JP2004184990A - 光導波回路 - Google Patents

光導波回路 Download PDF

Info

Publication number
JP2004184990A
JP2004184990A JP2003384296A JP2003384296A JP2004184990A JP 2004184990 A JP2004184990 A JP 2004184990A JP 2003384296 A JP2003384296 A JP 2003384296A JP 2003384296 A JP2003384296 A JP 2003384296A JP 2004184990 A JP2004184990 A JP 2004184990A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical waveguide
waveguide
groove
width
loss
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003384296A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4058402B2 (ja
Inventor
Arata Kamei
新 亀井
Yasuyuki Inoue
靖之 井上
Takuya Tanaka
拓也 田中
Toshikazu Hashimoto
俊和 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2003384296A priority Critical patent/JP4058402B2/ja
Publication of JP2004184990A publication Critical patent/JP2004184990A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4058402B2 publication Critical patent/JP4058402B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

【課題】 光導波路の放射損失を低減することが可能な光導波回路を提供すること。
【解決手段】 光導波路3には、光導波路3を横切る溝4が設けられ、光導波路3を導波する光が溝4を通過すると、溝4で放射損失が発生する。一方、導波路間隙6などの損失要素を伝播する光波は、導波路間隙6を通過した後、しばらくは光導波路3の近傍を進行しながら徐々に放射される。このため、導波路間隙6を通過した直後は、光導波路3を伝播する光波と、放射に転じる前に光導波路3の近傍に存在する光波とが合わさって、光導波路3を伝播する光波のビーム径が擬似的に拡大されたような状態を生み出すことができる。このため、溝4の前段に導波路間隙6を設けることにより、溝4に入射する光波のビーム径を擬似的に拡大することができ、損失要素が設けられた光導波路3を光波が伝播する際の過剰損失を減らすことが可能となる。
【選択図】 図23

Description

本発明は光導波回路に関し、特に、光導波路を伝搬する光の放射損失を生じさせる損失要素を有する光導波回路に関する。
近年、シリコン基板上に形成された石英系ガラス導波路によって構成されたプレーナ光波回路(PLC)の研究開発が盛んに行われている。このプレーナ光波回路では、例えば、非特許文献1に開示されているように、アレイ導波路回折格子(AWG)のような光波長合分波を実現する回路、あるいは、非特許文献2に開示されているように、熱光学(TO)スイッチのような光路切り替えを実現する回路などがある。また、プレーナ光波回路上に半導体光素子を搭載したハイブリッドプレーナ光波回路として、例えば、非特許文献3に開示されているように、外部共振器型周波数安定化レーザなどがある。
図1は、従来のアレイ光導波路回折格子の構成を示す平面図、図2は、図1のA7−A7線で切断した断面図である。図1および図2において、シリコン基板201上には、石英系ガラスからなるクラッド層202が形成され、クラッド層202内には、石英系ガラスをコアとするアレイ導波路203が形成されている。また、アレイ導波路203の両端には、スラブ導波路205a、205bがそれぞれ接続され、スラブ導波路205aの入力側には、入力導波路204aが接続され、スラブ導波路205bの出力側には、出力導波路204bが接続されている。
図3は、従来の熱光学スイッチの構成を示す平面図、図4は、図3のA8−A8線で切断した断面図である。図3および図4において、シリコン基板211上には、石英系ガラスからなるクラッド層212が形成され、クラッド層212内には、石英系ガラスをコアとするアーム導波路213a、213bが形成されている。また、各アーム導波路213a、213bの両端には、方向性結合器215、216がそれぞれ接続され、方向性結合器215の入力側には、入力導波路214a、214bがそれぞれ接続され、方向性結合器216の出力側には、出力導波路217a、217bがそれぞれ接続されている。また、クラッド層212上には、アーム導波路213aの位置に対応して、薄膜ヒータ218が形成され、薄膜ヒータ218は、配線219a、219bに接続されている。
図5は、従来の外部共振器型周波数安定化レーザの構成を示す斜視図である。図5において、シリコン基板221上には、石英系ガラスからなるクラッド層222が形成され、クラッド層222内には、石英系ガラスをコアとする光導波路223が形成されるとともに、光導波路223には光誘起グレーティング224が設けられている。また、シリコン基板221上には、クラッド層222を除去することにより形成されたシリコンテラス225が設けられ、シリコンテラス225上には、半導体レーザ226が搭載されている。上述したプレーナ光波回路などの光導波回路では、光導波路の一部を除去して溝を形成すること、あるいは、その溝に適当な特性を有する材料を充填することで、光導波回路の特性を改善したり、光導波回路の新しい機能を引き出したりすることができる。また、上述したプレーナ光波回路などの光導波回路では、光導波路を交差させることにより、光導波回路のレイアウトの自由度を向上させることができ、複数の回路要素を同一基板上に集積化することを可能として、新たな機能を持たせることが可能となる。
ここで、このような光導波路の一部に形成された溝や、光導波路の交差においては、必ず放射損失が生じる。この放射損失を低減するために、溝や交差の前後においてテーパ導波路によって導波路幅や導波路厚を拡大或いは縮小する手法がある。導波路幅や導波路厚を拡大した場合には、導波路径に伴って光波のモード径が拡大し、導波路幅や導波路厚を縮小した場合には、導波路への光の閉じ込めが弱くなってやはり光波のモード径が拡大するために、溝や交差における放射角(回折角)を低減することが可能である。
光導波路の一部を除去して溝を形成し、その溝に適当な特性を有する材料を充填する例としては、例えば、特許文献1に開示されているように、アレイ導波路回折格子のクラッドおよびコアの一部を除去した溝を形成し、その溝に各光導波路の実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料を充填することによって、アレイ導波路回折格子の透過波長の温度依存性をなくす方法がある。
また、光導波路の一部を除去して溝を形成し、その溝に適当な特性を有する材料を充填する別の例としては、例えば、特許文献2に開示されているように、熱光学スイッチのクラッドおよびコアの一部を除去した溝を形成し、その溝にアーム導波路の実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料を充填することによって、熱光学スイッチの消費電力を低減する方法がある。
また、光導波路の一部を除去して溝を形成し、その溝に適当な特性を有する材料を充填する別の例としては、例えば、特許文献3に開示されているように、周波数安定化レーザの光誘起グレーティングと半導体レーザ間の光導波路のクラッドおよびコアの一部を除去した溝を形成し、その溝に半導体レーザの屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料を充填することによって、温度変化による周波数安定化レーザのモードホップを抑制する方法がある。
図6は、従来の温度補償化されたアレイ光導波路回折格子の構成を示す平面図、図7は、図6の光導波路を1本分について示す平面図、図8は、図6の光導波路を拡大して示す平面図、図9(a)は、図7のA9−A9線で切断した断面図、図9(b)は、図7のA10−A10線で切断した断面図である。図6、図7、図8、図9(a)および図9(b)において、シリコン基板231上には、石英系ガラスからなるクラッド層232が形成され、クラッド層232内には、図6に示すように、石英系ガラスをコアとするアレイ導波路236が形成され、さらに、アレイ導波路236には、直線導波路233が付加されている。ここで、アレイ導波路236は、内側から外側に向かって、一定量ΔLずつ長くなるように構成されている。
また、直線導波路233には、直線導波路233を横切る溝237が設けられ、溝237は、直線導波路233からクラッド層232およびコアの一部を除去することにより形成することができる。このため、図7に示すように、直線導波路233の一本分の光導波路241に注目すると、光導波路241が、溝242により間隔Wだけ空けて分断され、その隙間に温度補償材料243が充填された構造になっている。
また、溝237における放射損失を抑制するために、溝237の前後にテーパ光導波路を挿入し、溝237で分断される光導波路233の幅を拡大するようにした場合、図6の光導波路を1本分について示す平面図は図10、図6の光導波路を拡大して示す平面図は図11になる。
図10において、光導波路241には、幅広部241cと幅狭部241aおよび241eが設けられ、これら幅広部241cと幅狭部241aおよび241eは、それぞれ、テーパ部241bおよび241dを介して滑らかに接続されている。またこのとき、溝242は幅広部241cを分断するように設けられる。
図11において、光導波路233には、幅広部233cと幅狭部233aおよび233eが設けられ、幅広部233cと幅狭部233aおよび233eは、それぞれ、テーパ部233bおよび233dを介して滑らかに接続されている。ここで、溝237は幅広部241cを分断するように設けられる。
また、各直線導波路233に設けられる溝237には、図9(b)に示すように、アレイ導波路236の実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料238が充填されている。特に、温度補償材料238としては、温度補償材料238の屈折率温度係数がdn´/dTがアレイ導波路236の実効屈折率温度係数dn/dTと異符号であり、温度補償材料238の屈折率温度係数の絶対値|dn´/dT|が、アレイ導波路236の実効屈折率温度係数の絶対値|dn/dT|と比較して十分大きいことが好ましく、このような温度補償材料238として、例えば、屈折率温度係数dn´/dTが、[−40×(dn/dT)]程度のシリコーン樹脂を挙げることができる。
また、溝237は、図8に示すように、アレイ導波路236の延長時の一定量ΔLに比例した量ΔL´ずつ長くなるように構成されており、ΔL´について、(ΔL−ΔL´)/ΔL´=−(dn´/dT)/(dn/dT)なる関係が成り立つように設計することで、アレイ導波路回折格子の透過波長の温度補償がなされている。
また、アレイ導波路236の両端には、スラブ導波路235a、235bがそれぞれ接続され、スラブ導波路235aの入力側には、入力導波路234aが接続され、スラブ導波路235bの出力側には、出力導波路234bが接続されている。
図12は、図6の光導波路のその他の例を示す平面図、図13は、図12の光導波路を1本分について示す平面図である。図12および図13において、アレイ導波路251には、アレイ導波路251を横切る溝252a〜252n(nは2以上の整数)が複数設けられ、これらの溝253a〜253nには、温度補償材料253a〜253nがそれぞれ充填されている。そして、アレイ導波路251の一本分の光導波路261に注目すると、図13に示すように、光導波路261が、幅W、W、・・・、Wをそれぞれ有するn個の溝262a〜262nにより間隔d、d、・・・、dn−1だけそれぞれ空けて分断され、その隙間に温度補償材料263a〜263nがそれぞれ充填された構造になっている。
また、溝253a〜253nにおける放射損失を抑制するために、溝253a〜253nの前後にテーパ光導波路を挿入し、溝253a〜253nで分断される光導波路251の幅を拡大するようにした場合、図6の光導波路を拡大して示す平面図は図14になる。
図14において、光導波路251には、幅広部251cと幅狭部251aおよび251eが設けられ、これら幅広部251cと幅狭部251aおよび251eは、それぞれ、テーパ部251bおよび251dを介して滑らかに接続されている。ここで、溝252a〜252nは幅広部251cを分断するように設けられる。そして、図12に示すように、一定量ΔLずつ長くなるアレイ導波路251の長さに応じて、各アレイ導波路251の溝252a〜252nの長さも、一定量ΔLに比例した量ΔL´/nずつそれぞれ長くなるように設定されている。
図15は、従来の消費電力を低減した熱光学スイッチの構成を示す平面図、図16は、図15のA11−A11線で切断した断面図である。図15および図16において、シリコン基板271上には、石英系ガラスからなるクラッド層272が形成され、クラッド層272内には、石英系ガラスをコアとするアーム導波路273a、273bが形成されている。また、クラッド層272上には、アーム導波路273a、273bの間に配置されるようにして、薄膜ヒータ274が形成され、薄膜ヒータ274は、配線275a、275bに接続されている。
また、アーム導波路273aには、クラッド層272およびコアの一部を除去することにより形成された溝276が設けられ、溝276内には、アーム導波路273aの実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料277が充填されている。なお、温度補償材料277としては、例えば、シリコーン樹脂などを用いることができる。また、単一の溝236を用いる以外にも、図13に示すように、複数の溝を用いることもできる。
図17は、従来のモードホップが抑制化された外部共振器型周波数安定化レーザの構成を示す斜視図、図18(a)は、図17のA12−A12線で切断した断面図、図18(b)は、図17のA13−A13線で切断した断面図である。図17、図18(a)および図18(b)において、シリコン基板281上には、石英系ガラスからなるクラッド層282が形成され、クラッド層282内には、石英系ガラスをコアとする光導波路283が形成されるとともに、光導波路283には光誘起グレーティング284が設けられている。
また、シリコン基板281上には、クラッド層282を除去することにより形成されたシリコンテラス285が設けられ、シリコンテラス285上には、半導体レーザ286が搭載されている。また、光導波路283には、クラッド層282およびコアの一部を除去することにより形成された溝287が設けられ、溝287内には、光導波路283の実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料288が充填されている。なお、温度補償材料288としては、例えば、シリコーン樹脂などを用いることができる。また、単一の溝287を用いる以外にも、図13に示すように、複数の溝を用いることもできる。
図19は、従来の交差型光導波路の構成を示す平面図である。図19において、シリコン基板上には、石英系ガラスをクラッドおよびコアとする光導波路291、292が交差するように配置されている。ここで、光導波路291、292の交差角αは、プレーナ光波回路全体のレイアウトに依存して設定することができる。
図20は、従来の温度補償化されたアレイ導波路回折格子の、別の構成を示す平面図であり、図21は、図20のスラブ導波路の一方303a近傍を拡大して示す平面図である。図20および図21において、シリコン基板301上には、石英系ガラスをコアおよびクラッドとする、アレイ導波路302、スラブ導波路303aおよび303b、入出力導波路304aおよび304bが形成され、アレイ導波路302は、内側から外側にむかって、一定量△Lずつ長くなるように構成されている。また、スラブ導波路303aに設けられる溝305は、図21に示すように、入力導波路とアレイ導波路302のそれぞれを結ぶ線分が横切る溝305の幅が、一定量△Lに比例した量△L’ずつ長くなるように構成されている。また、溝305には、アレイ導波路302の実効屈折率の温度係数とは異なる符号の屈折率温度係数を有する温度補償材料306が充填されている。なお、温度補償材料306としては、例えばシリコーン樹脂などを用いることができる。また、単一の溝305を用いる以外にも、複数の溝を用いることもできる。
一方、プレーナ光波回路では、例えば、非特許文献4に開示されているように、光導波路の比屈折率差を大きくすることにより、光導波路の曲線部分の曲率半径を小さくして、小型化を図ることが行われている。例えば、上述したアレイ導波路回折格子や熱光学スイッチなどのパッシブプレーナ光波回路でも、高屈折率差光導波路を用いることにより、小型化を図ることができる。また、半導体レーザを搭載したハイブリッドプレーナ光波回路では、高屈折率差光導波路を用いることにより、半導体レーザと石英系ガラス導波路との間の結合損失を減らすことができる。
現在では、アレイ導波路回折格子の総合的な小型化・低価格化が求められており、高屈折率差光導波路を用いた小型化だけでなく、透過波長を温度無依存化する技術を適用した温度制御の削除も重要になっている。また、熱光学スイッチの小型化・低消費電力化が求められており、上述した消費電力を低減した熱光学スイッチに高屈折率差光導波路を適用することも重要である。
前述のように、プレーナ光波回路では、アレイ導波路回折格子の透過波長の温度依存性をなくしたり、熱光学スイッチの消費電力を低減したり、温度変化による周波数安定化レーザのモードホップを抑制したりするために、光導波路の一部を除去して溝を形成し、その溝に適当な特性を有する材料を充填する必要がある。このため、従来のプレーナ光波回路では、光導波路に形成された溝での放射損失が大きくなり、アレイ導波路回折格子および熱光学スイッチでは、プレーナ光波回路の損失特性の劣化が大きくなり、周波数安定化レーザでは、発振時のしきい値電流が大きくなるという問題があった。
また、プレーナ光波回路では、回路レイアウトの自由度を向上させるとともに、複数の回路要素を同一基板上に集積して、新たな機能をもたせるために、光導波路を交差させることが行なわれている。しかしながら、交差した光導波路をプレーナ光波回路に設けると、交差部において放射損失が発生し、プレーナ光波回路の損失特性の劣化が大きくなるという問題があった。
また、アレイ導波路回折格子や熱光学スイッチなどの小型化を図ったり、周波数安定化レーザにおいて半導体素子と光導波路との間の結合損失を減らしたりするために、高屈折率差光導波路を用いると、通常の比屈折率差光導波路を用いた場合に比べて、溝での放射損失が大きくなり、アレイ導波路回折格子や熱スイッチにおいては損失特性の劣化がさらに大きくなり、周波数安定化レーザにおいては発振時の閾値電流がさらに大きくなるという問題があった。
図22は、溝により除去された光導波路の長さと放射損失との関係を示す図である。図22において、比屈折率差0.75%、コア幅×コア厚=6.0μm×6.0μmの光導波路の放射損失(実線)と、比屈折率差1.5%、コア幅×コア厚=4.5μm×4.5μmの光導波路の放射損失(点線)とを比較すると、比屈折率差1.5%、コア幅×コア厚=4.5μm×4.5μmの光導波路の方が、dB単位で2倍以上の過剰損失があることがわかる。
また、光導波路の交差を含む光導波回路に高屈折率差光導波路を適用した場合、光導波路の交差における過剰損失は、通常の比屈折率差光導波路に比べて大きくなり、プレーナ光波回路の損失特性の劣化がさらに大きくなるという問題があった。
例えば、同一構造の光導波路が交差角45°で一回だけ交差する場合の過剰損失は、比屈折率差0.75%、コア幅×コア厚=6.0μm×6.0μmの光導波路では、0.020dBであるのに対し、比屈折率差1.5%、コア幅×コア厚=4.5μm×4.5μmの光導波路では、0.035dBとなる。
一方で、光導波路の一部に形成された溝や、光導波路の交差における放射損失を低減する従来技術としては、前述のように、溝や交差の前後においてテーパ導波路を設け、導波路の幅や厚さを拡大または縮小するる手法がある。しかし、この手法には、テーパ導波路が付加されることで回路サイズが増大してしまうという問題がある。また、プレーナ光波回路においては、垂直方向にテーパ導波路を形成するためには付加的な製造工程が必要とされ、製造時間やコストが増大してしまうという問題がある。
このような問題を回避すべく水平方向のみのテーパ導波路を設けた場合は、垂直水平両方向のテーパ導波路に比較して、その放射損失低減効果は半減する。
国際公開第98/36299号パンフレット 特開2000−29079号公報 特開平11−97784号公報 H.Takahashi et. al.,"Arrayed−Waveguide Grating for Wavelength Division Multi/Demultiplexer With Nanometer Resolution", Electron. Lett., vol.26, no.2, pp.87−88 (1990). M.Okuno et. al., "8×8 Optical Matrix Switch Using Silica−Based Planer Lightwave Circuits", IEICE Trans.Electron., vol.76−C, no.7, pp.1215−1223 (1993). T.Tanaka et. al., "Integrated Extra Cavity laser Composed of Spot−Size Converted LD and UV Written Grating in Silica Waveguide on Si", Electron. Lett., vol.32, no.13, pp.1202−1203 (1996). S.Suzuki et. al., "High−Density Integrated Planar Lightwave Circuits Using SiO2−GeO2 Waveguides with a High Refractive Index Difference", J.Lightwave Technol., vol.12, no.5, pp.790−796 (1994)
そこで、本発明の目的は、回路サイズの増大が殆どなく、かつ、製造工程を全くあるいは殆ど付加することなく、損失要素が設けられた光導波路の放射損失を低減することが可能な光導波回路を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明における第1の発明の光導波回路によれば、光導波路と、前記光導波路を伝搬する光の放射損失を生じさせる第1損失要素と、前記第1損失要素の前段または後段の少なくとも一方の側に設けられ、前記光導波路を伝搬する光に対し、前記第1損失要素の放射損失よりも小さな放射損失を生じさせる第2損失要素とを備えることを特徴とする。
これにより、第2損失要素を用いることで、第1損失要素に入射する光波のビーム径を擬似的に拡大することができ、第1損失要素における光波の放射角(回折角)を小さくすることができる。
このため、第1損失要素における光波の放射損失を低減することができ、光導波路を光が伝搬する際の過剰損失を低減させて、光導波回路の特性劣化を抑制することが可能となる。
好ましくは、前記第2損失要素に入射する光波のビーム径を変換するビーム径変換部をさらに備える。これにより、第2損失要素に入射する光波のビーム径を拡大することができ、第2損失要素を用いることによる擬似的な光波のビーム径の拡大とあいまって、第1損失要素における光波の放射損失を低減することができ、光が光導波路を伝搬する際の過剰損失を低減することができる。
また、第2の発明の光導波回路によれば、第1の幅および第1の厚みを有する第1光導波路と、第2の幅および第2の厚みを有する第2光導波路と、前記第1光導波路と前記第2光導波路との間に結合され、前記第1の幅および前記第1の厚みを前記第2の幅および前記第2の厚みに変換するテーパ部と、前記第2光導波路を伝搬する光の放射損失を生じさせる第1損失要素と、前記第1損失要素前段または後段の少なくとも一方の側に設けられ、前記第2光導波路を伝搬する光に対し、前記第1損失要素の放射損失よりも小さな放射損失を生じさせる第2損失要素とを備えることを特徴とする。
これにより、第2損失要素に入射する光波のビーム径を拡大することができ、第2損失要素を用いることによる擬似的な光波のビーム径の拡大とあいまって、第1損失要素における光波の放射損失を低減させることが可能となることから、光導波路を光が伝搬する際の過剰損失を低減することができる。
好ましくは、前記第1の幅は前記第2の幅より小さいか、前記第1の厚みは前記第2の厚みより小さいか、前記第1の幅および前記第1の厚みの双方が前記第2の幅および前記第2の厚みより小さいか、前記第1の幅は前記第2の幅より大きいか、前記第1の厚みは前記第2の厚みより大きいか、前記第1の幅および前記第1の厚みの双方が前記第2の幅および前記第2の厚みより大きい。これにより、光導波路の幅または厚みを変更することで、光導波路を伝搬する光波のビーム径を変化させることができ、損失要素を光導波路に設けた場合においても、光導波路を光が伝搬する際の過剰損失を容易に低減することができる。
また、第3の発明の光導波回路によれば、第1の幅および第1の厚みを有する第1光導波路と、第2の幅および第2の厚みを有する第2光導波路と、第3の幅および第3の厚みを有する第3光導波路と、前記第1光導波路と前記第2光導波路との間に結合され、前記第1の幅および前記第1の厚みを前記第2の幅および前記第2の厚みに変換する第1テーパ部と、前記第2光導波路と前記第3光導波路との間に結合され、前記第2の幅および前記第2の厚みを前記第3の幅および前記第3の厚みに変換する第2テーパ部と、前記第2光導波路を伝搬する光の放射損失を生じさせる第1損失要素と、前記第1損失要素の前段または後段の少なくとも一方に設けられ、前記第2光導波路を伝搬する光に対し、前記第1損失要素の放射損失よりも小さな放射損失を生じさせる第2損失要素とを備えることを特徴とする。
これにより、第2損失要素の前または後ろで光波のビーム径を変換することが可能となり、光が損失要素を通過する際の過剰損失を低減しつつ、損失要素を含む光導波回路を様々のプレーナ光波回路に容易に組み込むことが可能となる。
好ましくは、前記第1の幅および前記第3の幅は前記第2の幅より小さいか、前記第1の厚みおよび前記第3の厚みは前記第2の厚みより小さいか、前記第1の幅および前記第1の厚み並びに前記第3の幅および前記第3の厚みの双方が前記第2の幅および前記第2の厚みより小さいか、前記第1の幅および前記第3の幅は前記第2の幅より大きいか、前記第1の厚みおよび前記第3の厚みは前記第2の厚みより大きいか、前記第1の幅および前記第1の厚み並びに前記第3の幅および前記第3の厚みの双方が前記第2の幅および前記第2の厚みより大きい。
これにより、光導波路の幅または厚みを変更することで、第2損失要素の前または後ろで光波のビーム径を変化させることができ、光が損失要素を通過する際の過剰損失を低減しつつ、損失要素を含む光導波回路を様々のプレーナ光波回路に容易に組み込むことが可能となる。
これらの光導波回路は、好ましくは、前記光導波路は、石英系ガラスからなるクラッドおよびコアを備える。これにより、シリコン基板上に光導波路を容易に形成することができ、様々のプレーナ光波回路を構成することが可能となる。
また、好ましくは、前記第1損失要素は、前記光導波路からクラッドの一部およびコアの一部が除去された溝である。これにより、光導波路の形状や大きさを変更することなく、光導波路に新しい機能を付加することが可能となる。
また、好ましくは、前記溝は、所定間隔を置いて複数配列されている。これにより、光導波路に複数の新しい機能を付加することが可能となる。
また、好ましくは、前記溝には、前記コアとは異なる材料が充填されている。これにより、適当な特性を有する材料を溝内に充填することで、プレーナ光波回路の諸特性を改善することが可能となる。
また、好ましくは、前記溝に充填された材料は、前記光導波路の温度係数の実効屈折率と異なる符合の屈折率温度係数を有する。これにより、光導波路の温度係数の実効屈折率と異なる符合の屈折率温度係数を有する材料を溝内に充填することで、アレイ導波路回折格子の透過波長の温度依存性をなくしたり、熱光学スイッチの消費電力を低減したり、温度変化による周波数安定化レーザのモードホップを抑制したりすることができる。
好ましくは、前記溝には、所定の機能を有する素子が挿入されており、この素子を、前記溝中に充填された接着剤によって固定するようにしてもよい。この素子は、例えば、半波長板であったり、所定の波長の光のみを透過する波長選択フィルタであったりすることができる。
また、好ましくは、前記第2損失要素は、前記光導波路のコアの一部をクラッドで置き換えることにより構成された導波路間隙である。これにより、コアの一部を除去することで、光導波路に損失要素を形成することが可能となり、製造工程の複雑化を抑制しつつ、損失要素が設けられた光導波路を光が伝搬する際の過剰損失を低減させることができる。
また、好ましくは、前記導波路間隙は、前記第1損失要素の前段または後段の少なくとも一方の側に所定間隔を置いて複数配列され、前記導波路間隙は、前記第1損失要素から遠ざかるに従って小さくなっている。これにより、第1損失要素に入射する光波のビーム径を徐々に拡大することができ、導波路間隙における過剰損失を抑制しつつ、光が第1損失要素を通過する際の過剰損失を低減することができる。
また、好ましくは、前記光導波路は複数のアレイ導波路を備え、前記溝は前記アレイ導波路を横切って形成され、前記アレイ導波路の両端にそれぞれ接続されたスラブ導波路をさらに備える。これにより、アレイ導波路回折格子の損失特性の劣化を抑制しつつ、透過波長の温度依存性をなくすことが可能となるとともに、高屈折率差光導波路の適用を可能として、アレイ導波路回折格子の小型化を図ることが可能となる。
また、好ましくは、前記光導波路は長さの異なる2本のアーム導波路を備え、前記溝は少なくとも一方のアーム導波路を横切って形成され、前記アーム導波路の両端にそれぞれ接続された方向性結合器をさらに備える。これにより、熱光学スイッチの損失特性の劣化を抑制しつつ、消費電力を低減することが可能となるとともに、高屈折率差光導波路の適用を可能として、熱光学スイッチの小型化を図ることが可能となる。
また、好ましくは、前記光導波路に設けられた光誘起グレーティングと、前記光導波路の端部に搭載された半導体レーザダイオードとを備え、前記溝は前記光誘起グレーティングと前記半導体レーザダイオードとの間の光導波路を横切って形成されている。これにより、周波数安定化レーザの発振時のしきい値電流の増大を抑制しつつ、温度変化によるモードホップを抑制することが可能となるとともに、高屈折率差光導波路の適用を可能として、半導体レーザと石英系ガラス導波路との間の結合損失を減らすことが可能となる。
また、好ましくは、前記第1損失要素は、前記光導波路と他の光導波路との交差である。これにより、回路レイアウトの自由度を向上させることが可能となるとともに、複数の回路要素を同一基板上に集積することを可能として、新たな機能を持たせることが可能となる。
好ましくは、第1の発明の回路の光導波路はスラブ導波路である。また、好ましくは、前記溝は前記スラブ導波路を分断するように設けられており当該スラブ導波路の分断位置に応じた非一様な幅を有する。また、好ましくは、前記導波路間隙は前記スラブ導波路を分断するように設けられており、当該スラブ導波路の分断位置に応じた非一様な幅を有する。さらに好ましくは、前記光導波路回路は第1および第2の2つのスラブ導波路を有し、前記第1および第2のスラブ導波路の一端同士を接続するアレイ導波路と、当該第1および第2のスラブ導波路の他端のそれぞれに接続された入出力導波路とを備え、前記溝が前記2つのスラブ導波路のうちの少なくとも一方を横切るように形成されている。
本発明の光導波回路の備える第2損失要素は、好ましくは、前記光導波路のコアの一部を縞状にクラッドで置き換えた縞状コアであったり、前記光導波路のコアの一部を点状にクラッドで置き換えた分布コアであったり、あるいは、前記光導波路からクラッドの一部およびコアの一部を除去して設けられた溝であり当該溝が空気または所定の屈折率を有する物質で充填されている。
また、好ましくは、前記第2損失要素を、前記光導波路と他の光導波路との交差や、あるいは、前記光導波路のクラッドの一部領域へのレーザ照射により前記クラッドの非照射領域の屈折率よりも高い屈折率を有することとなった領域とする。
本発明により、回路サイズの増大が殆どなく、かつ、製造工程を全くあるいは殆ど付加することなく、損失要素が設けられた光導波路の放射損失を低減することが可能な光導波回路を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係る光導波回路について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図23(a)は、本発明の第1実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図、図23(b)は、図23(a)のA1−A1線で切断した断面図、図24(a)は、図23(a)のB1−B1線で切断した断面図、図24(b)は、図23(a)のC1−C1線で切断した断面図、図24(c)は、図23(a)のD1−D1線で切断した断面図である。なお、この第1実施形態は、第1損失要素として、溝4に充填された温度補償材料5を用いるとともに、第2損失要素として、溝4の前段に導波路間隙6を設けるようにしたものである。
図23(a)および図23(b)並びに図24(a)〜(c)において、シリコン基板1上には、石英系ガラスからなるクラッド層2が形成され、クラッド層2内には、図24(a)に示すように、石英系ガラスをコアとする光導波路3が形成されている。
また、光導波路3には、光導波路3を横切る幅Wgroove1の溝4が設けられ、溝4は、図24(c)に示すように、光導波路3からクラッド層2およびコアの一部を除去することにより形成することができる。
また、溝4には、図24(c)に示すように、光導波路3の実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料5が充填されている。特に、温度補償材料5としては、温度補償材料5の屈折率温度係数がdn´/dTが光導波路3の実効屈折率温度係数dn/dTと異符号であり、温度補償材料5の屈折率温度係数の絶対値|dn´/dT|が、光導波路3の実効屈折率温度係数の絶対値|dn/dT|と比較して十分大きいことが好ましく、このような温度補償材料5として、例えば、屈折率温度係数dn´/dTが−40×(dn/dT)程度のシリコーン樹脂を挙げることができる。
また、光導波路3には、溝4の前段に間隔dgap1だけ空けて、幅Wgap1の導波路間隙6が設けられ、導波路間隙6は、光導波路3のコアの一部をクラッド層2で置き換えることにより付加的な製造工程なしに構成することができる。また、導波路間隙6の幅Wgap1は、導波路間隙6での放射損失が、温度補償材料5が充填された溝4での放射損失より小さくなるように設定することができる。また、溝4と導波路間隙6の間隔dgap1は、導波路間隙6を通過した光波が完全に放射に転じる前に溝4に到達できるような距離に設定することができる。
例えば、光導波路3の比屈折率差は1.5%、コア幅×コア厚は4.5μm×4.5μm、溝4の幅Wgroove1は130μm、導波路間隙6の幅Wgap1は20μm、溝4と導波路間隙6との間の間隔dgap1は20μmとすることができる。 そして、光導波路3を導波する光は、放射損失を伴いつつ、導波路間隙6を通過した後、温度補償材料5が充填された溝4を伝播し、再び光導波路3を伝播する。
ここで、光導波路3を導波する光が溝4を通過すると、溝4で放射損失が発生する。そして、溝4を通過する際の光波の放射損失を減らすためには、溝4を通過する光波の放射角を小さくすることが必要となり、光波の放射角を小さくするためには、光波のビーム径を拡大することが有効である。
一方、導波路間隙6などの損失要素を伝播する光波は、導波路間隙6を通過した後、直ぐに完全に放射されるのではなく、しばらくは光導波路3の近傍を進行しながら、徐々に放射される。このため、導波路間隙6を通過した直後は、光導波路3を伝播する光波と、放射に転じる前に光導波路3の近傍に存在する光波とが合わさって、光導波路3を伝播する光波のビーム径が擬似的に拡大されたような状態を生み出すことができる。加えて、導波路間隙6からの放射は、水平方向だけでなく垂直方向にも発生する。
このため、溝4の前段に導波路間隙6を設けることにより、溝4に入射する光波のビーム径を擬似的に水平方向だけでなく垂直方向にも拡大することができ、損失要素が設けられた光導波路3を光波が伝播する際の過剰損失を減らすことが可能となる。
例えば、図7の溝242が設けられた光導波路241の過剰損失が8.9dBであるのに対し、図23(a)および図23(b)の溝4および導波路間隙6が設けられた光導波路1の過剰損失の合計が7.7dBとなり、図7の構成に比べて、過剰損失を1.2dBだけ低減することができる。
(第2の実施形態)
図25(a)は、本発明の第2実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図、図25(b)は、図25(a)のA2−A2線で切断した断面図である。なお、この第2実施形態は、第1損失要素として、溝14に充填された温度補償材料15を用いるとともに、第2損失要素として、溝14の前段および後段に導波路間隙16a、16bをそれぞれ設けるようにしたものである。
図25(a)および図25(b)において、シリコン基板11上には、石英系ガラスからなるクラッド層12が形成され、クラッド層12内には、石英系ガラスをコアとする光導波路13が形成されている。また、光導波路13には、光導波路13を横切る幅Wgroove2の溝14が設けられ、溝14は、光導波路13からクラッド層12およびコアの一部を除去することにより形成することができる。また、溝14には、光導波路13の実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料15が充填されている。また、光導波路13には、溝14の前段に間隔dgap11だけ空けて、幅Wgap11の導波路間隙16aが設けられるとともに、溝14の後段に間隔dgap12だけ空けて、幅Wgap12の導波路間隙16bが設けられ、導波路間隙16a、16bは、光導波路13のコアの一部をクラッド層12でそれぞれ置き換えることにより付加的な製造工程なしに構成することができる。
また、導波路間隙16a、16bの幅Wgap11、Wgap12は、導波路間隙16a、16b全体での放射損失が、温度補償材料15が充填された溝14での放射損失より小さくなるように設定することができる。また、溝14と導波路間隙16aの間隔dgap11は、導波路間隙16aを通過した光波が完全に放射に転じる前に溝14に到達できるような距離に設定することができ、溝14と導波路間隙16bの間隔dgap12は、溝14を通過した光波が完全に放射に転じる前に導波路間隙16bに到達できるような距離に設定することができる。
例えば、光導波路13の比屈折率差は1.5%、コア幅×コア厚は4.5μm×4.5μm、溝14の幅Wgroove2は130μm、導波路間隙16aの幅Wgap11は20μm、溝14と導波路間隙16aとの間の間隔dgap11は20μm、導波路間隙16bの幅Wgap12は20μm、溝14と導波路間隙16bとの間の間隔dgap12は20μmとし、温度補償材料15として、シリコーン樹脂を用いることができる。
そして、光導波路13を導波する光は、放射損失を伴いつつ、導波路間隙16aを通過した後、温度補償材料15が充填された溝14を伝播し、さらに、導波路間隙16bを通過した後、再び光導波路13を伝播する。
このため、溝14の前段に導波路間隙16aを設けることにより、溝14に入射する光波のビーム径を擬似的に、水平方向だけでなく垂直方向にも拡大することが可能となる。また、光の相反性に従って、溝14の後段に導波路間隙16bを設けることにより、溝14から出射する光波のビーム径を水平および垂直方向に縮小することが可能となり、損失要素が設けられた光導波路13を光波が伝播する際の過剰損失をさらに減らすことが可能となる。
例えば、図7の溝242が設けられた光導波路241の過剰損失が8.9dBであるのに対し、図25(a)および図25(b)の溝14および導波路間隙16a、16bが設けられた光導波路13の過剰損失の合計が6.5dBとなり、図7の構成に比べて、過剰損失を2.4dBだけ低減することができる。
(第3の実施形態)
図26(a)は、本発明の第3実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図、図26(b)は、図26(a)のA3−A3線で切断した断面図である。なお、この第3実施形態は、第1損失要素として、溝24に充填された温度補償材料25を用いるとともに、第2損失要素として、溝24の前段および後段に複数の導波路間隙26a〜26c、26d〜26fをそれぞれ設けるようにしたものである。
図26(a)および図26(b)において、シリコン基板21上には、石英系ガラスからなるクラッド層22が形成され、クラッド層22内には、石英系ガラスをコアとする光導波路23が形成されている。
また、光導波路23には、光導波路23を横切る幅Wgroove3の溝24が設けられ、溝24は、光導波路23からクラッド層22およびコアの一部を除去することにより形成することができる。
また、溝24には、光導波路23の実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料25が充填されている。
また、光導波路23には、溝24の前段に間隔dgap21だけ空けて、幅Wgap21の導波路間隙26aが設けられ、導波路間隙26aの前段に間隔dgap22だけ空けて、幅Wgap22の導波路間隙26bが設けられ、導波路間隙26bの前段に間隔dgap23だけ空けて、幅Wgap23の導波路間隙26cが設けられるとともに、溝14の後段に間隔dgap24だけ空けて、幅Wgap24の導波路間隙26dが設けられ、導波路間隙26dの後段に間隔dgap25だけ空けて、幅Wgap25の導波路間隙26eが設けられ、導波路間隙26eの後段に間隔dgap26だけ空けて、幅Wgap26の導波路間隙26fが設けられ、導波路間隙26a〜26fは、光導波路23のコアの一部をクラッド層22でそれぞれ置き換えることにより付加的な製造工程なしに構成することができる。
また、導波路間隙26a〜26fの幅Wgap21〜Wgap26は、導波路間隙26a〜26f全体での放射損失が、温度補償材料25が充填された溝24での放射損失より小さくなるように設定することができ、溝24から遠ざかるに従って、導波路間隙26a〜26fの幅Wgap21〜Wgap26を小さくすることが好ましい。
また、溝24と導波路間隙26aの間隔dgap21は、導波路間隙26aを通過した光波が完全に放射に転じる前に溝24に到達できるような距離に設定することができ、導波路間隙26aと導波路間隙26bの間隔dgap22は、導波路間隙26bを通過した光波が完全に放射に転じる前に導波路間隙26aに到達できるような距離に設定することができ、導波路間隙26bと導波路間隙26cの間隔dgap23は、導波路間隙26cを通過した光波が完全に放射に転じる前に導波路間隙26bに到達できるような距離に設定することができる。
また、溝24と導波路間隙26dの間隔dgap24は、溝24を通過した光波が完全に放射に転じる前に導波路間隙26dに到達できるような距離に設定することができ、導波路間隙26dと導波路間隙26eの間隔dgap25は、導波路間隙26dを通過した光波が完全に放射に転じる前に導波路間隙26eに到達できるような距離に設定することができ、導波路間隙26eと導波路間隙26fの間隔dgap26は、導波路間隙26eを通過した光波が完全に放射に転じる前に導波路間隙26fに到達できるような距離に設定することができる。
例えば、光導波路23の比屈折率差は1.5%、コア幅×コア厚は4.5μm×4.5μm、溝24の幅Wgroove3は130μm、導波路間隙26aの幅Wgap21は20μm、溝24と導波路間隙26aとの間の間隔dgap21は20μm、導波路間隙26bの幅Wgap22は10μm、導波路間隙26aと導波路間隙26bの間の間隔dgap22は20μm、導波路間隙26cの幅Wgap23は5μm、導波路間隙26bと導波路間隙26cの間の間隔dgap23は20μm、導波路間隙26dの幅Wgap24は20μm、溝24と導波路間隙26dとの間の間隔dgap24は20μm、導波路間隙26eの幅Wgap25は10μm、導波路間隙26dと導波路間隙26eの間の間隔dgap25は20μm、導波路間隙26fの幅Wgap26は5μm、導波路間隙26eと導波路間隙26fの間の間隔dgap26は20μmとし、温度補償材料25として、シリコーン樹脂を用いることができる。
そして、光導波路23を導波する光は、放射損失を伴いつつ、導波路間隙26a〜26cを通過した後、温度補償材料25が充填された溝24を伝播し、さらに、導波路間隙26d〜26fを通過した後、再び光導波路23を伝播する。
このため、溝14の前段に複数の導波路間隙26a〜26cを設けることにより、溝24に入射する光波のビーム径の拡大量を増加させることが可能となるとともに、溝24の後段に複数の導波路間隙26d〜26fを設けることにより、溝24から出射する拡大した光波のビーム径を効率よく縮小することが可能となり、損失要素が設けられた光導波路23を光波が伝播する際の過剰損失をさらに減らすことが可能となる。
例えば、図7の溝242が設けられた光導波路241の過剰損失が8.9dBであるのに対し、図26(a)および図26(b)の溝24および複数の導波路間隙26a〜26fが設けられた光導波路23の過剰損失の合計が5.6dBとなり、図7の構成に比べて、過剰損失を3.6dBだけ低減することができる。
(第4の実施形態)
図27(a)は、本発明の第4実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図、図27(b)は、図27(a)のA4−A4線で切断した断面図、図28(a)は、図27(a)のB4−B4線で切断した断面図、図28(b)は、図27(a)のC4−C4線で切断した断面図である。なお、この第4実施形態は、第1損失要素として、溝34に充填された温度補償材料35を用いるとともに、第2損失要素として、溝34の前段および後段に導波路間隙36a、36bをそれぞれ設け、さらに、溝34および導波路間隙36a、36bで分断される光導波路33の幅を拡大するようにしたものである。
図27(a)および図27(b)並びに図28(a)および図28(b)において、シリコン基板31上には、石英系ガラスからなるクラッド層32が形成され、クラッド層32内には、石英系ガラスをコアとする光導波路33が形成されている。ここで、光導波路33には、幅広部33cおよび幅狭部33a、33eが設けられ、幅広部33cおよび幅狭部33a、33eは、テーパ部33b、33dをそれぞれ介して滑らかに接続されている。
また、光導波路33には、幅広部33cを横切る幅Wgroove4の溝34が設けられ、溝34は、光導波路33からクラッド層32およびコアの一部を除去することにより形成することができる。
また、溝34には、光導波路33の実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料35が充填されている。
また、光導波路33の幅広部33cには、溝34の前段に間隔dgap31だけ空けて、幅Wgap31の導波路間隙36aが設けられるとともに、溝34の後段に間隔dgap32だけ空けて、幅Wgap32の導波路間隙36bが設けられ、これらの導波路間隙36a、36bは、光導波路33のコアの一部をクラッド層32でそれぞれ置き換えることにより付加的な製造工程なしに構成することができる。
また、導波路間隙36a、36bの幅Wgap31、Wgap32は、導波路間隙36a、36b全体での放射損失が、温度補償材料35が充填された溝34での放射損失より小さくなるように設定することができる。また、溝34と導波路間隙36aの間隔dgap31は、導波路間隙36aを通過した光波が完全に放射に転じる前に溝34に到達できるような距離に設定することができ、溝34と導波路間隙36bの間隔dgap32は、溝34を通過した光波が完全に放射に転じる前に導波路間隙36bに到達できるような距離に設定することができる。
例えば、光導波路33の比屈折率差は1.5%、幅狭部33a、33eのコア幅×コア厚は4.5μm×4.5μm、幅広部33cのコア幅×コア厚は9.0μm×4.5μm、溝34の幅Wgroove4は130μm、導波路間隙36aの幅Wgap31は20μm、溝34と導波路間隙36aとの間の間隔dgap31は20μm、導波路間隙36bの幅Wgap32は20μm、溝34と導波路間隙36bとの間の間隔dgap32は20μmとし、温度補償材料35として、シリコーン樹脂を用いることができる。
そして、光導波路33を導波する光は、幅狭部33aから幅広部33cに入射する際にビーム径が拡大された後、放射損失を伴いつつ、導波路間隙36aを通過する。そして、温度補償材料35が充填された溝34を伝播し、さらに、導波路間隙36bを通過した後、幅広部33cから幅狭部33eに入射する際にビーム径が縮小され、光導波路33を伝播する。
このため、溝34に入射する光波のビーム径を、幅狭部33aから幅広部33dへ導波路幅を拡大することで水平方向に拡大されたうえ、溝34の前段に導波路間隙36aを設けることにより、さらに擬似的に水平方向に拡大するだけでなく、擬似的に垂直方向にも拡大することが可能となるとともに、溝34の後段に導波路間隙36bを設けることにより、溝34から出射する光波のビーム径を水平および垂直方向に縮小することが可能となり、損失要素が設けられた光導波路33を光波が伝播する際の過剰損失をさらに減らすことが可能となる。
例えば、図7の溝242が設けられた光導波路241の過剰損失が8.9dBであるのに対し、図27(a)および図27(b)の溝34および導波路間隙36a、36bに加え、幅広部33cが設けられた光導波路33の過剰損失の合計が5.0dBとなり、図7の構成に比べて、過剰損失を3.9dBだけ低減することができる。
(第5の実施形態)
図29(a)は、本発明の第5実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図、図29(b)は、図29(a)のA5−A5線で切断した断面図である。なお、この第5実施形態は、第1損失要素として、複数の溝44a〜44dに充填された温度補償材料45a〜45dを用いるとともに、第2損失要素として、溝44a〜44dの前段および後段に導波路間隙46a、46bをそれぞれ設けるようにしたものである。
図29(a)および図29(b)において、シリコン基板41上には、石英系ガラスからなるクラッド層42が形成され、クラッド層42内には、石英系ガラスをコアとする光導波路43が形成されている。また、光導波路43には、光導波路43を横切る幅wgroove41〜wgroove44の複数の溝44a〜44dが、それぞれ間隔dgroove41〜dgroove43だけ空けて形成され、これらの溝44a〜44dは、光導波路43からクラッド層42およびコアの一部を除去することにより形成することができる。また、これらの溝44a〜44dには、光導波路43の実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料45a〜45dがそれぞれ充填されている。
また、光導波路43には、溝44aの前段に間隔dgap41だけ空けて、幅Wgap41の導波路間隙46aが設けられるとともに、溝44dの後段に間隔dgap42だけ空けて、幅Wgap42の導波路間隙46bが設けられ、導波路間隙46a、46bは、光導波路43のコアの一部をクラッド層42でそれぞれ置き換えることにより付加的な製造工程なしに構成することができる。また、導波路間隙46a、46bの幅Wgap41、Wgap42は、導波路間隙46a、46b全体での放射損失が、温度補償材料45a〜45dが充填された溝44a〜44d全体での放射損失より小さくなるように設定することができる。また、溝44aと導波路間隙46aの間隔dgap41は、導波路間隙46aを通過した光波が完全に放射に転じる前に溝44aに到達できるような距離に設定することができ、溝44dと導波路間隙46bの間隔dgap42は、溝44dを通過した光波が完全に放射に転じる前に導波路間隙46bに到達できるような距離に設定することができる。
例えば、光導波路43の比屈折率差は1.5%、コア幅×コア厚は4.5μm×4.5μm、溝44a〜44dの幅Wgroove41〜Wgroove44はそれぞれ40μm、溝44a〜44dの間の間隔dgroove41〜dgroove43はそれぞれ20μm、導波路間隙46aの幅Wgap41は20μm、溝44aと導波路間隙46aとの間の間隔dgap41は20μm、導波路間隙46bの幅Wgap42は20μm、溝44dと導波路間隙46bとの間の間隔dgap42は20μmとし、温度補償材料45a〜45dとして、シリコーン樹脂を用いることができる。
そして、光導波路43を導波する光は、放射損失を伴いつつ、導波路間隙46aを通過した後、温度補償材料45a〜45dが充填された溝44a〜44dを伝播し、さらに、導波路間隙46bを通過した後、再び光導波路43を伝播する。
このため、溝44a〜44dに入射する光波のビーム径を擬似的に、水平方向だけでなく垂直方向にも拡大することが可能となるとともに、溝44a〜44dから出射する光波のビーム径を水平および垂直方向に縮小することが可能となり、損失要素が設けられた光導波路43を光波が伝播する際の過剰損失をさらに減らすことが可能となる。
例えば、図13の溝262a〜262nが設けられた光導波路261の過剰損失が4.6dBであるのに対し、図29(a)および図29(b)の溝44a〜44dおよび導波路間隙46a、46bが設けられた光導波路43の過剰損失の合計が3.4dBとなり、図13の構成に比べて、過剰損失を1.2dBだけ低減することができる。
(第6の実施形態)
図30(a)は、本発明の第6実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図、図30(b)は、図30(a)のA6−A6線で切断した断面図である。なお、この第6実施形態は、第1損失要素として、複数の溝54a〜54dに充填された温度補償材料55a〜55dを用いるとともに、第2損失要素として、溝54a〜54dの前段および後段に導波路間隙56a、56bをそれぞれ設け、さらに、溝54a〜54dおよび導波路間隙56a、56bで分断される光導波路53の幅を拡大するようにしたものである。
図30(a)および図30(b)において、シリコン基板51上には、石英系ガラスからなるクラッド層52が形成され、クラッド層52内には、石英系ガラスをコアとする光導波路53が形成されている。ここで、光導波路53には、幅広部53cおよび幅狭部53a、53eが設けられ、幅広部53cおよび幅狭部53a、53eは、テーパ部53b、53dをそれぞれ介して滑らかに接続されている。また、光導波路53には、幅広部53cを横切る幅wgroove51〜wgroove54の複数の溝54a〜54dが、それぞれ間隔dgroove51〜dgroove53だけ空けて形成され、これらの溝54a〜54dは、光導波路53からクラッド層52およびコアの一部を除去することにより形成することができる。また、これらの溝54a〜54dには、光導波路53の実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料55a〜55dがそれぞれ充填されている。
また、光導波路53の幅広部53cには、溝54aの前段に間隔dgap51だけ空けて、幅Wgap51の導波路間隙56aが設けられるとともに、溝54dの後段に間隔dgap52だけ空けて、幅Wgap52の導波路間隙56bが設けられ、導波路間隙56a、56bは、光導波路53のコアの一部をクラッド層52でそれぞれ置き換えることにより付加的な製造工程なしに構成することができる。
また、導波路間隙56a、56bの幅Wgap51、Wgap52は、導波路間隙56a、56b全体での放射損失が、温度補償材料55a〜55dが充填された溝54a〜54d全体での放射損失より小さくなるように設定することができる。また、溝54aと導波路間隙56aの間隔dgap51は、導波路間隙56aを通過した光波が完全に放射に転じる前に溝54aに到達できるような距離に設定することができ、溝54dと導波路間隙56bの間隔dgap52は、溝54dを通過した光波が完全に放射に転じる前に導波路間隙56bに到達できるような距離に設定することができる。
例えば、光導波路53の比屈折率差は1.5%、幅狭部53a、53eのコア幅×コア厚は4.5μm×4.5μm、幅広部53cのコア幅×コア厚は9.0μm×4.5μm、溝54a〜54dの幅Wgroove51〜Wgroove54はそれぞれ25μm、溝54a〜54dの間の間隔dgroove51〜dgroove53はそれぞれ20μm、導波路間隙56aの幅Wgap51は15μm、溝54aと導波路間隙56aとの間の間隔dgap51は15μm、導波路間隙56bの幅Wgap52は15μm、溝54dと導波路間隙56bとの間の間隔dgap52は15μmとし、温度補償材料55a〜55dとして、シリコーン樹脂を用いることができる。
そして、光導波路53を導波する光は、幅狭部53aから幅広部53cに入射する際にビーム径が拡大された後、放射損失を伴いつつ、導波路間隙56aを通過する。そして、温度補償材料55a〜55dが充填された溝54a〜54dを伝播し、さらに、導波路間隙56bを通過した後、幅広部53cから幅狭部53eに入射する際にビーム径が縮小され、光導波路53を伝播する。
このため、溝54a〜54dに入射する光波のビーム径を、幅狭部53aから幅広部53cへ導波路幅を拡大することで水平方向に拡大したうえ、溝54a〜54dの前段に導波路間隙56aを設けることにより、さらに擬似的に水平方向に拡大するだけでなく、擬似的に垂直方向にも拡大することが可能となるとともに、溝54a〜54dの後段に導波路間隙56bを設けることにより、溝54a〜54dから出射する光波のビーム径を水平および垂直方向に縮小することが可能となり、損失要素が設けられた光導波路53を光波が伝播する際の過剰損失をさらに減らすことが可能となる。
例えば、図13の溝262a〜262nが設けられた光導波路261の過剰損失が4.6dBであるのに対し、図30(a)および図30(b)の溝54a〜54dおよび導波路間隙56a、56bに加え、幅広部53cが設けられた光導波路53の過剰損失の合計が2.1dBとなり、図13の構成に比べて、過剰損失を2.5dBだけ低減することができる。
(第7の実施形態)
図31は、本発明の第7実施形態に係る光導波路回路の概略構成を示す平面図である。なお、この第7実施形態は、第1損失要素として、溝70に充填された温度補償材料が設けられるとともに、第2損失要素として、溝70の前段および後段に導波路間隙71a、71bがそれぞれ設けられた特性補償領域69を、アレイ光導波路回折格子に組み込むようにしたものである。
図31において、シリコン基板61上には、石英系ガラスをクラッドおよびコアとするアレイ導波路64が形成されている。ここで、アレイ導波路64は、内側から外側に向かって、一定量ΔLずつ長くなるように構成することができる。
また、アレイ導波路64には、透過波長を温度無依存化する特性補償領域69が設けられ、特性補償領域69には、アレイ導波路64を横切る溝70が設けられ、溝70は、アレイ導波路64からクラッドおよびコアの一部を除去することにより形成することができる。ここで、アレイ導波路64に設けられる溝70は、アレイ導波路64の延長時の一定量ΔLに比例した量ΔL´ずつ長くなるように構成することができる。また、溝70には、アレイ導波路64の実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料が充填されている。また、特性補償領域69には、溝70の前段に所定間隔だけ隔てて、所定幅の導波路間隙71aが設けられるとともに、溝70の後段に所定間隔だけ隔てて、所定幅の導波路間隙71bが設けられ、これらの導波路間隙71a、71bは、アレイ導波路64のコアの一部をクラッドで置き換えることにより付加的な製造工程なしに構成することができる。
また、アレイ導波路64の両端には、スラブ導波路63a、63bがそれぞれ接続され、スラブ導波路63aの入力側には、入力導波路62aが接続され、スラブ導波路63bの出力側には、出力導波路62bが接続されている。さらに、入力導波路62aは、光ファイバコネクタ66aを介して光ファイバ65aに接続されるとともに、光ファイバ65aは、光ファイバ接続部品67aに接続され、出力導波路62bは、光ファイバコネクタ66bを介して光ファイバ65bに接続されるとともに、光ファイバ65bは、光ファイバ接続部品67bに接続され、これらの部品は回路ケース68に収容されている。
そして、アレイ導波路64を導波する光は、放射損失を伴いつつ、導波路間隙71aを通過した後、温度補償材料が充填された溝70を伝播し、さらに、導波路間隙71bを通過した後、再びアレイ導波路64を伝播する。
このため、溝70に入射する光波のビーム径を擬似的に、水平方向だけでなく垂直方向にも拡大することが可能となるとともに、溝70から出射する光波のビーム径を水平方向および垂直方向に縮小することが可能となり、アレイ光導波路回折格子の透過波長の温度無依存化を図りつつ、アレイ導波路64を光波が伝播する際の過剰損失を減らすことが可能となる。
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態に係る光導波路の概略構成を示す平面図は、第7実施形態の図31と同様である。図32は、この第8実施形態において図31のアレイ光導波路回折格子における特性補償領域を拡大して示す平面図である。なお、この第8実施形態は、第1損失要素として、複数の溝82a〜82nに充填された温度補償材料83a〜83nが設けられるとともに、第2損失要素として、溝82a〜82nの前段および後段に導波路間隙84a、84bがそれぞれ設けられた特性補償領域を、アレイ光導波路回折格子に組み込むようにしたものである。
図32において、アレイ導波路81には、アレイ導波路81を横切る複数の溝82a〜82nが、それぞれ間隔dgroove6だけ空けて形成され、これらの溝8
2a〜82nは、アレイ導波路81からクラッドおよびコアの一部を除去することにより形成することができる。
ここで、アレイ導波路81を横切る各溝82a〜82nの幅は、Wmin1〜W+Wmin1でそれぞれ単調に増加するように構成されている。また、一定量ΔLずつ長くなるアレイ導波路81の長さに応じて、溝82a〜82nの幅も、一定量ΔLに比例した量ΔL´/nずつそれぞれ長くなるように設定されている。
また、これらの溝82a〜82nには、アレイ導波路81の実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料83a〜83nがそれぞれ充填されている。
また、アレイ導波路81には、溝82aの前段に間隔dgap61だけ空けて、幅Wgap61の導波路間隙84aが設けられるとともに、溝82nの後段に間隔dgap62だけ空けて、幅Wgap62の導波路間隙84bが設けられ、導波路間隙84a、84bは、アレイ導波路81のコアの一部をクラッドでそれぞれ置き換えることにより付加的な製造工程なしに構成することができる。
また、導波路間隙84a、84bの幅Wgap61、Wgap62は、導波路間隙84a、84b全体での放射損失が、温度補償材料83a〜83nが充填された溝82a〜82n全体での放射損失より小さくなるように設定することができる。また、溝82aと導波路間隙84aの間隔dgap61は、導波路間隙84aを通過した光波が完全に放射に転じる前に溝82aに到達できるような距離に設定することができ、溝82nと導波路間隙84bの間隔dgap62は、溝82nを通過した光波が完全に放射に転じる前に導波路間隙84bに到達できるような距離に設定することができる。
例えば、アレイ導波路81の本数Nawgは130本、隣接するアレイ導波路81の長さの差ΔLは60μm、アレイ導波路81の比屈折率差は1.5%、コア幅×コア厚は4.5μm×4.5μmとすることができる。なお、この設計により、波長チャネル間隔0.8nm、チャネル数16のアレイ光導波路回折格子を実現することができる。この時、隣接するアレイ導波路81間で全ての溝82a〜82nによって除去される長さの差ΔL´は、1.25μmである。
また、溝数は8とし、隣接する溝82a〜82nの間の間隔dgroove6はそれぞれ20μmとすることができる。この時、隣接するアレイ導波路81間で1つの溝82a〜82nによって除去される長さの差ΔL´/nは、1.25/8=0.16μmであり、各溝82a〜82nの最大溝幅と最小溝幅の差W1は、W1=ΔL´/n×(Nawg−1)=20.2μmである。また、溝82a〜82nは、フォトリソグラフィと反応性イオンエッチングによって形成することができ、エッチング時の再現性を考慮して、最小溝幅Wmin1=5μmとすることができる。
また、導波路間隙84aの幅Wgap61は20μm、溝82aと導波路間隙84aとの間の間隔dgap61は20μm、導波路間隙86bの幅Wgap62は20μm、溝82nと導波路間隙86bとの間の間隔dgap62は20μmとし、温度補償材料83a〜83nとして、シリコーン樹脂を用いることができる。
この場合、図12の溝252a〜252nが設けられたアレイ導波路251の過剰損失が2.6dBであるのに対し、図32の溝82a〜82nおよび導波路間隙84a、84bが設けられたアレイ導波路81の過剰損失の合計が1.8dBとなり、図12の構成に比べて、過剰損失を0.8dBだけ低減することができる。
(第9の実施形態)
本発明の第9の実施形態に係る光導波路の概略構成を示す平面図は、第7実施形態の図31と同様である。図33は、この第9実施形態において図31のアレイ光導波路回折格子における特性補償領域を拡大して示す平面図である。なお、この第9実施形態は、第1損失要素として、複数の溝92a〜92nに充填された温度補償材料93a〜93nが設けられるとともに、第2損失要素として、溝92a〜92nの前段および後段に導波路間隙94a、94bがそれぞれ設けられ、さらに、溝92a〜92nおよび導波路間隙94a、94bで分断される光導波路91の幅が拡大された特性補償領域を、アレイ光導波路回折格子に組み込むようにしたものである。
図33において、アレイ導波路91には、幅広部93cおよび幅狭部93a、93eが設けられ、幅広部93cおよび幅狭部93a、93eは、テーパ部93b、93dをそれぞれ介して滑らかに接続されている。そして、アレイ導波路81には、幅広部93cを横切る複数の溝92a〜92nが、それぞれ間隔dgroove7だけ空けて形成され、これらの溝92a〜92nは、アレイ導波路91からクラッドおよびコアの一部を除去することにより形成することができる。
ここで、アレイ導波路91を横切る各溝92a〜92nの幅は、Wmin2〜W+Wmin2でそれぞれ単調に増加するように構成されている。また、一定量ΔLずつ長くなるアレイ導波路91の長さに応じて、溝92a〜92nの長さも、一定量ΔLに比例した量ΔL´/nづつそれぞれ長くなるように設定されている。
また、これらの溝92a〜92nには、アレイ導波路91の実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料93a〜93nがそれぞれ充填されている。
また、アレイ導波路81の幅広部93cには、溝92aの前段に間隔dgap71だけ空けて、幅Wgap71の導波路間隙94aが設けられるとともに、溝92nの後段に間隔dgap72だけ空けて、幅Wgap72の導波路間隙94bが設けられ、導波路間隙94a、94bは、アレイ導波路91のコアの一部をクラッドでそれぞれ置き換えることにより付加的な製造工程なしに構成することができる。また、導波路間隙94a、94bの幅Wgap71、Wgap72は、導波路間隙94a、94b全体での放射損失が、温度補償材料93a〜93nが充填された溝92a〜92n全体での放射損失より小さくなるように設定することができる。
また、溝92aと導波路間隙94aの間隔dgap71は、導波路間隙94aを通過した光波が完全に放射に転じる前に溝92aに到達できるような距離に設定することができ、溝92nと導波路間隙94bの間隔dgap72は、溝92nを通過した光波が完全に放射に転じる前に導波路間隙94bに到達できるような距離に設定することができる。
例えば、アレイ導波路91の本数Nawgは130本、隣接するアレイ導波路91の長さの差ΔLは60μm、アレイ導波路91の比屈折率差は1.5%、幅狭部93a、93eのコア幅×コア厚は4.5μm×4.5μm、幅広部93cのコア幅×コア厚は9.0μm×4.5μm、溝数は8、隣接する溝92a〜92nの間の間隔dgroove7はそれぞれ20μm、溝92a〜92nの最小溝幅Wmin2=5μm、導波路間隙94aの幅Wgap71は20μm、溝92aと導波路間隙94aとの間の間隔dgap71は15μm、導波路間隙96bの幅Wgap72は20μm、溝92nと導波路間隙96bとの間の間隔dgap72は15μmとし、温度補償材料93a〜93nとして、シリコーン樹脂を用いることができる。
この場合、図12の溝252a〜252nが設けられたアレイ導波路251の過剰損失が2.6dBであるのに対し、図33の溝92a〜92nおよび導波路間隙94a、94bに加え、幅広部93cが設けられたアレイ導波路91の過剰損失の合計が1.0dBとなり、図12の構成に比べて、過剰損失を1.6dBだけ低減することができる。
(第10の実施形態)
図34は、本発明の第10実施形態に係る光導波回路の概略構成を示す平面図である。なお、この第10実施形態は、第1損失要素として、溝110に充填された温度補償材料が設けられるとともに、第2損失要素として、溝110の前段および後段に導波路間隙111a、111bがそれぞれ設けられた特性補償領域109を、熱光学スイッチに組み込むようにしたものである。
図34において、シリコン基板101上には、石英系ガラスをクラッドおよびコアとするアーム導波路104a、104bが形成されている。また、アーム導波路104aには、熱光学スイッチの消費電力を低減する特性補償領域109が設けられ、特性補償領域109には、アーム導波路104aを横切る溝110が設けられ、溝110は、アーム導波路104aからクラッドおよびコアの一部を除去することにより形成することができる。また、溝110には、アーム導波路104aの実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料が充填されている。
また、特性補償領域109には、溝110の前段に所定間隔だけ隔てて、所定幅の導波路間隙111aが設けられるとともに、溝110の後段に所定間隔だけ隔てて、所定幅の導波路間隙111bが設けられ、これらの導波路間隙111a、111bは、アーム導波路104aのコアの一部をクラッドで置き換えることにより、付加的な製造工程なしに構成することができる。また、各アーム導波路104a、104bの両端には、方向性結合器103、105がそれぞれ接続され、方向性結合器103の入力側には、入力導波路102a、102bがそれぞれ接続され、方向性結合器105の出力側には、出力導波路106a、106bがそれぞれ接続されている。また、アーム導波路104aの横には、薄膜ヒータ107が形成され、薄膜ヒータ107は、配線108a、108bに接続されている。
そして、アーム導波路104aを導波する光は、放射損失を伴いつつ、導波路間隙111aを通過した後、温度補償材料が充填された溝110を伝播し、さらに、導波路間隙111bを通過した後、再びアーム導波路104aを伝播する。
このため、溝110に入射する光波のビーム径を擬似的に、水平方向だけでなく垂直方向にも拡大することが可能となるとともに、溝110から出射する光波のビーム径を水平および垂直方向に縮小することが可能となり、熱光学スイッチの消費電力の低減を図りつつ、アーム導波路104aを光波が伝播する際の過剰損失を減らすことが可能となる。
(第11の実施形態)
本発明の第11の実施形態に係る光導波路の概略構成を示す平面図は、第10実施形態の図34と同様である。図35は、この第11実施形態において図34の熱光学スイッチにおける特性補償領域を拡大して示す平面図である。なお、この第11実施形態は、第1損失要素として、複数の溝122a〜122nに充填された温度補償材料123a〜123nが設けられるとともに、第2損失要素として、溝122a〜122nの前段および後段に導波路間隙124a、124bがそれぞれ設けられ、さらに、溝122a〜122nおよび導波路間隙124a、124bで分断されるアーム導波路121の幅が拡大された特性補償領域を、熱光学スイッチに組み込むようにしたものである。
図35において、アーム導波路121には、幅広部121cおよび幅狭部121a、121eが設けられ、幅広部121cおよび幅狭部121a、121eは、テーパ部121b、121dをそれぞれ介して滑らかに接続されている。そして、アーム導波路121には、幅広部121cを横切る幅W3の複数の溝122a〜122nが、それぞれ間隔dgroove8だけ空けて形成され、これらの溝121a〜121nは、アーム導波路121からクラッドおよびコアの一部を除去することにより形成することができる。
また、これらの溝121a〜121nには、アーム導波路121の実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料121a〜121nがそれぞれ充填されている。また、アーム導波路121の幅広部121cには、溝122aの前段に間隔dgap81だけ空けて、幅Wgap81の導波路間隙124aが設けられるとともに、溝122nの後段に間隔dgap82だけ空けて、幅Wgap82の導波路間隙124bが設けられ、導波路間隙124a、124bは、アーム導波路121のコアの一部をクラッドで置き換えることにより付加的な製造工程なしに構成することができる。
また、導波路間隙124a、124bの幅Wgap81、Wgap82は、導波路間隙124a、124b全体での放射損失が、温度補償材料123a〜123nが充填された溝122a〜122n全体での放射損失より小さくなるように設定することができる。また、溝122aと導波路間隙124aの間隔dgap81は、導波路間隙124aを通過した光波が完全に放射に転じる前に溝122aに到達できるような距離に設定することができ、溝122nと導波路間隙124bの間隔dgap82は、溝122nを通過した光波が完全に放射に転じる前に導波路間隙124bに到達できるような距離に設定することができる。
例えば、溝数は12、溝122a〜122nの幅W3はそれぞれ25μm、隣接する溝122a〜122nの間の間隔dgroove8はそれぞれ20μmとして、溝122a〜122nによって除去されるアーム導波路121の長さは、計300μmとすることができ、溝122a〜122nは、フォトリソグラフィおよび反応性エッチングによって形成することができる。
また、アーム導波路121の比屈折率差は1.5%、幅狭部121a、121eのコア幅×コア厚は4.5μm×4.5μm、幅広部121cのコア幅×コア厚は9.0μm×4.5μm、導波路間隙124aの幅Wgap81は20μm、溝122aと導波路間隙124aとの間の間隔dgap81は15μm、導波路間隙124bの幅Wgap82は20μm、溝122nと導波路間隙124bとの間の間隔dgap82は15μmとし、温度補償材料123a〜123nとして、シリコーン樹脂を用いることができる。
この場合、図13の溝262a〜262nが設けられた光導波路261の過剰損失が3.1dBであるのに対し、図35の溝122a〜122nおよび導波路間隙124a、124bに加え、幅広部121cが設けられたアーム導波路121の過剰損失の合計が2.1dBとなり、図13の構成に比べて、過剰損失を1.0dBだけ低減することができる。
(第12の実施形態)
図36は、本発明の第12実施形態に係る光導波路回路の概略構成を示す平面図である。なお、この第12実施形態は、第1損失要素として、溝137に充填された温度補償材料が設けられるとともに、第2損失要素として、溝137の前段および後段に導波路間隙138a、138bがそれぞれ設けられた特性補償領域136を、外部共振器型周波数安定化レーザに組み込むようにしたものである。
図36において、シリコン基板131上には、石英系ガラスをクラッドおよびコアとする光導波路133が形成されるとともに、光導波路133には光誘起グレーティング134が設けられている。また、光導波路133には、温度変化によるモードホップを抑制する特性補償領域136が設けられ、特性補償領域136には、光導波路133を横切る溝137が設けられ、溝137は、光導波路133からクラッドおよびコアの一部を除去することにより形成することができる。
また、溝137には、光導波路133の実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料が充填されている。また、特性補償領域136には、溝137の前段に所定間隔だけ隔てて、所定幅の導波路間隙138aが設けられるとともに、溝137の後段に所定間隔だけ隔てて、所定幅の導波路間隙138bが設けられ、これらの導波路間隙138a、138bは、光導波路133のコアの一部をクラッドで置き換えることにより付加的な製造工程なしに構成することができる。また、シリコン基板131上には、クラッド層を除去することにより形成されたシリコンテラス135が設けられ、シリコンテラス135上には、半導体レーザ132が搭載されている。
そして、光導波路133を導波する光は、放射損失を伴いつつ、導波路間隙138aを通過した後、温度補償材料が充填された溝137を伝播し、さらに、導波路間隙138bを通過した後、再び光導波路133を伝播する。
このため、溝137に入射する光波のビーム径を擬似的に、水平方向だけでなく垂直方向にも拡大することが可能となるとともに、溝137から出射する光波のビーム径を水平および垂直方向に縮小することが可能となり、外部共振器型周波数安定化レーザの温度変化によるモードホップを抑制しつつ、光導波路133を光波が伝播する際の過剰損失を減らすことが可能となる。
(第13の実施形態)
本発明の第13の実施形態に係る光導波路の概略構成を示す平面図は、第12実施形態の図36と同様である。また、図37は、この第13実施形態において図36の外部共振器型周波数安定化レーザにおける特性補償領域を拡大して示す平面図である。なお、この第13実施形態は、第1損失要素として、複数の溝142a〜142nに充填された温度補償材料143a〜143nが設けられるとともに、第2損失要素として、溝142a〜142nの前段および後段に導波路間隙144a、144bがそれぞれ設けられ、さらに、溝142a〜142nおよび導波路間隙144a、144bで分断される光導波路141の幅が拡大された特性補償領域を、外部共振器型周波数安定化レーザに組み込むようにしたものである。
図37において、光導波路141には、幅広部141cおよび幅狭部141a、141eが設けられ、幅広部141cおよび幅狭部141a、141eは、テーパ部141b、141dをそれぞれ介して滑らかに接続されている。そして、光導波路141には、幅広部141cを横切る幅W4の複数の溝142a〜142nが、それぞれ間隔dgroove9だけ空けて形成され、これらの溝141a〜141nは、光導波路141からクラッドおよびコアの一部を除去することにより形成することができる。
また、これらの溝142a〜142nには、光導波路141の実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有する温度補償材料143a〜143nがそれぞれ充填されている。また、光導波路141の幅広部141cには、溝142aの前段に間隔dgap91だけ空けて、幅Wgap91の導波路間隙144aが設けられるとともに、溝142nの後段に間隔dgap92だけ空けて、幅Wgap92の導波路間隙144bが設けられ、これらの導波路間隙144a、144bは、光導波路141のコアの一部をクラッドで置き換えることにより、付加的な製造工程なしに構成することができる。
また、導波路間隙144a、144bの幅Wgap91、Wgap92は、導波路間隙144a、144b全体での放射損失が、温度補償材料143a〜143nが充填された溝142a〜142n全体での放射損失より小さくなるように設定することができる。また、溝142aと導波路間隙144aの間隔dgap91は、導波路間隙144aを通過した光波が完全に放射に転じる前に溝142aに到達できるような距離に設定することができ、溝142nと導波路間隙144bの間隔dgap92は、溝142nを通過した光波が完全に放射に転じる前に導波路間隙144bに到達できるような距離に設定することができる。
例えば、溝数は12、溝142a〜142nの幅W4はそれぞれ25μm、隣接する溝142a〜142nの間の間隔dgroove9はそれぞれ20μmとして、溝142a〜142nによって除去される光導波路141の長さは、計300μmとすることができ、溝142a〜142nは、フォトリソグラフィおよび反応性エッチングによって形成することができる。
また、光導波路141の比屈折率差は1.5%、幅狭部141a、141eのコア幅×コア厚は4.5μm×4.5μm、幅広部141cのコア幅×コア厚は9.0μm×4.5μm、導波路間隙144aの幅Wgap91は20μm、溝142aと導波路間隙144aとの間の間隔dgap91は15μm、導波路間隙144bの幅Wgap92は20μm、溝142nと導波路間隙144bとの間の間隔dgap92は15μmとし、温度補償材料143a〜143nとして、シリコーン樹脂を用いることができる。
この場合、図13の溝262a〜262nが設けられた光導波路261の過剰損失が3.1dBであるのに対し、図37の溝142a〜142nおよび導波路間隙144a、144bに加え、幅広部141cが設けられた光導波路141の過剰損失の合計が2.1dBとなり、図13の構成に比べて、過剰損失を1.0dBだけ低減することができる。
(第14の実施形態)
図38は、本発明の第14実施形態に係る光導波回路の構成を示す平面図である。なお、第14実施形態は、光導波路の交差部の前段および後段に、ダミー導波路を交差させるようにしたものである。
図38において、石英系ガラスをクラッドおよびコアとする光導波路151、152が交差するように配置されている。ここで、光導波路151、152の交差角αは、プレーナ光波回路全体のレイアウトに依存して設定することができる。また、光導波路151、152の交差部の前段および後段には、光導波路151と交差するようにして、ダミー導波路153、154がそれぞれ配置されている。
ここで、ダミー導波路153、154の幅は、ダミー導波路153、154と光導波路151との交差部全体での放射損失が、光導波路151、152の交差部での放射損失より小さくなるように設定することができる。また、光導波路151、152の交差部と、光導波路151とダミー導波路153の交差部との間の間隔d1は、光導波路151とダミー導波路153の交差部を通過した光波が完全に放射に転じる前に光導波路151、152の交差部に到達できるような距離に設定することができ、光導波路151、152の交差部と、光導波路151とダミー導波路154の交差部との間の間隔d2は、光導波路151、152の交差部を通過した光波が完全に放射に転じる前に光導波路151とダミー導波路154の交差部に到達できるような距離に設定することができる。
例えば、光導波路151、152の交差角αは15°、光導波路151、152およびダミー導波路153、154の比屈折率差は1.5%、光導波路151、152のコア幅×コア厚は4.5μm×4.5μm、ダミー導波路153、154のコア幅×コア厚は1.5μm×4.5μm、光導波路151、152の交差部と、光導波路151とダミー導波路153の交差部との間の間隔d1は25μm、光導波路151、152の交差部と、光導波路151とダミー導波路154の交差部との間の間隔d2は25μmとすることができる。
そして、光導波路151を導波する光は、放射損失を伴いつつ、光導波路151とダミー導波路153の交差部を通過した後、光導波路151、152の交差部を通過し、さらに、光導波路151とダミー導波路154の交差部を通過した後、再び光導波路151を伝播する。
このため、光導波路151、152の交差部の前段にダミー導波路153を設けることにより、光導波路151、152の交差部に入射する光波のビーム径を擬似的に拡大することが可能となるとともに、光導波路151、152の交差部の後段にダミー導波路153を設けることにより、光導波路151、152の交差部から出射する光波のビーム径を擬似的に拡大することが可能となり、交差部が設けられた光導波路151を光波が伝播する際の過剰損失をさらに減らすことが可能となる。
例えば、図19の光導波路291、292の交差部での過剰損失が0.034dBであるのに対し、図38のダミー導波路153、154が設けられた光導波路151の交差部での過剰損失の合計が0.023dBとなり、図19の構成に比べて、過剰損失を0.011dBだけ低減することができる。
(第15の実施形態)
図39は、本発明の第15の実施形態に係る光導波路の概略構成を示す平面図、図40は、図39のスラブ導波路の一方413a近傍を拡大して示す平面図である。なお、この第15実施形態は、第一損失要素として、複数の溝418a〜418nに充填された温度補償材料419a〜419nを用いるともに、第2損失要素として、溝418a〜418nの前段および後段に導波路間隙420aおよび420nがそれぞれ設けられた特性補償領域を、アレイ導波路回折格子に組み込むようにしたものである。
図39において、シリコン基板411上には、石英ガラスをクラッドおよびコアとする、アレイ導波路412、スラブ導波路413aおよび413b、入出力導波路414aおよび414b、が形成され、アレイ導波路412は、内側から外側にむかって、一定量△Lずつ長くなるように構成されている。
さらに、入出力導波路414aは、光ファイバコネクタ415aを介して光ファイバ416aに接続されるとともに、光ファイバ416aは、光ファイバ接続部品417aに接続され、入出力導波路414bは、光ファイバコネクタ415bを介して光ファイバ416bに接続されるとともに、光ファイバ416bは、光ファイバ接続部品417bに接続され、これらの部品は回路ケース422に収容されている。
また、スラブ導波路413aには、透過波長を温度無依存化する特性補償領域421が設けられ、特性補償領域421には、スラブ導波路413aを横切る複数の溝418a〜418nが、それぞれ所定の間隔だけ空けて形成され、これらの溝418a〜418nは、スラブ導波路413aからクラッドおよびコアの一部を除去することにより形成することができる。
ここで、スラブ導波路413aを横切る各溝418a〜418nの幅は、以下の要領で設定されている。すなわち、図40に示すように、アレイ導波路412の外側から(i+1)番目の導波路と入力導波路414aとを結ぶそれぞれの線分において、各溝418a〜418nを横切る幅をL’/nとする。このとき、アレイ導波路412の外側からi番目の導波路と入力導波路414aとを結ぶそれぞれの線分は、各溝418a〜418nを横切る幅が(L’/n+△L’/n)となるように設定されている。なお、△L’は一定量△Lに比例した量である。
また、これらの溝418a〜418nには、アレイ導波路412の実効屈折率の温度係数とは異なる符号の屈析率温度係数を有する温度補償材料419a〜419nがそれぞれ充填されている。また、スラブ光導波路413aには、入力導波路414aと、アレイ導波路412の外側からi番目の導波路それぞれを結ぶ線分上において、溝418aの前段、および溝418n後段に、間隔dgap空けて、幅wgapの導波路間隙420a、420bが設けられ、導波路間隙420a、420bは、スラブ光導波路413aのコアの一部をクラッドでそれぞれ置き換えることにより、付加的な製造工程なしに構成することができる。
また、導波路間隙420a、420bの幅wgapは、導波路間隙420aまたは420bでの放射損失が、温度補償材料419a〜419nが充填された溝418a〜418n全体での放射損失よりも小さくなるように設定することができ、また、導波路間隙420aと溝418a、および、導波路間隙420bと溝418nの間隔dgapは、導波路間隙420aを通過した光波が完全に放射に転じる前に溝418aに到達し、清418nを通過した光波が完全に放射に転じる前に導波路間隙420bに到達できるような距離に設定することができる。
ここで、溝418a〜418nの前段に導波路間隙420aを設けることにより、溝418a〜418nに入射する光波のビーム径を、擬似的に、垂直方向に拡大することが可能となるとともに、溝418a〜418nの後段に導波路間隙420bを設けることにより、溝418a乃至418から出射する光波のビーム径を擬似的に、垂直方向に縮小することが可能となり、損失要素が設けられたスラブ光導波路413aを光波が伝播する際の過剰損失が低減される。
例えば、アレイ導波路412の本数Nawgは130本、隣接するアレイ導波路412の長さの差△Lは60μm、アレイ導波路412の比屈折率差は1.5%、コア幅×コア厚は4.5μm×4.5μm、スラブ光導波路403aの比屈析率差は1.5%そして、コア厚は4.5μmとすることができる。なお、この設計により、波長チャネル間隔0.8nm、チャネル数16のアレイ導波路回折格子を実現することができる。このとき、スラブ光導波路403aにおいて、入力導波路414aと、アレイ導波路412の隣接する導波路それぞれとを結ぶ線分上で、溝418a〜418nによって除去される長さの差△L’は、1.25μmである。
また、溝数は8とする。このとき、スラブ光導波路403aにおいて、入力導波路414aと、アレイ導波路412の隣接する導波路それぞれとを結ぶ線分上で、溝418a〜418nそれぞれによって除去される長さの差△L’/nは、1.25/8=0.16μmである。また、入力導波路414aと、アレイ導波路412の外側からi番目の導波路それぞれを結ぶ線分上における導波路間隙420a、420bの幅wgapは、0.15×△L’×(Nawg+1-i)μmとし、同線分上において、溝418aと間隙420aまたは溝418nと間隙420bとの間隔dgapは20μmとし、温度補償材料419a〜419nとして、シリコーン樹脂を用いることができる。
この場合、図20および図21の溝305が設けられたスラブ光導波路303aの過剰損失は、溝305を8本に分割したときに1.6dBであるのに対して、図39および図40の溝418a〜418nと導波路間隙420aおよび420bが設けられたスラブ光導波路413aの過剰損失の合計は1.1dBとなり、従来の構成に比べて、過剰損失を0.5dBだけ低減することができる。
(第16の実施形態)
図41(a)は、本発明の第16の実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図、図41(b)は、図41(a)のA14−A14で切断した断面図である。なお、この第16実施形態は、第一損失要素として、溝504に挿入された波長選択フィルタ507、および波長選択フィルタ507を固定するために充填された接着剤505を用いるともに、第2損失要素として、溝504の前段および後段に導波路間隙506a、506bがそれぞれ設けられ、さらに、溝504、および、導波路間隙506a、506bで分断される光導波路503の幅を拡大するようにしたものであり、所定の波長を透過するフィルタ機能を有する光導波路である。
図41(a)および図41(b)において、シリコン基板501上には、石英ガラスからなるクラッド層502が形成され、クラッド層502内には石英ガラスをコアとする光導波路503が形成されている。ここで、光導波路503には、幅広部503cおよび幅狭部503a、503eが設けられ、幅広部503cおよび幅狭部503a、503eは、テーパ部503b、503dをそれぞれ介して滑らかに接続されている。
また、光導波路503には、幅広部503cを横切る幅Wgrooveの溝504が設けられ、溝504は、エッチングあるいはダイシングソーによる加工によって、光導波路503からクラッド層502およびコアの一部を除去することにより形成することができる。また溝504には、波長選択フィルタ507が挿入され、さらに、接着剤505が充填されて波長選択フィルタ507が固定されている。波長選択フィルタ507は所定の波長の光のみを透過するフィルタであり、誘電体多層膜フィルタで構成される。
また、光導波路503の幅広部503cには、溝504の前段に間隔dgap101だけ空けて、幅wgap101の導波路間隙506aが設けられるとともに、溝504の後段に間隔dgap102だけ空けて、幅wgap102の導波路間隙506bが設けられ、これらの導波路間隙506a、506bは、光導波路503のコアの一部をクラッド層502で置き換えることにより、付加的な製造工程なしに構成することができる。
また、導波路間隙506a、506bの幅wgap101およびwgap102は、導波路間隙506aまたは506bでの放射損失が、波長選択フィルタ507が挿入され、接着剤505が充填された溝504での放射損失よりも小さくなるように設定することができる。また、導波路間隙506aと溝504、および、導波路間隙506bと溝504の間隔dgap101およびdgap102は、導波路間隙506aを通過した光波が完全に放射に転じる前に溝504に到達し、溝504を通過した光波が完全に放射に転じる前に導波路間隙506bに到達できるような距離に設定することができる。
このとき、光導波路503を導波する光は、幅狭部503aから幅広部503cに入射する際に水平方向にビーム径が拡大された後、放射損失を伴いつつ、導波路間隙506aを通過する。そして、放射損失を伴いつつ溝504を伝播し、さらに、導波路間隙506bを通過した後、幅広部503cから幅狭部503eに入射する際に水平方向にビーム径が縮小され、光導波路503を導波する。
ここで、溝504の前段に導波路間隙506aを設けることにより、溝504に入射する光波のビーム径を擬似的に、(特に垂直方向に)拡大することが可能になるとともに、溝504の後段に導波路間隙506bを設けることにより、構504から出射する光波のビーム径を擬似的に、(特に垂直方向に)縮小することが可能になる。これにより、波長選択フィルタ507が挿入され溝504という損失要素が設けられた光導波路503を光波が伝播する際の過剰損失がさらに低減される。
(第17の実施形態)
図42は、本発明の第17の実施形態に係る光導波路の概略構成を示す平面図、図43は、図42のアレイ導波路近傍を拡大して示す平面図である。なお、この第17実施形態は、第一損失要素として、溝560に充填された半波長板563および半波長板563を固定するために充填された接着剤561を用いるともに、第2損失要素として、溝560の前段および後段に導波路間隙562a、562bがそれぞれ設けられた特性補償領域を、アレイ導波路回折格子に組み込むようにしたものである。半波長板563は通過する光波の偏光状態を90度回転する機能を有しており、この特性補償領域を組み込むことで、アレイ導波路回折格子の透過特性の偏光依存性が補償される。
図42において、シリコン基板551上には、石英ガラスをクラッドおよびコアとする、アレイ導波路552、スラブ導波路553a、553b、入出力導波路554a、554bが形成され、アレイ導波路552は、内側から外側にむかって、一定量△Lずつ長くなるように構成されている。
さらに、入出力導波路554aは、光ファイバコネクタ555aを介して光ファイバ556aに接続されるとともに、光ファイバ556aは、光ファイバ接続部品557aに接続され、入出力導波路554bは、光ファイバコネクタ555bを介して光ファイバ556bに接続されるとともに、光ファイバ556bは、光ファイバ接続部品557bに接続され、これらの部晶は回路ケース559に収容されている。
また、アレイ導波路552の一部には、偏光無依存化する特性補償領域558が設けられ、この特性補償領域558においては、アレイ導波路552に、幅広部552cおよび幅狭部552a、552eが設けられており、これら幅広部552cと幅狭部552aおよび552eは、テーパ部552b、552dをそれぞれ介して滑らかに接続されている。また、複数のアレイ導波路552を横切る溝560が形成され、この溝560は、ダイシングソーでの加工によりアレイ導波路552からクラッドおよびコアの一部を除去することにより形成することができる。
また、これらの溝560には、半波長板563が挿入され、さらに接着剤561が充填されて半波長板563が固定されている。この半波長板563は高分子材料で構成される。
また、アレイ導波路552の幅広部552cには、溝560の前段に間隔dgap111だけ空けて、幅wgap111の導波路間隙562aが設けられるとともに、溝560の後段に間隔dgap112だけ空けて、幅wgap112の導波路間隙562bが設けられ、これらの導波路間隙562a、562bは、光導波路552のコアの一部をクラッドで置き換えることにより、付加的な製造工程なしに構成することができる。
また、導波路間隙562a、562bの幅wgap111およびwgap112は、導波路間隙562aまたは562bでの放射損失が、半波長板563が挿入され、接着剤561が充填された溝560での放射損失よりも小さくなるように設定することができ、また、導波路間隙562aと溝560、および導波路間隙562bと溝560の間隔dgap111およびdgap112は、導波路間隙562aを通過した光波が完全に放射に転じる前に溝560に到達して、溝560を通過した光波が完全に放射に転じる前に導波路間隙562bに到達できるような距離に設定することができる。
このとき、アレイ導波路552を導波する光は、幅狭部552aから幅広部552cに入射する際に水平方向にビーム径が拡大された後、放射損失を伴いつつ、導波路間隙562aを通過する。そして、放射損失を伴いつつ溝560を伝播し、さらに、導波路間隙562bを通過した後、幅広部552cから幅狭部552eに入射する際に水平方向にビーム径が縮小され、光導波路503を導波する。
ここで、溝560の前段に導波路間隙562aを設けることにより、溝560に入射する光波のビーム径を擬似的に、特に垂直方向に拡大することが可能となるとともに、溝560の後段に導波路間隙562bを設けることにより、溝560から出射する光波のビーム径を、擬似的に、特に垂直方向に縮小することが可能になり、半波長板563が挿入された溝560という損失要素が設けられたアレイ導波路552を光波が伝播する際の過剰損失がさらに低減される。
(第18の実施形態)
図44は、本発明の第18の実施形態に係る光導波路の概略構成を示す平面図、図45(a)は、図44の領域603あるいは604を拡大して示す平面図、図45(b)は、図45(a)のA15−A15で切断した断面図である。なお、この第18実施形態は、第一損失要素として、光導波路601の、光導波路602との交差を用いるともに、第2損失要素として、この交差の前段および後段に縞状コア部605を設けたものである。
図44、図45(a)および図45(b)において、シリコン基板606上には、石英ガラスからなるクラッド層607が形成され、クラッド層607内には石英ガラスをコアとする光導波路が形成されている。また、光導波路601、602は交差するように配置されており、光導波路601、602の交差角αは、プレーナ光波回路全体のレイアウトに依存して設定される。
また、光導波路601には、光導波路602との交差の前段に間隔d1だけ空けて、縞状コア部605が設けられるとともに、光導波路602との交差の後段に間隔d2だけ空けて、同様の縞状コア部605が設けられ、これらの縞状コア部605は、光導波路601のコアの一部をクラッド層607で置き換えることにより、付加的な製造工程なしに構成することができる。
ここで、光導波路601を導波する光が縞状コア部605を通過する際には、光の閉じ込めが弱くなるために放射損失が発生する。また、縞状コア部605では、そのコア幅や本数や長さを調整することで、縞状コア部605での放射損失が、光導波路601と光導波路602との交差での放射損失より小さくなるように設定することができ、また、縞状コア部605と、光導波路601と光導波路602との交差の間隔d1およびd2は、縞状コア部605を通過した光波が完全に放射に転じる前に光導波路601と光導波路602との交差に到達し交差を通過した光波が完全に放射に転じる前に縞状コア部605に到達できるような距離に設定することができる。
ここで、光導波路601と光導波路602との交差の前段に縞状コア部605を設けることにより、光導波路602との交差に入射する光波のビーム径を、擬似的に、水平および垂直の両方向に拡大することが可能になるとともに、光導波路602との交差の後段に縞状コア部605を設けることにより、光導波路602との交差から出射する光波のビーム径を、擬似的に、水平および垂直の両方向に縮小することが可能となり、光導波路602との交差という損失要素が設けられた光導波路601を光波が伝播する際の過剰損失が低減される。
(第19の実施形態)
本発明の第19の実施形態に係る光導波路の概略構成を示す平面図は、第18実施形態の図44と同様である。
図46(a)は、この第19実施形態において図44の領域603あるいは604を拡大して示す平面図、図46(b)は、図46(a)のA16−A16で切断した断面図である。なお、この第19実施形態は、第一損失要素として、光導波路601の、光導波路602との交差を用いるともに、第2損失要素として、この交差の前段および後段に分布コア部608を設けたものである。
図44、図46(a)および図46(b)において、シリコン基板609上には、石英ガラスからなるクラッド層610が形成され、クラッド層610内には石英ガラスをコアとする光導波路が形成されている。また、光導波路601、602は交差するように配置されており、光導波路601、602の交差角αは、プレーナ光波回路全体のレイアウトに依存して設定される。
また、光導波路601には、光導波路602との交差の前段に間隔d1だけ空けて、分布コア部608が設けられるとともに、光導波路602との交差の後段に間隔d2だけ空けて、同様の分布コア部608が設けられ、これらの分布コア部608は、光導波路601のコアの一部をクラッド層610で置き換えることにより、付加的な製造工程なしに構成することができる。
ここで、光導波路601を導波する光が分布コア部608を通過する際には、光の閉じ込めが弱くなるために放射損失が発生する。また、分布コア部608では、その分布するコアの大きさや密度あるいは分布の長さを調整することで、分布コア部608での放射損失が、光導波路601と光導波路602との交差での放射損失より小さくなるように設定することができ、また、分布コア部608と、光導波路601と光導波路602との交差の間隔d1およびd2は、分布コア部608を通過した光波が完全に放射に転じる前に光導波路601と光導波路602との交差に到達し、交差を通過した光波が完全に放射に転じる前に分布コア部608に到達できるような距離に設定することができる。
ここで、光導波路601と光導波路602との交差の前段に分布コア部608を設けることにより、光導波路602との交差に入射する光波のビーム径を、擬似的に、水平および垂直の両方向に拡大することが可能になるとともに、光導波路602との交差の後段に分布コア部608を設けることにより、光導波路602との交差から出射する光波のビーム径を、擬似的に、水平および垂直の両方向に縮小することが可能となり、光導波路602との交差という損失要素が設けられた光導波路601を光波が伝播する際の過剰損失が低減される。
(第20の実施形態)
図47(a)は、本発明の第20の実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図、図47(b)は、図47(a)のA17−A17で切断した断面図である。なお、この第20実施形態は、第一損失要素として、溝704に充填された温度補償材料705を用いるともに、第2損失要素として、溝704の前段および後段に同様の温度補償材料が充填された溝706a、706bがそれぞれ設けられ、さらに、溝704、および、溝706a、706bで分断される光導波路703の幅を拡大するようにしたものである。
図47(a)および図47(b)において、シリコン基板701上には、石英ガラスをからなるクラッド層702が形成され、クラッド層702内には石英ガラスをコアとする光導波路703が形成されている。ここで、光導波路703には、幅広部703cおよび幅狭部703a、703eが設けられ、幅広部703cおよび幅狭部703a、703eは、テーパ部703b、703dをそれぞれ介して滑らかに接続されている。
また、光導波路703には、幅広部703cを横切る幅Wgrooveの溝704が設けられ、溝704は、エッチングによる加工によって、光導波路703からクラッド層702およびコアの一部を除去することにより形成することができる。
また、溝704には、温度補償材料705が充填されている。なお、温度補償材料705はシリコーン樹脂である。
また、光導波路703の幅広部703cには、溝704の前段に間隔d1だけ空けて、幅w1の温度補償材料が充填された溝706aが設けられるとともに、溝704の後段に間隔d2だけ空けて幅w2の温度補償材料が充填された溝706bが設けられ、これらの溝706a、706bは、エッチングあるいはダイシングソーによる加工によって、光導波路703のコアの一部をクラッド層702で置き換えることにより構成することができる。
また、導波路間隙706a、706bの幅w1およびw2は、導波路間隙706aまたは706bでの放射損失が、温度補償材料705が充填された溝704での放射損失より小さくなるように設定することができ、また、溝706aと溝704、および溝706bと溝704の間隔d1およびd2は、溝706aを通過した光波が完全に放射に転じる前に溝704に到達して、溝704を通過した光波が完全に放射に転じる前に溝706bに到達できるような距離に設定することができる。
このとき、光導波路703を導波する光は、幅狭部703aから幅広部703cに入射する際に水平方向にビーム径が拡大された後、放射損失を伴いつつ、溝706aを通過する。そして、放射損失を伴いつつ溝704を伝播し、さらに、溝706bを通過した後、幅広部703cから幅狭部703eに入射する際に水平方向にビーム径が縮小され、光導波路703を導波する。
ここで、溝704前段に溝706aを設けることにより、溝704に入射する光波のビーム径を、擬似的に、特に垂直方向に拡大することが可能になるとともに、溝704の後段に溝706bを設けることにより、溝704から出射する光波のビーム径を、擬似的に、特に垂直方向に縮小することが可能となり、溝704という損失要素が設けられた光導波路703を光波が伝播する際の過剰損失が低減される。
(第21の実施の形態)
図48は、本発明の第21の実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図である。なお、この第21実施形態は、第一損失要素として、溝804に挿入された波長選択フィルタ807および波長選択フィルタ807を固定するために充填された接着剤805を用いるともに、第2損失要素として、溝804の前段および後段にクラッド屈折率誘起領域806a、806b、806c、806dがそれぞれ設けられ、さらに溝804で分断される光導波路803の幅を拡大するようにしたものであり、所定の波長を透過するフィルタ機能を有する光導波路である。
図48において、シリコン基板801上には、石英ガラスのコアとクラッドからなる光導波路803が形成されている。ここで、光導波路803には、幅広部803cおよび幅狭部803a、803eが設けられ、幅広部803cおよび幅狭部803a、803eは、テーパ部803b、803dをそれぞれ介して滑らかに接続されている。
また、光導波路803には、幅広部803cを横切る幅Wgrooveの溝804が設けられ、溝804は、エッチングあるいはダイシングソーによる加工によって、光導波路803からクラッドおよびコアの一部を除去することにより形成することができる。
また、溝804には、波長選択フィルタ807が挿入され、さらに接着剤805が充填されて波長選択フィルタ807が固定されている。波長選択フィルタ807は所定の波長の光のみを透過するフィルタであり、誘電体多層膜フィルタで構成される。
また、光導波路803の幅広部803cには、溝804の前段に間隔d1だけ空けて、クラッド屈折率誘起領域806a、806bが設けられるとともに、溝804の後段に間隔d2だけ空けて、クラッド屈折率誘起領域806c、806dが設けられ、これらのクラッド屈析率誘起領域806a、806b、806c、806dは、光導波路803クラッドの一部に紫外線レーザ光を照射することにより構成することができる。
ここで、光導波路601を導波する光がクラッド屈折率誘起領域806a、806b、806c、806d近傍を通過する際には、クラッドの屈析率が周囲より大きいことで光の閉じ込めが弱くなるために放射損失が発生する。また、クラッド屈折率誘起領域806a、806b、806c、806dの屈折率誘起量は、その近傍での放射損失が、波長選択フィルタ807が挿入され、接着剤805が充填された溝804での放射損失より小さくなるように設定することができ、また、クラッド屈折率誘起領域806a、806bと溝804、およびクラッド屈析率誘起領域806c、806dと溝804の間隔d1、d2は、クラッド屈折率誘起領域806a、806b近傍を通過した光波が完全に放射に転じる前に溝804に到達し、溝804を通過した光波が完全に放射に転じる前にクラッド屈折率誘起領域806c、806dに到達できるような距離に設定することができる。
このとき、光導波路803を導波する光は、幅狭部803aから幅広部803cに入射する際に水平方向にビーム径が拡大された後、放射損失を伴いつつ、クラッド屈折率誘起領域806a、806b近傍を通過する。そして、放射損失を伴いつつ溝804を伝播し、さらに、クラッド屈析率誘起領域806c、806d近傍を通過した後、幅広部803cから幅狭部803eに入射する際に水平方向にビーム径が縮小され、光導波路803を導波する。
ここで、溝804の前段にクラッド屈折率誘起領域806a、806bを設けることにより、溝804に入射する光波のビーム径を、擬似的に、特に垂直方向に拡大することが可能になるとともに、溝804の後段にクラッド屈折率誘起領域806c、806dを設けることにより、溝804から出射する光波のビーム径を、擬似的に、特に垂直方向に縮小することが可能となり、波長選択フィルタ804という損失要素が設けられた光導波路703を光波が伝播する際の過剰損失が低減される。
なお、上述した実施形態では、単一導波路、アレイ導波路回折格子、熱光学スイッチ、外部共振器型周波数安定化レーザ、交差導波路を例にとって説明したが、本発明はこれらの光導波回路に限定されることなく、他の様々の光導波回路に適用することが可能である。
例えば、光導波路の一部が除去されて形成され、雰囲気中に開口されている溝、光導波路の一部が除去されて形成され、シリコーン樹脂などの材料が充填された溝、光導波路の一部が除去されて形成され、薄膜フィルタなど任意の特性を有する光学材料および部品が挿入された溝、光導波路の一部が除去されて形成され、薄膜フィルタなど任意の特性を有する光学材料および部品が挿入されるとともに、接着剤などの材料が充填された溝、あるいは、他の光導波路との交差など、伝播する光波に放射損失を生じさせる損失要素を光導波路上に有する光導波回路全般に適用することができる。
また、上述した実施形態では、光導波路の比屈折率差、コア幅およびコア厚などを特定の値に限定して説明したが、本発明は必ずしもこれらの値に限定されるものではない。また、上述した第1〜第13実施形態では、第2損失要素が導波路間隙である場合を例にとって説明したが、第2損失要素は必ずしも導波路間隙である必要はなく、例えば、導波路交差などの他の様々の損失要素を用いることができ、高比屈折率差光導波路と低比屈折率差光導波路とを結合させるようにしてもよい。
また、上述した第1〜第13および15〜17実施形態では、溝の本数および幅、隣接する溝の間隔、導波路間隙の個数および幅、隣接する導波路間隙の間隔、隣接する溝と導波路間隙の間隔などを特定の値に限定して説明したが、本発明は必ずしもこれらの値に限定されるものではない。また、上述した第4、第6、第9、第11、第13、第16、第17、第20、第21実施形態では、導波路損失部のコア幅を大きくする方法について説明したが、導波路損失部のコア厚を大きくしたり、導波路損失部のコア幅およびコア厚の双方を大きくしたり、導波路損失部のコア幅を小さくしたり、導波路損失部のコア厚を小さくしたり、導波路損失部のコア幅およびコア厚の双方を小さくしたりしてもよい。
また、上述した第7〜第9、第15、第17実施形態では、アレイ導波路回折格子のパラメータを特定の値に限定して説明したが、本発明は必ずしもこれらの値に限定されるものではない。
また、上述した第14実施形態では、隣接する導波路交差の間隔を特定の値に限定して説明したが、本発明は必ずしもこれらの値に限定されるものではない。また、上述した第14実施形態では、光導波路151、152の交差角αを15°、光導波路151とダミー導波路153の交差角を90°、光導波路151とダミー導波路154の交差角を90°に限定して説明したが、本発明は必ずしもこれらの値に限定されるものではない。
以上説明したように、本発明によれば、第1損失要素の放射損失よりも小さな放射損失を生じさせる第2損失要素を光導波路に設けることにより、第1損失要素に入射する光波のビーム径を擬似的に拡大して、第1損失要素における光波の放射角を小さくすることができ、光導波路を光が伝搬する際の過剰損失を低減させることが可能となる。
本発明は、回路サイズの増大が殆どなく、かつ、製造工程を付加することなく、損失要素が設けられた光導波路の放射損失を低減することが可能な光導波回路を提供することを可能とする。
従来のアレイ光導波路回折格子の構成を示す平面図である。 図1のA7−A7線で切断した断面図である。 従来の熱光学スイッチの構成を示す平面図である。 図3のA8−A8線で切断した断面図である。 従来の外部共振器型周波数安定化レーザの構成を示す斜視図である。 従来の温度補償化されたアレイ光導波路回折格子の構成を示す平面図である。 図6の光導波路を1本分について示す平面図である。 図6の光導波路を拡大して示す平面図である。 (a)は、図8のA9−A9線で切断した断面図、(b)は、図8のA10−A10線で切断した断面図である。 図6の光導波路を1本分について示す平面図である。 図6の光導波路を拡大して示す平面図である。 図6の光導波路のその他の例を示す平面図である。 図12の光導波路を1本分について示す平面図である。 図6の光導波路を拡大して示す平面図である。 従来の消費電力が低減された熱光学スイッチの構成を示す平面図である。 図15のA11−A11線で切断した断面図である。 従来のモードホップが抑制化された外部共振器型周波数安定化レーザの構成を示す斜視図である。 (a)は図17のA12−A12線で切断した断面図、(b)は、図17のA13−A13線で切断した断面図である。 従来の交差型光導波路の構成を示す平面図である。 従来の温度補償されたアレイ導波路回折格子の構成を示す平面図である。 図20のスラブ導波路の一方303a近傍を拡大して示す平面図である。 溝により除去された導波路の長さと放射損失との関係を示す図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図、(b)は図(a)のA1−A1線で切断した断面図である。 (a)は図23(a)のB1−B1線で切断した断面図、(b)は図23(a)のC1−C1線で切断した断面図、(c)は、図23(a)のD1−D1線で切断した断面図である。 (a)は本発明の第2実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図、(b)は図(a)のA2−A2線で切断した断面図である。 (a)は本発明の第3実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図、(b)は図(a)のA3−A3線で切断した断面図である。 (a)は本発明の第4実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図、(b)は図(a)のA4−A4線で切断した断面図である。 (a)は図27(a)のB4−B4線で切断した断面図、(b)は図27(a)のC4−C4線で切断した断面図である。 (a)は本発明の第5実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図、(b)は図(a)のA5−A5線で切断した断面図である。 (a)は本発明の第6実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図、(b)は図(a)のA6−A6線で切断した断面図である。 本発明の第7実施形態に係る光導波路回路の概略構成を示す平面図である。 本発明の第8実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図である。 本発明の第9実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図である。 本発明の第10実施形態に係る光導波路回路の概略構成を示す平面図である。 本発明の第11実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図である。 本発明の第12実施形態に係る光導波路回路の概略構成を示す平面図である。 本発明の第13実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図である。 本発明の第14実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図である。 本発明の第15の実施形態に係る光導波路の概略構成を示す平面図である。 図39のスラブ導波路の一方413a近傍を拡大して示す平面図である。 (a)は本発明の第16の実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図、(b)は図(a)のA14−A14で切断した断面図である。 本発明の第17の実施形態に係る光導波路の概略構成を示す平面図である。 図42のアレイ導波路近傍を拡大して示す平面図である。 本発明の第18の実施形態に係る光導波路の概略構成を示す平面図である。 (a)は図44の領域603あるいは604を拡大して示す平面図、(b)は図(a)のA15−A15で切断した断面図である。 (a)は第19実施形態において図44の領域603あるいは604を拡大して示す平面図、(b)は図(a)のA16−A16で切断した断面図である。 (a)は本発明の第20の実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図、(b)は図(a)のA17−A17で切断した断面図である。 本発明の第21の実施形態に係る光導波路の構成を示す平面図である。
符号の説明
1、11、21、31、41、51、61、101、131、301、411、551、606、701 シリコン基板
2、12、22、32、42、52、502、607、610、702 クラッド層
3、13、23、33、43、53、64、121、133、141、151、152、241、233、251、503、601、602、703、803 光導波路
4、14、24、34、44a〜44d、54a〜54d、82a〜82e、92a〜92e、122a〜122e、142a〜142e、242、237、252a〜252n、305、418a〜418n、504、560、704、706a、706b、804 溝
5、15、25、35、45a〜45d、55a〜55d、70、83a〜83e、93a〜93e、110、123a〜123e、137、143a〜143e、238、306、419a〜419n、705 温度補償材料
6、16a、16b、26a〜26f、36a、36b、46a、46b、56a、56b、71a、71b、84a、84b、94a、94b、111a、111b、124a、124b、138a、138b、144a、144b、420a、420b、506a、506b、562a、562b 導波路間隙
33c、53c、91c、121c、141c、241c、233c、251c、503c、552c、703c、803c 幅広部
33a、33e、53a、53e、91a、91e、121a、121e、141a、141e、241a、241e、233a、233e、251a、251e、503a、503e、552a、552e、703a、703e、803a、803e 幅狭部
33b、33d、53b、53d、91b、91d、121b、121d、141b、141d、241b、241d、233b、233d、251b、251d、503b、503d、552b、552d、703b、703d、803b、803d テーパ部
62a、102a、102b、234a 入力導波路
62b、106a、106b、234b 出力導波路
63a 入力側スラブ導波路
63b 出力側スラブ導波路
65a、65b 光ファイバ
66a、66b 光ファイバコネクタ
67a、67b 光ファイバ接続部品
68 回路ケース
69、109、136、421、558 特性補償領域
81、91 光導波路群
103、105 方向性結合器
104a、104b アーム導波路
107 薄膜ヒータ
108a、108b 配線
132 半導体レーザ
134 光誘起グレーティング
135 シリコンテラス
153、154 ダミー導波路
236、251、302、412、552 アレイ導波路
235a、235b、303a、303b、413a、413b、553a、553b スラブ導波路
304a、304b、414a、414b、554a、554b 入出力導波路
414a、414b、555a、555b 光ファイバコネクタ
416a、416b、556a、556b 光ファイバ
417a、417b、557a、557b 光ファイバ接続部品
422、559 回路ケース
507、807 波長選択フィルタ
505、561、805 接着剤
563 半波長板
603、604 領域
605 縞状コア部
608 分布コア部
806a〜806d クラッド屈折率誘起領域

Claims (40)

  1. 光導波路と、
    前記光導波路を伝搬する光の放射損失を生じさせる第1損失要素と、
    前記第1損失要素の前段または後段の少なくとも一方の側に設けられ、前記光導波路を伝搬する光に対し、前記第1損失要素の放射損失よりも小さな放射損失を生じさせる第2損失要素とを備えていることを特徴とする光導波回路。
  2. 前記第2損失要素に入射する光波のビーム径を変換するビーム径変換部をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の光導波回路。
  3. 第1の幅および第1の厚みを有する第1光導波路と、
    第2の幅および第2の厚みを有する第2光導波路と、
    前記第1光導波路と前記第2光導波路との間に結合され、前記第1の幅および前記第1の厚みを前記第2の幅および前記第2の厚みに変換するテーパ部と、
    前記第2光導波路を伝搬する光の放射損失を生じさせる第1損失要素と、
    前記第1損失要素の前段または後段の少なくとも一方の側に設けられ、前記第2光導波路を伝搬する光に対し、前記第1損失要素の放射損失よりも小さな放射損失を生じさせる第2損失要素とを備えていることを特徴とする光導波回路。
  4. 前記第1の幅は前記第2の幅より小さいか、前記第1の厚みは前記第2の厚みより小さいか、前記第1の幅および前記第1の厚みの双方が前記第2の幅および前記第2の厚みより小さいか、前記第1の幅は前記第2の幅より大きいか、前記第1の厚みは前記第2の厚みより大きいか、前記第1の幅および前記第1の厚みの双方が前記第2の幅および前記第2の厚みより大きいことを特徴とする請求項3に記載の光導波回路。
  5. 第1の幅および第1の厚みを有する第1光導波路と、
    第2の幅および第2の厚みを有する第2光導波路と、
    第3の幅および第3の厚みを有する第3光導波路と、
    前記第1光導波路と前記第2光導波路との間に結合され、前記第1の幅および前記第1の厚みを前記第2の幅および前記第2の厚みに変換する第1テーパ部と、
    前記第2光導波路と前記第3光導波路との間に結合され、前記第2の幅および前記第2の厚みを前記第3の幅および前記第3の厚みに変換する第2テーパ部と、
    前記第2光導波路を伝搬する光の放射損失を生じさせる第1損失要素と、
    前記第1損失要素の前段または後段の少なくとも一方に設けられ、前記第2光導波路を伝搬する光に対し、前記第1損失要素の放射損失よりも小さな放射損失を生じさせる第2損失要素とを備えていることを特徴とする光導波回路。
  6. 前記第1の幅および前記第3の幅は前記第2の幅より小さいか、前記第1の厚みおよび前記第3の厚みは前記第2の厚みより小さいか、前記第1の幅および前記第1の厚み並びに前記第3の幅および前記第3の厚みの双方が前記第2の幅および前記第2の厚みより小さいか、前記第1の幅および前記第3の幅は前記第2の幅より大きいか、前記第1の厚みおよび前記第3の厚みは前記第2の厚みより大きいか、前記第1の幅および前記第1の厚み並びに前記第3の幅および前記第3の厚みの双方が前記第2の幅および前記第2の厚みより大きいことを特徴とする請求項5に記載の光導波回路。
  7. 前記光導波路は、石英系ガラスからなるクラッドおよびコアを備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の光導波回路。
  8. 前記第1損失要素は、前記光導波路からクラッドの一部およびコアの一部が除去された溝であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の光導波回路。
  9. 前記溝は、所定間隔を置いて複数配列されていることを特徴とする請求項8に記載の光導波回路。
  10. 前記溝には、前記コアとは異なる材料が充填されていることを特徴とする請求項8または9に記載の光導波回路。
  11. 前記溝に充填された材料は、前記光導波路の実効屈折率の温度係数と異なる符合の屈折率温度係数を有することを特徴とする請求項10に記載の光導波回路。
  12. 前記溝には、所定の機能を有する素子が挿入されていることを特徴とする請求項8に記載の光導波回路。
  13. 前記素子は、前記溝中に充填された接着剤によって固定されていることを特徴とする請求項12に記載の光導波回路。
  14. 前記素子は、半波長板であることを特徴とする請求項12または13に記載の光導波回路。
  15. 前記素子は、所定の波長の光のみを透過する波長選択フィルタであることを特徴とする請求項12または13に記載の光導波回路。
  16. 前記第2損失要素は、前記光導波路のコアの一部をクラッドで置き換えることにより構成された導波路間隙であることを特徴とする請求項1乃至15の何れか1項に記載の光導波回路。
  17. 前記導波路間隙は、前記第1損失要素の前段または後段の少なくとも一方の側に所定間隔を置いて複数配列され、前記導波路間隙は、前記第1損失要素から遠ざかるに従って小さくなっていることを特徴とする請求項16に記載の光導波回路。
  18. 前記光導波路は複数のアレイ導波路を備え、
    前記溝は前記アレイ導波路を横切って形成され、
    前記アレイ導波路の両端にそれぞれ接続されたスラブ導波路をさらに備えていることを特徴とする請求項8乃至17の何れか1項に記載の光導波回路。
  19. 前記光導波路は長さの異なる2本のアーム導波路を備え、
    前記溝は少なくとも一方のアーム導波路を横切って形成され、
    前記アーム導波路の両端にそれぞれ接続された方向性結合器をさらに備えていることを特徴とする請求項8乃至17の何れか1項に記載の光導波回路。
  20. 前記光導波路に設けられた光誘起グレーティングと、
    前記光導波路の端部に搭載された半導体レーザダイオードとを備え、
    前記溝は前記光誘起グレーティングと前記半導体レーザダイオードとの間の光導波路を横切って形成されていることを特徴とする請求項8乃至17の何れか1項に記載の光導波回路。
  21. 前記第1損失要素は、前記光導波路と他の光導波路との交差であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の光導波回路。
  22. 前記光導波路はスラブ導波路であることを特徴とする請求項1に記載の光導波回路。
  23. 前記スラブ導波路は、石英系ガラスからなるクラッドおよびコアを備えていることを特徴とする請求項22に記載の光導波回路。
  24. 前記第1の損失要素は、前記スラブ導波路からクラッドの一部およびコアの一部を除去して得られた溝であることを特徴とする請求項22または23に記載の光導波回路。
  25. 前記溝は、前記スラブ導波路を分断するように設けられており、当該スラブ導波路の分断位置に応じた非一様な幅を有することを特徴とする請求項24に記載の光導波回路。
  26. 前記溝は複数設けられており、互いに所定間隔を有するように配置されていることを特徴とする請求項24または25に記載の光導波回路。
  27. 前記溝中には、前記コアとは異なる材料の物質が充填されていることを特徴とする請求項24乃至26の何れか1項に記載の光導波回路。
  28. 前記溝中に充填される物質の屈折率温度依存性は、前記スラブ導波路の実効屈折率の温度係数とは反対符号を有することを特徴とする請求項27に記載の光導波回路。
  29. 前記溝には、所定の機能を有する素子が挿入されていることを特徴とする請求項24に記載の光導波回路。
  30. 前記素子は、前記溝中に充填された接着剤によって固定されていることを特徴とする請求項29に記載の光導波回路。
  31. 前記素子は、半波長板であることを特徴とする請求項29または30に記載の光導波回路。
  32. 前記第2損失要素は、前記スラブ導波路のコアの一部をクラッドで置き換えた導波路間隙であることを特徴とする請求項22乃至31の何れか1項に記載の光導波回路。
  33. 前記導波路間隙は、前記スラブ導波路を分断するように設けられており、当該スラブ導波路の分断位置に応じた非一様な幅を有することを特徴とする請求項32に記載の光導波回路。
  34. 前記導波路間隙は、前記第1損失要素の前段または後段の少なくとも一方の側に、互いに所定間隔を有するように複数設けられており、当該導波路間隙のサイズが前記第1損失要素から遠ざかるにつれて小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項32または33に記載の光導波回路。
  35. 前記光導波路回路は第1および第2の2つのスラブ導波路を有し、前記第1および第2のスラブ導波路の一端同士を接続するアレイ導波路と、当該第1および第2のスラブ導波路の他端のそれぞれに接続された入出力導波路とを備え、前記溝が前記2つのスラブ導波路のうちの少なくとも一方を横切るように形成されていることを特徴とする請求項24乃至34の何れか1項に記載の光導波回路。
  36. 前記第2損失要素は、前記光導波路のコアの一部を縞状にクラッドで置き換えた縞状コアであることを特徴とする請求項1乃至15または21乃至31の何れか1項に記載の光導波回路。
  37. 前記第2損失要素は、前記光導波路のコアの一部を点状にクラッドで置き換えた分布コアであることを特徴とする請求項1乃至15または21乃至31の何れか1項に記載の光導波回路。
  38. 前記第2損失要素は、前記光導波路からクラッドの一部およびコアの一部を除去して設けられた溝であり、当該溝が空気または所定の屈折率を有する物質で充填されていることを特徴とする請求項1乃至15または21乃至31の何れか1項に記載の光導波回路。
  39. 前記第2損失要素は、前記光導波路と他の光導波路との交差であることを特徴とする請求項1乃至15または21の何れか1項に記載の光導波回路。
  40. 前記第2損失要素は、前記光導波路のクラッドの一部領域へのレーザ照射により、前記クラッドの非照射領域の屈折率よりも高い屈折率を有することとなった領域であることを特徴とする請求項1乃至15または21の何れか1項に記載の光導波回路。
JP2003384296A 2002-11-19 2003-11-13 光導波回路 Expired - Lifetime JP4058402B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003384296A JP4058402B2 (ja) 2002-11-19 2003-11-13 光導波回路

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002335257 2002-11-19
JP2003384296A JP4058402B2 (ja) 2002-11-19 2003-11-13 光導波回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004184990A true JP2004184990A (ja) 2004-07-02
JP4058402B2 JP4058402B2 (ja) 2008-03-12

Family

ID=32774607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003384296A Expired - Lifetime JP4058402B2 (ja) 2002-11-19 2003-11-13 光導波回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4058402B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007108339A (ja) * 2005-10-12 2007-04-26 Hitachi Cable Ltd 温度無依存光合分波器
JP2011215331A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Nec Corp マッハ・ツェンダ干渉計、アレイ導波路回折格子及びマッハ・ツェンダ干渉計の製造方法
WO2012039142A1 (ja) * 2010-09-24 2012-03-29 古河電気工業株式会社 光導波回路
JP2012518202A (ja) * 2009-02-17 2012-08-09 オクラロ テクノロジー リミテッド 光通信用の光チップおよび光デバイス

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007108339A (ja) * 2005-10-12 2007-04-26 Hitachi Cable Ltd 温度無依存光合分波器
JP4569440B2 (ja) * 2005-10-12 2010-10-27 日立電線株式会社 温度無依存光合分波器
JP2012518202A (ja) * 2009-02-17 2012-08-09 オクラロ テクノロジー リミテッド 光通信用の光チップおよび光デバイス
US9020367B2 (en) 2009-02-17 2015-04-28 Oclaro Technology Limited Optical chips and devices for optical communications
JP2011215331A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Nec Corp マッハ・ツェンダ干渉計、アレイ導波路回折格子及びマッハ・ツェンダ干渉計の製造方法
WO2012039142A1 (ja) * 2010-09-24 2012-03-29 古河電気工業株式会社 光導波回路

Also Published As

Publication number Publication date
JP4058402B2 (ja) 2008-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2240056C (en) Optical wavelength multiplexer/demultiplexer
EP1422540B1 (en) Integrated optical waveguide
CA2315458C (en) Optical wavelength multiplexer/demultiplexer
JP5399693B2 (ja) 光波長合分波回路
US8873910B2 (en) Optical device with athermal slots for temperature dependence curvature reduction
JPWO2006013805A1 (ja) 平面光回路、波動伝搬回路の設計方法およびコンピュータプログラム
US7356212B2 (en) Optical waveguide device and method of adjusting a transmission loss thereof
JP3726062B2 (ja) 光合分波器
US7760974B2 (en) Silicon arrayed waveguide grating device for reducing effective refractive index variation of optical waveguide according to temperature
JP6430071B1 (ja) 多モード干渉型合分波器、および、これを用いた光学素子
JP4058402B2 (ja) 光導波回路
JP4377848B2 (ja) スポットサイズ変換器
JP3539369B2 (ja) アレイ導波路型光波長合分波器およびその製造方法
US6882778B2 (en) Chromatic dispersion compensation in waveguide arrays
Lin et al. Design analysis and experimental verification of cross-order AWG triplexer based on silica-on-silicon
WO2009081902A1 (ja) 光導波路型波長分散補償デバイスとその製造方法
JP4946346B2 (ja) 光導波路デバイスおよびその伝送損失の調整方法
JP2001051139A (ja) 光導波路装置
JP2003207665A (ja) 光導波路
JP5086164B2 (ja) 光波長合分波回路
JP7340661B2 (ja) 光源モジュール
JP2005148585A (ja) 光波長合分波回路
JP4230850B2 (ja) 光回路及びその製造方法
JP2006251152A (ja) 導波路型温度無依存光合分波器
JP2004138785A (ja) 光合分波回路

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060926

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070723

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071217

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4058402

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111221

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111221

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121221

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121221

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131221

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term