JP2004162155A - 磁性金属物の蒸着方法及び蒸着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜厚を常時一定に保持して成膜することができる磁性金属物の蒸着方法及び蒸着装置を提供する。
【解決手段】非磁性テープ(支持体)5を走行させながらでルツボ7で加熱・蒸発させた磁性金属物6を蒸着させる加熱溶融手段と、磁性金属物6が蒸着された非磁性テープ5を冷却させる冷却手段とを備え、磁性金属物6を蒸着させる金属物6の蒸着装置であって、蒸発する磁性金属物6の非磁性テープ5への飛翔ルートの一部に磁界を印加して磁性金属物6の飛翔量を調整する磁界発生手段2と、非磁性テープ5に成膜された磁性金属物6の膜厚を測定する測定手段3と、測定手段3で測定した膜厚量に応じて磁界発生手段2の磁界量を制御する制御手段4とを備えた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テープ状の支持体に金属物を蒸着させる磁性金属物の蒸着方法及び蒸着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の真空蒸着装置としては、例えば図3に示すように、フィルム101と、このフィルム101を送り出すための図示外の供給ロールと、このフィルム101を巻き取っていく図示外の巻取りロールと、これらのロール間に設けた冷却ロール102とを備えているとともに、冷却ロール102の下には、隔壁105で囲まれてシャッタ106の開放動作で開口する蒸発室内に、磁性金属物103を収めるルツボ104と、この磁性金属物103を溶融するための図示外の加熱手段、例えば電子銃などとを備えたものが知られている(特許文献1参照。)。
【0003】
このような構成の真空蒸着装置では、供給ロールから送り出されたフィルム101が、冷却ロール102の外周面に沿って移動し、巻取りロールに巻き取られていく。そして、この供給ロールから巻取りロールまでフィルム101が移動する際に、電子銃から発せられた電子ビームにより溶融された磁性金属物103がルツボ104から飛び出し、冷却ロール102上のシャッタ106が開いた部分を走行するときに、フィルム101に付着することがある。
【0004】
ところで、このときのシャッタ106の開放量は、蒸着する蒸着物の成膜量について大きな影響を及ぼしており、シャッタ106の開放量が増大すると、フィルム101における成膜領域も増大するので蒸着される時間も実質的に増大し、その結果、成膜量も増大している。
【0005】
このような真空蒸着装置にあっては、シャッタ106を完全に開放させていないと、ルツボ104から蒸発する磁性金属物は、次第にシャッタ106の先端近傍に付着していき、それが固まって堆積する現象を発生している。その結果、この現象をそのまま放置すると、シャッタ106の先端近傍に堆積した磁性金属物103は次第に増大していくので、シャッタ106の開放位置が一定であっても、蒸発室の開口量が次第に狭まっていく。このため、フィルム101での蒸着領域(長さ)も狭まり、フィルム101の単位面積に対して蒸着できる時間も短縮するので、膜厚が薄くなっていく。
【0006】
そこで、蒸着されたフィルムの成膜量を、膜厚測定器などを用いて常時監視し、膜厚が薄くなると、ルツボ内の磁性金属物を蒸発させる加熱手段のパワーを高めて単位時間当たりの蒸発量を増大させ、これによって膜厚量を一定に維持するように構成した制御方法が考えられている。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−62186号公報(第2頁右欄中段 図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような制御方法によれば、以下のような不都合を生じており、問題となっているため、常時安定した精度の高い蒸着方法及び蒸着装置の開発が切望されている。
▲1▼加熱が強まると、ルツボ内で磁性金属物103の局部的な沸騰が発生し、液滴状態の磁性金属物103が飛散してフィルム101にその液滴が付着するスプラッシュを発生していること、
▲2▼加熱により磁性金属物103の温度が変化すると、プロセス条件が変わってしまう虞があること、
▲3▼加熱パワーと蒸発量との相関性が必ずしも線形1次(リニア)の関係にならなくなる虞があり、正確なプロセス制御を行うことが困難になること。
【0009】
そこで、この発明は、上記した事情に鑑み、膜厚を常時一定に保持して成膜することができる磁性金属物の蒸着方法及び蒸着装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の磁性金属物の蒸着方法は、蒸発源で加熱・蒸発させた磁性金属物を走行中の支持体に蒸着させたのち、前記磁性金属物が蒸着された前記支持体を冷却させ、前記支持体に前記磁性金属物を成膜させる磁性金属物の蒸着方法であって、
前記蒸発する前記磁性金属物の前記支持体への飛翔ルートの一部に磁界を印加して前記磁性金属物の飛翔量を調整する磁界発生手段を備え、
前記支持体に成膜された磁性金属物の膜厚を測定し、
前記測定した前記膜厚量に応じて前記磁界発生手段による磁界印加量を制御することを特徴としている。
【0011】
従って、この発明の磁性金属物の蒸着方法によれば、蒸着された磁性金属物の膜厚を測定し、蒸着する磁性金属物の飛翔ルートに形成する磁界の強さをその測定データに基づいて制御し、その磁界により発生する磁力で蒸発・気化する磁性金属物の吸引・吸着量を制御することで、蒸着量、つまり成膜量をフィードバック制御することができる。これにより、支持体に対して、磁性金属物の膜厚を常時一定に調整しながら成膜することができる。
【0012】
また、この発明の磁性金属物の蒸着装置は、蒸発源で加熱・蒸発させた磁性金属物を走行中の支持体に蒸着させる加熱溶融手段と、前記磁性金属物が蒸着された支持体を冷却させる冷却手段とを備え、前記磁性金属物を蒸着させる磁性金属物の蒸着装置であって、
前記蒸発する前記磁性金属物の前記支持体への飛翔ルートの一部に磁界を印加して前記磁性金属物の飛翔量を調整する磁界発生手段と、
前記支持体に成膜された磁性金属物の膜厚を測定する測定手段と、
前記測定手段で測定した前記膜厚量に応じて前記磁界発生手段の磁界量を制御する制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0013】
従って、この発明の磁性金属物の蒸着装置によれば、蒸着された磁性金属物の膜厚を測定手段で測定し、蒸着する磁性金属物の飛翔ルートに形成する磁界の強さをその測定データに基づいて制御部が制御することができる。即ち、その磁界により発生する磁力で蒸発・気化する磁性金属物の吸引・吸着量を制御することで、蒸着量、つまり成膜量をフィードバック制御することができる。これにより、支持体に対して、磁性金属物の膜厚を常時一定に調整しながら成膜することができる。
【0014】
また、この発明の磁性金属物の蒸着方法又は蒸着装置は、前記磁界発生手段を蒸発室と成膜室との隔壁部分に埋設した電磁石で構成したことを特徴としている。
【0015】
これにより、通常、断熱材などを用いて形成してある隔壁部分を利用して磁界発生手段である電磁石を埋設することにより、蒸発源から発生する熱の影響を直接受けることなく電磁石が配置でき、熱的に安定した状態で磁界を発生することが可能となるので、信頼度を高めることができる。
【0016】
また、この発明の磁性金属物の蒸着方法又は蒸着装置は、前記蒸発源として前記磁性金属物を収容するルツボで構成するとともに、
前記ルツボには、前記磁界発生手段を構成する電磁石を埋設したことを特徴としている。
【0017】
これにより、設置スペースを専用に設ける必要がなく、しかもルツボは磁性金属物を加熱してもこれに耐える耐熱性を有するので、電磁石を熱的に安定した状態で設置することができる。従って、熱的に安定した状態で磁界を発生することが可能となるので、信頼度を高めることができる。
【0018】
また、この発明の磁性金属物の蒸着方法又は蒸着装置は、前記蒸発室と成膜室との隔壁部分の一部に、前記蒸発室を開放して前記金属蒸着物を前記支持体へ放出するシャッタを備え、
前記シャッタの開閉動作により、前記磁性金属物が前記支持体へ蒸着する際の蒸着領域を調整するように構成したことを特徴としている。
【0019】
これにより、磁界発生手段で成膜量の微調整を行う際に、同時に、シャッタにより成膜量の粗調整行うことが可能となる。
【0020】
また、この発明の磁性金属物の蒸着方法又は蒸着装置は、前記支持体はテープ状の非磁性材料で形成したことを特徴としている。
【0021】
これにより、所望の長さの支持体に対して、磁性金属物の膜厚を常時一定に調整しながら連続して成膜することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、この発明の第1の実施形態に係る磁性金属物の蒸着装置を示すものであり、この磁性金属物の蒸着装置は、大略構成として、図示外の供給ロール及び巻取りロールなどからなる搬送手段及び図示外の電子銃などからなる加熱溶融手段と、冷却ロール1に内蔵した図示外の冷却手段との他に、磁界発生手段2と、測定手段3と、制御部4とを備えており、支持体である長尺薄手の非磁性テープ5に磁性金属物6を成膜するように構成されている。
【0023】
磁界発生手段2は、蒸発する磁性金属物6が非磁性テープ5へむかう飛翔ルートの一部に磁界を印加して磁性金属物6の飛翔量を調整するものであり、蒸発室R1を形成する隔壁9内部の開口部Wを臨む部分に設けた電磁コイル(電磁石)21で構成されており、制御部4により電流制御されている。
そして、この隔壁9の開口部Wには、蒸発室R1に設けた蒸発源であるルツボ7内の磁性金属物6が所定温度まで加熱すると全面的に開放するシャッタ8を備えている。
【0024】
測定手段3は、非磁性テープ5に成膜された磁性金属物6の膜厚を測定するものであり、本実施の形態では、光学的な手段が用いられている。即ち、この測定手段3は、蒸着領域よりも非磁性テープ5の搬送方向下流側に設けた発光部31及び非磁性テープ5を挟んでこの発光部と、対向する反対位置に設け受光部32とで構成されている。このうち発光部31には、所定波長の検出光を出射するLEDを用いるとともに、受光部32には、LEDからの検出光を受光すると所定の検出信号を出力するフォトセンサが用いられている。
なお、本実施形態では、測定手段3に発光部31及び受光部32で構成される光学的な手段を用いたが、これに限定されるものではなく、例えばカメラなどの撮像手段や抵抗値を測定するなど、各種の手段や方法が適用可能である。
【0025】
制御部4は、測定手段3で測定した膜厚量に応じて磁界発生手段2の磁界印加量を制御するものであり、本実施の形態では、入力が受光部32の出力に接続されているとともに、出力が電磁コイル(電磁石)21に接続されている。この制御部4には、計測した膜厚が予め設定した最適な成膜量(以下、これを基準成膜量とよぶ)よりも薄いか厚いかを判断するために演算器を備えている。
【0026】
この演算器では、測定手段3の受光部32から出力されるそのときの測定された膜厚に対応する検出信号と基準成膜量に対応する基準信号との差から計測された膜厚が適正か否かを判断するようになっており、膜厚が基準成膜量よりも薄い(厚い)と判断された場合には、成膜量を増大(減少)させるために磁界発生手段2の電磁コイル21への通電量を減少(増大)させることにより磁力を抑え(高め)、蒸着する磁性金属物に対して磁力による吸引・吸着量を抑える(高める)ように構成されている。
【0027】
非磁性テープ5は、通常この種の磁気記録媒体において使用することができる適宜の材料が使用可能であり、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル樹脂や、芳香族ポリアミドフィルム、ポリイミド樹脂フィルムなどが挙げられるが,勿論これに限定されるものではなく、各種のものが適用可能である。
【0028】
非磁性テープ5に蒸着する磁性金属物6としては、磁性金属材料、例えば鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、あるいはこれらの混合物などの適宜の物質を用いているが、例えばコバルト(Co)を用いる場合、その融点が1490度前後(沸点が3180度前後)の高温に加熱されるため、隔壁9には、適宜の断熱材、例えば黒鉛(グラファイト)などを用いて電磁コイル21に熱的なダメージをもたらさないように構成されている。なお、磁性発生手段2として、例えば電磁石とともに永久磁石なども併用して磁力を高めるような場合には、その永久磁石を構成する物質に対して、当然であるが、少なくともキューリー温度以下に温度を保持することができる断熱材を用いることが必要である。
【0029】
次に,本実施形態に係る磁性金属物の蒸着装置による蒸着方法について説明する。
(1)加熱溶融手段である図示外の電子銃により蒸発源であるルツボ7内の磁性金属物6を加熱溶融すると、溶融温度(融点)に達したところで磁性金属物6が蒸着・気化を始める。
(2)これに合わせて、蒸発室R1を閉じていたシャッタ8を全開させるとともに、搬送手段である図示外の供給ロール及び巻取りロール等を駆動して、非磁性テープ5の走行を開始する。また、これと同時に、電磁コイル21には、基準成膜量に対応するような所要の通電量で電流を流し始めることにより、磁界を発生する。
(3)ルツボ7内から蒸着・気化する磁性金属物6は、蒸発室R1の開口部Wを通過して成膜室R2の蒸着領域に向けて飛翔していき、この蒸着領域を通過中の非磁性テープ5に蒸着させる。このとき、蒸着・気化する磁性金属物6の一部は、磁力で開口部Wに吸引・吸着され始める。
(4)そして、この非磁性テープ5が測定手段3である発光部31及び受光部32を通過する際に、この非磁性テープ5に蒸着させた磁性金属物6の膜厚を逐次測定していく。
(5)即ち、この受光部32からは、測定した膜厚に応じた検出信号が制御部4に出力されるとともに、この検出信号を入力した制御部4では、測定した膜厚値に応じて磁界発生手段2の電磁コイル21へ制御信号を出力するようにして、フィードバック制御をかける。
▲1▼即ち、計測した膜厚が予め設定した基準成膜量よりも薄いと判断された場合には、その基準成膜量のときに受光部32から出力される基準信号と現在出力される検出信号との差を制御部4の演算器で算出し、この算出した差を考慮した制御信号、具体的には、その差に相当する分だけ電磁コイル21へ流す電流を減少させる。換言すれば、電磁コイル21への通電量を抑えるように電流制御する。
▲2▼これにより、電磁コイル21から発生する磁界の大きさも減少するので、飛翔中の気化した磁性金属物6は、この磁界の大きさが減少した分だけ電磁コイル21へ吸引・吸着される量が減少する。
なお、基準成膜量よりも計測膜厚の方が厚いと判断された場合には、これとは逆の制御を行うようにすればよい。
▲3▼このようにして、基準成膜量との膜厚差(不足分)を補償するように成膜量を増大させることができるため、成膜量を所定の基準成膜量に戻すことができる。
▲4▼そして、この基準成膜量に達すると、受光部32から出力される基準信号と現在出力される検出信号との差がゼロとなるので、制御部4ではこれを検出すると、予め設定された所定の通電量で電磁コイル21へ出力する。
(6)このようにして、非磁性テープ5が測定手段3である発光部31及び受光部32を通過する際に、この非磁性テープ5に蒸着させた磁性金属物6の膜厚を逐次測定していき、そのとき検出した膜厚値が基準成膜量との間に一定量を上回る差を発生したと制御部4が判断すると、上述した方法により、基準成膜量に復帰するまで、電磁コイル21から発生する磁界の大きさを調整する。
(7)非磁性テープ5が最後まで搬送され、巻取りロールに最後まで巻き取られるまでの間、以上のようなフィードバック制御を繰り返す。
【0030】
なお、本実施の形態では、蒸着作業の際に、シャッタ8が完全に開放するように構成して、シャッタ8の先端部に磁性金属物6が付着・堆積するのを防止するように構成したが、非磁性テープ5の成膜量に応じてシャッタ8の開閉量も適宜調整するように構成してもよい。つまり、シャッタ8で粗調整を行うほか、磁界発生手段2で微調整するように構成してもよい。
【0031】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2に実施形態について説明する。なお、この実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図2は、第2の実施形態に係る磁性金属物の蒸着装置を示すものであり、この蒸着装置は、磁界発生手段2を構成する電磁コイル(電磁石)22がルツボ7に埋設されている。
【0032】
電磁コイル22も、第1の実施の形態の電磁コイル21と同様に、磁性金属物6が非磁性テープ5へ向かう飛翔ルートに向けて磁界を形成することにより、蒸発して飛翔する磁性金属物6を一部吸引・吸着することにより飛翔量を調整するものであり、略椀状等に形成されたルツボ7の側面内部及び底面の内部に埋設されており、制御部4により電流制御されている。このため、この電磁コイル22は、制御部4の出力に接続されている。
【0033】
制御部4に備えた演算器では、第1の実施形態と同様に、膜厚が基準成膜量よりも薄い(厚い)と判断された場合には、成膜量を増大(減少)させるために電磁コイル22への通電量を減少(増大)させることにより磁力を抑え(高め)、蒸着する磁性金属物に対して磁力による吸引・吸着量を抑える(高める)ように構成されている。
【0034】
次に,本実施形態に係る磁性金属物の蒸着装置による蒸着方法について説明する。
(1)加熱溶融手段である図示外の電子銃により蒸発源であるルツボ7内の磁性金属物6を加熱溶融すると、溶融温度(融点)に達したところで磁性金属物6が蒸着・気化を始める。
(2)これに合わせて、蒸発室R1を閉じていたシャッタ8を全開させるとともに、搬送手段である図示外の供給ロール及び巻取りロール等を駆動して、非磁性テープ5の走行を開始する。また、これと同時に、電磁コイル22には、基準成膜量に対応するような所要の通電量で電流を流し始めることにより、磁界が発生する。
(3)ルツボ7内から蒸着・気化する磁性金属物6は、蒸発室R1の開口部Wを通過して成膜室R2の蒸着領域に向けて飛翔していき、この蒸着領域を通過中の非磁性テープ5に蒸着する。このとき、蒸着・気化する磁性金属物6の一部は、磁力でルツボの側面などに吸引・吸着され始める。
(4)そして、この非磁性テープ5が測定手段3である発光部31及び受光部32を通過する際に、この非磁性テープ5に蒸着させた磁性金属物6の膜厚を逐次測定していく。
(5)即ち、この受光部32からは、測定した膜厚に応じた検出信号が制御部4に出力されるとともに、この検出信号を入力した制御部4では、測定した膜厚値に応じて磁界発生手段2の電磁コイル22へ制御信号を出力するようにして、第1の実施の形態と同様のフィードバック制御をかける。
(6)このようにして、非磁性テープ5が測定手段3である発光部31及び受光部32を通過する際に、この非磁性テープ5に蒸着させた磁性金属物6の膜厚を逐次測定していき、そのとき検出した膜厚値が基準成膜量との間に一定量を上回る差が発生したと制御部4が判断すると、上述した方法により、基準成膜量に復帰するまで、電磁コイル22から発生する磁界の大きさを調整する。
(7)非磁性テープ5が最後まで搬送され、巻き取りロールに最後まで巻き取られるまでの間、以上のようなフィードバック制御を繰り替えす。
【0035】
なお、本実施の形態でも、蒸着作業の際に、シャッタ8が完全に開放するように構成して、シャッタ8の先端部に磁性金属物6が付着・堆積するのを防止するように構成したが、第1の実施の形態と同様に、シャッタ8で粗調整を行うほか、磁界発生手段2で微調整するように構成してもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明では、支持体を走行させながら蒸発源で加熱・蒸発させた磁性金属物を蒸着させたのち、磁性金属物が蒸着された支持体を冷却させ、支持体に磁性金属物を成膜させる磁性金属物の蒸着方法であって、蒸発する磁性金属物の支持体への飛翔ルートの一部に磁界を印加して磁性金属物の飛翔量を調整する磁界発生手段を備え、支持体に成膜された磁性金属物の膜厚を測定し、測定した膜厚量に応じて磁界発生手段による磁界印加量を制御するように構成した。
【0037】
従って、本発明によれば、支持体に対して、膜厚を常時一定に保持して磁性金属物を成膜することができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る磁性金属物の蒸着装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る磁性金属物の蒸着装置を示す概略構成図である。
【図3】従来の蒸着装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 冷却ロール
2 磁界発生手段
21 電磁コイル(電磁石)
22 電磁コイル(電磁石)
3 測定手段
31 発光部
32 受光部
4 制御部
5 非磁性テープ(支持体)
6 磁性金属物
7 ルツボ(蒸発源)
8 シャッタ
9 隔壁
R1 蒸発室
R2 成膜室
W 開口部

Claims (6)

  1. 蒸発源で加熱・蒸発させた磁性金属物を走行中の支持体に蒸着させたのち、前記磁性金属物が蒸着された前記支持体を冷却させ、前記支持体に前記磁性金属物を成膜させる磁性金属物の蒸着方法であって、
    前記蒸発する前記磁性金属物の前記支持体への飛翔ルートの一部に磁界を印加して前記磁性金属物の飛翔量を調整する磁界発生手段を備え、
    前記支持体に成膜された磁性金属物の膜厚を測定し、
    前記測定した前記膜厚量に応じて前記磁界発生手段による磁界印加量を制御することを特徴とする磁性金属物の蒸着方法。
  2. 蒸発源で加熱・蒸発させた磁性金属物を走行中の支持体に蒸着させる加熱溶融手段と、前記磁性金属物が蒸着された支持体を冷却させる冷却手段とを備え、前記磁性金属物を蒸着させる磁性金属物の蒸着装置であって、
    前記蒸発する前記磁性金属物の前記支持体への飛翔ルートの一部に磁界を印加して前記磁性金属物の飛翔量を調整する磁界発生手段と、
    前記支持体に成膜された磁性金属物の膜厚を測定する測定手段と、
    前記測定手段で測定した前記膜厚量に応じて前記磁界発生手段の磁界量を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする磁性金属物の蒸着装置。
  3. 前記磁界発生手段は、蒸発室と成膜室との隔壁部分に埋設した電磁石で構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性金属物の蒸着方法又は装置。
  4. 前記蒸発源として前記磁性金属物を収容するルツボで構成するとともに、
    前記ルツボには、前記磁界発生手段を構成する電磁石を埋設したことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性金属物の蒸着方法又は蒸着装置。
  5. 前記蒸発室と成膜室との隔壁部分の一部に、前記蒸発室を開放して前記金属蒸着物を前記支持体へ放出するシャッタを備え、
    前記シャッタの開閉動作により、前記磁性金属物が前記支持体へ蒸着する際の蒸着領域を調整するように構成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁性金属物の蒸着方法又は蒸着装置。
  6. 前記支持体はテープ状の非磁性材料で形成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁性金属物の蒸着方法又は蒸着装置。
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