JP2004182172A - エアバッグ装置 - Google Patents

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JP2004182172A JP2002354198A JP2002354198A JP2004182172A JP 2004182172 A JP2004182172 A JP 2004182172A JP 2002354198 A JP2002354198 A JP 2002354198A JP 2002354198 A JP2002354198 A JP 2002354198A JP 2004182172 A JP2004182172 A JP 2004182172A
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Kenji Mori
健二 森
Hiroyuki Kobayashi
裕之 小林
Shinji Oguchi
慎治 大口
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

【課題】座席の座り心地や利便性の悪化を招くことなく、車両後方に加えられた衝撃を吸収することのできるとともに、乗員が後側上方に移動したとしても頭部の保護を図ることのできるエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】このエアバッグ装置は、車両10に後方から加えられた衝撃を検知するセンサと、このセンサにより所定以上の衝撃が検知されたときに複数列の座席のうち最後部座席の後方に膨張展開するエアバッグ21とを備える。エアバッグ21を、車両10の後方側におけるルーフ11の端部に固定するとともに収容する。そのエアバッグ21に膨張ガスを供給するインフレータ22の前記最後部座席の乗員と対向する部分に、二次衝突時の荷重を吸収する発泡体33を配置する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両後部からの衝撃を吸収するために設けられるエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のエアバッグ装置として、例えば最後部座席部分に加わる加速度を検知するセンサと、折り畳まれた状態で最後部座席の内部に収容されたエアバッグとを備えたものが知られている。このエアバッグ装置では、センサにより車体の後ろ向きの加速度が検知されると、エアバッグが瞬時に膨張展開して、最後部座席に着座した乗員に対する衝撃が吸収されるようになっている(特許文献1参照。)。
【0003】
また、こうしたエアバッグ装置としては他に、上述したように膨張展開するエアバッグが、最後部座席後方の荷室の下部に収容されたものや(特許文献2参照。)、同じく最後部座席後方に設けられたリアパッケージトレイの下部に収容されたもの(特許文献3参照。)なども知られている。
【0004】
【特許文献1】
実開平6−65117号公報(第1図)
【特許文献2】
実開昭64−7054号公報(第3−5図)
【特許文献3】
特開平7−186870号公報(第3−4頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記各従来のエアバッグ装置のうちで、エアバッグを座席の内部に収容する装置にあっては、このエアバッグが嵩張るために、座席の座り心地の悪化を許容した上で、その内部に同エアバッグを収容せざるを得ない。また、最後部座席後方に設けられた荷室やリアパッケージトレイの下部にエアバッグを収容する構成にあっては、同エアバッグの膨張展開に支障をきたすおそれがあるためにその上部に荷物を置くことができなくなり、利便性の低下を招くこととなる。
【0006】
また、従来のエアバッグ装置は、車両が衝突したときの乗員の移動を予測して構成されていない。このため、例えば車両に対し後方から衝撃が加えられ、しかも最後列の座席に着座する乗員がシートベルトを装着していないような場合には、前記乗員が座席の背もたれ部に沿って後側上方に慣性移動されて、その乗員の頭部が車室内のルーフの後端部に二次衝突するおそれがある。
【0007】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。そして、本発明の目的は、座席の座り心地や利便性の悪化を招くことなく、車両後方に加えられた衝撃を吸収することができるとともに、乗員が後側上方に移動した場合にも頭部の保護を図ることができるエアバッグ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車両に加えられた衝撃を検知するセンサと、折り畳まれた状態で収容されるものであって前記センサにより所定以上の衝撃が検知されたときに複数列の座席のうち最後部座席の後方に膨張展開するエアバッグと、そのエアバッグを膨張展開させるための膨張ガスを前記センサからの信号に応じて発生させるインフレータとを備えるエアバッグ装置において、前記エアバッグを前記最後部座席の上端より上方に配置するとともに、前記インフレータの最後部座席の乗員と対向する部分の少なくとも一部にエネルギ吸収部材を設けたことを要旨とするものである。
【0009】
このため、エアバック及びインフレータが座席や荷室及びリアパッケージトレイの下部に配置する必要がなく、座席の座り心地や利便性の悪化を招くことなしに、車両後方に加えられた衝撃を吸収することができる。
【0010】
ここで、一般に、インフレータは、前記エアバッグの近傍に取着されることが多い。しかも、エアバッグを膨張させるための膨張ガスを高い圧力で発生させる必要があって、剛性の高い容器が使用される。
【0011】
これに対して、この請求項1に記載の発明では、この高剛性の容器を有するインフレータにおける最後部座席の乗員と対向する部分の少なくとも一部がエネルギ吸収部材でカバーされる。このため、車両に加えられた衝撃により、最後列の座席に着座し、シートベルトを装着していない乗員が、エアバッグ装置のインフレータに向かって慣性移動して、頭部が前記インフレータに二次衝突したとしても、二次衝突荷重がエネルギ吸収部材により吸収される。これにより、乗員が慣性移動したとしても、その乗員の頭部の保護を図ることができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記インフレータの車両高さ方向の下方における少なくとも一部に、エネルギ吸収部材を設けたことを要旨とするものである。
【0013】
この請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明の効果に加えて、高剛性の容器を有するインフレータの車両高さ方向における下方の少なくとも一部がエネルギ吸収部材でカバーされる。このため、最後列の座席に着座し、シートベルトを装着していない乗員が、後側上方に慣性移動して、頭部が前記エアバッグ装置のインフレータに二次衝突したとしても、二次衝突荷重がエネルギ吸収部材により吸収される。これにより、乗員が後側上方に慣性移動したとしても、その乗員の頭部の保護を図ることができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記インフレータの車両前後方向の前方における少なくとも一部にエネルギ吸収部材を設けたことを要旨とするものである。
【0015】
この請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明の効果に加えて、最後部座席に着座し、シートベルトを装着していない乗員が車両に後方から加えられた衝撃により後側上方に慣性移動された場合において、その乗員の頭部とインフレータとの二次衝突に伴う荷重がより確実に吸収される。これにより、前記乗員の頭部の保護をより効果的に行うことができる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記エアバッグは、前記車両のルーフの後端部に固定されるものであり、前記エネルギ吸収部材を前記車両の幅方向全体にわたって設けたことを要旨とするものである。
【0017】
この請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、前記慣性移動に伴って、前記乗員の頭部が剛性の高いルーフの後端部との二次衝突したとしても、その衝突に伴う荷重のエネルギを吸収することができる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記ルーフは、ルーフパネルとその内面を覆うように設けられるルーフヘッドライニングとからなり、前記エアバッグとインフレータとエネルギ吸収部材とは、前記ルーフパネルとルーフヘッドライニングとの間に収容されるものであり、前記エアバッグ及びインフレータを前記ルーフの後端側に設け、前記エネルギ吸収部材を車室内側に設けたことを要旨とするものである。
【0019】
この請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の発明の効果に加えて、エアバッグの膨張展開を妨げることがないとともに、慣性移動により最後部座席に着座する乗員が二次衝突しやすい位置にエネルギ吸収部材を配置することができる。このため、前記乗員の頭部における二次衝突荷重を、効果的に吸収することができる。
【0020】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明において、前記エアバッグは、前記車両の後端部から略重力方向に垂下されるように膨張展開されるものであることを要旨とするものである。
【0021】
この請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、最後部座席の後方においてエアバッグを膨張展開させることができ、その膨張展開時におけるエアバッグと最後部座席に着座した乗員との干渉を抑制することができる。
【0022】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の発明において、前記エアバッグは、前記最後部座席と前記車両のリアウィンドウガラスとの間を仕切るように膨張展開するものであることを要旨とするものである。
【0023】
この請求項7に記載の発明では、請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、車両の後方に衝撃が加えられたときに、最後部の座席に着座する乗員とリアウィンドウガラスとがエアバッグを介して隔離される。そして、後方からの飛散物、進入物等による車室内への影響を低減することができる。
【0024】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の発明において、前記エネルギ吸収部材として、高分子材料の発泡体を用いたことを要旨とするものである。
【0025】
この請求項8に記載の発明では、請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、発泡体の材質、硬度、発泡倍率等を調整することで、エネルギ吸収特性を容易に制御することができる。
【0026】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の発明において、前記エネルギ吸収部材として、高分子材料製のリブを用いたことを要旨とするものである。
【0027】
この本願請求項9に記載の発明では、請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、リブを構成する材料の硬度、厚さ、配設個数等を調整することで、エネルギ吸収特性を容易に制御することができる。
【0028】
また、本願請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の発明において、前記車両は、1ボックスカーまたは2ボックスカーであることを要旨とするものである。
【0029】
この請求項10に記載の発明では、請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の発明を最後部座席と車体後端との距離が短い1ボックスカーまたは2ボックスカーに適用することで、請求項1〜請求項9のうちいずれかに記載の発明の効果がより好適に奏される。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下に、本発明を、1ボックスタイプまたは2ボックスタイプの車両において、後方から加えられる衝撃により作動するエアバッグ装置に具体化した第1実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
【0031】
図3に示す車両10のルーフ11は、図1にその後方端における側面断面構造を示すように、外装部材であるルーフパネル12と、装飾部材であるルーフヘッドライニング13と、インナパネル14とから構成されている。ルーフヘッドライニング13は、例えば合成樹脂等の可撓性を有する材料により、前記ルーフパネル12の車室内側の面全体を覆うように設けられている。インナパネル14は、前記ルーフパネル12及びルーフヘッドライニング13の間に設けられ、ルーフパネル12とともに中空状のリアルーフレール14bを形成している。前記ルーフパネル12の後端部にはリアドア15がヒンジ機構16を介して開閉可能に装着されている。このリアドア15にはリアウィンドウガラス17が装着されている。
【0032】
図1及び図3に示すように、最後部座席31の上端より上方であって、車両10の後方側におけるルーフ11の端部には、袋状に形成されたエアバッグ21と、信号が入力されることで膨張用のガスを同エアバッグ21に供給するインフレータ22とが設けられている。
【0033】
車両10の後方側における前記インナパネル14の前端部には、複数の取付孔14aが形成されるとともに、これら取付孔14aに対応するようにナット23が溶接されている。これらナット23は、前記エアバッグ21及びインフレータ22の取付けに用いられる。ここで、リアルーフレール14bは、車両10に後方から衝撃が加えられた場合における変形が比較的小さくなるように剛性が高くされている。そこで、本実施形態の装置では、こうしたルーフ11(インナーパネル14)に、上記ナット23を通じて、エアバッグ21及びインフレータ22が固定されている。
【0034】
図1に示すように、前記インナパネル14には前記取付孔14aから前記ナット23に螺合されるボルト24を利用して2つのブラケット25,26が取り付けられている。一方のブラケット25には前記エアバッグ21の基端部がかしめ等によって連結されている。他方のブラケット26には前記インフレータ22が取り付けられている。前記エアバッグ21は、図5に一点鎖線で示すように、膨張している状態で略四角形状に形成され、図5に実線で示すように、車両10への取付けに際し折り畳まれている。そのエアバッグ21の上記四角形状の中間にあたる部分が前記ブラケット25の先端縁に連結されている。これらエアバッグ21及びインフレータ22は、ルーフヘッドライニング13とインナパネル14との間に収容されている。
【0035】
前記ルーフヘッドライニング13は、前記インナパネル14と接する部分をなす車両後方側の端部13aが、インナパネル14の後端部に設けたシール用のウエザーストリップを支持するフレーム27に取り付けられたカバー片28によって覆われている。このルーフヘッドライニング13は、エアバッグ21の膨張展開に際し、インナパネル14から下方に離隔してインナパネル14との間に所定容積の空間を形成するようになっている(図2参照)。
【0036】
前記エアバッグ21より前方において、前記インフレータ22の下方から前方を取り囲むようにして、エネルギ吸収部材としての発泡体33がルーフパネル12に接着されている。図6に示すように、この発泡体33は、このインフレータ22に対応する部分のみならず、車両幅方向の全体にわたって、ルーフ11の後端部のルーフパネル12からリアルーフレール14bにかけて設けられている。前記発泡体33は、例えばポリスチレン、ポリウレタン等の合成高分子材料、あるいはでんぷん等の天然高分子材料からなるビーズ発泡品または型発泡品からなっている。
【0037】
ここで、前記発泡体33は、ルーフパネル12に固定された状態で、前記ルーフヘッドライニング13に接するように配設されている。これに対して、エアバッグ21及びインフレータ22は、前述のようにルーフパネル12に連続するインナパネル14に対して前記ブラケット25、26を介して固定されている。言い換えると、前記発泡体33は車両10の車室内側に配置され、エアバッグ21及びインフレータ22はリアドア15側に配置されている。
【0038】
前記エアバッグ21は、その膨張時における展開方向が、前記ブラケット25との連結点を基点として上記ルーフヘッドライニング13の車両後方側の端部13aに向かう方向になるように固定されている。エアバッグ21は、その膨張に際し、図3に一点鎖線で示すように、車両10のリアドア15に取付けられたリアウィンドウガラス17と最後部座席31との間を仕切るように展開するようになっている。この実施形態では、エアバッグ21はリアウィンドウガラス17を覆うようにして該リアウィンドウガラス17に沿うように展開される。
【0039】
図3に示すように、車両10のリアドア15には複数のセンサ32が設けられている。このセンサ32は、車両10に後方から所定以上の衝撃が加えられたときに、その旨の信号を出力する。
【0040】
本実施形態のエアバッグ装置は、例えばマイクロコンピュータ等から構成される電子制御装置(図示略)を備えている。この電子制御装置は、上記センサ32の出力信号を取り込むとともに、同信号に基づき車両10に衝撃が加えられたか否かを演算し、その演算結果に応じて上記インフレータ22に作動信号を出力する。
【0041】
そして、この装置では、車両10に後方から所定以上の衝撃が加えられると、上記センサ32が信号を出力し、この出力信号が電子制御装置に取り込まれる。このとき、電子制御装置は、車両10に衝撃が加えられたと判断するとともに、上記インフレータ22に作動信号を出力する。これにより、インフレータ22から袋状のエアバッグ21の内部に膨張用のガスが供給され、同エアバッグ21がリアウィンドウガラス17とリアルーフレール14bとの内面に沿うように膨張展開される。
【0042】
これにより、リアウィンドウガラス17と最後部座席31に着座した乗員とがエアバッグ21を介して隔離される。従って、膨張展開されたエアバッグ21により、後方からの飛散物や、侵入物等による車室内への影響が低減され、車両10の後方に加えられた衝撃が吸収される。
【0043】
また、車両10に後方から衝撃が加えられ、最後部座席31に着座し、シートベルトを装着していない乗員が、後側上方に慣性移動したとしても、その乗員の頭部はルーフヘッドライニング13を介して、まず発泡体33に二次衝突することになる。この二次衝突時の荷重は、発泡体33が塑性変形(座屈)することにより吸収される。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1) このエアバッグ装置では、エアバッグ21及びインフレータ22を車両10の後方側におけるルーフ11の端部に設け、インフレータ22の車両高さ方向における下方の一部に発泡体33を設けた。このため、エアバッグ21及びインフレータ22が最後部座席31や荷室及びリアパッケージトレイの下部に配置する必要がなく、最後部座席31の座り心地や利便性の悪化を招くことなしに、車両後方に加えられた衝撃を吸収することができる。
【0045】
そして、高剛性の容器を有するインフレータ22の車両上下方向における下方の車両前側部分が発泡体33でカバーされる。このため、最後部座席31に着座し、シートベルトを装着していない乗員が、後側上方に慣性移動して、その頭部がインフレータ22に二次衝突したとしても、発泡体33により二次衝突荷重が吸収される。これにより、乗員が後側上方に慣性移動したとしても、その乗員の頭部の保護を図ることができる。
【0046】
(2) このエアバッグ装置では、インフレータ22の車両前後方向の前方側にも発泡体33を設けた。このため、最後部座席31に着座し、シートベルトを装着していない乗員が車両10に後方から加えられた衝撃により後側上方に慣性移動された場合において、その乗員の頭部とインフレータ22との二次衝突に伴う荷重をより確実に吸収することができる。これにより、前記乗員の頭部の保護をより効果的に行うことができる。
【0047】
(3) このエアバッグ装置では、エアバッグ21及びインフレータ22を車両10のルーフ11の後端部に固定し、発泡体33を、インフレータ22の近傍のみならず、車両10の幅方向全体にわたって設けた。このため、最後部座席31に着座し、シートベルトを装着していない乗員が車両10の後方から加えられた衝撃により後側上方に慣性移動して、その乗員の頭部が剛性の高いルーフ11の後端部との二次衝突したとしても、その二次衝突に伴う荷重を発泡体33により吸収することができる。これにより、前記乗員の頭部の保護をより効果的に行うことができる。
【0048】
(4) このエアバッグ装置では、エアバッグ21とインフレータ22と発泡体33とを、ルーフパネル12とルーフヘッドライニング13との間に収容し、それらエアバッグ21及びインフレータ22をルーフ11の後端側に設け、発泡体33を車室内側に設けた。このため、エアバッグ21の膨張展開を妨げることがないとともに、慣性移動により最後部座席31に着座する乗員が二次衝突しやすい位置に発泡体33を配置することができる。このため、前記乗員の頭部の保護を効果的に行うことができる。
【0049】
(5) このエアバッグ装置では、エアバッグ21を、車両10に後方から衝撃が加えられた場合において、変形が小さいルーフ11に固定した。このため、同エアバッグ21の展開に支障が生じたり、展開方向が不用意に変化したりすることが抑制される。従って、エアバッグ装置の作動時に、エアバッグ21をより確実に所望の展開状態とすることができる。また、エアバッグ21の収容スペースを容易に確保することができる。しかも、ルーフヘッドライニング13とインナパネル14との間にエアバッグ21を収容するようにしたために、エアバッグ21がルーフヘッドライニング13で覆われるようになり、見栄えをよくすることもできる。
【0050】
(6) このエアバッグ装置では、エアバッグ21を、車両10の後方側におけるルーフ11の端部から略重力方向に垂下されるように膨張展開させるようにした。このため、最後部座席31の後方においてエアバッグ21を膨張展開させることができ、その膨張展開時におけるエアバッグ21と最後部座席31に着座した乗員との干渉を抑制することができる。
【0051】
(7) このエアバッグ装置では、最後部座席31に着座し、シートベルトを装着していない乗員が慣性移動して、インフレータ22及びルーフ11の後端部に二次衝突した際の荷重を吸収するエネルギ吸収部材として、高分子材料の発泡体33を用いた。このため、発泡体33の材質、硬度、発泡倍率等を調整することで、その発泡体33のエネルギ吸収特性を容易に制御することができる。
【0052】
(8) エアバッグ21を、リアウィンドウガラス17と最後部座席31との間を仕切るように展開させるようにした。このため、車両10の後方に衝撃が加えられたときに、リアウィンドウガラス17と最後部座席31に着座する乗員とがエアバッグ21を介して隔離される。そして、後方からの飛散物、侵入物等による車室内への影響が低減される。特に、1ボックスタイプまたは2ボックスタイプの車両等、最後部座席31と車両10の後端との距離が短い車両に、こうしたエアバッグ装置を搭載することで、前記各効果を顕著に奏することができる。
【0053】
(第2実施形態)
次に、本発明を、前記第1実施形態と同様に1ボックスタイプまたは2ボックスタイプの車両において、後方から加えられる衝撃により作動するエアバッグ装置に具体化した第2実施形態について、前記第1実施形態とは異なる部分を中心に、図7及び図8を参照して説明する。
【0054】
この第2実施形態では、図7及び図8に示すように、インフレータ22の近傍に配置されるエネルギ吸収部材の構成が、前記第1実施形態とは異なっている。すなわち、インフレータ22近傍のルーフヘッドライニング13におけるルーフ11側面に、エネルギ吸収部材としての高分子材料製のリブ41を多数有する格子箱42が取着されている。この格子箱42は、例えばポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の合成高分子材料、セルロース、でんぷん等の天然高分子材料等により構成されている。
【0055】
この格子箱42は、前記インフレータ22の長手方向に沿って所定の間隔をおいて配置される主リブ43と、それら主リブ43を相互に連結する連結リブ44とを有している。格子箱42の上面には、前記インフレータ22を収容するための段部45が形成されている。
【0056】
また、格子箱42の底部には、外方に向かって保持孔46を有する保持部47が複数(本実施形態では、四隅に)突出形成されている。この保持部47の保持孔46には、前記ルーフヘッドライニング13のルーフ11側面上に突設された保持ピン48が挿通される。そして、この保持ピン48を、その先端を溶融させつつつぶすことにより、前記保持部47に対して熱かしめして、格子箱42をルーフヘッドライニング13上に固定するようになっている。
【0057】
このように、格子箱42は、ルーフヘッドライニング13上に固定された状態で、ルーフパネル12との間に配設される。そして、格子箱42は、その先端面49がルーフパネル12に当接するとともに、段部45の段面45aがインフレータ22に当接するようになっている。このとき、インフレータ22は、車両高さ方向の下方における前側部分及び車両前後方向の前側部分が格子箱42でカバーされるようになっている。
【0058】
そして、本実施形態のエアバッグ装置によれば、車両10に後方から衝撃が加えられ、最後部座席31に着座し、シートベルトを装着していない乗員が、後側上方に慣性移動したとしても、その乗員の頭部はルーフヘッドライニング13を介して、まず格子箱42に二次衝突することになる。この二次衝突時の荷重は、格子箱42の主リブ43及び連結リブ44が塑性変形(座屈)することにより吸収される。
【0059】
以上説明したように、本実施形態によれば、前記第1実施形態に記載の(1)〜(6)及び(8)とほぼ同等の効果に加えて、以下に記載する効果が得られるようになる。
【0060】
(9) このエアバッグ装置では、最後部座席31に着座し、シートベルトを装着していない乗員が慣性移動して、インフレータ22及びルーフ11の後端部に二次衝突した際の荷重を吸収するエネルギ吸収部材として、高分子材料製のリブ41を用いた。このため、リブ41を構成する材料の硬度、厚さ、配設個数等を調整することで、エネルギ吸収特性を容易に制御することができる。
【0061】
(変形例)
なお、前記各実施形態は、以下のように変形して実施してもよい。
・ 前記各実施形態では、ルーフ11の後端部における車両の幅方向の全体にわたって、発泡体33または格子箱42を配設する構成とした。これに対して、少なくともインフレータ22の近傍には、前記発泡体33または格子箱42を備える構成とし、それ以外の部分への発泡体33または格子箱42の配設を省略してもよい。また、それ以外の部分には、ところどころ、部分的に発泡体33または格子箱42を配設する構成としてもよい。
【0062】
・ 前記各実施形態において、二次衝突荷重の吸収特性の異なる複数のエネルギ吸収部材、例えば発泡体33と格子箱42とを組み合わせて配設するようにしてもよい。
【0063】
・ 前記第2実施形態では、格子箱42のリブ41を合成高分子材料または天然高分子材料により構成したが、所定の二次衝突荷重が作用したときに塑性変形するものであれば、金属、セラミックス、ガラス等の無機材料で構成してもよい。
【0064】
・ 前記第2実施形態において、連結リブ44を省略し、複数の主リブ43のみでエネルギ吸収部材を構成してもよい。
・ 前記各実施形態において、インフレータ22を、車両10のルーフ11の後端部とは異なる部分、例えばサイドピラーガーニッシュとボディとの間に配設してもよい。この場合には、そのインフレータ22における車室内と対向する部分の少なくとも一部に、前記発泡体33、格子箱42等のエネルギ吸収部材を配設する。
【0065】
・ 前記各実施形態では、エアバッグ21をルーフヘッドライニング13とインナパネル14との間に収容するようにした。これに対して、エアバッグ21を、例えば膨張展開時に開放可能なケース等に収容した状態でルーフヘッドライニング13上に取着してもよい。
【0066】
・ エアバッグ21の一部をサイドピラーガーニッシュとボディとの間に収容するようにしてもよい。
・ 前記実施形態では、車両10の後方側におけるルーフ11の端部にエアバッグ21を設けるようにしたが、これを、車両10のリアドア15の上部に設けるようにしてもよい。また、この場合には、エアバッグ21の一部をリアドア15の側方部分に収容するようにしてもよい。
【0067】
・ 前記実施形態では、エアバッグ21及びインフレータ22をそれぞれ1つずつ設けるようにしたが、車両後方に加えられた衝撃を好適に吸収できるのであれば、これらエアバッグ21及びインフレータ22の少なくとも一方を複数設けてもよい。
【0068】
・ 前記実施形態では、エアバッグ21を略重力方向に垂下するように膨張展開させるようにした。これに対して、リアウィンドウガラス17が傾斜して設けられる車両では、その傾斜に沿うようにエアバッグ21を膨張展開させるようにしてもよい。
【0069】
・ 前記実施形態では、本発明を1ボックスタイプまたは2ボックスタイプの車両において具体化したが、本発明は3ボックスタイプの車両において具体化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態が適用される車両の後部における要部を示す拡大断面図。
【図2】図1のエアバッグが膨張展開した状態を示す要部の拡大断面図。
【図3】図1の車両の後部の側面図。
【図4】図1の車両の背面図。
【図5】図1のエアバッグ及びインフレータの平面図。
【図6】図1の車両の後部の平断面図。
【図7】本発明の第2実施形態が適用される車両の後部における要部を示す拡大断面図。
【図8】図7のインフレータ及び格子箱を示す分解斜視図。
【符号の説明】
10…車両、11…ルーフ、12…ルーフパネル、13…ルーフヘッドライニング、17…リアウィンドウガラス、21…エアバッグ、22…インフレータ、31…最後部座席、32…センサ、33…エネルギ吸収部材としての発泡体、41…エネルギ吸収部材としてのリブ。

Claims (10)

  1. 車両に加えられた衝撃を検知するセンサと、折り畳まれた状態で収容されるものであって前記センサにより所定以上の衝撃が検知されたときに複数列の座席のうち最後部座席の後方に膨張展開するエアバッグと、そのエアバッグを膨張展開させるための膨張ガスを前記センサからの信号に応じて発生させるインフレータとを備えるエアバッグ装置において、
    前記エアバッグを前記最後部座席の上端より上方に配置するとともに、前記インフレータの最後部座席の乗員と対向する部分の少なくとも一部にエネルギ吸収部材を設けたことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記インフレータがルーフの後端部に固定されるものである場合には、前記インフレータの車両高さ方向の下方における少なくとも一部に、前記エネルギ吸収部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記インフレータの車両前後方向の前方における少なくとも一部にエネルギ吸収部材を設けたことを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記エアバッグは、前記車両のルーフの後端部に固定されるものであり、前記エネルギ吸収部材を前記車両の幅方向全体にわたって設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
  5. 前記ルーフは、ルーフパネルとその内面を覆うように設けられるルーフヘッドライニングとからなり、前記エアバッグとインフレータとエネルギ吸収部材とは、前記ルーフパネルとルーフヘッドライニングとの間に収容されるものであり、前記エアバッグ及びインフレータを前記ルーフの後端側に設け、前記エネルギ吸収部材を車室内側に設けたことを特徴とする請求項4に記載のエアバッグ装置。
  6. 前記エアバッグは、前記車両の後端部から略重力方向に垂下されるように膨張展開されるものであることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
  7. 前記エアバッグは、前記最後部座席と前記車両のリアウィンドウガラスとの間を仕切るように膨張展開するものであることを特徴とする請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
  8. 前記エネルギ吸収部材として、高分子材料の発泡体を用いたことを特徴とする請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
  9. 前記エネルギ吸収部材として、高分子材料製のリブを用いたことを特徴とする請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載のエアバッグ装置。
  10. 前記車両は、1ボックスカーまたは2ボックスカーであることを特徴とする請求項1〜請求項9のうちいずれかに記載のエアバッグ装置。
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