JP2004135185A - 通信システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この通信システムは、幹線C1および分岐線C2を介して複数の通信端末X間で信号の送受信を行うもので、分岐線C2は、信号の送受信を行う伝送線路C20と、この信号線路C20と同一の特性インピーダンスを有する擬似線路C21とからなり、通信端末Xは、信号の送受信を行う送受信回路2と、2線−4線変換を行うハイブリッド回路1とを備え、ハイブリッド回路1は、送受信回路2からの送信信号を信号線路C20および擬似線路C21に出力する送信部10と、送信部10から信号線路C20に出力された送信信号と送信部10から擬似線路C21に出力された送信信号との差動成分を送信信号のループバック信号として受信する受信部11とを備えたものとした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信端末間で信号の送受信を行う通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、共通の伝送線路上で複数の通信端末が多重アクセスする通信システムには、LANでよく利用されるCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detect)方式がある。この方式は、伝送線路上に一定時間(フレーム間ギャップ)以上無信号状態が続くと、任意の通信端末が送信可能となる通信方式で、無信号を検出するためのキャリア信号検出機能と、他の通信端末と送信信号が衝突したことを検出する衝突検出機能を有している。衝突検出機能は、送信を行う通信端末が自身の送信した送信信号をループバック受信して、自身が送信した送信信号と伝送路上の信号とを監視し、自身が送信した送信信号と伝送路上の信号が一致した場合には信号の衝突は起こっていないと判断し、自身が送信した送信信号と伝送路上の信号が一致しない場合には、信号の衝突が起こっていると判断する。送信信号の衝突を検出した場合には、送信中の送信信号を停止させ、時間をおいて再び送信信号の送信を試みる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、1本の伝送線路で信号の送受信を行うために、通信端末の送受信回路と伝送線路との間のインターフェイスとしてハイブリッド回路(2線−4線変換回路)が必要となる。
【0004】
従来のハイブリッド回路は、送受信回路から入力された送信信号を伝送線路に出力する送信部と、伝送線路から送信されてきた信号を受信し前記送受信回路に出力する受信部とを有し、送信部から受信部へは直接ループバック接続されており、受信部は送信部からのループバック信号を直接受信し、送受信回路にそのループバック信号を出力していた。
【0005】
この場合、多数の通信端末が分岐接続されるマルチドロップ方式のように減衰が大きい通信システムでは、他の通信端末からの受信信号が減衰し電圧レベルが小さくなるため、送信部から出力された送信信号のループバック信号と他の通信端末からの受信信号とで電圧レベル差が大きくなりすぎ、送信信号のループバック信号に他の通信端末からの受信信号が埋没し、信号同士の判別が困難になる事態が発生し得た。このため、上記した構成のハイブリッド回路を用いた通信端末は、減衰がある程度よりも少ない通信システムに適用された(例えば、適用減衰量は20〜40dB程度。)。
【0006】
上記ハイブリッド回路を改善し、より減衰の大きい通信システムに適用できるハイブリッド回路100を備えた通信端末X100を図8に示す。
【0007】
この通信端末X100は、幹線C100から分岐装置Y100を介して分岐された分岐線C200に接続され、幹線C100に、同様にして接続された別の通信端末X100と相互に信号を送受信する。
【0008】
通信端末X100は、データ信号の送信および受信を行う送受信回路200と、2線−4線変換を行うハイブリッド回路100とを備え、さらにハイブリッド回路100は、送信部101と受信部102とを備える。
【0009】
送信部101は、送受信回路200から出力された送信信号を入出力端子300を介して分岐線C200に出力する。また、送信部101と入出力端子300との間から伝送線路が分岐され、分岐線C200の特性インピーダンスに合致させた終端抵抗R100に接続される。
【0010】
受信部102は2つの入力部を有し、一方の入力部は送信部10と入出力端子300との間から送信信号をループバックし、他方の入力部は終端抵抗R100に接続されて送信信号をループバックし、2つのループバック信号成分の差である差動成分を送信信号のループバック信号として受信する。受信した信号は、増幅した後、送受信回路200に出力する。また、他の通信端末X100からの受信信号は打消し合うことなく受信され、増幅した後、送受信回路200に出力される。
【0011】
この場合、分岐線C200の特性インピーダンスと終端抵抗R100のインピーダンスとがある程度一致している限りにおいては、送信部101からの送信信号のループバック信号は、2つのループバック信号成分が互いに打消し合うために電圧レベルを小さくすることができる。
【0012】
従って、送信信号のループバック信号と他の通信端末からの受信信号との電圧レベル差を小さくすることができ、より減衰の大きい通信システムに適用できる(例えば、適用減衰量は40〜60dB程度。)。
【0013】
図9にハイブリッド回路100の回路構成例を示す。送信部101は平衡出力であって、送信部101の出力は、インピーダンス整合用抵抗R200,R201を介して伝送用トランスT100と接続されると共に、送信部101とインピーダンス整合用抵抗R200,R201との間に一端が接続されたインピーダンス整合用抵抗R203,R202を介して、終端抵抗R100と接続される。
【0014】
また、差動増幅器からなる受信部102の一方の入力端子に、インピーダンス整合用抵抗R200と伝送用トランスT100との間に一端が接続されたインピーダンス整合用抵抗R205の他端と、インピーダンス整合用抵抗R203と終端抵抗R100との間に一端が接続されたインピーダンス整合用抵抗R204の他端とが並列に接続され、他方の入力端子には、インピーダンス整合用抵抗R201と伝送用トランスT100との間に一端が接続されたインピーダンス整合用抵抗R206の他端と、インピーダンス整合用抵抗R202と終端抵抗R100との間に一端が接続されたインピーダンス整合用抵抗R207の他端とが並列に接続される。
【0015】
【特許文献1】
特開2001−123456号公報(第4頁、20−25行)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例において終端抵抗R100は固定値となるため、特性インピーダンスのばらつきや変動が大きい伝送線路や、様々な線種の伝送線路を利用する通信システムなどに適用する場合では、受信部の差動による効果が十分に利用できず、送信信号のループバック信号の電圧レベルが大きくなってしまうため、通信システムの適用減衰量を大きくできないという問題があった。
【0017】
また、分岐線C200の特性インピーダンスと終端抵抗R100のインピーダンスとで周波数特性を一致させるのが困難なことや、ハイブリッド回路100と分岐線C200の特性インピーダンスとの不整合による反射特性、あるいは伝送線路長の違いによる影響などのためにも、同様に通信システムの適用減衰量を大きくできないという問題があった。
【0018】
上記のような問題を改善するために、終端抵抗R100を可変にしたり切り換えたりすることも考えられるが、コストがかさんだり十分な効果が得られないなどの問題がある。
【0019】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであって、その目的とするところは、減衰量が大きくても適用できる通信システムを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、伝送線路に複数の通信端末が接続され通信端末間で信号の送受信を行う通信システムであって、前記通信端末は、送信信号を送信する送信部と、他の通信端末から送信されてきた送信信号を受信すると共に前記送信部からのループバック信号を受信する受信部とからなるハイブリッド回路を備え、前記伝送線路に特性インピーダンスを合わせた擬似線路を前記伝送線路とは別に有し、前記受信部は、前記送信部から前記伝送線路に出力された送信信号と、前記送信部から前記擬似線路に出力された送信信号との差動成分を送信信号のループバック信号として受信するものとした。
【0021】
請求項2の発明は、請求項1記載の発明において、前記伝送線路と前記擬似線路とは同一シース内の対であるものとした。
【0022】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記受信部は、差動増幅器からなるものとした。
【0023】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか記載の発明において、前記伝送線路は、幹線と、幹線から分岐装置を介して分岐され前記通信端末が接続される分岐線とからなり、前記分岐装置は、前記幹線から前記分岐線を分岐すると共に該分岐線の特性インピーダンスに整合する分岐部と、前記擬似線路と接続され該擬似線路の特性インピーダンスに整合するインピーダンス整合部とを備えたものとした。
【0024】
請求項5の発明は、請求項4記載の発明において、前記インピーダンス整合部は、前記分岐線側から前記分岐部を見たときのインピーダンスに一致するように設定された等価終端回路で構成されたものとした。
【0025】
請求項6の発明は、請求項5記載の発明において、前記インピーダンス整合部は、前記分岐部と同構成の回路を前記幹線の特性インピーダンスで終端させた構成であるものとした。
【0026】
請求項7の発明は、請求項1乃至3の何れか記載の発明において、前記伝送線路は、幹線と、幹線から分岐装置を介して分岐され前記通信端末が接続される分岐線とからなり、前記擬似線路は、前記幹線と前記分岐線とに夫々並設され、前記分岐装置は、前記幹線から前記分岐線を分岐すると共に該分岐線の特性インピーダンスに整合する第1の分岐部と、この第1の分岐部と同構成の回路であり、前記幹線に並設された擬似線路から前記分岐線に並設された擬似線路を分岐すると共に該分岐線側の擬似線路の特性インピーダンスに整合する第2の分岐部とを備えたものとした。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態1から実施形態3によって説明する。
(実施形態1)
図1に、本実施形態の通信システムの構成図を示す。この通信システムは、1対のツイストペア線などの平衡伝送線路からなる幹線C1に複数の分岐装置Yが接続され、分岐装置Yを介して幹線C1から分岐された分岐線C2に通信端末Xが接続され、通信端末X間で信号の送受信を行う。
【0028】
本実施形態では、分岐線C2として、同一シース内の2対の平衡伝送線路が用いられ、1対が通信端末X間で信号の送受信を行う伝送線路C20に用いられ、別の1対が信号の送受信が行われない擬似線路C21に用いられる。この場合、伝送線路C20と擬似線路C21の特性インピーダンスは、ほぼ同じとなる。
【0029】
このようなケーブルとしては、例えばLAN用のCAT5ケーブル(4対)や、CPEV線(2または3対)などがあり、特性インピーダンスは、CAT5ケーブルならば100Ω、CPEV線ならば60〜90Ω程度である。
【0030】
通信端末Xは、信号の送受信を行う送受信回路2と、2線−4線変換を行うハイブリッド回路1とを備え、さらにハイブリッド回路1は、送信部10と受信部11とを備える。
【0031】
送信部10は、送受信回路2から出力された送信信号を増幅して入出力端子3を介して伝送線路C20に送信すると共に擬似負荷端子4を介して擬似路線C21に送信する。
【0032】
受信部11は、2つの入力部を有し、一方の入力部は送信部10と入出力端子3との間に接続され、送信部10から伝送線路C20に送信された送信信号をループバックし、他方の入力部は送信部10と擬似負荷端子4との間に接続され、送信部10から擬似線路C21に送信された送信信号をループバックする。
【0033】
受信部11は、ループバックした2つのループバック信号成分の差である差動成分を送信信号のループバック信号として受信し、受信した信号を増幅して送受信回路2へ出力する。また、他の通信端末Xから伝送線路C20を介して送信されてきた送信信号を受信し、増幅して送受信回路2へ出力する。
【0034】
図2に、ハイブリッド回路1の構成例を示す。
【0035】
送信部10は、平衡出力の増幅器であり、入力が送受信回路2に接続され、出力が伝送線路C20の特性インピーダンスと整合をとるためのインピーダンス整合用抵抗R1,R2を介して伝送用トランスT1に接続され、伝送用トランスT1を介して伝送線路C20に接続される。また、送信部10とインピーダンス整合用抵抗R1,R2との間に、擬似線路C21の特性インピーダンスと整合をとるためのインピーダンス整合用抵抗R3,R4の一端が接続され、インピーダンス整合用抵抗R3,R4を介して伝送用トランスT2に接続され、伝送用トランスT2を介して擬似線路C21に接続される。
【0036】
受信部11は差動増幅器からなり、一方の入力端子に、インピーダンス整合用抵抗R1と伝送用トランスT1との間に一端が接続されたインピーダンス整合用抵抗R6の他端と、インピーダンス整合用抵抗R4と伝送用トランスT2との間に一端が接続されたインピーダンス整合用抵抗R5の他端とが並列に接続され、他方の入力端子には、インピーダンス整合用抵抗R2と伝送用トランスT1との間に一端が接続されたインピーダンス整合用抵抗R7の他端と、インピーダンス整合用抵抗R3と伝送用トランスT2との間に一端が接続されたインピーダンス整合用抵抗R8の他端とが並列に接続される。
【0037】
伝送線路C20と、擬似線路C21との特性インピーダンスが概ね一致する場合は、インピーダンス整合用抵抗R1〜R8は全て同じ値に設定される。
【0038】
上記のように構成されたハイブリッド回路1においては、送信部10の出力は、伝送線路C20と擬似線路C21とに送信されると共に、伝送線路C20に送信した送信信号のループバック信号と、擬似線路C21に送信した送信信号のループバック信号とが互いに打消し合い、伝送線路C20側と擬似線路C21側の負荷インピーダンスの差分で誘起する差動成分が送信信号のループバック信号として受信部11に受信される。
【0039】
また、他の通信端末Xからの送信信号は、伝送線路C20を介して受信部11に受信される。
【0040】
受信部11は差動増幅器からなるため、差動増幅器の同相除去比(CMRR)を利用してループバック信号の差動成分を容易に生成できると共に、受信信号の増幅も同時に可能となる。
【0041】
また、送信部10にも増幅器を用いることで、信号送信時にノイズに対してレベルの大きな信号が送信されることになり、S/N比が向上し、より減衰の大きな通信システムに適用可能となる。また、通信システムに必要な信号増幅率を送信部10と受信部11の2つの増幅器で分担可能であるので、1つの増幅器で必要となるはずの高増幅が軽減され、例えば安価な増幅器を用いたり、回路の電源電圧を下げることなどが可能となり、低コストに回路を構成することができる。
【0042】
尚、各増幅器のゲインは例えば、10〜20dB程度に設定可能である。
【0043】
次に図1および図3を用いて、分岐装置Yについて説明する。
【0044】
分岐装置Yは、分岐部Y10とインピーダンス整合部Y20とを備える。分岐部Y10は、幹線C1および伝送線路C20と接続され、幹線C1から伝送線路C20を分岐する。インピーダンス整合部Y20は、擬似線路C21と接続され、伝送線路C20側から分岐部Y10を見たときの分岐部Y10のインピーダンスに一致するように設定された、終端抵抗や周波数特性補償回路を含む終端回路などの等価終端回路で構成される。
【0045】
図3に分岐装置Yの回路構成例を示す。
【0046】
分岐部Y10は、伝送用トランスT3と、伝送用トランスT3と幹線C1との間に接続されるインピーダンス整合用抵抗R10,R11からなり、例えば、1対6の巻数比の伝送用トランスT3に数kΩのインピーダンス整合用抵抗R10,R11などを用いて、幹線C1と伝送線路C20との整合を行い、約10〜20dBの分岐損失で分岐している。
【0047】
インピーダンス整合部Y20は、終端抵抗R12からなり、伝送線路C20側から分岐部Y10を見たときの分岐部Y10のインピーダンスに整合するように終端抵抗値を設定している。このように第2の分岐部20を構成することで、分岐部Y10とインピーダンス整合部Y20とでインピーダンスの差が小さくなり、分岐装置Yを用いたことによる伝送線路C20側と擬似線路C21側の負荷インピーダンスの差異を小さくできる。
【0048】
また、これらのインピーダンス整合値は、伝送線路C20と擬似線路C21の特性インピーダンスにも概ね一致するように設定されており、インピーダンスの不整合による不要な信号の反射を減らし、反射によるリップルなども少なくしている。
【0049】
上記のように幹線C1と、伝送線路C20および擬似線路C21からなる分岐線C2と、通信端末Xと、分岐装置Yとからなる通信システムにおいては、ハイブリッド回路1の負荷インピーダンスは、伝送線路C20側、擬似線路C21側とも概ね同じ特性となるため、送信部10から送信された送信信号のループバック信号の差動成分を十分に小さくできる。則ち、送信信号のループバック信号と他の通信端末Xからの受信信号との電圧レベル差を小さくすることができ、従って多数の通信端末が分岐接続されるマルチドロップ方式のように減衰量が大きな通信システムにも適用可能である。
【0050】
また、擬似線路C21を用いることにより、ハイブリッド回路1と分岐線C2との特性インピーダンスの不整合がある場合や、周波数による特性インピーダンスの変化がある場合、線路長が異なる場合、伝送線路での反射の影響がある場合、様々な線種(線種毎に特性インピーダンスや周波数特性が異なるもの)に対応する必要がある場合などでも、伝送線路C20側と擬似線路C21側との負荷インピーダンスの差分のみの影響でループバック信号を受信できるため、ループバック信号を安定的に小さくでき、減衰量が大きな通信システムにも適用可能である。
【0051】
また、伝送線路C20と擬似線路C21とに同一シース内の対を用いることで、余分なケーブルの設置の必要がなくて済むと共に、特性インピーダンスの周波数特性なども含めて差異が小さくなる。また、敷設済みのケーブルに空対があればその空対を用いればよいので、新たにケーブルを設置しなくても済む。
【0052】
(実施形態2)
本実施形態の通信システムの構成図を図4に示す。
【0053】
本実施形態の通信システムは、実施形態1の分岐装置Yに代えて分岐装置Y1を備えた点に特徴があり、その他の構成は実施形態1と共通するために共通する部分については同一の符号を付して説明を省略し、本実施形態の特徴となる部分についてのみ詳細に説明する。
【0054】
本実施形態の分岐装置Y1は、分岐部Y11とインピーダンス整合部Y21とを備える。
【0055】
分岐部Y11とインピーダンス整合部Y21とは同じ回路構成であるが、分岐部Y11が幹線C1と接続されているのに対して、インピーダンス整合部Y21は、幹線C1の特性インピーダンスで終端されている。
【0056】
図5に分岐装置Y1の回路構成例を示す。
【0057】
分岐部Y11は、図3に示した実施形態1の分岐部Y10と同じ回路構成であり、伝送用トランスT3と、伝送用トランスT3と幹線C1との間に接続されるインピーダンス整合用抵抗R10,R11とからなり、幹線C1と伝送線路C20との整合を行い、約10〜20dBの分岐損失で分岐している。
【0058】
インピーダンス整合部Y21は、分岐部Y11と同様に、伝送用トランスT3と、伝送用トランスT3とインピーダンス整合用抵抗R10,R11とからなり、インピーダンス整合抵抗R10,R11の幹線C1側の一端が、幹線C1の特性インピーダンスに相当する終端抵抗R13で終端されている。
【0059】
かかる通信システムにおいては、分岐部Y11とインピーダンス整合部Y21のインピーダンスや周波数特性、或いは温度特性といった環境による特性への影響をも概ね同じにすることができるので、実施形態1よりさらに安定してループバック信号の差動成分を小さくでき、減衰量が大きな通信システムにも適用できる。
【0060】
尚、幹線C1の特性インピーダンスの変動を小さくし、分岐部Y11とインピーダンス整合部Y21とのインピーダンスの差異を小さくするために、分岐部Y11は幹線C1に対してハイインピーダンスで分岐するのが望ましい。
【0061】
(実施形態3)
本実施形態の通信システムを図6に示す。
【0062】
本実施形態の通信システムは、実施形態2の幹線C1に代えて幹線C3を用い、また分岐装置Y1に代えて分岐装置Y2を備えた点に特徴があり、その他の構成は実施形態2と共通するために共通する部分については同一の符号を付して説明を省略し、本実施形態の特徴となる部分についてのみ詳細に説明する。
【0063】
本実施形態の幹線C3は、1対の信号の送受信を行う伝送線路C10と、1対の信号の送受信を行わない擬似線路C11とを備える。伝送線路C10と擬似線路C11とには同種の線が用いられ、特性インピーダンスが同じになるようにする。
【0064】
尚、伝送線路C10と擬似線路C11とは同一シースのケーブルや、分岐線C2と同じケーブルであってもよい。
【0065】
分岐装置Y2は、第1の分岐部Y11と、第2の分岐部Y21とを備える。
【0066】
第1の分岐部Y11は、実施形態2の分岐部Y11と同じ回路構成であり、伝送用トランスT3と、伝送用トランスT3と幹線C3の伝送線路C10との間に接続されるインピーダンス整合用抵抗R10,R11からなり、幹線C3の伝送線路C10と分岐線C2の伝送線路C20との整合を行い、約10〜20dBの分岐損失で分岐している。
【0067】
第2の分岐部Y21は、第1の分岐部Y11と同じ回路構成であるが、図7に示すように、インピーダンス整合用抵抗R10,R11の幹線C3側を、幹線C3の擬似線路C11に接続し、幹線C3の擬似線路C11と分岐線C2の擬似線路C21との整合を行っている。
【0068】
かかる通信システムにおいては、伝送線路C10,C20と完全に同様の擬似線路C11,C21を形成することができ、実施形態1または実施形態2よりもさらにループバック信号の差動成分を安定して小さくできるので、減衰量の大きな通信システムに適用可能である。
【0069】
尚、本実施形態の通信システムは、全通信システムで擬似線路を用いることとなり二重配線が必要になるため、システムで採用するケーブルに信号伝送などに利用していない空対がある場合か、コストアップしても減衰に強い通信システムが必要な場合に用いることが望ましい。
【0070】
【発明の効果】
請求項1の発明は、伝送線路に複数の通信端末が接続され通信端末間で信号の送受信を行う通信システムであって、前記通信端末は、送信信号を送信する送信部と、他の通信端末から送信されてきた送信信号を受信すると共に前記送信部からのループバック信号を受信する受信部とからなるハイブリッド回路を備え、前記伝送線路に特性インピーダンスを合わせた擬似線路を前記伝送線路とは別に有し、前記受信部は、前記送信部から前記伝送線路に出力された送信信号と、前記送信部から前記擬似線路に出力された送信信号との差動成分を送信信号のループバック信号として受信するので、擬似線路を用いることによりハイブリッド回路の負荷インピーダンスは、信号線路側と擬似線路側とで概ね同じ特性となるため、送信信号のループバック信号を十分小さくでき、送信信号のループバック信号と受信信号との電圧レベル差を小さくすることができると共に、ハイブリッド回路と伝送線路との特性インピーダンスの不整合がある場合や、周波数による特性インピーダンスの変化がある場合、線路長が異なる場合、伝送線路での反射の影響がある場合、様々な線種に対応する必要がある場合などでも、信号線路側と擬似線路側とのインピーダンスの差分のみの影響でループバック信号を受信でき、ループバック信号を安定的に小さくできるので、減衰量が大きな通信システムにも適用できるという効果がある。
【0071】
請求項2の発明は、請求項1記載の発明において、前記伝送線路と前記擬似線路とは同一シース内の対であるので、余分なケーブルの設置の必要がなく、スペース効率が良く、低コストであると共に、特性インピーダンスの差異を小さくできるという効果がある。
【0072】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記受信部は、差動増幅器からなるので、差動増幅器の同相除去比を利用してループバック信号の差動成分を容易に生成できるとともに、受信信号の増幅も同時にできるという効果がある。
【0073】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか記載の発明において、前記伝送線路は、幹線と、幹線から分岐装置を介して分岐され前記通信端末が接続される分岐線とからなり、前記分岐装置は、前記幹線から前記分岐線を分岐すると共に該分岐線の特性インピーダンスに整合する分岐部と、前記擬似線路と接続され該擬似線路の特性インピーダンスに整合するインピーダンス整合部とを備えたので、不要な信号の反射が少なくなり、また反射によるリップルなども少なくなるという効果がある。
【0074】
請求項5の発明は、請求項4記載の発明において、前記インピーダンス整合部は、前記分岐線側から前記分岐部を見たときのインピーダンスに一致するように設定された等価終端回路で構成されたので、前記分岐部と前記インピーダンス整合部とでインピーダンスの差が小さくなり、前記分岐装置を用いたことによる前記分岐線側と前記擬似線路側の負荷インピーダンスの差異を小さくできるという効果がある。
【0075】
請求項6の発明は、請求項5記載の発明において、前記インピーダンス整合部は、前記分岐部と同構成の回路を前記幹線の特性インピーダンスで終端させた構成であるので、前記分岐部と前記インピーダンス整合部の周波数特性や、環境による特性への影響をも概ね同じにすることができるという効果がある。
【0076】
請求項7の発明は、請求項1乃至3の何れか記載の発明において、前記伝送線路は、幹線と、幹線から分岐装置を介して分岐され前記通信端末が接続される分岐線とからなり、前記擬似線路は、前記幹線と前記分岐線とに夫々並設され、前記分岐装置は、前記幹線から前記分岐線を分岐すると共に該分岐線の特性インピーダンスに整合する第1の分岐部と、この第1の分岐部と同構成の回路であり、前記幹線に並設された擬似線路から前記分岐線に並設された擬似線路を分岐すると共に該分岐線側の擬似線路の特性インピーダンスに整合する第2の分岐部とを備えたので、前記伝送線路と完全に同様の擬似線路を形成でき、大きな減衰の通信システムに適用できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の通信システムの構成図である。
【図2】同上のハイブリッド回路の構成例図である。
【図3】同上の分岐装置の回路構成例図である。
【図4】実施形態2の通信システムの構成図である。
【図5】同上の分岐装置の回路構成例図である。
【図6】実施形態3の通信システムの構成図である。
【図7】同上の分岐装置の回路構成例図である。
【図8】従来の通信システムの構成図である。
【図9】同上のハイブリッド回路の構成例図である。
【符号の説明】
1 ハイブリッド回路
2 送受信回路
3 入出力端子
4 擬似負荷端子
10 送信部
11 受信部
C1 幹線
C2 分岐線
C20 伝送線路
C21 擬似線路
X 通信端末
Y 分岐装置
Claims (7)
- 伝送線路に複数の通信端末が接続され通信端末間で信号の送受信を行う通信システムであって、前記通信端末は、送信信号を送信する送信部と、他の通信端末から送信されてきた送信信号を受信すると共に前記送信部からのループバック信号を受信する受信部とからなるハイブリッド回路を備え、前記伝送線路に特性インピーダンスを合わせた擬似線路を前記伝送線路とは別に有し、前記受信部は、前記送信部から前記伝送線路に出力された送信信号と、前記送信部から前記擬似線路に出力された送信信号との差動成分を送信信号のループバック信号として受信することを特徴とする通信システム。
- 前記伝送線路と前記擬似線路とは同一シース内の対であることを特徴とする請求項1記載の通信システム。
- 前記受信部は、差動増幅器からなることを特徴とする請求項1又は2記載の通信システム。
- 前記伝送線路は、幹線と、幹線から分岐装置を介して分岐され前記通信端末が接続される分岐線とからなり、前記分岐装置は、前記幹線から前記分岐線を分岐すると共に該分岐線の特性インピーダンスに整合する分岐部と、前記擬似線路と接続され該擬似線路の特性インピーダンスに整合するインピーダンス整合部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載の通信システム。
- 前記インピーダンス整合部は、前記分岐線側から前記分岐部を見たときのインピーダンスに一致するように設定された等価終端回路で構成されたことを特徴とする請求項4記載の通信システム。
- 前記インピーダンス整合部は、前記分岐部と同構成の回路を前記幹線の特性インピーダンスで終端させた構成であることを特徴とする請求項5記載の通信システム。
- 前記伝送線路は、幹線と、幹線から分岐装置を介して分岐され前記通信端末が接続される分岐線とからなり、前記擬似線路は、前記幹線と前記分岐線とに夫々並設され、前記分岐装置は、前記幹線から前記分岐線を分岐すると共に該分岐線の特性インピーダンスに整合する第1の分岐部と、この第1の分岐部と同構成の回路であり、前記幹線に並設された擬似線路から前記分岐線に並設された擬似線路を分岐すると共に該分岐線側の擬似線路の特性インピーダンスに整合する第2の分岐部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載の通信システム。
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