JP2004165469A - 半導体素子用基板、半導体素子、及び半導体素子の製造方法 - Google Patents

半導体素子用基板、半導体素子、及び半導体素子の製造方法 Download PDF

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Takashi Egawa
孝志 江川
Hiroyasu Ishikawa
博康 石川
Tomohiko Shibata
智彦 柴田
Mitsuhiro Tanaka
光浩 田中
Yoshitaka Kuraoka
義孝 倉岡
Osamu Oda
修 小田
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Abstract

【課題】所定の基板上において、p型半導体層群及びn型半導体層群が積層されてなる半導体素子において、前記p型半導体層群が十分に活性化処理されて実用に足るべく低抵抗化する。
【解決手段】所定の基材上において、少なくともAlを含み、転位密度が1×1011/cm以下であり、(002)面のX線ロッキングカーブ半値幅が200秒以下であるIII族窒化物下地層を形成する。次いで、前記III族窒化物下地層の上方において、少なくともGaを含む第1のIII族窒化物からなるp型半導体層群を形成する。次いで、前記p型半導体層群を活性化処理した後、前記p型半導体層群上において、少なくともGaを含む第2のIII族窒化物からなるn型半導体層群を形成する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、好ましくは、半導体発光素子などとして使用することのできる半導体素子及びその製造方法、並びに前記半導体素子用基板に関する。
【0002】
【従来の技術】III族窒化物膜は、半導体発光素子を構成する半導体膜として用いられており、近年においては、特に緑色光から青色光用の高輝度光源、さらには、紫外光及び白色光用の光源としての半導体発光素子における半導体膜としても期待されている。
【0003】図1は、従来のいわゆるPIN型の半導体発光素子の一例を示す構成図である。
【0004】図1に示す半導体発光素子10においては、主としてサファイア単結晶からなる基板1上において、GaNからなるバッファ層2、Siドープのn−GaNからなる下地層3、Siドープのn−AlGaNからなるn型導電層4、InGaNからなる多重量子井戸(MQW)構造の発光層5、Mgドープのp−AlGaNからなるp型クラッド層6、Mgドープのp−GaNからなるp型導電層7がこの順に形成されている。図1に示す半導体発光素子10においては、
下地層3及びn型導電層4がn型半導体層群を構成し、p型クラッド層6及びp型導電層7がp型半導体層群を構成する。
【0005】n型導電層4の一部は露出しており、この露出した部分にAl/Tiなどのn型電極8が形成されるとともに、p型導電層7上にはAu/Niなどのp型電極9が形成されている。
【0006】そして、n型電極8及びp型電極9間に所定の電圧を印加することにより、発光層5内でキャリアの再結合が生じ、所定の波長の光を発光する。なお、前記波長は、発光層の構造及び組成などによって決定される。
【0007】図1に示す半導体発光素子10を実用に供するためには、半導体発光素子10を水素を含まない雰囲気中に配置した後、400℃以上の温度で加熱処理を行い、p型クラッド層6及びp型導電層7からなるp型半導体層群中を活性化処理し、例えばドーパントとして添加されたMgに結合した水素元素を離脱除去して、前記p型半導体層群の抵抗値を所定の値まで低減することが必要である(特許第25407991号)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、半導体発光素子10を一体に形成した後に上述したような比較的高温の活性化処理を実施すると、半導体発光素子10内での特にp型不純物の物質移動が促進されるため、導電性を設計どおりに制御できないという問題があった。例えば、p型不純物であるMgがn型半導体層まで拡散し、補償効果を引き起こしたり、発光層への不純物拡散によって発光効率が低下してしまう場合があった。したがって、上記活性化処理においては、活性化効率をある程度犠牲にして、活性化処理温度を下げざるを得なかった。その結果、前記p型半導体層群から水素元素を十分に除去することができず、実用に足る抵抗値にまで低減することができない場合があった。
【0009】本発明は、所定の基板上において、p型半導体層群及びn型半導体層群が積層されてなる半導体素子において、前記p型半導体層群が十分に活性化処理されて実用に足るべく低抵抗化されてなる半導体素子、及び十分に活性化されてなる前記p型半導体層群を具える半導体素子用基板を提供することを目的とする。さらには前記半導体素子を製造するための方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、本発明は、所定の基材上において、少なくともAlを含み、転位密度が1×1011/cm以下であり、(002)面のX線ロッキングカーブ半値幅が200秒以下であるIII族窒化物下地層と、このIII族窒化物下地層上に形成された、少なくともGaを含む第1のIII族窒化物からなり、活性化処理されてなるp型半導体層群と、このp型半導体層群上に形成され、少なくともGaを含む第2のIII族窒化物からなるn型半導体層群とを具えることを特徴とする、半導体素子に関する。
【0011】また本発明は、所定の基材上において、少なくともAlを含み、転位密度が1×1011/cm以下であり、(002)面のX線ロッキングカーブ半値幅が200秒以下であるIII族窒化物下地層と、このIII族窒化物下地層の上方に形成された、少なくともGaを含むIII族窒化物からなり、活性化処理されてなるp型半導体層群とから本質的に構成されることを具えることを特徴とする、半導体素子用基板に関する。
【0012】なお、本発明における「本質的に」とは、前記下地層と前記p型半導体層群との間に、導電性に寄与する単層又は多層構造などのn型半導体層群を含まない場合を意味する。したがって、結晶性を向上させる目的の、バッファ層やひずみ超格子などの多層積層構造などは前記層間に含めることができる。
【0013】さらに本発明は、所定の基材上において、少なくともAlを含み、転位密度が1×1011/cm以下であり、(002)面のX線ロッキングカーブ半値幅が200秒以下であるIII族窒化物下地層を形成する工程と、
前記III族窒化物下地層の上方において、少なくともGaを含む第1のIII族窒化物からなるp型半導体層群を形成する工程と、
前記p型半導体層群を活性化処理する工程と、
前記p型半導体層群上において、少なくともGaを含む第2のIII族窒化物からなるn型半導体層群を形成する工程と、
を具えることを特徴とする、半導体素子の製造方法に関する。
【0014】本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を実施した。その結果、所定の基板上において、上述したような高結晶品質のAl含有III族窒化物下地層を設けるとともに、p型半導体層群及びn型半導体層群をGaを主成分とするIII族窒化物から構成する。さらに本発明の製造方法に従って、図1に示すような従来の半導体素子構成において、p型半導体層群及びn型半導体層群の積層順序を逆転させ、前記n型半導体層群を積層する以前に前記p型半導体層群のみを活性化処理することによって、前記p型半導体層群を十分に低抵抗化できることを見出したものである。したがって、本発明によれば、極めて簡易なプロセスで実用に供することのできるpn接合を有する半導体素子を得ることができる。
【0015】また、本発明によれば、上述したように高温度における熱処理のみならず、十分に低い温度で熱処理した場合においても、前記p型半導体層群を十分に活性化して低抵抗化し、実用に供することのできるpn接合を有する半導体素子を得ることができる。
【0016】なお、本発明においては、半導体素子用基板及び半導体素子を同一の層構成とすることができる。したがって、同一の層構成を半導体素子用基板として概念化することもできるし、半導体素子として概念化することもできる。しかしながら、同一の層構成を有している場合においても、前記半導体素子用基板と前記半導体素子とはディメンションの違いによって差別化することができる。具体的には、半導体素子用基板は、ウエハ状の基材上に種々の膜を形成することによって作製されるが、半導体素子は通常、前記半導体素子用基板を所定の大きさに切り出して作製する。したがって、縦方向に見た場合において層構成的には同じであっても、横方向に見た場合の大きさは異なってくる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を発明の実施の形態に即して詳細に説明する。
図2は、本発明の半導体素子の一例を示す構成図である。図2に示す半導体素子20は、基板11上において、下地層13、p型導電層14、発光層15、n型クラッド層16、及びn型導電層17を順次具えている。そして、p型導電層14の一部は露出しており、この露出したp型導電層14上には、例えばAu/Niからなるp型電極18が形成され、n型導電層17上には例えばAl/Tiからなるn型電極19が形成されて、いわゆるPIN型の半導体発光素子を構成している。
【0018】なお、上述したように、ディメンションの相異などを考慮することによって、図2に示す半導体素子は半導体素子用基板と見なすことができる。
【0019】図2において、p型導電層14がp型半導体層群を構成し、n型クラッド層16及びn型導電層17がn型半導体層群を構成している。なお、n型クラッド層16は必要に応じて省略することもできる。
【0020】下地層13は、本発明にしたがって、Alを含み、転位密度が1×1011/cm以下、(002)面におけるX線ロッキングカーブにおける半値幅が200秒以下の高結晶品質のIII族窒化物から構成されていることが必要である。これによって、p型導電層14に対し、例えば水素を含有しない雰囲気内で加熱処理を行って活性化処理を実施することにより、例えばp型半導体層14中のドーパントと結合した水素元素を十分に離脱及び除去することができ、低抵抗化することができる。その結果、実用に供することのできる半導体素子20を簡易に提供することができる。
【0021】なお、上記転位密度は5×1010/cm以下であることが好ましく、さらには1×1010/cm以下であることが好ましい。また、前記半値幅は100秒以下であることが好ましく、さらには60秒以下であることが好ましい。
【0022】また、表面粗さRaは2Å以下であることが好ましい。本測定は、AFMを用いて5μm角の範囲で測定する。
【0023】下地層13を構成するIII族窒化物中のAl含有量が多いほど、基板11に起因した転位が基板11と下地層13との界面で絡み、下地層13中に伝搬する割合が減少する。その結果、下地層13中の転位密度が減少し、下地層13の結晶品質がさらに向上する。このため、下地層13を構成する前記III族窒化物はできるだけ多くのAlを含むことが好ましく、具体的には全III族元素に対して50原子%以上の割合でAlを含むことが好ましく、さらには総てのIII族元素がAlからなり、下地層13がAlNから構成されていることが好ましい。
【0024】なお、下地層13の膜厚は大きい方が好ましく、具体的には0.1μm以上、さらには0.5μm以上の厚さに形成することが好ましい。下地層13の厚さの上限値は特に限定されるものではなく、クラックの発生や用途などを考慮して適宜選択し、設定する。
【0025】また、下地層13は、Alの他に、Ga及びInなどのIII族元素、B、Si、Ge、Zn、Be及びMgなどの添加元素を含むこともできる。さらに、意識的に添加した元素に限らず、成膜条件などに依存して必然的に取り込まれる微量元素、並びに原料、反応管材質に含まれる微量不純物を含むこともできる。
【0026】下地層13は、上記要件を満足する限り公知の成膜手段を用いて形成することができる。しかしながら、MOCVD法を用い、その成膜温度を1100℃以上に設定することによって簡易に得ることができる。なお、本特許の成膜温度は、基板11の設定温度を意味する。なお、下地層13の表面の粗れなどを抑制する観点より、前記成膜温度は1250℃以下であることが好ましい。
【0027】p型導電層14は、少なくともGaを含む第1のIII族窒化物から構成されていることが必要である。これによって、後に説明する活性化処理においてp型導電層14を十分に活性化することができ、低抵抗化することができる。なお、本発明においてはp型導電層14を構成する前記III族窒化物中のGa含有量が多いほど好ましく、具体的には50原子%以上、さらには70原子%以上、特には総てのIII族元素がGaより構成されて、GaNからなることが好ましい。
【0028】活性化処理は、p型導電層14を形成した後、発光層15を形成する以前に行う。具体的には、p型導電層14を形成した後、基板11、下地層13、及びp型導電層14が積層されてなる多層膜構造を作製した後、前記多層膜構造を水素を含まない雰囲気、例えば真空中、窒素ガス中、He、Ne、Ar、Kr及びXeなどの不活性ガス雰囲気中で加熱処理する。このときの温度は300℃〜1100℃に設定する。処理時間は、例えば10分間〜1時間とする。なお前記温度は基板11の設定温度である。
【0029】n型導電層17も少なくともGaを含む第2のIII族窒化物から構成されていることが必要であり、好ましくは全III族元素に対するGa含有量が50原子%以上であり、さらに好ましくは70原子%以上、特にはGaNからなることが好ましい。これによって、p型導電層14と良好なpn接合を形成することができるようになる。
【0030】なお、p型導電層14は、Zn、Be及びMgなどのp型のドーパントを含む。また、n型導電層17は、B、Si、Geなどのn型のドーパントを含む。さらに、Ga以外のAl及びInなどを含むことができる。また、意識的に添加した元素に限らず、成膜条件などに依存して必然的に取り込まれる微量元素、並びに原料、反応管材質に含まれる微量不純物を含むこともできる。
発光層15及びn型クラッド層16は、Al、Ga、及びInなどを少なくとも一つ含むIII族窒化物から構成することができる。そして、n型クラッド層16は、B、Si、Geなどのn型のドーパントを含む。発光層15は単一の窒化物半導体層から構成することもできるが、多重量子井戸構造などのような多層膜から構成することもできる。
【0031】上述したp型導電層14からn型導電層17は公知の成膜方法によって形成することができ、上記同様にMOCVD法によって簡易に形成することができる。さらには、LPE法又はMBE法によっても形成することができる。
【0032】基板11は、サファイア単結晶、ZnO単結晶、LiAlO単結晶、LiGaO単結晶、MgAl単結晶、MgO単結晶などの酸化物単結晶、Si単結晶、SiC単結晶などのIV族あるいはIV−IV族単結晶、GaAs単結晶、AlN単結晶、GaN単結晶、及びAlGaN単結晶などのIII−V族単結晶、ZrBなどのホウ化物単結晶などの、公知の基板材料から構成することができる。
【0033】
【実施例】
(実施例)
本実施例においては、図2に示すPIN型の半導体発光素子20を作製した。基板11として2インチ径の厚さ500μmのC面サファイア単結晶を用い、これをMOCVD装置の中に設置した。MOCVD装置には、ガス系としてH、N、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMG(トリメチルガリウム)、CpMg、NH、SiHが取り付けてある。圧力を100Torrに設定した後、Hを平均流速1m/secで流しながら、基板11を1100℃まで昇温した。
【0034】その後、TMAとNHとを、所定量供給して、下地層13としてのAlN層を厚さ1μmまで成長させた。この際、成膜速度を0.3μm/hrとなるように、TMA及びNHの供給量を設定した。このAlN層中の転位密度をTEMによって観察したところ、1×1010/cmであった。また、AlNの(002)面のX線ロッキングカーブを測定したところ、その半値幅は60秒であり、表面粗さ(Ra)は1.5Å以下と良好な結晶品質を有することが確認された。
【0035】次いで、基板温度を1080℃に設定した後、圧力を常圧にし、TMG、NH、及びCpMgを全ガス平均流速1m/secで流して、p型導電層14としてMgをドープしたp−GaN層を厚さ3μm成長させた。原料供給量は成膜速度が3μm/hrとなるように設定した。なお、CpMgはキャリア濃度が1.0×1018/cmとなるように供給した。
【0036】次いで、MOCVD装置内にNガスを導入し、装置内を窒素雰囲気中に設定した。次いで、基板温度を600℃とし、20分間保持して、前記p−GaN層の活性化処理を実施した。
【0037】次いで、AlN層及びp−GaN層が形成されたサファイア基板を別のMOCVD装置内に移送した後、基板温度を700℃とし、前記p−GaN層上に、TMI、TMG、NHを全ガス流速1m/secで流して、発光層15としてのi−InGaN層をMQW構造として形成した。その後、TMIをTMAに切り替えると共にSiHをキャリア濃度が1×1018/cmとなるようにして供給し、n型クラッド層16としてのn−AlGaN層を厚さ20nmに成長させた。その後、TMAを停止して基板温度を1000℃に上昇した後TMG、NH、SiHを供給し、n型導電層17としてのSiをドープしたn−GaN層を厚さ0.2μmに形成した。
【0038】次いで、これらの各層を部分的にエッチング除去することによって、p型導電層14を構成するp−GaN層の一部を露出させ、この露出部分に対してAu/Niからなるp型電極18を形成した。また、n型導電層17を構成するn−GaN層上にAl/Tiからなるn型電極19を形成した。
【0039】Au/Ni電極及びAl/Ti電極間に電圧を印加して駆動させ、その発光効率を調べたところ、30(lm/W)なる値が得られた。
【0040】(比較例1)
AlN下地層に代えて、600℃の低温でGaN下地層を厚さ0.03μmに形成した以外は、実施例と同様にして半導体発光素子を作製した。この場合においては、前記半導体発光素子中を電流が流れず、発光しなかった。
【0041】(比較例2)
本比較例においては、図1に示すPIN型の半導体発光素子を作製した。
基板1としてのサファイア単結晶基板を用い、実施例と同様のMOCVD装置内に設置した。基板1を400℃に加熱した後、TMG及びNHを供給してバッファ層2としてのGaN層を厚さ0.03μmに形成した。
【0042】その後、一旦、TMG及びNHの供給を中断し、基板温度を1120℃に設定して、TMG、NH、及びSiHを供給し、下地層3としてのn−GaN層を、成膜速度3μm/hrで厚さ3μmに形成した。次いで、実施例と同様にして、n型導電層4からp型導電層7までを形成した。その後、得られた半導体発光素子を水素を含まない窒素雰囲気中に配置して600℃に加熱し、1時間保持して活性化処理を実施した。
【0043】そして、Al/Tiのn型電極8、Au/Niのp型電極9を形成し、Au/Ni電極及びAl/Ti電極間に電圧を印加して駆動させ、その発光効率を調べたところ、20(lm/W)なる値が得られた。本比較例においては、n−GaN層からMg不純物が検出され、この不純物が上記発光効率の低下に寄与しているものと推察される。
【0044】また、実施例及び比較例1より、本発明にしたがって高結晶品質のAlN下地膜を形成し、このAlN下地膜上にp−GaN、n−AlGaN及びn−GaNを形成して得た基板/p型半導体層群/n型半導体層群なる構成の半導体発光素子は、低結晶品質のGaN下地膜を形成し、このGaN下地膜上に形成した前記構成の半導体発光素子に比べて、素子全体が低抵抗化され、発光効率が向上していることが分かる。
【0045】以上、具体例を挙げながら、本発明を発明の実施の形態に即して詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
【0046】例えば、基板に窒化処理を加えたり、III族原料による基板の前処理などを行なうこともできる。また、下地層の組成を連続的に変化させたり、成膜条件を段階に分けて変化させたりすることも可能である。さらに、導電層や発光層などの結晶性をさらに向上させる目的で、下地層と導電層との間などにバッファ層やひずみ超格子などの多層積層構造を温度、流量、圧力、原料供給量、及び添加ガスなどの成長条件を変化させることにより、挿入することもできる。
【0047】また、上記半導体発光素子において、p型半導体層群はp型導電層のみから構成しているが、このp型導電層上にp型クラッド層を設け、前記p型半導体層群を前記p型導電層及び前記p型クラッド層から構成することもできる。
【0048】さらに、上記発明の実施の形態においては、本発明の半導体素子として半導体発光素子を中心に説明してきたが、本発明は基板/p型半導体層群/n型半導体層群なる積層構造を有する他の素子に対しても適用することができる。例えば、HBT素子及びPINタイプの受光素子を挙げることができる。この場合においても各素子の低抵抗化に伴って、素子効率などの特性が向上する。
【0049】また、p型半導体層群に対する活性化処理において、活性化処理を行うべき雰囲気をプラズマ化したり、前記雰囲気に対して高周波を印加したりすることによって、前記活性化処理を促進させることもできる。
【0050】さらに、p型半導体層群からn型半導体層群への不純物拡散を抑制すべく、これらの界面にi−AlGaNからなるキャップ層などを設けることもできる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、所定の基板上において、p型半導体層群及びn型半導体層群が積層されてなる半導体素子において、前記p型半導体層群が十分に活性化処理されて実用に足るべく低抵抗化されてなる半導体素子、及び十分に活性化されてなる前記p型半導体層群を具える半導体素子用基板を提供するができる。さらには前記半導体素子を製造するための方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の半導体発光素子の一例を示す構成図である。
【図2】本発明の半導体発光素子の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1,11 基板、2 バッファ層、3,13 下地層、4 n型導電層、5,15 発光層、6 p型クラッド層、7 p型導電層、8 n型電極、9 p型電極、10,20 半導体発光素子、14 p型導電層、16 n型クラッド層、17 n型導電層、18 p型電極、19 n型電極

Claims (16)

  1. 所定の基材上において、少なくともAlを含み、転位密度が1×1011/cm以下であり、(002)面のX線ロッキングカーブ半値幅が200秒以下であるIII族窒化物下地層と、このIII族窒化物下地層の上方に形成された、少なくともGaを含むIII族窒化物からなり、活性化処理されてなるp型半導体層群とから本質的に構成されることを具えることを特徴とする、半導体素子用基板。
  2. 前記p型半導体層群を構成する前記III族窒化物におけるGa含有量が、全III族元素に対して50原子%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の半導体素子用基板。
  3. 前記III族窒化物下地層中の、全III族元素に対するAl含有量が50原子%以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の半導体素子用基板。
  4. 前記III族窒化物下地層は、AlNからなることを特徴とする、請求項3に記載の半導体素子用基板。
  5. 前記III族窒化物下地層は、MOCVD法により1100℃以上の温度で形成されたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の半導体素子用基板。
  6. 前記p型半導体層群の上方において、少なくともGaを含むIII族窒化物からなるn型半導体層群とを具えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載の半導体素子用基板。
  7. 前記p型半導体層群と前記n型半導体層群との間に発光層を有することを特徴とする、請求項6に記載の半導体素子用基板。
  8. 所定の基材上において、少なくともAlを含み、転位密度が1×1011/cm以下であり、(002)面のX線ロッキングカーブ半値幅が200秒以下であるIII族窒化物下地層と、このIII族窒化物下地層上に形成された、少なくともGaを含む第1のIII族窒化物からなり、活性化処理されてなるp型半導体層群と、このp型半導体層群上に形成され、少なくともGaを含む第2のIII族窒化物からなるn型半導体層群とを具えることを特徴とする、半導体素子。
  9. 前記p型半導体層群を構成する前記第1のIII族窒化物におけるGa含有量が、全III族元素に対して50原子%以上であることを特徴とする、請求項8に記載の半導体素子。
  10. 前記n型半導体層群を構成する前記第2のIII族窒化物におけるGa含有量が、全III族元素に対して50原子%以上であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の半導体素子。
  11. 前記III族窒化物下地層中の、全III族元素に対するAl含有量が50原子%以上であることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一に記載の半導体素子。
  12. 前記III族窒化物下地層は、AlNからなることを特徴とする、請求項11に記載の半導体素子。
  13. 前記p型半導体層群と前記n型半導体層群との間に発光層を有し、前記半導体素子は半導体発光素子を構成することを特徴とする、請求項8〜12のいずれか一に記載の半導体素子。
  14. 前記III族窒化物下地層は、MOCVD法により1100℃以上の温度で形成されたことを特徴とする、請求項8〜13のいずれか一に記載の半導体素子。
  15. 所定の基材上において、少なくともAlを含み、転位密度が1×1011/cm以下であり、(002)面のX線ロッキングカーブ半値幅が200秒以下であるIII族窒化物下地層を形成する工程と、
    前記III族窒化物下地層の上方において、少なくともGaを含む第1のIII族窒化物からなるp型半導体層群を形成する工程と、
    前記p型半導体層群を活性化処理する工程と、
    前記p型半導体層群上において、少なくともGaを含む第2のIII族窒化物からなるn型半導体層群を形成する工程と、
    を具えることを特徴とする、半導体素子の製造方法。
  16. 前記III族窒化物下地層は、MOCVD法により1100℃以上の温度で形成されたことを特徴とする、請求項15に記載の半導体素子の製造方法。
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JP2011049610A (ja) * 2010-12-10 2011-03-10 Sumitomo Electric Ind Ltd AlN結晶の表面処理方法、AlN結晶基板、エピタキシャル層付AlN結晶基板および半導体デバイス

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