JP2004192825A - Fpc用コネクタ - Google Patents
Fpc用コネクタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004192825A JP2004192825A JP2002355667A JP2002355667A JP2004192825A JP 2004192825 A JP2004192825 A JP 2004192825A JP 2002355667 A JP2002355667 A JP 2002355667A JP 2002355667 A JP2002355667 A JP 2002355667A JP 2004192825 A JP2004192825 A JP 2004192825A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fpc
- actuator
- housing
- piece
- terminal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Coupling Device And Connection With Printed Circuit (AREA)
Abstract
【課題】アクチュエータが外れ難い構造のFPC用コネクタを提供すること。
【解決手段】FPC挿入口21が形成されたハウジング2と、ハウジング2に並列して装着され、コンタクト片がFPC挿入口21から挿入されたFPCの面と対向するように延びている複数の端子4と、ハウジング2に対して第1の位置と第2の位置の間で姿勢変化できるように設けられ、第1の位置ではFPC挿入口21へFPCを挿入可能とし、第2の位置では挿入されたFPCを端子4のコンタクト片に向けて押圧するアクチュエータ3とを備えている。
ハウジング2の両側に、ハウジング2の取付面側に配置される半田付け片52を備えた補強金具5が設けられていると共に、この補強金具5からアクチュエータ3と係合可能とした支持片53がFPC挿入口21側に延びており、アクチュエータ3が支持片53に回動可能に係合している。
【選択図】 図1
【解決手段】FPC挿入口21が形成されたハウジング2と、ハウジング2に並列して装着され、コンタクト片がFPC挿入口21から挿入されたFPCの面と対向するように延びている複数の端子4と、ハウジング2に対して第1の位置と第2の位置の間で姿勢変化できるように設けられ、第1の位置ではFPC挿入口21へFPCを挿入可能とし、第2の位置では挿入されたFPCを端子4のコンタクト片に向けて押圧するアクチュエータ3とを備えている。
ハウジング2の両側に、ハウジング2の取付面側に配置される半田付け片52を備えた補強金具5が設けられていると共に、この補強金具5からアクチュエータ3と係合可能とした支持片53がFPC挿入口21側に延びており、アクチュエータ3が支持片53に回動可能に係合している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般にFPC、FFCなどと呼ばれている平型柔軟ケーブル(この明細書でもこれらを代表して単に「FPC」という。)を接続するためのFPC用コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のFPC用コネクタは、FPC挿入口が形成されたハウジングと、ハウジングに並列して装着され、コンタクト片がFPC挿入口から挿入されたFPCの面と対向するように延びている複数の端子と、ハウジングに対して第1の位置と第2の位置の間で姿勢変化できるように設けられ、第1の位置では前記FPC挿入口へFPCを挿入可能とし、第2の位置では挿入されたFPCを前記端子のコンタクト片に向けて押圧するアクチュエータとを備えた構成とされている。例えば、特許第3029985号公報の図1に示され、また、実用新案登録第2580074号公報の図2に示されている通りである。
【0003】
前記アクチュエータの姿勢変化は、前記特許公報にも開示されているように、ハウジングや、ハウジングに装着した端子との間で軸支構造を構成して、回動によって行うものが多い。アクチュエータを回動することによって、アクチュエータに形成した押圧部がFPCを端子のコンタクト片に向けて押圧し、コンタクト片に形成したコンタクト部とFPCの接点が所定の接圧で係合し、電気的な接続が形成されるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
アクチュエータがFPCを押圧するとその反力が作用するので、アクチュエータが撓んで、ハウジングや端子との間で構成した軸支構造が外れたり、外れないまでもFPCの接点とコンタクト片の接圧が不安定となる事態は避けなければならない。
【0005】
この発明はこのような課題を考慮して成されたもので、アクチュエータが外れ難い構造のFPC用コネクタを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的のもとに成されたこの発明のFPC用コネクタは、FPC挿入口が形成されたハウジングと、ハウジングに並列して装着され、コンタクト片がFPC挿入口から挿入されたFPCの面と対向するように延びている複数の端子と、ハウジングに対して第1の位置と第2の位置の間で姿勢変化できるように設けられ、第1の位置では前記FPC挿入口へFPCを挿入可能とし、第2の位置では挿入されたFPCを前記端子のコンタクト片に向けて押圧するアクチュエータとを備え、
前記ハウジングの、端子が並列している方向の両側に、ハウジングの取付面側に配置される半田付け片を備えた補強金具が設けられていると共に、
この補強金具から前記アクチュエータと係合可能とした支持片がFPC挿入口側に延びており、アクチュエータが支持片に回動可能に係合していることを特徴とするFPC用コネクタである。
【0007】
【作用】
このように構成されたこの発明のFPC用コネクタによれば、ハウジングに設けた補強金具から延びている支持片にアクチュエータを回動可能に係合させて、アクチュエータの軸支構造が構成されるので、アクチュエータの軸支を強固にでき、FPCを押圧した際の反力でアクチュエータが外れるのを有効に防止することができる。
【0008】
補強金具の支持片を、請求項2のように、ハウジングのFPC挿入口に臨ませて設けられたFPC押さえをバックアップするように延びるバックアップ部分と、このバックアップ部分に連続して延びる係合部分とで構成すると、バックアップ部分がハウジング側のFPC押さえをバックアップすることができるので、FPC押さえの機能を確実に発揮させることができるようになる。また、支持片のバックアップ部分がFPCに直接接しないようにできるので、FPCの面を傷付けるような事態を避けることができるようになる。
【0009】
また、請求項3のように補強金具の係合部分の先端は下方に向かってカールさせたカール部としてあり、これと係合するアクチュエータには軸部とこれに連続して形成された突き当て部が設けられている構成とすると、アクチュエータが第1の位置にある時に前記カール部の先端が前記突き当て部と当接することによってアクチュエータがハウジング後端方向へ倒れようとするのを防ぎ、第1の位置の状態を保つことができるようになる。
【0010】
さらにまた、ハウジングに装着されている複数の端子が、請求項4のように、アクチュエータが回動可能に係合する係合片を備えている端子と、アクチュエータと係合する係合片を備えていない端子を含んでいる構成とすると、アクチュエータの中間部分においても端子との間で回動の軸支構造を構成することができるので、FPC側からの反力でアクチュエータが撓むのを防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を添付の図を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1、2は、実施形態のFPC用コネクタ1であって、絶縁性のプラスチックで成形されたハウジング2及びアクチュエータ3と、薄金属板を打ち抜いて成形した端子4とで基本的に構成されている。端子4は、ハウジング2に、図1において矢示Aの方向(幅方向)で並列して装着されている。この端子4の並列している方向で、ハウジング2の両側に、金属板を打ち抜いて成形した補強金具5が装着されている。アクチュエータ3は、図1に示した第1の位置と、図2に示した第2の位置の間で姿勢変化ができるように回動可能とされている。アクチュエータ3が第1の位置では、FPC挿入口21へFPC6(図3、4等参照)を挿入することが可能となり、そして、アクチュエータ3が第2の位置では、挿入されたFPC6と端子4が電気的に接続されるようになっている。
【0013】
図1、2と共に図3、4を参照して説明すると、ハウジング2は、FPC挿入口21に連通する接続空洞22が内部に形成されたブロック状をしている。ハウジング2は、両側壁23と頂壁24及び底壁25を有しており、底壁25の下面(外面)が、このFPC用コネクタ1を回路基板7へ実装する場合の取付面26となっている。底壁25の内面には、両側壁23間で複数の端子受入溝27が、側壁23と平行に所定のピッチで形成され、端子4をハウジング2の前端28又は後端29から装着できるようにされている。
【0014】
ハウジング2を形成している両側壁23の前端28寄りの内側上部には、FPC挿入口21に向けてFPC押さえ30がそれぞれの側壁23と一体となって設けられている。各FPC押さえ30は、底壁25と略平行を成して、水平なひさし状となってFPC挿入口21へ臨んでいる。
【0015】
更に、図3、4を参照して端子4の形状について説明する。この実施形態では、図3に示した形状の端子41と、図4に示した形状の端子42の2種類の端子41、42を含んでおり、各端子41、42がハウジング2の端子受入溝27に交互に装着されている。即ち、図3に示した端子41が奇数極の端子4を構成し、図4に示した端子42が偶数極の端子4を構成している。図示した実施形態の場合、7極の端子4が装着されており、両外側にはそれぞれ奇数極の端子41が装着されている。
【0016】
図3に示されている奇数極の端子41は、基部411の一側からコンタクト片412と、コンタクト片412に比べて短い係合片413が、コンタクト片412を上側にして二股状となって延びていると共に、基部411の他側から短いテール片414が延びた形状に打ち抜かれている。この端子41は、ハウジング2の前端28から端子受入溝27(奇数番目)に装着するようにしたもので、コンタクト片412の基端部と係合片413の間にハウジング2の底壁25を挟み、かつ係合片413を底壁25に係合させることでハウジング2に対して固定するようにしている。このようにして端子41をハウジング2に装着すると、前記テール片414の下縁がハウジング2の取付面26である底壁25の下面と略面一となるようにしてある。
【0017】
比較的長いコンタクト片412は、端子受入溝27に沿って延びて接続空洞22に片持ち梁状となって臨むようにしてある。この接続空洞22に臨むようにしたコンタクト片412の先端部上縁にはコンタクト部415が突起状に形成してあり、FPC挿入口21を通して接続空洞22へ挿入されたFPC6の面(下面)と対向するようにしてある。コンタクト片412は、片持ち梁状であるため弾性変形が可能であり、コンタクト部415が形成された先端部が、図3において上下の方向へ移動できるようになっている。
【0018】
一方、図4に示された偶数極の端子42は、基部421の一側から、長さが略等しいコンタクト片422と係合片423が、係合片423を上側にして二股状となって延びていると共に、基部421の他側から短いテール片424が延びた形状に打ち抜かれている。この端子42は、ハウジング2の後端29から端子受入溝27(偶数番目)に装着するようにしたもので、コンタクト片422の基端部が幅広とされて、係合片423の基端部との間でハウジング2の頂壁24を挟み、かつ、コンタクト片422の基端部を頂壁24に係合させることでハウジング2に対して固定するようにしている。この端子42も、ハウジング2に装着すると、テール片424の下縁が取付面26と略面一となるようにしてある。
【0019】
この端子42のコンタクト片422も、端子受入溝27に沿って延びて接続空洞22に片持ち梁状となって臨むようにしてある。接続空洞22に臨むようにしたコンタクト片422の先端部上縁には、コンタクト部425が突起状に形成してあり、前記と同様に、FPC6の面(下面)と対向するようにしてある。コンタクト片422も片持ち梁状であるため弾性変形が可能であり、先端部が図4において上下の方向へ移動できるようになっている。
【0020】
図3及び図4に表れているように、端子41のコンタクト部415と、端子42のコンタクト部425の位置は、ハウジング2の前端28から後端29に向かう方向で変化させてあり、接続空洞22において、コンタクト部415とコンタクト部425が略同一のレベルで千鳥状に配置されるようにしてある。もっとも、この実施形態ではコンタクト部415、425が千鳥状の配置となるようにしているが、直線に沿ってコンタクト部415、425が横一列に配置される形態とすることも可能である。
【0021】
端子42に設けた係合片423は、コンタクト片422と略等しい長さを有しているため、係合片423の先端部も接続空洞22の上部で片持ち梁状となって臨むようになっている。接続空洞22に臨んでいる係合片423の先端部下縁には、弧状の凹部426が形成されている。図4に表れているように、アクチュエータ3側に設けられる断面が略円形の軸部31をこの凹部426に受け入れて、アクチュエータ3を回動可能に係合できるようにするためである。
【0022】
アクチュエータ3は、この端子42の係合片423の凹部426と係合するようにした軸部31が設けられている基部32と、中間部33と、先端操作部34を一体に有し、全体として、図1、2に示されているように、略I字形に成形されている。基部32と先端操作部34が、ハウジング2の両側壁23の対向間隔に略等しい幅を有している。
【0023】
アクチュエータ3に設けられた基部32の中間部には、前記端子42と対応する位置に軸部31を形成するべく、貫通穴35が形成されている。端子42の係合片423の先端部をこの貫通穴35に挿通することで、係合片423側の凹部426に軸部31を収容して、互いに係合するようにしている。
【0024】
アクチュエータ3の表面は平坦に形成されているのに対して、裏面側は、図3、4に表れているように、基部32側が比較的厚くされて、平坦な押圧面36が形成されていると共に、中間部33から先端操作部34に亘る部分はえぐられて比較的薄くされている。そして、前記端子42の位置に対応するようにして係合片収容溝37が形成されている。アクチュエータ3が第2の位置に姿勢を変化させた時に、端子42の係合片423の一部(上縁部)をこの係合片収容溝37に収容できるようにしている。
【0025】
また、アクチュエータ3に設けられた先端操作部34の両端面には、係合突部38が外向きに形成されている(図1参照)。図3、4に表れているように、ハウジング2の両側壁23の内面には、この係合突部38と係合できるようにした係合部231が設けられ、第2の位置に姿勢変化したアクチュエータ3をその位置に保持できるようにしている。
【0026】
次に、ハウジング2の両端に装着されている補強金具5について説明する。この補強金具5とアクチュエータ3も互いに係合している。補強金具5は、図5に示したように成形されている。即ち、ハウジング2の側壁23に形成されている金具装着溝232に挿入係止できるようにした装着片51の下端一側(外側)に半田付け片52が略直角に連続していると共に、装着片51の上端他側(内側)には、平面が略L字形の支持片53が略直角に連続している。前記半田付け片52は、図1、2に示すように、半田フィレット8を形成して回路基板7へ半田付けされる。尚、図5の補強金具5は、図1、2においてハウジング2の右側に装着されるものである。ハウジング2の左側に装着される補強金具5は、図5のものに対して対称に成形されている。
【0027】
補強金具5に設けた平面が略L字形の支持片53は、装着片51側のバックアップ部分531と、このバックアップ部分531から略直角を成して延びる係合部分532を構成するものである。つまり、装着片53をハウジング2の側壁23に設けた金具装着溝232に装着すると、バックアップ部分531が側壁23にひさし状に設けられたFPC押さえ30の上面段部301の上側に重なって、FPC押さえ30を上側からバックアップし、そして、係合部分532が、ハウジング2の後端29方向に延びて、アクチュエータ3と係合できるようにしている。係合部分532の先端は、下方に向かって弧状にカールさせたカール部533としてあり、アクチュエータ3との係合が考慮されている。
【0028】
前記アクチュエータ3の基部32の両端部分には、この補強金具5の支持片53に形成された係合部分532と対応するようにして、係合部分532の幅に略等しい、幅広の貫通穴39が形成されて、係合部分532の先端が進入できるようにされている。そして、貫通穴39の形成によって、前記軸部31と同様の軸部40が形成され、軸部40と係合部分532のカール部533とが互いに係合するようにしてある。
【0029】
図7、8と図9、10には、上記のように構成された補強金具5の支持片53とハウジング2及びアクチュエータ3の関係が明瞭に示されている。図7、8には、補強金具5の支持片53を構成しているバックアップ部分531が、ハウジング2側のFPC押さえ30の上面段部301をバックアップしている様子が表れている。また、図9、10には、支持片53を構成している係合部分532が、アクチュエータ3に形成した貫通穴39に進入し、そして、カール部533が軸部40の上側に被さって、支持片53の係合部分532と軸部40が回動自在に係合している様子が表れている。
【0030】
アクチュエータ3に設けられた2つの軸部31、40に対して、端子42の係合片423に形成した凹部426と、補強金具5の支持片53に形成したカール部533が、それぞれ上側から被さって係合している。このため、組み付けられたアクチュエータ3の軸部31、40は、ハウジング2の前後方向及び上方向への移動が拘束されている。更に、アクチュエータ3の基部32の両端には支持軸321が設けられて、この支持軸321がハウジング2の側壁23の内側に形成された受け段部(図に表れていない)に載置され、軸部31、40が下方向へ移動するのも拘束されている。また図9に示すように、軸部40の先端には突き当て部401が軸部40に連続して形成されており、アクチュエータ3が第1の位置にある時に補強金具5のカール部533の先端が前記突き当て部401と当接することによって、アクチュエータ3がこれ以上ハウジング後端29方向へ倒れてしまわないように第1の位置の状態を保つことができる。
【0031】
図7乃至図10は、図11乃至図14と共に、以上のように構成されている実施形態のFPC用コネクタ1の動作を説明するために示されている。以下、FPC用コネクタ1にFPC6を接続する様子について説明する。図7、9、11、13は、アクチュエータ3が図1に示された第1の位置にあり、FPC挿入口21を通して接続空洞22にFPC6を挿入できる状態の時の図である。また、図8、10、12、14は、アクチュエータ3が図2に示された第2の位置にあり、接続空洞22に挿入されたFPC6をアクチュエータ3の押圧面36が押圧して、端子41、42のコンタクト片412、422に向けて付勢し、端子41、42とFPC6を電気的に接続した状態の時の図である。
【0032】
アクチュエータ3が第1の位置にあるときは、図7、9、11、13に表れているように、FPC6をハウジング2のFPC押さえ30に案内されながらFPC挿入口21を通して接続空洞22の奥まで挿入することができる。前記補強金具5の支持片53は、FPC押さえ30の上側に配置されて、FPC6の面とは直接接触しないようにされているために、挿入に際してFPC6が支持片53と接触して傷つく恐れはない。
【0033】
接続空洞22にFPC6を挿入した後、回動可能に組み付けられているアクチュエータ3を回動させて図2の第2の位置に姿勢変化させると、図8、10、12、14(特に、図12、14)に示されているように、アクチュエータ3の裏面側に形成された押圧面36がFPC6を端子41、42のコンタクト片412、422に向けて付勢し、コンタクト片412、422の弾性変形を伴ってFPC6の接点(図示せず)とコンタクト片412、422のコンタクト部415、425を適度の接圧で係合させて、FPC6と端子41、42の間で電気的な導通を形成することができる。
【0034】
アクチュエータ3をこのように第2の位置に姿勢変化させた状態では、コンタクト片412、422の弾性変形による反力を受けるが、アクチュエータ3の基部32の両端部に形成した軸部40の上側に、補強金具5の支持片53を構成した係合部分532を被せて係合させた構成であるため、支持片53が弾性反力に対抗してアクチュエータ3を確実に支持し、組み付け状態が外れないようにできる。
【0035】
アクチュエータ3の基部32の中間部分は、軸部31が偶数極の端子42の係合片423と係合している。したがって、コンタクト片412、422の弾性変形の反力を受けるアクチュエータ3が撓むのも防止することができる。このため、補強金具5の支持片53と協働してFPC6の接点とコンタクト部415、425の接圧を安定に保ち、電気的導通の信頼性を向上することができる。
【0036】
アクチュエータ3を第2の位置にした接続状態において、FPC6が引き回された場合、FPC押さえ30がこれに対抗して接続空洞22に挿入されたFPC6が移動しないようにして接続状態を安定に保つことができる。この場合、補強金具5の支持片53を構成したバックアップ部分531が、FPC押さえ30をバックアップしてFPC押さえ30の強度を補強するので、FPC6の引き回しに対抗する能力を増強することができる。また、FPC6は支持片53に直接接触しないようにできるために、引き回しによってFPC6に傷がつく恐れもなくすることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明のFPC用コネクタでは、ハウジングの両側に補強金具を設けて、この補強金具から延びる支持片にアクチュエータを回動可能に係合させた構成としたので、アクチュエータが端子側からの反力を受けても外れる恐れのないFPC用コネクタを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態のFPC用コネクタの斜視図で、アクチュエータが第1の位置にある時の図である。
【図2】同じくFPC用コネクタの斜視図で、アクチュエータが第2の位置にある時の図である。
【図3】同じくFPC用コネクタの、奇数極の端子に沿って示した断面図である。
【図4】同じくFPC用コネクタの、偶数極の端子に沿って示した断面図である。
【図5】FPC用コネクタに設けた補強金具の斜視図である。
【図6】実施形態のFPC用コネクタの平面図である。
【図7】図6のA−A線に沿って示した断面図で、アクチュエータが第1の位置にある時の図である。
【図8】同じく、図6のA−A線に沿って示した断面図で、アクチュエータが第2の位置にある時の図である。
【図9】図6のB−B線に沿って示した断面図で、アクチュエータが第1の位置にある時の図である。
【図10】同じく、図6のB−B線に沿って示した断面図で、アクチュエータが第2の位置にある時の図である。
【図11】図6のC−C線に沿って示した断面図で、アクチュエータが第1の位置にある時の図である。
【図12】同じく、図6のC−C線に沿って示した断面図で、アクチュエータが第2の位置にある時の図である。
【図13】図6のD−D線に沿って示した断面図で、アクチュエータが第1の位置にある時の図である。
【図14】同じく、図6のD−D線に沿って示した断面図で、アクチュエータが第2の位置にある時の図である。
【符号の説明】
1 FPC用コネクタ
2 ハウジング
21 FPC挿入口
22 接続空洞
23 側壁
231 係合部
232 金具装着溝
24 頂壁
25 底壁
26 取付面
27 端子受入溝
28 前端
29 後端
30 FPC押さえ
301 上面段部
3 アクチュエータ
31 軸部
32 基部
321 支持軸
33 中間部
34 先端操作部
35 貫通穴
36 押圧面
37 係合片収容溝
38 係合突部
39 貫通穴
40 軸部
401 突き当て部
4 端子
41 奇数極の端子
411 基部
412 コンタクト片
413 係合片
414 テール片
415 コンタクト部
42 偶数極の端子
421 基部
422 コンタクト片
423 係合片
424 テール片
425 コンタクト部
426 凹部
5 補強金具
51 装着片
52 半田付け片
53 支持片
531 バックアップ部分
532 係合部分
533 カール部
6 FPC
7 回路基板
8 半田フィレット
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般にFPC、FFCなどと呼ばれている平型柔軟ケーブル(この明細書でもこれらを代表して単に「FPC」という。)を接続するためのFPC用コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のFPC用コネクタは、FPC挿入口が形成されたハウジングと、ハウジングに並列して装着され、コンタクト片がFPC挿入口から挿入されたFPCの面と対向するように延びている複数の端子と、ハウジングに対して第1の位置と第2の位置の間で姿勢変化できるように設けられ、第1の位置では前記FPC挿入口へFPCを挿入可能とし、第2の位置では挿入されたFPCを前記端子のコンタクト片に向けて押圧するアクチュエータとを備えた構成とされている。例えば、特許第3029985号公報の図1に示され、また、実用新案登録第2580074号公報の図2に示されている通りである。
【0003】
前記アクチュエータの姿勢変化は、前記特許公報にも開示されているように、ハウジングや、ハウジングに装着した端子との間で軸支構造を構成して、回動によって行うものが多い。アクチュエータを回動することによって、アクチュエータに形成した押圧部がFPCを端子のコンタクト片に向けて押圧し、コンタクト片に形成したコンタクト部とFPCの接点が所定の接圧で係合し、電気的な接続が形成されるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
アクチュエータがFPCを押圧するとその反力が作用するので、アクチュエータが撓んで、ハウジングや端子との間で構成した軸支構造が外れたり、外れないまでもFPCの接点とコンタクト片の接圧が不安定となる事態は避けなければならない。
【0005】
この発明はこのような課題を考慮して成されたもので、アクチュエータが外れ難い構造のFPC用コネクタを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的のもとに成されたこの発明のFPC用コネクタは、FPC挿入口が形成されたハウジングと、ハウジングに並列して装着され、コンタクト片がFPC挿入口から挿入されたFPCの面と対向するように延びている複数の端子と、ハウジングに対して第1の位置と第2の位置の間で姿勢変化できるように設けられ、第1の位置では前記FPC挿入口へFPCを挿入可能とし、第2の位置では挿入されたFPCを前記端子のコンタクト片に向けて押圧するアクチュエータとを備え、
前記ハウジングの、端子が並列している方向の両側に、ハウジングの取付面側に配置される半田付け片を備えた補強金具が設けられていると共に、
この補強金具から前記アクチュエータと係合可能とした支持片がFPC挿入口側に延びており、アクチュエータが支持片に回動可能に係合していることを特徴とするFPC用コネクタである。
【0007】
【作用】
このように構成されたこの発明のFPC用コネクタによれば、ハウジングに設けた補強金具から延びている支持片にアクチュエータを回動可能に係合させて、アクチュエータの軸支構造が構成されるので、アクチュエータの軸支を強固にでき、FPCを押圧した際の反力でアクチュエータが外れるのを有効に防止することができる。
【0008】
補強金具の支持片を、請求項2のように、ハウジングのFPC挿入口に臨ませて設けられたFPC押さえをバックアップするように延びるバックアップ部分と、このバックアップ部分に連続して延びる係合部分とで構成すると、バックアップ部分がハウジング側のFPC押さえをバックアップすることができるので、FPC押さえの機能を確実に発揮させることができるようになる。また、支持片のバックアップ部分がFPCに直接接しないようにできるので、FPCの面を傷付けるような事態を避けることができるようになる。
【0009】
また、請求項3のように補強金具の係合部分の先端は下方に向かってカールさせたカール部としてあり、これと係合するアクチュエータには軸部とこれに連続して形成された突き当て部が設けられている構成とすると、アクチュエータが第1の位置にある時に前記カール部の先端が前記突き当て部と当接することによってアクチュエータがハウジング後端方向へ倒れようとするのを防ぎ、第1の位置の状態を保つことができるようになる。
【0010】
さらにまた、ハウジングに装着されている複数の端子が、請求項4のように、アクチュエータが回動可能に係合する係合片を備えている端子と、アクチュエータと係合する係合片を備えていない端子を含んでいる構成とすると、アクチュエータの中間部分においても端子との間で回動の軸支構造を構成することができるので、FPC側からの反力でアクチュエータが撓むのを防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を添付の図を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1、2は、実施形態のFPC用コネクタ1であって、絶縁性のプラスチックで成形されたハウジング2及びアクチュエータ3と、薄金属板を打ち抜いて成形した端子4とで基本的に構成されている。端子4は、ハウジング2に、図1において矢示Aの方向(幅方向)で並列して装着されている。この端子4の並列している方向で、ハウジング2の両側に、金属板を打ち抜いて成形した補強金具5が装着されている。アクチュエータ3は、図1に示した第1の位置と、図2に示した第2の位置の間で姿勢変化ができるように回動可能とされている。アクチュエータ3が第1の位置では、FPC挿入口21へFPC6(図3、4等参照)を挿入することが可能となり、そして、アクチュエータ3が第2の位置では、挿入されたFPC6と端子4が電気的に接続されるようになっている。
【0013】
図1、2と共に図3、4を参照して説明すると、ハウジング2は、FPC挿入口21に連通する接続空洞22が内部に形成されたブロック状をしている。ハウジング2は、両側壁23と頂壁24及び底壁25を有しており、底壁25の下面(外面)が、このFPC用コネクタ1を回路基板7へ実装する場合の取付面26となっている。底壁25の内面には、両側壁23間で複数の端子受入溝27が、側壁23と平行に所定のピッチで形成され、端子4をハウジング2の前端28又は後端29から装着できるようにされている。
【0014】
ハウジング2を形成している両側壁23の前端28寄りの内側上部には、FPC挿入口21に向けてFPC押さえ30がそれぞれの側壁23と一体となって設けられている。各FPC押さえ30は、底壁25と略平行を成して、水平なひさし状となってFPC挿入口21へ臨んでいる。
【0015】
更に、図3、4を参照して端子4の形状について説明する。この実施形態では、図3に示した形状の端子41と、図4に示した形状の端子42の2種類の端子41、42を含んでおり、各端子41、42がハウジング2の端子受入溝27に交互に装着されている。即ち、図3に示した端子41が奇数極の端子4を構成し、図4に示した端子42が偶数極の端子4を構成している。図示した実施形態の場合、7極の端子4が装着されており、両外側にはそれぞれ奇数極の端子41が装着されている。
【0016】
図3に示されている奇数極の端子41は、基部411の一側からコンタクト片412と、コンタクト片412に比べて短い係合片413が、コンタクト片412を上側にして二股状となって延びていると共に、基部411の他側から短いテール片414が延びた形状に打ち抜かれている。この端子41は、ハウジング2の前端28から端子受入溝27(奇数番目)に装着するようにしたもので、コンタクト片412の基端部と係合片413の間にハウジング2の底壁25を挟み、かつ係合片413を底壁25に係合させることでハウジング2に対して固定するようにしている。このようにして端子41をハウジング2に装着すると、前記テール片414の下縁がハウジング2の取付面26である底壁25の下面と略面一となるようにしてある。
【0017】
比較的長いコンタクト片412は、端子受入溝27に沿って延びて接続空洞22に片持ち梁状となって臨むようにしてある。この接続空洞22に臨むようにしたコンタクト片412の先端部上縁にはコンタクト部415が突起状に形成してあり、FPC挿入口21を通して接続空洞22へ挿入されたFPC6の面(下面)と対向するようにしてある。コンタクト片412は、片持ち梁状であるため弾性変形が可能であり、コンタクト部415が形成された先端部が、図3において上下の方向へ移動できるようになっている。
【0018】
一方、図4に示された偶数極の端子42は、基部421の一側から、長さが略等しいコンタクト片422と係合片423が、係合片423を上側にして二股状となって延びていると共に、基部421の他側から短いテール片424が延びた形状に打ち抜かれている。この端子42は、ハウジング2の後端29から端子受入溝27(偶数番目)に装着するようにしたもので、コンタクト片422の基端部が幅広とされて、係合片423の基端部との間でハウジング2の頂壁24を挟み、かつ、コンタクト片422の基端部を頂壁24に係合させることでハウジング2に対して固定するようにしている。この端子42も、ハウジング2に装着すると、テール片424の下縁が取付面26と略面一となるようにしてある。
【0019】
この端子42のコンタクト片422も、端子受入溝27に沿って延びて接続空洞22に片持ち梁状となって臨むようにしてある。接続空洞22に臨むようにしたコンタクト片422の先端部上縁には、コンタクト部425が突起状に形成してあり、前記と同様に、FPC6の面(下面)と対向するようにしてある。コンタクト片422も片持ち梁状であるため弾性変形が可能であり、先端部が図4において上下の方向へ移動できるようになっている。
【0020】
図3及び図4に表れているように、端子41のコンタクト部415と、端子42のコンタクト部425の位置は、ハウジング2の前端28から後端29に向かう方向で変化させてあり、接続空洞22において、コンタクト部415とコンタクト部425が略同一のレベルで千鳥状に配置されるようにしてある。もっとも、この実施形態ではコンタクト部415、425が千鳥状の配置となるようにしているが、直線に沿ってコンタクト部415、425が横一列に配置される形態とすることも可能である。
【0021】
端子42に設けた係合片423は、コンタクト片422と略等しい長さを有しているため、係合片423の先端部も接続空洞22の上部で片持ち梁状となって臨むようになっている。接続空洞22に臨んでいる係合片423の先端部下縁には、弧状の凹部426が形成されている。図4に表れているように、アクチュエータ3側に設けられる断面が略円形の軸部31をこの凹部426に受け入れて、アクチュエータ3を回動可能に係合できるようにするためである。
【0022】
アクチュエータ3は、この端子42の係合片423の凹部426と係合するようにした軸部31が設けられている基部32と、中間部33と、先端操作部34を一体に有し、全体として、図1、2に示されているように、略I字形に成形されている。基部32と先端操作部34が、ハウジング2の両側壁23の対向間隔に略等しい幅を有している。
【0023】
アクチュエータ3に設けられた基部32の中間部には、前記端子42と対応する位置に軸部31を形成するべく、貫通穴35が形成されている。端子42の係合片423の先端部をこの貫通穴35に挿通することで、係合片423側の凹部426に軸部31を収容して、互いに係合するようにしている。
【0024】
アクチュエータ3の表面は平坦に形成されているのに対して、裏面側は、図3、4に表れているように、基部32側が比較的厚くされて、平坦な押圧面36が形成されていると共に、中間部33から先端操作部34に亘る部分はえぐられて比較的薄くされている。そして、前記端子42の位置に対応するようにして係合片収容溝37が形成されている。アクチュエータ3が第2の位置に姿勢を変化させた時に、端子42の係合片423の一部(上縁部)をこの係合片収容溝37に収容できるようにしている。
【0025】
また、アクチュエータ3に設けられた先端操作部34の両端面には、係合突部38が外向きに形成されている(図1参照)。図3、4に表れているように、ハウジング2の両側壁23の内面には、この係合突部38と係合できるようにした係合部231が設けられ、第2の位置に姿勢変化したアクチュエータ3をその位置に保持できるようにしている。
【0026】
次に、ハウジング2の両端に装着されている補強金具5について説明する。この補強金具5とアクチュエータ3も互いに係合している。補強金具5は、図5に示したように成形されている。即ち、ハウジング2の側壁23に形成されている金具装着溝232に挿入係止できるようにした装着片51の下端一側(外側)に半田付け片52が略直角に連続していると共に、装着片51の上端他側(内側)には、平面が略L字形の支持片53が略直角に連続している。前記半田付け片52は、図1、2に示すように、半田フィレット8を形成して回路基板7へ半田付けされる。尚、図5の補強金具5は、図1、2においてハウジング2の右側に装着されるものである。ハウジング2の左側に装着される補強金具5は、図5のものに対して対称に成形されている。
【0027】
補強金具5に設けた平面が略L字形の支持片53は、装着片51側のバックアップ部分531と、このバックアップ部分531から略直角を成して延びる係合部分532を構成するものである。つまり、装着片53をハウジング2の側壁23に設けた金具装着溝232に装着すると、バックアップ部分531が側壁23にひさし状に設けられたFPC押さえ30の上面段部301の上側に重なって、FPC押さえ30を上側からバックアップし、そして、係合部分532が、ハウジング2の後端29方向に延びて、アクチュエータ3と係合できるようにしている。係合部分532の先端は、下方に向かって弧状にカールさせたカール部533としてあり、アクチュエータ3との係合が考慮されている。
【0028】
前記アクチュエータ3の基部32の両端部分には、この補強金具5の支持片53に形成された係合部分532と対応するようにして、係合部分532の幅に略等しい、幅広の貫通穴39が形成されて、係合部分532の先端が進入できるようにされている。そして、貫通穴39の形成によって、前記軸部31と同様の軸部40が形成され、軸部40と係合部分532のカール部533とが互いに係合するようにしてある。
【0029】
図7、8と図9、10には、上記のように構成された補強金具5の支持片53とハウジング2及びアクチュエータ3の関係が明瞭に示されている。図7、8には、補強金具5の支持片53を構成しているバックアップ部分531が、ハウジング2側のFPC押さえ30の上面段部301をバックアップしている様子が表れている。また、図9、10には、支持片53を構成している係合部分532が、アクチュエータ3に形成した貫通穴39に進入し、そして、カール部533が軸部40の上側に被さって、支持片53の係合部分532と軸部40が回動自在に係合している様子が表れている。
【0030】
アクチュエータ3に設けられた2つの軸部31、40に対して、端子42の係合片423に形成した凹部426と、補強金具5の支持片53に形成したカール部533が、それぞれ上側から被さって係合している。このため、組み付けられたアクチュエータ3の軸部31、40は、ハウジング2の前後方向及び上方向への移動が拘束されている。更に、アクチュエータ3の基部32の両端には支持軸321が設けられて、この支持軸321がハウジング2の側壁23の内側に形成された受け段部(図に表れていない)に載置され、軸部31、40が下方向へ移動するのも拘束されている。また図9に示すように、軸部40の先端には突き当て部401が軸部40に連続して形成されており、アクチュエータ3が第1の位置にある時に補強金具5のカール部533の先端が前記突き当て部401と当接することによって、アクチュエータ3がこれ以上ハウジング後端29方向へ倒れてしまわないように第1の位置の状態を保つことができる。
【0031】
図7乃至図10は、図11乃至図14と共に、以上のように構成されている実施形態のFPC用コネクタ1の動作を説明するために示されている。以下、FPC用コネクタ1にFPC6を接続する様子について説明する。図7、9、11、13は、アクチュエータ3が図1に示された第1の位置にあり、FPC挿入口21を通して接続空洞22にFPC6を挿入できる状態の時の図である。また、図8、10、12、14は、アクチュエータ3が図2に示された第2の位置にあり、接続空洞22に挿入されたFPC6をアクチュエータ3の押圧面36が押圧して、端子41、42のコンタクト片412、422に向けて付勢し、端子41、42とFPC6を電気的に接続した状態の時の図である。
【0032】
アクチュエータ3が第1の位置にあるときは、図7、9、11、13に表れているように、FPC6をハウジング2のFPC押さえ30に案内されながらFPC挿入口21を通して接続空洞22の奥まで挿入することができる。前記補強金具5の支持片53は、FPC押さえ30の上側に配置されて、FPC6の面とは直接接触しないようにされているために、挿入に際してFPC6が支持片53と接触して傷つく恐れはない。
【0033】
接続空洞22にFPC6を挿入した後、回動可能に組み付けられているアクチュエータ3を回動させて図2の第2の位置に姿勢変化させると、図8、10、12、14(特に、図12、14)に示されているように、アクチュエータ3の裏面側に形成された押圧面36がFPC6を端子41、42のコンタクト片412、422に向けて付勢し、コンタクト片412、422の弾性変形を伴ってFPC6の接点(図示せず)とコンタクト片412、422のコンタクト部415、425を適度の接圧で係合させて、FPC6と端子41、42の間で電気的な導通を形成することができる。
【0034】
アクチュエータ3をこのように第2の位置に姿勢変化させた状態では、コンタクト片412、422の弾性変形による反力を受けるが、アクチュエータ3の基部32の両端部に形成した軸部40の上側に、補強金具5の支持片53を構成した係合部分532を被せて係合させた構成であるため、支持片53が弾性反力に対抗してアクチュエータ3を確実に支持し、組み付け状態が外れないようにできる。
【0035】
アクチュエータ3の基部32の中間部分は、軸部31が偶数極の端子42の係合片423と係合している。したがって、コンタクト片412、422の弾性変形の反力を受けるアクチュエータ3が撓むのも防止することができる。このため、補強金具5の支持片53と協働してFPC6の接点とコンタクト部415、425の接圧を安定に保ち、電気的導通の信頼性を向上することができる。
【0036】
アクチュエータ3を第2の位置にした接続状態において、FPC6が引き回された場合、FPC押さえ30がこれに対抗して接続空洞22に挿入されたFPC6が移動しないようにして接続状態を安定に保つことができる。この場合、補強金具5の支持片53を構成したバックアップ部分531が、FPC押さえ30をバックアップしてFPC押さえ30の強度を補強するので、FPC6の引き回しに対抗する能力を増強することができる。また、FPC6は支持片53に直接接触しないようにできるために、引き回しによってFPC6に傷がつく恐れもなくすることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明のFPC用コネクタでは、ハウジングの両側に補強金具を設けて、この補強金具から延びる支持片にアクチュエータを回動可能に係合させた構成としたので、アクチュエータが端子側からの反力を受けても外れる恐れのないFPC用コネクタを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態のFPC用コネクタの斜視図で、アクチュエータが第1の位置にある時の図である。
【図2】同じくFPC用コネクタの斜視図で、アクチュエータが第2の位置にある時の図である。
【図3】同じくFPC用コネクタの、奇数極の端子に沿って示した断面図である。
【図4】同じくFPC用コネクタの、偶数極の端子に沿って示した断面図である。
【図5】FPC用コネクタに設けた補強金具の斜視図である。
【図6】実施形態のFPC用コネクタの平面図である。
【図7】図6のA−A線に沿って示した断面図で、アクチュエータが第1の位置にある時の図である。
【図8】同じく、図6のA−A線に沿って示した断面図で、アクチュエータが第2の位置にある時の図である。
【図9】図6のB−B線に沿って示した断面図で、アクチュエータが第1の位置にある時の図である。
【図10】同じく、図6のB−B線に沿って示した断面図で、アクチュエータが第2の位置にある時の図である。
【図11】図6のC−C線に沿って示した断面図で、アクチュエータが第1の位置にある時の図である。
【図12】同じく、図6のC−C線に沿って示した断面図で、アクチュエータが第2の位置にある時の図である。
【図13】図6のD−D線に沿って示した断面図で、アクチュエータが第1の位置にある時の図である。
【図14】同じく、図6のD−D線に沿って示した断面図で、アクチュエータが第2の位置にある時の図である。
【符号の説明】
1 FPC用コネクタ
2 ハウジング
21 FPC挿入口
22 接続空洞
23 側壁
231 係合部
232 金具装着溝
24 頂壁
25 底壁
26 取付面
27 端子受入溝
28 前端
29 後端
30 FPC押さえ
301 上面段部
3 アクチュエータ
31 軸部
32 基部
321 支持軸
33 中間部
34 先端操作部
35 貫通穴
36 押圧面
37 係合片収容溝
38 係合突部
39 貫通穴
40 軸部
401 突き当て部
4 端子
41 奇数極の端子
411 基部
412 コンタクト片
413 係合片
414 テール片
415 コンタクト部
42 偶数極の端子
421 基部
422 コンタクト片
423 係合片
424 テール片
425 コンタクト部
426 凹部
5 補強金具
51 装着片
52 半田付け片
53 支持片
531 バックアップ部分
532 係合部分
533 カール部
6 FPC
7 回路基板
8 半田フィレット
Claims (4)
- FPC挿入口(21)が形成されたハウジング(2)と、
ハウジング(2)に並列して装着され、コンタクト片(412、422)がFPC挿入口(21)から挿入されたFPC(6)の面と対向するように延びている複数の端子(4)と、
ハウジング(2)に対して第1の位置と第2の位置の間で姿勢変化できるように設けられ、第1の位置では前記FPC挿入口(21)へFPC(6)を挿入可能とし、第2の位置では挿入されたFPC(6)を前記端子(4)のコンタクト片(412、422)に向けて押圧するアクチュエータ(3)とを備え、
前記ハウジング(2)の、端子(4)が並列している方向の両側に、ハウジング(2)の取付面(26)側に配置される半田付け片(52)を備えた補強金具(5)が設けられていると共に、
この補強金具(5)から前記アクチュエータ(3)と係合可能とした支持片(53)がFPC挿入口(21)側に延びており、アクチュエータ(3)が支持片(53)に回動可能に係合していることを特徴とするFPC用コネクタ。 - 前記補強金具(5)の支持片(53)は、ハウジング(2)のFPC挿入口(21)に臨ませて設けられたFPC押さえ(30)をバックアップするように延びるバックアップ部分(531)と、このバックアップ部分(531)に連続して延びる係合部分(532)とで構成されている請求項1に記載のFPC用コネクタ。
- 前記補強金具(5)の係合部分(532)の先端は、下方に向かって弧状にカールさせたカール部(533)としてあり、これと係合するアクチュエータには軸部(40)とこれに連続して形成された突き当て部(401)が設けられたことを特徴とする請求項2に記載のFPC用コネクタ。
- 前記複数の端子(4)は、アクチュエータ(3)が回動可能に係合する係合片(423)を備えている端子(42)と、アクチュエータ(3)と係合する係合片を備えていない端子(41)を含んでいる請求項1に記載のFPC用コネクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002355667A JP2004192825A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | Fpc用コネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002355667A JP2004192825A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | Fpc用コネクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004192825A true JP2004192825A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32756296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002355667A Pending JP2004192825A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | Fpc用コネクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004192825A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7112079B2 (en) | 2004-10-26 | 2006-09-26 | J.S.T. Mfg. Co., Ltd. | Flexible printed circuit board connector |
WO2009130963A1 (ja) * | 2008-04-25 | 2009-10-29 | タイコエレクトロニクスアンプ株式会社 | 電気コネクタ |
JP2013243093A (ja) * | 2012-05-22 | 2013-12-05 | Tyco Electronics Japan Kk | フラットケーブルコネクタ |
JP5901733B1 (ja) * | 2014-12-09 | 2016-04-13 | 京セラコネクタプロダクツ株式会社 | ケーブル用コネクタ |
WO2019208188A1 (ja) * | 2018-04-25 | 2019-10-31 | 京セラ株式会社 | コネクタ及び電子機器 |
-
2002
- 2002-12-06 JP JP2002355667A patent/JP2004192825A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7112079B2 (en) | 2004-10-26 | 2006-09-26 | J.S.T. Mfg. Co., Ltd. | Flexible printed circuit board connector |
WO2009130963A1 (ja) * | 2008-04-25 | 2009-10-29 | タイコエレクトロニクスアンプ株式会社 | 電気コネクタ |
JP2009266674A (ja) * | 2008-04-25 | 2009-11-12 | Tyco Electronics Amp Kk | 電気コネクタ |
JP2013243093A (ja) * | 2012-05-22 | 2013-12-05 | Tyco Electronics Japan Kk | フラットケーブルコネクタ |
JP5901733B1 (ja) * | 2014-12-09 | 2016-04-13 | 京セラコネクタプロダクツ株式会社 | ケーブル用コネクタ |
WO2016092894A1 (ja) * | 2014-12-09 | 2016-06-16 | 京セラコネクタプロダクツ株式会社 | ケーブル用コネクタ |
CN107210551A (zh) * | 2014-12-09 | 2017-09-26 | 京瓷株式会社 | 电缆连接器 |
US10181661B2 (en) | 2014-12-09 | 2019-01-15 | Kyocera Corporation | Cable connector |
WO2019208188A1 (ja) * | 2018-04-25 | 2019-10-31 | 京セラ株式会社 | コネクタ及び電子機器 |
CN112136249A (zh) * | 2018-04-25 | 2020-12-25 | 京瓷株式会社 | 连接器以及电子设备 |
CN112136249B (zh) * | 2018-04-25 | 2022-05-31 | 京瓷株式会社 | 连接器以及电子设备 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3124505U (ja) | Fpc用電気コネクタ | |
US9190750B2 (en) | Board-to-board connector | |
US8092232B2 (en) | Board-to-board connector | |
US6726497B2 (en) | Connector for flat flexible cable | |
JP3657250B2 (ja) | コネクタ | |
JP3124245U (ja) | Fpc用電気コネクタ | |
JP2004165046A (ja) | 平型導体の接続のための電気コネクタ | |
JP2005056824A (ja) | 電気コネクタ | |
JP4168986B2 (ja) | Fpc用コネクタ | |
JP4054740B2 (ja) | Fpc用zifコネクタ | |
US7727010B2 (en) | Electrical connector | |
JP2005108465A (ja) | 低背型fpc用zifコネクタ | |
JP4030120B2 (ja) | コネクタ | |
JP4830785B2 (ja) | コネクタ | |
JP3595934B2 (ja) | コネクタ | |
JP2004178959A (ja) | コネクタ | |
JP3632106B2 (ja) | Fpc用コネクタ | |
JP3125545U (ja) | Fpc用電気コネクタ | |
JP2004192825A (ja) | Fpc用コネクタ | |
US7581974B2 (en) | Electrical connector with retaining member | |
JP2002025662A (ja) | 平型柔軟ケーブル用コネクタ | |
JP2001052788A (ja) | Fpcとプリント基板間の電気コネクタ装置 | |
JP2002050423A (ja) | フレキシブル基板接続用コネクタ | |
JPH0682783U (ja) | フラットケーブル用コネクタ | |
JP2004087361A (ja) | Fpc用コネクタ |