JP2004175452A - 包装用容器及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】合成樹脂シートにおける装飾等の印刷が綺麗でこの合成樹脂シートに剥離等の問題発生がなく、しかも異臭の発生という問題が全く生じない包装用容器を提供すること。
【解決手段】合成樹脂シート20を成形することにより形成した包装用容器であって、合成樹脂シート20は、基材シート21と、これに水性インキ23を介して押出機または熱ラミネート機によりラミネートしたフィルム22とにより積層して構成したものであること。
【選択図】図3

Description

本発明は、合成樹脂シートを成形して形成される包装用容器に関するものである。
近年、コンビニエンスストアやスーパー等で販売されている弁当やデザート等の食品は、所謂プラスチック製の包装用容器に入れられている。このようなプラスチック製の包装用容器は、大量かつ安価に提供されるため使い捨てができ、しかも衛生的であることから、食品用容器として最も便利なものである。
このような容器を形成するためのプラスチックとしては、積層されていない一枚の合成樹脂シートが採用されることもあるが、ガスバリア性を強化したり(例えば、特許文献1参照)、発泡部分による断熱とフィルムによる液漏れ遮断とが行えるようにするために、プラスチックシートまたはフィルムを「積層」した合成樹脂シートも多く採用されるようになってきている。
プラスチックシートまたはフィルムを積層するためには、接着剤が必要であるが、この接着剤としては、例えば特許文献2に示されたような「顔料、樹脂及び有機溶剤を主成分とするラミネート加工用インキ」がある。このようなインキを使用して積層された合成樹脂シート中には、上記有機溶剤が残留していることがあり、この有機溶剤が発散して異臭を発生する原因になる。
また、この種の合成樹脂シートには、詰められる食品の内容表示や装飾のための印刷を直接印刷して、食品用容器としての価値を高めることもなされるようになってきている。従来の、装飾や内容表示等のための印刷は、所謂「油性インキ」を採用して行われているのであるが、この油性インキの中には、酢酸エチルやトルエン、さらにはメチルエチルケトン等の溶剤が含まれている。これらの酢酸エチルやトルエン、あるいはメチルエチルケトン等の溶剤は、印刷完了後の合成樹脂シートに残留し易いものであるのが一般的である。
このような油性インキによる印刷を施した合成樹脂シートを採用して、食品用の包装用容器を製造した場合には、印刷部分に残留していた酢酸エチルやトルエン、あるいはメチルエチルケトン等の溶剤を原因とする異臭が発生する。この溶剤の異臭は、それだけで食品に対する不安を与えるだけでなく、食品の味をも低下させる原因となり得る。
さらに、従来より使用されている油性インキは粘度が高いため、これによるグラビア印刷等の印刷を行う場合に、その凹版に油性インキを深く塗り込まなければならないだけでなく、凹版内に溜まり易い。このため、合成樹脂シートに油性インキでグラビア印刷するに際しては、メンテナンスが大変であるだけでなく、合成樹脂シートに油性インキを綺麗に印刷できないこともあったのである。
本発明者等が、この種の食品用の包装用容器について、積層のための接着剤あるいは印刷されたインキ中の溶剤を原因とする異臭の回避や、印刷を良好にするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、例えば特許文献3あるいは特許文献4にて提案されているような「水性インキ」を利用するのが好適であることを発見し、本発明を完成したのである。
特開2002−273815号、要約 特公平7−113098号、特許請求の範囲 特許掲載公報第3023381号、段落0007 特開平10−67093号、要約
ところが、発明者等の検討によると、上記特許文献3及び4にて提案されている水性インキは、中に含まれている「水分」の性質をうまく制御するような方策を採らないと、合成樹脂からなるシートまたはフィルムに対しては、その利点を十分発揮できないことが判明したのである。すなわち、この水性インキをうまく使用するためには、印刷時における水性インキ自体の表面張力と、ラミネート時の熱による水分の気化とを十分考慮する必要があるのである。
まず、表面張力について言うと、印刷あるいは塗布すべきもの(水性インキ)の表面張力が、印刷あるいは塗布されるべきもの(例えばシートまたはフィルム)の表面張力より高ければ、水性インキがフィルムにうまく乗らないといった現象が生ずる。水性インキを構成している水の表面張力は、72.8dyn/cmであり、アルコールのそれは、22.5dyn/cmであって、これらを材料とする水性インキの表面張力は、例えばポリスチレンの33.0dyn/cmよりも高くなっており、そのままでは、ポリスチレンのシートに対して水性インキによる印刷は良好には行えないのである。
また、水性インキ中の水分が、熱を加えられた時に気化することについてであるが、合成樹脂からなるシートにフィルムを熱ラミネートしようとすると、水性インキ中の水分が気化して、シートとフィルムとの間に剥離を生じたり、酷い場合にはフィルム等が破れてしまうことになる。
本発明は、以上のような経緯に基づいてなされたもので、その解決しようとする課題は、合成樹脂シートにおける装飾等の印刷が綺麗でこの合成樹脂シートに剥離等の問題発生がなく、しかも異臭の発生という問題が全く生じない包装用容器を提供することにある。
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する実施の形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「合成樹脂シート20を成形することにより形成した包装用容器10であって、
合成樹脂シート20は、基材シート21と、これに水性インキ23を介して押出機または熱ラミネート機によりラミネートしたフィルム22とにより積層して構成したものであることを特徴とする包装用容器10」
である。
すなわち、この請求項1の包装用容器10は、容器本体、あるいはこれに嵌合される蓋体、またはこれらの一体物を対象とするものであるが、合成樹脂シート20を成形することによって形成したものである。この包装用容器10の材料である合成樹脂シート20は、水性インキ23を介した状態で基材シート21とフィルム22とを積層して構成したものである。つまり、この合成樹脂シート20を構成している基材シート21とフィルム22との間には、図3及び図4に示すように、水性インキ23が印刷されているのである。
また、この包装用容器10を成形するための合成樹脂シート20は、基材シート21と、これに水性インキ23を介して押出機または熱ラミネート機によりラミネートすべく表面にコロナ放電処理を施したフィルム22とにより積層して構成したものである。フィルム22の表面にコロナ放電処理を施す理由は、これによってフィルム22の表面を親水化させることができて、水性インキ23の接着力を大きくすることができるからである。
換言すれば、基材シート21とフィルム22とは互いにラミネートすることにより、合成樹脂シート20とするのであるが、その際に介在されるべき水性インキ23は、そのラミネート前にフィルム22側に印刷されるものである。この印刷は、水性インキ23の表面張力を考慮しなければならないが、この水性インキ23は、表面張力が72.8dyn/cmの水と、同22.5dyn/cmのアルコール(アクリルコポリマー)を多く含むものであるため、この水性インキ23の表面張力は全体として20〜40dyn/cm程度となっている。
これに対して、水性インキ23が印刷されるフィルム22は、そのままでは33.0dyn/cm程度の表面張力を有しているため、これに対する水性インキ23の濡れ性を良好にする、つまり表面張力を高めるために、この請求項1の発明では、表面にコロナ放電処理を施したフィルム22を採用しているのである。このコロナ放電処理を施したフィルム22の表面張力は高くなり、水性インキの濡れ性が十分なものとなっているのである。
以上の結果、表面張力が高くなったフィルム22に対して、濡れ性にも優れたアルコールと水を含む水性インキ23であるから、常温でフィルム22等に簡単に印刷できるだけでなく、常温で印刷できるのであるから、溶剤(水及びアルコール)濃度の変化は殆ど発生せず、グラビア印刷の製版の凹版に水性インキ23が綺麗に載り、フィルム22に水性インキ23を綺麗に転写できるのである。
つまり、水性インキ23は、水を含んでいるため粘度が低く、表面に光沢が出て鮮明な印刷となるグラビア印刷に最も適したものであり、水性インキ23の槽から製版に当該インキ23を載せ、ドクターブレードによって製版から余分のインキ23を除くようにして使用されるものである。また、この水性インキ23は、粘度が低いことから、有機溶剤を入れた従来の油性インキ23に較べ、グラビア印刷の凹版に薄く載せることができ(油性インキの約半分である)、安定した印刷作業が行えるものである。
この水性インキ23は、上記特許文献4に記載されているような、水とアルコール、そして顔料とアクリル系あるいはウレタン系の熱可塑性樹脂分とが含まれているものであり、異臭の原因となる有機溶剤を使用していないものである。
しかしながら、当該水性インキ23を使用して基材シート21とフィルム22とをラミネートして合成樹脂シート20を構成した場合に、その層間に、希に、水やアルコール分が残留することがある。これらの水や水分が僅かでも残留していると、この合成樹脂シート20を熱成形したときに、これらの水やアルコール分が気化して層間剥離の原因となる気泡が発生する。アルコール分は、熱成形する前までにはその殆どが気化してしまうため問題とはならないが、水分については残留し易いため何等かの処置が必要になるが、その最も簡便な方法は、この合成樹脂シート20を一定期間、所謂「寝かせる」ことである。
また、この水性インキ23は、これを介して、基材シート21にフィルム22を、エキストルージョンラミネート等の押出機またはストレッチラミネーション等の熱ラミネート機によりラミネートした後にあっては、その樹脂分の殆どが基材シート21とフィルム22とを分子的に熱溶着してしまうのである。このため、基材シート21とフィルム22との溶着が強固になされているだけでなく、当該水性インキ23を使用して構成した合成樹脂シート20中には、水やアルコールは殆ど残留していないのである。なお、シート21とフィルム22とを同種類の材料によって形成すれば、接着剤を使用しなくても溶着される。
勿論、水性インキ23中に含ませてあった顔料はそのまま基材シート21とフィルム22との間に残留して外には出ないのであるから、図1に示すような綺麗な模様を呈しているのであり、食品中に溶出することもないのである。また、この水性インキ23は、基材シート21とフィルム22との間に言わば閉じこめられているのであるから、当該包装用容器10の取り扱い時等において、基材シート21またはフィルム22が破れない限り、水性インキ23あるいはこれを構成している顔料が剥離するようなことはないのである。
従って、この請求項1の包装用容器10は、装飾等の印刷が綺麗で合成樹脂シート20に剥離等の問題発生がなく、しかもこの印刷による衛生上の問題が全く生じないものとなっているのである。
以上の課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1の包装用容器10について、
「基材シート21をポリスチレンペーパによって形成する一方、フィルム22をポリスチレンによって形成し、
かつ、このポリスチレンからなるフィルム22の厚さを10〜100μm好ましくは15〜50μmとするとともに、この表面に前記コロナ放電処理を施すことにより、このフィルム22の水性インキ23が塗布される表面の表面張力を、35〜50dyn/cmとなるように調整したこと」
である。
すなわち、この請求項2の包装用容器10では、水性インキ23の表面張力を考慮するために、これを成形するための合成樹脂シート20の最良として、基材シート21をポリスチレンペーパとする一方、フィルム22をポリスチレンとし、かつ、このポリスチレンからなるフィルム22の厚さを10〜100μm好ましくは15〜50μmとしたものである。
そして、水性インキ23が印刷されるフィルム22は、そのままでは33.0dyn/cm程度の表面張力を有しているため、これに対する水性インキ23の濡れ性を良好にする、つまり表面張力を高めるために、この請求項2の発明でも、表面にコロナ放電処理を施したフィルム22を採用しているのである。このコロナ放電処理を施したフィルム22の具体的表面張力は、35〜60dyn/cmと高くなり、水性インキの濡れ性が十分なものとなっているのである。
従って、この請求項の包装用容器10は、装飾等の印刷がより一層綺麗で合成樹脂シート20に剥離等の問題発生がなく、しかもこの印刷による衛生上の問題が全く生じないものとなっているのである。
上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段は、請求項1または請求項2に記載の包装用容器10について、
「水性インキ23は、1〜30%のアルコールと、水と、顔料と、樹脂分とにより構成したものであること」
である。
すなわち、この請求項3の包装用容器10は、これに使用している水性インキ23として、1〜30%のアルコールと、水と、顔料と、樹脂分とにより構成したものを採用したものであるが、アルコールが1〜30%の範囲である必要がある理由は、まず、アルコールが1%より少ない割合であると、基材シート21とフィルム22との分子的な熱溶着が十分行えないからである。一方、アルコールの割合が30%より多いと、この水性インキ23を介して押出機または熱ラミネート機によりラミネートした後に、分子的な熱溶着に使用されなかったアルコールの量が増大し、アルコールの残留が無視できない量となるからである。
このアルコールとしては、イソプロピレンアルコール、エチルアルコール、メタノール、プロパノールが採用される。
従って、この請求項3に係る包装用容器10は、上記請求項1または2のそれと同様な作用を呈する他、アルコールの残留を極力抑えたものであり、これによる異臭の発生がより一層抑制されたものとなっているのである。
上記課題を解決するために、請求項4に係る発明の採った手段は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の包装用容器10について、
「合成樹脂シート20の成形は、真空または圧空成形の熱成形であること」
である。
すなわち、この請求項4の包装用容器10では、水性インキ23を介して基材シート21とフィルム22とを積層した合成樹脂シート20の成形を、真空または圧空成形の熱成形によるものとしたものである。この熱成形によれば、上記の分子的熱溶着を阻害することなく成形を行うことができ、合成樹脂シート20を成形して包装用容器10とするにあたって、基材シート21とフィルム22との間の剥離を発生することがないのである。
この場合、基材シート21とフィルム22とを同種の樹脂によって形成したものを採用すれば、図4に示すように、水性インキ23がない部分であっても両者の溶着が可能である。勿論、水性インキ23がある部分は、図3に示すように、この水性インキ23中の樹脂分が接着剤の役目を果たすのである。つまり、基材シート21とフィルム22とからなる合成樹脂シート20は、いずれの部分においてもしっかりと溶着及び接着されているのであり、包装用容器10の熱成形時に部分的に伸びる個所があったとしても、剥離部分のない安定的な成形が行えるのであり、その剥離しないという効果は当該包装用容器10を長期間保存しても損なわれることはない。
なお、水性インキ23内の樹脂分による接着強度を高めるようにすれば、フィルム22の全面は勿論、部分的な印刷であっても、基材シート21とフィルム22との接着あるいは溶着を強固に行うことができるものである。
従って、この請求項4に係る包装用容器10は、上記請求項1カラン3のいずれかに記載のそれと同様な作用を呈する他、例えば包装用容器10のコーナー部等においても、基材シート21とフィルム22との間の剥離は発生しないものとなっているのである。
そして、上記課題を解決するために、請求項5に係る発明の採った手段は、
「基材シート21と、これに水性インキ23を介してラミネートされるフィルム22とからなる合成樹脂シート20により包装用容器10を製造する方法であって、
基材シート21をポリスチレンペーパによって形成する一方、フィルム22を厚さが10〜100μm好ましくは15〜50μmのポリスチレンによって形成するとともに、
このフィルム22の表面にコロナ放電処理を施すことにより、このフィルム22の水性インキ23が塗布される表面の表面張力を、35〜50dyn/cmとなるように調整し、
このコロナ放電処理を施したフィルム22の表面に水性インキ23を塗布してこれを乾燥させ、
この水性インキ23を介して、フィルム22を押出機または熱ラミネート機により基材シート21に対して積層することにより合成樹脂シート20を形成し、
この合成樹脂シート20に、真空または圧空成形の熱成形を施すことにより、包装用容器10を成形することを特徴とする包装用容器の製造方法」
である。
すなわち、この請求項5の製造方法では、基材シート21をポリスチレンペーパによって形成する一方、フィルム22を厚さが10〜100μm好ましくは15〜50μmのポリスチレンによって形成することと、コロナ放電処理を施したフィルム22の表面に水性インキ23を塗布または印刷した後にこれを乾燥させる点が重要である。
つまり、コロナ放電処理を施したフィルム22の表面に塗布または印刷したままの水性インキ23中には、後の熱ラミネートによる加熱によって気化したときに大容量となる水及びアルコールを含むものであり、これらの水及びアルコールは、綺麗な印刷が済めばラミネート自体にはそれほど影響のないものであるから、ラミネート前に積極的に気化させておくのである。
従って、この請求項5の製造方法によれば、上記請求項1〜4に係る発明と同様な効果が得られる包装用容器10を、確実かつ簡単に製造することができるのである。
以上、詳述した通り、本発明においては、
「合成樹脂シート20を成形することにより形成した包装用容器10であって、
合成樹脂シート20は、基材シート21と、これに水性インキ23を介して押出機または熱ラミネート機によりラミネートすべく表面にコロナ放電処理を施したフィルム22とにより積層して構成したものであること」
にその主たる構成上の特徴があり、これにより、合成樹脂シート20における装飾等の印刷が綺麗でこの合成樹脂シート20に剥離等の問題発生がなく、しかも異臭の発生という問題が全く生じない包装用容器を提供することにある。
次に、以上のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した実施の形態である包装用容器10について説明するが、この実施形態の包装用容器10は、上記各請求項に係る発明の全てを実質的に含むものである。また、この包装用容器10は、次の実施例1と実施例2に分けられる。
この実施例1に係る包装用容器10は、基材シート21に水性インキ23を介してフィルム22を熱ラミネートして構成した合成樹脂シート20に対して、真空または圧空成形による熱成形を施すことにより、図1及び図2に示したような形状のものにしたものである。
まず、合成樹脂シート20を構成するための基材シート21であるが、この基材シート21としては、100〜2000μm好ましくは200〜1000μmのPP(ポリプロピレン)フィルムあるいはシートを採用した。この基材シート21のフィルムあるいはシートは、ポリスチレンペーパー(中衝撃性ポリスチレン=ハイインパクトポリスチレン)によって形成したものであってもよく、これらがフィラー入りのものであってもよい。
また、フィルム22としては、10〜100μm好ましくは15〜50μmのCPP(未延伸ポリプロピレン)フィルムを採用したが、ポリスチレンフィルムや汎用ポリスチレン(ジェネラルパーパスポリスチレン)、あるいは耐衝撃性ポリスチレン(ハイインパクトポリスチレン)であってもよいものである。
水性インキ23は、1〜30%(好ましくは10〜20%)のアルコールと、残部の水とにより構成したものであり、アルコールとしては、イソプロピレンアルコール、エチルアルコール、メタノール、あるいはプロパノールを使用すればよい。この水性インキ23は、上記フィルム22に、10〜2000g/m2好ましくは100〜1000g/m2の条件でグラビア印刷されるものである。
また、フィルム22に水性インキ23を印刷する前に、コロナ放電処理を行えば、フィルム22の表面を親水化させて接着力を大きくすることができる。また、基材シート21とフィルム22とを異種材料によって形成して、接着剤を使用して一体化して合成樹脂シート20とすることも可能である。
以上の材料から実施例に係る次の試料を作成し、この実施例に対して比較するものを次のように選定してそれぞれの合成樹脂シートを形成し、これらから本発明に係る包装用容器10と、これと同様な形状の比較容器を真空または圧空成形による熱成形によって形成した。そして、これらの合成樹脂シートと、これらから成形した包装用容器10及び比較容器について、そのラミネート強度、及び残留溶剤測定を行った結果、以下に示す結果が得られた。この場合、「フィルム密着性」は粘着テープ剥離で確認した。
実施例試料:未延伸ポリプロピレンフィルムに水性インキ23をグラビア印刷して、これを押出しポリプロピレンシートに熱ラミネートしたもの
比較例試料:未延伸ポリプロピレンフィルムに市販の油性インキをグラビア印刷して、これを市販のフィラー入りポリプロピレンシートに熱ラミネートしたもの
[ラミネート物性]
Figure 2004175452
単位:N/20mm
ラミネート強度:N/15mm、剥離速度300m/分、MD/TD
[残留溶剤測定]
Figure 2004175452
MEK:メチルエチルケトン、IPA:イソプロピレンアルコール
単位:mg/m2
以上の結果から、本発明に係る包装用容器10は、比較例と較べて、ラミネート強度や耐油性に優れ、残留溶剤が非常に少なかった。
この実施例2に係る包装用容器10は、基材シート21に水性インキ23を介してフィルム22を熱ラミネートして構成した合成樹脂シート20に対して、真空または圧空成形による熱成形を施すことにより、図1及び図2に示したような形状のものにしたものであることは、上記実施例1のそれと同様である。
この実施例2の合成樹脂シート20は、その基材シート21をポリスチレンペーパによって形成する一方、フィルム22を厚さが10〜100μm好ましくは15〜50μmのポリスチレンによって形成したものである。
このフィルム22に対しては、その表面にコロナ放電処理を施して、その表面張力が調整される。これにより、このフィルム22の水性インキ23が塗布または印刷される表面の表面張力は、35〜50dyn/cmとなった。
この実施例2で採用した水性インキ23は、90%〜60%、好ましくは90%〜70%の水と、10%〜40%、好ましくは10%〜30%のアルコールとを加えた溶液を形成し、この溶液の50〜70部、好ましくは60〜70部に対して、アクリルコポリマーを、50〜20部、好ましくは40〜30部を加えて形成したものである。勿論、顔料は、必要に応じて40部まで加えるものである。
その後は、この水性インキ23を介して、フィルム22を押出機または熱ラミネート機により基材シート21に対して積層することにより合成樹脂シート20を形成し、この合成樹脂シート20に、真空または圧空成形の熱成形を施すことにより、包装用容器10を成形するのである。
本発明に係る包装用容器の平面図である。 同包装用容器の正面図である。 図1中の1−1線に沿ってみた包装用容器の部分拡大断面図である。 図1中の2−2線に沿ってみた包装用容器の部分拡大断面図である。
符号の説明
10 包装用容器
20 合成樹脂シート
21 基材シート
22 フィルム
23 水性インキ

Claims (5)

  1. 合成樹脂シートを成形することにより形成した包装用容器であって、
    前記合成樹脂シートは、基材シートと、これに水性インキを介して押出機または熱ラミネート機によりラミネートすべく表面にコロナ放電処理を施したフィルムとにより積層して構成したものであることを特徴とする包装用容器。
  2. 前記基材シートをポリスチレンペーパによって形成する一方、前記フィルムをポリスチレンによって形成し、
    かつ、このポリスチレンからなるフィルムの厚さを10〜100μm好ましくは15〜50μmとするとともに、この表面に前記コロナ放電処理を施すことにより、このフィルムの前記水性インキが塗布される表面の表面張力を、35〜50dyn/cmとなるように調整したことを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
  3. 前記水性インキは、1〜30%のアルコールと、水と、顔料と、樹脂分とにより構成したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の包装用容器。
  4. 前記合成樹脂シートの成形は、真空または圧空成形の熱成形であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の包装用容器。
  5. 基材シートと、これに水性インキを介してラミネートされるフィルムとからなる合成樹脂シートにより包装用容器を製造する方法であって、
    前記基材シートをポリスチレンペーパによって形成する一方、前記フィルムを厚さが10〜100μm好ましくは15〜50μmのポリスチレンによって形成するとともに、
    このフィルムの表面にコロナ放電処理を施すことにより、このフィルムの前記水性インキが塗布される表面の表面張力を、35〜50dyn/cmとなるように調整し、
    このコロナ放電処理を施したフィルムの表面に前記水性インキを塗布してこれを乾燥させ、
    この水性インキを介して、前記フィルムを押出機または熱ラミネート機により前記基材シートに対して積層することにより前記合成樹脂シートを形成し、
    この合成樹脂シートに、真空または圧空成形の熱成形を施すことにより、前記包装用容器を成形することを特徴とする包装用容器の製造方法。
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