200ppmまで低下させ、後段の触媒ブロックbで200ppmから8ppmまで低下させることができた。また、このとき、触媒ブロックaの熱交換器54〜56では、改質ガスの熱量を30.1kJ/h除熱し、触媒ブロックbの熱交換器54〜56では、改質ガスの熱量を18.8kJ/h除熱するように設定した。また、CO除去器25から排出される改質ガスの組成は、N2:32.6%、H2:35.8%、H2O:17.1%、CO2:13.8%、CH4:0.67%、CO:8ppmであった。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態によれば、触媒層46〜49の流れ方向のCO濃度の低下に応じて触媒層を冷却して触媒の温度を活性温度範囲に調節するようにしたからCOの除去率を向上させることができる。
【0048】
また、本実施の形態によれば、触媒層46〜49を粒子状の触媒を充填して形成し、触媒層に不活性粒子50を混入してその混入割合を改質ガスの流れの下流に向かうにつれて減少させたことから、CO除去器25の入り側の急激な温度上昇を抑えることができる。特に、不活性粒子50を混入して改質ガスに対する触媒の比表面積を減少させて酸化反応を制御するようにしたことから、改質ガス温度の調整が極めて容易になる。さらに、選択酸化触媒自体は同一粒径の触媒を用いて構成することができるから、触媒の製造が容易になる。なお、粒子状の触媒は、不活性粒子の表面に触媒を塗布ないし添加して製造することができる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、改質ガスが通流する流路をジグザグ状に蛇行させて形成したことから、隣り合う触媒層は仕切板を介して互い接している。これにより、触媒層の仕切板に接する面からの放熱を抑えることができる。その結果、触媒層の外周部分の温度低下を緩和して広い範囲で活性温度範囲を保持できる。また、各触媒層間でガス流を反転させることができるから混合効果が得られ、かつその反転流部位に冷却器を配置したことから、各触媒層に流入する改質ガスの温度を効果的に均一化することができる。特に、例えば、触媒層内で中心部分と外周部分との改質ガスが混合しないハニカム状の触媒を用いる場合に好適である。
【0050】
さらに、熱交換器54〜56によって改質ガス温度を調整しているから、空気の供給量を制御して改質ガス温度を調整する場合に比べて、制御を簡単化することができる。
(第2の実施形態)
図5に本発明に係るCO除去器の第2実施形態の断面図を示す。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、熱交換器54〜56に代えてヒートパイプを用いたこと、及び各触媒層46〜49に不活性粒子50を混合するのを省略したことにある。したがって、第1の実施形態と同一のものには同じ符号を付して説明を省略する。
【0051】
本実施形態は、図5に示すように、各触媒層46〜49には、高温用触媒C1と低温用触媒C2とを第1実施形態と同じ混合比で混合した選択酸化触媒が充填されている。また、複数のヒートパイプ61の一端を、各触媒層を連通する流路(触媒支持材と側壁との間の空間)のそれぞれに挿入し、他端を外部に設けられた冷却器65に熱的に接続して形成されている。ヒートパイプ61は、例えば、水などの冷媒を封入して形成され、冷却器65には冷媒として水が通流される。ヒートパイプ61の冷却能は、第1実施形態と同様に、各触媒層46〜49を通流する改質ガス中のCO濃度の低下に応じて活性温度範囲が低下することを考慮して設定する。なお、改質ガス温度の調整は冷却器65の冷媒流量を調節して行なう。
【0052】
したがって、本実施形態によれば、不活性粒子を混入したことによる効果を除き、第1実施形態と同一の効果を奏することができる。なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様に不活性粒子を混入することができることはいうまでもない。また、図5には、触媒ブロックbの図示を省略したが、触媒ブロックbについても同一の構成を採用することができるのはいうまでもない。
(第3の実施形態)
図6に、本発明に係るCO除去器25の第3実施形態の断面図を示す。本実施形態が第1実施形態と異なる点は、前段の触媒ブロックaの触媒層46に代えて、不活性粒子50のみを充填した不活性粒子充填層70を配置し、触媒ブロックaの他の触媒層47’〜49’には不活性粒子を混入せず、かつ1種類の選択酸化触媒のみを充填したことにある。なお、第1の実施形態と同一のものには同じ符号を付して説明を省略する。
【0053】
本実施形態によれば、CO除去器25の上流側で改質ガスに添加する空気と改質ガスとの混合が、不活性粒子充填層70において十分に行なわせることができる。その結果、図2に示した絞りバルブ23を用いて改質ガスと空気とを混合させる必要がなくなるから、絞りバルブ23による比較的大きな圧力損失を低減できる。また、図6には、触媒ブロックbの図示を省略したが、触媒ブロックbについても同一の構成を採用することができるのはいうまでもない。
(第4の実施形態)
図7に本発明の第4の実施形態に係る触媒ブロックaの断面図を示す。本実施形態は、第1実施形態の不活性粒子50を混入することに代えて、触媒層46〜49の流路断面積を改質ガスの流れの上流から下流にかけて減少させて形成したことを特徴とする。また、触媒層47’〜49’に1種類の選択酸化触媒のみを充填した点が、第1実施形態と相違する。したがって、第1の実施形態と同一のものには同じ符号を付して説明を省略する。
【0054】
本実施形態の触媒ブロックaは、図7に示すように、閉塞板31と仕切板38の間隔、仕切板38と仕切板39の間隔、仕切板39と仕切板40の間隔、仕切板40と閉塞板32の間隔を、下流に向かうにつれて順次拡幅して形成されている。つまり、上流側の流路断面積を下流側の流路断面積より小さくして上流の流速を大きく、下流の流速を小さくすることにより、上流側のCO酸化反応を抑えて温度上昇を抑制して触媒ブロックaの入口部における急激な温度上昇を抑えるようにしたのである。例えば、触媒層46〜49の流路断面の比は、上流から下流に向けて2:3:4:5にすることができるが、この比は選択酸化触媒の種類及び各触媒層の活性温度範囲の設定に応じて適宜設定する。
【0055】
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、図7には、触媒ブロックbの図示を省略したが、触媒ブロックbについても同一の構成を採用することができるのはいうまでもない。
【0056】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、簡単な構成によりCO除去率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなるCO除去器の第1の実施形態の断面図である。
【図2】本発明を適用可能な水素製造装置の一実施形態の全体構成を示した図である。
【図3】CO選択酸化触媒温度とCO除去率との関係の一例を示すグラフである。
【図4】CO除去器における改質ガス温度とCO濃度の変化のシミュレーション結果の一例を示したグラフである。
【図5】本発明を適用してなるCO除去器の第2の実施形態の断面図である。
【図6】本発明を適用してなるCO除去器の第3の実施形態の断面図である。
【図7】本発明を適用してなるCO除去器の第4の実施形態の断面図である。
【符号の説明】
25 CO除去器
29 筐体
31,32 閉塞板
33 外筒
34 導入口
35 連絡管路
36 排出口
38〜39 仕切板
46〜49 触媒層
54〜56 熱交換器
58、59、60 弁
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池に用いられる水素製造装置に係り、特に、改質ガス中のCOを酸化するCO除去技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素製造装置は、例えば、メタンなどの炭化水素系燃料を水蒸気で改質して水素リッチな改質ガスを生成して燃料電池に供給するものであり、燃料電池は、水素と酸素とを電極反応させて、直接電気エネルギを発生させるものである。
【0003】
水素製造装置において、炭化水素系燃料を水蒸気(H2O)で改質するとCOとH2が発生し、さらにCOは水蒸気との改質反応によりCO2とH2に変換される。しかし、この改質反応は平衡反応であるためCOを十分に低減することができない。このCOは、電極を被毒して燃料電池の性能低下の原因となるので、改質ガス中のCOをH2に変換するCO変成器と、CO変成器から排出される改質ガス中の微量のCOをCO2にするCO除去器とが設けられている。
【0004】
このようなCO除去器は、改質ガスに、酸素または酸素含有ガス(例えば、空気など、以下、空気と総称する)を添加して、COを燃焼させてCO2に転換するものである。ところで、改質ガスに空気を添加すると、改質ガス中のH2が燃焼することがあるため、COを選択的に酸化させる例えば、PtやRuなどの選択酸化触媒が用いられている。一般に、選択酸化触媒には、COを酸化する活性が高くなる温度範囲(以下、活性温度範囲と称する)があり、選択酸化触媒の温度、言い換えれば、改質ガスの温度を活性温度範囲内にすることにより効率良くCOを除去することができる。
【0005】
例えば、従来(特許文献1)、改質ガスの流れ方向に沿って触媒層を複数に分けて配置し、各触媒層にCOの酸化に必要な空気量を分散して供給し、各触媒層でのCOの燃焼による発熱を調整して触媒層の温度を活性温度範囲に調整することが提案されている。また、粒状の触媒を充填して触媒層を形成する場合、入口側の触媒の粒径を大きく、出口側に向かって小さくし、入口部分における改質ガスと触媒との接触面積を減らしてCOの酸化反応を抑えることにより、入口部分における急激な温度上昇を抑制するものが提案されている。さらに、改質ガスの流れ方向に沿って触媒層を複数に区分し、改質ガスの流れの下流側に対する上流側の単位体積当たりの触媒量が少なくなるように各区分に触媒を収納することが提案されている。
【0006】
また、改質ガスの流れ方向に沿って触媒層を複数の区分に分け、各区分の選択酸化触媒を活性温度が高いルテニウムRuと活性温度が低い白金Ptとを混合して形成し、各区分の混合割合を変えることにより触媒層の活性温度を上流側から下流側に向かうにつれて低下させ、これに合せて触媒層内部を冷却することが提案されている(特許文献2)。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−47621号公報
【特許文献2】
特開平11−310402号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、触媒層を流れ方向に複数に分けて配置し、各触媒層に空気を分散供給するものによれば、空気の量が多過ぎると改質ガス中の水素を燃焼させてしまうおそれがあるので、微妙な空気量の調整が必要になり制御が難しい。
【0009】
また、入口側の触媒粒径を大きくして入口部分における改質ガスと触媒との接触面積を減らし、これによりCOの酸化反応を抑えて触媒層の急激な温度上昇を抑える方法は、径が異なる多種の触媒を用意しなければならず、製造工程が煩雑になる。
【0010】
また、触媒層の下流側に対する上流側の単位体積当たりの触媒量を少なくして、上流側におけるCO酸化反応による急激な温度上昇を抑えるものについては、単位体積当たりの触媒量を調整する具体的な構成が不明であり、実現手段の開発が望まれる。
【0011】
さらに、活性温度が高い触媒と低い触媒の混合割合を改質ガスの流れ方向に沿って変え、触媒層の活性温度を上流側から下流側に向かって低下させるようにし、これに合せて出口の改質ガス温度を基準に触媒層内部を冷却する方法によれば、出口部の改質ガス温度をその部分の触媒の活性温度に調整できても、上流側の改質ガス温度(触媒層の温度)がその位置の触媒の活性温度に制御されているか否か不明であるから、必ずしもCO除去率を最適化できないという問題がある。
【0012】
本発明の第1の課題は、CO濃度に応じて変化する選択酸化触媒の活性温度に合せて、改質ガスの流れ方向の位置に応じて触媒層の温度を調整可能にすることにある。
【0013】
また、本発明の第2の課題は、CO濃度が高い上流側の触媒層の選択酸化反応を抑制するとともに、触媒層の流れ方向の温度分布をCO濃度に対応した選択酸化触媒の活性温度に調整可能な具体的な手段を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、図3に示すように、触媒の活性温度範囲が改質ガス中のCOの濃度により変化することに着目してなされたものである。すなわち、図3は、縦軸にCO除去率を、横軸にCO選択酸化触媒の温度を表し、CO濃度250ppmを実線で、CO濃度4200ppmを破線で示し、CO濃度別のCO選択酸化触媒温度とCO除去率の関係を示したグラフである。同図に示すように、COの濃度が高い場合には活性温度範囲が高く、COの濃度が低い場合には活性温度範囲が低くなるという傾向がある。
【0015】
そこで、本発明のCO除去方法は、上記第1の課題を解決するために、触媒層における流れ方向のCO濃度の低下に応じて、前記触媒層の流れ方向の位置に応じて前記改質ガスを冷却することを特徴とする。これにより、CO濃度に応じて、触媒の温度を活性温度範囲に調節できるので、CO除去率を向上させることができる。
【0016】
具体的には、触媒層を冷却する冷却器を流れ方向に分散して複数設け、各冷却器の冷却能を調整することにより実現できる。この場合において、触媒層における流れ方向の位置に対応させてCO濃度を、シミュレーションや事前試験などにより予め求め、これに対応させて触媒層の各位置の活性温度範囲を求める。そして、各位置の触媒の温度が求めた各位置の活性温度範囲になるように、各冷却器の冷却能を設定する。冷却器は、例えば、水などの冷媒を通流させる熱交換器を用いることができ、冷媒流量を調整することによって冷却能を設定する。また、熱交換器に代えてヒートパイプの一端を触媒層に挿入し、他端に水冷の冷却器などを設けるようにしてもよい。
【0017】
また、本発明のCO除去器は、第2の課題を解決するため、触媒層に不活性粒子を混入し、不活性粒子の混入割合を改質ガスの流れの下流に向かうにつれて減少させた構成とする。これによれば、不活性粒子の混入割合を変えることにより、触媒層の各部位における改質ガスに対する触媒の比表面積を調整できる。その結果、触媒層各部位における酸化反応の進行を調整して、触媒層の各部位の温度をCO濃度に応じた活性温度に調整することができる。また、これによれば、任意粒径の触媒を用いることができるから、触媒の製造が容易になる。この場合において、粒子状の触媒は、不活性粒子の表面に触媒を塗布・添加して製造することができる。
【0018】
また、本発明のCO除去器は、改質ガス中のCOを添加された空気で酸化する触媒層の流路断面積を改質ガスの流れの下流に向かうにつれて増大させて形成することを特徴とする。つまり、流れの上流の流路断面積は流れの下流の流路断面積より小さくすることで、上流の流れを早く、下流の流れを遅くする。これにより、上流のCO酸化反応は抑えられ触媒層の入口部温度の急激な上昇を抑制するとともに、触媒層の各部位の温度をCO濃度に応じた活性温度に調整することができる。
【0019】
また、本発明のCO除去器は、両端が板で塞がれた角筒状の外筒内に、外筒の長手方向に間隔を空けて複数の仕切板を適宜配置して外筒の内部にジクザグ状の流路を形成し、隣り合う仕切板の対向する空間にそれぞれ触媒層を配置し、外筒の一端に改質ガスを導く導入口を、他端に前記改質ガスを排出する排出口を設けた構成とすることができる。すなわち、改質ガスが通流する流路を蛇行させ、改質ガスをリターンフローさせることを特徴とする。これにより、例えば、隣り合う触媒層の外周部分の半分は仕切板を介して互いに保温できるので、外周部分の温度が自然放熱により低下することを緩和できる。その結果、触媒層の中心部分の温度が高く、外周部分の温度が低くなるという温度の分布を比較的なだらかにでき、広い範囲で活性温度範囲を保持できるからCO除去率を向上させることができる。
【0020】
この場合において、ジグザグ状の流路の流れの反転部、つまり、仕切板の先端と側壁との間の空間に、改質ガスを冷却する冷却器を配置した構造にすることができる。これにより、冷却器で改質ガスの温度を触媒層単位で調整することができるから、流れ方向の位置に応じて触媒層の温度を、その位置の触媒の活性温度に木目細かく調整することができ、CO除去率を最適化することができる。また、各触媒層を出た改質ガスが、流れの反転部で混合されるとともに、触媒層の中心部分を流れた比較的温度の高い改質ガスと、外周部分を流れた比較的温度の低い改質ガスとを混合して改質ガスの温度を均一にすることができる。この構成は、例えば、触媒層の中心部分と外周部分との改質ガスが混合しないハニカム状に形成された触媒層を用いる場合に特に有効である。
【0021】
また、導入口が形成された側の閉塞板と仕切板とが対向する空間に配置された触媒層に代えて、不活性粒子で形成された層を配設することができる。この不活性粒子の層により、例えば、改質ガスと改質ガスに添加された空気とを混合させることができ、例えば、混合のための絞りバルブなどが必要なくなり、絞りによる圧力損失を低減することができる。
【0022】
さらに、改質ガスの流路を下流に向かうにつれて広くする場合には、隣り合う仕切板の間隔、及び閉塞板と仕切板との間隔を、改質ガスの下流に向かうにつれて広げることで足りる。さらに、触媒層に不活性粒子を混入し、不活性粒子の混入割合を、改質ガスの流れの下流に向かうにつれて減少させる構成とすることもできる。また、触媒層を、改質ガス中のCOの酸化を促進させる第1の触媒と、この第1の触媒より高い活性で改質ガス中のCOの酸化を促進させる第2の触媒とで形成し、第1の触媒の割合を、改質ガスの流れの下流に向かうにつれて増やし、第2の触媒の割合を、改質ガスの流れの下流に向かうにつれて減らして配合することができる。
【0023】
また、本発明のCO除去器は、上述した構成のCO除去器を流れ方向に複数直列に連結し、CO除去器のそれぞれの入側に空気を供給する多段構成とすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施の形態について、図1〜図4を用いて説明する。図1は、本発明を適用してなるCO除去器を用いた水素製造装置の第1の実施形態を示した図である。図2は、本発明を適用してなる水素製造装置の一例の全体構成を示した図である。
【0025】
本実施形態の水素製造装置は、図2に示すように、例えば、天然ガス、都市ガス、メタンガス、プロパンガス、メタノール、ナフサ、ガソリンなどの炭化水素系燃料1(以下、単に燃料1と称する)、水3及び空気5が起動バーナ7に供給される。それらの燃料1、空気5、水蒸気3は、それぞれ図示していない供給量制御手段により供給量が制御されるようになっている。起動バーナ7は、起動時に燃料1を空気5で燃焼し、燃焼ガスを改質器9に供給して、燃焼触媒及び改質触媒を予熱するとともに、それらの昇温後は、改質器9に原料である燃料1と水蒸気3及び部分燃焼用の空気5を供給するものである。改質器9は、燃料1を空気5で部分燃焼させる燃焼触媒層と、燃料1に水蒸気3を反応させて燃料1を改質させる改質触媒層とを内部に備えて構成される。改質触媒としては、例えば、Ni系やRu系などの触媒を用いることができる。改質器9の改質触媒層では、昇温後、起動バーナ7から供給される燃料1と水蒸気3とが反応し、水素リッチな改質ガスを生成する。この改質反応熱(吸熱反応)を供給するため、燃焼触媒層では、起動バーナ7から供給される燃料1の一部を空気5により燃焼するようになっている。
【0026】
改質器9から排出される改質ガスは、水などの冷媒と改質ガスとを熱交換させる熱交換器15を介してCO変成器17に導かれる。CO変成器17は、改質ガス中のCOとH2Oとを反応させてCO2とH2に転換する触媒層を有している。このCOシフト触媒としては、例えば、Cu−Zn系などの遷移金属系またはPt、Ru系などの貴金属系のものを用いることができる。CO変成器17から排出される改質ガスは、水などの冷媒と改質ガスとを熱交換させる熱交換器21を通して減温され、絞りバルブ23を介してCO除去器25に導かれる。CO除去器25は、CO変成器17から排出される改質ガス中に残存しているCOを空気により燃焼させて除去するものであり、CO選択酸化触媒を備えた2つの触媒ブロックa、bを含んで形成されている。一方、熱交換器21から排出される改質ガスには絞りバルブ23を介して空気供給器27から空気が注入されるようになっている。また、触媒ブロックa、bの中間にも空気供給器27から空気が注入されるようになっている。
【0027】
次に、図1を参照して、本実施形態の特徴部であるCO除去器25の詳細構成について説明する。CO除去器25は、直方形状の筐体29の内部に、同一の構成を有する2つの触媒ブロックa、bを収納して形成されている。触媒ブロックaは、両端が閉塞板31、32で塞がれた角筒状の外筒33と、この外筒33の長手方向に間隔を空けて配置された伝熱性を有する複数(図示例では2枚)の仕切板38、40と、この仕切板38、40の間に配置された伝熱性を有する仕切板(図示例では1枚)39とを備えて形成されている。仕切板38、40は、外筒33の一方の側壁42から対向する側壁45に向かって延在され、かつ、先端が側壁45から間隔をあけて位置されている。また、仕切板39は、仕切板38、40と反対に、側壁45から対向する側壁42に向かって延在され、かつ、先端が側壁42に対して間隔をあけて位置されている。
【0028】
そして、閉塞板31と仕切板38、仕切板38と仕切板39、仕切板39と仕切板40、仕切板40と閉塞板32とが対向するそれぞれの空間に、改質ガスに添加された空気中の酸素で改質ガス中のCOを酸化する複数(図示例では4つ)の触媒層46、47、48、49が配置されている。これらの触媒層46〜49と側壁42、45との間には、多孔板または金網などからなる触媒支持材51、52が配設され、これによって触媒層46〜49が支持されるとともに、側壁42、45との間に空間が形成されている。また、閉塞板31と仕切板38と触媒層46とにより形成される空間に改質ガスを導く導入口34が設けられ、仕切板40と閉塞板32と触媒層49とにより形成される空間に、改質ガスを触媒ブロックbに供給する連絡管路35が設けられている。
【0029】
また、触媒層46〜49の選択酸化触媒は、活性温度範囲が高い高温用触媒C1と活性温度範囲が低い低温用触媒C2の2種類の粒子状触媒を混合して構成されている。その混合比は、改質ガス温度が高い上流側の触媒層46において高温用触媒C1の割合を高く設定し、改質ガス温度が低い下流の触媒層49に向かうにつれて低温用触媒C2の割合を高くするように設定する。例えば、高温用触媒C1として活性温度範囲160〜180℃のRuなどの触媒を用い、低温用触媒C2として活性温度範囲70〜80℃のPtを用いる。
【0030】
さらに、触媒層46〜49には、COに対して活性を有しない不活性粒子50(図中、白丸で示す)を混合する。この不活性粒子50としては、例えば、鉄球や、アルミナまたはジルコニアなどのセラミック粒子、等々を用いることができる。この不活性粒子50の混合割合は、CO濃度が高い上流側の触媒層46で大きく設定し、CO濃度が低くなる下流の触媒層49に向かうにつれて小さくするように設定する。例えば、触媒体積/不活性粒子体積の比が、触媒層46から触媒層49までの順に、20、10、5、0となるように調整されている。
【0031】
また、閉塞板31、側壁45、仕切板39及び触媒支持材52に囲まれた空間には熱交換器54が設置され、閉塞板32、側壁45、仕切板39及び触媒支持材52に囲まれた空間に熱交換器55が設置され、側壁42、仕切板38、仕切板40及び触媒支持材51に囲まれた空間に熱交換器56が配置されている。熱交換器54〜56を構成する伝熱パイプは、筐体29を挿通して外部に配置された弁58、59、60を介して水などの冷媒を供給する冷媒供給手段に連結されている。
【0032】
一方、触媒ブロックaと連絡管路35を介して連結されたに触媒ブロックbは、触媒ブロックaと同一の構成を有して形成されている。このように構成されるCO除去器25の触媒ブロックaの導入口34に、図2の絞りバルブ23の吐出側が連通されている。また、触媒ブロックbの排出口36が、図示していない固体高分子型の燃料電池のアノードに連通されている。また、触媒ブロックaと触媒ブロックaの連絡管路35に空気供給器27から空気が供給されるようになっている。
【0033】
このように構成される水素製造装置の実施形態の動作について、全体動作から説明する。起動時に起動バーナ7に燃料1と空気5を供給して火炎燃焼させることにより、その燃焼ガスが改質器9に供給されて燃焼触媒及び改質触媒を予熱する。燃焼触媒の温度が改質反応を進行させる所定温度(例えば、650〜850℃)に上昇したら、起動バーナ7に供給する空気5の量を下げて火炎燃焼を停止させ、起動バーナ7から水蒸気3を改質器9に供給する。燃焼触媒層においては、起動バーナ7から供給された燃料1と空気5との部分燃焼が生ずる。この燃焼反応は、燃料1がメタンの場合は下記(1)式で表せる。
【0034】
CH4+2O2 → CO2+2H2O (1)
燃焼触媒層を通過した燃料1と水蒸気3は、部分燃焼により加熱されて改質触媒に導かれ改質反応によりCOと水素に変換される。この改質反応は、燃料1がメタンの場合は下記(2)式で表せる。
【0035】
CH4+H2O ←→CO+3H2 (2)
同時に、改質触媒層では(2)式により発生したCOが水蒸気と反応して、さらに水素が生成される。この改質反応は、燃料1がメタンの場合は下記(3)式で表せる。
【0036】
CO+H2O ←→ CO2+H2 (3)
ここで、(2)式と(3)式の反応は、吸熱反応であることから、前記(1)式の燃焼熱により燃焼触媒の温度を所定温度範囲に保持するようにしているのである。また、(2)式と(3)式の反応は平衡反応であり、改質器9から排出される改質ガスは、H2の他にH2O、CO2及びCOなどを含んでいる。固体高分子型の燃料電池は、電極に白金触媒が用いられていることから、改質ガスにCOが含まれていると発電性能が劣化する。そこで、改質器9から排出される改質ガス中のCOを無視できる濃度に低減するため、CO変成器17とCO除去器25が設けられているのである。
【0037】
まず、改質器9から排出される改質ガスは、熱交換器15によりCO変成器17のCOシフト触媒に適した温度に冷却される。例えば、COシフト触媒としてCu−Zn系やPtなどを適用した場合は、その活性温度(例えば、200〜300℃)に冷却する。熱交換器15により減温された改質ガス中のCOは、CO変成器17においてCOシフト触媒の作用により、次式(4)の反応によりCO2にシフトされ、例えばCO濃度は5000ppm程度に低減される。
【0038】
CO+H2O → CO2+H2 (4)
CO変成器17により処理された改質ガスは、熱交換器21によりCO除去器25の選択酸化触媒の活性温度範囲(例えば、200℃)まで冷却される。熱交換器21で冷却された改質ガスは、絞りバルブ23を通流する過程で空気が添加されてCO除去器25に導かれる。CO除去器25に導かれた改質ガスは、触媒ブロックa、bを通流する過程で、改質ガス中に残存する微量のCOは、選択酸化触媒の作用により燃焼される(次式(5))。
【0039】
CO + 1/2O2 → CO2 (5)
次に、本発明の特徴であるCO除去器25の動作について詳細に説明する。改質ガスは、触媒ブロックaの導入口34からまず触媒層46に導入され、(5)式の反応でCOが酸化される。触媒ブロックaに流入される改質ガスのCO濃度は高いことから、選択酸化触媒により盛んにCOが酸化されて温度が上昇する。しかし、触媒層46は不活性粒子50の混合率を高く設定されているので、COの酸化反応が抑制されて温度の上昇が抑えられる。その結果、CO濃度に合せて高温用触媒C1の混合率を高く設定した触媒層46の活性温度範囲内に温度が抑えられる。
【0040】
触媒層46によりCO濃度が低下された改質ガスは、熱交換器54が設けられた空間を通過する際に冷却されて次段の触媒層47に導入される。このとき、改質ガスの流れ方向が反転(リターンフロー)するので、改質ガスの混合が促進される。触媒層47においては、不活性粒子50の混合割合がCO濃度の低下に合せて触媒層46よりも小さく設定されているので、触媒層46よりも選択酸化反応が促進される。このようにして、改質ガス中のCOは、不活性粒子50の混合割合が順次減少された触媒層46〜49順次通過する過程で、言い換えればCO濃度に応じた選択触媒の比表面積を有する触媒層46〜49を順次通過する過程で除去されることになる。また、触媒層46〜49の各段間に配置された熱交換器54〜56により、CO濃度の低下に応じて改質ガスを冷却する。これにより、各段を通過する改質ガスの温度を各段の触媒層46〜49の活性温度範囲に調整することができる。その結果、各段の触媒層46〜49におけるCO除去率を最適化して、全体としてのCO除去率を向上できる。
【0041】
さらに、触媒ブロックaで効率よくCO濃度が低減された改質ガスは、触媒ブロックaの連結管路35において空気が添加されて、次の触媒ブロックbに導入され、触媒ブロックaと同様に触媒層46〜49を順次通過する過程で十分にCOが除去される。なお、CO酸化に必要な空気量を触媒ブロックaと触媒ブロックbに分散して添加する理由は、全量の空気を触媒ブロックaに添加すると、触媒ブロックaの各触媒層の温度上昇を抑えるとともに、改質ガス中のH2の燃焼を抑えることにある。
【0042】
ここで、本実施形態の効果について、図3及び図4を用いて説明する。図3は、CO選択酸化触媒温度とCO除去率との関係の一例を、流入側のCO濃度をパラメータとして示したグラフである。図4は、CO除去器25における改質ガス温度とCO濃度の変化のシミュレーション結果の一例を示しており、横軸はCO除去器25のガス流れ方向の位置(全長を1として表した相対長)を表し、縦軸は改質ガス温度とCO濃度を表している。なお、シミュレーションに用いた触媒ブロックa、bは、筐体29は50mm×160mm×85mmの直方体のステンレス製とし、外筒33はステンレス製とし、仕切板38、39、40は50mm×55mm×0.6mmのステンレス製とし、触媒支持材51、52はステンレス製とし、触媒層46〜49の各容積は110cm3に設定した。
【0043】
まず、触媒ブロックa、bの各熱交換器54〜56の弁58〜60の開度を、各触媒層46〜49のCO濃度の低下に合せて、各触媒層の温度が低下するように設定しておく。例えば、表1に示すように、各触媒層46〜49における流れ方向の位置に対応させて、CO濃度をシミュレーションや事前試験などにより予め求める。表1において、改質ガス測定位置A〜Pは、図1中に示した点A〜Pに対応する。このようにして求めた各測定位置A〜PにおけるCO濃度と図3から、各触媒層の選択酸化触媒の活性温度範囲を求め、各弁58、59、60の開度を調整して各触媒層に流入する改質ガスの温度を調節する。例えば、触媒ブロックaの弁58は、触媒層46を通流した改質ガスの温度を230℃から180℃まで下がるように冷媒の流量を設定する。同様に、触媒ブロックaの弁59、60、触媒ブロックbの弁58、59、60の開度を、表1に基づいて設定する。なお、表1は一例を示したものであり、選択酸化触媒の種類や量、改質ガスの組成や温度などにより異なることはいうまでもない。
【0044】
【表1】
ここで、具体的な効果の一例を説明する。いま、触媒ブロックaに供給される改質ガス中のCO濃度が5000ppmの場合、触媒層46の選択酸化反応によりCO濃度が2236ppmとなり、改質ガスの温度が230℃まで上昇した。触媒層46を通過した改質ガスは、点Bから点Cまで流れる間に熱交換器54によって180℃まで冷却される。これは、CO濃度が2236ppmの場合の触媒層47の活性温度範囲である。点Cから触媒層47に流入した改質ガスは、CO濃度が1000ppmに低減され、温度が210℃まで上昇して点Dに至る。点Dから点Eまで流れる間に、熱交換器56により改質ガスは170℃まで冷却される。つまり、CO濃度が1000ppmの場合の触媒層48の活性温度範囲である170℃まで冷却される。点Eから触媒層48に流入した改質ガスのCO濃度は447ppmに低減され、温度が190℃まで上昇して点Fに至る。点Fから点Gまでに流れる間に、熱交換器55により改質ガスは、150℃まで冷却される。つまり、CO濃度が447ppmの場合の触媒層49の活性温度範囲に冷却される。そして、点Gから触媒層49に流入した改質ガスのCO濃度は200ppmに低減され、温度が160℃まで上昇して点Hに至る。
【0045】
改質ガスは点Hから連絡管路35を通流する過程で空気供給器27により空気が添加されて触媒ブロックbに流入する。触媒ブロックbに導かれた改質ガスは、触媒ブロックbの触媒層46に導かれてCO濃度が89ppmに低減され、温度が170℃まで上昇されて点Jに至る。点Jから点Kまで流れる間に、熱交換器54により改質ガスは140℃まで冷却される。つまり、CO濃度が89ppmの場合の触媒層47の活性温度範囲まで冷却される。点Kから触媒層47に流入した改質ガスは、CO濃度が40ppmに低減され、温度が150℃まで上昇して点Lに至る。点Lから点Mに流れる間で、熱交換器56により改質ガスは120℃まで冷却される。つまり、CO濃度が40ppmの場合の触媒層48の活性温度範囲に冷却される。点Mから触媒層48に流入した改質ガスは、CO濃度が18ppmに低減され、温度が125℃まで上昇して点Nに至る。点Nから点Oに流れる改質ガスは、熱交換器55により95℃まで冷却される。これは、CO濃度が18ppmの場合の触媒層49の活性温度範囲である。点Oから触媒層49に流入した改質ガスは、CO濃度が十分低濃度の8ppmに低減され、温度が100℃まで上昇して排出された。
【0046】
すなわち、図4に示すように、CO除去器25の前段の触媒ブロックaにおいては改質ガス温度を150〜240℃、後段の触媒ブロックbにおいては100〜165℃にできた。また、前段の触媒ブロックaでCO濃度を5000ppmから200ppmまで低下させ、後段の触媒ブロックbで200ppmから8ppmまで低下させることができた。また、このとき、触媒ブロックaの熱交換器54〜56では、改質ガスの熱量を30.1kJ/h除熱し、触媒ブロックbの熱交換器54〜56では、改質ガスの熱量を18.8kJ/h除熱するように設定した。また、CO除去器25から排出される改質ガスの組成は、N2:32.6%、H2:35.8%、H2O:17.1%、CO2:13.8%、CH4:0.67%、CO:8ppmであった。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態によれば、触媒層46〜49の流れ方向のCO濃度の低下に応じて触媒層を冷却して触媒の温度を活性温度範囲に調節するようにしたからCOの除去率を向上させることができる。
【0048】
また、本実施の形態によれば、触媒層46〜49を粒子状の触媒を充填して形成し、触媒層に不活性粒子50を混入してその混入割合を改質ガスの流れの下流に向かうにつれて減少させたことから、CO除去器25の入り側の急激な温度上昇を抑えることができる。特に、不活性粒子50を混入して改質ガスに対する触媒の比表面積を減少させて酸化反応を制御するようにしたことから、改質ガス温度の調整が極めて容易になる。さらに、選択酸化触媒自体は同一粒径の触媒を用いて構成することができるから、触媒の製造が容易になる。なお、粒子状の触媒は、不活性粒子の表面に触媒を塗布ないし添加して製造することができる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、改質ガスが通流する流路をジグザグ状に蛇行させて形成したことから、隣り合う触媒層は仕切板を介して互い接している。これにより、触媒層の仕切板に接する面からの放熱を抑えることができる。その結果、触媒層の外周部分の温度低下を緩和して広い範囲で活性温度範囲を保持できる。また、各触媒層間でガス流を反転させることができるから混合効果が得られ、かつその反転流部位に冷却器を配置したことから、各触媒層に流入する改質ガスの温度を効果的に均一化することができる。特に、例えば、触媒層内で中心部分と外周部分との改質ガスが混合しないハニカム状の触媒を用いる場合に好適である。
【0050】
さらに、熱交換器54〜56によって改質ガス温度を調整しているから、空気の供給量を制御して改質ガス温度を調整する場合に比べて、制御を簡単化することができる。
(第2の実施形態)
図5に本発明に係るCO除去器の第2実施形態の断面図を示す。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、熱交換器54〜56に代えてヒートパイプを用いたこと、及び各触媒層46〜49に不活性粒子50を混合するのを省略したことにある。したがって、第1の実施形態と同一のものには同じ符号を付して説明を省略する。
【0051】
本実施形態は、図5に示すように、各触媒層46〜49には、高温用触媒C1と低温用触媒C2とを第1実施形態と同じ混合比で混合した選択酸化触媒が充填されている。また、複数のヒートパイプ61の一端を、各触媒層を連通する流路(触媒支持材と側壁との間の空間)のそれぞれに挿入し、他端を外部に設けられた冷却器65に熱的に接続して形成されている。ヒートパイプ61は、例えば、水などの冷媒を封入して形成され、冷却器65には冷媒として水が通流される。ヒートパイプ61の冷却能は、第1実施形態と同様に、各触媒層46〜49を通流する改質ガス中のCO濃度の低下に応じて活性温度範囲が低下することを考慮して設定する。なお、改質ガス温度の調整は冷却器65の冷媒流量を調節して行なう。
【0052】
したがって、本実施形態によれば、不活性粒子を混入したことによる効果を除き、第1実施形態と同一の効果を奏することができる。なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様に不活性粒子を混入することができることはいうまでもない。また、図5には、触媒ブロックbの図示を省略したが、触媒ブロックbについても同一の構成を採用することができるのはいうまでもない。
(第3の実施形態)
図6に、本発明に係るCO除去器25の第3実施形態の断面図を示す。本実施形態が第1実施形態と異なる点は、前段の触媒ブロックaの触媒層46に代えて、不活性粒子50のみを充填した不活性粒子充填層70を配置し、触媒ブロックaの他の触媒層47’〜49’には不活性粒子を混入せず、かつ1種類の選択酸化触媒のみを充填したことにある。なお、第1の実施形態と同一のものには同じ符号を付して説明を省略する。
【0053】
本実施形態によれば、CO除去器25の上流側で改質ガスに添加する空気と改質ガスとの混合が、不活性粒子充填層70において十分に行なわせることができる。その結果、図2に示した絞りバルブ23を用いて改質ガスと空気とを混合させる必要がなくなるから、絞りバルブ23による比較的大きな圧力損失を低減できる。また、図6には、触媒ブロックbの図示を省略したが、触媒ブロックbについても同一の構成を採用することができるのはいうまでもない。
(第4の実施形態)
図7に本発明の第4の実施形態に係る触媒ブロックaの断面図を示す。本実施形態は、第1実施形態の不活性粒子50を混入することに代えて、触媒層46〜49の流路断面積を改質ガスの流れの上流から下流にかけて減少させて形成したことを特徴とする。また、触媒層47’〜49’に1種類の選択酸化触媒のみを充填した点が、第1実施形態と相違する。したがって、第1の実施形態と同一のものには同じ符号を付して説明を省略する。
【0054】
本実施形態の触媒ブロックaは、図7に示すように、閉塞板31と仕切板38の間隔、仕切板38と仕切板39の間隔、仕切板39と仕切板40の間隔、仕切板40と閉塞板32の間隔を、下流に向かうにつれて順次拡幅して形成されている。つまり、上流側の流路断面積を下流側の流路断面積より小さくして上流の流速を大きく、下流の流速を小さくすることにより、上流側のCO酸化反応を抑えて温度上昇を抑制して触媒ブロックaの入口部における急激な温度上昇を抑えるようにしたのである。例えば、触媒層46〜49の流路断面の比は、上流から下流に向けて2:3:4:5にすることができるが、この比は選択酸化触媒の種類及び各触媒層の活性温度範囲の設定に応じて適宜設定する。
【0055】
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、図7には、触媒ブロックbの図示を省略したが、触媒ブロックbについても同一の構成を採用することができるのはいうまでもない。
【0056】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、簡単な構成によりCO除去率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなるCO除去器の第1の実施形態の断面図である。
【図2】本発明を適用可能な水素製造装置の一実施形態の全体構成を示した図である。
【図3】CO選択酸化触媒温度とCO除去率との関係の一例を示すグラフである。
【図4】CO除去器における改質ガス温度とCO濃度の変化のシミュレーション結果の一例を示したグラフである。
【図5】本発明を適用してなるCO除去器の第2の実施形態の断面図である。
【図6】本発明を適用してなるCO除去器の第3の実施形態の断面図である。
【図7】本発明を適用してなるCO除去器の第4の実施形態の断面図である。
【符号の説明】
25 CO除去器
29 筐体
31,32 閉塞板
33 外筒
34 導入口
35 連絡管路
36 排出口
38〜39 仕切板
46〜49 触媒層
54〜56 熱交換器
58、59、60 弁
Claims (13)
- 改質ガスに酸素または酸素含有ガスを添加して触媒層に導き、前記改質ガス中のCOを酸化させるCO除去方法において、前記触媒層における流れ方向のCO濃度の低下に応じて、前記触媒層の流れ方向の位置に応じて前記改質ガスを冷却することを特徴とするCO除去方法。
- 酸素または酸素含有ガスが添加された改質ガスが通流され、該改質ガス中のCOを酸化する複数の触媒層を前記改質ガスの流れ方向に配置し、前記各触媒層の間に前記改質ガスを冷却する冷却器を備えたCO除去器。
- 酸素または酸素含有ガスが添加された改質ガスが通流され、該改質ガス中のCOを酸化する粒子状の触媒が充填されてなる触媒層を備え、前記触媒層に不活性粒子を混入し、前記不活性粒子の混入割合を、前記改質ガスの流れの下流に向かうにつれて減少させたCO除去器。
- 酸素または酸素含有ガスが添加された改質ガスが通流され、該改質ガス中のCOを酸化する触媒層を備え、該触媒層の流路断面積を前記改質ガスの流れの下流に向かうにつれて増大させたCO除去器。
- 両端が板で塞がれた角筒状の外筒内に、該外筒の長手方向に間隔を空けて複数の仕切板を適宜配置して前記外筒の内部にジクザグ状の流路を形成し、隣り合う前記仕切板の対向する空間にそれぞれ触媒層を配置し、前記外筒の一端に改質ガスを導く導入口を、他端に前記改質ガスを排出する排出口を設けてなるCO除去器。
- 両端が板で塞がれた角筒状の外筒と、該外筒の長手方向に間隔を空けて配置された伝熱性を有する複数の第1の仕切板と、前記第1の仕切板の間に配置された伝熱性を有する複数の第2の仕切板と、改質ガスに添加された酸素または酸素含有ガスで該改質中のCOを酸化する複数の触媒層とを備え、
前記第1の仕切板は、前記外筒の一の側壁から該一の側壁に対向する他の側壁に向かって延在され、かつ、先端が前記他の側壁から間隔をあけて位置され、前記第2の仕切板は、前記他の側壁から前記一の側壁に向かって延在され、かつ、先端が前記一の側壁から間隔をあけて位置され、
前記触媒層は、前記第1の仕切板と前記第2の仕切板とが対向する空間と、前記両端の閉塞板と前記第1の仕切板または前記第2の仕切板とが対向する空間に配置され、
前記閉塞板と前記第1の仕切板または前記第2の仕切板とが対向する空間に前記改質ガスを導く導入口または前記改質ガスを排出する排出口が設けられてなるCO除去器。 - 前記第1の仕切板の先端と前記他の側壁との間の空間、及び前記第2の仕切板の先端と前記一の側壁との間の空間に、前記改質ガスを冷却する冷却器が配置されていることを特徴とする請求項6に記載のCO除去器。
- 前記導入口が形成された側の閉塞板と前記第1の仕切板または前記第2の仕切板とが対向する空間に配置された前記触媒層に代えて、不活性粒子で形成された層が配設されたことを特徴とする請求項6または7に記載のCO除去器。
- 前記第1の仕切板と前記第2の仕切板との間隔、及び前記閉塞板と前記第1の仕切板または前記第2の仕切板との間隔は、前記改質ガスの下流に向かうにつれて広げて形成されることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載のCO除去器。
- 前記触媒層に不活性粒子を混入し、前記不活性粒子の混入割合を、前記改質ガスの流れの下流に向かうにつれて減少させることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載のCO除去器。
- 前記触媒層は、前記改質ガスに添加された酸素または酸素含有ガスで前記改質ガス中のCOを酸化する第1の触媒と、該第1の触媒より高い活性で前記改質ガス中のCOを酸化する第2の触媒とで形成され、前記第1の触媒の割合は、前記改質ガスの流れの下流に向かうにつれて増やし、前記第2の触媒の割合は、前記改質ガスの流れの下流に向かうにつれて減らして配合することを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載のCO除去器。
- 請求項2〜11のCO除去器を前記改質ガスの流れ方向に複数直列に連結し、前記CO除去器のそれぞれの入側に酸素または酸素含有ガスを供給することを特徴とするCO除去器。
- 炭化水素系燃料から水素を含有する改質ガスを生成する改質器と、請求項2〜12のいずれか1項に記載のCO除去器とを備えた水素製造装置。
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