JP2004143586A - ハードディスク媒体用メッキ基板及びその製造方法 - Google Patents

ハードディスク媒体用メッキ基板及びその製造方法 Download PDF

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石井 政利
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Masaru Hamaguchi
濱口 優
Yukimi Tsunemitsu
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Abstract

【課題】Si基板へのメッキにおいては、研磨等の後加工に耐えうる良好な密着性を有しかつメッキが容易となるような処理を施すことが強く求められている。
【解決手段】Si単結晶にSiと共にNiとCuとAgとからなる一群から選ばれる1種以上の金属を含有する厚さ2〜200nmの非晶質層と厚さ5〜1000nmの多結晶層を順次形成してなる多層膜付きハードディスク媒体用メッキ基板を提供する。また、Si単結晶基板の表面に自然酸化膜及び表層部Siの化学エッチング処理を施した上で、得られたSi単結晶基板のエッチング表面に、還元剤成分を含まない硫酸塩浴又は塩酸塩浴中で、液温70〜100℃においてpHを7.2〜12.8の範囲に維持しつつ成膜を行うことを特徴とするハードディク媒体用メッキ基板の製造方法を提供する。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハードディスク媒体用メッキ基板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
Si単結晶基板は、純度パタ−ニングの容易さ等から半導体ウエーハとして広く使用されている。さらに、最近は、剛性、表面の平滑性、表面状態の安定性等の特性が良好であることを用いて、高記録密度の磁気記録用基板としての利用も検討されている。例えば、特許文献1〜8等である。
【0003】
Si単結晶を電子材料、或いは磁気記録材料として用いる場合、電極設置或いは磁性材料の塗布のため、その表面に金属膜を被覆する必要がある。このようなSi基板への金属膜の被覆は、従来スパッタリングを初めとする真空蒸着法により行われていた。
しかしながら、近年LSI製造においては、ダマシンプロセス等の普及、また磁気記録材料においても垂直磁気記録媒体の製造のため、研磨が可能な厚膜の金属膜を被覆する必要が生じている。
そこで、真空蒸着に比べ厚膜化が容易なメッキ法により、Si基板に金属膜を被覆する試みが種々検討されている。
【0004】
湿式めっきにより良好な密着性を有するメッキを行うためには、メッキ液中の金属イオンが還元を受けるのに触媒となりうる物質が母材−メッキ膜の接合部位に多量に存在することが重要である。さらに、形成されたメッキ膜と被メッキ母材との密着力の大小は、被メッキ物表面の凹凸による機械的なアンカーリング効果、もしくは被メッキ物とメッキ膜との化学的な相互作用に依存している。
【0005】
例えば、プラスチック、セラミック、ガラス材料といった化学反応性に乏しい材料の表面にメッキを施すためには、研磨等により母材面を粗面化した後に、Pd−Snコロイド溶液中に浸漬させることで表面の凹部にコロイド粒子を固着させ、この付着コロイドを触媒起点としたメッキを行うことで機械的アンカーリング効果に起因した密着性を確保する方法が広く行われている。
一方、Fe等の金属上へのメッキにおいては、開始直後にメッキ膜と被メッキ金属との間に金属結合が形成され、原子層レベルでの合金化が生ずることで強固な密着性が確保されると言われている。
【0006】
メッキ母材として用いられるSiについては、酸素との反応性が極めて高く、製造後数時間で既にその表面に化学活性の低いSiO2の自然酸化膜に被覆され不働体化してしまう。このためメッキ膜と化学的な結合を形成させることは困難である。
このようなSi表面の自然酸化膜は、HF等浸漬等により溶解除去できることは広く知られているが、自然酸化膜を除去したSi表面は極めて酸化され易くメッキ液中に浸漬した場合には、液中のOH基と反応することでメッキ膜形成前に酸化膜が再形成されてしまい良好なメッキ膜を得ることはできない。
【0007】
このため、Si基板上にメッキを行う場合には先に述べたプラスチック等へのメッキと同様に基板表面を粗らした後にPd−Snコロイドに浸漬してメッキを行う。或いはスパッタリング法等の気相蒸着により金属層を導入した後に、この金属層の上にメッキを施す方法の何れかによって行われることになる。
【0008】
しかしながら、基板を粗らしてメッキを行う方法では、メッキ膜の密着性を向上させようとすればするほど基板表面の粗さを大きくする必要があり、電子材料等に用いられる半導体ウェーハ等へのメッキとしては好適とは言えない。また、機械加工により基板表面を粗らした場合、加工により加工痕が発生し、加工痕の寸法,形状によっては基板の強度が大きく損なわれてしまうという問題が発生してしまう。
【0009】
一方、気相蒸着によりSi基板表面に金属層を導入した後にメッキを行う場合には、原子レベルでのSi基板と金属層の相互拡散を行うために、蒸着時、或いは蒸着後に熱アニーリングを行う必要がある。この場合、蒸着直後の金属活性が熱アニーリングにより失するため、メッキを行うには前処理として再度Pd−Sn触媒等により蒸着金属膜を活性化してやる必要がある。加えて乾式成膜である気相蒸着と湿式メッキを併用するために設備が複雑大型化してしまうという問題を有する。
【0010】
【特許文献1】
特公平1−42048号公報
【特許文献2】
特公平2−41089号公報
【特許文献3】
特公平2−59523号公報
【特許文献4】
特公平1−45140号公報
【特許文献5】
特開昭57−105826号公報
【特許文献6】
特開平6−68463号公報
【特許文献7】
特開平6−28655号公報
【特許文献8】
特開平4−259908号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、Si基板へのメッキにおいては、研磨等の後加工に耐えうる良好な密着性を有しかつメッキが容易となるような処理を施すことが強く求められている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、鏡面研磨を施したSi単結晶基板上に湿式プロセスのみを用いてメッキ下地となりうる良好な密着性を有する金属薄膜を被覆せんとするものである。
具体的には、本発明は、Si単結晶基板の表面に設けられ、厚み2〜200nmであって、Siとともに、NiとCuとAgとからなる一群から選ばれる少なくとも1種以上の元素を含有する非晶質層と、該非晶質層の上に設けられ、厚み5〜1000nmであって、Siとともに、NiとCuとAgとからなる一群から選ばれる1種以上の元素を含有する多結晶層を順次形成してなる多層膜付きハードディスク媒体用メッキ基板、及びその製造方法に関するものである。
【0013】
【実施の形態】
本発明の下地膜の模式図を図1に、また、膜断面の透過電子顕微鏡写真を図2に示す。また、アモルファス相と金属結晶相の電子線回折パタ−ンを図3と図4に示す。
ここに示される如く本発明の高密着性メッキ材料は、母材であるSi基板1と同様のSi元素を直上の非晶質層2が多量にすることで基板表面と化学的に結合している。この層は、厚み2nm〜200nm、好ましくは5〜20nmの厚みであり、電子線回折により非晶質に特有なハローパターンを示す。ただし、本発明における非晶質とは電子線回折でハローパターンを示すものを指し、微結晶の集合体のためハローパターンになる場合も含む。厚みを2〜200nmとするのは、2nm未満では均一な非晶質層の膜化が極めて難しく、200nmを超えると上層の多結晶層との密着性が低下するためである。組成的には、NiとCuとAgとからなる一群から選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を、母材成分であるSiとの原子比でSi:(NiとCuとAgの合計)=(200:1)〜(2:1)、好ましくは(80:1)〜(2:1)となるように含有している。さらに、その他の成分としては、酸素及び水素等若干の軽元素を含有してもよい。
【0014】
この非晶質層2の上部には、NiとCuとAgとなる一群から選ばれる少なくとも1種以上の元素をSiとの原子比でSi:(NiとCuとAgの合計)=(100:1)〜(1:1)、好ましくは(50:1)〜(2:1)の割合で含有する結晶性の低い部分3a及び、NiとCuとAgとなる一群から選ばれる少なくとも1種以上の元素をSiとの原子比でSi:(NiとCuとAgの合計)=(1:1)〜(1:200)、好ましくは(1:5)〜(1:100)の割合で含有する結晶相部分3bが混在した厚み5〜1000nmの多結晶層3を形成する。多結晶層の厚みをこの範囲とするのは、5nm未満であると多結晶の粒個々の均一な層内での分布が得られず、1000nmを超えると個々の結晶粒が肥大化してしまい下地膜として好ましくないためである。
【0015】
混合結晶層を構成する結晶性の低い部分と基板直上の非晶質層は透過電子顕微鏡像により明瞭に区別できる場合もあるが、本発明に用いる金属の種類或いは製造方法によっては、組成、結晶性が連続的に変化し、その境界が不明瞭となる場合もある。
混合結晶層内の組織については結晶性の低い部分3aが電子線回折において非晶質結晶固有のハローパターンと併せ若干のディフラクションパタ−ンを示す場合もあるのに対し、金属結晶相3bは電子線回折によりほぼ完全な結晶回折パタ−ンを示すため明瞭に区別できる。
【0016】
このように、本発明の高密着性メッキを有するハードディスク基板は、構成要素である混合結晶層において、結晶性の低い相にメッキの成長核となる微小な金属結晶相が分散した構造を有しており、これらSi基板−非晶質層−混合結晶層の各々が界面をまたぎ、同様の元素を含有することで基板への強固な密着性を確保しつつ、密着強化層表層にはメッキの成長起点として必要な金属結晶相を形成した構成となっている。
【0017】
Si基板上へのメッキを行うに先立ち、本発明の各層を形成し高密着性メッキ材料とすることで、基板表面の不要な粗面化や種々の活性化処理を施すことと無く良好な密着性を有するメッキ膜を得ることが可能となる。
加えて、本発明は、湿式の無電解置換メッキにより履行されるため、蒸着法等による下地膜の導入に比べてプロセスが簡便であり、さらに成膜後の下地膜の表面活性が高いため、特段の活性化を行わなくともプロセスとして連続的にメッキ成膜が可能というメッキ下地膜として極めて優れた特性を有する。
【0018】
次に、本発明の製造方法について述べる。
本発明の実施に当っては、CZ(チョコラルスキー)法或いはFZ(フローティングゾーン)法により製造されたSi単結晶材を基板として用いる。基板の面方位は、(100)、(110)、(111)を初めとして任意のものを用いることができる。また、基板中の不純物としては、0〜1022atoms/cm2の合計量の範囲のB、P、N、As、Sn等の元素を含有しても良い。
但し、基板の同一平面において面方位の異なる多結晶Si、及び極度に不純物の偏析のあるSiを基板として用いた場合には、その化学反応性の違いにより形成される下地膜が不均一となってしまう場合がある。さらに、極端な偏析のある基板を使用した場合には、下地膜成膜中に基板表面の偏析部位に局部電池が形成されてしまうことで、本発明に記載した下地膜構造の達成が不能となることもある。
【0019】
本発明においては、このようなSi基板の表面酸化膜及び基板表面を僅かにエッチングすることで、下地膜形成に必要無な活性化を行うことができる。
酸化膜除去方法としては2〜10重量%のHF水溶液への浸漬処理が半導体工業等で広く行われているが、この方法では、自然酸化膜即ちSiO2の除去は可能であるものの、母材であるSi自体のエッチング性が低く下地膜形成の際に必要となる基板表面の活性化が行われないため好ましくない場合がある。
【0020】
本発明実施のためには、濃度2〜50重量%の苛性ソ−ダ水溶液中でエッチングし、表面の酸化膜除去を行うと共に基板表面を僅かに腐食させる。この際活性化を与えるのに好ましい母材のエッチング速度は20nm/分〜5μm/分であり、エッチング量としては40nm以上の母材Siを除去するのが好ましい。
エッチング時の液温は濃度、処理時間により異なるが作業性の点で30〜100℃の範囲が好ましい。
【0021】
このようなエッチング処理を行った後に、NiとCuとAgとからなる一群から選ばれる一以上の金属イオン或いはこれらを主な金属イオンとして元素成分で0.01N以上、好ましくは0.05〜0.3N含有するメッキ液に浸漬し表面層を形成することで高密着性メッキ材料を得る。
【0022】
膜形成は、一般に無電解置換メッキとして知られる方法にて製膜を行う。液中に還元剤となりうるジア燐酸、ジア塩素酸等の成分を含有しないのは従来の置換めっき同様であるが、本発明では、特に好ましくは光沢材となるサッカリン等の成分を含有しない硫酸塩浴を用いることができる。硫酸塩としては、硫酸ニッケル、硫酸銅等が挙げられ、好ましい濃度は、0.01〜0.5Nである。
塩酸塩浴或いは0.05N以上の塩素イオンを含有する浴では、本発明の下地膜を得ることが困難であるのみならず、Si基板へのメッキ自体が不能となる場合もあり好ましくない。また、液中にK、Ca、Na等の各元素が 0.003N以上存在する場合も本発明を履行する上で好ましくない。したがって、塩素イオンを0.05N未満、液中にK、Ca、Na等がそれぞれ0.003N未満含有しているものとする。
【0023】
本発明を実施する上でのメッキ時の運転条件として浴のpHを液温70〜100℃おいて7.2〜12.8の範囲にさらに好ましくは7.6〜8.4に維持することが必要である。メッキ液温が70℃未満の場合はメッキが不能であり、また、メッキ液温が100℃を超えるかメッキ時の製膜時の温度におけるpHが規定の範囲以外にある場合にはメッキ自体は可能であるものの本発明に記載の下地膜を得ることはできない。製造においてはpH調整が要件となり、その調整方法はアンモニア又は希硫酸水溶液の添加に限定できる。初期pHにより添加料は加減の必要があるものの概ねメッキ浴中に0.02N〜0.5N好ましくは0.05N〜0.2Nの範囲で添加するとよい。
上記条件下において置換メッキを好ましくは2〜30分間行うことでSi基板面上に所定の非晶質層及び多結晶層が順次積層される。(仔細な性状及び膜厚は好ましいメッキ条件により随時調整すればよい。)
【0024】
苛性ソ−ダを初めとする水酸化物によりpH調整を行った場合、pHを規定の範囲に設定しても本発明の履行は困難である。
pH調整がアンモニア添加に限定される理由については、必ずしも明瞭では無いが、本発明の履行のためには液中の金属イオンがアンモニア等の錯体形成剤により錯イオン化することが極めて重要であることが実験結果より類推される。
以上のエッチング処理及び下地メッキ処理を併用することで本発明の下地膜の製膜が可能となる。
【0025】
本発明の実施の具体的態様を以下に説明するが、本発明はこれらの態様に限定するものではなく、前記の積層条件であれば、本発明のメッキ基板を製造することができるものである。
実施の態様例1
CZ法で製作した200mmSi単結晶基板から、コア抜き・芯取り・ラップを行った、直径65mmの(100)Si単結晶(Pド−プのN型基板)を平均粒径15nmのコロイダルシリカにより両面研磨し、表面粗さ(Rms)4nmまで平滑にする。Rmsは平方平均粗さであり、AFM(アトミック・フォース・マイクロスコープ:原子間力顕微鏡)を用いて測定できる。この基板を45℃、10重量%の苛性ソ−ダ水溶液に3分間浸漬して基板表面の薄い表面酸化膜を除去すると共に表面のSiエッチング処理を行う。
次に、0.01〜0.3Nの硫酸ニッケル水溶液に硫酸アンモニウムを0.5N添加した下地メッキ浴を製作し、さらにアンモニア水を添加することで液のpHを7.9〜12.8まであげる。この液を80℃まで加温し再度pHを測定するとpHの値が7.2〜11となる。80℃でのpHが7.6〜8.4、より好ましくは8.0となるようにアンモニア水又は希硫酸水溶液を連続的に供給しつつ(アンモニアは、通常、全体量で0.02〜0.5Nである。)、先にエッチングを行ったSi基板を下地メッキ浴に2〜15分間浸漬し本発明の高密着性メッキ材料を得る。
この材料の表面部を透過電子顕微鏡により観察すると、基板であるSiの上部に厚み2〜195nmの非晶質層、並びその上部に厚み5〜930nm混合の混合結晶層が確認できる。さらに、EPMAによりSiと金属成分の組成比率(原子比)を調べた非晶質部分ではSi:Ni=(80:1)〜(2:1)である。また、混合結晶層のうち低結晶部分の組成比率(原子比)はSi:Ni=(30:1)〜(3:2)、結晶性の部分はSi:Ni=(1:2)〜(1:70)であり、いずれも低結晶性部分よりも結晶性の部分の方がNiの割合が多い。
この下地メッキ膜に5mm間隔で格子状の切込みを入れセロテープ(登録商標)を用いた引き剥がしテストを行っても、各々メッキ膜の剥離は全く認められない。
【0026】
実施の態様例2
CZ法で製作した200mmSi単結晶基板から、コア抜き・芯取り・ラップを行った、直径65mmの(100)Si単結晶(Bド−プのP型基板)を平均粒径15nmのコロイダルシリカにより両面研磨し、表面粗さ(Rms)4nm(AFMによる測定)まで平滑にする。この基板を50℃、45重量%の苛性ソ−ダ水溶液に2分間浸漬して基板表面の薄い表面酸化膜を除去すると共に表面のSiのエッチング処理を行う。
次に、0.2Nの硫酸銅水溶液に硫酸アンモニウム水溶液0.2Nを添加した下地メッキ浴を製作しアンモニア水を添加することで液のpHを8.1〜10.5まであげる。この液を80℃まで加温し再度pHを測定するとpHの値が6.8〜9.8となる。80℃でのpHが8.0となるようにアンモニア水又は希硫酸水溶液を連続的に供給しつつ(アンモニアは、通常、全体量で0.02〜0.45Nである。)、先にエッチングを行ったSi基板を下地メッキ浴に2〜15分間浸漬し本発明の高密着性メッキ下地膜を得る。
この材料の表面部を透過電子顕微鏡により観察すると、基板であるSiの上部に厚み7〜180nmの非晶質層、並びにその上部に厚み9〜970nm混合の混合結晶層が確認できる。さらに、EPMAによりSiと金属成分の非晶質層の金属成分の組成比率(原子比)を調べた非晶質部分ではSi:Cu=(70:1)〜(3:1)である。また、混合結晶層のうち低結晶部分の組成比率(原子比)はSi:Cu=(20:1)〜(3:1)、結晶性の部分はSi:Cu=(1:2)〜(1:80)であり、いずれも低結晶性部分より結晶性の部分の方がNiの割合が多い。
この下地メッキ膜に5mm間隔で格子状の切込みを入れセロテープ(登録商標)を用いた引き剥がしテストを行っても、メッキ膜の剥離は各々全く認められない。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
CZ法で製作した200mmSi単結晶基板から、コア抜き・芯取り・ラップを行った、直径65mmの(100)Si単結晶(Pド−プのN型基板)を平均粒径15nmのコロイダルシリカにより両面研磨し、表面粗さ(Rms)4nmまで平滑にした。Rmsは平方平均粗さであり、AFM(アトミック・フォース・マイクロスコープ:原子間力顕微鏡)を用いて測定した。この基板を45℃、10重量%の苛性ソ−ダ水溶液に3分間浸漬して基板表面の薄い表面酸化膜を除去すると共に表面のSiエッチング処理を行った。
次に、0.1Nの硫酸ニッケル水溶液に硫酸アンモニウムを0.5N添加した下地メッキ浴を製作し、さらにアンモニア水を添加することで液のpHを10.1まであげた。この液を80℃まで加温し再度pHを測定した所pHの値が7.8となった。80℃でのpHが8.0となる様にアンモニア水を連続的に供給しつつ(アンモニアは全体量で0.1Nであった。)、先にエッチングを行ったSi基板を下地メッキ浴に5分間浸漬し本発明の高密着性メッキ材料を得た。
この材料の表面部を透過電子顕微鏡により観察したところ基板であるSiの上部に厚み6nmの非晶質層、並びその上部に厚み150nm混合の混合結晶層が確認された。さらに、EPMAによりSiと金属成分の組成比率(原子比)を調べた非晶質部分ではSi:Ni=19:1あった。また、混合結晶層のうち低結晶部分の組成比率(原子比)はSi:Ni=3:2、結晶性の部分はSi:Ni=1:10であり、低結晶性部分より結晶性の部分の方がNiの割合が多かった。
この下地メッキ膜に5mm間隔で格子状の切込みを入れセロテープ(登録商標)を用いた引き剥がしテストを行ったもののメッキ膜の剥離は全く認められなかった。
【0028】
実施例2
CZ法で製作した200mmSi単結晶基板から、コア抜き・芯取り・ラップを行った、直径65mmの(100)Si単結晶(Bド−プのP型基板)を平均粒径15nmのコロイダルシリカにより両面研磨し、表面粗さ(Rms)4nm(AFMによる測定)まで平滑にした。この基板を50℃、45重量%の苛性ソ−ダ水溶液に2分間浸漬して基板表面の薄い表面酸化膜を除去すると共に表面のSiのエッチング処理を行った。
次に、0.2Nの硫酸銅水溶液に硫酸アンモニウム水溶液0.2Nを添加した下地メッキ浴を製作しアンモニア水を添加することで液のpHを8.1まであげた。この液を80℃まで加温し再度pHを測定した所pHの値が6.8となった。80℃でのpHが8.0となる様にアンモニア水を連続的に供給しつつ(アンモニアは全体量で0.2Nであった。)、先にエッチングを行ったSi基板を下地メッキ浴に7分間浸漬し本発明の高密着性メッキ下地膜を得た。
この材料の表面部を透過電子顕微鏡により観察したところ基板であるSiの上部に厚み12nmの非晶質層、並びにその上部に厚み180nm混合の混合結晶層が確認された。さらに、EPMAによりSiと金属成分の非晶質層の金属成分の組成比率(原子比)を調べた非晶質部分ではSi:Cu=20:1であった。また、混合結晶層のうち低結晶部分の組成比率(原子比)はSi:Cu=5:1、結晶性の部分はSi:Cu=1:15であり、低結晶性部分より結晶性の部分の方がCuの割合が多かった。
この下地メッキ膜に5mm間隔で格子状の切込みを入れセロテープ(登録商標)を用いた引き剥がしテストを行ったもののメッキ膜の剥離は全く認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の下地膜の模式図を示す。
【図2】膜断面の透過電子顕微鏡写真(約21万倍)を示す。
【図3】アモルファス相の電子線回折パタ−ンを示す。
【図4】金属結晶相の電子線回折パターンを示す。
【符号の説明】
1  Si基板
2  非晶質層
3  混合結晶層
3a 結晶性の低い部分
3b 金属相部分

Claims (4)

  1. Si単結晶にSiと共にNiとCuとAgとからなる一群から選ばれる1種以上の金属を含有する厚さ2〜200nmの非晶質層と厚さ5〜1000nmの多結晶層を順次形成してなる多層膜付きハードディスク媒体用メッキ基板。
  2. Si単結晶基板の表面に自然酸化膜及び表層部Siの化学エッチング処理を施した上で、得られたSi単結晶基板のエッチング表面に、還元剤成分を含まない硫酸塩浴又は塩酸塩浴中で、液温70〜100℃においてpHを7.2〜12.8の範囲に維持しつつ成膜を行うことを特徴とするハードディク媒体用メッキ基板の製造方法。
  3. 上記硫酸塩浴中の重金属成分が、NiとCuとAgとからなる一群から選ばれる一以上である請求項2に記載のハードディスク媒体用メッキ基板の製造方法。
  4. 上記pHの調整をアンモニア添加により行うことを特徴とする請求項2又は請求項3項に記載のハードディスク媒体用メッキ基板の製造方法。
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