JP2004130199A - 重金属汚染土壌修復システムおよび重金属汚染土壌修復方法 - Google Patents

重金属汚染土壌修復システムおよび重金属汚染土壌修復方法 Download PDF

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宮川 博
Sayuri Ono
小野 佐由理
Ryoichi Shirai
白井 良一
Hidenori Nagasaki
長崎 英範
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Abstract

【課題】重金属によって汚染された土壌から復土可能な清浄土壌を効率よく回収し、かつ、汚染土壌の修復に費やす経費の削減を実現した重金属汚染土壌修復システムおよび重金属汚染土壌修復方法を提供すること。
【解決手段】重金属汚染土壌をその粒度に応じて化学的または物理的に洗浄することによって、前記重金属汚染土壌を復土可能な清浄土壌に修復する重金属汚染土壌修復システム100において、重金属汚染土壌から、磁性物を含有する磁性物土壌と磁性物を含有しない非磁性物土壌とを磁気的に選別する第1および第2の磁力選別装置(105、107)と、前記非磁性物土壌に含有した重金属を酸性溶媒中に抽出分離し、抽出分離によって該重金属が除去された残留物から清浄土壌を回収する第1および第2の酸抽出装置(106、108)とを備える。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、重金属によって汚染された土壌をその粒度に応じて化学的または物理的に洗浄することによって、重金属を土壌から分離し、重金属汚染土壌を復土可能な清浄土壌に修復する重金属汚染土壌修復システムおよび重金属汚染土壌修復方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、重金属によって汚染された土壌は、その粒度別に分級されることによって清浄土壌および高濃度の重金属を含有する汚染土壌に選別され、この汚染土壌のみを除去することによって浄化される。そして、選別された清浄土壌は、汚染土壌が掘削された原位置に復土される。
【0003】
一般に、汚染土壌における重金属は微細粒度の土粒子に吸着された状態で存在していることが多い。すなわち、高濃度の重金属を含有する土壌と重金属をほとんど含有しない土壌は、粒度分布の観点で分離されている。したがって、汚染土壌の重金属および粒度分布を把握し、その粒度別に汚染土壌を分級することによって、この汚染土壌から重金属汚染土壌および清浄土壌を選別分離することができる。
【0004】
なお、この分級によって選別分離された重金属汚染土壌は、セメントによる固形化、薬剤による化学的不溶化、あるいは汚染土壌の溶融によるスラグ化によって無害化処理され、再利用される。
【0005】
また、汚染物質である含有重金属を酸溶媒中に抽出分離することによって、重金属汚染土壌を洗浄し、清浄土壌を回収する重金属汚染土壌の修復方法もある(たとえば、特許文献1を参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−156338号公報 (第2−4頁、第1−3図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、重金属汚染土壌をその粒度別に分級することによって、重金属が高濃度で吸着される土壌粒子を分離除去し、復土可能な清浄土壌を回収する場合、掘削された重金属汚染土壌に対する清浄土壌の回収重量が少ない場合が多く、清浄土壌の回収効率が悪いという問題点がある。
【0008】
また、分離除去された高濃度の重金属を含有する土壌に対しては上述した無害化処理を施す必要があるため、重金属含有土壌粒子の分離除去重量が多くなると、この無害化処理に費やす時間および労力が増大する。したがって、重金属汚染土壌の修復における経済効率が悪化するという問題点がある。
【0009】
さらに、含有重金属を酸溶媒中に抽出分離することによって重金属汚染土壌を洗浄し清浄土壌を回収する場合、重金属汚染土壌を修復するために必要な酸溶媒の重量および修復処理に費やす時間が莫大である場合が多く、重金属汚染土壌の修復効率および経済効率が悪いという問題点がある。
【0010】
この発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、重金属によって汚染された土壌から復土可能な清浄土壌を効率よく回収し、かつ、汚染土壌の修復に費やす経費の削減を実現した重金属汚染土壌修復システムおよび重金属汚染土壌修復方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる重金属汚染土壌修復システムは、重金属汚染土壌をその粒度に応じて化学的または物理的に洗浄することによって、前記重金属汚染土壌を復土可能な清浄土壌に修復する重金属汚染土壌修復システムにおいて、重金属汚染土壌から、磁性物を含有する磁性物土壌と磁性物を含有しない非磁性物土壌とを磁気的に選別する磁力選別装置と、前記非磁性物土壌に含有した重金属を所定の溶媒中に抽出分離し、抽出分離によって該重金属が除去された残留物から清浄土壌を回収する溶媒抽出装置とを備えたことを特徴とする。
【0012】
この請求項1の発明によれば、磁力選別装置によって重金属汚染土壌から選別された非磁性物土壌に対してのみ溶媒抽出装置による含有重金属の溶媒抽出が実施され、清浄土壌が回収されるようにシステム構成されているので、清浄土壌の回収効率が高い重金属汚染土壌修復システムを実現できる。さらに、溶媒抽出による含有重金属の分離が困難である磁性物土壌が溶媒抽出装置に搬入前の重金属汚染土壌から除去されるので、溶媒抽出による含有重金属の分離に必要な溶媒重量を減少させ、かつ、費やす時間を短縮することができ、重金属汚染土壌の修復における修復効率および経済効率の高い重金属汚染土壌修復システムを実現できる。
【0013】
また、請求項2にかかる重金属汚染土壌修復システムは、前記溶媒抽出装置は、前記非磁性物土壌から重金属を溶媒中に抽出する重金属抽出装置と、前記所定の溶媒の性質を決定する薬剤を前記重金属抽出装置に供給する薬剤供給装置と、前記重金属抽出装置によって前記重金属が除去された残留物から清浄土壌を回収するろ過装置とを備えたことを特徴とする。
【0014】
この請求項2の発明によれば、溶媒抽出装置の構成が、磁力選別装置によって磁気的に選別された非磁性物土壌に対して含有重金属を溶媒抽出し、清浄土壌を回収する装置として最適なものとなる。
【0015】
また、請求項3にかかる重金属汚染土壌修復システムは、前記薬剤供給装置が、前記薬剤として酸性薬剤を供給することを特徴とする。
【0016】
この請求項3の発明によれば、酸性溶媒中に抽出分離可能な重金属によって汚染された土壌を修復するシステムとして最適なものとなる。
【0017】
また、請求項4にかかる重金属汚染土壌修復システムは、前記薬剤供給装置が、前記薬剤としてアルカリ性薬剤を供給することを特徴とする。
【0018】
この請求項4の発明によれば、アルカリ性溶媒中に抽出分離可能な重金属によって汚染された土壌を修復するシステムとして最適なものとなる。
【0019】
また、請求項5にかかる重金属汚染土壌修復システムは、前記重金属汚染土壌を所定の粒度別に篩い分ける、少なくとも1つの篩分装置を備え、前記磁力選別装置は、前記篩分装置によって篩い分けられた重金属汚染土壌から、磁性物を含有する磁性物土壌と磁性物を含有しない非磁性物土壌とを磁気的に選別することを特徴とする。
【0020】
この請求項5の発明によれば、あらかじめ重金属汚染土壌から重金属によって汚染されていない粒度範囲の土壌が分離され、重金属含有濃度の高い土壌が効率よく磁力選別装置によって磁選されるので、この磁選に必要な処理時間が短縮され、さらに、磁選後の溶媒抽出装置における重金属の溶媒抽出に必要な溶媒量が減少され、かつ、その処理時間が短縮された、修復効率および経済効率の高い重金属汚染土壌修復システムを実現できる。
【0021】
また、請求項6にかかる重金属汚染土壌修復システムは、前記篩分装置が、第1の粒度の重金属汚染土壌を乾式で篩下に篩い分ける乾式篩分装置であることを特徴とする。
【0022】
この請求項6の発明によれば、重金属によって汚染されていない粒度範囲の土壌、または石等の大塊を重金属汚染土壌から容易に取り出すことができるので、磁力選別装置による磁選処理および溶媒抽出装置による重金属の溶媒抽出処理の対象となる重金属汚染土壌の重量を容易に減少させることができる。したがって、磁選および溶媒抽出における処理時間を短縮することができ、さらに、重金属の溶媒抽出における溶媒量を減少させることができるので、重金属汚染土壌修復における修復効率および経済効率が向上する。
【0023】
また、請求項7にかかる重金属汚染土壌修復システムは、前記乾式篩分装置で篩い分けられた篩下の重金属汚染土壌から、前記第1の粒度よりも小さい第2の粒度の重金属汚染土壌を湿式で篩下に篩い分ける第2粒度用湿式篩分装置を備えたことを特徴とする。
【0024】
この請求項7の発明によれば、重金属汚染土壌から分離可能な土壌の粒度範囲が微細化されるので、乾式篩分装置における篩下の重金属汚染土壌から重金属に汚染されていない粒度範囲の土壌をさらに分離することができ、含有重金属が濃縮された重金属汚染土壌を効率よく取り出すことができる。
【0025】
また、請求項8にかかる重金属汚染土壌修復システムは、前記第2粒度用湿式篩分装置で篩い分けられた篩下の重金属汚染土壌から、前記第2の粒度より小さい第3の粒度の重金属汚染土壌を湿式で篩下に篩い分ける第3粒度用湿式篩分装置を備えたことを特徴とする。
【0026】
この請求項8の発明によれば、重金属汚染土壌から分離可能な土壌の粒度範囲が、第2粒度用湿式篩分装置によって篩い分ける場合よりも微細化されるので、溶媒抽出によって含有重金属を抽出分離可能な粒度範囲の土壌を選択的に取り出すことができ、溶媒抽出における処理時間の短縮および溶媒量の減少が可能となる。
【0027】
また、請求項9にかかる重金属汚染土壌修復システムは、前記第3粒度用湿式篩分装置で篩い分けられた篩下の重金属汚染土壌から、前記第3の粒度より小さい第4の粒度の重金属汚染土壌を湿式で分級する湿式遠心分離装置を備えたことを特徴とする。
【0028】
この請求項9の発明によれば、溶媒抽出によって含有重金属を抽出分離することが困難である微細粒度の重金属汚染土壌を分離除去することができるので、溶媒抽出装置による重金属の溶媒抽出処理の対象重金属汚染土壌の重量を減少させ、溶媒抽出における処理時間の短縮および溶媒量の減少が可能となる。
【0029】
また、請求項10にかかる重金属汚染土壌修復システムは、前記溶媒抽出装置によって排出される廃水から重金属を除去する廃水処理装置を備えたことを特徴とする。
【0030】
この請求項10の発明によれば、廃水に含有される重金属を除去することができるので、溶媒抽出装置における重金属の溶媒抽出処理によって排出される廃水の無害化が可能な重金属汚染土壌修復システムを実現できる。
【0031】
また、請求項11にかかる重金属汚染土壌修復システムは、前記磁力選別装置によって磁気的に選別された磁性物土壌または前記湿式遠心分離装置によって分級された前記第4の粒度の重金属汚染土壌を溶融してスラグ化する無害化処理装置を備えたことを特徴とする。
【0032】
この請求項11の発明によれば、溶媒抽出処理では含有重金属を抽出分離することが困難である磁性物土壌および微細粒度の重金属汚染土壌を溶融しスラグ化することが可能な重金属汚染土壌修復システムを実現できる。
【0033】
また、請求項12にかかる重金属汚染土壌修復システムは、前記磁力選別装置によって磁気的に選別された磁性物土壌から鉄、ニッケル、コバルト、またはステンレス鋼を回収する金属回収処理装置を備えたことを特徴とする。
【0034】
この請求項12の発明によれば、磁力選別装置によって磁気的に選別された磁性物土壌から鉄、ニッケル、コバルト、またはステンレス鋼を回収することが可能な重金属汚染土壌修復システムを実現できる。
【0035】
また、請求項13にかかる重金属汚染土壌修復方法は、重金属汚染土壌をその粒度に応じて化学的または物理的に洗浄することによって、前記重金属汚染土壌を復土可能な清浄土壌に修復する重金属汚染土壌修復方法において、重金属汚染土壌から、磁性物を含有する磁性物土壌と磁性物を含有しない非磁性物土壌とを磁気的に選別する磁選ステップと、前記非磁性物土壌に含有した重金属を所定の溶媒中に抽出する重金属抽出ステップと、前記重金属抽出ステップによって重金属が除去された非磁性物土壌から清浄土壌を回収するとともに廃水を排出するろ過ステップとを含んだことを特徴とする。
【0036】
この請求項13の発明によれば、重金属汚染土壌から磁選された非磁性物土壌が溶媒抽出によって重金属と清浄土壌に分離され、この混合溶液をろ過することによって清浄土壌が回収されるようにしているので、清浄土壌の回収効率が高い重金属汚染土壌修復方法を確立できる。さらに、溶媒抽出による含有重金属の分離が困難である磁性物土壌が磁選によって除去されるので、溶媒抽出による含有重金属の分離に必要な溶媒重量を減少させ、かつ、費やす時間を短縮することができ、重金属汚染土壌の修復における修復効率および経済効率の高い重金属汚染土壌修復方法を確立できる。
【0037】
また、請求項14にかかる重金属汚染土壌修復方法は、前記重金属抽出ステップは、前記所定の溶媒として酸性の溶媒を用いることを特徴とする。
【0038】
この請求項14の発明によれば、酸性溶媒中に抽出分離可能な重金属によって汚染された土壌を修復する方法として最適なものとなる。
【0039】
また、請求項15にかかる重金属汚染土壌修復方法は、前記重金属抽出ステップは、前記所定の溶媒としてアルカリ性の溶媒を用いることを特徴とする。
【0040】
この請求項15の発明によれば、アルカリ性溶媒中に抽出分離可能な重金属によって汚染された土壌を修復する方法として最適なものとなる。
【0041】
また、請求項16にかかる重金属汚染土壌修復方法は、前記ろ過ステップによって排出された廃水から重金属を除去する廃水処理ステップを含んだことを特徴とする。
【0042】
この請求項16の発明によれば、廃水に含有される重金属を除去することができるので、重金属抽出ステップにおける重金属の溶媒抽出処理によって排出される廃水の無害化が可能な重金属汚染土壌修復方法を確立できる。
【0043】
また、請求項17にかかる重金属汚染土壌修復方法は、前記磁選ステップの前に実行されるとともに、前記重金属汚染土壌を所定の粒度別に乾式で篩い分ける乾式篩い分けステップを含んだことを特徴とする。
【0044】
この請求項17の発明によれば、重金属によって汚染されていない粒度範囲の土壌、または石等の大塊を磁選前の重金属汚染土壌から容易に取り出すことができるので、磁選処理および重金属の溶媒抽出処理の対象となる重金属汚染土壌の重量を容易に減少させることができる。したがって、磁選および溶媒抽出における処理時間を短縮することができ、さらに、重金属の溶媒抽出における溶媒量を減少させることができるので、重金属汚染土壌修復における修復効率および経済効率が向上する。
【0045】
また、請求項18にかかる重金属汚染土壌修復方法は、前記磁選ステップの前に実行されるとともに、前記重金属汚染土壌を所定の粒度別に湿式で篩い分ける湿式篩い分けステップを含んだことを特徴とする。
【0046】
この請求項18の発明によれば、重金属によって汚染されていない粒度範囲が微細粒度である重金属汚染土壌から、この微細粒度範囲の土壌を取り出すことができるので、磁選処理および重金属の溶媒抽出処理の対象となる重金属汚染土壌の重量を減少させることができる。したがって、磁選および溶媒抽出における処理時間を短縮することができ、さらに、重金属の溶媒抽出における溶媒量を減少させることができるので、重金属汚染土壌修復における修復効率および経済効率が向上する。
【0047】
また、請求項19にかかる重金属汚染土壌修復方法は、前記磁選ステップの前に実行されるとともに、前記重金属汚染土壌から第1の粒度を有する重金属汚染土壌を篩下に乾式で篩い分ける乾式篩い分けステップと、該第1の粒度を有する重金属汚染土壌から該第1の粒度よりも小さい第2の粒度を有する重金属汚染土壌を篩下に湿式で篩い分ける第1の湿式篩い分けステップとを含んだことを特徴とする。
【0048】
この請求項19の発明によれば、重金属によって汚染されていない粒度範囲の土壌、または石等の大塊を磁選前の重金属汚染土壌から容易に取り出すことができ、かつ、乾式篩い分けステップにおける篩下の重金属汚染土壌から重金属に汚染されていない粒度範囲の土壌をさらに分離することができるので、磁選処理および重金属の溶媒抽出処理の対象となる重金属汚染土壌の重量を容易に減少させることができる。したがって、磁選および溶媒抽出における処理時間を短縮することができ、さらに、重金属の溶媒抽出における溶媒量を減少させることができるので、重金属汚染土壌修復における修復効率および経済効率が向上する。
【0049】
また、請求項20にかかる重金属汚染土壌修復方法は、前記第2の粒度を有する重金属汚染土壌から前記第2の粒度よりも小さい第3の粒度を有する重金属汚染土壌を篩下に湿式で篩い分ける第2の湿式篩い分けステップを含んだことを特徴とする。
【0050】
この請求項20の発明によれば、重金属汚染土壌から分離可能な土壌の粒度範囲が、第1の湿式篩い分けステップの場合よりも微細化されるので、溶媒抽出によって含有重金属を抽出分離可能な粒度範囲の土壌を選択的に取り出すことができ、溶媒抽出における処理時間の短縮および溶媒量の減少が可能となる。
【0051】
また、請求項21にかかる重金属汚染土壌修復方法は、前記第3の粒度を有する重金属汚染土壌から前記第3の粒度より小さい第4の粒度を有する重金属汚染土壌を湿式で分級する湿式分級ステップを含んだことを特徴とする。
【0052】
この請求項21の発明によれば、溶媒抽出によって含有重金属を抽出分離することが困難である微細粒度の重金属汚染土壌を分離除去することができるので、重金属抽出ステップにおける重金属の溶媒抽出処理の対象重金属汚染土壌の重量を減少させ、溶媒抽出における処理時間の短縮および溶媒量の減少が可能となる。
【0053】
また、請求項22にかかる重金属汚染土壌修復方法は、前記第4の粒度を有する重金属汚染土壌を溶融してスラグ化する第2の無害化ステップを含んだことを特徴とする。
【0054】
この請求項22の発明によれば、溶媒抽出処理では含有重金属を抽出分離することが困難である微細粒度の重金属汚染土壌を溶融しスラグ化することが可能な重金属汚染土壌修復方法を確立できる。
【0055】
また、請求項23にかかる重金属汚染土壌修復方法は、前記磁性物土壌を溶融してスラグ化する第1の無害化ステップを含んだことを特徴とする。
【0056】
この請求項23の発明によれば、溶媒抽出処理では含有重金属を抽出分離することが困難である磁性物土壌を溶融しスラグ化することが可能な重金属汚染土壌修復方法を確立できる。
【0057】
また、請求項24にかかる重金属汚染土壌修復方法は、前記磁性物土壌から鉄、ニッケル、またはコバルト、さらにはステンレス鋼を回収する金属回収ステップを含んだことを特徴とする。
【0058】
この請求項24の発明によれば、磁選ステップにおいて磁気的に選別された磁性物土壌から鉄、ニッケル、コバルト、またはステンレス鋼を回収することが可能な重金属汚染土壌修復方法を確立できる。
【0059】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態である重金属汚染土壌修復システムおよび重金属汚染土壌修復方法について説明する。
【0060】
(実施の形態1)
まず、この発明の実施の形態1について説明する。図1は、この発明の実施の形態1にかかる重金属汚染土壌修復システム100の概略構成を示すブロック図である。ただし、図1において、実線矢印はベルトコンベアによる土壌の流れを示し、破線矢印はパイプによる土壌の流れを示している。
【0061】
図1において、重金属汚染土壌修復システム100は、重金属汚染土壌を粒度によって区分する乾式篩分装置101、第1の湿式篩分装置102、第2の湿式篩分装置103、および湿式遠心分離装置104を有し、また、粒度で区分された重金属汚染土壌から磁性物土壌および非磁性物土壌を磁気的に選別する第1の磁力選別装置105および第2の磁力選別装置107を有し、また、非磁性物土壌から重金属を溶媒抽出する第1の酸抽出装置106および第2の酸抽出装置108を有し、さらに、溶媒抽出による重金属除去が困難な重金属汚染土壌および磁性物土壌を無害化処理する無害化処理装置109、ならびに、非磁性物土壌から抽出された重金属を含有する廃水を無害化処理する廃水処理装置110を有する。
【0062】
また、図1において、乾式篩分装置101への汚染土壌の搬入、乾式篩分装置101から第1の湿式篩分装置102への汚染土壌の運搬、ならびに、乾式篩分装置101、第1の湿式篩分装置102、第1の酸抽出装置106および第2の酸抽出装置108で得られた清浄土壌の搬出は、ベルトコンベアによって実現される。
【0063】
さらに、第1の湿式篩分装置102から第2の湿式篩分装置103への汚染土壌の運搬、第2の湿式篩分装置103から湿式遠心分離装置104または第1の磁力選別装置105への汚染土壌の運搬、湿式遠心分離装置104から第2の磁力選別装置107または無害化処理装置109への汚染土壌の運搬、第1の磁力選別装置105から第1の酸抽出装置106または無害化処理装置109への汚染土壌の運搬、第2の磁力選別装置107から第2の酸抽出装置108または無害化処理装置109への汚染土壌の運搬、第1の酸抽出装置106または第2の酸抽出装置108から廃水処理装置110への廃水の運搬は、パイプを通じることによって実現される。
【0064】
乾式篩分装置101は、搬入された汚染土壌中に含まれる石等の大塊を除去する乾式の篩分装置であり、所定の粒度(以下、第1の粒度と称する。たとえば150mm)未満の土壌を篩下に分ける機能を有する。なお、この乾式篩分装置101として、篩目が上記第1の粒度の網篩またはグリズリー等を用いることができる。
【0065】
第1の湿式篩分装置102は、乾式篩分装置101によって篩い分けられた上記第1の粒度未満の土壌をさらに篩い分ける湿式の篩分装置であり、土壌をスラリー化した後、上記第1の粒度よりも小さい粒度(以下、第2の粒度と称する。たとえば5mm)の土壌を篩下に分ける機能を有する。すなわち、上記粒度の例によれば、第1の湿式篩分装置102によって、粒度が5mm以上、150mm未満の土壌を篩の上に残し、粒度が5mm未満の土壌を篩下に分けることができる。なお、第1の湿式篩分装置102として、篩目が上記第2の粒度の網を有する振動篩等を用いることができる。
【0066】
第2の湿式篩分装置103は、第1の湿式篩分装置102によって篩い分けられた上記第2の粒度未満のスラリー化された土壌をさらに篩い分ける湿式の篩分装置であり、上記第2の粒度よりも小さい粒度(以下、第3の粒度と称する。たとえば1mm)の土壌を篩下に分ける機能を有する。すなわち、上記粒度の例によれば、第2の湿式篩分装置103によって、粒度が1mm以上、5mm未満の土壌を篩の上に残し、粒度が1mm未満の土壌を篩下に分けることができる。なお、第2の湿式篩分装置103として、篩目が上記第3の粒度の網を有する振動篩等を用いることができる。
【0067】
湿式遠心分離装置104は、第2の湿式篩分装置103によって篩い分けられた上記第3の粒度未満のスラリー化された土壌をさらに篩い分ける湿式の遠心分離装置であり、上記第3の粒度よりも小さい粒度(以下、第4の粒度と称する。たとえば0.075mm)の土壌および上記第4の粒度以上の土壌を分級する機能を有する。なお、湿式遠心分離装置104として、上記第4の粒度の篩い分けを可能にしたメッシュサイズの液体サイクロン等を用いることができる。
【0068】
第1の磁力選別装置105は、第2の湿式篩分装置103によって篩上に篩い分けられた土壌(上記例だと、1mm以上、5mm未満の土壌)から、磁性物土壌および非磁性物土壌を磁気的に選別する機能を有する。ただし、ここでいう磁性物土壌は磁性物を含有する土壌を意味し、また非磁性物土壌は磁性物を含有しない土壌を意味する。以後、この磁性物土壌および非磁性物土壌という用語は、この意味で用いる。なお、第1の磁力選別装置105として、永久磁石式磁力選別装置または電磁石式磁力選別装置等を用いることができる。
【0069】
第1の酸抽出装置106は、第1の磁力選別装置105によって選別された非磁性物土壌から重金属を酸性下で溶媒抽出し、清浄土壌を回収する機能を有する。なお、第1の酸抽出装置106の構成の詳細な説明は、後述する。
【0070】
第2の磁力選別装置107は、湿式遠心分離装置104によって分級された上記第4の粒度以上の土壌(上記例だと、0.075mm以上、1mm未満の土壌)から、磁性物土壌および非磁性物土壌を磁気的に選別する機能を有する。なお、第2の磁力選別装置107として、永久磁石式磁力選別装置または電磁石式磁力選別装置等を用いることができる。
【0071】
第2の酸抽出装置108は、第2の磁力選別装置107によって選別された非磁性物土壌から重金属を酸性下で溶媒抽出し、清浄土壌を回収する機能を有する。なお、第2の酸抽出装置108の構成の詳細な説明は、後述する。
【0072】
無害化処理装置109は、搬入されたスラリー状態の重金属汚染土壌を脱水した後、溶融することによってスラグ化し、重金属を土壌中に封じ込める無害化処理機能を有する。
【0073】
廃水処理装置110は、第1の酸抽出装置106または第2の酸抽出装置108から搬出された廃水に含有される重金属を不溶化し、かつ、重金属の溶媒抽出における薬剤を中和し、さらに、不溶化された重金属を濃縮し汚泥として排出する機能を有する。ただし、この汚泥は、無害化処理装置109に搬入された後、溶融され、スラグ化される。なお、廃水処理装置110によって含有重金属の除去および含有薬剤の中和がなされた廃水は、工業用水として再利用される。
【0074】
ここで、図2を参照して、第1の酸抽出装置106の構成を詳細に説明する。図2は、第1の酸抽出装置106の概略構成を示すブロック図である。ただし、図2において、実線矢印はベルトコンベアによる土壌の流れを示し、破線矢印はパイプによる土壌の流れを示している。
【0075】
図2において、第1の酸抽出装置106は、第1の磁力選別装置105によって選別された非磁性物土壌から酸性下で重金属を溶媒抽出する第1の重金属抽出機106a、第1の重金属抽出機106aに酸薬剤を供給する第1の酸薬剤供給機106b、および、第1の重金属抽出機106aによって溶媒抽出処理が施された非磁性物土壌の混合溶液を残渣土壌と廃水に分離する第1のろ過機106c、ならびに、第1のろ過機106cによって分離された残渣土壌の表面に付着する酸薬剤を洗浄する第1のリパルプ洗浄機106d、さらに、第1のリパルプ洗浄機106dによって洗浄された残渣土壌の混合溶液を清浄土壌と廃水に分離する第2のろ過機106eを有する。
【0076】
第1の重金属抽出機106aは、第1の磁力選別装置105から搬入された非磁性物土壌を酸溶媒と混合する重金属抽出槽と、この非磁性物土壌の混合溶液を第1のろ過機106cに搬出するポンプを備えている。すなわち、第1の重金属抽出機106aは、非磁性物土壌から重金属を溶媒抽出し、かつ、その混合溶液を第1のろ過機106cに搬出する機能を有する。ただし、この重金属抽出槽における酸溶媒は、第1の酸薬剤供給器106bから供給される酸薬剤を溶媒とする。
【0077】
第1の酸薬剤供給機106bは、第1の重金属抽出機106aに酸薬剤を供給する機能を有する。なお、供給される酸薬剤として、塩酸、硫酸、硝酸または炭酸等の無機酸、あるいは、クエン酸または酒石酸等の有機酸を使用することができる。
【0078】
第1のろ過機106cは、第1の重金属抽出機106aから搬出された非磁性物土壌の混合溶液を土壌残渣と廃水に分離する機能を有する。ここで、土壌残渣は、第1の重金属抽出機106aによって酸性下で非磁性物土壌から重金属が溶媒抽出された後の土壌である。なお、酸溶媒に抽出された重金属は、廃水中に含有される。この土壌残渣は、ベルトコンベアによって第1のリパルプ洗浄機106dに搬出され、廃水は、パイプを通じて、廃水処理装置110に搬出される。なお、この第1のろ過機106cとして、重力ろ過または真空ろ過機能を有するトレイ型ろ過機、あるいは遠心ろ過機能を有する回転ドラム式ろ過機等を用いることができる。
【0079】
第1のリパルプ洗浄機106dは、第1のろ過機106cから搬出された土壌残渣の表面に付着した酸薬剤を洗浄するリパルプ槽、および、この洗浄後の混合溶液を第2のろ過機106eに搬出するポンプを備えている。すなわち、第1のリパルプ洗浄機106dは、土壌残渣を清浄土壌に浄化し、かつ、この清浄土壌の混合溶液を第2のろ過機106eに搬出する機能を有する。
【0080】
第2のろ過機106eは、第1のリパルプ洗浄機106dから搬出された清浄土壌の混合溶液を清浄土壌と廃水に分離する機能を有する。ここで、清浄土壌は、重金属の含有濃度が環境庁による土壌汚染の指針値未満となる土壌であり、復土可能な土壌である。また、この廃水は、土壌残渣表面に付着した酸薬剤を含有する。この清浄土壌は、ベルトコンベアによって搬出され、汚染土壌掘削後の原位置に復土される。また、廃水は、パイプを通じて、廃水処理装置110に搬出される。なお、この第2のろ過機106eとして、重力ろ過または真空ろ過機能を有するトレイ型ろ過機、あるいは遠心ろ過機能を有する回転ドラム式ろ過機等を用いることができる。
【0081】
さらに、図3を参照して、第2の酸抽出装置108の構成を詳細に説明する。図3は、第2の酸抽出装置108の概略構成を示すブロック図である。ただし、図3において、実線矢印はベルトコンベアによる土壌の流れを示し、破線矢印はパイプによる土壌の流れを示している。
【0082】
図3において、第2の酸抽出装置108は、第2の磁力選別装置107によって選別された非磁性物土壌から酸性下で重金属を溶媒抽出する第2の重金属抽出機108a、第2の重金属抽出機108aに酸薬剤を供給する第2の酸薬剤供給機108b、および、第2の重金属抽出機108aによって溶媒抽出処理が施された非磁性物土壌の混合溶液を残渣土壌と廃水に分離する第3のろ過機108c、ならびに、第3のろ過機108cによって分離された残渣土壌の表面に付着する酸薬剤を洗浄する第2のリパルプ洗浄機108d、さらに、第2のリパルプ洗浄機108dによって洗浄された残渣土壌の混合溶液を清浄土壌と廃水に分離する第4のろ過機108eを有する。
【0083】
第2の重金属抽出機108aは、第2の磁力選別装置107から搬出された非磁性物土壌を酸溶媒と混合する重金属抽出槽と、この非磁性物土壌の混合溶液を第3のろ過機108cに搬出するポンプを備えている。すなわち、第2の重金属抽出機108aは、非磁性物土壌から重金属を酸性下で溶媒抽出し、かつ、その混合溶液を第3のろ過機108cに搬出する機能を有する。ただし、この重金属抽出槽における酸溶媒は、第2の酸薬剤供給器108bから供給される酸薬剤を溶媒とする。
【0084】
第2の酸薬剤供給機108bは、第2の重金属抽出機108aに酸薬剤を供給する機能を有する。なお、供給される酸薬剤として、塩酸、硫酸、硝酸または炭酸等の無機酸、あるいは、クエン酸または酒石酸等の有機酸を使用することができる。
【0085】
第3のろ過機108cは、第2の重金属抽出機108aから搬出された非磁性物土壌の混合溶液を土壌残渣と廃水に分離する機能を有する。ここで、土壌残渣は、第2の重金属抽出機108aによって酸性下で非磁性物土壌から重金属が溶媒抽出された後の土壌である。なお、酸溶媒に抽出された重金属は、廃水中に含有される。この土壌残渣は、ベルトコンベアによって第2のリパルプ洗浄機108dに搬出され、廃水は、パイプを通じて、廃水処理装置110に搬出される。なお、この第3のろ過機108cとして、加圧ろ過機能を有するプレスフィルター型ろ過機、真空ろ過機能を有するトレイ型ろ過機、あるいは遠心ろ過機能を有する回転ドラム式ろ過機等の微細粒子混合溶液のろ過に適したろ過機を用いることができる。
【0086】
第2のリパルプ洗浄機108dは、第3のろ過機108cから搬出された土壌残渣の表面に付着した酸薬剤を洗浄するリパルプ槽、および、この洗浄後の混合溶液を第4のろ過機108eに搬出するポンプを備えている。すなわち、第2のリパルプ洗浄機108dは、土壌残渣を清浄土壌に浄化し、かつ、この清浄土壌の混合溶液を第4のろ過機108eに搬出する機能を有する。
【0087】
第4のろ過機108eは、第2のリパルプ洗浄機108dから搬出された清浄土壌の混合溶液を清浄土壌と廃水に分離する機能を有する。清浄土壌はベルトコンベアによって搬出され、汚染土壌掘削後の原位置に復土される。また、廃水はパイプを通じて、廃水処理装置110に搬出される。なお、第4のろ過機108eとして、加圧ろ過機能を有するプレスフィルター型ろ過機、真空ろ過機能を有するトレイ型ろ過機、あるいは遠心ろ過機能を有する回転ドラム式ろ過機等の微細粒子混合溶液のろ過に適したろ過機を用いることができる。
【0088】
つぎに、図4を参照して、この発明の実施の形態1にかかる重金属汚染土壌修復システム100による、鉛によって汚染された土壌(鉛汚染土壌)が清浄土壌に修復されるまでの処理手順を詳細に説明する。なお、以下の説明においては、上記で例示した粒度の具体的な数値を用いる。
【0089】
図4は、掘削され、重金属汚染土壌修復システム100に搬入された鉛汚染土壌が、その粒度別に篩い分けられてから、清浄土壌が復土され、かつ、鉛汚染土壌が無害化されるまでの処理手順を示すフローチャートである。
【0090】
図4において、原位置から掘削され、重金属汚染土壌修復システム100に搬入された鉛汚染土壌は、乾式篩分装置101によって粒度150mmを境界として篩い分けられる。したがって、粒度150mm以上の石等の大塊を含有する土壌が篩上に残留し、粒度150mm未満の土壌が篩下に流される(ステップS101,S102:No)。
【0091】
乾式篩分装置101によって篩下に流された粒度150mm未満の鉛汚染土壌は、ベルトコンベアによって第1の湿式篩分装置102に搬入され、水分混合によってスラリー化された後、第1の湿式篩分装置102によって粒度5mmを境界として篩い分けられる。したがって、粒度5mm以上、150mm未満の土壌が篩上に残留し、粒度5mm未満の土壌が篩下に流される(ステップS103,S104:No)。
【0092】
第1の湿式篩分装置102によって篩下に流された粒度5mm未満の鉛汚染土壌は、スラリー状態を保ちながらパイプを通じて第2の湿式篩分装置103に搬入され、第2の湿式篩分装置103によって粒度1mmを境界として篩い分けられる。したがって、粒度1mm以上、5mm未満の土壌が篩上に残留し、粒度1mm未満の土壌が篩下に流される(ステップS105,S106:No)。
【0093】
第2の湿式篩分装置103によって篩下に流された粒度1mm未満の鉛汚染土壌は、スラリー状態を保ちながらパイプを通じて湿式遠心分離装置104に搬入され、湿式遠心分離装置104によって粒度0.075mmを境界として分級される(ステップS107)。したがって、湿式遠心分離装置104において、粒度0.075mm以上、1mm未満の土壌が下層に凝集し、粒度0.075mm未満の土壌が上層に凝集する(ステップS108:No)。
【0094】
湿式遠心分離装置104によって分級された粒度0.075mm未満の鉛汚染土壌は、スラリー状態を保ちながらパイプを通じて無害化処理装置109に搬入され、脱水される。この粒度0.075mm未満の鉛汚染土壌は、含有鉛の抽出が困難な土壌である場合、無害化処理装置109によって溶融され、スラグ化される。スラグ化された鉛汚染土壌は、その土壌内部に含有鉛が封じ込められた状態で排出される(ステップS109)。なお、この粒度0.075mm未満の鉛汚染土壌は、含有鉛が抽出可能である場合、第2の磁力選別装置107によって磁性物土壌と非磁性物土壌に選別された後、第2の酸抽出装置108によって該磁性物土壌の含有鉛を溶媒抽出処理することもできる。
【0095】
一方、乾式篩分装置101によって篩上に残留した粒度150mm以上の土壌(ステップS102:Yes)、および第1の湿式篩分装置102によって篩上に残留した粒度5mm以上、150mm未満の土壌(ステップS104:Yes)は、その鉛含有量が環境庁における指針値(150mg/1kg乾土、すなわち150ppm)以下の清浄土壌であるため、さらに溶出基準を満足していることを確認した後、鉛汚染土壌が掘削された原位置に復土される(ステップS110)。
【0096】
なお、ステップS110において回収された清浄土壌の重量は、掘削された鉛汚染土壌の総重量の70%程度である。すなわち、この場合の清浄土壌の回収率は70%程度である。
【0097】
つぎに、図5を参照して、第2の湿式篩分装置103によって篩い分けられた粒度1mm以上、5mm未満の鉛汚染土壌(図4のステップS106:Yes)が、第1の磁力選別装置105によって磁気的に選別されてから、清浄土壌に修復されるまでの処理手順を詳細に説明する。
【0098】
図5は、第2の湿式篩分装置103によって篩い分けられた粒度1mm以上、5mm未満の鉛汚染土壌が、第1の磁力選別装置105によって磁気的に選別されてから、清浄土壌が復土され、かつ、鉛汚染土壌が無害化されるまでの処理手順を示すフローチャートである。
【0099】
図5において、第2の湿式篩分装置103によって篩い分けられた粒度1mm以上、5mm未満の鉛汚染土壌は、スラリー状態を保ちながらパイプを通じて第1の磁力選別装置105に搬入され、第1の磁力選別装置105によって磁気的に選別される。磁気的に選別された鉛汚染土壌は、磁性物土壌および非磁性物土壌に分離される(ステップS201)。
【0100】
なお、ステップS201において、磁気的に選別された鉛汚染土壌の重量に対する磁性物土壌または非磁性物土壌の重量百分率は、それぞれ30%、70%である。ただし、この磁性物土壌における鉛含有量の割合は5000ppmであり、また、この非磁性物土壌における含有鉛量の割合は300ppmである。
【0101】
第1の磁力選別装置105によって選別された非磁性物土壌(ステップS202:No)は、スラリー状態を保ちながらパイプを通じて第1の酸抽出装置106における第1の重金属抽出機106aに搬入され、その第1の重金属抽出機106aにおいて酸性下で含有鉛が溶媒抽出される(ステップS203)。ただし、この酸溶媒は、第1の酸薬剤供給機106bから供給される塩酸である。したがって、第1の重金属抽出機106aには、含有鉛が抽出された非磁性物土壌、ならびに、鉛および塩酸の混合溶液が存在する。
【0102】
第1の重金属抽出機106aによって含有鉛が酸性下で溶媒抽出された非磁性物土壌、ならびに、鉛および塩酸の混合溶液は、パイプを通じて第1のろ過機106cに搬入され、第1のろ過機106cによって土壌残渣および廃水に分離される(ステップS204)。
【0103】
ただし、この土壌残渣は、第1の重金属抽出機106aによって酸性下で含有鉛が溶媒抽出された非磁性物土壌であり、その表面に塩酸が付着している。また、この廃水は、鉛および塩酸の混合溶液である。
【0104】
第1のろ過機106cによって分離された土壌残渣(ステップS205:土壌)は、ベルトコンベアによって第1のリパルプ洗浄機106dに搬入され、リパルプ洗浄される(ステップS206)。このリパルプ洗浄によって、表面に付着した塩酸が洗浄された土壌残渣は清浄土壌になる。
【0105】
清浄土壌およびリパルプ洗浄の廃水はパイプを通じて第2のろ過機106eに搬入され、第2のろ過機106eによって、清浄土壌およびリパルプ洗浄の廃水に分離される(ステップS207)。ただし、このリパルプ洗浄の廃水は、塩酸水溶液である。
【0106】
第2のろ過機106eによって分離回収された清浄土壌(ステップS208:土壌)は、その鉛含有量が環境庁における指針値(150mg/1kg乾土、すなわち150ppm)を下回る100ppm以下であるため、さらに溶出基準を満足していることを確認した後、鉛汚染土壌が掘削された原位置に復土される(ステップS209)。
【0107】
第1のろ過機106cによって分離排出された廃水(ステップS205:廃水)および第2のろ過機106eによって分離排出された廃水(ステップS208:廃水)は、パイプを通じて廃水処理装置110に搬入され、廃水処理される(ステップS210)。廃水に含有される鉛は、水酸化ナトリウム、硫化ナトリウム、あるいは消石灰を添加して不溶化した後、濃縮して汚泥として排出される。また廃水に含有される塩酸は、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カルシウムを添加して中和される。鉛および塩酸が除去された廃水は環境に対して無害であり、工業用水として再利用される。
【0108】
一方、第1の磁力選別装置105によって磁気的に選別された磁性物土壌(ステップS202:Yes)は、無害化処理装置109において溶融することによって、スラグ化される(ステップS211)。スラグ化された磁性物土壌は、その土壌内部に鉛等の重金属が封じ込められた土壌であり、通常の土壌と性状が異なる。したがって、スラグ化された磁性物土壌は、重金属汚染土壌修復システム100によって回収された清浄土壌と異なり、復土することはできない。
【0109】
つぎに、図6を参照して、湿式遠心分離装置104によって分級された粒度0.075mm以上、1mm未満の鉛汚染土壌(図4のステップS108:Yes)が、第2の磁力選別装置107によって磁気的に選別されてから、清浄土壌に修復されるまでの処理手順を詳細に説明する。
【0110】
図6は、湿式遠心分離装置104によって分級された粒度0.075mm以上、1mm未満の鉛汚染土壌が、第2の磁力選別装置107によって磁気的に選別されてから、清浄土壌が復土され、かつ、鉛汚染土壌が無害化されるまでの処理手順を示すフローチャートである。
【0111】
図6において、湿式遠心分離装置104によって分級された粒度0.075mm以上、1mm未満の鉛汚染土壌は、スラリー状態を保ちながらパイプを通じて第2の磁力選別装置107に搬入され、第2の磁力選別装置107によって磁気的に選別される。磁気的に選別された鉛汚染土壌は、磁性物土壌および非磁性物土壌に分離される(ステップS301)。
【0112】
なお、ステップS301において、磁気的に選別された鉛汚染土壌の重量に対する磁性物土壌または非磁性物土壌の重量百分率は、それぞれ30%、70%である。ただし、この磁性物土壌における鉛含有量の割合は5000ppmであり、また、この非磁性物土壌における含有鉛量の割合は300ppmである。
【0113】
第2の磁力選別装置107によって選別された非磁性物土壌(ステップS302:No)は、スラリー状態を保ちながらパイプを通じて第2の酸抽出装置108における第2の重金属抽出機108aに搬入され、その第2の重金属抽出機108aにおいて酸性下で含有鉛が溶媒抽出される(ステップS303)。ただし、この酸溶媒は、第2の酸薬剤供給機108bから供給される塩酸である。したがって、第2の重金属抽出機108aには、含有鉛が抽出された非磁性物土壌、ならびに、鉛および塩酸の混合溶液が存在する。
【0114】
第2の重金属抽出機108aによって含有鉛が酸性下で溶媒抽出された非磁性物土壌、ならびに、鉛および塩酸の混合溶液は、パイプを通じて第3のろ過機108cに搬入され、第3のろ過機108cによって土壌残渣および廃水に分離される(ステップS304)。
【0115】
ただし、この土壌残渣は、第2の重金属抽出機108aによって酸性下で含有鉛が溶媒抽出された非磁性物土壌であり、その表面に塩酸が付着している。また、この廃水は、鉛および塩酸の混合溶液である。
【0116】
第3のろ過機108cによって分離された土壌残渣(ステップS305:土壌)は、ベルトコンベアによって第2のリパルプ洗浄機108dに搬入され、リパルプ洗浄される(ステップS306)。このリパルプ洗浄によって、表面に付着した塩酸が洗浄された土壌残渣は清浄土壌になる。
【0117】
清浄土壌およびリパルプ洗浄の廃水はパイプを通じて第4のろ過機108eに搬入され、第4のろ過機108eによって、清浄土壌およびリパルプ洗浄の廃水に分離される(ステップS307)。ただし、このリパルプ洗浄の廃水は、塩酸水溶液である。
【0118】
第4のろ過機108eによって分離回収された清浄土壌(ステップS308:土壌)は、その鉛含有量が環境庁における指針値(150mg/1kg乾土、すなわち150ppm)を下回る100ppm以下であるため、さらに溶出基準を満足していることを確認した後、鉛汚染土壌が掘削された原位置に復土される(ステップS309)。
【0119】
第3のろ過機108cによって分離排出された廃水(ステップS305:廃水)および第4のろ過機108eによって分離排出された廃水(ステップS308:廃水)は、パイプを通じて廃水処理装置110に搬入され、廃水処理される(ステップS310)。廃水に含有される鉛は、水酸化ナトリウム、硫化ナトリウム、あるいは消石灰を添加して不溶化した後、濃縮して汚泥として排出される。また廃水に含有される塩酸は、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カルシウムを添加して中和される。鉛および塩酸が除去された廃水は環境に対して無害であり、工業用水として再利用される。
【0120】
第2の磁力選別装置107によって磁気的に選別された磁性物土壌は、無害化処理装置109において溶融することによって、スラグ化される(ステップS311)。スラグ化された磁性物土壌は、その土壌内部に鉛等の重金属が封じ込められた土壌であり、通常の土壌と性状が異なる。したがって、スラグ化された磁性物土壌は、重金属汚染土壌修復システム100によって回収された清浄土壌と異なり、復土することはできない。
【0121】
なお、ステップS209において回収された清浄土壌およびS309において回収された清浄土壌の合計回収重量は、掘削された鉛汚染土壌の総重量の20%程度である。すなわち、この場合の清浄土壌の回収率は20%程度である。
【0122】
以上に説明したように、この発明の実施の形態1にかかる重金属汚染土壌修復システム100は、まず、鉛汚染土壌が乾式篩分装置101および第1の湿式篩分装置102によって汚染土壌粒度および清浄土壌粒度に篩い分けられ、つぎに、この汚染土壌粒度の鉛汚染土壌が第1の磁力選別装置105あるいは第2の磁力選別装置107による磁気的選別によって磁性物土壌および非磁性物土壌に分離され、さらに、この非磁性物土壌に含有される鉛が第1の酸抽出装置106あるいは第2の酸抽出装置108における酸溶媒抽出によって非磁性物土壌から分離され、清浄土壌が回収されるように構成したので、溶媒抽出における酸薬剤使用量ならびに処理時間を増大させることなく、鉛汚染土壌から90%程度という高い回収率で清浄土壌を回収することができる。
【0123】
(実施の形態2)
上述した実施の形態1では、第1の磁力選別装置105によって選別された磁性物土壌および第2の磁力選別装置107によって選別された磁性物土壌が、無害化処理装置109によってスラグ化される構成の重金属汚染土壌修復システムについて示したが、この実施の形態2では、第1の磁力選別装置105によって選別された磁性物土壌および第2の磁力選別装置107によって選別された磁性物土壌が、金属回収されるようにしている。
【0124】
図7は、この発明の実施の形態2にかかる重金属汚染土壌修復システム200の概略構成を示すブロック図である。ただし、図7において、実線矢印はベルトコンベアによる土壌の流れを示し、破線矢印はパイプによる土壌の流れを示している。
【0125】
図7において、重金属汚染土壌修復システム200は、重金属汚染土壌を粒度によって区分する乾式篩分装置101、第1の湿式篩分装置102、第2の湿式篩分装置103、および湿式遠心分離装置104を有し、また、粒度で区分された重金属汚染土壌から磁性物土壌および非磁性物土壌を磁気的に選別する第1の磁力選別装置105および第2の磁力選別装置107を有し、また、非磁性物土壌から重金属を溶媒抽出する第1の酸抽出装置106および第2の酸抽出装置108を有する。さらに、溶媒抽出による重金属除去が困難な重金属汚染土壌を無害化処理する無害化処理装置109、非磁性物土壌から抽出された重金属を含有する廃水を無害化処理する廃水処理装置110、および、磁性物土壌から磁性物金属を回収する金属回収処理装置201を有する。
【0126】
また、図7において、乾式篩分装置101への汚染土壌の搬入、乾式篩分装置101から第1の湿式篩分装置102への汚染土壌の運搬、ならびに、乾式篩分装置101、第1の湿式篩分装置102、第1の酸抽出装置106および第2の酸抽出装置108で得られた清浄土壌の搬出は、ベルトコンベアによって実現される。
【0127】
さらに、第1の湿式篩分装置102から第2の湿式篩分装置103への汚染土壌の運搬、第2の湿式篩分装置103から湿式遠心分離装置104または第1の磁力選別装置105への汚染土壌の運搬、および、湿式遠心分離装置104から第2の磁力選別装置107または無害化装置109への汚染土壌の運搬、第1の磁力選別装置105から第1の酸抽出装置106または金属回収処理装置201への汚染土壌の運搬、第2の磁力選別装置107から第2の酸抽出装置108または金属回収処理装置201への汚染土壌の運搬、第1の酸抽出装置106または第2の酸抽出装置108から廃水処理装置110への廃水の運搬は、パイプを通じることによって実現される。
【0128】
なお、乾式篩分装置101、第1の湿式篩分装置102、第2の湿式篩分装置103、および湿式遠心分離装置104は、図1に示す重金属汚染土壌修復システム100における重金属汚染土壌を粒度別に区分する各装置と同様の機能を有するので、同一符号を付することとしてその詳細な説明を省略する。
【0129】
また、第1の磁力選別装置105および第2の磁力選別装置107は、図1に示す重金属汚染土壌修復システム100において、重金属汚染土壌を磁気的に選別する各装置と同様の機能を有するので、同一符号を付することとしてその詳細な説明を省略する。
【0130】
さらに、第1の酸抽出装置106および第2の酸抽出装置108は、図1に示す重金属汚染土壌修復システム100において、重金属汚染土壌から重金属を溶媒抽出する各装置と同様の機能を有するので、同一符号を付することとしてその詳細な説明を省略する。
【0131】
また、無害化処理装置109および廃水処理装置110は、図1に示す重金属汚染土壌修復システム100において、各装置と同様の機能を有するので、同一符号を付することとしてその詳細な説明を省略する。
【0132】
なお、第1の酸抽出装置106を構成する第1の重金属抽出機106a、第1の酸薬剤供給機106b、第1のろ過機106c、第1のリパルプ洗浄機106d、第2のろ過機106eは、図2に示す第1の酸抽出装置106を構成する各機器と同様の機能を有するので、同一符号を付することとしてその詳細な説明を省略する。
【0133】
また、第2の酸抽出装置108を構成する第2の重金属抽出機108a、第2の酸薬剤供給機108b、第3のろ過機108c、第2のリパルプ洗浄機108d、第4のろ過機108eは、図3に示す第2の酸抽出装置108を構成する各機器と同様の機能を有するので、同一符号を付することとしてその詳細な説明を省略する。
【0134】
金属回収処理装置201は、第1の磁力選別装置105または第2の磁力選別装置107によって選別された磁性物土壌から鉄、ニッケル、コバルト、あるいはステンレス鋼を回収する機能を有する。なお、金属回収処理装置201は、磁性物土壌を粉砕する粉砕機、粉砕された磁性物土壌を粒度別に篩い分ける篩分機、および磁性物土壌から該金属を回収する磁力選別機によって構成されたものが考えられる。
【0135】
つぎに、この発明の実施の形態2にかかる重金属汚染土壌修復システム200による、鉛によって汚染された土壌(鉛汚染土壌)が清浄土壌に修復されるまでの処理手順を詳細に説明する。なお、この説明においても、実施の形態1で例示した数値の粒度を用いる。
【0136】
ただし、原位置から掘削された鉛汚染土壌が重金属汚染土壌修復システム200に搬入されてから、乾式篩分装置101によって粒度150mmを境界に篩い分けられるまでの処理手順、および、粒度150mm未満の鉛汚染土壌が第1の湿式篩分装置102によって粒度5mmを境界に篩い分けられてから、粒度5mm未満の鉛汚染土壌が第2の湿式篩分装置103によって粒度1mmを境界に篩い分けられるまでの処理手順、および、粒度1mm未満の鉛汚染土壌が湿式遠心分離装置104によって粒度0.075mmを境界に分級されてから、粒度0.075mm未満の鉛汚染土壌が無害化処理装置109によってスラグ化されるまでの処理手順、さらに、粒度5mm以上の鉛汚染土壌が清浄土壌として回収されてから復土されるまでの処理手順は、図4に示した重金属汚染土壌修復システム100における処理手順ステップS101〜S110と同様であるので、その処理手順の詳細な説明は省略する。
【0137】
なお、上述した処理手順において回収された清浄土壌の重量は、掘削された鉛汚染土壌の総重量の70%程度である。すなわち、この場合の清浄土壌の回収率は70%程度である。
【0138】
つぎに、図8を参照して、第2の湿式篩分装置103によって篩い分けられた粒度1mm以上、5mm未満の鉛汚染土壌が磁性物土壌および非磁性物土壌に磁気的に選別されてから、非磁性物土壌が清浄土壌に修復され、また、磁性物土壌が金属回収されるまでの処理手順を詳細に説明する。
【0139】
図8は、第2の湿式篩分装置103によって篩い分けられた粒度1mm以上、5mm未満の鉛汚染土壌が第1の磁力選別装置105によって磁性物土壌および非磁性物土壌に磁気的に選別されてから、非磁性物土壌が清浄土壌に修復され、かつ、磁性物土壌が金属回収されるまでの処理手順を示すフローチャートである。
【0140】
図8において、第2の湿式篩分装置103によって篩い分けられた粒度1mm以上、5mm未満の鉛汚染土壌は、スラリー状態を保ちながらパイプを通じて第1の磁力選別装置105に搬入され、第1の磁力選別装置105によって磁気的に選別される。磁気的に選別された鉛汚染土壌は、磁性物土壌および非磁性物土壌に分離される(ステップS401)。
【0141】
なお、ステップS401において、磁気的に選別された鉛汚染土壌の重量に対する磁性物土壌または非磁性物土壌の重量百分率は、それぞれ30%、70%である。ただし、この磁性物土壌における鉛含有量の割合は5000ppmであり、また、この非磁性物土壌における含有鉛量の割合は300ppmである。
【0142】
第1の磁力選別装置105によって選別された非磁性物土壌(ステップS402:No)は、スラリー状態を保ちながらパイプを通じて第1の酸抽出装置106における第1の重金属抽出機106aに搬入され、含有鉛が酸性下で溶媒抽出される(ステップS403)。ただし、この酸溶媒は、第1の酸薬剤供給機106bから供給される塩酸である。したがって、第1の重金属抽出機106aには、含有鉛が抽出された非磁性物土壌、ならびに、鉛および塩酸の混合溶液が存在する。
【0143】
第1の重金属抽出機106aによって含有鉛が酸性下で溶媒抽出された非磁性物土壌、ならびに、鉛および塩酸の混合溶液は、パイプを通じて第1のろ過機106cに搬入され、第1のろ過機106cによって土壌残渣および廃水に分離される(ステップS404)。
【0144】
ただし、この土壌残渣は、第1の重金属抽出機106aによって含有鉛が酸性下で溶媒抽出された非磁性物土壌であり、その表面に塩酸が付着している。また、この廃水は、鉛および塩酸の混合溶液である。
【0145】
第1のろ過機106cによって分離された土壌残渣(ステップS405:土壌)は、ベルトコンベアによって第1のリパルプ洗浄機106dに搬入され、リパルプ洗浄される(ステップS406)。このリパルプ洗浄によって、表面に付着した塩酸が洗浄された土壌残渣は清浄土壌になる。
【0146】
清浄土壌およびリパルプ洗浄の廃水はパイプを通じて第2のろ過機106eに搬入され、第2のろ過機106eによって、清浄土壌およびリパルプ洗浄の廃水に分離される(ステップS407)。ただし、このリパルプ洗浄の廃水は、塩酸水溶液である。
【0147】
第2のろ過機106eによって分離回収された清浄土壌(ステップS408:土壌)は、その鉛含有量が環境庁における指針値(150mg/1kg乾土、すなわち150ppm)を下回る100ppm以下であるため、さらに溶出基準を満足していることを確認した後、鉛汚染土壌が掘削された原位置に復土される(ステップS409)。
【0148】
第1のろ過機106cによって分離排出された廃水(ステップS405:廃水)および第2のろ過機106eによって分離排出された廃水(ステップS408:廃水)は、パイプを通じて廃水処理装置110に搬入され、廃水処理される(ステップS410)。廃水に含有される鉛は、水酸化ナトリウム、硫化ナトリウム、あるいは消石灰を添加して不溶化した後、濃縮して汚泥として排出される。また廃水に含有される塩酸は、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カルシウムを添加して中和される。鉛および塩酸が除去された廃水は環境に対して無害であり、工業用水として再利用される。
【0149】
一方、第1の磁力選別装置105によって磁気的に選別された磁性物土壌(ステップS402:Yes)は、金属回収処理装置201によって金属回収される(ステップS411)。この金属回収の方法としては、磁性物土壌を粉砕後、粒度別に分級し、乾式あるいは湿式で磁気的に選別することによって金属回収するという方法が考えられる。なお、金属回収処理装置201によって磁性物土壌から回収される金属は、鉄、ニッケル、コバルト、またはステンレス鋼である。
【0150】
つぎに、図9を参照して、湿式遠心分離装置104によって分級された粒度0.075mm以上、1mm未満の鉛汚染土壌が、第2の磁力選別装置107によって磁性物土壌および非磁性物土壌に磁気的に選別されてから、非磁性物土壌が清浄土壌に修復され、また、磁性物土壌が金属回収されるまでの処理手順を詳細に説明する。
【0151】
図9は、湿式遠心分離装置104によって分級された粒度0.075mm以上、1mm未満の鉛汚染土壌が、第2の磁力選別装置107によって磁性物土壌および非磁性物土壌に磁気的に選別されてから、非磁性物土壌が清浄土壌に修復され、かつ、磁性物土壌が金属回収されるまでの処理手順を示すフローチャートである。
【0152】
図9において、湿式遠心分離装置104によって分級された粒度0.075mm以上、1mm未満の鉛汚染土壌は、スラリー状態を保ちながらパイプを通じて第2の磁力選別装置107に搬入され、第2の磁力選別装置107によって磁気的に選別される。磁気的に選別された鉛汚染土壌は、磁性物土壌および非磁性物土壌に分離される(ステップS501)。
【0153】
なお、ステップS501において、磁気的に選別された鉛汚染土壌の重量に対する磁性物土壌または非磁性物土壌の重量百分率は、それぞれ30%、70%である。ただし、この磁性物土壌における鉛含有量の割合は5000ppmであり、また、この非磁性物土壌における含有鉛量の割合は300ppmである。
【0154】
第2の磁力選別装置107によって選別された非磁性物土壌(ステップS502:No)は、スラリー状態を保ちながらパイプを通じて第2の酸抽出装置108における第2の重金属抽出機108aに搬入され、酸性下で含有鉛が溶媒抽出される(ステップS503)。ただし、この酸溶媒は、第2の酸薬剤供給機108bから供給される塩酸である。したがって、第2の重金属抽出機108aには、含有鉛が抽出された非磁性物土壌、ならびに、鉛および塩酸の混合溶液が存在する。
【0155】
第2の重金属抽出機108aによって含有鉛が酸性下で溶媒抽出された非磁性物土壌、ならびに、鉛および塩酸の混合溶液は、パイプを通じて第3のろ過機108cに搬入され、第3のろ過機108cによって土壌残渣および廃水に分離される(ステップS504)。
【0156】
ただし、この土壌残渣は、第2の重金属抽出機108aによって含有鉛が酸性下で溶媒抽出された非磁性物土壌であり、その表面に塩酸が付着している。また、この廃水は、鉛および塩酸の混合溶液である。
【0157】
第3のろ過機108cによって分離された土壌残渣(ステップS505:土壌)は、ベルトコンベアによって第2のリパルプ洗浄機108dに搬入され、リパルプ洗浄される(ステップS506)。このリパルプ洗浄によって、表面に付着した塩酸が洗浄された土壌残渣は清浄土壌になる。
【0158】
清浄土壌およびリパルプ洗浄の廃水はパイプを通じて第4のろ過機108eに搬入され、第4のろ過機108eによって、清浄土壌およびリパルプ洗浄の廃水に分離される(ステップS507)。ただし、このリパルプ洗浄の廃水は、塩酸水溶液である。
【0159】
第4のろ過機108eによって分離回収された清浄土壌(ステップS508:土壌)は、その鉛含有量が環境庁における指針値(150mg/1kg乾土、すなわち150ppm)を下回る100ppm以下であるため、さらに溶出基準を満足していることを確認した後、鉛汚染土壌が掘削された原位置に復土される(ステップS509)。
【0160】
第3のろ過機108cによって分離排出された廃水(ステップS505:廃水)および第4のろ過機108eによって分離排出された廃水(ステップS508:廃水)は、パイプを通じて廃水処理装置110に搬入され、廃水処理される(ステップS510)。廃水に含有される鉛は、水酸化ナトリウム、硫化ナトリウム、あるいは消石灰を添加して不溶化した後、濃縮して汚泥として排出される。また廃水に含有される塩酸は、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カルシウムを添加して中和される。鉛および塩酸が除去された廃水は環境に対して無害であり、工業用水として再利用される。
【0161】
一方、第2の磁力選別装置107によって磁気的に選別された磁性物土壌(ステップS502:Yes)は、金属回収処理装置201によって金属回収される(ステップS511)。この金属回収の方法としては、磁性物土壌を粉砕後、粒度別に分級し、乾式あるいは湿式で磁気的に選別することによって金属回収するという方法が考えられる。なお、金属回収処理装置201によって磁性物土壌から回収される金属は、鉄、ニッケル、コバルト、またはステンレス鋼である。
【0162】
なお、ステップS409において回収された清浄土壌およびS509において回収された清浄土壌の合計回収重量は、掘削された鉛汚染土壌の総重量の20%程度である。すなわち、この場合の清浄土壌の回収率は20%程度である。
【0163】
以上に説明したように、この発明の実施の形態2にかかる重金属汚染土壌修復システム200は、まず、鉛汚染土壌が乾式篩分装置101および第1の湿式篩分装置102によって汚染土壌粒度および清浄土壌粒度に篩い分けられ、つぎに、この汚染土壌粒度の鉛汚染土壌が第1の磁力選別装置105あるいは第2の磁力選別装置107による磁気的選別によって磁性物土壌および非磁性物土壌に分離され、さらに、この非磁性物土壌に含有される鉛が第1の酸抽出装置106あるいは第2の酸抽出装置108における酸溶媒抽出によって非磁性物土壌から分離され、清浄土壌が回収されるように構成したので、溶媒抽出における酸薬剤使用量ならびに処理時間を増大させることなく、鉛汚染土壌から90%程度という高い回収率で清浄土壌が回収できる。
【0164】
さらに、第1の磁力選別装置105または第2の磁力選別装置107によって磁気的に選別された磁性物土壌が金属回収処理装置201によって金属回収されるように構成したので、清浄土壌に加えて、鉄、ニッケル、コバルト、あるいはステンレス鋼を鉛汚染土壌から回収することが可能な重金属汚染土壌修復システムを実現できる。
【0165】
なお、この発明の実施の形態1および実施の形態2では、本発明を鉛によって汚染された土壌に対して適用した場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カドミウム、クロム、水銀、砒素、またはシアン化合物等によって汚染された土壌に対して適用することもできる。
【0166】
また、この発明の実施の形態1および実施の形態2では、乾式篩分装置101、第1の湿式篩分装置102、および第2の湿式篩分装置103の篩目をそれぞれ150mm、5mm、および1mmに設定した場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、重金属の種類に応じて各篩分装置の篩目を適当に設定した場合に適用することもできる。
【0167】
さらに、この発明の実施の形態1および実施の形態2では、湿式遠心分離装置104による分級粒度の境界を0.075mmに設定した場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、重金属の種類に応じて湿式遠心分離装置の分級粒度の境界を適当に設定した場合に適用することもできる。
【0168】
また、この発明に実施の形態1および実施の形態2では、重金属を抽出分離する溶媒として塩酸を用いた場合を示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、重金属の種類に応じて塩酸、硫酸、硝酸または炭酸等の無機酸、あるいは、クエン酸または酒石酸等の有機酸、さらに苛性ソーダ等のアルカリを溶媒として用いた場合に適用することもできる。
【0169】
また、この発明の実施の形態1および実施の形態2では、各装置間における重金属汚染土壌の運搬手段としてベルトコンベアあるいはパイプを用いた場合を示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、樋またはシュート等を用いた場合に適用することもできる。
【0170】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、原位置から掘削された重金属汚染土壌が磁力選別装置によって磁性物土壌および非磁性物土壌に選別された後、この非磁性物土壌に対してのみ溶媒抽出装置によって含有重金属の抽出分離を行い、清浄土壌が回収されるように構成したので、含有重金属の抽出分離に必要な溶媒量および処理時間を増大させることなく、高い回収率で清浄土壌が回収可能であり、重金属汚染土壌の修復における経済効率および清浄土壌の回収効率を高めることが可能な重金属汚染土壌修復システムを実現できるという効果を奏する。
【0171】
また、この発明によれば、磁力選別装置によって磁性物土壌および非磁性物土壌に選別される前に、原位置から掘削された重金属汚染土壌が乾式あるいは湿式の篩分装置によって粒度別に篩分けられ、重金属汚染がない粒度範囲の土壌を清浄土壌として事前に分離回収するように構成したので、清浄土壌の回収効率を悪化させることなく、磁力選別装置および溶媒抽出装置における重金属汚染土壌の重量を減らすことができ、重金属汚染土壌の修復における経済効率を一層高めることが可能な重金属汚染土壌修復システムを実現できるという効果を奏する。
【0172】
さらに、この発明によれば、磁力選別装置によって磁気的に選別された磁性物土壌が金属回収処理装置によって金属回収されるように構成したので、清浄土壌の回収効率を悪化させることなく、重金属汚染土壌から鉄、ニッケル、コバルト、またはステンレス鋼を回収することが可能な重金属汚染土壌修復システムを実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる重金属汚染土壌修復システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1にかかる重金属汚染土壌修復システムにおける第1の酸抽出装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1にかかる重金属汚染土壌修復システムにおける第2の酸抽出装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1にかかる重金属汚染土壌修復システムにおける乾式篩分装置による重金属汚染土壌の篩い分けから、清浄土壌が回収され、復土されるまでの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1にかかる重金属汚染土壌修復システムにおいて、重金属汚染土壌が第1の磁力選別装置によって選別されてから、清浄土壌が回収され、さらに磁性物土壌がスラグ化されるまでの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1にかかる重金属汚染土壌修復システムにおいて、重金属汚染土壌が第2の磁力選別装置によって選別されてから、清浄土壌が回収され、さらに磁性物土壌がスラグ化されるまでの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態2にかかる重金属汚染土壌修復システムの概略構成を示すブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態2にかかる重金属汚染土壌修復システムにおいて、重金属汚染土壌が第1の磁力選別装置によって選別されてから、清浄土壌が回収され、さらに磁性物土壌が金属回収処理されるまでの処理手順を示すフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態2にかかる重金属汚染土壌修復システムにおいて、重金属汚染土壌が第2の磁力選別装置によって選別されてから、清浄土壌が回収され、さらに磁性物土壌が金属回収処理されるまでの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100,200  重金属汚染土壌修復システム
101      乾式篩分装置
102      第1の湿式篩分装置
103      第2の湿式篩分装置
104      湿式遠心分離装置
105      第1の磁力選別装置
106      第1の酸抽出装置
106a     第1の重金属抽出機
106b     第1の酸薬剤供給機
106c     第1のろ過機
106d     第1のリパルプ洗浄機
106e     第2のろ過機
107      第2の磁力選別装置
108      第2の酸抽出装置
108a     第2の重金属抽出機
108b     第2の酸薬剤供給機
108c     第3のろ過機
108d     第2のリパルプ洗浄機
108e     第4のろ過機
109      無害化処理装置
110      廃水処理装置
201      金属回収処理装置

Claims (24)

  1. 重金属汚染土壌をその粒度に応じて化学的または物理的に洗浄することによって、前記重金属汚染土壌を復土可能な清浄土壌に修復する重金属汚染土壌修復システムにおいて、
    重金属汚染土壌から、磁性物を含有する磁性物土壌と磁性物を含有しない非磁性物土壌とを磁気的に選別する磁力選別装置と、
    前記非磁性物土壌に含有した重金属を所定の溶媒中に抽出分離し、抽出分離によって該重金属が除去された残留物から清浄土壌を回収する溶媒抽出装置と、
    を備えたことを特徴とする重金属汚染土壌修復システム。
  2. 前記溶媒抽出装置は、前記非磁性物土壌から重金属を溶媒中に抽出する重金属抽出装置と、
    前記所定の溶媒の性質を決定する薬剤を前記重金属抽出装置に供給する薬剤供給装置と、
    前記重金属抽出装置によって前記重金属が除去された残留物から清浄土壌を回収するろ過装置と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の重金属汚染土壌修復システム。
  3. 前記薬剤供給装置は、前記薬剤として酸性薬剤を供給することを特徴とする請求項2に記載の重金属汚染土壌修復システム。
  4. 前記薬剤供給装置は、前記薬剤としてアルカリ性薬剤を供給することを特徴とする請求項2に記載の重金属汚染土壌修復システム。
  5. 前記重金属汚染土壌を所定の粒度別に篩い分ける、少なくとも1つの篩分装置を備え、
    前記磁力選別装置は、前記篩分装置によって篩い分けられた重金属汚染土壌から、磁性物を含有する磁性物土壌と磁性物を含有しない非磁性物土壌とを磁気的に選別することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の重金属汚染土壌修復システム。
  6. 前記篩分装置は、第1の粒度の重金属汚染土壌を乾式で篩下に篩い分ける乾式篩分装置であることを特徴とする請求項5に記載の重金属汚染土壌修復システム。
  7. 前記乾式篩分装置で篩い分けられた篩下の重金属汚染土壌から、前記第1の粒度よりも小さい第2の粒度の重金属汚染土壌を湿式で篩下に篩い分ける第2粒度用湿式篩分装置を備えたことを特徴とする請求項6に記載の重金属汚染土壌修復システム。
  8. 前記第2粒度用湿式篩分装置で篩い分けられた篩下の重金属汚染土壌から、前記第2の粒度より小さい第3の粒度の重金属汚染土壌を湿式で篩下に篩い分ける第3粒度用湿式篩分装置を備えたことを特徴とする請求項7に記載の重金属汚染土壌修復システム。
  9. 前記第3粒度用湿式篩分装置で篩い分けられた篩下の重金属汚染土壌から、前記第3の粒度より小さい第4の粒度の重金属汚染土壌を湿式で分級する湿式遠心分離装置を備えたことを特徴とする請求項8に記載の重金属汚染土壌修復システム。
  10. 前記溶媒抽出装置によって排出される廃水から重金属を除去する廃水処理装置を備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の重金属汚染土壌修復システム。
  11. 前記磁力選別装置によって磁気的に選別された磁性物土壌または前記湿式遠心分離装置によって分級された前記第4の粒度の重金属汚染土壌を溶融してスラグ化する無害化処理装置を備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の重金属汚染土壌修復システム。
  12. 前記磁力選別装置によって磁気的に選別された磁性物土壌から鉄、ニッケル、コバルト、またはステンレス鋼を回収する金属回収処理装置を備えたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の重金属汚染土壌修復システム。
  13. 重金属汚染土壌をその粒度に応じて化学的または物理的に洗浄することによって、前記重金属汚染土壌を復土可能な清浄土壌に修復する重金属汚染土壌修復方法において、
    重金属汚染土壌から、磁性物を含有する磁性物土壌と磁性物を含有しない非磁性物土壌とを磁気的に選別する磁選ステップと、
    前記非磁性物土壌に含有した重金属を所定の溶媒中に抽出する重金属抽出ステップと、
    前記重金属抽出ステップによって重金属が除去された非磁性物土壌から清浄土壌を回収するとともに廃水を排出するろ過ステップと、
    を含んだことを特徴とする重金属汚染土壌修復方法。
  14. 前記重金属抽出ステップは、前記所定の溶媒として酸性の溶媒を用いることを特徴とする請求項13に記載の重金属汚染土壌修復方法。
  15. 前記重金属抽出ステップは、前記所定の溶媒としてアルカリ性の溶媒を用いることを特徴とする請求項13に記載の重金属汚染土壌修復方法。
  16. 前記ろ過ステップによって排出された廃水から重金属を除去する廃水処理ステップを含んだことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一つに記載の重金属汚染土壌修復方法。
  17. 前記磁選ステップの前に実行されるとともに、前記重金属汚染土壌を所定の粒度別に乾式で篩い分ける乾式篩い分けステップを含んだことを特徴とする請求項13〜16のいずれか一つに記載の重金属汚染土壌修復方法。
  18. 前記磁選ステップの前に実行されるとともに、前記重金属汚染土壌を所定の粒度別に湿式で篩い分ける湿式篩い分けステップを含んだことを特徴とする請求項13〜16のいずれか一つに記載の重金属汚染土壌修復方法。
  19. 前記磁選ステップの前に実行されるとともに、前記重金属汚染土壌から第1の粒度を有する重金属汚染土壌を篩下に乾式で篩い分ける乾式篩い分けステップと、
    該第1の粒度を有する重金属汚染土壌から該第1の粒度よりも小さい第2の粒度を有する重金属汚染土壌を篩下に湿式で篩い分ける第1の湿式篩い分けステップと、
    を含んだことを特徴とする請求項13〜16のいずれか一つに記載の重金属汚染土壌の修復方法。
  20. 前記第2の粒度を有する重金属汚染土壌から前記第2の粒度よりも小さい第3の粒度を有する重金属汚染土壌を篩下に湿式で篩い分ける第2の湿式篩い分けステップを含んだことを特徴とする請求項19に記載の重金属汚染土壌修復方法。
  21. 前記第3の粒度を有する重金属汚染土壌から前記第3の粒度より小さい第4の粒度を有する重金属汚染土壌を湿式で分級する湿式分級ステップを含んだことを特徴とする請求項20に記載の重金属汚染土壌修復方法。
  22. 前記第4の粒度を有する重金属汚染土壌を溶融してスラグ化する第2の無害化ステップを含んだことを特徴とする請求項21に記載の重金属汚染土壌修復方法。
  23. 前記磁性物土壌を溶融してスラグ化する第1の無害化ステップを含んだことを特徴とする請求項13〜22のいずれか一つに記載の重金属汚染土壌修復方法。
  24. 前記磁性物土壌から鉄、ニッケル、またはコバルト、さらにはステンレス鋼を回収する金属回収ステップを含んだことを特徴とする請求項13〜23のいずれか一つに記載の重金属汚染土壌修復方法。
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