JP2004194942A - ドラム式衣類乾燥機 - Google Patents

Abstract

【課 題】熱効率を極力向上させることができるドラム式衣類乾燥機を提供する。
【解決手段】ドラム式衣類乾燥機は、乾燥すべき衣類が投入されるドラム（２）と、ドラムに空気を供給する空気吐出口（１２）と、ドラムの空気を排出する空気排出口（１１）と、空気排出口と空気吐出口とを接続するとともに縦流路（１７，５６）を具備している風路（１６）と、風路の空気を空気排出口から空気吐出口に向かって送風する送風機（２１）と、送風機で送風される空気を加熱するヒータ（２２）とを備えている。風路の最下端部付近には、ドレーン水を排水するドレーン流路（４１）が接続され、かつ、縦流路には熱交換域（２６）が設けられ、この熱交換域の上端部には給水流路（３２）が接続されるとともに、熱交換域の下端部付近には冷却水排水流路（３６）が接続されている。
【選択図】 図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯後、脱水された衣類などを乾燥させるドラム式衣類乾燥機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来のドラム式衣類乾燥機は、ドラム内の衣類を温風により乾燥させ、ドラムから放出される高温多湿の空気から水分を除去している。この水分の除去は、高温多湿の空気に、冷却水をかけて熱交換して行われている。そして、水分の除去された空気は、ヒータで再度温められて温風となってドラム内に戻っており、空気は循環している。また、熱交換後の冷却水は、風路の最下端部または外槽の最下端から排水されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、冷却水が、水分除去のために高温多湿の空気と熱交換した後にも、空気と接触していると、空気の温度が必要以上に低下する。そのため、この温度の低下した空気を、ヒータで加熱して、再び温風とするのに要する熱量が増大する。その結果、熱効率が低下する。
【０００４】
本発明は、以上のような課題を解決するためのもので、熱効率を極力向上させることができるドラム式衣類乾燥機を提供することを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本出願の請求項１記載のドラム式衣類乾燥機は、乾燥すべき衣類が投入される回転可能なドラム（２）と、このドラムに空気を供給する空気吐出口（１２）と、前記ドラムの空気を排出する空気排出口（１１）と、この空気排出口と前記空気吐出口とを接続するとともに、上下方向に延在する縦流路（１７，５６）を具備している風路（１６）と、前記風路の空気を空気排出口から空気吐出口に向かって送風する送風機（２１）と、この送風機で送風される空気を加熱するヒータ（２２）とを備え、前記風路の最下端部付近には、ドレーン水を排水するドレーン流路（４１）が接続され、かつ、前記縦流路には、熱交換域（２６）が設けられ、この熱交換域の上端部には給水流路（３２）が接続されるとともに、熱交換域の下端部付近には、熱交換域で熱交換した冷却水を排水する冷却水排水流路（３６）が接続されている。
【０００６】
請求項２記載のドラム式衣類乾燥機は、外槽（５１）の内部に回転可能に配置されるとともに、乾燥すべき衣類が投入されるドラムと、このドラムに空気を吐出する空気吐出口と、前記ドラムから空気を排出する空気排出口と、この空気排出口と前記空気吐出口とを接続するとともに、上下方向に延在する縦流路を具備している風路と、前記風路の空気を空気排出口から空気吐出口に向かって送風する送風機と、この送風機で送風される空気を加熱するヒータとを備え、前記風路の最下端部付近が外槽に接続されるとともに、この外槽の最下端部付近にドレーン水を排水するドレーン流路が接続され、かつ、前記縦流路には、熱交換域が設けられ、この熱交換域の上端部には給水流路が接続されるとともに、熱交換域の下端部付近には、熱交換域で熱交換した冷却水を排水する冷却水排水流路が接続されている。
【０００７】
請求項３記載のドラム式衣類乾燥機は、請求項１または２記載のドラム式衣類乾燥機において、前記冷却水排水流路にはトラップ（３７）が設けられていることを特徴とする。
【０００８】
請求項４記載のドラム式衣類乾燥機は、請求項１，２または３記載のドラム式衣類乾燥機において、前記ドレーン流路が洗濯水を流す洗濯用排水管であり、冷却水排水流路と合流して、電磁弁（４３）を具備する排水本管（４２）に接続されていることを特徴とする。
【０００９】
【発明の実施の形態】
次に、本発明におけるドラム式衣類乾燥機の実施の第１の形態を図１を用いて説明する。図１は本発明にかかるドラム式衣類乾燥機の実施の第１の形態の空気および冷却水の流れを説明するための概略図である。なお、図１において、空気の流れは実線の矢印で、また、冷却水の流れは破線の矢印で図示されている。
【００１０】
ドラム式衣類乾燥機の外郭は箱体１で構成されており、この箱体１内に、被乾燥物である洗濯物が投入される円筒状のドラム２が略軸を水平にして回転可能に設けられている。この攪拌装置としてのドラム２は、図示しない駆動モータで回転駆動される。そして、箱体１の前面開口は、扉６で開閉自在に閉じられている。この扉６を開けて、ドラム２内に洗濯物が投入される。
【００１１】
そして、ドラム２内の空気を排出する空気排出口１１および、ドラム２内に空気を供給する空気吐出口１２が設けられ、空気排出口１１と空気吐出口１２とを風路１６が接続している。空気排出口１１にはフィルター１３が設けられている。風路１６は、空気排出口１１から上下方向に延在する後側の縦流路１７、この縦流路１７の下端部から前方に延在する水平流路１８および、水平流路１８の前端部から上方に延在して空気吐出口１２に達する前側の縦流路１９を具備している。また、風路１６には、空気を空気排出口１１から空気吐出口１２に向かって送風する送風機２１および、風路１６の空気を加熱するヒータ２２が設けられている。
【００１２】
風路１６の縦流路１７には、熱交換域２６が設けられている。この熱交換域２６は、その上端部に電磁弁３１を具備する給水流路である給水管３２が接続され、かつ、下端部には冷却水排水流路である冷却水排水管３６が接続されている。冷却水排水管３６にはトラップ３７が設けられている。また、風路１６の最下端部付近には、ドレーン流路４１が接続されている。このドレーン流路４１は、冷却水排水管３６と合流し排水本管４２に接続されている。この排水本管４２は電磁弁４３を具備している。そして、熱交換域２６はヒータ２２よりも上流側に配置され、ドレーン流路４１の流入口４１ａは、風路１６の空気の流れが入り込み難い位置に配置されている。
【００１３】
この様に構成されている実施の第１の形態のドラム式衣類乾燥機の扉６を開けて、ドラム２内に脱水後の濡れた衣類などの洗濯物を投入し、扉６を閉じる。そして、ドラム２が回転している状態で、送風機２１およびヒータ２２を稼働させて、脱水された衣類を乾燥させる。その際には、送風機２１は、空気排出口１１からドラム２内の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を風路１６を介して空気吐出口１２から再びドラム２内に供給しており、空気を循環させている。そして、ヒータ２２はドラム２に供給される空気を加熱している。したがって、ヒータ２２で加熱された空気は、温風となって、ドラム２内に流入し衣類の水分を吸収する。また、乾燥時には、電磁弁３１，４３が開けられており、水分を吸収した湿気た空気は、熱交換域２６で給水管３２からの冷却水で水分を除去されるとともに冷却される。水分を除去された空気は再びヒータ２２で加熱されて空気吐出口１２からドラム２に供給される。一方、熱交換域２６を通過した冷却水は、直ちに冷却水排水管３６に流れ込み、トラップ３７および排水本管４２を通って、乾燥機の外に排水される。また、風路１６内に溜まったドレーン水は、ドレーン流路４１から排水本管４２を通って、乾燥機の外に排水される。
【００１４】
この様に実施の第１の形態では、ドレーン流路４１とは別に冷却水排水管３６が設けられているので、給水管３２からの冷却水が風路１６内の空気と接触する距離を、空気からの水分除去に最適な距離とすることができる。したがって、冷却水により空気が必要以上に冷却されることを防止することができる。その結果、循環空気の再加熱に要するヒータ２２の熱量を極力少なくすることができ、熱効率を向上させることができる。
【００１５】
また、冷却水排水管３６内に風路１６の空気が流れ込むおそれがあるが、トラップ３７が設けられているため、空気が乾燥機の外に排気されることを防止することができる。その結果、循環している温風の喪失を極力少なくすることができる。
【００１６】
次に、本発明におけるドラム式衣類乾燥機の実施の第２の形態を図２を用いて説明する。図２は本発明にかかるドラム式衣類乾燥機の実施の第２の形態の要部の図である。なお、図２において、外槽内の空気の流れは破線の矢印で、風路内の空気の流れは実線の矢印で、また、冷却水の流れは一点鎖線の矢印で図示されている。そして、この実施の第２の形態の説明において、前記実施の第１の形態の構成要素に対応する構成要素には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【００１７】
実施の第２の形態のドラム式衣類乾燥機は、ドラム式衣類洗濯乾燥機であり、箱体１内に外槽５１が設けられ、この外槽５１内にドラム２が回転可能に配置されている。この実施の第２の形態のドラム２の周壁には多数の孔が設けられ、通水および通気が可能となっている。また、実施の第２の形態の風路１６は、外槽５１に設けられた空気排出口１１から上下方向に延在する第１の縦流路５６、この縦流路５６の上端部から略水平に延在する水平流路５７および、この水平流路５７の他端部から下方に延在して外槽５１に設けられた空気吐出口１２に達する第２の縦流路５８を具備している。
【００１８】
第１の縦流路５６には、略矩形で示されている熱交換域２６が設けられ、この熱交換域２６の上端部に給水管３２が接続され、熱交換域２６の下端部に冷却水排水管３６が接続されている。第１の縦流路５６の下端部は空気排出口１１で外槽５１内と接続されて連通しており、冷却水排水管３６で排水されなかった第１の縦流路５６内の水は、外槽５１内に流入する。そして、外槽５１の最下端部付近には、洗濯水排水流路であるドレーン流路４１が接続されている。冷却水排水管３６およびドレーン流路４１の下流側の構造は、実施の第１の形態と同じである。なお、電磁弁４３は、マイコンなどの制御手段で開閉制御され、乾燥時、脱水時や排水時には開き、一方、洗濯時や濯ぎ時には閉じている。
【００１９】
また、実施の第２の形態の風路１６にも、送風機２１およびヒータ２２が設けられており、実施の第１の形態と同様にして、モータ（図示しない）がドラム２を回転駆動するとともに、送風機２１およびヒータ２２が稼働して、脱水された衣類を乾燥させている。その際には、送風機２１は、空気排出口１１から外槽５１を介してドラム２内の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を風路１６を介して空気吐出口１２から再びドラム２内に供給し、このドラム２内の空気はドラム２の周壁の孔を通って外槽５１内に出て再び空気排出口１１から送風機２１に戻っている。この様にして、送風機２１は空気を循環させている。そして、実施の第１の形態と同様に、水分を吸収した湿気た空気は、熱交換域２６で給水管３２からの冷却水で水分を除去されるとともに、ヒータ２２がドラム２に供給される空気を加熱している。また、給水管３２からの冷却水は、熱交換域２６を通り空気排出口１１から外槽５１に流入し、ドレーン流路４１から乾燥機の外に排水される。
【００２０】
この様に実施の第２の形態でも、実施の第１の形態と同様に、洗濯水排水流路であるドレーン流路４１とは別に冷却水排水管３６が設けられているので、給水管３２からの冷却水が風路１６内の空気と接触する距離を、空気からの水分除去に最適な距離とすることができる。したがって、冷却水により空気が必要以上に冷却されることを防止することができる。その結果、循環空気の再加熱に要するヒータ２２の熱量を極力少なくすることができ、熱効率を向上させることができる。
【００２１】
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を下記に例示する。
（１）ヒータ２２は、その構造や形式は適宜選択可能で、たとえば、電気ヒータ、ヒートポンプ凝縮器や燃焼ガスなどによるヒータでも可能である。
（２）この明細書で使用される用語「ドラム式衣類乾燥機」は、乾燥機能だけではなく、洗濯機能を有するもの（いわゆる、ドラム式衣類洗濯乾燥機）を含む。（３）洗濯機能を有しないドラム式衣類乾燥機の場合には、必ずしも、排水本管４２の電磁弁４３は必要ではない。
【００２２】
【発明の効果】
本発明によれば、ドレーン流路とは別に、熱交換域の下端部付近には冷却水排水流路が接続されているので、温風と熱交換した後の冷却水が、風路内の空気と接触することを極力減少させることができる。したがって、冷却水により空気が必要以上に冷却されることを防止することができる。その結果、循環空気の再加熱に要するヒータの熱量を極力少なくすることができ、熱効率を向上させることができる。
【００２３】
また、冷却水排水流路にはトラップが設けられているので、このトラップにより、冷却水排水流路を介して、空気が乾燥機の外に排気されることを極力防止することができる。その結果、循環している温風の喪失を極力少なくすることができる。特に、冷却水と空気とが同じ方向に流れている場合には、空気が冷却水排水流路に流れ込むおそれが高くなるが、トラップを設けると、冷却水排水流路に流れ込むことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は本発明にかかるドラム式衣類乾燥機の実施の第１の形態の空気および冷却水の流れを説明するための概略図である。
【図２】図２は本発明にかかるドラム式衣類乾燥機の実施の第２の形態の要部の図である。
【符号の説明】
２ ドラム
１１ 空気排出口
１２ 空気吐出口
１６ 風路
１７ 縦流路
２１ 送風機
２２ ヒータ
２６ 熱交換域
３２ 給水管（給水流路）
３６ 冷却水排水管（冷却水排水流路）
３７ トラップ
４１ ドレーン流路
４２ 排水本管
４３ 電磁弁
５１ 外槽
５６ 縦流路

Claims (4)

1. 乾燥すべき衣類が投入される回転可能なドラムと、
   このドラムに空気を供給する空気吐出口と、
   前記ドラムの空気を排出する空気排出口と、
   この空気排出口と前記空気吐出口とを接続するとともに、上下方向に延在する縦流路を具備している風路と、
   前記風路の空気を空気排出口から空気吐出口に向かって送風する送風機と、
   この送風機で送風される空気を加熱するヒータとを備え、
   前記風路の最下端部付近には、ドレーン水を排水するドレーン流路が接続され、
   かつ、前記縦流路には、熱交換域が設けられ、この熱交換域の上端部には給水流路が接続されるとともに、熱交換域の下端部付近には、熱交換域で熱交換した冷却水を排水する冷却水排水流路が接続されていることを特徴とするドラム式衣類乾燥機。
2. 外槽の内部に回転可能に配置されるとともに、乾燥すべき衣類が投入されるドラムと、
   このドラムに空気を吐出する空気吐出口と、
   前記ドラムから空気を排出する空気排出口と、
   この空気排出口と前記空気吐出口とを接続するとともに、上下方向に延在する縦流路を具備している風路と、
   前記風路の空気を空気排出口から空気吐出口に向かって送風する送風機と、
   この送風機で送風される空気を加熱するヒータとを備え、
   前記風路の最下端部付近が外槽に接続されるとともに、この外槽の最下端部付近にドレーン水を排水するドレーン流路が接続され、
   かつ、前記縦流路には、熱交換域が設けられ、この熱交換域の上端部には給水流路が接続されるとともに、熱交換域の下端部付近には、熱交換域で熱交換した冷却水を排水する冷却水排水流路が接続されていることを特徴とするドラム式衣類乾燥機。
3. 前記冷却水排水流路にはトラップが設けられていることを特徴とする請求項１または２記載のドラム式衣類乾燥機。
4. 前記ドレーン流路が洗濯水を流す洗濯用排水管であり、冷却水排水流路と合流して、電磁弁を具備する排水本管に接続されていることを特徴とする請求項１，２または３記載のドラム式衣類乾燥機。

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