JP3076438B2 - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

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JP3076438B2
JP3076438B2 JP04017578A JP1757892A JP3076438B2 JP 3076438 B2 JP3076438 B2 JP 3076438B2 JP 04017578 A JP04017578 A JP 04017578A JP 1757892 A JP1757892 A JP 1757892A JP 3076438 B2 JP3076438 B2 JP 3076438B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のスリップ制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のスリップ制御装置は、車両の加速
時に駆動輪が過大駆動トルクによりスリップして加速性
が低下することを防止するために、駆動輪のスリップ量
を検出し、この駆動輪のスリップ量が目標スリップ量と
なるように、エンジン出力を低減制御するエンジン制御
や、駆動輪のブレーキ力を制御するブレーキ制御を行な
うものとして、一般に知られている。また、上記ブレー
キ制御にあたって、ブレーキペダルの踏力を助勢する真
空倍力装置を利用して制御用のブレーキ力を得るように
したものも知られている(特公平3−5344号公報参
照)。
【0003】すなわち、上記真空倍力装置を利用するも
のは、ダイヤフラムで仕切られた第1室及び第2室の各
々に負圧を導入しておき、ブレーキペダルが踏まれた際
やブレーキ制御時に上記第2室に大気を導入して当該両
室に圧力差を得ることにより、上記ダイヤフラムを介し
てブレーキペダルの踏力を助勢し、あるいはブレーキ制
御に必要なブレーキ力を確保するようになされている。
そして、上記ブレーキペダルの踏込みやブレーキ制御を
解除した時には、上記第2室に大気の代わりに第1室を
介して負圧源の負圧を導入するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記真空倍力
装置を利用するタイプにおいては、ブレーキ制御が終了
しても上記第1室から第2室への負圧の導入が終了する
までの間は、第1室の負圧が一時的に低下した状態にな
る。また、ブレーキ制御終了後に上記第1室と第2室と
の圧力差が実質的になくなっても(上記負圧の導入が終
了しても)、ブレーキ制御における負圧の消費量が大で
あるため、例えば、エンジンの吸気負圧を負圧源とする
ものにおいては、上記第1室の負圧がまだ不足している
ことがある。従って、このような状態でブレーキ制御を
再開して上記第2室に大気を導入しても第1室と第2室
との間にブレーキ制御に必要な圧力差を得ることができ
ず、所期のブレーキ制御を行なうことができない。
【0005】すなわち、本発明の課題は、上記真空倍力
装置をブレーキ制御のためのブレーキ力の確保に利用す
るスリップ制御装置において、必要なブレーキ力が得ら
れない状態でブレーキ制御の開始されることを防止する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその作用】本発明は、
このような課題に対して、上記第1室にブレーキ制御に
必要な負圧が保有されていることが確認された場合にの
み、ブレーキ制御の開始を許容するようにするものであ
る。
【0007】すなわち、上記課題を解決する手段は、車
両の加速時における駆動輪の路面に対するスリップ量が
目標値となるように該駆動輪に付与するブレーキ力を制
御するブレーキ制御手段を備えた車両のスリップ制御装
置であって、負圧源と、上記負圧源の負圧が導入される
第1室と、該第1室の負圧と大気とが切換えて導入され
る第2室と、上記第1室と第2室とを仕切るダイヤフラ
ムとを備え、ブレーキペダルの踏込みにより上記第2室
への導入を負圧から大気に切換え上記ダイヤフラムを介
してブレーキペダルの踏力を助勢する真空倍力装置と、
上記ブレーキ制御手段により制御されブレーキ制御時に
上記第2室に大気を導入し、非ブレーキ制御時に上記第
2室に上記第1室の負圧を導入する導入切換手段と上記
第1室の負圧の大きさに関する情報を提供する負圧情報
源と、非ブレーキ制御状態において、上記負圧情報源の
情報に基づいて上記第1室に上記ブレーキ制御に必要な
負圧が保有されているか否かを判定し、当該必要負圧が
保有されていないときに、上記ブレーキ制御手段の制御
開始を禁止する制御開始規制手段とを備えていることを
特徴とするものである。
【0008】かかる手段においては、上記負圧情報源に
よって得られる第1室の負圧の大きさに関する情報によ
り、上記第1室にブレーキ制御に必要な負圧が保有され
ていないと判定されるときには、上記ブレーキ制御の開
始が禁止される。よって、第1室の負圧が不充分な状態
で第2室に大気が導入されることはなく、この両室に充
分な圧力差が得られないまま、ひいては充分なブレーキ
力が保証されていない状態のままブレーキ制御が開始さ
れることを防止することができる。
【0009】そして、上記第1室に必要負圧が保有され
ている判定されるときに、ブレーキ制御の開始が可能に
なるから、ブレーキ制御が開始された場合には、必ず、
その制御に必要なブレーキ力が得られるものであり、所
期のブレーキ制御を行なうことができる。
【0010】上記負圧源としては、真空ポンプを採用す
ることもできるが、かかる真空ポンプを必要としない点
ではエンジンの吸気負圧が好適である。この吸気負圧を
負圧源とする場合、上記負圧情報源としては、第1室の
負圧の大きさを直接検出する負圧センサを用いることも
できるが、かかるセンサを用いずとも、例えば、エンジ
ンのアクセル手段やエンジン回転数を検出する回転セン
サを負圧情報源として利用することができる。
【0011】すなわち、上記エンジンのアクセル手段の
場合、その作動解除によりスロットル弁が閉じられ、大
きな吸気負圧が発生する。よって、上記制御開始規制手
段においては、非ブレーキ制御状態において当該アクセ
ル手段の作動解除状態を検出したときに上記第1室に上
記ブレーキ制御に必要な負圧が保有されていると判定す
ることができる。この場合、上記アクセル手段の作動解
除状態が所定時間以上継続したときに、上記判定を出す
ようにすることが、その判定を確かなものにする上で好
ましい。
【0012】また、上記回転センサの場合、エンジン回
転数が高いならば、それだけ吸気量が多く吸気負圧が大
きくなる。よって、制御開始規制手段においては、非ブ
レーキ制御状態において当該回転センサによって検出さ
れるエンジン回転数が所定値以上になったときに第1室
に上記ブレーキ制御に必要な負圧が保有されていると判
定することができる。
【0013】また、左右の駆動輪の各々が転動する路面
左右部の摩擦係数を検出する摩擦係数検出手段と、この
摩擦係数検出手段によって検出される路面左右部の摩擦
係数の差が所定値以上のときにスプリット路であると判
定し上記制御開始規制手段の作動を禁止するスプリット
路判定手段とを設けることも好適である。
【0014】このようにすると、スプリット路ではブレ
ーキ制御手段の作動が上記制御開始規制手段の作動に優
先することになる。すなわち、スプリット路において
は、上記第1室に必要負圧が保有されていなくとも、ブ
レーキ制御が開始されることになり、車両の挙動安定性
の確保の面で有利になる。
【0015】
【発明の効果】従って、本発明によれば、真空倍力装置
をブレーキ制御のためのブレーキ力の確保に利用するス
リップ制御装置において、上記真空倍力装置の第1室の
負圧の大きさに関する情報に基づいて当該第1室に上記
ブレーキ制御に必要な負圧が保有されているか否かを判
定し、必要負圧が保有されていないときに上記ブレーキ
制御の開始を禁止する制御開始規制手段を設けたから、
真空倍力装置によって充分なブレーキ力を確保できない
状態のままブレーキ制御が開始されることを防止するこ
とができる、つまり、ブレーキ制御が開始された場合に
は、その制御に必要なブレーキ力を確実に得て、所期の
ブレーキ制御を行なうことができるようになる。
【0016】また、上記真空倍力装置の負圧源をエンジ
ンの吸気負圧とし、エンジンのアクセル手段の作動解除
状態が検出されたときに上記第1室に上記ブレーキ制御
に必要な負圧が保有されていると判定するものや、エン
ジン回転数が所定値以上になったときに第1室に上記ブ
レーキ制御に必要な負圧が保有されていると判定するも
のによれば、特別な負圧センサを用いることなく、必要
な情報を得て、所期のブレーキ制御を開始することがで
きる。
【0017】また、摩擦係数検出手段により検出される
路面左右部の摩擦係数の差が所定値以上のときに当該路
面はスプリット路であると判定し上記制御開始手段の作
動を禁止するスプリット路判定手段を備えているものに
よれば、スプリット路では、ブレーキ制御が保証される
ことになり、車両の挙動安定性を確保するという面で有
利になる。
【0018】
【実施例】図1において、1FLは左前輪、1FRは右
前輪、1RLは左後輪、1RRは右後輪である。車体前
部にはエンジン2が横置きに搭載され、該エンジン2で
の発生トルクは、クラッチ3、変速機4、差動ギア5に
伝達された後、左ドライブシャフト6Lを介して左前輪
1FLに、また右ドライブシャフト6Rを介して右前輪
1FRに伝達される。このように、車両は、前輪1F
L、1FRが駆動輪とされ、後輪1RL、1RRが従動
輪とされた前輪駆動車とされている。
【0019】各車輪に装備されたブレーキ7FL〜7R
Rは、油圧式とされたディスクブレーキとされている。
また、ブレーキ液圧発生源としてのマスタシリンダ8
は、2つの吐出口8a,8bを有するタンデム型とされ
ている。このマスタシリンダ8の一方の吐出口8aから
伸びるブレーキ配管13は、途中で2本に分岐されて、
分岐配管13Fが左前輪用ブレーキ7FL(のキャリパ
内に装備されたホイールシリンダ)に接続され、分岐配
管13Rが右後輪用ブレーキ7RRに接続されている。
マスタシリンダ8の他方の吐出口8bから伸びる分岐配
管14も2本に分岐されて、分岐配管14Fが右前輪用
ブレーキ7FRに接続され、分岐配管14Rが左後輪用
ブレーキ7RLに接続されている。
【0020】前輪用すなわち駆動輪用の分岐配管13
F、14Fには、電磁式の液圧調整弁15Lあるいは1
5Rが接続され、後輪用の分岐配管13R,14Rに
は、電磁式の開閉弁16Lあるいは16Rが接続されて
いる。液圧調整弁15L,15Rは、ブレーキ7FL、
7FRへのマスタシリンダ8からのブレーキ液圧供給
と、該ブレーキ7FL、7FRのブレーキ液圧を配管2
1L,21Rを介してリザーバタンク22L,22Rへ
解放する態様とを切換える。リザーバタンク21Lのブ
レーキ液は、ポンプ23Lによって、逆止弁24Lが接
続された配管25Lを介して配管13に戻され、同様
に、リザーバタンク22Rのブレーキ液は、ポンプ23
Rによって、逆止弁24Rが接続された配管25Rを介
して配管14に戻される。
【0021】ブレーキペダル12に対する踏込み力は、
倍力装置すなわちブレーキブースタ11を介してマスタ
シリンダ8に伝達される。このブースタ11は、基本的
には既知の真空倍力装置と同じであるが、スリップ制御
の際には後述するように、ブレーキペダルの踏込み操作
が行われていなくてもブレーキ力を得ることができるよ
うに構成されている。
【0022】ブースタ11は、車体およびマスタシリン
ダ8に固定されたケース31を有し、該ケース31内
が、ダイヤフラム32とこれに固定されたバルブボディ
33とによって、第1室34と第2室35とに画成され
ている。第1室34には常に負圧源の負圧(エンジン2
の吸気負圧)が供給されており、ブレーキペダルが踏込
み操作されていないときは第2室35が第1室34と連
通されて、ブースタ11の作動が停止された状態とされ
る。そして、ブレーキペダル12を踏込み操作すると、
第2室35に大気圧が供給され、これによりダイヤフラ
ム32がバルブボディ33と共に前方へ変位して倍力作
用が得られる。
【0023】第2室35に対する負圧供給と大気圧供給
との切換えは、基本的には、バルブボディ33内に装備
された弁装置によってなされる。このバルブボディ33
部分を図2に基づいて説明する。
【0024】先ず、バルブボディ33は、ダイヤフラム
32に固定されるパワーピストン41を有し、このパワ
ーピストン41に形成された凹部41a内には、リアク
ションディスク42と出力軸43の基端部とが嵌合され
ている。この出力軸43は、マスタシリンダ8の入力軸
となるものである。また、ブレーキペダル12に連結さ
れた入力軸44の先端部には、バルブボディ33内にお
いて、バルブプランジャ45が取付けられている。この
バルブプランジャ45の後方には、真空弁46が配設さ
れている。
【0025】パワーピストン41には圧力導入通路50
が形成されており、該圧力導入通路50は常時、前記バ
ルブプランジャ45の周囲に形成される空間Xに連通さ
れている。この空間Xは、常に第2室35と連通されて
いる。そして、圧力導入通路50の空間X側への開口端
部に、前記真空弁46が離着座される弁座47が形成さ
れている。また、真空弁46は、バルブプランジャ45
の後端に形成された弁座45aに対しても離着座され
る。
【0026】以上のような構成において、いま、圧力導
入通路50に負圧が導入されている場合を想定する。こ
の状態で、ブレーキペダル12が踏込み操作されていな
いときは、図2の状態で、スプリング48、49の付勢
力によって真空弁46が弁座45aに着座するも、弁座
47とは離間されている。したがって、圧力導入通路5
0からの負圧は、空間Xを介して第2室35に導入さ
れ、倍力作用は行なわれない。
【0027】ブレーキペダル12を踏込み操作すると、
入力軸44したがってバルブプランジャ45が前方動
(図中左方動)される。この前方動の際、真空弁46
は、先ず弁座47に着座して空間Xと圧力導入通路50
との連通を遮断し、その後真空弁46に対して弁座45
aが離間される。この真空弁46と弁座45aとが離間
することにより、バルブボディ33の後方からの大気圧
が空間Xに導入されて、第2室35が大気圧となる。こ
れにより、ダイヤフラム32がバルブボディ33と共に
前方へ変位し、この結果出力軸43が前方動して倍力作
用が行なわれる。マスタシリンダ8からのブレーキ反力
は、リアクションディスク42を介して、バルブプラン
ジャ45したがってブレーキペダル12に伝達される。
ブレーキペダル12の踏込み操作力が解放されると、リ
ターンスプリング36(図1参照)により図2の状態へ
復帰して、次の倍力作用に備えることになる。
【0028】以上説明した部分は、既知の真空倍力装置
と同じであるが、本実施例では、スリップ制御のため
に、圧力導入通路50に対して、第1室34の負圧を導
入させる状態と大気圧を導入させる状態とに切換えるよ
うにしている。すなわち、第1室34と圧力導入通路5
0とが配管37を介して接続され、該配管37に3方電
磁切換弁(導入切換手段)38が接続されている(図1
参照)。この切換弁38は、消磁時に圧力導入通路50
を第1室34に連通させ、励磁時に圧力導入通路50に
大気圧を導入させる。この切換弁38が励磁されて圧力
導入通路50に大気圧が導入されると、前記空間Xした
がって第2室35は、ブレーキペダル12の踏込み操作
が行なわれていなくても大気圧となり、この結果倍力作
用を行なってマスタシリンダ8にブレーキ液圧を発生さ
せることになる。
【0029】次に制御系について説明する。制御系は、
マイクロコンピュータを利用して構成されており、図1
において、51はエンジン制御とブレーキ制御とを行な
う制御手段であり、この制御手段51には、各車輪1F
L〜1RRの回転速度を検出するセンサS1〜S4から
の信号、及びブレーキ制御開始規制手段53からの信号
が入力される。
【0030】上記制御手段51は、路面の摩擦係数を検
出する摩擦係数検出手段、制御目標値設定手段、スリッ
プ量検出手段、スリップ判定手段、制御量演算手段、並
びにエンジン出力及びブレーキのコントロールための出
力手段を備えていて、この制御手段51からは、エンジ
ン制御のためのエンジン出力調整手段9、ブレーキ制御
のための液圧調整弁15L,15R、開閉弁16L,1
6R、及び切換弁38へ制御信号が出力される。エンジ
ン出力調整手段9は、アクセルペダル(エンジン2のア
クセル手段)10に連動するメインスロットル弁とは別
に吸気通路に設けられたサブスロットル弁(図示省略)
を駆動することによりエンジン出力を調整するものであ
る。
【0031】また、上記制御開始規制手段53には、ア
クセルペダルの作動の解除を検出するアイドルスイッチ
S5及びスプリット路判定手段54からの各信号が入力
される。
【0032】以下、具体的に説明する。 [路面摩擦係数の検出]摩擦係数検出手段は、左右の駆
動輪1FL,1FRの各々が転動する路面左右部の摩擦
係数を検出するものであり、その検出は、対応する左右
の従動輪1RL,1RRの車輪速Vrとその加速度VG
とに基づいて行なわれる。
【0033】まず、加速度VG の演算には、タイマA
(100msecカウント)と、タイマB(500msecカウ
ント)とを用いる。すなわち、加速度VG は、スリップ
制御開始から500msec経過まで(加速度が十分に大き
くない)は、100msec毎に100msec間の車輪速Vr
(単位;km/h)の変化に基いて次の(1) 式により求
め、500msec経過後(加速度が十分に発達)は100
msec毎に500msec間の車輪速Vrの変化に基いて次の
(2) 式により求める。
【0034】−(1) 式− VG =Gk1×{Vr(k) −Vr(k-100) } −(2) 式− VG =Gk2×{Vr(k) −Vr(k-500) } 上記Gk1及びGk2は係数である。また、Vr(k) は現時
点、Vr(k-100) は100msec前、Vr(k-500) は50
0msec前の各車輪速である。
【0035】そして、上述の如くして算出された加速度
VG と車輪速Vrとから次の表1により3次元補間によ
って路面左右部の各摩擦係数μを求める。なお、スリッ
プ制御中でないときには、摩擦係数μは3.0に設定さ
れる。
【0036】
【表1】 [制御目標値の設定]この制御目標値は、前輪1FL,
1FRのスリップ量として目標とする値であるととも
に、制御開始閾値でもあり、上記車輪速Vrと摩擦係数
μとに基いて演算されるものである。すなわち、エンジ
ン制御目標値SETは、左右の従動輪1RL,1RRの
うち速い方の従動輪の車輪速Vrと摩擦係数μとに基づ
いて、車輪速Vrが高くなるにつれて値が小さくなるよ
うに、且つ摩擦係数μが小さくなるにつれて値が小さく
なるように設定されたマップから演算される。また、ブ
レーキ制御目標値SBTの演算には、上記エンジン制御
目標値よりも高い値に設定されたマップが用いられる。
【0037】[スリップ量演算]スリップ量の演算は次
のようにして行なう。左右駆動輪1FL,1FRの車輪
速VFL,VFRから左右の従動輪1RL,1RRのうち速
い方の車輪速Vrを減算してこの両輪のスリップ量S
L,SRを求め、また、このスリップ量SL,SRに基
いてその平均スリップ量SAvを演算し、さらに、上記
両スリップ量SL,SRのうちの大きい方のスリップ量
を最高スリップ量SHiとして求める。エンジン制御に
おいてはSAvが用いられ、ブレーキ制御においては左
右の駆動輪に付与する制動力を独立して制御するため
に、上記SL,SRが用いられる。
【0038】[スリップ判定]上記SHiがエンジン制
御目標値SET以上になったとき、エンジン制御要と判
定し、また、SL又はSRがブレーキ制御目標値SBT
以上になったときブレーキ制御要と判定する。
【0039】[制御量演算]エンジン制御量について
は、平均スリップ量SAvの制御目標値SETからの偏
差と、この偏差の時間変化率とに基いて、所定のマップ
により求められる。また、ブレーキ制御量も、エンジン
制御量と同様に、スリップ量SL,SRの制御目標値S
BTからの偏差と、この偏差の変化率とに基いて、所定
のマップから演算される。
【0040】[出力コントロール]エンジン制御につい
ては、上記エンジン制御量に応じてサブスロットル弁の
開度を調整することにより行なう。ブレーキ制御につい
ては、各駆動輪毎に演算されたブレーキ制御量に応じた
制御信号を液圧調整弁15L,15Rに出力することに
より行なう(デューティ制御)。
【0041】[スリップ制御例]図3にはスリップ制御
の一例が示されている。すなわち、t時点前までは、
駆動輪に大きなスリップが生じていないので、エンジン
制御は行われておらず、従ってサブスロットル弁は全開
であって、スロットル開度Tn(メイン及びサブの両ス
ロットル弁の合成開度であって、開度の小さな方のスロ
ットル弁の開度に一致する)は、アクセルペダル踏込量
に対応したメインスロットル弁の開度TH・Mである。
【0042】t時点では、駆動輪のスリップ量が、エ
ンジン制御目標値SETとなった大きなスリップ発生時
となる。このt時点で、スロットル開度が予め設定さ
れた下限制御値SMにまで一挙に低下される(フィード
フォワード制御)。そして、一旦SMとした後は、駆動
輪のスリップ量がエンジン制御目標値SETとなるよう
に、サブスロットル弁の開度がフィードバック制御され
る。このとき、スロットル開度Tnはサブスロットル弁
開度TH・Sとなる。
【0043】t時点では、駆動輪のスリップ量がブレ
ーキ制御目標値SBT以上となったときであり、このと
きは、駆動輪に対してブレーキ液圧が供給され、エンジ
ン制御とブレーキ制御の両方によるスリップ制御の開始
される。ブレーキ液圧は、駆動輪のスリップ量がブレー
キ制御目標値SBTとなるようにフィードバック制御さ
れる。
【0044】t時点では、駆動輪のスリップ量がブレ
ーキ制御目標値SBT未満となったときであり、これに
よって、ブレーキ液圧が徐々に低下され、やがてブレー
キ液圧は零となる。ただし、エンジン制御は、なおも継
続される。エンジン制御の終了条件は、実施例では、ス
リップ量がSETに収束した時点としている。
【0045】[ブレーキ制御の規制]制御開始規制手段
53は、アイドルスイッチS5及び上記スプリット路判
定手段54からの各信号に基づいて、上記制御手段51
のブレーキ制御手段の作動開始を規制するものである。
【0046】まず、上記アイドルスイッチS5について
説明すると、これは、アクセルペダル10の踏込みが解
除されたときにオン信号を出力するものである。また、
スプリット路判定手段54は、摩擦係数検出手段から路
面左右部の摩擦係数μを受け、この左右のμの差が所定
値以上であるときに、当該路面はスプリット路であると
判定する。
【0047】そうして、上記制御開始規制手段53は、
非ブレーキ制御状態のときにアイドルスイッチS5から
オン信号を受けていないときには、上記真空倍力装置の
第1室34に上記ブレーキ制御に必要な負圧が保有され
ていないと判定し、上記ブレーキ制御手段の作動開始禁
止信号を制御手段51に与えるものである。但し、当該
制御開始規制手段53は、スプリット路判定手段54に
よってスプリット路が判定されているときには、上記規
制を解除するものである。
【0048】具体的には、図4に示すフローの通りであ
る。同フローにおいて、フラグF1=1はブレーキ制御
開始禁止を意味し、F1=0はその解除を意味する。ま
た、F2=1はスプリット路の判定がある状態を意味
し、F2=0はこの判定の解除を意味する。
【0049】まず、各種データが入力されてフラグF1
の判定がなされる(ステップP1,P2)。F1=1で
ないとき(ブレーキ制御可)には、スリップ量SL,S
Rがブレーキ制御目標値SBTを越えてブレーキ制御が
開始されると、F1←1及びF2←0のフラグ処理がな
される(ステップP3〜P6)。F1←1のフラグ処理
はブレーキ制御終了後に上述の必要負圧が確保されてい
ないのにブレーキ制御が再開されることを防止するため
であり、F2←0のフラグ処理は制御開始後はスプリッ
ト路の判定結果は不要になるためである。
【0050】上記ブレーキ制御が開始された後はF1=
1となるため、ステップP2の判断はYesとなり、ブ
レーキ制御が終了したか否かが判断される(ステップP
7)。ブレーキ制御が終了した場合、アクセルスイッチ
S5がオンになると、F1←0のフラグ処理がなされ、
これによりブレーキ制御の再開が可能になる(ステップ
P8,P9)。
【0051】一方、上記アクセルスイッチS5がオンに
ならない場合であっても、スプリット路が判定される
と、F2←1及びF1←0のフラグ処理がなされ、ブレ
ーキ制御の再開が可能になる(ステップP10,P1
1,P9)。この状態で、スリップ量SL,SRが制御
目標値SBTを越えると、先の場合と同様にステップP
3→P4→P5→P6と進む。また、スリップ量SL,
SRが制御目標値SBTを越えない場合は、F2=1と
なっているから、ステップP12の判断がYesとな
り、再度、スリップ路か否かの確認がなされる(ステッ
プP12→P10)。そして、スプリット路であれば、
F1=0(ブレーキ制御可)の状態が維持され、スプリ
ット路の判定がなくなっていれば、F1←1及びF2←
0のフラグ処理がなされる。つまり、この場合は、ま
だ、アクセルスイッチS5がオンになっていないから、
ブレーキ制御の開始が規制されるものである。
【0052】従って、ブレーキ制御が終了しても、アク
セルスイッチS5がオンにならなければ、原則としてブ
レーキ制御は開始されない。すなわち、ブレーキ制御が
終了した場合、ブースタ11の切換弁38が作動して第
1室34から第2室35に負圧が導入されるが、この導
入が終了するまでは第1室34の負圧が一時的に低下し
ており、また、負圧の導入が実質的に終了しても、エン
ジンの吸気負圧が充分でない場合には、第1室34の負
圧が不足する。よって、かかる状態では、ブレーキ制御
の開始は許容されず、ブレーキ力が不足した状態でのブ
レーキ制御が防止される。もちろん、上述の如く、ブレ
ーキ制御が規制されても、エンジン制御は実行可能であ
り、よって、スリップ量の過度の増大による加速性の低
下の問題はない。
【0053】そして、上記アクセルスイッチS5がオン
になった場合には、エンジンに大きな吸気負圧が発生し
上記第1室34の負圧が急激に大きくなる。このような
状態になって初めてフラグF1=0となってブレーキ制
御の開始が許容されるものであり、よって、必要なブレ
ーキ力を得て所期のブレーキ制御を実行できることにな
る。また、上述の如く、第1室34の負圧情報を得てブ
レーキ制御の開始を許容すべきか否かを決定するから、
真空ポンプを採用せずにエンジンの吸気負圧を負圧源と
しても、所期のブレーキ制御が保証されるものである。
さらに、アクセルスイッチS5を負圧情報源とするか
ら、特別な負圧センサを必要としない点でもコスト的に
有利になる。
【0054】また、上記アクセルスイッチS5がオンに
ならなくても、スプリット路が判定された場合には、F
1=0となってブレーキ制御の開始が許容されるから、
スリップ量が大きくなった場合には、必要なブレーキ制
御を行なうことができる。すなわち、スプリット路にお
いては、車両の挙動安定性の確保の方が重視されるもの
である。
【0055】なお、負圧情報源としては、図1に記載の
回転センサ55や負圧センサ56を用いることもでき
る。回転センサ55はエンジン回転数を検出するもので
あり、この場合には、エンジン回転数が設定値以上にな
ったときにブレーキ制御の開始を許容するようにする。
また、負圧センサ56は上記第1室34の負圧を直接検
出するものであり、設定値以上の負圧が検出されたとき
にブレーキ制御の開始を許容するようにする。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示す。
【図1】車両のスリップ制御装置の全体構成図
【図2】ブレーキブースタの断面図
【図3】スリップ制御における駆動輪のスリップ量等の
経時変化の一例を示す図
【図4】ブレーキ制御開始の規制のフロー図
【符号の説明】
1FL,1FR 駆動輪 2 エンジン 7FL〜7FR ブレーキ 8 マスタシリンダ 9 エンジン出力調整手段 10 アクセルペダル(アクセル手段) 12 ブレーキペダル 32 ダイヤフラム 34 第1室 35 第2室 38 切換弁 51 制御手段 53 制御開始規制手段 54 スプリット路判定手段 55 回転センサ S5 アイドルスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−180551(JP,A) 特開 平3−54057(JP,A) 特開 平1−109158(JP,A) 特開 平3−104762(JP,A) 特開 平3−21564(JP,A) 実開 昭61−25270(JP,U) 特公 平3−5344(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/58 B60T 8/44

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の加速時における駆動輪の路面に対す
    るスリップ量が目標値となるように該駆動輪に付与する
    ブレーキ力を制御するブレーキ制御手段を備えた車両の
    スリップ制御装置であって、 負圧源と、 上記負圧源の負圧が導入される第1室と、該第1室の負
    圧と大気とが切換えて導入される第2室と、上記第1室
    と第2室とを仕切るダイヤフラムとを備え、ブレーキペ
    ダルの踏込みにより上記第2室への導入を負圧から大気
    に切換え上記ダイヤフラムを介してブレーキペダルの踏
    力を助勢する真空倍力装置と、 上記ブレーキ制御手段により制御されブレーキ制御時に
    上記第2室に大気を導入し、非ブレーキ制御時に上記第
    2室に上記第1室の負圧を導入する導入切換手段と上記
    第1室の負圧の大きさに関する情報を提供する負圧情報
    源と、 非ブレーキ制御状態において上記負圧情報源の情報に基
    づいて上記第1室に上記ブレーキ制御に必要な負圧が保
    有されているか否かを判定し、当該必要負圧が保有され
    ていないときに、上記ブレーキ制御手段の制御開始を禁
    止する制御開始規制手段とを備えていることを特徴とす
    る車両のスリップ制御装置。
  2. 【請求項2】上記負圧源はエンジンの吸気負圧であり、
    上記負圧情報源はエンジンのアクセル手段であり、上記
    制御開始規制手段は、当該アクセル手段の作動解除状態
    を検出したときに上記第1室に上記ブレーキ制御に必要
    な負圧が保有されていると判定する請求項1に記載の車
    両のスリップ制御装置。
  3. 【請求項3】上記負圧源はエンジンの吸気負圧であり、
    上記負圧情報源はエンジン回転数を検出する回転センサ
    であり、上記制御開始規制手段は、当該回転センサによ
    って検出されるエンジン回転数が所定値以上になったと
    きに上記第1室に上記ブレーキ制御に必要な負圧が保有
    されていると判定する請求項1に記載の車両のスリップ
    制御装置。
  4. 【請求項4】左右の駆動輪の各々が転動する路面左右部
    の摩擦係数を検出する摩擦係数検出手段と、 上記摩擦係数検出手段によって検出される路面左右部の
    摩擦係数の差が所定値以上のときにスプリット路である
    と判定し上記制御開始規制手段の作動を禁止するスプリ
    ット路判定手段とを備えている請求項1に記載の車両の
    スリップ制御装置。
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