JP2004139791A - 電子銃構体用抵抗器 - Google Patents

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宮本 紀幸
Yoshihisa Kaminaga
神長 善久
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Abstract

【課題】高電圧が印加された場合であっても破損することがなく、信頼性の高い電子銃構体用抵抗器を提供することを目的とする。
【解決手段】電子銃構体に備えられた電極に所定の抵抗分割比で分圧した電圧を印加するための電子銃構体用抵抗器4において、絶縁性基板52と、絶縁性基板52上に設けられた複数の電極用抵抗素子53と、電極用抵抗素子53間を接続するとともに所定の抵抗値を得るためのパターンを有する抵抗用抵抗素子54と、抵抗用抵抗素子54を被覆する絶縁被覆層55と、各電極用抵抗素子53にそれぞれ対応して接続された複数の金属端子56と、を備えている。各金属端子56は、電極用抵抗素子53を露出することなしに配置されている。絶縁被覆層55は、電極用抵抗素子53に接触することなしに金属端子56の周縁を被覆している。
【選択図】  図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、陰極線管装置に搭載される電子銃構体用の抵抗器に係り、特に、電子銃構体に備えられたグリッド電極に所定の抵抗分割比で分圧した電圧を印加するための電子銃構体用抵抗器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カラーテレビジョン受像機などに使用される陰極線管は、パネルに向けて電子ビームを放出する電子銃構体を備えている。この電子銃構体は、複数のグリッド電極を備えており、陽極電圧が印加される陽極以外に、比較的高電圧が印加される各種グリッド電極を備えている。
【0003】
このような構成の陰極線管では、陰極線管のステム部から各グリッド電極に対して高電圧を印加すると、耐電圧上の問題を生じる。このため、陰極線管内に電子銃構体と共に電圧分圧用の抵抗器が電子銃構体用抵抗器として組み込まれている。この電子銃構体用抵抗器は、陽極電圧を所定の抵抗分割比で分圧し、それぞれのグリッド電極に対して所望の高電圧を印加する。
【0004】
このような電子銃構体用抵抗器は、絶縁性基板上に、低抵抗材料によって形成された電極用抵抗素子と、電極用抵抗素子と同材料系からなる高抵抗材料によって形成された抵抗用抵抗素子とを備えている。電極用抵抗素子の一部及び抵抗用抵抗素子は、絶縁被覆層によって被覆される。金属端子からなる端子部は、電極用抵抗素子と電気的に接続され、絶縁性基板に設けたスルーホールに加締められて固定されている。
【0005】
このような高電圧が印加される陰極線管では、耐電圧特性を良好にするために、その製造工程において耐電圧処理が施されている。この耐電圧処理では、通常動作電圧の2〜3倍程度のピ−ク電圧をもつ高電圧が印加される。これによって、強制放電を生じさせることにより、耐電圧低下の原因となる各種グリッド電極のバリや付着物などが除去される。
【0006】
高真空中に配設される電子銃構体用抵抗器では、電極用抵抗素子のエッジが絶縁被服層によって被覆されているため、トリプルジャンクションを形成する。このため、上述したような陰極線管において高電圧が印加されると、電極用抵抗素子のエッジに電界が集中する。結果として、トリプルジャンクション近傍では、陰極線管内部に存在する物質表面に吸着していたガスなどを介した電子や正イオンの反応が激しく起こり、この衝撃によって一部の電極用抵抗素子の剥離が生じる。
【0007】
このため、トリプルジャンクション部分を絶縁被覆層で被覆していると、電極用抵抗素子だけでなく直上の絶縁被覆層も剥離する。このようにして剥離脱落した部材は、陰極線管内を浮遊し、シャドウマスクの孔詰まりの原因となる。また、電極用抵抗素子の剥離によって、電極用抵抗素子と接続している抵抗用抵抗素子までも破壊するおそれがあり、最悪の場合には抵抗用抵抗素子の断線を引き起すおそれがある。さらに、電極用抵抗素子の一部が剥離した場合、剥離せずに残った部分を陰極点として陰極線管の動作中に放電を起こすおそれがある。これは、電子銃構体用抵抗器を介して電圧を供給するグリッド電極に過剰な電流が流れ込み、グリッド電極に対して所望の電圧を安定して供給できないために陰極線管のフォ−カス不良を引き起す原因となる。
【0008】
このように、従来の構造の陰極線管では、電極用抵抗素子のエッジの剥離、抵抗用抵抗素子の破壊、剥離したエッジに残った部分での放電などを起こす可能性がある。
【0009】
この対策として、電極用抵抗素子のエッジに相当する周縁を、電極用抵抗素子から離れた箇所よりも薄い膜厚の絶縁被覆層で被覆する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、このような構成の陰極線管においても、薄い絶縁被覆層の下に電極用抵抗体素子が存在する場合があるので、トリプルジャンクションを形成することになり、耐電圧処理中に電極用抵抗素子の一部が剥離するといった問題を完全に無くすことはできない。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−68811号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、高電圧が印加された場合であっても破損することがなく、信頼性の高い電子銃構体用抵抗器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の様態による電子銃構体用抵抗器は、
電子銃構体に備えられた電極に所定の抵抗分割比で分圧した電圧を印加するための電子銃構体用抵抗器において、
絶縁性基板と、
前記絶縁性基板上に設けられた複数の第1抵抗素子と、
前記第1抵抗素子間を接続するとともに所定の抵抗値を得るためのパターンを有する第2抵抗素子と、
前記第2抵抗素子を被覆する絶縁被覆層と、
前記各第1抵抗素子にそれぞれ対応して接続された複数の金属端子と、を備え、
前記金属端子は、前記第1抵抗素子を露出することなしに配置され、
前記絶縁被覆層は、前記第1抵抗素子に接触することなしに前記金属端子の周縁を被覆することを特徴とする。
【0013】
この発明の様態による電子銃構体用抵抗器によれば、金属端子が第1抵抗素子を露出することなしに配置されているため、第1抵抗素子のエッジに相当する周縁が金属端子の下からはみ出すことがなくなる。また、絶縁被覆層は、第1抵抗素子に接触することなく離間して配置される。このため、高真空下において高電圧が印加された場合であっても、トリプルジャンクションが形成されず、第1抵抗素子の電界集中部を無くすことができる。したがって、第1抵抗素子及び絶縁被覆層の剥離を防止することができるとともに、第1抵抗素子に接続された第2抵抗素子の破壊も防止することができる。また、第1抵抗素子の一部が剥離したことによって残った部分を基点とする放電現象の発生を抑制することができる。
【0014】
また、この電子銃構体用抵抗器によれば、絶縁被覆層は、第1抵抗素子を覆う金属端子の周縁を被覆するように配置される。すなわち、絶縁性基板の露出面積を低減することができる。この絶縁性基板は、浮遊電子の衝突などによって2次電子を放出し、放電を助長する。このため、2次電子放出の多い絶縁性基板の表面を絶縁被覆層で覆うことによって、放電現象の発生を抑制することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る電子銃構体用抵抗器について図面を参照して説明する。
【0016】
図1に示すように、陰極線管装置の一例としてのカラー陰極線管装置は、真空外囲器30を備えている。この真空外囲器30は、パネル20、及びこのパネル20に一体に接合されたファンネル21を有している。このパネル20は、その内面に、青、緑、赤にそれぞれ発光する3色の蛍光体層を有した蛍光体スクリーン22を備えている。シャドウマスク23は、蛍光体スクリーン22に対向して配置され、その内側に多数の電子ビーム通過孔を有している。
【0017】
電子銃構体26は、ファンネル21の径小部に相当する円筒状のネック24内に配置されている。この電子銃構体26は、管軸方向すなわちZ軸方向に沿って蛍光体スクリーン22に向けて3電子ビーム25B、25G、25Rを放出する。この電子銃構体26から放出された3電子ビームは、同一平面上の水平方向すなわちH軸方向に一列に配列されたセンタービーム25G及び一対のサイドビーム25B、25Rからなる。
【0018】
ファンネル21には、陽極端子27が設けられているとともに、ファンネル21の内面には、グラファイト製の内部導電膜28が形成されている。ファンネル21の外側には、電子銃構体26から放出された3電子ビーム25B、25G、25Rを偏向するための非斉一な偏向磁界を形成する偏向ヨーク29が設けられている。この偏向ヨーク29は、ピンクッション型の水平偏向磁界を発生する水平偏向コイル、及び、バレル型の垂直偏向磁界を発生する垂直偏向コイルを備えている。
【0019】
このような構成のカラー陰極線管装置では、電子銃構体26から放出された3電子ビーム25B、25G、25Rは、セルフコンバージェンスしつつ蛍光体スクリーン22の対応する蛍光体層上にフォーカスされる。また、これらの3電子ビーム25B、25G、25Rは、偏向ヨーク29が発生する非斉一磁界によって蛍光体スクリーン22上を偏向され、蛍光体スクリーン22上を水平方向H及び垂直方向Vに走査する。これにより、蛍光体スクリーン22上にカラー画像が表示される。
【0020】
図2に示すように、電子銃構体26は、水平方向Hに一列に配置された3個の陰極K(B、G、R)、及び、管軸方向Zに沿って同軸上に配置された複数の電極を備えている。複数の電極、すなわち、第1グリッド電極G1、第2グリッド電極G2、第3グリッド電極G3、第4グリッド電極G4、第5グリッド電極(フォーカス電極)G5、第6グリッド電極(第1中間電極)G6、第7グリッド電極(第2中間電極)G7、第8グリッド電極(最終加速電極)G8、及びコンバージェンス電極CGは、陰極K(R、G、B)から蛍光体スクリーン22に向かって順次配置されている。
【0021】
これらの3個の陰極K(B、G、R)、及び、第1乃至第8グリッド電極G1乃至G8は、相互に所定の位置関係を維持して、一対の絶縁支持体すなわちビードガラス2によって垂直方向Vから挟持されることにより一体的に保持されている。コンバージェンス電極CGは、第8グリッド電極G8に溶接され、電気的に接続されている。
【0022】
第1グリッド電極G1及び第2グリッド電極G2は、それぞれ比較的板厚の薄い板状電極によって形成されている。また、第3グリッド電極G3、第4グリッド電極G4、第5グリッド電極G5、及び第8グリッド電極G8は、それぞれ複数のカップ状電極を付け合わせて構成された一体構造の筒状電極によって形成されている。第6グリッド電極G6及び第7グリッド電極G7は、比較的板厚の厚い板状電極によって形成されている。これらの各電極は、3個の陰極K(R、G、B)に対応して3電子ビームをそれぞれ通過するための3個の電子ビーム通過孔を有している。
【0023】
また、この電子銃構体26の近傍には、電子銃構体用抵抗器4が配置されている。この抵抗器4は、電子銃構体26に備えられたグリッド電極に対して高電圧を所定の抵抗分割比で分圧するために適用され、分圧された電圧が各グリッド電極に印加される。
【0024】
この抵抗器4の一端部は、引き出し端子6を介して第8グリッド電極G8に接続されている。また、抵抗器4の他端部は、引き出し端子7を介してネック端部を封止しているステム部STを気密に貫通するステムピン8Aに接続されている。このステムピン8は、直接接地又は管外で可変抵抗器35を介して接地されている。また、この抵抗器32は、その中間部において、一端部側から順に3つの引き出し端子5A、5B、5Cを備えている。各引き出し端子5A、5B、5Cは、それぞれ、第7グリッド電極G7、第6グリッド電極G6、第5グリッド電極G5、と接続されている。
【0025】
この電子銃構体26の陰極K(R、G、B)及び各グリッド電極には、ステム部STを気密に貫通するステムピン8Bを介して所定の電圧が供給される。すなわち、陰極K(B、G、R)には、例えば、約190Vの直流電圧に画像信号の重畳された電圧が印加される。また、第1グリッド電極G1は、接地されている。第2グリッド電極G2には、約800Vの直流電圧が印加される。第3グリッド電極G3及び第5グリッド電極G5は、導線3を介して管内で電気的に接続されている。第4グリッド電極G4には、約8乃至9kVの直流電圧に電子ビームの偏向に同期してパラボラ状に変化する交流成分電圧を重畳したダイナミックフォーカス電圧が印加される。
【0026】
第8グリッド電極G8には、約30kVの陽極電圧が印加される。すなわち、第8グリッド電極G8に溶接されたコンバージェンス電極CGは、内部導電膜28に圧接された複数個の導電スプリング10を備えている。陽極電圧は、ファンネル21に設けられた陽極端子27、内部導電膜28、及び、導電スプリング10を介して、コンバージェンス電極CG及び第8グリッド電極G8に供給される。
【0027】
また、この陽極電圧は、コンバージェンス電極CGに電気的に接続された引き出し端子6を介して抵抗器4に供給される。第7グリッド電極G7、第6グリッド電極G6、及び、第5グリッド電極G5には、抵抗器4の各引き出し端子5A、5B、5Cを介して、所定の抵抗分割比に分圧された所定の電圧が印加される。
【0028】
このような電子銃構体26の各グリッド電極に、上述したような電圧をそれぞれ印加することにより、陰極K(B、G、R)、第1グリッド電極G1、及び第2グリッド電極G2は、電子ビームを発生する電子ビーム発生部を構成する。また、第2グリッド電極G2及び第3グリッド電極G3は、電子ビーム発生部から発生された電子ビームをプリフォーカスするプリフォーカスレンズを構成する。
【0029】
第3グリッド電極G3、第4グリッド電極G4、及び第5グリッド電極G5は、プリフォーカスレンズによってプリフォーカスされた電子ビームをさらにフォーカスするサブレンズを構成する。第5グリッド電極G5、第6グリッド電極G6、第7グリッド電極G7、及び第8グリッド電極G8は、サブレンズによってフォーカスされた電子ビームを最終的に蛍光体スクリーン22上にフォーカスする主レンズを構成する。
【0030】
次に、電子銃構体用抵抗器4の構造について、より詳細に説明する。
【0031】
すなわち、図3及び図4に示すように、抵抗器4は、絶縁性基板52と、絶縁性基板52上に設けられた複数の第1抵抗素子すなわち電極用抵抗素子53と、電極用抵抗素子間を接続するとともに所定の抵抗値を得るためのパターンを有する第2抵抗素子すなわち抵抗用抵抗素子54と、抵抗用抵抗素子54を被覆する絶縁被覆層55と、各電極用抵抗素子53にそれぞれ対応して接続された複数の金属端子56と、を備えて構成されている。
【0032】
絶縁性基板52は、例えば酸化アルミニウムなどを主成分とするセラミック系の板状材料によって形成されている。この絶縁性基板52は、所定位置において、表面側から裏面側に貫通するあらかじめ形成された複数のスルーホール51を有している。
【0033】
電極用抵抗素子53は、例えば酸化ルテニウムなどの金属酸化物やほう珪酸鉛ガラスなどのガラス材料を含む相対的に低抵抗な材料(例えば10kΩ/□のシート抵抗値を有する低抵抗ペースト材料)によって形成されている。この電極用抵抗素子53は、絶縁性基板52の表面上における所定位置に配置されている。すなわち、各電極用抵抗素子53は、絶縁性基板52における端子部A乃至Dにおいて、絶縁性基板52に設けられたスルーホール51に対応するように島状に配置されている。
【0034】
抵抗用抵抗素子54は、例えばほう珪酸鉛ガラスなどのガラス材料を含み、電極用抵抗素子53より相対的に高抵抗な材料(例えば5MΩ/□のシート抵抗値を有する高抵抗ペースト材料)によって形成されている。この抵抗用抵抗素子54は、絶縁性基板52の表面上において所定パターン、例えば波状のパターンを有して配置され、各電極用抵抗素子53に電気的に接続されている。この抵抗用抵抗素子54の長さや、幅、厚さなどは、電極用抵抗素子53間において所定の抵抗値が得られるように設定されている。
【0035】
絶縁被覆層55は、例えば遷移金属酸化物及びほう珪酸鉛ガラスを主成分とする相対的に高抵抗な材料によって形成されている。この絶縁被覆層55は、電極用抵抗素子53の一部を避けて、絶縁性基板52の表面を抵抗用抵抗素子54を含めて覆うとともに裏面全体も覆うように配置されている。これにより、抵抗器4の耐電圧特性を向上している。
【0036】
金属端子56は、その一端に設けられたフランジ部56F、フランジ部56Fから延出された舌片状の端子片56T、フランジ部56Fに連接する円筒部56Cなどを有している。金属端子56は、絶縁性基板52の表面側から各スルーホール51に円筒部56Cを挿入した後、絶縁性基板52の裏面側に突出した円筒部56Cの先端部56Xを加締めることによって取り付けられている。これにより、各金属端子56は、フランジ部54Fによって絶縁性基板52との間で対応する電極用抵抗素子53を挟み込み、電極用抵抗素子53に電気的に接続され、それぞれ端子部A乃至Dを形成している。
【0037】
端子部Aは、金属端子56を介して引き出し端子6に接続され、最も高い電圧すなわち陽極電圧が印加される。端子部Dは、金属端子56を介して引き出し端子7に接続され、最も低い電圧たとえば接地されている。端子部Bは、金属端子56を介して例えば引き出し端子5Aに接続され、端子部Aに次いで高電圧が印加される。端子部Cは、金属端子56を介して例えば引き出し端子5Bに接続され、端子部Bに次いで高電圧が印加される。
【0038】
また、金属端子56は、電極用抵抗素子53を露出することなしに配置されている。そして、絶縁被覆層55は、電極用抵抗素子53に接触することなしに金属端子56の周縁を被覆している。
【0039】
すなわち、電極用抵抗素子53に接触する金属端子56のフランジ部56Fは、電極用抵抗素子53の外形寸法L1より大きな外形寸法L2を有している。これにより、フランジ部56Fは、電極用抵抗素子53の外縁より外方に延在しており、電極用抵抗素子53を覆うように配置されている。さらに、絶縁被覆層55は、金属端子56のフランジ部56F周縁を被覆することによって、端子部周辺の絶縁性基板53を露出することなしに被覆している。
【0040】
図3及び図4に示した例では、電極用抵抗素子53は、絶縁性基板52のスルーホール51の中心Oから第1半径R1(約0.8mm)を有するドーナツ状に設けられており、一方、金属端子56のフランジ部56Fは、スルーホール51の中心Oから第1半径R1より大きな第2半径R2(約1.3mm)を有するドーナツ状に形成されている。このような状態で、金属端子56のフランジ部56Fを全周にわたって絶縁被覆層55によって被覆することにより、絶縁性基板53の表面が完全に被覆されることになる。
【0041】
このような構造により、電極用抵抗素子53のエッジに相当する周縁が金属端子56の下からはみ出すことがなくなる。また、絶縁被覆層55は、電極用抵抗素子53に接触することなく離間して配置される。このため、高真空下において高電圧が印加された場合であっても、トリプルジャンクションが形成されず、電極用抵抗素子53の電界集中部を無くすことができる。
【0042】
したがって、電極用抵抗素子53、この電極用抵抗素子53に接触する金属端子56、及びこの金属端子56の一部を被覆する絶縁被覆層55の剥離を防止することができるとともに、電極用抵抗素子53に接続された抵抗用抵抗素子54の破壊も防止することができる。また、電極用抵抗素子53の一部が剥離したことによって残った部分を基点とする放電現象の発生を抑制することができる。
【0043】
また、絶縁被覆層55は、電極用抵抗素子53を覆う金属端子56の周縁を被覆するように配置される。すなわち、絶縁性基板55の露出面積を低減することができる。絶縁被覆層55によって金属端子56の周縁を全周にわたって被覆することにより、絶縁性基板55が完全に被覆される。このように、2次電子放出の多い絶縁性基板52の表面を絶縁被覆層55で覆うことによって、放電現象の発生を抑制することができる。
【0044】
次に、上述した抵抗器4の製造方法について説明する。
【0045】
すなわち、まず、あらかじめ所定位置に配置されたスルーホール51を有する絶縁性基板52を用意する。そして、この絶縁性基板52上に低抵抗ペースト材料をスクリーン印刷法により印刷塗布する。このとき、各スルーホール51に対応してドーナツ状の電極用抵抗素子53を島状に形成するようなスクリーンを介して低抵抗ペースト材料が塗布される。この後、塗布した低抵抗ペースト材料を乾燥した後に、焼成する。これにより、複数の電極用抵抗素子53が形成される。
【0046】
続いて、絶縁性基板52上に高抵抗ペースト材料をスクリーン印刷法により印刷塗布する。このとき、島状の電極用抵抗素子53に接続すするとともに、電極用抵抗素子53間で所定の抵抗値が得られるように調整されたパターンのスクリーンを介して高抵抗ペースト材料が塗布される。この後、塗布した高抵抗ペースト材料を乾燥した後、焼成する。これにより、抵抗器4全体で所定の抵抗値、例えば0.1×10乃至2.0×10Ωの抵抗値を有するような抵抗用抵抗素子54が形成される。
【0047】
続いて、電極用抵抗素子53の周辺を除いて抵抗用抵抗素子54を覆うように絶縁性基板52の全体を絶縁被覆層55をスクリーン印刷法により印刷塗布した後に、乾燥し、焼成する。このとき、電極用抵抗素子53を覆うように配置される金属端子56のフランジ部56Fの外形分だけ避けるようなパターンのスクリーンを介して絶縁被覆層55が塗布される。
【0048】
続いて、金属端子56の円筒部56Cを絶縁性基板52の表面側からスルーホール51に挿入し、裏面側に突出した先端部56Xを加締めることによって、フランジ部56Fが対応する電極用抵抗素子53に電気的に接続される。このとき、フランジ部56Fの周囲は、先に形成された絶縁被覆層55によって被覆され、絶縁性基板52の露出面積はほぼゼロである。
【0049】
なお、絶縁被覆層55の形成工程では、スクリーンの合わせズレなどを考慮してフランジ56Fの外形より大きなマージンを確保することが望ましい。このような状態で、金属端子56を取り付けると、フランジ部56Fの周囲に絶縁性基板52を露出する領域が形成される。この場合、金属端子56の取り付け工程の後に、さらに絶縁被覆層55の形成工程を追加し、フランジ部56Fの周縁を全周にわたって絶縁被覆層55によって被覆することが望ましい。これにより、フランジ部56F周囲の露出領域が絶縁被覆層55によって被覆され、絶縁性基板52は、絶縁被覆層55によって完全に露出することなく被覆されることになる(露出面積をゼロとすることができる)。
【0050】
以上のような工程によって電子銃構体用抵抗器4が形成される。今回製作の抵抗器4については、端子部Bに上述した構造を採用したが、他の端子部についても上述したような構造を採用してもよい。
【0051】
このようにして形成された電子銃構体用抵抗器4を陰極線管内に組み込み、耐電圧処理を行い、その後の電極用抵抗素子53の剥離の有無、及び、放電発生有無を確認した。図5にその確認結果を示す。ここでは、上述したような構造の抵抗器(本実施形態)及び特開平6−68811号にて説明したような構造の抵抗器(比較例)についてそれぞれ50個を陰極線管内に組み込み、耐電圧処理を行った。
【0052】
図5に示すように、電極用抵抗素子53の剥離の有無に関しては、比較例ではすべての抵抗器について認められたのに対し、本実施形態では1個の抵抗器にも認められなかった。また、放電発生の有無に関しては、比較例では5個の抵抗器で発生したのに対し、本実施形態では1個の抵抗器にも発生が認められなかった。
【0053】
ちなみに、耐電圧処理での抵抗分割比変化ΔEも測定した結果、本実施形態では−0.3%〜+0.2%の間で変化し、その平均としてΔE=−0.1%となったのに対して、比較例では−0.4%〜+0.1%の間で変化し、その平均としてΔE=−0.2%となり、同等の結果が得られた。
【0054】
以上説明したように、この実施の形態に係る電子銃構体用抵抗器によれば、陰極線管内で問題とされる抵抗器の電極用抵抗素子や絶縁被覆層などの剥離によるシャドウマスクの孔詰まりや放電の発生を抑制することができる。また、陰極線管内で安定して電圧を供給することができ、信頼性の高い電子銃構体用抵抗器を得ることができる。
【0055】
なお、上述した実施の形態では、金属端子56のフランジ部56Fにおける周辺を全周囲に渡って被覆したが、一部だけでもその効果があることも判っている。すなわち、金属端子56の電位に対して、少なくとも電気的に高圧に帯電する絶縁性基板52の表面の領域を絶縁被覆層55にて被覆すればよい。これは、陰極線管内において金属端子56近傍で放電が起こる際、金属端子56は陰極となりやすく、放電の基点となる際に高圧に帯電した絶縁性基板表面を電子がホッピングしていくことによる2次電子放出を抑制する効果があるためである。
【0056】
また、上述した実施の形態では、電子銃構体用抵抗器をカラー陰極線管装置に適用した場合について説明したが、これに限らず分圧抵抗器を必要とするその他電子管についても上述した構造の電子銃構体用抵抗器を適用可能であることはいうまでもない。
【0057】
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、高電圧が印加された場合であっても破損することがなく、信頼性の高い電子銃構体用抵抗器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係るカラー陰極線管装置の構造を概略的に示す図である。
【図2】図2は、図1に示したカラー陰極線管装置に適用される電子銃構体の構造を概略的に示す図である。
【図3】図3は、図2に示した電子銃構体に適用された電子銃構体用抵抗器を外表部を形成する絶縁被覆層上から透視した状態を示す図である。
【図4】図4は、図3に示した電子管内蔵電子銃用抵抗器においてX−X’線で切断したときの端子部B近辺の断面構造を示す図である。
【図5】図5は、この発明の効果を説明するための図であり、電子銃構体用抵抗器の耐電圧処理後の不具合発生の確認結果を示す図である。
【符号の説明】
4…電子銃構体用抵抗器
51…スルーホール
52…絶縁性基板
53…電極用抵抗素子(第1抵抗素子)
54…抵抗用抵抗素子(第2抵抗素子)
55…絶縁被覆層
56…金属端子
56F…フランジ部
A〜D…端子部

Claims (4)

  1. 電子銃構体に備えられた電極に所定の抵抗分割比で分圧した電圧を印加するための電子銃構体用抵抗器において、
    絶縁性基板と、
    前記絶縁性基板上に設けられた複数の第1抵抗素子と、
    前記第1抵抗素子間を接続するとともに所定の抵抗値を得るためのパターンを有する第2抵抗素子と、
    前記第2抵抗素子を被覆する絶縁被覆層と、
    前記各第1抵抗素子にそれぞれ対応して接続された複数の金属端子と、を備え、
    前記金属端子は、前記第1抵抗素子を露出することなしに配置され、
    前記絶縁被覆層は、前記第1抵抗素子に接触することなしに前記金属端子の周縁を被覆することを特徴とする電子銃構体用抵抗器。
  2. 前記金属端子周縁を被覆する前記絶縁被覆層の領域は、前記金属端子の電位に対して、前記絶縁性基板表面が電気的に高圧に帯電する領域であることを特徴とする請求項1に記載の電子銃構体用抵抗器。
  3. 前記金属端子は、前記第1抵抗素子に接触するフランジ部を備え、
    前記フランジ部は、前記第1抵抗素子の外形寸法より大きな外形寸法を有し、前記第1抵抗素子の外縁より外方に延在することを特徴とする請求項1に記載の電子銃構体用抵抗器。
  4. 前記絶縁被覆層は、前記絶縁性基板を露出することなしに前記金属端子の前記フランジ部周縁を被覆することを特徴とする請求項3に記載の電子銃構体用抵抗器。
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