JP2004153580A - 弾性表面波装置 - Google Patents

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佳史 山形
Kazuhiro Otsuka
一弘 大塚
Koichi Maruta
幸一 丸田
Miki Ito
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Abstract

【課題】小型化と良好な電気特性の実現が可能な弾性表面波装置を提供する。
【解決手段】圧電基板20の一方主面にIDT電極30bとパッド電極40aとが形成され、その外周部に更に接地用環状電極40bが形成された弾性表面波素子10を、前記一方主面を対向させて回路基板60に実装した弾性表面波装置において、少なくとも一つの前記IDT電極30bと前記接地用環状電極40bとを一体的に形成する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯電話等の移動体通信機器や車載用機器、医療用機器等に用いられる弾性表面波装置に関し、詳しくは、小型化を可能とする構造に特徴を有する弾性表面波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性表面波共振器や弾性表面波フィルタ等の弾性表面波装置は、マイクロ波帯を利用する各種無線通信機器や車載用機器、医療用機器等に幅広く用いられているが、各機器の小型化に伴い、更なる小型化が求められている。
【0003】
従来の小型化された弾性表面波装置としては、例えば弾性表面波素子の下面側の外周部にIDT電極を取り囲む接地用環状電極を形成して回路基板上に実装する構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図7に従来例の弾性表面波装置の一例を示す。図7(a)は従来の弾性表面波装置の断面構造を示す模式図であり、図7(b)はその弾性表面波素子の電極構造を示す模式図である。
【0005】
図7(a)、図7(b)において、弾性表面波素子110は、例えばタンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム単結晶、四ホウ酸リチウム単結晶等の圧電性の単結晶から成る基板120上に、弾性表面波の伝搬方向に沿って一対の反射器電極130aとその間に複数のインターデジタルトランスデューサー(IDT)電極130bが形成されて縦結合型二重モードフィルタ131a及び131bが構成され、両者が段間接続電極130cでカスケード接続されており、更に入出力パッド電極140aと接地用環状電極140bが形成され、更に入出力パッド電極140aと接地用環状電極140b以外の部分にはシリコンや酸化シリコン等の半導電性もしくは絶縁性の保護膜150が形成されて弾性表面波フィルタを構成している。ここで縦結合型二重モードフィルタ131a及び131bの接地すべき電極はGND接続用電極130dを介して接地用環状電極140bに接続されている。
【0006】
上記のようにして構成した弾性表面波素子110は、入出力パッド電極140a及び接地用環状電極140bと、回路基板160上に形成した金属等から成る接続電極170に接合することにより回路基板160上に実装され、電気的にも接続されると同時に接地用環状電極140bによって気密封止される。
【0007】
上述した従来の弾性表面波装置では、弾性表面波素子の下面側の外周部にIDT電極を取り囲む接地用環状電極を形成して気密封止を行っている為、それ以前の弾性表面波装置のように気密封止の為のパッケージを必要とせず、弾性表面波装置を弾性表面波素子と同程度のサイズまで小型化することが可能となった。
【特許文献1】
特開2000−196400号公報 (図1及び図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の弾性表面波装置は、以下の2点の課題を抱えていた。
【0009】
1点目の課題はこれ以上の小型化が困難であることであった。接地用環状電極140bの内側に存在するのは、主にIDT電極130b、反射器電極130a、入出力パッド電極140aであるが、IDT電極130b及び反射器電極130aの数及び大きさは電気特性を直接的に決定するものであるため電気特性を変化させずに変更することは不可能であり、パッド電極140aの大きさも弾性表面波素子110と回路基板160との接続強度及び信頼性を確保する為には一定の大きさが必要であるため大幅な小型化は不可能である。接地用環状電極140bの電極幅についても、気密性確保の理由により大幅な減少は不可能である。また、接地用環状電極140bとIDT電極130b及びパッド電極140aとの間隔も、短絡防止の観点から大幅な削減は不可能である。以上の理由により従来の弾性表面波装置においては更なる小型化が困難であった。
【0010】
2点目は電気特性上の問題である。アース電位に接続される接地用環状電極140bと、IDT電極130bとはGND接続電極130dで接続されていたが、このGND接続電極130には、導体長さに対応したインダクタンス成分を有しており、これによりGNDが浮いた状態になってしまう。このため、例えば弾性表面波フィルタにおいては、特性上フロアレベルが上がって通過帯域外減衰量が不足してしまうという問題があった。
【0011】
本発明は上述の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的は、小型化と良好な電気特性の実現が可能な積層型弾性表面波装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の弾性表面波装置は、圧電基板の一方主面に、複数の電極指と一対の共通電極とから構成される複数のIDT電極、パッド電極を形成し、前記圧電基板の一方主面外周部に接地用環状電極が形成されてなる弾性表面波素子を、回路基板上に所定間隙をあけて実装した弾性表面波装置において、
少なくとも一つの前記IDT電極を構成する一方の共通電極と前記接地用環状電極とが一体的に形成されていることを特徴とする弾性表面波装置である。
また、本発明の他の弾性表面波装置は、前記弾性表面波素子と前記回路基板との電気的接続が、前記パッド電極及び前記接地用環状電極を介して行われており、前記接地用環状電極がアース電位に接続されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の他の弾性表面波装置は、前記圧電基板の前記一方主面と、該一方主面と対向する前記回路基板の実装面との間の間隙を、前記接地用環状電極によって気密封止することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の他の弾性表面波装置は、前記IDT電極が保護膜で覆われていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の他の弾性表面波装置は、前記保護膜が酸化シリコン膜であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の他の弾性表面波装置は、前記パッド電極の少なくとも一つが、一つの前記IDT電極と他の前記IDT電極との間に配置されていることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、接地用環状電極と接続されているIDT電極の一方の共通電極と前記接地用環状電極とが一体的に形成されており、その部分のパッド電極が省かれているので、パッド電極及びパッド電極と接地用環状電極との間に形成されていた間隙の分だけ小型化することが可能となる。
【0018】
また、本発明によれば、接地用環状電極と接続されている前記IDT電極を構成する一方の前記共通電極と前記接地用環状電極とが一体的に形成されており、且つ、接地用環状電極がアース電位に接続されている。したがって、接地用環状電極とIDT電極を構成する一方の共通電極とが一体化しているため、従来のようにGND接続電極で発生する不要なインダクタンスを排除することができる。これにより、例えば弾性表面波フィルタにおいては、フィルタ特性のフロアレベルが上昇することを有効に抑えることができ、通過帯域外減衰量を充分確保することができる。
【0019】
前記圧電基板の一方主面と前記回路基板の実装面との間の間隙は、前記接地用環状電極によって気密封止されているので、回路基板の実装と同時に気密封止接合が可能となり、従来気密封止の為に要していたパッケージを省略することができ、弾性表面波装置を飛躍的に小型化することができる。
【0020】
また、本発明によれば、IDT電極が保護膜で覆われているので、導電性封止材や導電性異物によるIDT電極の短絡や、半田封止を行った際のフラックスによりIDT電極が被害を受けることを防止することができる。また、この保護膜の膜厚を調整することにより、弾性表面波素子の周波数調整を行うこともできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る弾性表面波装置を示す模式図である。図1(a)は断面構造を示し、図1(b)は弾性表面波素子の電極構造を示す。
【0022】
本発明の弾性表面波装置1は、回路基板60の一方主面に、弾性表面波が伝搬される弾性表面波素子10の一方主面が対向するように、接続電極70を介して実装・配置し、この弾性表面波素子10を樹脂90で被覆して構成される。
図1(a)、図1(b)において、弾性表面波素子10は、例えばタンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム単結晶、四ホウ酸リチウム単結晶等の圧電性の単結晶から成る基板20の一方主面上に、弾性表面波を用いて機能する各種電極30が形成されている。各種電極30としては、図1(b)に示すように、一対の共通電極、該共通電極から延びる複数の電極指から構成されるIDT電極30b、弾性表面波の伝搬方向に沿って配置される反射器電極30a、IDT電極30bに接続される入出力パッド電極40a、アース電位に接続される接地用環状電極40b、さらに、弾性表面波装置の構造によって必要となる例えば段間接続電極30cなどが例示できる。尚、IDT電極30bは、一対の共通電極、一方の共通電極から他方の共通電極側に延びる複数の電極指を有し、各々の共通電極から延びる複数の電極指は互いにかみ合うように配置される。
【0023】
尚、図1(b)では弾性表面波の伝搬方向に沿って配置される反射器電極30a及びその間に配置された複数のIDT電極30bにより縦結合型二重モードフィルタ31a、31bが形成されており、入力側の縦結合型二重モードフィルタ31aと出力側の縦結合型二重モードフィルタ31bとは、上述の段間接続電極30cによってカスケード接続されている。
【0024】
また、入出力パッド電極40aと接地用環状電極40bを露出させて、IDT電極30bの表面には、シリコン等の半導電性もしくはや酸化シリコンなどの絶縁性の保護膜50が被着形成されている。
【0025】
また、図1(b)において、入力側の縦結合型二重モードフィルタ31aのIDT電極30bでは、IDT電極30bを構成する一対の共通電極のうち、アース電位となる一方の共通電極が、最も近接する接地用環状電極40bと一体的に形成されている。また、反射器電極30aについても、その一部が接地用環状電極40bと一体的に形成しても構わない。
【0026】
回路基板20は、その表面に、弾性表面波素子10の入出力パッド電極40a及び接地用環状電極40bに対応して形成された金属等から成る接続電極70を有している。なお、各接続電極70は、図では省略しているが、回路基板60の底面に形成した外部端子電極に回路基板20の表面及び回路基板20の内部配線パターンを介して接続されている。
【0027】
そして、入出力パッド電極40aと接続電極70との接続によって電気的な接続が達成され、接地用環状電極40bと接続電極70との接続によってアース電位の接続及び気密封止がおこなわれる。そして、弾性表面波素子10を樹脂90で被覆して弾性表面波素子10の損傷を防止する。尚、回路基板60の表面とIDT電極30bの表面との間隔は、弾性表面波素子10で発生する装置弾性表面波の波長以上の間隔に設定されている。
【0028】
ここで、入出力パッド電極40aと接地用環状電極40bは同一プロセスにて形成されているので、これらの電極は平坦度に優れている。また、保護膜50よりも入出力パッド電極40aと接地用環状電極40bが突出しているので、自由振動のための空間を保つことができ、このまま回路基板60へフェースダウンで実装することが可能である。また、接地用環状電極40bが基板20の全周囲に形成されているので気密性も確保される。
【0029】
本発明は、図1(b)の入力側の縦結合型二重モードフィルタ31a側に示すように、入力側の縦結合型二重モードフィルタ31aのIDT電極30bにおいて、このIDT電極30bを構成する一対の共通電極のうち、アース電位となる一方の共通電極が、最も近接する接地用環状電極40bと一体的に形成されている。すなわち、従来の弾性表面波装置に比較して、アース電位となるパッド電極140a(図7(b)で最も左側のパッド電極140a)を省略することができるため、このパッド電極140aを形成ために設けていたIDT電極130bと接地用環状電極140bとの間の間隙が分だけ弾性表面波素子を小型化することができ、小型な弾性表面波装置となる。
【0030】
また、従来のGND接続電極130dによる不要なインダクタンス成分を排除することができ、例えば弾性表面波フィルタのフィルタ特性において、フロアレベルを大きく改善でき、通過帯域外減衰量を充分に確保することができる。
【0031】
また、IDT電極30bが保護膜50で覆われているので、導電性封止材や導電性異物によるIDT電極30bの短絡や、半田封止を行った際のフラックスにより、入力側の縦結合型二重モードフィルタ31a及び出力側の縦結合型二重モードフィルタ31bの周波数調整を行うこともできる。
【0032】
図2は本発明の別の実施形態の弾性表面波装置1における、弾性表面波素子10の電極構造を示す模式図である。この弾性表面波装置においては、入力側の縦結合型二重モードフィルタ31aと出力側の縦結合型二重モードフィルタ31bを構成するそれぞれのIDT電極30bで、このIDT電極30bを構成する共通電極のうち、アース電位となる一方の共通電極が接地用環状電極40bとそれぞれ一体的に形成されている。これにより、図1(b)に比較してさらに小型化の弾性表面波素子10が達成できる。また、アース電位に接続される結合防止用電極30eにより、入出力パッド40aの間の不要な電磁気的結合が防止されている。
【0033】
図3は本発明の別の実施形態の弾性表面波装置1における、弾性表面波素子10の電極構造を示す模式図である。この弾性表面波装置においてはトランスバーサル型フィルタが構成されており、入力用のIDT電極30bと出力用のIDT電極30bを構成する共通電極のうち、アース電位となる一方の共通電極が接地用環状電極40bとそれぞれ一体的に形成されている。ここで、弾性表面波伝搬方向の両端には弾性表面波の不要反射を防ぐ為にダンピング材90が設置されている。また、アース電位に接続される結合防止用電極30eにより、入力用IDT電極30bと出力用IDT電極30bとの間の電磁気的結合が防止されている。この結合防止用電極30eの両端が接地用環状電極40bに接続されている為、結合防止用電極30eの電位がアース電位に近くなり、入出力IDT電極30b同士の電磁気的結合を有効に抑制することができる。
【0034】
図4は本発明の別の実施形態の弾性表面波装置1における、弾性表面波素子10の電極構造を示す模式図である。この弾性表面波装置においては一端子対弾性表面波共振子10が構成されている。IDT電極30bを構成する共通電極のうち、アース電位となる一方の共通電極が接地用環状電極40bと一体的に形成されており、片側のパッド電極が省略されることにより小型化が達成されている。
【0035】
尚、上記実施形態では、弾性表面波素子10の上面から回路基板60の実装面にかけて被覆した樹脂90は、弾性表面波素子10の損傷防止を主な目的としているが、弾性表面波素子10の上面から回路基板60の実装面にかけて被覆した樹脂90のみで気密封止を行い、接地用環状電極40bを、IDT電極30bのアース電位に接続する共通電極と一体化し、同時に、樹脂90の流入を防止し振動空間を確保するダムの働きをさせてもよい。その場合、接地用環状電極40bは気密性を持つ必要がないため、共通電極と接続する部分がアース電位とするようにスリットを形成し、連続的な環状である必要はない。その場合にはアース電極とすべき電極が個々に接続電極70へ接続されていれば良い。また、逆に樹脂90を設けず、弾性表面波素子10をむき出しにしてもかまわない。更に上記実施形態以外にも、ラダー型フィルタ等の他の種類の弾性表面波フィルタやデュプレクサ等の弾性表面波装置1についても、IDT電極30bを有するものであれば、本発明を適用できることはいうまでもない。
【0036】
【実施例】
次に、本発明に係る弾性表面波装置を作製した実施例について説明する。
図5に弾性表面波素子の製造プロセスを示す。なお、製造にはステッパー(縮小投影露光機)及びRIE(Reactive Ion Etching)装置を用いフォトリソグラフィーを行った。
(1)圧電基板20(タンタル酸リチウム単結晶の38.7°Yカット)をアセトン・IPA等を使用して超音波洗浄を施し、有機成分の除去を行った。次に、クリーンオーブンによって充分に基板乾燥を行った後、電極(最終的に各種電極となる導体で,便宜上電極30と付す)の成膜を行った。電極30の成膜にはスパッタリング装置を使用し、Al−Cu(Cu1重量%)合金から成る電極30を成膜した。この電極膜厚は約2000Åとした(図4(a)を参照)。
(2)レジスト80を約0.6μmの厚みにスピンコートした(図4(b)を参照)。
(3)ステッパーにより所望形状にパターン化して、現像装置にて不要部分のレジスト80をアルカリ現像液で溶解させ、所望レジストパターンを形成した(図4(c)を参照)。
(4)RIE装置によりAl−Cu電極30のエッチングを行った(図4(d)を参照)。
(5)レジスト80を剥離しパターニングを終了した(図4(e)を参照)。
(6)SiOから成る保護膜50をCVD装置にて200Åの厚みに成膜した(図4(f)を参照)。
(7)レジスト80を約8μm全面に再度塗布した(図4(g)を参照)。
(8)入出力パッド電極40aと接地用環状電極40bを形成する部分のレジスト80を感光させ削除した(図4(h)を参照)。
(9)入出力パッド電極40aと接地用環状電極40bを形成する部分のSiO保護膜50をCDEにより除去した(図4(i)を参照)。
(10)Cr、Ni、Auをこの順序でそれぞれ100Å、10000Å、2000Åの厚みにスパッタにて成膜し、入出力パッド電極40a並びに接地用環状電極40bとなる導体膜40を形成した(図4(j)を参照)。
(11)レジスト80とともに電極レジスト上の電極40をリフトオフにより除去し、入出力パッド電極40a並びに接地用環状電極40bを形成した。(図4(k)を参照)。
(12)ウエハをダイシングラインに沿ってダイシングし、チップごとに分割して弾性表面波素子を完成させた。チップサイズは1.1×1.3mmとした。
次に実装について説明する。
(13)完成した弾性表面波素子10を、ガラスセラミックスから成る回路基板60にフェースダウン実装した(図1を参照)。まず、回路基板60の、入出力パッド電極40a及び接地用環状電極40bに対応する部分に、接続電極70となる半田バンプを形成し、その上に弾性表面波素子10をフェースダウンで搭載して超音波を加えて熱圧着し、その後240℃でリフローを行って気密封止を行った。その後エポキシ系の樹脂を、真空印刷機を用いて印刷し、100℃1時間+150℃3時間の条件で硬化させた。最後に基板を各装置の形状にダイシングして各装置に分割して弾性表面波装置を完成させた。
【0037】
上記弾性表面波フィルタによれば、圧電基板20と回路基板60の間に接地用環状電極40bで囲まれた気密空間が確保されており、空間の高さは30μmとしている。この高さは弾性表面波フィルタの中心周波数における波長2μmに対して大きく、弾波長とほぼ同等であり、これ以上の空間高さがあれば弾性表面波の振動を妨げることはない。
【0038】
このようにして得られた弾性表面波フィルタの電気特性を図6に示す。図6において、実線は本発明の弾性表面波フィルタの電気特性を示し、点線は比較のために作成した図7に示す従来の弾性表面波フィルタの電気特性を示す。
【0039】
図から明らかなように、従来の実施例と比較して良好な減衰特性、すなわち、全体的に減衰量を大きくでき、フロアレベルを特性図の下方にシフトでき、通過帯域外での減衰量を大きくできる。これは、IDT電極30bのアース電位とする共通電極を接地用環状電極40bと一体的に形成したことにより、従来のように、IDT電極130bと接地用環状電極140bとを接続するGND接続電極130dによる不要なインダクタンスを排除でき、GNDが浮いてしまうことが防止された為と考えられる。
【0040】
尚、本実施例では回路基板60をガラスセラミックス基板としたが、アルミナなどの他のセラミックス基板、またはガラスエポキシ基板等の樹脂基板でもかまわない。また、電極をAl−Cu合金から成る電極としたが、NiやTi等他の材料を使用してもよいことはもちろんである。また、保護膜50は、酸化シリコンのような性材料以外に、窒化シリコンなどの材料を用いてもよいして、また、シリコンなどのような半導電性材料を用いてもよい。また、エポキシ樹脂の印刷を真空印刷機で行ったが、大気圧中で印刷を行い、その後真空脱泡しても構わない。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、接地用環状電極と接続されているIDT電極の一方の共通電極と前記接地用環状電極とが一体的に形成されており、その部分のパッド電極が省かれているので、パッド電極及びパッド電極と接地用環状電極との間に形成されていた間隙の分だけ小型化することが可能となる。
【0042】
また、本発明によれば、接地用環状電極と接続されている前記IDT電極の一方の前記共通電極と前記接地用環状電極とが一体的に形成されており、且つ、接地用環状電極がアース電位に接続されているので、接地用環状電極とIDT電極とを電気的に接続するGND接続電極の有するインダクタンスによりGNDが浮くことがなく、例えば弾性表面波フィルタにおいては、フィルタ特性のフロアレベルが上昇を防止し、通過帯域外減衰量を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る弾性表面波装置の構造を模式的に示す断面図であり、(b)は本発明に係る弾性表面波装置における弾性表面波素子の電極構造を模式的に示す平面図である。
【図2】本発明の別の実施形態の弾性表面波装置における弾性表面波素子の電極構造を模式的に示す平面図である。
【図3】本発明のさらに別の実施形態の弾性表面波装置における弾性表面波素子の電極構造を模式的に示す平面図である。
【図4】本発明のさらに別の実施形態の弾性表面波装置における弾性表面波素子の電極構造を模式的に示す平面図である。
【図5】(a)〜(k)は、それぞれ本発明の弾性表面波装置における弾性表面波素子の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図6】弾性表面波装置、すなわち弾性表面波フィルタの電気特性を説明する特性図であり、実線は本発明品を、点線は従来品の特性を示す。
【図7】従来の弾性表面波装置を説明する図であり、(a)は構造を模式的に示す断面図、(b)は弾性表面波素子の電極構造を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
10、110:弾性表面波素子
30a、130a: 反射器電極
30b、130b:IDT電極
130d:GND接続電極
40a、140a:入出力パッド電極
40b、140b:接地用環状電極
50、150:保護膜
60、160:回路基板
70、170:接続電極
90:樹脂

Claims (6)

  1. 圧電基板の一方主面に、複数の電極指と一対の共通電極とから構成される複数のIDT電極、パッド電極を形成し、前記圧電基板の一方主面外周部に接地用環状電極が形成されてなる弾性表面波素子を、回路基板上に所定間隙をあけて実装した弾性表面波装置において、
    少なくとも一つの前記IDT電極を構成する一方の共通電極と前記接地用環状電極とが一体的に形成されていることを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 前記弾性表面波素子の前記パッド電極及び前記接地用環状電極と前記回路基板との接続が該パッド電極及び該接地用環状電極を介して行われているとともに、前記接地用環状電極がアース電位に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波装置。
  3. 前記圧電基板の一方主面と前記回路基板の実装面との間の間隙は、前記接地用環状電極によって気密封止されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の弾性表面波装置。
  4. 前記IDT電極の表面が保護膜で覆われていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の弾性表面波装置。
  5. 前記保護膜が酸化シリコン膜であることを特徴とする請求項4に記載の弾性表面波装置。
  6. 前記パッド電極の少なくとも一つが、2つの前記IDT電極間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の弾性表面波装置。
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