JP3929362B2 - サーボプレス、およびそれを用いた加工方法とその制御方法 - Google Patents
サーボプレス、およびそれを用いた加工方法とその制御方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーボプレス、およびそれを用いた加工方法とその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プレス加工製品の高精密化(形状、寸法の精度が高い)、及び生産性向上のためのプレス加工の高速化が要求されて来て久しい。これに答えるプレスとして、例えば、サーボモータで上下方向へボールスクリューを直線駆動し、これにより直接スライドの位置及び速度を精度良く制御してスライドを精密に上下駆動する、いわゆる直動型サーボプレスが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の直動型サーボプレスにおいては、サーボモータで大きな加圧力を発生させるために、第1にボールスクリューの減速比を大きくすること、また、第2に大きなトルクが出せる、大きなパワーを有するサーボモータを使用することにより、これを達成できる。しかしながら、上記のようにボールスクリューの減速比を大きくすると、同じモータ回転数であっても全体的にスライド速度を遅くすることになり、スライドモーション中の高速化したい行程(例えば下降開始から加工領域手前まで、および加工完了後の上昇開始から上限位置までの各行程)でのスライド速度を充分に高速化することは困難であり、生産性を上げることができない。また、これを解決するために、上記のように大きなパワーを有するサーボモータを使用すると、サーボモータやサーボアンプ等の部品コストが高くなると共に、モータの大型化、大重量化によって装置全体が大型化し、また組立時や保守時の作業性が低下するという問題が生じる。
【0004】
プレス機械等の生産設備機械には、言うまでも無く、生産性向上のための生産速度アップと共に、安い価格、必要設置スペースの最小化、保守時の作業性、補給部品の入手性と低コスト化、等が常に要求されており、したがって、これらの要求を満足できるサーボプレスを望む声が非常に大きくなっている。
【0005】
本発明は、上記の問題点に着目してなされ、生産性向上が図れると共に、装置の低価格化および小型化ができ、さらに保守時の作業性向上、および補給部品の入手性向上と低コスト化が図れるサーボプレス、およびそれを用いた加工方法とその制御方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記目的を達成するため、第1、第3、または第5発明はそれぞれ、サーボモータでクランク機構またはエキセン機構等の偏心回転機構を回転し、直接コンロッドを介して、またはトグルリンク機構を介してスライドを上下駆動するサーボプレスにおいて、偏心回転機構の偏心回転部を一方向に1回転してスライドを1サイクル駆動する「回転」パターンと、スライドの上死点および下死点にそれぞれ対応する前記偏心回転部の回転角度の間に設定した所定の下限位置、上限位置に対応する2つの回転角度間で、下降行程と上昇行程とで反転駆動する「反転」パターンと、スライドの下死点に対応する前記偏心回転部の下死回転角度からそれぞれ正転方向および逆転方向に所定角度離れた2つの回転角度を2つの上限位置とし、この内の一方の上限位置から前記下死回転角度を通過して他方の上限位置まで一方向に回転駆動して、スライドを下死点をはさんで往復駆動するとともにサーボモータの正転時と逆転時で少なくとも加工行程のモーションが略同一になるよう自動的に設定される「往復」パターンと、スライドの上死点に対応する前記偏心回転部の上死回転角度からそれぞれ正転方向および逆転方向に所定角度離れた2つの回転角度を2つの下限位置とし、この内の一方の下限位置から前記上死回転角度を通過して他方の下限位置まで一方向に回転駆動し、スライドを上死点をはさんで反転往復駆動するとともにサーボモータの正転時と逆転時で少なくとも加工行程のモーションが略同一になるよう自動的に設定される「反転往復」パターンとを予め有し、実加工時にはそれらのいずれか一つに選択的に切換えて実行し、選択された制御パターンに基づきサーボモータを制御し、スライドの位置および速度を制御するようにしたサーボプレス、サーボプレスの加工方法、またはサーボプレスの制御方法としている。
【0007】
また、第2、第4、または第6発明はそれぞれ、サーボモータでクランク機構またはエキセン機構等の偏心回転機構を回転し、直接コンロッドを介して、またはトグルリンク機構を介してスライドを上下駆動するサーボプレスにおいて、偏心回転機構の偏心回転部を一方向に1回転してスライドを1サイクル駆動する「回転」パターンと、スライドの上死点および下死点にそれぞれ対応する前記偏心回転部の回転角度の間に設定した所定の下限位置、上限位置に対応する2つの回転角度間で、下降行程と上昇行程とで反転駆動する「反転」パターンと、スライドの下死点に対応する前記偏心回転部の下死回転角度からそれぞれ正転方向および逆転方向に所定角度離れた2つの回転角度を2つの上限位置とし、この内の一方の上限位置から前記下死回転角度を通過して他方の上限位置まで一方向に回転駆動して、スライドを下死点をはさんで往復駆動するとともにサーボモータの正転時と逆転時で少なくとも加工行程のモーションが略同一になるよう自動的に設定される「往復」パターンとを予め有し、実加工時にはそれらのいずれか一つに選択的に切換えて実行し、選択された制御パターンに基づきサーボモータを制御し、スライドの位置および速度を制御するようにしたサーボプレス、サーボプレスの加工方法、またはサーボプレスの制御方法としている。
【0008】
また、第7、第8、または第9発明はそれぞれ、サーボモータで直動部を略水平方向に駆動し、この直動によりトグルリンク機構を介してスライドを上下駆動するサーボプレスにおいて、スライドの下死点に対応するトグルリンク機構の下死リンク位置からサーボモータの一方向回転側にそれぞれ所定距離移動した、所定のスライド下限位置、上限位置にそれぞれ対応する2つのリンク位置間で、下降行程と上昇行程とで反転駆動する「反転」パターンと、トグルリンク機構の前記下死リンク位置からそれぞれ正転方向および逆転方向に所定距離移動した2つのリンク位置を2つの上限位置とし、この内の一方の上限位置から前記下死リンク位置を通過して他方の上限位置まで一方向に回転駆動して、スライドを下死点をはさんで往復駆動するとともにサーボモータの正転時と逆転時で少なくとも加工行程のモーションが略同一になるよう自動的に設定される「往復」パターンとを予め有し、実加工時にはそれらのいずれか一つに選択的に切換えて実行し、選択された制御パターンに基づきサーボモータを制御し、スライドの位置および速度を制御するようにしたサーボプレス、サーボプレスの加工方法、またはサーボプレスの制御方法としている。
【0010】
第1〜第6発明によれば、サーボモータでクランク機構またはエキセン機構等の偏心回転駆動部を回転し、直接コンロッドを介して、またはトグルリンク機構を介してスライドを駆動し、また第7〜第12発明によれば、サーボモータで水平直動部を直動し、トグルリンク機構を介してスライドを駆動するので、それぞれ加工行程では小さなトルクで大きな加圧力を得ることができ、しかも、通常スライド速度が高速を要求される、加工行程手前の高速下降行程でのスライド速度が速くなるようなモーションを容易に構成できる。これにより、小さなパワーのサーボモータを使用して高速化できるので、生産性向上、低コスト化、装置の小型化を図ることができる。また、小型のサーボモータを使うので、保守時の作業性向上や補給部品のコスト低減、入手性向上等が図れる。
【0011】
さらに、サーボモータの制御パターンを変えると、各種のスライド動作パターンが実現され、加工条件に適合させることができる。例えば、サーボモータの「回転」パターンは、ストローク長が長い成形加工に有利であり、「往復」パターンは、短いストローク長さで連続加工する薄板の打ち抜き加工に有利である。また、「反転」パターンは、短いストローク長さで、下限位置の位置決め精度を重要視する薄板のコイニング加工に有利であり、「反転往復」パターンは、上記の「反転」パターンでのストローク長さが所定値以上長くなった場合で、下限位置の位置決め精度が要求される精密成形加工に適合している。
【0012】
従って、第1〜第9発明によると、このような複数のモータ制御パターンを予め記憶しておき、実加工時に、加工条件に合わせてその内のいずれか一つを選択的に切換えて実行することにより、品質の良いワークを加工できると共に、加工条件に応じて効率的にスライドを駆動できるので、サイクルタイムを短縮して生産性を向上できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
【0014】
図1〜図14を参照して、第1実施形態を説明する。まず、図1および図2により、第1実施形態に係る発明が適用されるサーボプレス例としてのトグルリンク機構を有するサーボプレスを説明する。図1及び図2は、それぞれ該サーボプレスの側面一部断面図及び背面一部断面図である。
サーボプレス1は、サーボモータ21によりスライド3を駆動している。サーボプレス1の本体フレーム2の略中央部にはスライド3が上下動自在に支承されており、スライド3に対向する下部には、ベッド4上に取付けられたボルスタ5が配設されている。スライド3の上部に形成された穴内には、ダイハイト調整用のねじ軸7の本体部が抜け止めされた状態で回動自在に挿入されている。ねじ軸7のねじ部7aは上方に向けてスライド3から露出し、ねじ軸7の上方に設けたプランジャ11の下部の雌ねじ部に螺合している。
【0015】
ねじ軸7の本体部外周にはウォームギヤ8のウォームホイール8aが装着されており、このウォームホイール8aに螺合したウォームギヤ8のウォーム8bはスライド3の背面部に取付けたインダクションモータ9の出力軸にギヤ9aを介して連結されている。インダクションモータ9は、軸方向長さを短くしてフラット形状に、コンパクトに構成されている。
【0016】
前記プランジャ11の上部は、第1リンク12aの一端部とピン11aにより回動自在に連結されており、この第1リンク12aの他端部と、本体フレーム2に一端部が回動自在に連結されている第2リンク12bの他端部との間には、三軸リンク13の一側に設けた2つの連結孔がピン14a,14bにより回動自在に連結されている。三軸リンク13の他側の連結孔は、詳細を後述するスライド駆動部20の偏心軸28に回動自在に連結されている。第1リンク12a、第2リンク12bおよび三軸リンク13により、トグルリンク機構を構成している。
【0017】
本体フレーム2の側面部にはスライド駆動用のサーボモータ21が軸心をプレス左右方向に向けて取付けられており、該サーボモータ21の出力軸に取付けた第1プーリ22aと、サーボモータ21の上方に軸心をプレス左右方向に向けて回動自在に設けている中間シャフト24に取付けた第2プーリ22bとの間にはベルト23(通常はタイミングベルトで構成される)が巻装されている。また、中間シャフト24の上方の本体フレーム2には駆動軸27が回動自在に支承されており、駆動軸27の一端側に取付けたギヤ26は中間シャフト24に取付けたギヤ25と噛合している。そして、駆動軸27の軸心方向略中央部には偏心軸28が形成されており、この偏心軸28の外周部の偏心位置に前記三軸リンク13の他側が回動自在に連結されている。
【0018】
また、スライド3内には前記ねじ軸7の下端面部との間に密閉された油室6が形成されており、この油室6はスライド3内に形成されている油路6aを経由して切換弁16に接続されている。切換弁16は、油室6内への操作油の給排を切り換えるものである。切換弁16を通して油室6内に給油された操作油は、プレス加工時には、油室6内に閉塞され、加圧時の押圧力を油室6内の油を介してスライド3に伝達するようにしている。スライド3に過負荷が加わり、油室6内の油圧が所定の値を越えると油が図示しないリリーフ弁からタンクへ戻され、スライド3が所定量クッションし、スライド3および金型が破損しないようになっている。
【0019】
また、スライド3の背面部には、上下2箇所から本体フレーム2の側面部に向けて突出した1対のブラケット31,31が取付けてあり、上下1対のブラケット31,31間に位置検出ロッド32が取付けられている。位置検出用のスケール部が設けられている前記位置検出ロッド32は、リニアスケール等の位置センサ33の本体部に上下動自在に嵌挿している。位置センサ33は、本体フレーム2の側面部に設けられている補助フレーム34に固定されている。この補助フレーム34は上下方向に縦長に形成されており、下部がボルト35により本体フレーム2の側面部に取付けられ、上部が図示しない上下方向長孔内に挿入されたボルト36により上下方向摺動自在に支持され、側部が前後1対の支持部材37,37により当接、支持されている。
【0020】
補助フレーム34は、上下いずれか一側(本例では下側)のみを本体フレーム2に固定し、他側を上下動自在にして支持する構造としているため、本体フレーム2の温度変化による伸縮の影響を受けないようになっている。これにより、前記位置センサ33は、本体フレーム2の温度変化による伸縮の影響を受けずに、スライド位置及びダイハイトを正確に検出可能としている。
【0021】
図3は第1実施形態に係る制御装置のハード構成ブロック図であり、図3により制御構成を説明する。
本制御装置は制御器10、モーション設定手段17、メモリ10a、位置センサ33、サーボアンプ45およびスライド駆動用のサーボモータ21を備えている。
【0022】
モーション設定手段17はスライドモーションを設定するための各種データを入力するものであり、モーションデータを入力するためのスイッチ及び/又はテンキーと、これらの入力データや設定完了し登録された設定データ等を表示する表示器とを有している。以下の実施形態では、透明タッチスイッチパネルを液晶表示器やプラズマ表示器等のグラフィック表示器の前面に装着した、いわゆるタッチパネル付きのプログラマブル表示器と、テンキーとを用いて構成している。なお、このモーション設定手段17は、予め設定されたモーションデータを記憶したICカード等の外部記憶媒体からのデータ入力装置、または、無線や通信回線を介してデータを送受信する通信装置を備えていてもよい。
【0023】
本モーション設定手段17では、成形条件に合った加工パターン、即ちスライド制御パターンを回転、反転、往復(下死点通過往復)、および反転往復(上死点通過往復)の4種類の中から選択し、設定可能となっている。以下、各加工パターン別に説明する。
【0024】
図5および図6により、第1の「回転」パターンの設定について説明する。図5は「回転」パターンのモーション設定画面例であり、図6は「回転」パターンの動作説明図である。なお、図6の左側の円は、スライドの回転駆動部である前記偏心軸28の仮想的な回転運動を表し、上死点に対応する偏心軸28の仮想回転角度を0度、また下死点に対応する仮想回転角度を180度とそれぞれ表す。また、図6の右側のタイムチャートはこの回転運動に伴うスライド位置の変化を表しており、横軸に時間、縦軸にスライド位置(高さ)を表している。
【0025】
図5に示すように、モーションデータは個々の金型に応じて設定されるため、該金型に対応した型番号50を付与するようにしている。方式設定部60では、回転、反転、往復、反転往復の4種の制御パターンの内、いずれか一つが選択可能となっており、本例においては上記4種のパターン名が表示されたそれぞれの透明タッチスイッチをオペレータがタッチすると、当該スイッチに対応したパターン名が反転表示され(図5では、「回転」が反転表示されている)、そのパターンが選択される。「回転」パターンが選択されると、基準速度54の設定部が画面表示される。この基準速度54は、当該モーションでのサーボモータ21の許容最大速度を表しており、本例では予め決められたサーボモータ最大速度に対する%割合(但し、max100%)で設定するようにしている。これにより、サーボモータ最大速度以上の速度に設定されることが防止される。
【0026】
図6に示すように、「回転」パターンでは、サーボモータ21を正転方向に所定の一定速度(前記基準速度54の設定値による、通常はサーボモータ最大速度)で連続的に回転させる。これにより、スライドのモーションカーブは、偏心軸28の偏心長さ、トグルリンク機構の各リンク長さ、および偏心軸28の回転中心位置とトグルリンクとの関係等の機械的な寸法によって決まるリンクモーションとなり、上死点から下死点までの下降行程では滑らかに、この後上昇行程では急激にスライドが移動する。このとき、スライドストローク長さは上記機械的な寸法から決まる最大ストローク長さSmax である。
【0027】
次に、図7および図8により、第2の「反転」パターンの設定について説明する。図7は「反転」パターンのモーション設定画面例であり、図8は「反転」パターンの動作説明図である。なお、各図の構成の符号は前出の図の同一構成と同じにして以下での説明を省く。また、図8の左側円と右側タイムチャートの意味は図6と同じである。
【0028】
図8に示すように、「反転」パターンでは、上死点と下死点の間に設定した上限位置P0に対応する偏心軸28の回転角度θ0から、下死点手前に予め設定された所定の下限位置P2に対応する偏心軸28の回転角度θ2まで、サーボモータ21の正転方向速度を制御した後、下限位置P2で正確に位置決め停止し、次にサーボモータ21を反転して、上限位置P0まで上昇させて停止する。これを繰り返すことにより、短いストローク長さS1でスライドは昇降を繰り返し、その下限位置P2が精度良く位置決めされる。
【0029】
図7において、「反転」パターンの設定画面では、様々な金型に柔軟に対応するために、任意のモーションが設定できるように、段数51、待機位置53、基準速度54、待機時間55、そして各段毎の目標位置57、移動速度58および停止時間59がそれぞれ設定可能となっている。段数51には、下降工程での速度制御区間の段数51aと、上昇行程での速度制御区間の段数51bとがあり、それぞれ、段数が1に設定された場合には所定の定速度制御によるリンクモーションに設定されるようになっている。図8の例では、下降行程を2段、上昇行程を1段と設定しており、即ち下降行程では2段の速度制御区間を有し、上昇行程では所定の定速度制御によるモータ反転でのリンクモーションに設定している。待機位置53は、上昇行程の最後のスライド位置すなわち上限位置である。図8に示す例では、待機位置P0である。また、待機時間55はその待機位置53にスライドが停止(次サイクル開始まで待機)する場合の待機中の時間であり、図8の例では待機時間=0である。
【0030】
また、各段毎の目標位置57は、各段の最後スライド位置(これは、後段の開始位置に相当する)である。図8に示す例では、下降1段目が目標位置P1、下降2段目が目標位置P2(下限位置)、および上昇行程(図示の3段目)が目標位置P0(上限位置)である。そして、各段毎の移動速度58および停止時間59は、それぞれ、各区間のスライド移動速度、および最終目標位置Pnにおける移動停止時間であり、図8に示す例で言うと、2段目の移動速度58はP1からP2までのモーション傾き(=(P1−P2)/Ta)に相当し、その停止時間59は零である。また、上昇行程は、本例では下限位置P2から上限位置P0まで最大速(100%)で上昇するように設定されている。なお、各段の移動速度58は、前記設定した当該モーションの基準速度54でのスライド最大速度に対する%割合で設定するようにしている。また、上記の設定が完了したら、設定データに基づいてサイクルタイムが自動的に演算され、その演算結果がサイクルタイム表示部68に表示される。
【0031】
次に図9および図10により、第3の「往復」パターンについて説明する。図9は「往復」パターンのモーション設定画面例であり、また図10は「往復」パターンの動作説明図で、図の意味は前記同様である。
【0032】
図10に示すように、リンクモーションの下死点に対応する偏心軸28の回転角度をθd(仮想回転角度180度に相当する)と呼び、上死点に対応する偏心軸28の回転角度をθu(仮想回転角度360度に相当する)と呼ぶ。「往復」パターンでは、この角度θdからマイナス方向(以下、逆転方向と言う)に所定角度α1離れた回転角度θ1とプラス方向(以下、正転方向と言う)に所定角度α2離れた回転角度θ2との間で偏心軸28を往復駆動することにより、スライドを下死点をはさんで一方の上限位置U1と他方の上限位置U2との間で連続で往復駆動するようにしている。ここで、回転角度θ1に対応する上限位置U1と、回転角度θ2に対応する上限位置U2とは同一位置(高さ)であるものとし、これらの上限位置U1,U2と下死点との距離が設定ストローク長さS1に対応する。
【0033】
図9に示すように、「往復」パターンが選択されると、待機位置53、待機時間55、基準速度54のそれぞれの設定部が表示される。ここで、待機位置53は図10に示す上限位置U1,U2を表す。また、一方の上限位置U1から他方の上限位置U2までの正転時にはモータを所定の一定回転数で制御するものとし、上記基準速度54はこの時のモータ回転数を表す。これにより、本例では前述したような機械的に決まるリンクモーションに設定される。なお、他方の上限位置U2から一方の上限位置U1までの逆転時のモーションは、詳細は後述するように、この正転時のモーションに基づいて自動的に決定される。
【0034】
次に図11および図12により、第4の「反転往復」パターンについて説明する。図11は「反転往復」パターンのモーション設定画面例であり、また図12は「反転往復」パターンの動作説明図で、図の意味は前記同様である。
【0035】
図12に示すように、「反転往復」パターンでは、上死点に対応する偏心軸28の回転角度θuから逆転方向に所定角度α3離れた回転角度θ3と正転方向に所定角度α4離れた回転角度θ4との間で偏心軸28を往復駆動することにより、スライドを上死点をはさんで一方の下限位置D1と他方の下限位置D2との間で連続で往復駆動するようにしている。ここで、逆転方向に所定角度α3離れた回転角度θ3に対応する下限位置D1と、正転方向に所定角度α4離れた角度θ4に対応する下限位置D2とは同一位置であるものとし、これらの下限位置D1,D2と上死点との距離が設定ストローク長さS2に対応する。
【0036】
図11に示すように、「反転往復」パターンが選択されると、基準速度54、目標位置57、停止時間59のそれぞれの設定部が表示される。ここで、目標位置57は図12に示す下限位置D1,D2を表し、また停止時間59はその下限位置D1,D2での停止時間を表し、図12の例では停止時間59=0に設定されている。また、図12に示すように、一方の下限位置D1から上死点を通過して他方の下限位置D2までの正転時には、モータを所定の一定回転数で制御するものとし、上記基準速度54はこの時のモータ回転数を表す。これにより、本例では前述したような機械的に決まるリンクモーションに設定される。なお、他方の下限位置D2から上死点を通過して一方の下限位置D1までの逆転時には、詳細は後述するように、上記の正転時のモーションに基づいて自動的に決定される。
以上、モーション設定手段17について説明した。
【0037】
前出の図3において、メモリ10aは上記設定されたモーションデータをその型番号50に対応させて記憶すると共に、スライド制御のためのモータ回転角度とスライド位置との関係データを記憶している。このモータ回転角度とスライド位置との関係データは、前記トグルリンク機構の各リンク12a,12b,13の長さ、偏心軸28の偏心長さ、および偏心軸28の回転中心位置とトグルリンクとの関係などの機械的寸法によって決まる関数式で求まるものであり、この関数式自体を記憶してもよいし、または関数式をテーブルデータとして記憶してもよい。
【0038】
前記位置センサ33は、検出したスライド位置を制御器10に出力している。制御器10はコンピュータ装置やPLC(プログラマブルロジックコントローラ、所謂プログラマブルシーケンサである)等の高速演算装置から構成されている。この制御器10は、詳細は後述する処理手順に従って、前記モーション設定手段17により設定された前記制御パターンとそれに対応したモーションデータとに基づいて、スライド制御のためのモーションカーブを決定し、実稼動時に、前記メモリ10aに記憶したモータ回転角度とスライド位置との関係データを参照して、スライドが前記決定されたモーションカーブに沿って移動するように後述する所定の演算処理を行い、サーボモータ21の速度指令を求めてサーボアンプ45に出力する。
【0039】
サーボアンプ45には、図示しないサーボモータ回転角度センサからのモータ回転角度信号がフィードバックされている。サーボアンプ45は、制御器10からの前記速度指令とこのモータ回転角度から求まる速度フィードバック信号との偏差値を演算し、この求めた偏差値に基づき、該偏差値を小さくするようにサーボモータ21を制御する。これにより、スライドの位置および速度が精度良く制御される。
【0040】
次に、図4に示す制御機能ブロック図に基づき、図6,8,10,12にそれぞれ示すスライド動作説明図を参照して、制御装置の各制御機能を説明する。
【0041】
モーション設定部43は、前記モーション設定手段17により選択、設定された制御パターンと、この制御パターンに対応するモーションデータとに基づき、制御実行時間tとスライド位置Pとの関係を表すモーションを決定する。このとき、以下のような理由によって、制御パターン毎に異なる手順でモーションを決定している。
【0042】
第1の「回転」パターンにおいては、図6に示すようにサーボモータ21を所定方向(図示では正転方向)に定速度で連続回転させている。また、第2の「反転」パターンでは、図8に示すように、下降行程の上限位置P0から下限位置P2まではサーボモータ21を所定の速度で正転方向に回転させている。このため、上記2つのパターンでは、その下降行程のモーションカーブが常に同じであり、よってそのスライド速度が安定に制御されており、従って図示の加工行程Aw(ワークに当接する位置近傍)での成形条件は安定している。
【0043】
一方、第3の「往復」パターンおよび第4の「反転往復」パターンにおいては、図10および図12にそれぞれ示すように、スライド下降行程でサーボモータ21を正転させる時と逆転させる時の2つの場合がある。ところが、前述のように偏心軸28の偏心長さ、トグルリンク機構の各リンク長さ、偏心軸28の回転中心位置とトグルリンクとの関係等によって決まるリンクモーションは、前記図6にも示すように下死点または上死点を挟んで正転側と逆転側とで偏心軸28の回転角度θとスライド位置との関係が非対称で、異なっている。すなわち、下死点から逆転側で、上死点まではサーボモータ21を一定速度で回転させた時、スライド位置が緩やかに変化し、反対に正転側で、上死点までは急激に変化するモーションである。また、上死点から正転側ではスライド位置が緩やかに変化し、反対に逆転側では急激に変化するモーションである。しかしながら、図示の加工行程Awでのスライド速度は製品品質を左右する非常に重要な成形条件であるため、「往復」パターンおよび「反転往復」パターンで正逆回転駆動する場合でも少なくとも加工行程Awのスライド速度を等しくする必要がある。
【0044】
そこで、「往復」パターンでは、図10に示すようにストロークS1の上限位置U1または上限位置U2から下死点に向かうスライド下降行程の、少なくとも加工行程Awのときに、常に、上記の緩やかなリンクモーションと略等しくなるように、サーボモータ21で偏心軸28の回転速度を制御して、スライドの位置および速度を精密に制御するようにしている。
「反転往復」パターンでは、図12に示すように上死点からストロークS2の下限位置D1または下限位置D2に向かうスライド下降行程の、少なくとも加工行程Awのときに、それぞれ所定のリンクモーションと略等しくなるように、サーボモータ21で偏心軸28を制御して、スライドの位置および速度を精密に制御するようにしている。
【0045】
以下に、より具体的なモーション決定方法について、順に説明する。
「回転」パターンのときには、図5に示す画面で設定された前記基準速度54に相当するモータ回転速度でサーボモータ21を定速度正転させた時のモーションカーブを、前記モーションとして決定する。
「反転」パターンのときには、下降行程では、図7に示す画面で設定された前記待機位置53と、下降行程各段の(図7の例では2段目までの)目標位置57および移動速度58とに基づき、上限位置P0から下限位置P2までのモータ正転時のモーションカーブが、前記モーションとして決定される。また上昇行程では、前記設定された上昇行程各段の(図7の例では3段目の)目標位置57と移動速度58と待機時間55とに基づき、下限位置P2から上限位置P0までのモータ逆転時のモーションカーブが、前記モーションとして決定される。
【0046】
「往復」パターンのときには、図10のタイムチャートの左側に示すように、サーボモータ21により偏心軸28を正転方向に回転させて、スライドを一方の上限位置U1から下死点を経由して他方の上限位置U2までの間で往復制御するときには、図9に示す画面で設定された前記待機位置53を上限位置U1,U2とし、前記基準速度54に相当する一定速度で正転させ(または、少なくとも上昇行程では最大モータ速度としてもよい)、他方の上限位置U2で前記待機時間55だけ停止させるときのモーションカーブが、前記モーションとして決定される。これにより、スライドは、前述のように一方の上限位置U1から下死点までの間は緩やかなリンクモーションで下降し、下死点から他方の上限位置U2までの間は急激な上昇モーションで上昇する。このときの1サイクル所要時間Tcは、前記演算により求められたサイクルタイム68と略等しくなる。また、図10のタイムチャートの右側に示すように、偏心軸28を逆転方向に回転させて、スライドを他方の上限位置U2から下死点を経由して一方の上限位置U1までの間で往復制御するときには、まず他方の上限位置U2から下死点までの間に、上記の正転方向駆動時の一方の上限位置U1から下死点までと同じ緩やかなリンクモーションでスライドを下降させるために、これと略等しいリンクモーションが決定される。なお、少なくとも両者の加工行程Awのモーション(以後、加工モーションと言う)のみを略等しくするようにしてもよい。そして次に、下死点から一方の上限位置U1までの間は、逆転方向に一定速度(通常は最大速度)で回転駆動するモーションカーブが決定される。これにより、逆転時の加工モーションを正転時と略等しくすることができる。
【0047】
また「反転往復」パターンのときには、図12のタイムチャートの左側に示すように、まずサーボモータ21により偏心軸28を正転方向に回転させて、スライドを上死点から一方の下限位置D2までの間で制御するときに、図11に示す画面で設定した前記目標位置57を下限位置D2とし、前記基準速度54に相当する一定速度で正転させて一方の下限位置D2で位置決め停止して前記停止時間59だけ停止するときのモーションカーブが、前記モーションとして決定される。これにより、スライドは、上死点から一方の下限位置D2までの間は緩やかなリンクモーションで下降する。
【0048】
次に、サーボモータ21により偏心軸28を逆転方向に回転させて、スライドを一方の下限位置D2から上死点を経由して他方の下限位置D1までの間で制御するが、このとき、一方の下限位置D2から上死点までは、一定速度(通常は最大速度)で逆転させるときのモーションカーブが前記モーションとして決定される。この後、上死点から他方の下限位置D1までは、サーボモータ21の逆転方向の速度を制御するようにして、上記の正転方向駆動時の上死点から一方の下限位置D2までと略同一の緩やかなリンクモーションカーブが決定される。これにより、サーボモータ21の逆転時でも、スライドは上死点から一方の下限位置D2までと略同一のモーションで下降する。なお、少なくとも両者の加工行程Awのみのモーションを略同一としてもよい。この場合、サーボモータ21の逆転時でも、加工行程Awにおいて略同一のモーションで下降する。
【0049】
次に、図12のタイムチャート右側に示すように、偏心軸28を正転方向に回転させて、スライドを他方の下限位置D1から上死点を経由して一方の下限位置D2までの間で往復制御するときには、他方の下限位置D1から上死点までは、一定速度(通常は最大速度)で正転させるときのモーションカーブが決定され、この後上死点から一方の下限位置D2までは前述と同様に前記設定された一定速度で正転させるときのモーションカーブが決定される。以降、上記のモーションを繰り返す。
以上で、モーション設定部43の説明を終える。
【0050】
次に、モータ/スライド関係データ記憶部44は、前述のサーボモータ21の回転角度とスライド位置との関係を表したデータを前記メモリ10a内に記憶している。なお、このサーボモータ21の回転角度とスライド位置との関係を、偏心軸28の回転角度θ(0度〜360度)とスライド位置との関係で表すと、スライドのリンクモーションが分かり易くなる。そして、このリンクモーションの関数式は前記トグルリンク機構の各リンク長さ、偏心軸28の偏心長さ、偏心軸28の回転中心位置とトグルリンク機構との関係、および偏心軸28の回転角度θの三角関数により求まるので、これらの関数式を上記関係データとして記憶してもよいし、または関数テーブルデータとして記憶してもよい。
【0051】
スライド位置指令演算部41は、モーション設定部43で決定した、制御パターンに応じたモータ正転時および逆転時のそれぞれのモーションに沿ってスライドが移動するように、所定のサーボ演算周期時間毎のスライド位置の目標値を前記モーションに基づき演算により求める。そして、求めたスライド位置目標値を指令演算部42に出力する。
【0052】
指令演算部42は、前記スライド位置指令演算部41からのスライド位置目標値と、位置センサ33により検出したスライド位置との偏差値を小さくするように、該求めた偏差値に基づきモータ速度指令を演算し、サーボアンプ45に出力する。なお、このモータ速度指令の演算時に用いる位置偏差ゲインは、前記モータ/スライド関係データ記憶部44のスライド位置とモータ回転角度との関係データを参照して、スライド位置に応じて補正する。
なお、偏心軸28の回転角度を検出して、上記スライド位置のフィードバックの代わりにこの偏心軸28の回転角度を位置フィードバックに用いてもよい。
【0053】
ところで、前記した4つの制御パターンは、加工条件に応じて選択されるものである。図13は、それぞれの制御パターンが適用される加工条件を表している。
図13で分かるように、「往復」と「反転」のパターンは、加工後の逃げ量などの所要ストローク長さが短くてもよい場合に、「回転」と「反転往復」のパターンに比して有利である。また、「反転」パターンは下限位置での位置決め精度が要求される場合に「往復」と「回転」のパターンに比してその効果が大きい。しかし、サイクルタイムの面では短いストローク長さ同士でも「往復」パターンの方が、「反転」パターンに比して下死点付近での加減速および停止の無い分有利であり、さらに加減速および停止の頻度が少ない分、モータの負荷がより軽減されて発熱が少なく、モータ寿命を長期化できる。
【0054】
また、「回転」と「反転往復」のパターンは所要ストローク長さが長い場合に有利で、さらに「反転往復」パターンは下限位置での位置決め精度が要求される場合に「往復」と「回転」のパターンに対してその効果が大きいが、逆にサイクルタイムの面では長いストローク長さ同士でも「回転」パターンの方が「反転往復」パターンよりも下死点付近での加減速および停止の無い分有利である。なお、「反転」パターンでストローク長さが所定値以上に長くなったときには、「反転往復」パターンの方が「反転」パターンに比して上死点付近での加減速および停止の無い分サイクルタイムが速くなると共に、加減速および停止の頻度が少ない分モータの負荷がより軽減されて発熱が少なく、モータ寿命を長期化できる。
【0055】
これらのことから、「往復」パターンは、例えば薄板の連続打抜き加工などに適合し、「回転」パターンは、例えば所定値以上のストローク長さが必要な成形加工などに適合し、「反転」パターンは、例えば薄板のコイニング加工、精密成形加工などに適合し、また「反転往復」パターンは例えば所定値以上のストローク長さが必要な精密成形加工、深絞り加工などに適合していると言える。
【0056】
図14は、本発明に係る加工作業のフローチャートを表しており、図14により加工手順を説明する。
まずステップS1で、作業者はモーション設定手段17により、ワークの加工条件に合わせて制御パターンを選択し、設定する。次に、ステップS2で、作業者は前記選択した制御パターンに応じて、ワーク加工条件を満たすモーションデータを設定する。この後、ステップS3で、制御器10は、実稼動開始前に、上記選択された制御パターンにこの設定されたモーションデータを当てはめて、該制御パターンに合ったモーションカーブを決定する(モーション設定部43)。そして、ステップS4で、起動信号が入力されたか(つまり起動されたか)をチェックし、起動されるまでステップS4を繰り返して待つ(スライド位置指令演算部41)。なお、上記起動信号は、図示しないプレス操作盤に設けた起動釦スイッチによるものでも、または図示しない上位のプレスライン管理コントローラからの起動信号等であってもよい。ステップS4で起動されたら、次にステップS5で、前記モーションカーブに沿ってスライドが移動するようにスライドの位置および速度を制御する(スライド位置指令演算部41、指令演算部42)。この後、ステップS6でプレス操作盤またはプレスライン管理コントローラ等から停止信号が入力されたかをチェックし、停止信号が入力されるまでステップS5から処理を繰り返し、停止信号が入力されたら、ステップS7で、待機位置に設定された上限位置または上死点でスライドを停止させ、プレス運転を停止する。
【0057】
以上の構成の第1実施形態による効果を説明する。
サーボモータ21で偏心軸28を回転し、この偏心軸28の回転によりトグルリンク機構を進退駆動して、スライド3を上下駆動しているため、トグルリンク機構の力増幅作用を利用して小さなモータトルクで大きなスライド加圧力を出せる。しかも、トグルリンク機構でのモーションによると、通常高速下降が必要とされる、加工行程より手前の高速下降行程でのスライド速度を容易に高速化できる。これにより、小さいパワーを有する小型のサーボモータを使用できるので、サーボプレスの小型化、低コスト化、及びその生産性向上ができる。さらに、組立時や保守時の作業性向上や、補給部品の低コスト化および入手性向上を図ることができる。
【0058】
また、サーボモータ21の制御パターンとして、「回転」パターンと、「往復」パターンと、「反転」パターンと、「反転往復」パターンとの複数のパターンを予め記憶しておき、モーション設定時に、これらの複数の制御パターンの内いずれか一つを選択可能とし、この選択されたパターンに応じてモーションデータを設定すると、実制御時には、上記選択された制御パターンおよびそれに応じたモーションデータに基づき、制御のためのモーションが決定され、そしてこのモーションに沿ってサーボモータ21の位置および速度を制御するようにしている。このとき、サーボモータ21の正転時と逆転時とで、下降行程、特に加工行程のモーション(スライド位置と速度)を略等しくするように、上記の制御用のモーションが決定されるので、上記各種制御パターン毎にサーボモータ21の回転方向が異なっていても、少なくとも加工条件がばらつくことがなく安定する。従って、製品品質を高いレベルに安定化することができる。
【0059】
また、ワークの加工条件に合わせて前記複数の制御パターンの内のいずれか一つを選択し、そのモーションを設定可能としているので、加工条件に適合した制御パターンでサーボモータ21を制御し、適合したモーションでスライドを駆動することができる。例えば、薄板の連続打ち抜き加工、通常の成形加工、薄板のコイニング加工、高精密成形加工等の加工条件に合った制御パターンを選択できる。この結果、サイクルタイムの短縮による生産性の向上や、高精度で高品質のワーク加工ができる。
【0060】
次に、図15〜図19により、第2実施形態を説明する。本実施形態は、サーボモータで回転駆動するクランク機構によりスライドが駆動されるサーボプレスへの適用例を示している。
図15は、第2実施形態に係るサーボプレスおよび制御装置の概略構成図である。第1実施形態と同じ構成には同一符号を付し、ここでの説明を省く。
図15において、サーボモータ21は、その出力軸に取着された減速用の歯車71a、及びこれに噛合する所定の減速機71bを介してクランク軸72に回転動力を伝達している。このクランク軸72には、コンロッド73を介してスライド3が昇降自在に連結されている。スライド3には、図示しないダイハイト調整装置が設けられている。スライド3の下面と、その下方の図示しない本体フレームに設けたベッド上に取付けられたボルスタ5の上面とにそれぞれ上下金型が装着され、スライド3の昇降動作により加工が行われるようになっている。また、スライド3の背面部には、第1実施形態と同様に位置検出ロッド32が取り付けられており、該位置検出ロッド32にはリニアスケール等の位置センサ33の本体部が上下動自在に嵌挿している。そして、この位置センサ33は、図示しない本体フレームの側面部に設けられている補助フレーム34に固定されている。
【0061】
また、モーション設定手段17により設定されたモーションデータ、および位置センサ33の検出信号は、それぞれ制御器10に入力されている。該制御器10は、後述するような演算処理により、各制御パターンに応じて、前記設定されたモーションデータに基づきモーションカーブを決定し、このモーションカーブに沿ってスライド3が移動するように、サーボアンプ45を介してサーボモータ21の位置および速度を制御する。
また、メモリ10aには、サーボモータ21の回転角度とクランク軸72の回転角度とスライド位置との関係を表す関係データや、前記設定されたモーションデータ等が記憶されている。
【0062】
次に、本実施形態に係る各制御パターンの説明を行う。なお、モーション設定手段17によるデータ設定画面およびそのモーションデータは、前記図5,7,9,11と同様とする。
まず、図16に示す動作説明図により、「回転」パターンの動作を説明する。図16の左側の円は、前記クランク軸の回転運動を表し、回転角度0度が上死点を、回転角度180度が下死点をそれぞれ表している。また、図16の右側のタイムチャートはこの回転運動に伴うスライド位置の変化を表しており、縦軸にスライド位置(高さ)を表している。
【0063】
図16に示すように、「回転」パターンでは、サーボモータ21を一定方向(図示では正転方向)に、モーション設定手段17により設定された定速度で回転させたときのモーションが設定される。これにより、クランク軸の偏心量、コンロッド長さ等の機械的な寸法によって決まる所定のクランクモーションが設定される。このとき、スライドストローク長さは上記機械的な寸法から決まる最大ストローク長さSmax である。なお、ここでは、クランクモーションの下死点(180度)をはさんでモータ正転側と逆転側との相違が無く、対称形であるものとするが、本発明はこの形状に限定されない。
【0064】
次に、図17に示す動作説明図により、「反転」パターンの動作を説明する。なお、図17の意味は図16と同じである。
「反転」パターンでは、上死点と下死点の間に設定した上限位置P0に対応するクランク軸72の回転角度θ0から、下死点手前に予め設定された所定の下限位置P2に対応するクランク軸72の回転角度θ2まで、サーボモータ21の正転方向速度を制御した後、下限位置P2で正確に位置決め停止し、次にサーボモータ21を反転して、上限位置P0まで上昇させて停止する。これを繰り返すことにより、上限位置P0から下限位置P2までの短いストローク長さS1でスライドは昇降を繰り返し、その下限位置P2が精度良く位置決めされる。なお、図7の設定画面においては、基準速度54、待機時間55、各段毎の目標位置57、移動速度58および停止時間59がそれぞれ設定可能となっているが、図17で示したモーションは、待機時間55=0、下降工程の段数51a=1、上昇行程の段数51b=1、下降1段目の目標位置57=P2、待機位置53=P0、停止時間59=Tbに設定した例である。よって、本例では、下降工程は下降1段目の移動速度58により設定された定速度で正転時のクランクモーションとなり、上昇行程は上昇1段目の移動速度58により設定された定速度で逆転時のクランクモーションとなる。
【0065】
次に、図18に示す動作説明図により、「往復」パターンの動作を説明する。なお、図18の意味は図16と同じである。
図18に示すように、下死点に対応するクランク軸72の回転角度をθd(180度に相当する)とし、上死点に対応するクランク軸72の回転角度をθu(360度に相当する)とする。
「往復」パターンでは、この角度θdから逆転方向に所定角度α1離れた回転角度θ1と正転方向に所定角度α2離れた回転角度θ2との間でクランク軸72を往復駆動することにより、スライドを下死点をはさんで一方の上限位置U1と他方の上限位置U2との間で連続で往復駆動するようにしている。ここで、上限位置U1と上限位置U2とは同一位置(高さ)であるものとし、上限位置U1,U2と下死点との距離が設定ストローク長さS1に対応する。
【0066】
図9に示す設定画面では、待機位置53、待機時間55、基準速度54が設定可能となっているが、図18に示すモーションは、待機位置53=上限位置U1、待機時間55=Tcとし、一方の上限位置U1から他方の上限位置U2までの正転時と、他方の上限位置U2から一方の上限位置U1までの逆転時とに、上記基準速度54で設定された所定の定回転数でサーボモータ21を制御する例である。これにより、本例では機械的に決まるクランクモーションに設定される。
【0067】
次に、図19に示す動作説明図により、「反転往復」パターンの動作を説明する。なお、図19の意味は図16と同じである。
【0068】
図19に示すように、「反転往復」パターンでは、上死点に対応するクランク軸72の回転角度θuから逆転方向に所定角度α3離れた回転角度θ3と正転方向に所定角度α4離れた回転角度θ4との間でクランク軸72を往復駆動することにより、スライドを上死点をはさんで一方の下限位置D1と他方の下限位置D2との間で連続で往復駆動する。ここで、回転角度θ3に対応する下限位置D1と、回転角度θ4に対応する下限位置D2とは同一位置(高さ)であり、下限位置D1,D2と上死点との距離が設定ストローク長さS2に対応する。
【0069】
ここで、図19に示すモーションは、図11に示した設定画面において、目標位置57=下限位置D1とし、停止時間59=0とし、また一方の下限位置D1から上死点を通過して他方の下限位置D2までの正転時に、基準速度54に設定した一定回転数でサーボモータ21を制御したときのクランクモーションとした例である。
【0070】
図20は本実施形態に係る機能構成ブロック図であるが、この機能構成は、クランクモーションに対応する処理以外、前記図4に示したものと略同じであるから、同一機能部には同じ符号を付し、以下ではその異なる機能の部分について説明する。
【0071】
モーション設定部43Aは、モーション設定手段17によって選択、設定された前述の4つの制御パターンの内のいずれか一つのパターンに応じて、前記設定されたモーションデータに基づきモーションカーブを決定する。「回転」パターンのときには、図16に示すようにモータ一定回転方向に定速度で回転させた場合のクランクモーションが決定され、また「反転」パターンのときには、図17に示すように下降工程と上昇行程とでモータ回転方向を反対にしたモーションが決定される。「往復」パターンのときには、図18に示すように一方の上限位置U1から下死点を通過して他方の上限位置U2まで正転させた時と、他方の上限位置U2から下死点を通過して一方の上限位置U1まで逆転させた時とで、その下降モーションの内、少なくとも加工行程Awのモーションが略等しくなるようにモーションが決定される。そして、「反転往復」パターンのときには、一方の下限位置D1から上死点を通過して他方の下限位置D2まで正転させた時と、他方の下限位置D2から上死点を通過して一方の下限位置D1まで正転させた時とで、その下降モーションの内、少なくとも加工行程Awのモーションが略等しくなるようにモーションが決定される。
【0072】
モータ/スライド関係データ記憶部44Aは、サーボモータ21の回転角度とスライド位置との関係を表したデータを前記メモリ10aに記憶している。なお、この関係データは、クランク軸72の回転角度θ(0度〜360度)とスライド位置との関係で表されている。また、このクランクモーションの関数式はクランク軸機構の偏心量(クランク回転半径)、コンロッド73の長さ、およびクランク軸72の回転角度θの三角関数により求まるので、これらの関数式自体を上記関係データとして記憶してもよいし、または関数テーブルデータとして記憶してもよい。
【0073】
そして、スライド位置指令演算部41は、前記モーション設定部43Aで決定した、制御パターンに応じたモータ正転時および逆転時のそれぞれのモーションに沿ってスライドが移動するように、所定のサーボ演算周期時間毎のスライド位置の目標値を前記モーションに基づき演算により求める。指令演算部42は、このスライド位置指令演算部41からのスライド位置目標値と、前記位置センサ33により検出したスライド位置との偏差値を小さくするように、該求めた偏差値に基づきモータ速度指令を演算し、サーボアンプ45に出力する。なお、このモータ速度指令の演算時に用いる位置偏差ゲインは、前記モータ/スライド関係データ記憶部44Aのスライド位置とモータ回転角度(クランク回転角度)との関係データを参照して、スライド位置に応じて補正する。
【0074】
以上の第2実施形態によると、サーボモータ21でクランク機構を回転し、直接コンロッドを介してスライド3を駆動するので、サーボモータ21の小さなトルクでスライド3の大きな加圧力を出すことができる。従って、前実施形態と同様に、小型のサーボモータ21を使用できるので、サーボプレスの小型化、低コスト化、生産性の向上、保守時作業性、補給部品の低コスト化および入手性向上等を図ることができる。
【0075】
また、ワークの加工条件に合わせてサーボモータ21の複数の制御パターンの内の一つが選択、設定され、その制御パターンに応じたモーションデータを設定することにより、実稼動時のモーションカーブが自動的に決定され、このカーブに基づいてスライドの位置および速度が制御される。これにより、加工条件に適合したサーボモータ21の制御ができ、よってスライド駆動ができるので、サイクルタイム高速化による生産性の向上、および製品品質の向上を図ることができる。
【0076】
なお、本実施形態においては、サーボモータでクランク機構を介してスライドを駆動するサーボプレスの例で示したが、例えばエキセン機構等の偏心回転機構を介してスライドを駆動するものにも適用できることは勿論である。
【0077】
また、制御パターンのモーション設定において、モータ回転数(移動速度)を定速度に設定した場合のモーション例を挙げて説明した個所もあるが、本発明はこれに限定するものではなく、すなわち、任意のモーションに設定すべく、複数の段数と各段の目標位置、移動速度、停止時間等を設定しても構わない。さらに、この場合、前記目標位置としてスライド位置を高さ方向の位置(この位置は位置センサ33で検出可能)で設定する例で示しているが、クランク回転角度で設定するようにしてもよい。フレーム等の熱変形によりダイハイトが変化した場合には、高さ方向の位置データのみでは下死点や上死点の近傍の位置決めが困難なこともあるが、上記のようにクランク回転角度で設定し、この回転角度に基づいて下死点や上死点の近傍の位置決め制御を行うことによって、上記問題を容易に解決できる。
【0078】
次に、図21〜図23により、第3実施形態を説明する。まず、図21に示す概略構成図により、本実施形態に係るサーボプレスおよび制御装置の構成を説明する。なお、これまでと同一の構成には同じ符号を付して説明を省く。
【0079】
図21において、サーボプレス81のスライド3及びプランジャ86は共に本体フレーム82に上下動自在に支承されており、スライド3はプランジャ86の下部にダイハイト調整可能に(すなわち、上下動可能に)連結されている。このプランジャ86の上部は、第1リンク85a、三軸リンク84及び第2リンク85b等を有するトグルリンク機構83を介して本体フレーム82に連結されている。すなわち、第1リンク85aは本体フレーム82の上部と三軸リンク84の一辺の両端部一側との間にピンにより回動自在に連結されており、また、三軸リンク84の前記一辺の両端部他側とプランジャ86の上部との間には第2リンク85bがピンにより回動自在に連結されている。
【0080】
本体フレーム82に取り付けられたサーボモータ21の出力軸に第1プーリ92aが取り付けてあり、また本体フレーム82に左右の軸受99,99を介して回動自在に支承されているボールスクリュー91のスクリュー部材91aの一端部には第2プーリ92bが取り付けてある。この第1プーリ92aと第2プーリ92bとの間には、ベルト93(通常は、タイミングベルト)が巻装されている。前記左右軸受99,99の間のスクリュー部材91aのねじ部にはナット部材91bが軸心方向に移動自在に螺合して設けられており、このナット部材91bには駆動部材98の一端部が固着されている。駆動部材98の他端部は、トグルリンク機構83の前記三軸リンク84にピン94により回動自在に連結されている。
【0081】
サーボモータ21のモータ軸には、モータ回転速度を検出するパルスジェネレータ等からなるモータ回転検出器96が取り付けてある。そして、このモータ回転検出器96の検出したモータ回転速度Sθはサーボアンプ45に入力され、サーボアンプ45は制御器10からのモータ速度指令rmと前記モータ回転速度Sθとのモータ速度偏差値に基づいてモータ動力指令(電流指令)Cmをサーボモータ21に出力している。
【0082】
また、本体フレーム82の側面部に下端部が取り付けられた補助フレーム34に位置センサ33が取り付けられ、スライド3に取り付けた位置検出ロッド32が前記位置センサ33に上下動自在に嵌挿している。位置センサ33の位置検出信号は制御器10に入力されている。
さらに、制御器10には前記同様のモーション設定手段17が接続されており、設定されたモーションデータはメモリ10aに記憶されている。
【0083】
上記構成のサーボプレス81のスライド3は、以下のように作動する。サーボモータ21を回転させると、プーリ92a,92b及びベルト93を介してスクリュー部材91aが所定方向に回転し、これによりナット部材91bが軸心方向に進退し、駆動部材98を介して三軸リンク84を矢印方向へ押し引き駆動する。駆動部材98は、三軸リンク84が、実線で示すスライド下死点に対応する位置84cをはさんで、2点鎖線で示す第1のスライド上限位置に対応する位置84aと、点線で示す第2のスライド上限位置に対応する位置84bとの間を移動するように、往復駆動可能となっている。この三軸リンク84の左右方向移動により、トグルリンク機構83の第2リンク85bを介してプランジャ86及びスライド3が昇降する。
【0084】
上記のように、サーボモータ21の回転動力をボールスクリュー機構により略水平方向の直動動力に変換し、この直動動力をトグルリンク機構83を介してスライド3の上下動動力に変換しているため、モータ回転角度(これは前記ナット部材91bの移動量に比例する)とスライド位置との関係は、トグルリンク機構83の各リンク長さ、駆動部材98の位置とリンク機構83との相対位置関係、などの機械的な寸法により決まる。このサーボモータ21の回転角度とスライド位置との関係を表すデータは、前記メモリ10aに記憶されている。
【0085】
上記構成のサーボプレス81においては、「往復」と「反転」の制御パターンが選択可能となっている。次に、この2つのパターンについて説明する。
図22および図23は、それぞれ本実施形態に係る「往復」パターンおよび「反転」パターンの動作説明図であり、これらの図中、左側の図はトグルリンク機構83の動作を表し、右側はこれに伴うスライドモーションを表す。なお、モーション設定手段17の設定画面は、前記同様とする。
【0086】
「往復」パターンでは、図22に示すように、下死点に対応する三軸リンク84の位置84cから、サーボモータ21の逆転方向に所定距離L1離れ、その対応するスライド位置(高さ)がP3になるときの位置84aと、正転方向に所定距離L2離れて、その対応するスライド位置(高さ)が同じくP3になるときの位置84bとの間で、三軸リンク84を連続で往復移動するように、サーボモータ21により駆動部材98の位置を制御する。このとき、サーボモータ21を所定の定速度で正転すると、スライドは、前記位置84aの場合の上限位置U1から下死点までは緩やかな所定のリンクモーションで下降し、下死点から前記位置84bの場合の上限位置U2までは急なリンクモーションで上昇する。反対に、サーボモータ21を所定の定速度で逆転すると、スライドは、前記位置84bの場合の上限位置U2から下死点までは急な所定のリンクモーションで下降し、下死点から前記位置84aの場合の上限位置U1までは緩やかなリンクモーションで上昇する。上限位置U1,U2と下死点との距離が、設定ストローク長さS1である。
【0087】
前述したように、加工精度の安定化のために、モータ正転時と逆転時とで、スライド下降行程のモーション、特に少なくとも加工行程Awのモーションを略等しくする必要がある。
このため、モーション設定手段17で「往復」パターンが選択、設定された場合には、図9に示す設定画面で設定された待機位置53を上限位置U1,U2とし、サーボモータ21の正転時のモーションを、前記設定された基準速度54に相当する所定の定速度でサーボモータ21を回転させて、前記上限位置U1から下死点を経由して前記上限位置U2までスライドが移動するときのモーションに決定する。また、サーボモータ21の逆転時のモーションは、前記上限位置U2から下死点までの下降行程の内、少なくとも加工行程Awのモーションが上記正転時の加工行程Awのモーションと略等しくなるように決定し、下死点から前記上限位置U1までの上昇行程のモーションを、所定の定速度で(通常は最大速度で)サーボモータ21を逆転したときのリンクモーションと決定する。(モーション設定部43)
【0088】
「反転」パターンでは、図23に示すように、下死点に対応する三軸リンク84の位置84cよりもサーボモータ21逆転方向に所定距離L3だけ離れ、そのスライド位置(高さ)がP4に対応する三軸リンク84の位置84dと、前記位置84cよりも逆転方向に所定距離L4(<L3)離れ、その対応するスライド位置(高さ)がP5となる三軸リンク84の位置84eとの間で、サーボモータ21を反転駆動する。このとき、スライドの上限位置P4から下限位置P5までサーボモータ21の正転速度を制御して移動し、下限位置P5で正確に位置決めして停止し、次にサーボモータ21を反転して、上限位置P4まで逆転で上昇させる。これを繰り返すことにより、所定のストローク長さS1でスライドは昇降し、その下限位置P5が精度良く位置決めされる。
【0089】
モーション設定手段17で「反転」パターンが選択、設定された場合、下降行程および上昇工程のモーションは、前記図7に示す設定画面と同様の画面で設定されたモーションデータに基づき、決定される。(モーション設定部43)なお、図23には、下降行程でサーボモータ21を所定の定速度で正転させたときのリンクモーションが、また上昇行程でサーボモータ21を所定の定速度で逆転させたときのリンクモーションがそれぞれ示されている。
【0090】
第3実施形態によると、サーボモータ21でボールスクリュー91による水平直動部を駆動し、この水平直動部の直動によりトグルリンク機構83の進退を駆動して、該トグルリンク機構83を介してスライド3を上下駆動している。従って、小さなモータトルクで大きなスライド加圧力を出せると共に、高速下降行程でのスライド速度を容易に高速化できる。このため、小型のサーボモータを使用できるので、サーボプレスの小型化、低コスト化、及びその生産性向上が図れると共に、組立時や保守時の作業性向上や、補給部品の低コスト化および入手性向上を図ることができる。
【0091】
また、「往復」パターンと「反転」パターンとの二つのモータ制御パターンを予め記憶し、ワーク加工条件に合わせて前記二つのモータ制御パターンの内のいずれか一つを選択し、設定可能としており、この選択された制御パターンに応じてモーションデータが設定される。そして、実稼動時には、前記選択された制御パターンと設定されたモーションデータとに基づき制御用のモーションが決定され、この制御用のモーションに沿ってスライド3が駆動されるように、サーボモータ21の位置および速度が制御される。従って、ワーク加工条件に適合させて、サーボモータ21の制御、およびスライド駆動ができるので、サーボモータ21を効率的に駆動してサイクルタイムを高速化し、生産性を向上できると共に、品質の高い加工ができる。
【0092】
なお、第1または第3実施形態において、制御パターンのモーション設定で、モータ回転数(移動速度)を定速度に設定した場合のモーション例を挙げて説明した個所もあるが、第2実施形態のところで述べた如く本発明はこれに限定するものではなく、すなわち、任意のモーションに設定すべく、複数の段数と各段の目標位置、移動速度、停止時間等を設定しても構わない。この場合、前述と同様に、目標位置、待機位置としてスライド位置を高さ方向の位置で設定する例で示しているが、例えばこのスライド位置(高さ)を仮想的なクランク軸回転角度に等価的に対応付け、この仮想的なクランク回転角度で上記スライド位置を設定するようにしてもよい。この仮想的クランク回転角度で設定し、この回転角度に基づいて、偏心軸28回転に伴う下死点や上死点の近傍、またはトグルリンク機構83による下死点の近傍の位置決め制御を行うことによって、フレーム等の熱変形によるダイハイト変化に伴う下死点や上死点近傍の位置決め困難性の問題を容易に解決できる。
【0093】
以上説明したように本発明は、次のような効果を奏する。
サーボモータでクランク機構、エキセン機構等の偏心回転部を回転し、この回転により直接コンロッドを介してまたはトグルリンク機構の進退を駆動してスライドを上下駆動する構成によって、あるいは、サーボモータで略水平方向の直動部を駆動し、この直動によりトグルリンク機構の進退を駆動してスライドを上下駆動する構成によって、サーボモータのトルクを増幅して大きなスライド加圧力が得られるので、小さなパワーのサーボモータを使用でき、このためサーボプレスの小型化、低コスト化、および生産性向上を図ることができる。
【0094】
また、スライドストローク長さ、下限位置での位置決め精度、サイクルタイム等の加工条件に適合させて、複数のサーボモータ制御パターンの内のいずれか一つを選択し、これに応じて設定したモーションに基づき、スライドの位置および速度を制御するようにしたため、加工条件に応じてサーボモータを効率的に、しかも負荷を軽減して駆動でき、製品品質を高めることができると共に、サイクルタイムの向上、およびサーボモータ寿命の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る発明の適用機のサーボプレスの側面一部断面図である。
【図2】図1の背面一部断面図である。
【図3】第1実施形態に係る制御装置のハード構成ブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る機能構成ブロック図である。
【図5】「回転」パターンのモーション設定画面例である。
【図6】「回転」パターンの動作説明図である。
【図7】「反転」パターンのモーション設定画面例である。
【図8】「反転」パターンの動作説明図である。
【図9】「往復」パターンのモーション設定画面例である。
【図10】「往復」パターンの動作説明図である。
【図11】「反転往復」パターンのモーション設定画面例である。
【図12】「反転往復」パターンの動作説明図である。
【図13】各制御パターンの適用加工条件の対応表である。
【図14】本発明に係る加工作業フローチャートである。
【図15】第2実施形態に係るサーボプレスの概略構成図である。
【図16】第2実施形態に係る「回転」パターンの動作説明図である。
【図17】第2実施形態に係る「反転」パターンの動作説明図である。
【図18】第2実施形態に係る「往復」パターンの動作説明図である。
【図19】第2実施形態に係る「反転往復」パターンの動作説明図である。
【図20】第2実施形態に係る機能構成ブロック図である。
【図21】第3実施形態に係るサーボプレスの概略構成図である。
【図22】第3実施形態に係る「往復」パターンの動作説明図である。
【図23】第3実施形態に係る「反転」パターンの動作説明図である。
【符号の説明】
1…サーボプレス、3…スライド、4…ベッド、5…ボルスタ、6…油室、7…ねじ軸、9…インダクションモータ、10…制御器、10a…メモリ、11…プランジャ、12a…第1リンク、12b…第2リンク、13…三軸リンク、16…切換弁、17…モーション設定手段、20…スライド駆動部、21…サーボモータ、22a…第1プーリ、22b…第2プーリ、23…ベルト、27…駆動軸、28…偏心軸、32…位置検出ロッド、33…位置センサ、34…補助フレーム、41…スライド位置指令演算部、42…指令演算部、43,43A…モーション設定部、44,44A…モータ/スライド関係データ記憶部、45…サーボアンプ、50…型番号、51,51a,51b…段数、53…待機位置、54…基準速度、55…待機時間、57…目標位置、58…移動速度、59…停止時間、60…方式設定部、68…サイクルタイム表示部、71a…歯車、71b…減速機、72…クランク軸、73…コンロッド、81…サーボプレス、82…本体フレーム、83…トグルリンク機構、84…三軸リンク、84a,84b,84c,84d,84e…三軸リンクの位置、85a…第1リンク、85b…第2リンク、86…プランジャ、91…ボールスクリュー、91a…スクリュー部材、91b…ナット部材、92a…第1プーリ、92b…第2プーリ、93…ベルト、94…ピン、96…モータ回転検出器、98…駆動部材、99…軸受。
Claims (9)
- サーボモータ(21)でクランク機構またはエキセン機構等の偏心回転機構を回転し、直接コンロッドを介して、またはトグルリンク機構を介してスライド(3)を上下駆動するサーボプレスにおいて、
スライド(3)の位置を検出する位置センサ(33)と、
偏心回転機構の偏心回転部を一方向に1回転してスライド(3)を1サイクル駆動する「回転」パターンと、スライド(3)の上死点および下死点にそれぞれ対応する前記偏心回転部の回転角度の間に設定した所定の下限位置、上限位置に対応する2つの回転角度間で、下降行程と上昇行程とで反転駆動する「反転」パターンと、スライド(3)の下死点に対応する前記偏心回転部の下死回転角度からそれぞれ正転方向および逆転方向に所定角度離れた2つの回転角度を2つの上限位置とし、この内の一方の上限位置から前記下死回転角度を通過して他方の上限位置まで一方向に回転駆動して、スライド(3)を下死点をはさんで往復駆動するとともにサーボモータの正転時と逆転時で少なくとも加工行程のモーションが略同一になるよう自動的に設定される「往復」パターンと、スライド(3)の上死点に対応する前記偏心回転部の上死回転角度からそれぞれ正転方向および逆転方向に所定角度離れた2つの回転角度を2つの下限位置とし、この内の一方の下限位置から前記上死回転角度を通過して他方の下限位置まで一方向に回転駆動し、スライド(3)を上死点をはさんで反転往復駆動するとともにサーボモータの正転時と逆転時で少なくとも加工行程のモーションが略同一になるよう自動的に設定される「反転往復」パターンとを予め記憶し、
実加工時にはそれらのいずれか一つに選択的に切換えて実行し、選択された制御パターンに応じたモーションに沿って演算したスライド目標位置と前記位置センサ(33)で検出した位置との偏差値を小さくするようにサーボモータ(21)を制御して、スライド(3)の位置および速度を制御する制御器(10)とを備えた
ことを特徴とするサーボプレス。 - サーボモータ(21)でクランク機構またはエキセン機構等の偏心回転機構を回転し、直接コンロッドを介して、またはトグルリンク機構を介してスライド(3)を上下駆動するサーボプレスにおいて、
スライド(3)の位置を検出する位置センサ(33)と、
偏心回転機構の偏心回転部を一方向に1回転してスライド(3)を1サイクル駆動する「回転」パターンと、スライド(3)の上死点および下死点にそれぞれ対応する前記偏心回転部の回転角度の間に設定した所定の下限位置、上限位置に対応する2つの回転角度間で、下降行程と上昇行程とで反転駆動する「反転」パターンと、スライド(3)の下死点に対応する前記偏心回転部の下死回転角度からそれぞれ正転方向および逆転方向に所定角度離れた2つの回転角度を2つの上限位置とし、この内の一方の上限位置から前記下死回転角度を通過して他方の上限位置まで一方向に回転駆動して、スライド(3)を下死点をはさんで往復駆動するとともにサーボモータの正転時と逆転時で少なくとも加工行程のモーションが略同一になるよう自動的に設定される「往復」パターンとを予め記憶し、
実加工時にはそれらのいずれか一つに選択的に切換えて実行し、選択された制御パターンに応じたモーションに沿って演算したスライド目標位置と前記位置センサ(33)で検出した位置との偏差値を小さくするようにサーボモータ(21)を制御して、スライド(3)の位置および速度を制御する制御器(10)とを備えた
ことを特徴とするサーボプレス。 - サーボモータ(21)でクランク機構またはエキセン機構等の偏心回転機構を回転し、直接コンロッドを介して、またはトグルリンク機構を介してスライド(3)を上下駆動するサーボプレスを用いた加工方法において、
偏心回転機構の偏心回転部を一方向に1回転してスライド(3)を1サイクル駆動する「回転」パターンと、スライド(3)の上死点および下死点にそれぞれ対応する前記偏心回転部の回転角度の間に設定した所定の下限位置、上限位置に対応する2つの回転角度間で、下降行程と上昇行程とで反転駆動する「反転」パターンと、スライド(3)の下死点に対応する前記偏心回転部の下死回転角度からそれぞれ正転方向および逆転方向に所定角度離れた2つの回転角度を2つの上限位置とし、この内の一方の上限位置から前記下死回転角度を通過して他方の上限位置まで一方向に回転駆動して、スライド(3)を下死点をはさんで往復駆動するとともにサーボモータの正転時と逆転時で少なくとも加工行程のモーションが略同一になるよう自動的に設定される「往復」パターンと、スライド(3)の上死点に対応する前記偏心回転部の上死回転角度からそれぞれ正転方向および逆転方向に所定角度離れた2つの回転角度を2つの下限位置とし、この内の一方の下限位置から前記上死回転角度を通過して他方の下限位置まで一方向に回転駆動し、スライド(3)を上死点をはさんで反転往復駆動するとともにサーボモータの正転時と逆転時で少なくとも加工行程のモーションが略同一になるよう自動的に設定される「反転往復」パターンとを予め有し、
実加工時には加工条件に合わせてそれらのいずれか一つに選択的に切換えて実行し、選択された制御パターンに基づきサーボモータ(21)を制御し、スライド(3)を駆動してワーク加工を行う
ことを特徴とするサーボプレスを用いた加工方法。 - サーボモータ(21)でクランク機構またはエキセン機構等の偏心回転機構を回転し、直接コンロッドを介して、またはトグルリンク機構を介してスライド(3)を上下駆動するサーボプレスを用いた加工方法において、
偏心回転機構の偏心回転部を一方向に1回転してスライド(3)を1サイクル駆動する「回転」パターンと、スライド(3)の上死点および下死点にそれぞれ対応する前記偏心回転部の回転角度の間に設定した所定の下限位置、上限位置に対応する2つの回転角度間で、下降行程と上昇行程とで反転駆動する「反転」パターンと、スライド(3)の下死点に対応する前記偏心回転部の下死回転角度からそれぞれ正転方向および逆転方向に所定角度離れた2つの回転角度を2つの上限位置とし、この内の一方の上限位置から前記下死回転角度を通過して他方の上限位置まで一方向に回転駆動して、スライド(3)を下死点をはさんで往復駆動するとともにサーボモータの正転時と逆転時で少なくとも加工行程のモーションが略同一になるよう自動的に設定される「往復」パターンとを予め有し、
実加工時にはそれらのいずれか一つに選択的に切換えて実行し、選択された制御パターンに基づきサーボモータ(21)を制御し、スライド(3)を駆動してワーク加工を行う
ことを特徴とするサーボプレスを用いた加工方法。 - サーボモータ(21)でクランク機構またはエキセン機構等の偏心回転機構を回転し、直接コンロッドを介して、またはトグルリンク機構を介してスライド(3)を上下駆動するサーボプレスの制御方法において、
偏心回転機構の偏心回転部を一方向に1回転してスライド(3)を1サイクル駆動する「回転」パターンと、スライド(3)の上死点および下死点にそれぞれ対応する前記偏心回転部の回転角度の間に設定した所定の下限位置、上限位置に対応する2つの回転角度間で、下降行程と上昇行程とで反転駆動する「反転」パターンと、スライド(3)の下死点に対応する前記偏心回転部の下死回転角度からそれぞれ正転方向および逆転方向に所定角度離れた2つの回転角度を2つの上限位置とし、この内の一方の上限位置から前記下死回転角度を通過して他方の上限位置まで一方向に回転駆動して、スライド(3)を下死点をはさんで往復駆動するとともにサーボモータの正転時と逆転時で少なくとも加工行程のモーションが略同一になるよう自動的に設定される「往復」パターンと、スライド(3)の上死点に対応する前記偏心回転部の上死回転角度からそれぞれ正転方向および逆転方向に所定角度離れた2つの回転角度を2つの下限位置とし、この内の一方の下限位置から前記上死回転角度を通過して他方の下限位置まで一方向に回転駆動し、スライド(3)を上死点をはさんで反転往復駆動するとともにサーボモータの正転時と逆転時で少なくとも加工行程のモーションが略同一になるよう自動的に設定される「反転往復」パターンとを予め有し、
実加工時にはそれらのいずれか一つに選択的に切換え、選択された制御パターンに基づきサーボモータ(21)を制御し、スライド(3)の位置および速度を制御することを特徴とするサーボプレスの制御方法。 - サーボモータ(21)でクランク機構またはエキセン機構等の偏心回転機構を回転し、直接コンロッドを介して、またはトグルリンク機構を介してスライド(3)を上下駆動するサーボプレスの制御方法において、
偏心回転機構の偏心回転部を一方向に1回転してスライド(3)を1サイクル駆動する「回転」パターンと、スライド(3)の上死点および下死点にそれぞれ対応する前記偏心回転部の回転角度の間に設定した所定の下限位置、上限位置に対応する2つの回転角度間で、下降行程と上昇行程とで反転駆動する「反転」パターンと、スライド(3)の下死点に対応する前記偏心回転部の下死回転角度からそれぞれ正転方向および逆転方向に所定角度離れた2つの回転角度を2つの上限位置とし、この内の一方の上限位置から前記下死回転角度を通過して他方の上限位置まで一方向に回転駆動して、スライド(3)を下死点をはさんで往復駆動するとともにサーボモータの正転時と逆転時で少なくとも加工行程のモーションが略同一になるよう自動的に設定される「往復」パターンとを予め有し、
実加工時にはそれらのいずれか一つに選択的に切換えて実行し、選択された制御パターンに基づきサーボモータ(21)を制御し、スライド(3)の位置および速度を制御する
ことを特徴とするサーボプレスの制御方法。 - サーボモータ(21)で直動部を略水平方向に駆動し、この直動によりトグルリンク機構を介してスライド(3)を上下駆動するサーボプレスにおいて、
スライド(3)の位置を検出する位置センサ(33)と、
スライド(3)の下死点に対応するトグルリンク機構の下死点リンク位置からサーボモータ(21)の一方向回転側にそれぞれ所定距離移動した、所定のスライド下限位置、上限位置にそれぞれ対応する2つのリンク位置間で、下降行程と上昇行程とで反転駆動する「反転」パターンと、トグルリンク機構の前記下死点リンク位置からそれぞれ正転方向および逆転方向に所定距離移動した2つのリンク位置を2つの上限位置とし、この内の一方の上限位置から前記下死リンク位置を通過して他方の上限位置まで一方向に回転駆動して、スライド(3)を下死点をはさんで往復駆動するとともにサーボモータの正転時と逆転時で少なくとも加工行程のモーションが略同一になるよう自動的に設定される「往復」パターンとを予め記憶し、
実加工時にはそれらのいずれか一つに選択的に切換えて実行し、選択された制御パターンに応じたモーションに沿って演算したスライド目標位置と前記位置センサ(33)で検出した位置との偏差値を小さくするようにサーボモータ(21)を制御して、スライド(3)の位置および速度を制御する制御器(10)とを備えた
ことを特徴とするサーボプレス。 - サーボモータ(21)で直動部を略水平方向に駆動し、この直動によりトグルリンク機構を介してスライド(3)を上下駆動するサーボプレスを用いた加工方法において、
スライド(3)の下死点に対応するトグルリンク機構の下死点リンク位置からサーボモータ(21)の一方向回転側にそれぞれ所定距離移動した、所定のスライド下限位置、上限位置にそれぞれ対応する2つのリンク位置間で、下降行程と上昇行程とで反転駆動する「反転」パターンと、トグルリンク機構の前記下死点リンク位置からそれぞれ正転方向および逆転方向に所定距離移動した2つのリンク位置を2つの上限位置とし、この内の一方の上限位置から前記下死リンク位置を通過して他方の上限位置まで一方向に回転駆動して、スライド(3)を下死点をはさんで往復駆動するとともにサーボモータの正転時と逆転時で少なくとも加工行程のモーションが略同一になるよう自動的に設定される「往復」パターンとを予め有し、
実加工時には加工条件に合わせてそれらのいずれか一つに選択的に切換えて実行し、選択された制御パターンに基づきサーボモータ(21)を制御し、スライド(3)を駆動してワーク加工を行う
ことを特徴とするサーボプレスを用いた加工方法。 - サーボモータ(21)で直動部を略水平方向に駆動し、この直動によりトグルリンク機構を介してスライド(3)を上下駆動するサーボプレスの制御方法において、
スライド(3)の下死点に対応するトグルリンク機構の下死点リンク位置からサーボモータ(21)の一方向回転側にそれぞれ所定距離移動した、所定のスライド下限位置、上限位置にそれぞれ対応する2つのリンク位置間で、下降行程と上昇行程とで反転駆動する「反転」パターンと、トグルリンク機構の前記下死点リンク位置からそれぞれ正転方向および逆転方向に所定距離移動した2つのリンク位置を2つの上限位置とし、この内の一方の上限位置から前記下死リンク位置を通過して他方の上限位置まで一方向に回転駆動して、スライド(3)を下死点をはさんで往復駆動するとともにサーボモータの正転時と逆転時で少なくとも加工行程のモーションが略同一になるよう自動的に設定される「往復」パターンとを予め有し、
実加工時にはそれらのいずれか一つに選択的に切換え、選択された制御パターンに基づきサーボモータ(21)を制御し、スライド(3)の位置および速度を制御することを特徴とするサーボプレスの制御方法。
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