JP2004189145A - 制動制御装置 - Google Patents

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義文 佐々木
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Abstract

【課題】ヒールアンドトウ操作時の減速度の低下を補償して正確なヒールアンドトウ操作を行うことができる制動制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン1の駆動力をクラッチ2aを有する手動変速機2を介して車輪6RL,6RRに伝達し、ブレーキスイッチ31がオン状態で、且つクラッチスイッチ33がオン状態であるときに、ヒールアンドトウ操作状態であると判断して、マスタシリンダ12のマスタシリンダ圧をディスクブレーキ7FL〜7RRに供給する流体圧制御ユニット11内の制動切換弁又は増圧弁を閉状態に制御することにより、ディスクブレーキのホイールシリンダ8FL〜8RRのホイールシリンダ圧を保持することにより、習熟度の低い運転者がヒールアンドトウ操作を行ったときの制動力低下を抑制する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、急カーブなどで車両を安定させた状態で走行させる所謂ヒールアンドトウ操作を容易に行うことができる制動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に所定以上の減速度が作用し、フートブレーキが作動し、且つ、エンジン負荷が所定以上の場合に、ヒールアンドトウ操作である判断して無段変速機の変速比を大側に変化させるようにしたヒールアンドトウ時変速制御手段を有する無段変速機の制御装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−257663号公報(第1頁〜第3頁、図10)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、運転者がブレーキとアクセルを同時に操作するヒールアンドトウを検出したときに無段変速機の変速比を大側に変化させることにより、より強いエンジンブレーキ又は大きい駆動力を得ることができるものであるが、ヒールアンドトウ操作を補助することはできないとうい未解決の課題がある。すなわち、非常に高い熟練技術を必要とするヒールアンドトウ操作時において、ブレーキペダルを爪先で踏込みながら踵でアクセルを踏込む際に、ブレーキペダルの踏込みが緩くなった場合には、減速度が低下してしまい安定したコーナリングを確保できなくなるという問題点がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、ヒールアンドトウ操作時の減速度の低下を補償して正確なヒールアンドトウ操作を行うことができる制動制御装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る制動制御装置は、運転者がブレーキペダル等を操作して制動操作を行うと制動力発生手段で制動操作量に応じた制動力を車輪に付与し、運転者がヒールアンドトウ操作をしたことを運転者操作検出手段で検出すると、制動力保持手段で、前記制動力発生手段で発生している制動力を保持する。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、ヒールアンドトウ操作を検出したときに、制動力保持手段で制動力発生手段で発生している制動力を保持するようにしているので、運転者が爪先でブレーキペダルを踏込んでいる状態で踵でアクセルペダルを操作する際に、ブレーキペダルの踏込みが緩くなった場合でも、制動力が保持されるので、減速度の低下を生じることなく安定したコーナリングを確保することができるという効果が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す概略構成図であり、エンジン1の駆動力が手動変速機2、プロペラシャフト3、最終減速装置4及び車軸5を介して後輪6FL,6RRに伝達され、前輪6FL,6FRは非駆動輪とされてエンジン前置き後輪駆動車として構成されている。
【0009】
また、各車輪6FL〜6RRのそれぞれには、ディスクブレーキ7FL〜7RRが配設され、これらディスクブレーキ7FL〜7RRのそれぞれは、ホイールシリンダ8FL〜8RRの推力によってパッド(図示せず)を車軸9FL〜9RRに固定されたディスクロータ10FL〜10RRに押圧することにより、車輪6FL〜6RRに対して制動力を発生する。
【0010】
そして、各ディスクブレーキ7FL〜7RRのホイールシリンダ8FL〜8RRに供給する制動流体圧力が流体圧制御ユニット11によって制御される。
この流体圧制御ユニット11は、図2に示すように、各車輪6FL〜6RRに設けられた各ホイールシリンダ8FL〜8RRとマスタシリンダ12との間に介装され、原則的に前二輪のホイールシリンダ8FL,8FRは、ブレーキペダル13の踏力に応じたマスタシリンダ12からの一方のマスタシリンダ圧PMfが、後二輪のホイールシリンダ6RL,6RRは他方のマスタシリンダ圧PMrがそれぞれ作用して制動力を発生する。
【0011】
また、流体圧制御ユニット11は、入力されるマスタシリンダ12の前輪用マスタシリンダ圧PMfを常開型の2ポート2位置ソレノイドバルブで構成される制動切換弁14Fを介し、同様に常開型の2ポート2位置ソレノイドバルブで構成される増圧弁15FL及び15FRを介してホイールシリンダ8FL,8FRに供給すると共に、入力されるマスタシリンダ12の後輪用マスタシリンダ圧PMrを常開型の2ポート2位置ソレノイドバルブで構成される制動切換弁14Rを介し、同様に常開型の2ポート2位置ソレノイドバルブで構成される増圧弁15RL及び15RRを介してホイールシリンダ8RL,8RRに供給するように構成されている。
【0012】
また、流体圧制御ユニット11は、ホイールシリンダ8FL,8FR及び8RL,8RRと増圧弁15FL,15FR及び15RL,15RRとの間と、低圧アキュムレータ16F及び16Rとの間に介装された常閉型の2ポート2位置ソレノイドバルブで構成される減圧弁17FL,17FR及び17RL,17RRを有する。
【0013】
さらに、流体圧制御ユニット11は、低圧アキュムレータ16F及び16Rの逆止弁18が介装されて出力のみが許容される作動流体出口19に共通の電動モータ20によって回転駆動されるポンプ21F及び21Rの吸込み側が接続され、このポンプ20F及び20Rの吐出側がダンパー室22F及び22Rを介して制動切換弁14F及び14Rと増圧弁15FL,15FR及び15RL,15RRとの間の連結配管に接続されている。
【0014】
さらにまた、流体圧制御ユニット11は、マスタシリンダ12の前輪及び後輪用マスタシリンダ圧PMf及びPMrが供給される常閉型の2ポート2位置ソレノイドバルブで構成される制動切換弁23F及び23Rを有し、これら制動切換弁23F及び23Rの出側が低圧アキュムレータ16F及び16Rとポンプ21F及び21Rとの間の連結配管に接続されている。
【0015】
そして、ディスクブレーキ7FL〜7RR、流体圧制御ユニット11、マスタシリンダ12及びブレーキペダル13で制動力発生手段を構成している。
図1に戻って、ブレーキペダル13には、その踏込みを検出する制動操作検出手段としてのブレーキスイッチ31が設けられていると共に、手動変速機2のクラッチ2aを操作するクラッチペダル32にその踏込みによるクラッチ2aの切断を検出するクラッチスイッチ33が設けられ、さらにマスタシリンダ11のマスタシリンダ圧PMf及びPMrを検出するマスタシリンダ圧センサ34F及び34Rが設けられている。
【0016】
そして、ブレーキスイッチ31、クラッチスイッチ32及びマスタシリンダ圧センサ34F,34Rから出力される検出信号が流体圧制御ユニット11を制御する制動制御装置35に供給されている。
この制動制御装置35は、ヒールアンドトウ操作時に流体圧制御ユニット11の制動用圧を保持状態に制御可能な制動力保持手段としての制動力保持部36と、アンチロックブレーキ制御部(ABS)37と、トラクション制御部(TCS)38と、車両挙動制御部(VDC)39とで構成されている。
【0017】
ここで、制動力保持部36は、ブレーキスイッチ31のスイッチ信号SWB 、クラッチスイッチ33のスイッチ信号SWC 、アンチロックブレーキ制御部36、トラクション制御部37及び車両挙動制御部38での作動状態を表す作動信号OSA 、OST 及びOSV 、手動変速機2の出力軸側に配設された車速センサ40で検出した車速Vc、マスタシリンダ圧センサ34F,34Rで検出したマスタシリンダ圧PMf,PMrに基づいて、ブレーキスイッチ31のスイッチ信号SWB がオン状態で、且つクラッチスイッチ33のスイッチ信号SWC がオン状態であるときに、運転者がコーナリング走行する際にヒールアンドトウ操作を行っているものと判断し、そのときにアンチロックブレーキ制御部37、トラクション制御部38及び車両挙動制御部39が非作動状態で、車速Vcが設定車速Vs(例えば30km/h程度)以上で、且つマスタシリンダ圧PMf又はPMrの減圧勾配αが設定勾配αs以下であるときに、そのときのホイールシリンダ圧を保持するように、流体圧制御ユニット11における制動切換弁14F,14Rを閉状態に制御する。
【0018】
また、アンチロックブレーキ制御部37は、各車輪6FL〜6RRの車輪速を検出する車輪速センサ40FL〜40RRから入力される車輪速検出値VwFL〜VwRRに基づいて車体速度を推定し、推定した車体速度と各車輪速検出値VwFL〜VwRRに基づいて車輪スリップ率SFL〜SRRを算出すると共に、車輪減速度VwFL′〜VwRR′を算出し、車輪スリップ率SFL〜SRRと車輪減速度VwFL′〜VwRR′とに基づいて車輪のロック状態を防止するホイールシリンダ圧指令値を算出し、算出したホイールシリンダ圧指令値に基づいて流体圧制御ユニット11における増圧弁15FL〜15RR及び減圧弁17FL〜17RRを制御して、ホイールシリンダ8FL〜8RRに供給するホイールシリンダ圧を制御する。
【0019】
さらに、トラクション制御部38は、車輪速センサ40FL〜40RRで検出した駆動輪となる後輪1RL及び1RRの車輪速検出値VwRL及びVwRRに基づいて車輪加速スリップ率を算出し、算出した車輪加速スリップ率が所定値以内に収まるように、エンジン1の駆動力を制御すると共に、流体圧制御ユニット11に対するホイールシリンダ圧指令値を算出し、このホイールシリンダ圧指令値に基づいて、制動切換弁14Rを閉状態に、制動切換弁23Rを開状態に制御すると共に、電動モータ20を回転駆動してポンプ21Rで発生した作動流体圧を増圧弁15RL及び15RRを介して前輪のホイールシリンダ8RL及び8RRに供給することにより、ホイールシリンダ8RL及び8RRで車輪加速スリップを抑制する推力を発生させる。
【0020】
さらにまた、車両挙動制御部39は、マスタシリンダ圧センサ34F及び34Rで検出したマスタシリンダ圧PMf及びPMrと、操舵角センサ41で検出したステアリングホイール42の操舵角検出値θとに基づいて目標横滑り量を算出する一方、車輪速センサ40FL〜40RRで検出した車輪速検出値VwFL〜VwRR、ヨーレートセンサ43で検出したヨーレート検出値φ、及び横加速度センサ44で検出した横加速度YG に基づいて算出した横滑り量を算出し、算出した横滑り量と目標横滑り量との偏差に基づいてホイールシリンダ圧指令値を算出し、算出したホイールシリンダ圧指令値に基づいて制動切換弁14Fを閉状態に、制動切換弁23F,23Rを開状態に制御すると共に、電動モータ20を回転駆動してポンプ21F,21Rで発生した作動流体圧を増圧弁15FL,15FR及び15RL,15RRを介して前輪及び後輪のホイールシリンダ8FL,8FR及び8RL,8RRに供給することにより、ホイールシリンダ8FL〜8RRで横滑り量を目標横滑り量に合わせる制動力を発生させる。
【0021】
また、エンジン1はエンジン制御装置50でアクセルペダル51の踏込量に応じたスロットル開度指令値を算出し、算出されたスロットル開度指令値が入力されることにより、エンジン回転速度が制御される。
次に、上記実施形態の動作を制御制御装置35の制動力保持部36で実行する制動力保持処理を示す図3を伴って説明する。
【0022】
この制動力保持処理は、図3に示すように、所定のメインプログラムに対する所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS1でブレーキスイッチ31のスイッチ信号SWB を読込み、読込んだスイッチ信号がオン状態であるか否かを判定し、これがオフ状態であるときにはステップS2に移行して、後述する制動力保持フラグFHが制動力保持状態であることを表す“1”にセットされているか否かを判定し、FH=“1”であるときには後述するステップS5に移行し、FH=“0”であるときに制動力保持状態ではないものと判断してステップS3に移行し、制動保持時間変数nを“0”にクリアし、後述する減圧継続時間変数kを“0”にクリアし、さらに減圧状態フラグFC及び制動力保持フラグFHを共に“0”にリセットしてからステップS4に移行し、制動切換弁14F,14Rに対する制御信号CScaF ,CScaR 、増圧弁15FL〜15RRに対する制御信号CSiFL〜CSiRR、減圧弁17FL〜17RRに対する制御信号CSoFL〜CSoRR並びに制動切換弁23F,23Rに対する制御信号CScbF ,CScbR をオフ状態に制御すると共に、電動モータ20を非通電状態に制御して、マスタシリンダ12のマスタシリンダ圧PMf及びPMrを制動切換弁14F,14R及び増圧弁15FL〜15RRを介して各ホイールシリンダ8FL,8FR及び8RL,8RRに供給可能な通常ブレーキ状態に保持する通常ブレーキ処理を行ってからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0023】
また、ステップS1の判定結果が、ブレーキスイッチ信号SWB がオン状態であるときには、制動状態であると判断して、ステップS5に移行して、クラッチスイッチ33のスイッチ信号SWC を読込み、このスイッチ信号SWB がオン状態であるか否か即ち手動変速機2のクラッチ2aが非締結状態であるか否かを判定し、クラッチスイッチ信号SWC がオフ状態であるときには単なる制動状態であると判断して前記ステップS3に移行し、オン状態であるときにはステップS6に移行する。
【0024】
このステップS6では、アンチロックブレーキ制御部37、トラクション制御部38及び車両挙動制御部39から出力される作動信号OSA 、OST 及びOSV の何れかが作動状態を表すオン状態であるか否かを判定し、作動信号OSA 、OST 及びOSV の何れかが作動状態を表すオン状態であるときには前記ステップS3に移行し、作動信号OSA 、OST 及びOSV の全てがオフ状態であるときにはステップS7に移行する。
【0025】
このステップS7では、車速センサ40で検出した車速Vcを読込み、この車速Vcが設定車速Vs(例えば30km/h程度)以上であるか否かを判定し、Vc<Vsであるときには前記ステップS3に移行し、Vc≧VsであるときにはステップS8に移行する。
このステップS8では、制動力保持フラグFHが“1”にセットされているか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときには制動力保持状態ではないものと判断してステップS9に移行し、ヒールアンドトウ操作を行ったときの減圧状態であるか否かを表す制御フラグFCが“0”にリセットされているか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときにはステップS10に移行して、例えばマスタシリンダ圧センサ34Fで検出した前回のマスタシリンダ圧PMf(n-1) から今回のマスタシリンダ圧PMf(n) を減算した値ΔPMfが負であるか否か即ち制動力を緩める状態であるか否かを判定し、ΔPMf≧0であるときに運転者がブレーキペダル13を踏み増しているか所定踏み込み状態を維持しているものと判断して前記ステップS3に移行し、ΔPMf<0であるときにはステップS11に移行する。
【0026】
このステップS11では、前回のマスタシリンダ圧PMf(n-1) を減圧開始初期値PM0 として記憶し、次いでステップS12に移行して、制御フラグFCを減圧状態を表す“1”にセットしてからステップS14に移行する。
また、前記ステップS9の判定結果が制御フラグFCが“1”にセットされているときにはステップS13に移行して、現在のマスタシリンダ圧PMf(n) から前回のマスタシリンダ圧PMf(n-1) を減算した値が正であるか否か即ちマスタシリンダ圧PMf(n) が増加したか否かを判定し、PMf(n) −PMf(n-1) >0であるときには運転者がブレーキペダル13を踏み増したものと判断して前記ステップS3に移行し、PMf(n) −PMf(n-1) ≦0であるときには減圧状態を継続しているものと判断してステップS14に移行する。
【0027】
ステップS14では、減圧状態の継続時間を表す減圧継続時間変数kを“1”だけインクリメントしてからステップS15に移行し、減圧継続時間変数kが設定値ks以上であるか否かを判定し、k<ksであるときには前記ステップS4に移行し、k≧ksであるときにはステップS16に移行する。
このステップS16では、下記(1)式の演算を行って単位時間当たりの減圧量を表す減圧勾配αを算出する。
【0028】
α=(PM0 −PMf(n) )/(k・Ts) …………(1)
ここで、Tsはタイマ割込処理の周期である。
次いで、ステップS17に移行して、上記ステップS16で算出した減圧勾配αが設定値αs以下であるか否かを判定し、α>αsであるときには運転者が制動の中止を意図してブレーキペダル13の踏込みを緩めたものと判断して前記ステップS3に移行し、α≦αsであるときにはヒールアンドトウ操作時でブレーキペダル13を爪先で踏込みながら踵でアクセルペダル51を踏込む際にブレーキペダル13の踏込みが緩くなったものと判断してステップS18に移行する。
【0029】
このステップS18では、現在のマスタシリンダ圧PMf(n) を保持開始圧PMH として記憶し、次いでステップS19に移行して、制動力保持フラグFHを“1”にセットしてからステップS20に移行する。
このステップS20では、流体圧制御ユニット11における制動切換弁14F及び14Rに対する制御信号CScaF 及びCScaR のみをオン状態に制御し、他の制御信号CSiFL〜CSiRR、CSoFL〜CSoRR及びCScbF ,CScbR をオフ状態に制御すると共に、電動モータ20を非通電状態に制御して、制動切換弁14F及び14Rを閉状態に制御してマスタシリンダ12とホイールシリンダ8FL〜8RRとの間のマスタシリンダ圧供給路を遮断することにより、現在のホイールシリンダ圧PWFL〜PWRRを保持してからステップS21に移行する。
【0030】
このステップS21では、制動力保持時間を表す変数nを“1”だけインクリメントし、次いでステップS22に移行して、制動力保持時間変数nが制動力保持終了時間に相当する設定値ns(例えば0.5秒程度)以上となったか否かを判定し、n≧nsであるときには制動力保持終了時間に達したものと判断して前記ステップS3に移行し、n<nsであるときにそのままタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0031】
一方、前記ステップS8の判定結果が制動力保持フラグFHが“1”にセットされているものであるときにはステップS23に移行して、現在のマスタシリンダ圧PMf(n) から保持開始圧PMH を減算した値が正であるか否か即ちマスタシリンダ圧PMfが保持開始圧PMH を超えたか否かを判定し、PMf(n) −PMH ≦0であるときに前記ステップS20に移行し、PMf(n) −PMH >0であるときには前記ステップS3に移行する。
【0032】
この図3の処理において、ステップS1,S2及びS5の処理がヒールアンドトウ検出手段に対応し、ステップS6〜ステップS23の処理が制動力保持手段に対応している。
したがって、今、車両が例えば直進路を走行しており、図4に示すように、運転者がブレーキペダル13を解放していて、ブレーキスイッチ31が図4(a)に示すようにオフ状態であり、且つマスタシリンダ圧PMf,PMr及びホイールシリンダ圧PWFL〜PWRRが図4(c)に示すように“0”であると共に、クラッチペダル32を解放していて、クラッチスイッチ33が図4(b)に示すようにオフ状態であり、クラッチ2aが締結状態でエンジン1の出力トルクが手動変速機2を介して後輪6RL,6RLに伝達されており、さらにアクセルペダル(図示せず)が所望値に踏込まれてエンジン1のスロットル開度が図4(d)に示すように一定として図4(e)に示すように一定車速Vcで走行しているものとする。
【0033】
この定速走行状態では、図3の処理において、ブレーキスイッチ31のスイッチ信号SWB がオフ状態であるので、ステップS1からステップS2に移行し、直進路での定速走行を継続しているので、制動力保持フラグFHは“0”にリセットされているのでステップS3に移行し、制御フラグFC及び制動力保持フラグFHを共に“0”にリセットし、且つ減圧継続時間変数k及び制動力保持時間変数nを共に“0”にクリアしてからステップS4に移行し、流体圧制御ユニット11に対する制御信号CScaF ,CScaR 、CSiFL〜CSiRR、CSoFL〜CSoRR及びCScbF ,CScbR が全てオフ状態に制御される。
【0034】
このため、流体圧制御ユニット11における制動切換弁14F,14R及び増圧弁15FL〜15RRが開状態を維持し、減圧弁17FL〜17RR及び制動切換弁23F,23Rが閉状態を維持するため、マスタシリンダ12とホイールシリンダ8FL〜8RRとが連通状態となって、マスタシリンダ圧PMf及びPMrをホイールシリンダ8FL,8FR及び8RL,8RRに供給可能な状態となっている。
【0035】
この定速走行状態から比較的急なコーナーを走行する旋回走行状態に移行する際に、安定した旋回走行を確保するために、ヒールアンドトウ操作を行う場合には、コーナーの手前で、先ず、時点t1でアクセルペダル51を解放すると共に、ブレーキペダル13を所望減速度が得られるように踏込み、これによってマスタシリンダ12から出力されるマスタシリンダ圧PMf及びPMrが図4(c)に示すように急増し、このマスタシリンダ圧PMf及びPMrが制動切換弁14F及び14Rを介し、増圧弁15FL,15FR及び15RL,15RRを介してホイールシリンダ8FL,8FR及び8RL,8RRに供給されるので、ホイールシリンダ圧PWFL〜PWRRも図4(c)で点線図示のように急増する。
【0036】
このため、ホイールシリンダ8FL〜8RR発生する推力によってディスクブレーキ7FL〜7RRで車輪に対して制動力を作用させ、車速Vcが図4(e)に示すように減少を開始する。
その後、ブレーキペダル13の踏込量を維持しながら時点t2で、クラッチペダル32を踏込んで手動変速機2のクラッチ2を非締結状態としてエンジン1から手動変速機2に伝達されるエンジントルクを遮断する。
【0037】
この状態となると、図3の処理で、ステップS1からステップS5を経てステップS6に移行し、乾燥した路面のように高摩擦係数路面を走行している場合には、アンチロックブレーキ制御部37、トラクション制御部38及び車両挙動制御部39が作動することはないので、ステップS7に移行し、車速Vcが設定車速Vs以上であるので、ステップS8に移行し、制動力保持フラグFHが“0”にリセットされているので、ステップS9に移行し、制御フラグFCも“0”にリセットされているので、ステップS10に移行するが、マスタシリンダ圧PMf及びPMrが一定圧を維持しているので、ステップS10からステップS3を経てステップS4に移行し、通常ブレーキ状態を継続する。
【0038】
そして、この時点t2の直後の時点t3で、ブレーキペダル13を右足の爪先で踏込みながら右足の踵をアクセルペダル51に移動させ始めてヒールアンドトウ操作を開始する。これと同時に、手動変速機2のギヤ位置を例えば3速からニュートラルに切換える。
このとき、ヒールアンドトウ操作に熟れている運転者の場合は、ブレーキペダル13の踏込量に影響を与えることなく踵をアクセルペダル51に移動させて踏込むことにより、マスタシリンダ12のマスタシリンダ圧PMf及びPMrは殆ど変化せず、図3の処理でステップS10からステップS3に移行するか、多少爪先が浮いてマスタシリンダ圧PMf及びPMrが多少減圧されることにより、ステップS11で減圧開始初期値PM0 を記憶し、ステップS12で制御フラグFCを“1”にセットすることはあっても、マスタシリンダ圧PMf及びPMrが減圧開始初期値PM0 近傍を上下することになり、ステップS13からステップS3を経てステップS4に移行して、通常ブレーキ状態を維持する。
【0039】
ところが、ヒールアンドトウ操作を習熟していない運転者がヒールアンドトウ操作を行う場合やヒールアンドトウ操作を習熟しているが普段の車両とは異なる車両でヒールアンドトウ操作を行う場合には、ブレーキペダル13とアクセルペダル51の相対位置関係から右足の爪先でブレーキペダル13を踏込みながら右足の踵をアクセルペダル51に移動させる際に、ブレーキペダル13を踏込んでいる右足の爪先が浮き気味となって、図4(c)で時点t2の直後の時点t3で、マスタシリンダ圧PMf及びPMrが減少し始め、これに応じてホイールシリンダ圧PWFL〜PWRRも減少し始める。
【0040】
このため、図3の処理において、ステップS8からステップS9を経てステップS10に移行し、今回のマスタシリンダ圧PMf(n) が前回のマスタシリンダ圧PMf(n-1) より減少するので、両者の偏差ΔPMfが負となってステップS11に移行し、前回のマスタシリンダ圧PMf(n-1) を減圧開始初期値PM0 として記憶し、次いでステップS12に移行して、制御フラグFCを“1”にセットしてからステップS12に移行し、減圧継続時間変数kを“1”だけインクリメントしてからステップS14に移行し、k<ksとなるので、そのままステップS4に移行して、通常ブレーキ状態を継続する。
【0041】
次に、図3の処理が開始されると、ステップS1、S5〜S9を経てステップS13に移行し、マスタシリンダ圧PMf(n) が減少状態を継続しているので、ステップS14に移行して、減圧継続時間変数kが“1”だけインクリメントされ、減圧継続時間変数kが設定値ksに達しないので、ステップS4に移行して通常ブレーキ状態を継続する。
【0042】
この状態を繰り返して、減圧継続時間変数kが設定値ksに達すると、ステップS15からステップS16に移行して、前記(1)式に基づいて減圧勾配αが算出され、この減圧勾配αが緩やかであり、設定値αs以下であるので、ステップS17からステップS18に移行して、現在のマスタシリンダ圧PMf(n) を保持開始圧PMH として記憶し、次いでステップS19で制動力保持フラグFHを“1”にセットしてからステップS20に移行する。
【0043】
このステップS20では、流体圧制御ユニット11における制動切換弁14F及び14Rに対する制御信号CScaF 及びCScaR をオン状態とし、この制動切換弁14F及び14Rを閉状態とする。このとき、他の増圧弁15FL〜15RRは開状態に、減圧弁17FL〜17RR及び制動切換弁23F,23Rは閉状態に維持されているので、ホイールシリンダ8FL〜8RRに供給しているホイールシリンダ圧PWFL〜PWRRが図4(c)で点線図示のように実線図示のマスタシリンダ圧PMf及びPMrの減少にかかわらず減圧初期値PM0 より僅かに低下した保持開始圧PMH に保持される。
【0044】
このため、運転者のブレーキペダル13の踏込みが緩くなったにもかかわらず、ホイールシリンダ8FL〜8RRでの推力の減少を抑制して、ディスクブレーキ7FL〜7RRで発生する制動力を略維持することができ、図4(e)で一点鎖線図示のように、不要な空走距離を抑制して実線図示のヒールアンドトウ操作に習熟した運転者の減速状態に略沿う減速状態を得ることができる。
【0045】
その後、時点t4でアクセルペダル51を右足の踵で踏込むことにより、エンジン制御装置50でスロットル開度指令値を増加させて、エンジン回転速度を目標とするシフトダウンするギヤ位置のエンジン回転速度まで上昇させる。このアクセルペダル51の踏込に応じてブレーキペダル13の踏込量も増加し、マスタシリンダ圧PMf(n) も増加して、これが時点t5で保持開始圧PMH を超える状態となると、図3の処理において、ステップS23からステップS3に移行して、制御フラグFC及び制動力保持フラグFHが“0”にリセットされると共に、減圧継続時間変数k及び制動力保持時間変数nを“0”にクリアしてからステップS4に移行して、通常ブレーキ処理に復帰するので、図4(c)に示すようにマスタシリンダ圧PMf及びPMrの増加に応じてホイールシリンダ8FL〜8RRのホイールシリンダ圧PWFL〜PWRRも増加する。
【0046】
その後、エンジン回転速度が目標エンジン回転速度まで上昇したらギヤ位置を例えば2速にシフトダウンしてからクラッチペダル32を緩やかに解放して時点t6でクラッチ2aを締結状態に復帰させる。
なお、アクセルペダル51の踏込みに伴ってブレーキペダル13の踏込によってもマスタシリンダ圧PMf及びPMrが保持開始圧PMH を下回る場合には、制動力保持時間変数nが設定値ns以上となった時点で、ステップS22からステップS3に移行して、制御フラグFC及び制動力保持フラグFHが“0”にリセットされると共に、減圧継続時間変数k及び制動力保持時間変数nを“0”にクリアしてからステップS4に移行して、通常ブレーキ処理に復帰するので、制動力保持状態を不用意に継続することを確実に防止することができる。
【0047】
その後、時点t7で、コーナーを脱出する状態となると、ブレーキペダル13を解放し、その後時点t8でアクセルペダル51を踏込んで加速状態とする。
また、制動力保持フラグFHが“1”にセットされた制動力保持状態で、未熟な運転者がブレーキペダル13を解放してしまった場合には、ブレーキスイッチ13がオフ状態となり、ステップS1からステップS2に移行するが、制動力保持フラグFHが“1”にセットされているので、ステップS5以降に移行し、制動力保持状態を継続することができ、未熟な運転者でも制動力不足を生じることなくヒールアンドトウ操作を正確に行うことができる。
【0048】
一方、運転者がコーナーの手前で十分な減速を行ってからヒールアンドトウ操作を行うことなく通常のシフトダウンを行って旋回走行する場合には、図4(c)で一点鎖線図示のように、時点t1でブレーキペダル12を踏込んで減速状態としてから時点t2でクラッチペダル32を踏込んでクラッチ2aを非締結状態とし、その後ブレーキペダル13を解放してから手動変速機2をシフトダウンする。このときの、ブレーキペダル13の解放は速やかに行われることにより、マスタシリンダ圧PMf及びPMrが急激に減少する。このため、図3の処理で、ステップS15からステップS16に移行したときに前記(1)式で算出される減圧勾配αが大きな値となり、設定値αsを超える状態となるので、ステップS17からステップS3に移行して、制御フラグFC及び制動力保持フラグFHを“0”にリセットし、減圧継続時間変数k及び保持継続時間変数nを“0”にクリアしてからステップS4に移行するので、通常ブレーキ処理を継続することになり、不用意に減速度保持処理が実行されることを確実に防止することができる。
【0049】
さらに、ブレーキペダル13を踏込んでからクラッチペダル32を踏込むことにより、ヒールアンドトウ操作に移行する際に、低摩擦係数路面等の滑り易い路面を走行することにより、アンチロックブレーキ制御部37や車両挙動制御部39が作動状態となって、作動信号OSA やOSV がオン状態となったときには、図3の処理においてステップS6からステップS3に移行して、制御フラグFCを“0”にリセットすると共に、減圧継続時間変数k及び制動力保持時間変数nを共に“0”にクリアして通常ブレーキ処理に復帰することにより、アンチロックブレーキ制御部37や車両挙動制御部39の制御処理を優先させて、車両の走行安定性を確保する。同様に、ヒールアンドトウ操作中にアクセルペダル51を踏込んだ際に駆動輪となる後輪6RL,6RRに加速スリップが生じた場合にはトラクション制御部38が作動状態となり、作動信号OST がオン状態となっときには、制動保持部36での制御状態は通常ブレーキ処理に復帰し、トラクション制御部38での制御処理を優先させて、車両の走行安定性を確保する。
【0050】
また、車速センサ40で検出した車速Vcが設定車速Vs未満に低下した場合も、ヒールアンドトウ操作の可能性が少ないものと判断して、制動力保持処理を行うことなく通常ブレーキ処理を継続する。
このように、上記実施形態によると、ブレーキスイッチ31がオン状態で、且つクラッチスイッチ33がオン状態であるときに、運転者がヒールアンドトウ操作を行っているものと判断し、この状態で、マスタシリンダ圧PMf及びPMrの減少勾配αが設定勾配αs以下となったときに、習熟度の低い運転者がヒールアンドトウ操作を行ったり、ある程度の習熟度を有する運転者がブレーキペダルとアクセルペダルの相対位置が通常運転車両と異なる車両を運転してヒールアンドトウ操作を行ったりしているものと判断してホイールシリンダ圧PWFL〜PWRRを保持するので、ブレーキペダル13からアクセルペダル51に踵を移す際に、ブレーキペダル13の踏込みが緩まってマスタシリンダ圧PMf及びPMrが減少した場合でも、ホイールシリンダ8FL〜8RRでのホイールシリンダ圧PWFL〜PWRRの減少を抑制し、これによって十分な減速度を確保して正確なヒールアンドトウ操作による安定旋回走行を確保することができる。また、ブレーキスイッチとクラッチスイッチとでヒールアンドトウ操作を検出するので、新たなセンサを設けることなくヒールアンドトウ操作を検出することができ、さらに減圧勾配が設定勾配以下か否かを判断することにより、通常の減速によるシフトダウンであるかヒールアンドトウ操作であるか正確に判断することができる。
【0051】
また、ヒールアンドトウ操作を検出した場合でも、流体圧制御ユニット11を使用するアンチロックブレーキ制御部37、トラクション制御部38及び車両挙動制御部39の何れか1つ又は複数が作動状態である場合に、これら制御部37〜39の制御処理を優先させることにより、低摩擦係数路面を走行している場合等の車両挙動を抑制して安定走行を確保することができる。
【0052】
さらに、ヒールアンドトウ操作を検出した場合でも、車速Vcが設定車速Vs未満であるときには、ヒールアンドトウ操作を行う可能性が少ないものと判断して通常ブレーキ処理を継続するので、低速走行時に不用意に制動力保持処理を行うことを確実に防止することができる。
さらにまた、ヒールアンドトウ操作を検出して制動力保持状態となった後に、ブレーキペダルが踏込まれてマスタシリンダ圧が上昇したときには、制動力保持状態が解除されて通常ブレーキ処理に復帰するので、制動力保持状態を必要最低限の保持時間とすることができると共に、運転者が制動力を増したいときに、確実にホイールシリンダ圧を上昇させることができる。
【0053】
また、ヒールアンドトウ操作を検出して制動力保持状態となった後に、所定時間が経過したときにも制動力保持状態が解除されるので、制動力保持状態が不必要に長く継続されることを確実に防止することができる。
なお、上記実施形態においては、制動圧保持部36でヒールアンドトウ操作を検出して減圧勾配αが設定勾配αs以上となったときに流体圧制御ユニット11における制動切換弁14F,14Rを閉状態に制御する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、増圧弁15FL〜15RRを閉状態に制御するようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施形態においては、車両の制動状態をブレーキスイッチ31のスイッチ信号SWB で検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、マスタシリンダ圧PMf又はPMrを検出するマスタシリンダ圧センサ34F又は34Rの圧力検出値に基づいて制動状態を検出するようにしてもよい。
【0055】
さらに、上記実施形態においては、制動力発生手段として油圧式のディスクブレーキ7FL〜7RRを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動モータによってパッドをディスクロータ10FL〜10RRに押し付ける電動式のディスクブレーキを適用することができ、この場合には、電動モータを制御する制動制御回路で、ヒールアンドトウ操作を検出したときに、電動モータによるパッドの押し付け位置を保持するようにすればよく、その外バンドブレーキ等の他の制動力発生手段も適用することができ、要はヒールアンドトウ操作を検出したときに、そのときの制動力を保持可能に構成すればよい。
【0056】
さらにまた、上記実施形態においては、アンチロックブレーキ制御部37、トラクション制御部38及び車両挙動制御部39を有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、これらの何れか1つ又は複数或いは全てを省略するようにしてもよく、アンチロックブレーキ制御部37、トラクション制御部38及び車両挙動制御部39の全てを省略する場合には、マスタシリンダ11のマスタシリンダ圧PMf及びPMrを制動切換弁14F,14Rと同様の構成を有する常開型のカット弁を介して直接ホイールシリンダ8FL,8FR及び8RL,8RRに供給し、カット弁を圧力保持部36で制御すればよい。
【0057】
なおさらに、上記実施形態においては、本発明を手動変速機2を搭載した車両に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、自動変速機を搭載した車両にも適用することができる。この場合は、クラッチペダル32が存在しないので、ヒールアンドトウ操作検出手段としてブレーキペダル13の踏込みによる制動状態を検出したときにヒールアンドトウ操作であると判断すればよく、図3の処理におけるステップS5を省略して、ステップS1でブレーキスイッチ信号SWB がオン状態であるとき及びステップS2で制動力保持時間変数nがセットされているときにステップS6に移行すればよい。
さらに、上記実施形態においては、本発明をエンジン前置き後輪駆動車に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、エンジン前置き前輪駆動車や他の形式の車両にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の流体圧制御ユニットの具体的構成を示す油圧回路図である。
【図3】制動力保持部で実行する制動力保持処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】実施形態の動作の説明に供するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 手動変速機
2a クラッチ
6FL,6FR 前輪
6RL,6RR 後輪
7FL〜7RR ディスクブレーキ
8FL〜8RR ホイールシリンダ
11 流体圧制御ユニット
12 マスタシリンダ
13 ブレーキペダル
14F,14R 制動切換弁
15FL〜15RR 増圧弁
17FL〜17RR 減圧弁
20 電動モータ
21F,21R ポンプ
23F,23R 制動切換弁
31 ブレーキスイッチ
32 クラッチペダル
33 クラッチスイッチ
35 制動制御装置
36 制動圧保持部
37 アンチロックブレーキ制御部
38 トラクション制御部
39 車両挙動制御部
40 車速センサ
50 エンジン制御装置
51 アクセルペダル

Claims (5)

  1. 運転者の制動操作に基づいて車輪に制動力を付与する制動力発生手段と、運転者がヒールアンドトウ操作をしたことを検出する運転者操作検出手段と、該運転者操作検出手段でヒールアンドトウ操作を検出したときに前記制動力発生手段で発生している制動力を保持する制動力保持手段とを備えたことを特徴とする制動制御装置。
  2. 前記運転者操作検出手段は、手動変速機のクラッチ操作を検出するクラッチ操作検出手段と、運転者の制動操作を検出する制動操作検出手段とを有し、前記クラッチ操作検出手段でクラッチ解放操作を検出し、且つ前記制動操作検出手段で制動操作を検出したときにヒールアンドトウ操作であることを検出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の制動制御装置。
  3. 運転者の制動操作量を検出する制動操作量検出手段を有し、前記制動力保持手段は、前記制動操作量検出手段で検出した現在の制動操作量が前記制動力発生手段の制動力の保持を開始したときの前記制動操作量検出手段で検出した保持開始時制動操作量に対して増加したときに制動力の保持状態を解除するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の制動制御装置。
  4. 運転者の操作以外に車輪の制動力を制御する制動力制御手段と、該制動力制御手段の作動開始を検出する作動開始検出手段とを備え、前記制動力保持手段は、制動力の保持状態で前記作動開始検出手段で前記制動力制御手段の作動を検出したときに制動力の保持状態を解除するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の制動制御装置。
  5. 車両の速度を検出する車速検出手段を有し、前記制動力保持手段は、前記車速検出手段で検出した車両速度が設定車速以上であるときに制動力発生手段の制動力を保持可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の制動制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008222030A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 Honda Motor Co Ltd ブレーキ装置

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