JP2004178959A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本目的は、FPCと着脱自在に嵌合するコネクタであって、FPCと接触する接触部を上下方向両側に有する所要数のコンタクトと、このコンタクトが保持・固定されるとともにFPCが挿入される嵌合口を有するハウジングとを備えるコネクタにおいて、FPCのコンタクトとの接点が千鳥に配列されている際に、コンタクトの上下方向の接触部を千鳥に配置することで達成できる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話やノートパソコンやデジタルカメラ等の電子機器や電気機器に使用されるコネクタに関するもので、特にフレキシブルプリント基板(以下「FPC」という)を逆挿入した場合の誤接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
例えば、ゼロインサーションフォース構造としては、実開平6−60983号がある。実開平6−60983号の要約によると、その目的は、電子機器や通信機器内の狭いスペースに使用されるスライダー付プリント基板用コネクタに関するものであり、その構成は、コネクタのスライダーの両側端部にそのスライダーが挿入されるハウジングへの挿入ガイドとして手前側が固定されたU字形状のアーム部を形成し、そのU字形状のアーム部の開放端側に凸部を設けるとともに、U字形状のアーム部の開放端が挿入方向から目視できるように切欠部を設け、ハウジングの両側端部にはスライダーの凸部が係合する傾斜面を有する突出部を設け、スライダーをフレキシブル・プリント基板の接続端子部とともにハウジングに挿入されるとき、当該スライダーの凸部がハウジングの傾斜面を有する突出部を乗り越えることにより、そのU字形状のアーム部の開放端が一時的に外側に広げられ、かつ挿入完了時にその開放端が正常位置に復帰するようにしたコネクタが開示されている。
【0003】
上述のようにスライダーを用いたものではなく、FPCを前記ハウジングの嵌合口内に挿入して、前記コンタクトの接触部に接触させ、接続する構造のものも多々ある。この場合は、上述したゼロインサーションフォースではなく、FPC挿入時に圧力がかかるものである。
前記FPCと前記コンタクトを接触させる場合には、接触部を接触し易いように湾曲させることがあり、前記接触部は前記FPCを挟み込むように対称位置に設けられている。また、コネクタの狭小化を図るため、コンタクトが千鳥に配置されることが多くなってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、前記コンタクトの接触部が前記FPCを挟み込むように対称位置に設けられたコネクタでは、コネクタの狭小化を図るためコンタクトが千鳥に配置されていると、FPC上のパターンも千鳥に配置されているので、FPCの上下面を逆にコネクタの嵌合口へ挿入しても前記コンタクトの接触部と前記FPCのパターンとが接触してしまい、接続不良が発生することがあった。
また、接続不良が発生すると、コネクタ自体や基板自体を交換する必要が生じ、コストアップに繋がってしまうこともあった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、FPCの上下面を逆に挿入しても、接続不良が発生することないコネクタを提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本目的は、FPCと着脱自在に嵌合するコネクタ10であって、該FPCと接触する接触部22、22を上下方向両側に有する所要数のコンタクト14、141と、このコンタクト14、141が保持・固定されるとともに前記FPCが挿入される嵌合口18を有するハウジング12とを備えるコネクタ10において、前記FPCの前記コンタクト14、141との接点が千鳥に配列されている際に、前記コンタクト14、141の上下方向の接触部22、22を千鳥に配置することで達成できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の重要な特徴は、「前記コンタクト14、141の上下方向の接触部22、22を千鳥に配置する」点にある。この特徴を活かした形態には、3つタイプがある。3つのタイプとも、FPCをコンタクトに接触させる構造である点では同じであるが、FPCをコンタクトに接触させる仕方に相違がある。
第一の構造のコネクタ10は、主にハウジング12とコンタクト14、141とスライダー16とを備えており、前記スライダー16が回動してFPCをコンタクト14、141に押しつけるタイプのものであり、所謂ピアノタッチ方式と称するタイプのコネクタ10である。前記スライダー16を回動させる位置としては、嵌合側であったり、コンタクト接続側(テール側)であったりする。以下の実施例では、このタイプのものを詳細に説明する。
【0008】
第二の構造のコネクタは、第一と同様に主にハウジングとコンタクトとスライダーとを備えており、前記スライダーを前記ハウジングの嵌合口へ挿入して、前記FPCを前記コンタクトに押しつけるタイプのものであり、所謂ZIF構造(ゼロ インサーション フォース)タイプ)のコネクタと称するものである。即ち、前記ハウジングの嵌合口から前記FPCを挿入した後に、前記スライダーを前記嵌合口内に挿入して、前記FPCを前記コンタクトに押しつけるものである。
第三の構造のコネクタは、主にハウジングとコンタクトとを備えており、前記FPCを前記ハウジングの嵌合口へ挿入して、前記FPCを前記コンタクトに接触させる(押しつける)タイプのものであり、スライダーを使用しない所謂NON ZIFタイプのコネクタと称されるものである。即ち、前記FPCの厚さより狭い、前記コンタクト接触部間や前記コンタクトと前記ハウジングとの間に、前記FPCを無理に挿入して、前記コンタクトに接触させる(押しつける)ものである。
上述した3つの構造のもの全てに、前記コンタクトの上下方向の接触部を千鳥に配置したことは言うまでもない。
【0009】
【実施例】
図1から図4に基づいて、本発明のコネクタの一実施例について説明する。
図1は一実施例の本発明のコネクタの斜視図であり、図2は2つのコンタクトの配列状態を示した斜視図である。図3は一方のコンタクトの斜視図であり、図4はもう一方のコンタクトの斜視図である。
一実施例の本発明のコネクタ10は、主にハウジング12とコンタクト14、141とスライダー16とを備えている。
【0010】
図に基づいて本発明のコネクタ10の構成部品について説明する。
まず、本発明のポイントである2種類のコンタクト14、141について説明する。この2種類のコンタクト14、141は金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記コンタクト14、141の材質としては、バネ性や導電性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。
【0011】
一方の前記コンタクト14は、図3のように倒略H形状をしており、主にFPC又はFFCと接触する接触部22と基板に接続する接続部24とハウジング12に固定する固定部42と前記接触部22と前記接続部24との間に設けられた弾性部34及び支点部32と前記接続部24と対向する位置に前記弾性部34から延設された押受部20と支点部32から延設した方向にも前記FPC又はFFCと接触するもう一つの接触部22とを備えている。上方側の前記接触部22(図2の図面の上側)と前記弾性部34と前記支点部32と前記接続部24とは、略クランク形状に配置されている。前記接触部22は、FPC又はFFCと接触し易いように凸部形状にしており、前記接続部24は本実施例では図1のように表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。即ち、2つの接触部22、22を設けて、前記FPC又はFFCを挟持するようにする。前記FPC又はFFCの挿入方向に対して、直角方向両側に接触部22、22を設けることで、前記FPC又はFFCを2つの接触部22、22で挟持することになり、確実に前記FPC又はFFCと接触できるようになる。
【0012】
前記支点部32と前記弾性部34と前記押受部20とは、前記FPC又はFFCが挿入された際に、次のような作用を果たすための部分である。前記FPC又はFFCが前記ハウジング12の嵌合口18内に挿入された後に、前記スライダー16の押圧部36が前記コンタクト14の接続部24と押受部20との間で回動すると、前記押受部20が押圧部36によって押し上げられることで前記コンタクト14の支点部32を支点にし、前記コンタクト14の弾性部34が前記接触部22側に傾くことによって、前記接触部22が前記FPC又はFFC側に押圧される。前記支点部32と前記弾性部34と前記押受部20の大きさや形状は、このような作用を果たすために、適宜設計されている。また、前記コンタクト14の押受部20の先端に突出部26を設け、スライダー16の押圧部36をコンタクト14の押受部20と接続部24との間で回動させるとき、前記スライダー16の係止孔30に係合させることで、スライダー16の回動に対する強い反発力に対抗し、スライダー16の中央部が図1の矢印「ロ」方向に膨れてしまうことを防ぐようにすることが望ましい。前記突出部26の大きさは、このような役割を果たすことが出来れば如何なる大きさでもよく、スライダー16の押圧部36が引っ掛かる程度に適宜設計する。
【0013】
もう一方のコンタクト141について説明する。ここでは、上述した一方のコンタクト14との相違部分についてのみ説明する。もう一方の前記コンタクト141も図4のように倒略H字形状をしており、主にFPC又はFFCと接触する接触部22と基板に接続する接続部24とハウジング12に固定する固定部42と前記接触部22と前記接続部24との間に設けられた弾性部34及び支点部32と前記弾性部34から延設された押受部20と前記支点部32からも接続部24と反対方向に延設された延設部44とを備え、前記接触部22と前記弾性部34と前記支点部32と前記接続部24とは略コ字形状に配置されている。前記接続部24は、一方のコンタクトと同様に表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。
【0014】
前記支点部32と前記弾性部34と前記押受部20とは、一方のコンタクト14と同様に、前記FPC又はFFCが挿入された際に、前記スライダー16の押圧部36が前記コンタクト141の押受部20と延設部44との間で回動すると、前記押受部20が押圧部36によって押し上げられることで前記コンタクト141の支点部32を支点にし、前記コンタクト141の弾性部34が前記接触部22側に傾くことによって、前記接触部22が前記FPC又はFFC側に押圧される。前記支点部32と前記弾性部34と前記押受部20の大きさや形状は、このような作用を果たすために、適宜設計されている。また、前記コンタクト141の押受部20の先端に突出部26を設け、スライダー16の押圧部36を回動させるとき、前記スライダー16の係止孔30に係合させることで、スライダー16の回動に対する強い反発力に対抗し、スライダー16の中央部が図1の矢印「ロ」方向に膨れてしまうことを防ぐようにすることが望ましいが、ピッチの狭小化による前記スライダー16の強度を考慮すると、2種類あるコンタクト14、141の内、一方のコンタクト14に設けておけば、十分である。前記突出部26の大きさは、このような役割を果たすことが出来れば如何なる大きさでもよく、スライダー16の押圧部36が引っ掛かる程度に適宜設計する。
【0015】
上述した2つの前記コンタクト14、141は、前記FPCが嵌入される部分の形状は略コ字形状をしており、コンタクト14、141の接触部22でFPCを挟持するような構造になっている。
前記接触部22、22は、前記FPCの前記コンタクトとの接点が千鳥に配列されていることに対応して、図2のように前記コンタクト14、141の上下方向で千鳥に配置されている。また、コネクタを狭小化するために、2つの前記コンタクト14、141は、図2のように、千鳥に配置されている。即ち、一方の前記コンタクト14が前記ハウジング12の接続側より挿入され、もう一方の前記コンタクト141が前記ハウジング12の嵌合口18側より挿入されている。
【0016】
次にに、ハウジング12について説明する。このハウジングは電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。
前記ハウジング12には、所要数のコンタクト14、141が装着される挿入溝38が設けられており、圧入や引っ掛け(ランス)や溶着等によって固定されている。
【0017】
前記ハウジング12の長手方向両側には、前記スライダー16の軸28が回動可能に装着される軸受部が設けられている。この軸受部の形状や大きさは、スライダー16の軸28が回動できるように装着されていれば如何なるものでもよく、この役割やハウジング12の強度や大きさ等を考慮して適宜設計する。さらにまた、長手方向両側には、前記スライダー16のロック部に対応した位置に係止部が設けられている。
【0018】
最後に、スライダー16について説明する。このスライダー16は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。該スライダー16は主にハウジング12に回動可能に装着される軸28部分と前記コンタクト14、141の押受部20を押圧する押圧部36と前記コンタクト14、141の突出部26が係合する係止孔30とを備えている。前記軸28は、スライダー16を回動するための支点であり、ハウジング12の長手方向両側にスライダー16が回動可能に適宜装着されている。また、長手方向両側には、前記コンタクト14、141の押受部20を押圧した際にスライダー16が高さ(図面の上)方向に持ち上がらないようにするためにハウジング12と係合するロック部が設けられている。ロック部の形状や大きさ等は、ハウジング12に係合できれば如何なるものでもよく、上述の役割やコネクタの大きさや強度等を考慮して適宜設計する。
【0019】
前記押圧部36は、コンタクト14、141の押受部20に押し付ける部分であり、その形状としては細長形状にすることが望ましく、本実施例では楕円形状をしている。このように楕円形状にすることによって、図1のようにスライダー16を矢印「イ」方向に回動させ、コンタクト14の押受部20と接続部24との間で回転させることで、押圧部36の大きさの変化によりコンタクト14の押受部20が持ち上げられ、FPC又はFFCをコンタクト14の接触部22側に押し付けている。押圧部36の形状としては、コンタクト14の押受部20と接続部24との間で回転でき、長軸と短軸といった大きさの違いによりコンタクト14の押受部20を押し上げられれば、如何なるものでもよい。
また、前記スライダー16を回動した際に、スライダー16の回動に対する反発力が強く、スライダー16の中央部が図1の矢印「ロ」方向に膨れてしまうことを防ぐようにする為に、前記コンタクト14の突出部26が係合する係止孔30が別個独立に設けられている。前記係止孔30を別個独立に設けることで、スライダー16の強度アップや回動時の変形を防止している。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のコネクタ10によると、次のような優れた効果が得られる。
(1)前記FPCの前記コンタクト14、141との接点が千鳥に配列されている際に、前記コンタクト14、141の上下方向の接触部22、22を千鳥に配置しているので、FPCを逆挿入しても、接続不良が発生することない。
(2)FPCを逆挿入しても、接続不良が発生することが無くなったので、コネクタ10や基板自体を交換することが無くなり、コストアップに繋がることがない。
(3)FPCの接点と対応した位置にコンタクト14、141の接触部22、22が設けられているので、安定した接続を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の本発明のコネクタの斜視図である。
【図2】2つのコンタクトの配列状態を示した斜視図である。
【図3】一方のコンタクトの斜視図である。
【図4】もう一方のコンタクトの斜視図である。
【図5】スライダーの斜視図である。
【符号の説明】
10 コネクタ
12 ハウジング
14、141 コンタクト
16 スライダー
18 嵌合口
20 押受部
22 接触部
24 接続部
26 突出部
28 軸
30 係止孔
32 支点部
34 弾性部
36 押圧部
38 挿入溝
42 固定部
44 延設部
Claims (1)
- フレキシブルプリント基板(FPC)と着脱自在に嵌合するコネクタであって、該フレキシブルプリント基板と接触する接触部を上下方向両側に有する所要数のコンタクトと、このコンタクトが保持・固定されるとともに前記フレキシブルプリント基板が挿入される嵌合口を有するハウジングとを備えるコネクタにおいて、
前記フレキシブルプリント基板の前記コンタクトとの接点が千鳥に配列されている際に、前記コンタクトの上下方向の接触部を千鳥に配置したことを特徴とするコネクタ。
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