JP2004126530A - 反射防止膜付き基板の製造方法 - Google Patents

反射防止膜付き基板の製造方法 Download PDF

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Tsutomu Asakawa
浅川 勉
Kenji Matsumoto
松本 研二
Takashi Harada
原田 高志
Kyoji Nakayama
中山 恭司
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Abstract

【課題】厳しい環境下においても膜剥れのない膜付着力が良好な反射防止膜付き基板を提供する。
【解決手段】透明基板1上に反射防止膜が形成された反射防止膜付き基板の製造方法であって、前記反射防止膜1は、透明基板1側から珪素、錫、酸素を含む材料からなる中屈折率層2と、チタン、ニオブ、タンタル、ハフニウムから選ばれる1種の元素と酸素を含む材料からなる高屈折率層3と、珪素、酸素を含む材料からなる低屈折率層4とを有する積層膜であり、該反射防止膜は、インライン型スパッタリング装置にて連続的に成膜することを特徴とする。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネル(特に、投影型液晶プロジェクター)に使用する防塵基板や、CCDやCMOSのイメージセンサ等の固体撮像素子のパッケージ窓として用いられる固体撮像素子用カバーガラス、計測器等に使用する反射防止膜付き基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
投影型液晶プロジェクターは、図6に示すように、光源から出射された光を集光光源系(図示せず)によって集光しながら液晶装置100に導き、この光を液晶層50で光変調することにより、所定の画像をレンズなどの光学系(図示せず)によってスクリーンに投射して表示を行うものである。光源からの光は、液晶装置100の液晶層50に焦点がおかれるように集光される。そのため、焦点位置である液晶層50から基板21の厚み分の約1mm離れた距離に位置することになる対向基板20の外面についている傷や塵201は、焦点距離範囲内となり、フォーカス状態となる。同様に、液晶層50から基板31の厚み分の約1mm離れた距離に位置することになる駆動基板30の外面についている傷や塵202は、焦点距離範囲内となり、フォーカス状態となる。その結果、外面に傷や塵201、202が付いた液晶セルが用いられた投影型液晶プロジェクターで表示を行う場合、傷や塵201、202が投影画像に映し出されてしまい、表示品位が低下する。このような問題を回避するため、液晶セルに隣接し、これを挟むように一対の厚さ約1mmの例えばガラスからなる透明基板41a,41bが防塵用基板40a,40bとして配置されている。これにより、液晶セルの基板20,30の外面に傷や塵がつくことを防止する。更に、たとえ、防塵用基板40a,40bの液晶セルに接しない側の面に傷や塵211、212がついたとしても、防塵用基板の基板厚みのおかげで、傷や塵211、212がデフォーカス状態となるため、表示品位は低下しない。
通常、このような防塵用基板としては、蒸着法によりAl/ZrO/MgFの積層膜からなる反射防止膜が、透明基板の一方の面に形成されたものが用いられている。また、SiOとZrOとが互いに複数層積層された反射防止膜が提案されている(特許文献1:特開2000−282134)。
また、CCDやCMOSは、チップへの電源供給、信号分配、放熱、及び回路保護を目的とする封止型のチップパッケージに格納されている。チップパッケージ用のカバーガラスとしては、例えば、特許文献2(特開平7−172868号公報)にあるように、CCDやCMOSに対し効率的に光を導入するために、カバーガラス表面に酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化タンタル、酸化珪素、弗化マグネシウム、弗化ストロンチウムから選ばれる2種または3種を使用し、2層または3層積層した反射防止膜が形成される。例えば、反射防止膜の膜構造としては、Al/Ta/MgFや、Al/ZrO/MgF等が挙げられている。
上述の反射防止膜と同様に、これらの積層膜は、蒸着法により形成することが一般的とされている。
【特許文献1】特開2000−282134号公報
【特許文献2】特開平7−172868号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、蒸着法により形成するAl/ZrO/MgFの積層膜からなる反射防止膜の場合、蒸着法により発生する異物、スプラッシュ、又はピンホールが発生し、異物やスプラッシュによる光の散乱や、ピンホールによる光の反射が発生し、防塵基板として要求される光学特性(反射率が0.5%以下(反射防止膜側の片面の反射率))や、固体撮像素子用カバーガラスとして要求される光学特性(反射率が1%以下(反射防止膜及びガラス基板による両面の反射率))が得られないという問題点があり、さらに、特に防塵基板においては非常に高温で長時間の厳しい環境下に曝され、各層の界面での膜剥れが発生するという問題点がある。また、上述のAl/ZrO/MgFの積層膜を反応性スパッタリング法で形成することも考えられるが、特に弗化物であるMgFを安定して成膜することは非常に困難で、安定した光学特性が得られず、製造上の負荷が大きい。
また、SiOとZrOとが互いに複数層積層された反射防止膜の場合、少なくとも4層以上を必要とし各層において膜厚を厳密に制御しなければならず、安定した光学特性が得られず、製造上の負荷が大きい。
【0004】
そこで、本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、厳しい環境下においても膜剥れのない膜付着力が良好な反射防止膜付き基板の製造方法を提供することを目的とする。
また、さらに上述の特性に加え、液晶パネル用防塵用基板や、固体撮像素子用カバーガラスなどに使用する反射防止膜付き基板に関し、それらの各用途で求められる所望の光学特性を満足する反射防止膜付き基板の製造方法を提供することを日的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下の構成を有する。
(構成1) 透明基板上に反射防止膜が形成された反射防止膜付き基板の製造方法であって、前記反射防止膜は、透明基板側から珪素、錫、酸素を含む材料からなる中屈折率層と、チタン、ニオブ、タンタル、ハフニウムから選ばれる1種の元素と酸素を含む材料からなる高屈折率層と、珪素、酸素を含む材料からなる低屈折率層とを有する積層膜であり、該反射防止膜は、インライン型スパッタリング装置にて連続的に成膜することを特徴とする反射防止膜付き基板の製造方法。
(構成2) 前記反射防止膜は、不活性ガス雰囲気、又は不活性ガスと酸素ガスを含む混合ガス雰囲気中で、スパッタリング法、又は反応性スパッタリング法によって形成され、前記中屈折率層は、珪素と錫を含む材料をターゲットとし、前記高屈折率層は、チタン、ニオブ、タンタル、ハフニウムから選ばれる1種の元素を含む材料をターゲットとし、前記低屈折率層は、珪素を含む材料をターゲットとしてそれぞれ成膜することを特徴とする構成1記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
(構成3) 前記各層は、複数枚のターゲットを使用して成膜することを特徴とする構成2記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
(構成4) 前記中屈折率層は、屈折率が1.6〜1.8、幾何学的膜厚が60〜90nm、前記高屈折率層は、屈折率が2.1〜2.8、幾何学的膜厚が90〜130nm、前記低屈折率層は、屈折率が1.4〜1.46、幾何学的膜厚が80〜100nm、であることを特徴とする構成1乃至3の何れかに記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
(構成5) 前記中屈折率層が、SiSn、前記高屈折率層が、TiO、Nb、Ta、HfOから選ばれる材料、前記低屈折率層が、SiO、であることを特徴とする構成4記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
(構成6) 前記透明基板は、屈折率が1.46〜1.53のガラス基板であることを特徴とする構成1乃至5の何れかに記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
(構成7) 前記反射防止膜が形成される側のガラス基板表面の表面粗さは、中心線平均粗さRaで0.5nm以下であることを特徴とする構成6記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
(構成8) 前記高屈折率層と前記低屈折率層との間に、透明導電膜を形成することを特徴とする構成1乃至7の何れかに記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
(構成9) 前記反射防止膜付き基板は、液晶パネル用防塵基板であることを特徴とする構成1乃至8の何れかに記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
(構成10) 前記液晶パネルは、投射型液晶プロジェクター用液晶パネルであることを特徴とする構成9記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
(構成11) 前記反射防止膜付き基板は、固体撮像素子用カバーガラスであることを特徴とする構成1乃至8の何れかに記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の反射防止膜付き基板の製造方法は、透明基板側から珪素、錫、酸素を含む材料からなる中屈折率層と、チタン、ニオブ、タンタル、ハフニウムから選ばれる1種の元素と酸素を含む材料からなる高屈折率層と、珪素、酸素を含む材料からなる低屈折率層とを有する積層膜を、インライン型スパッタリング装置にて連続的に成膜することを特徴とする(構成1)。
スパッタリング方法としては、静止対向型スパッタリング装置を用いる方法、インライン型スパッタリング装置を用いる方法等が挙げられるが、インライン型スパッタリング装置を用いて連続的に成膜する場合、上記反射防止膜の各層間に不要な酸化膜を形成させない点、各層において実質的に膜界面がなくなる点から、膜剥れのない膜付着力が良好な反射防止膜付き基板が得られる。さらに生産性の点でもインライン型スパッタリング装置を用いる方法が良い。尚、スパッタリング法であるので、異物、スプラッシュ、ピンホール等の欠陥が少ない。
さらに、上述の反射防止膜は、不活性ガス雰囲気、又は不活性ガスと酸素ガスを含む混合ガス雰囲気中で、スパッタリング法、又は反応性スパッタリング法によって形成され、前記中屈折率層は、珪素と錫を含む材料をターゲットとし、前記高屈折率層は、チタン、ニオブ、タンタル、ハフニウムから選ばれる1種の元素を含む材料をターゲットとし、前記低屈折率層は、珪素を含む材料をターゲットとしてそれぞれ成膜する(構成2)。
中屈折率層である珪素、錫、酸素を含む酸化物膜は、高透過率、耐薬品性(耐食性、耐アルカリ性)が良好であるともに、この酸化物膜上にチタン、酸素を含む材料(TiO)、ニオブ、酸素を含む材料(Nb)、タンタル、酸素を含む材料(Ta)、ハフニウム、酸素を含む材料(HfO)の酸素欠損を防止することができるので、その上に形成される層が、可視領域において透明な高透過率の高屈折率層が得られる。
珪素、錫、酸素を含む酸化物膜は、珪素、錫に酸素を含むターゲットを用いて、不活性ガス雰囲気、又は不活性ガスと酸素ガスの混合ガス雰囲気でスパッタリングして形成する方法や、珪素、錫を含むターゲットを用いて、不活性ガスと酸素ガスの混合ガス雰囲気で反応性スパッタリングにより形成される。珪素、錫、酸素を含む酸化物膜は、珪素、錫を含むターゲットを用いて、不活性ガスと酸素ガスの混合ガス雰囲気で反応性スパッタリングにより形成することが好ましい。
チタン、ニオブ、タンタル、ハフニウムから選ばれる1種の元素と酸素を含む酸化物膜は、チタン、酸素を含む材料からなる膜(酸化チタン膜)、ニオブ、酸素を含む材料からなる膜(酸化ニオブ膜)、タンタル、酸素を含む材料からなる膜(酸化タンタル膜)、ハフニウム、酸素を含む材料からなる膜(酸化ハフニウム膜)で、それぞれ、チタンを含む材料(例えば、TiO又はTiO2−XあるいはTi)、ニオブを含む材料(例えば、Nb又はNb5−XあるいはNb)、タンタルを含む材料(例えば、Ta)、ハフニウムを含む材料(例えば、HfO又はHfO2−XあるいはHf)をターゲットとして用いて、不活性ガス雰囲気、又は不活性ガスと酸素ガスの混合ガス雰囲気でスパッタリング又は反応性スパッタリングにより形成される。
チタン、酸素を含む材料からなる膜、ニオブ、酸素を含む材料からなる膜は、TiO又はTiO2−X等のチタンと酸素を含む材料、Nb又はNb5−X等のニオブと酸素を含む材料をターゲットとして用いて、不活性ガス雰囲気、又は不活性ガスと酸素ガスの混合ガス雰囲気でスパッタリングにより形成することが好ましい。酸化チタン膜、酸化ニオブ膜中に含まれる酸素不足を防止するためである。
また、タンタル、酸素を含む材料からなる膜、ハフニウム、酸素を含む材料からなる膜は、Ta、Hfをターゲットとして用いて、不活性ガスと酸素ガスの混合ガス雰囲気でスパッタリングにより形成することが好ましい。
珪素、酸素を含む材料からなる膜(酸化珪素膜)は、珪素を含む材料(例えば、Si、SiC、SiOから選ばれる少なくとも1つを含む)をターゲットとして用いて、不活性ガス雰囲気、又は不活性ガスと酸素ガスの混合ガス雰囲気でスパッタリング又は反応性スパッタリングにより形成される。珪素、酸素を含む材料からなる膜は、珪素を含む材料(SiC、SiOから選ばれる少なくとも1つを含む)をターゲットとして用いて、不活性ガスと酸素ガスの混合ガス雰囲気で反応性スパッタリングにより形成することが好ましい。酸化珪素膜中に含まれる酸素不足を防止するためである。
また、スパッタ方式としては、直流(DC)スパッタ、高周波(RF)スパッタ等があるが、膜質が均質で良好な膜を得るため、また、特に、投射型液晶プロジェクタで要求される欠陥品質(10μm以上の欠陥(異物やピンホール)がないこと)を満足させるためには、直流(DC)スパッタタが好ましい。直流(DC)スパッタでスパッタリングするターゲットとしては、珪素、錫、酸素を含む酸化物膜を成膜するときには、珪素、錫からなる(Si−Sn)ターゲットを使用し、酸化チタン膜、酸化ニオブ膜、酸化タンタル膜、酸化ハフニウム膜を成膜するときには、それぞれ、TiO又はTiO2−X、Nb又はNb5−X、Ta、Hfのターゲットを使用し、酸化珪素膜を成膜するときには、SiC(炭化珪素)、Si−SiCのターゲットを使用することが好ましい。
酸素ガスは、酸素ガス単体以外に各膜における屈折率が上記範囲内に収まるのであれば、他の成分を含有させても良い。他の成分としては、窒素、炭素などが挙げられる。この場合、NOガス(一酸化窒素)、NO(一酸化二窒素)、NO(二酸化窒素)、CO(二酸化炭素)などの酸化性のガスを使用することもできる。
また、上述の各層(中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層)は、複数枚のターゲットを使用して成膜することが好ましい(構成3)。
スループットが上がり生産性が向上するだけでなく、各ターゲットで成膜する際のスパッタパワーが抑えられ、さらに酸化物膜を成膜する際の酸素ガスの量を抑える事ができるので、アーキング等によるパーティクルなどの欠陥を防止することができる。
また、上述の反射防止膜は、透明基板側から屈折率が1.6〜1.8、幾何学的膜厚保が60〜90nmの中屈折率層、屈折率が2.1〜2.8、幾何学的膜厚が90〜130nmの高屈折率層、屈折率が1.4〜1.46、幾何学的膜厚が80〜100nmの低屈折率層とを有する積層膜とする(構成4)。
このような膜構成とすることにより、液晶パネル用防塵用基板や、固体撮像素子用カバーガラスなどに使用する反射防止膜付き基板で求められる所望の光学特性を満足することができる。具体的には、液晶パネル用防塵用基板の場合、可視領域(430nm〜650nm)において、0.5%以下の低反射率(反射防止膜側の片面の反射率)、固体撮像素子用カバーガラスの場合、可視領域(430nm〜650nm)において、1%以下の低反射率(反射防止膜及びガラス基板による両面の反射率)を得ることが可能となる。
中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の具体的な材料としては、前記中屈折率層が、珪素、錫、酸素を含む材料(SiSn)とし、前記高屈折率層が、チタン、、酸素を含む材料(TiO)、ニオブ、酸素を含む材料(Nb)、タンタル、酸素を含む材料(Ta)、ハフニウム、酸素を含む材料(HfO)から選ばれる材料とし、前記中屈折率層が、珪素、酸素を含む材料(SiO)ととする(構成5)。
【0007】
本発明において、透明基板は、使用する波長領域において高い透過率を有する材料であれば良く、液晶パネルや固体撮像素子は可視領域で使用するため、一般にガラスが用いられる。ガラスは、液晶パネル用防塵用基板や、固体撮像素子用カバーガラスなどで求められる所望の光学特性を満足するためには、屈折率が1.46〜1.53とすることが好ましい(構成6)。例えば、液晶パネル用防塵用基板では、石英ガラス、ガラスセラミックス、無アルカリガラスなどが、固体撮像素子用カバーガラスでは、ガラスセラミックス、無アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、近赤外吸収ガラスなどが使用される。
液晶パネル用防塵用基板の場合は、液晶パネルに使用する対向基板として石英ガラスが用いられることが一般的で、その場合、対向基板と同じ材料である石英ガラス、又は熱膨張係数が小さいガラスセラミックスが好ましい。平均熱膨張係数が−5×10−7/℃〜+5×10−7/℃のガラスセラミックスとしては、β−石英系固溶体を含む結晶相を有するガラスセラミックスが挙げられる。例えば、SiOが55〜70モル%、Alが13〜23モル%、アルカリ金属酸化物が11〜21モル%(但し、LiOが10〜20モル%で、NaOとKOの合計量が0.1〜3モル%)、TiOが0.1〜4モル%及びZrOが0.1〜2モル%含むと共に、前記各成分の合計含有量が95モル%以上であって、BaOが0〜0.2モル%未満、Pが0〜0.1モル%未満、Bが0〜0.3モル%未満、SnOが0〜0.1モル%未満のガラス組成を有するガラスセラミックス用母材ガラスに熱処理を施し、β−石英系固溶体を含む結晶相を析出させたガラスセラミックスが挙げられる。
固体撮像素子用カバーガラスの場合は、カバーガラスから放出されるα線により発生するソフトエラーを防止するために、U(ウラン)やTh(トリウム)などの放射線同位元素の量を低減したガラス材料が好ましく、UやThの含有量が共に5ppb以下であるホウ珪酸ガラスが好ましい。ホウ珪酸ガラスとしては、例えば、SiOが50〜78モル%、Bが5〜25モル%、Alが0〜8モル%、LiOが0〜5モル%、NaOが0〜18モル%及びKOが0〜20モル%(但し、LiO+NaO+KOが5〜20モル%)含有し、上記成分の含有量が少なくとも80モル%以上のガラス組成を有するものが挙げられる。
また、反射防止膜が形成される側のガラス基板表面の表面粗さは、中心線平均粗さRaで0.5nm以下にする(構成7)ことにより、上述の光学特性(反射率、透過率)をさらに向上させることができる。
ガラス基板表面に形成する珪素、錫、酸素を含む材料(SiSn)は、上述に挙げた酸化物に比べてスパッタリングの成膜レートが速い。そのため、形成された膜の表面粗さは大きくなる傾向にある。従って、ガラス基板表面の表面粗さが大きい(中心線平均粗さRaが0.5nmを超える)場合、珪素、錫、酸素を含む材料(SiSn)の酸化物膜の表面粗さが増長され、結果的に反射防止膜の表面粗さが大きくなるので、光学特性が劣化する。
ガラス基板は、平均粒径が1μm以下の酸化セリウム、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカなどの研磨剤を使って精密研磨することにより、中心線平均粗さRaを0.5nm以下にすることができる。
ガラス基板の中心線平均粗さRaは、好ましくは、0.3mm以下、さらに好ましくは、0.15mm以下とすることが望ましい。
また、高屈折率層と低屈折率層との間に、透明導電膜を形成する(構成8)ことにより、導電性を有する反射防止膜付き基板とすることができる。透明導電膜としては、インジウム・錫酸化物(ITO)(屈折率:2.05)やインジウム・セリウム酸化物(屈折率:2.05〜2,30(酸化セリウムの含有量により変化))等を使用することができる。これらの透明導電膜はスパッタリング法により形成することができ、ターゲットとしては、In−SnOやIn−CeO等を使用することができる。
【0008】
【実施例】
(実施例1)
図1は本発明の液晶パネル用防塵基板を説明するための図であり、図2は本発明の反射防止膜付き基板(液晶パネル用防塵基板、固体撮像素子用カバーガラス)を製造するためのインライン型スパッタリング装置を説明するための図である。
以下、図1、図2を用いて本発明の液晶パネル用防塵基板及びその製造方法を説明する。
本実施例において、図1に示すように液晶パネル用防塵基板は、中心線平均粗さRaで0.5nm以下(原子間力顕微鏡(AFM)で測定)に精密研磨された石英ガラス(屈折率n=1.46)からなる透明基板1上に、珪素、錫、酸素を含む材料からなる中屈折率層2(SiSn)、酸化チタンからなる高屈折率層3(TiO)、酸化珪素からなる低屈折率層4(SiO)を順次積層されて構成される。中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の屈折率と膜厚は、中屈折率層が屈折率nm=1.7、膜厚dm=77nm、高屈折率層が屈折率nh=2.4、膜厚dh=110nm、低屈折率層が屈折率nl=1.46、膜厚dl=90nmである。
次に、本実施例の液晶パネル用防塵基板の製造方法を、図2を用いて説明する。予め研削、研磨加工を施した大きさ200mm×200mm、厚さ1.1mm、中心線平均粗さRaが0.5nm以下(原子間力顕微鏡(AFM)で測定)の石英ガラス基板1を基板ホルダ(パレット)5に装着し、図2に示すインライン型DCマグネトロンスパッタリング装置6の仕込室7にパレット5を導入した後、仕込室内を大気状態からスパッタ室(真空チャンバー)8の真空度と同等になるまで真空排気する。その後、仕切板9を開放してパレットを真空チヤンバー内に導入する。パレットを所定の搬送速度で移動させ、パレットの搬送方向に沿って配置された放電状態にある中屈折率層用ターゲット10、高屈折率層用ターゲット11、低屈折率層用ターゲット12を通過させる。尚、各ターゲットの材料は、中屈折率層用ターゲット10:Si−Sn(Si:50at%、Sn:50at%)、高屈折率層用ターゲット11:TiO2−X、低屈折率層用ターゲット12:Si−SiCとした。これらのターゲットはパレットの搬送方向に向かってこの順で配置されており、この配置されたターゲットの順番通りに石英ガラスの表面上に、中屈折率層(SiSn、屈折率1.7、膜厚77nm)、高屈折率層(TiO、屈折率2.4、膜厚110nm)、低屈折率層(SiO、屈折率1.46、膜厚90nm)の順で積層される。次に、予め真空チャンバーとほば同じ真空度に真空排気された取出室13側の仕切板14を開放してパレットを取出室13に搬送する。尚、成膜は真空チャンバー内の雰囲気を、アルゴンガスと酸素ガスの混合ガス雰囲気として行った。
このようにして、石英ガラス基板1上に中屈折率層2、高屈折率層3、低屈折率層4からなる反射防止膜が形成された反射防止膜付き石英ガラス基板を得る。
次に、この基板を、大きさ25mm×18mmに切断して本実施例の液晶パネル用防塵基板を得た。
この得られた液晶パネル用防塵基板の可視領域(430〜650nm)における透過率と反射率を測定したところ、透過率は96%以上(反射防止膜とガラス基板による透過率)(尚、反射防止膜の透過率は99.6%以上)、反射率は0.4%以下(反射防止膜面側の片面の反射率)と光学的特性は良好であり、反射防止膜中に大きさが10μm以上の欠陥(異物やピンホールなど)は発見されなかった。
また、得られた液晶パネル用防塵基板について膜付着力を評価するため、プレッシャークッカー試験(1.2気圧、120℃、1000時間の環境下に放置)を行った。その結果、プレッシャークッカー試駿後での膜剥れは認められなった。これは、反射防止膜の各層間に不要な酸化膜が形成されずに反射防止膜が形成されたからと考えられる。
【0009】
(参考例)
3台の静止対向型のスパッタリング装置を用意し、それぞれのスパッタリング装置に、中屈折率層用ターゲット(Si−Sn(Si:50at%、Sn:50at%))、高屈折率層用ターゲット(TiO2−X)、低屈折率層用ターゲット(SiO)をセットし、石英ガラス基板上に順に、中屈折率層(SiSn、屈折率1.7、膜厚77nm)、高屈折率層(TiO、屈折率2.4、膜厚110nm)、低屈折率層(SiO、屈折率1.46、膜厚90nm)を成膜した。尚、成膜は真空チャンバー内の雰囲気を、アルゴンガスと酸素ガスの混合ガス雰囲気とし、中屈折率層及び高屈折率層は直流(DC)スパッタで、低屈折率層は高周波(RF)スパッタでスパッタリングした。また、石英ガラス基板の各スパッタリング装置間の移動は大気中で搬送した。
この得られた液晶パネル用防塵基板の可視領域(430〜650nm)における透過率と反射率を測定したところ、透過率は95%以上(反射防止膜とガラス基板による透過率)(尚、反射防止膜の透過率は99.5%以上)、反射率は0.5%以下(反射防止膜面側の片面の反射率)と光学的特性は良好であり、反射防止膜中に大きさが10μm以上の欠陥(異物やピンホールなど)は発見されなかった。
また、得られた液晶パネル用防塵基板についてプレッシャークッカー試験(1.2気圧、120℃、1000時間の環境下に放置)を行った。その結果、プレッシャークッカー試駿後での膜剥れが発生したサンプルもあった。これは、反射防止膜の各層を成膜する間に基板を大気中に一旦出したため、各層間に不要な酸化膜が形成されたからと考えられる。
上述の実施例1、2の結果から、反射防止膜の膜付着力を良好にするには、反射防止膜は、インライン型スパッタリング装置によって連続的に成膜する方が良いことがわかる。
【0010】
(実施例2〜3)
上述の実施例1において、高屈折率用ターゲット11をNb5−X(実施例2)、Ta(実施例3)とし、さらに、形成される高屈折率層の屈折率に合わせて中屈折率層用ターゲット10の材料におけるSi、Snの比率を適宜変化させて各層を形成した以外は実施例1と同様にして液晶パネル用防塵基板を作製した。尚、実施例3、4の液晶パネル用防塵基板の膜構成は、石英ガラス/中屈折率層(SiSn、屈折率1.69、膜厚77nm)/高屈折率層(Nb、屈折率2.35、膜厚111nm)/低屈折率層(SiO、屈折率1.46、膜厚89nm)(実施例2)、石英ガラス/中屈折率層(SiSn、屈折率1.65、膜厚79nm)/高屈折率層(Ta、屈折率2.15、膜厚121nm)/低屈折率層(SiO、屈折率1.46、膜厚89nm)(実施例3)とした。
この得られた液晶パネル用防塵基板の可視領域(430nm〜650nm)における透過率と反射率を測定したところ、透過率は96%以上(反射防止膜とガラス基板による透過率)(尚、反射防止膜の透過率は99.6%以上)、反射率は0.4%以下(反射防止膜面側の片面の反射率)と光学的特性は良好であり、反射防止膜中に大尊書が1m以上の欠陥(異物やピンホールなど)は発見されなかった。
また、得られた液晶パネル用防塵基板について膜付着力を評価するため、プレッシャークッカー試験(1.2気圧、120℃、1000時間の環境下に放置)を行った。その結果、プレッシャークッカー試験後での膜剥れは認められなかった。これは、反射防止膜の各層間に不要な酸化膜が形成されずに形成されたからと考えられる。
【0011】
(実施例4)
上述の実施例2において、各中屈折率層用ターゲット、高屈折率層用ターゲット、低屈折率層用ターゲットをそれぞれ2枚ずつ配置した以外は、実施例2と同様の膜構成からなる液晶パネル用防塵基板を作製した。尚、このときの成膜条件は、実施例2と比べてスパッタパワーは半分、酸素濃度で2〜10%低減した状態で反射防止膜を成膜することができた。
その結果、得られた液晶パネル用防塵基板の可視領域(430nm〜650nm)における透過率と反射率は、実施例2と同じ結果で光学的特性は良好であり、反射防止膜中における大きさが10μm以上の欠陥(異物やピンホールなど)も発見されなかった。また、膜付着力も同様の試験にて評価したところ、膜剥れは認められなかった。
尚、実施例2と実務例4の10μm以下(約1μm〜10μm)の欠陥の個数を調べたところ、実施例4は実施例2に比べて欠陥の個数が75%低減した。
【0012】
(比較例1)
実施例1における反射防止膜を、真空蒸着法により石英ガラス基板側から、酸化アルミニウム膜(Al)、酸化ジルコニウム膜(ZrO)、弗化マグネシウム膜(MgF)を形成して、液晶パネル用防塵基板を作製した。尚、酸化アルミニウム膜の膜厚は83nm、酸化ジルコニウム膜の膜厚は132nm、弗化マグネシウム膜の膜厚は98nmとした。
この得られた液晶パネル用防塵基板に形成された反射防止膜を確認したところ、反射防止膜中に真空蒸着特有の大ききが10μm以上の異物やピンホールが多数確認され、また、可視領域(430〜650nm)における透過率と反射率を測定したところ、透過率は94%程度(反射防止膜とガラス基板による透過率)(尚、反射防止膜の透過率は99.4%程度)、反射率は0.6%程度(反射防止膜面側の片面の反射率)のサンプルがあり、液晶パネル用防塵基板の光学特性を満足しないものがあった。
また、得られた液晶パネル用防塵基板についてプレッシャークッカー試験(1.2気圧、120℃、1000時間の環境下に放置)を行った。その結果、プレッシャークッカー試験後での膜剥れが発生したサンプルもあった。
【0013】
(投影型液晶プロジェクター用液晶パネルの作製例)
以下に、上記で作製した本実施例の防塵基板と、別途作製した液晶パネル用対向基板等とを組み立てて、投影型液晶プロジェクター用液晶パネルを作製する例について説明する。
一般に、液晶用表示装置に用いられる液晶パネルは、液晶層と、液晶層を挟んで互いに対向して設けられ、液晶層を保持・駆動するための、駆動基板及び対向基板を有している。駆動基板は、基板と、基板上に設けられた画素電極と画素電極に接続されたスイッチング素子を有している。一方、対向基板は、透光性基板と、この透光性基板上の画素電極と対向する位置に設けられた対向電極を備えている。液晶層は、これらの駆動基板、対向基板の間に配向膜を介して保持され、画素電極と対向電極との間に印加される電圧により駆動される。
【0014】
ここで、対向基板側から入射した光は、前記画素電極及び対向電極により制御される液晶層の配向によって、各画素ごとに透過率が制御され、所定の画像を形成する。更に、上述した液晶パネルにおいては、放熱の目的及び液晶パネルに塵などが付着した場合の画質劣化を防止するために、駆動基板と対向基板のうち少なくとも1つの外側に、防塵基板として、所定の厚さの透光性基板が接合される場合がある。
本液晶パネルの作製例では、駆動基板と対向基板の双方の外側に、防塵基板として、上記実施例で作製した防塵基板を用いた。
図3は、防塵基板を備えた液晶パネルの構造の1例を示す模式図であって、本作製例においては、液晶パネル100の対向基板20と駆動基板30の双方の外側に、防塵基板40a、40bを接合した。
【0015】
まず、対向基板20について説明する。
対向基板20は、透光性基板21上に対向電極23が設けられた構造をしている。また、必要に応じて、駆動基板30に形成されたスイッチング素子33に入射光が入射するのを防止するための遮光層22が駆動基板のスイッチング素子33に対向する位置にマトリックス状に設けられる。
この遮光層22は、通常、入射光を遮光する材料であれば良い。遮光層としては、遮光層が吸収する熱によって液晶パネルの誤作動を防止するために、光の入射側は高反射率膜であることが好ましい。さらに、液晶層内の迷光を防止するために、駆動基板側は低反射率膜であることが好ましい。より好ましくは、遮光層22は、光の入射側に高反射率膜、駆動基板側に低反射率膜を積層した積層膜とすることが望ましい。この遮光層は、公知のフォトリソグラフィー法等により、透光性基板21上に形成することができる。
透光性基板21上の対向電極23は、駆動基板30の画素電極32と共に、液晶層50の配向を制御する。この対向電極23は入射光に対して透明でかつ導電性を有する材料、例えば透明導電膜で形成される。可視光に対して透明でかつ導電性を有する材料としてはITO膜が挙げられ、これらの透明導電膜は公知の方法にて形成される。
なお、入射光を有効に画素領域に入射させるため、対向基板20の光入射側の面に、マイクロレンズアレイが形成された基板を用いてもよい。この場合、マイクロレンズアレイが形成された基板と、防塵基板とは、接着剤(熱硬化樹脂等)で接合される。
また、必要に応じて、対向基板にカラーフィルタを設けてもよく、この場合カラー表示が可能となる。
【0016】
次に、防塵基板40a,40bについて説明する。
防塵基板40a,40bは、放熱、及び対向基坂20や駆動基板30に付着した塵などによる画質の抵下を防止するため、対向基板20あるいは駆動基板30の外側に接合される。この防塵基板40a,40bは、透明基板41a,41b上に、それぞれ、上記実施例1〜4で作製した、中屈折率層(SiSn)、酸化ニオブからなる高屈折率層(Nb)や酸化タンタルからなる高屈折率層(Ta)、酸化珪素からなる低屈折率層(SiO)を順次積層されて構成される反射防止膜42a,42bが設けられた構造をしている。
なお、防塵基板40a,40bは、対向基板20及び駆動基板30のいずれか一方の外側に設けることもできる。
また、駆動基板30のスイッチング素子を駆動する配線への光の入射を防止するため、防塵基板の外周部に所定の幅の遮光膜を設けることができる。
【0017】
なお、本発明の液晶パネル用防塵基板は、反射型プロジェクタ等、反射型の液晶パネルにも使用することができる。
【0018】
また、上記実施例1〜4では、防塵基板用の透明基板として石英ガラス基板を用いたが、図3に示す透明基板41a,41bとして、石英ガラス基板の代替材料として各種特性に優れるガラスセラミックスを使用することができる。
このような、ガラスセラミックスとしては、β−石英系固溶体を含む結晶相を有するガラスセラミックスが挙げられる。例えば、SiOが55〜70モル%、Alが13〜23モル%、アルカリ金属酸化物が11〜21モル%(但し、LiOが10〜20モル%で、NaOとKOの合計量が0.1〜3モル%)、TiOが0.1〜4モル%及びZrOが0.1〜2モル%含むと共に、前記各成分の合計含有量が95モル%以上であって、BaOが0〜0.2モル%未満、Pが0〜0.1モル%未満、Bが0〜0.3モル%未満、SnOが0〜0.1モル%未満のガラス組成を有するガラスセラミックス用母材ガラスに熱処理を施し、β−石英系固溶体を含む結晶相を析出させたガラスセラミックスが挙げられる。
このガラスセラミックスは、可視光領域における高い分光透過率(透明性)、低熱膨張特性を備えた、比重が小さく軽量なガラスセラミックス(比重が2.2以上2.5未満)であるので、高価な石英ガラスの代替材料として使用することができる。分光透過率(透明性)に関しては、厚さ5mmに換算して、400〜750nmにおける分光透過率が70%以上、及び/又は、厚さ1.1mmに換算して400〜750nmにおける分光透過率が85%以上である。また、熱膨張率が小さい(具体的には30〜300℃の範囲の温度における平均熱膨張係数が−5×10−7/℃〜+5×10−7/℃)ので、耐熱衝撃性に優れる。また、軽量であるので、液晶パネルの軽量化に有利である上、ガラスセラミックス自体の生産性がよいため、低コストで得られる。従って、液晶プロジェクター用防塵基板材料として好適に用いられる。このガラスセラミックス基板は、他のガラスセラミックス基板と比較し、紫外線硬化に有用な365nm付近での透過率に優れているため、紫外線硬化樹脂による接合が可能である。
また、上記ガラスセラミックス用母材ガラスは、溶融温度が比較的低いので、一般的な光学ガラスの溶融炉を用いて極めて均質性の良い母材ガラスを得ることができるとともに、着色し難い組成に加えてガラス溶融中に容器や耐火物から着色の原因となる不純物が混入しにくいので、可視光領域における高い分光透過率、低熱膨張特性、低い比重のガラスセラミックスを比較的短時間の結晶化処理によって作製することができる。
上記ガラスセラミックス基板は、図3で説明した液晶パネルにおける対向基板20としても好適に使用できる。
【0019】
(実施例5)
図4は本発明の固体撮像素子用カバーガラスを説明するための図である。
以下、図4、図2を用いて本発明の固体撮像素子用カバーガラス及びその製造方法を説明する。
本実施例において、図4に示すように固体撮像素子用カバーガラスは、中心線平均粗さRaで0.5mm以下(原子間力顕微鏡(AFM)で測定)に精密研磨されたホウ珪酸ガラス(屈折率n=1.51)からなる透明基板1上に、珪素、錫、酸素を含む材料からなる中屈折率層2(SiSn)、酸化ニオブからなる高屈折率層3(Nb)、酸化珪素からなる低屈折率層4(SiO)を順次積層されてなる。中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の屈折率と膜厚は、中屈折率層が屈折率nm=1.7、膜厚dm=76nm、高屈折率層が屈折率nh=2.35、膜厚dh=111nm、低屈折率層が屈折率ml=1.46、膜厚dl=89nmである。
次に、本実施例の固体撮像素子用カバーガラスの製造方法を、図2を用いて説明する。予め研削、研磨加工を施した大きさ90mm×90mm、厚さ0.5mm、中心線平均粗さRaが0.5nm以下(原子間力顕微鏡(AFM)で測定)の透明基板1を基破ホルダ(パレット)5に装着し、図2に示すインライン型DCマグネトロンスバッタリング装置6の仕込室7にパレット5を導入した後、仕込室内を大気状態からスパッタ室(真空チャンバー)8の真空度と同等になるまで真空排気する。その後、仕切板9を開放してパレットを真空チャンバー内に導入する。パレットを所定の搬送速度で移動させ、パレットの搬送方向に沿って配置された放電状態にある中屈折率層用ターゲット10、高屈折率層用ターゲット11、低屈折率層用ターゲット12を通過させる。尚、各ターゲットの材料は、中屈折率層用ターゲット10:Si−Sn(Si:50at%、Sn:50at%)、高屈折率用ターゲット11:Nb5−X、低屈折率層用ターゲット12:Si−SiCとした。これらのターゲットはパレットの搬送方向に向かってこの順で配置されており、この配置されたターゲットの順番通りに透明基板の表面上に、中屈折率層(SiSn、屈折率1.7、膜厚77nm)、高屈折率層(Nb、屈折率2.35、膜厚111nm)、低屈折率層(SiO、屈折率1.46、膜厚89nm)の順で積層される。次に、予め真空チャンバーとほぼ同じ真空度に真空排気された取出室13側の仕切板14を開放してパレットを取出室13に搬送する。尚、成膜は真空チャンバー内の雰囲気を、アルゴンガスと酸素ガスの混合ガス雰囲気として行った。
このようにして、透明基板1上に中屈折率層2、高屈折率層3、低屈折率層4からなる反射防止膜が形成された反射防止膜付き透明基板を得る。
次に、この基板を、大きさ6.5mm×5.6mmに切断して本実施例の固体撮像素子用カバーガラスを得た。
この得られた固体撮像素子用カバーガラスの可視領域(430〜630nm)における透過率を測定したところ、透過率は99%以上(反射防止膜及びガラス基板の透過率)、反射率は1%(反射防止膜及びガラス基板の両面の反射率)と光学的特性は良好であり、異物やピンホールは発見されなかった。
また、得られた固体撮像素子用カバーガラスについて膜付着力を評価するため、プレッシャークッカー試験(1.2気圧、120℃、1000時間の環境下に放置)を行った。その結果、プレッシャークッカー試験後での膜剥れは認められなかった。これは、反射防止膜の各層間に不要な酸化膜が形成されずに形成されたからと考えられる。
(カバーガラスを使用した固体撮像装置の例)
以下に、上記で作製した本実施例のカバーガラスを使用した固体撮像装置の例について説明する。
図5は、カバーガラスを使用した固体撮像装置の断面図である。ベースプレート61の上には、フレーム部材62とチップ63が搭載されている。そして、フレーム部材62の上には、リード64a、64b、フレーム部材66、及びカバーガラス67の順で接着されている。チップ63の両側のリード64a、64bは、チップ63の電極端子とボンディングワイヤ65a、65bで結線されている。
本実施例のカバーガラスは、反射防止膜が形成されているので、カバーガラス本来のチップを保護する効果に加え、受光面へ効率的に光を導入することができるという効果も有する。
【0020】
(実施例6)
次に、導電性を有する反射防止膜付き基板について説明する。導電性を有する反射防止膜付き基板は、中心線平均粗さRaで0.5nm以下(原子間力顕微鏡(AFM)で測定)に精密研磨された石英ガラス(屈折率n=1.46)からなる透明基板1上に、珪素、錫、酸素を含む材料からなる中屈折率層(SiSn)、酸化ニオブからなる高屈折率層(Nb)、インジウム・錫酸化物からなる透明導電膜(ITO)、酸化珪素からなる低屈折率層(SiO)を順次積層されて構成される。中屈折率層、高屈折率層、透明導電膜、低屈折率層の屈折率と膜厚は、中屈折率層が屈折率nm=1.7、膜厚dm=100nm、高屈折率層が屈折率nh=2.35、膜厚dh=80nm、透明導電膜が屈折率nt=2.1、膜厚dt=30nm、低屈折率層が屈折率ml=1.46、膜厚dl=100nmである。
導電性を有する反射防止膜付き基板は、インライン型スパッタリング装置に、中屈折率層用ターゲット:Si−Sn(Si:50at%、Sn:50at%)、高層折率層用ターゲット:Nb5−X、透明導電膜用ターゲット:In−SnO、低屈折率層用ターゲット:Si−SiCをパレットの搬送力向に向かってこの順に配置し、アルゴンガスと酸素ガスの混合ガス雰囲気で成膜した。
その結果、この得られた導電性を有する反射防止膜付き基板の可視領域(430〜650nm)における反射率を測定したところ、0.6%以下(反射防止膜面側の片面の反射率)と光学的特性は良好であり、さらに、抵抗値は100〜200Ω/inchと良好であった。
また、反射防止膜中における異物やピンホールも発見されず、上述と同様の膜付着力評価でも膜剥れは認められなかった。
尚、この導電性を有する反射防止膜付き基板は、その後、所定の大きさに切断して計測器等に使用する反射防止膜付き基板に適用することができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、厳しい環境下においても膜剥れのない膜付着力が良好な反射防止膜付き基板を提供することができる。
また、さらに上述の特性に加え、液晶パネル用防塵用基板や、固体撮像素子用カバーガラスなどに使用する反射防止膜付き基板に関し、それらの各用途で求められる所望の光学特性を満足する反射防止膜付き基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶パネル用防塵基板を説明するための模式図である。
【図2】本発明の液晶パネル用防塵基板を製造するためのインライン型スパッタリング装置を説明するための模式図である。
【図3】防塵基板を備えた液晶パネルの構造の1例を示す模式図である。
【図4】本発明の固体撮像素子用カバーガラスを説明するための図である。
【図5】本発明の固体撮像素子用カバーガラスを備えた固体撮像装置の構造を説明するための図である。
【図6】防塵基板の作用を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1  透明基板
2  中屈折率層
3  高屈折率層
4  低屈折率層
41a 防塵基板
41b  防塵基板
42a 反射防止膜
42b  反射防止膜
100 液晶パネル

Claims (11)

  1. 透明基板上に反射防止膜が形成された反射防止膜付き基板の製造方法であって、前記反射防止膜は、透明基板側から珪素、錫、酸素を含む材料からなる中屈折率層と、チタン、ニオブ、タンタル、ハフニウムから選ばれる1種の元素と酸素を含む材料からなる高屈折率層と、珪素、酸素を含む材料からなる低屈折率層とを有する積層膜であり、該反射防止膜は、インライン型スパッタリング装置にて連続的に成膜することを特徴とする反射防止膜付き基板の製造方法。
  2. 前記反射防止膜は、不活性ガス雰囲気、又は不活性ガスと酸素ガスを含む混合ガス雰囲気中で、スパッタリング法、又は反応性スパッタリング法によって形成され、前記中屈折率層は、珪素と錫を含む材料をターゲットとし、前記高屈折率層は、チタン、ニオブ、タンタル、ハフニウムから選ばれる1種の元素を含む材料をターゲットとし、前記低屈折率層は、珪素を含む材料をターゲットとしてそれぞれ成膜することを特徴とする請求項1記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
  3. 前記各層は、複数枚のターゲットを使用して成膜することを特徴とする請求項2記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
  4. 前記中屈折率層は、屈折率が1.6〜1.8、幾何学的膜厚が60〜90nm、前記高屈折率層は、屈折率が2.1〜2.8、幾何学的膜厚が90〜130nm、前記低屈折率層は、屈折率が1.4〜1.46、幾何学的膜厚が80〜100nm、であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
  5. 前記中屈折率層が、SiSn、前記高屈折率層が、TiO、Nb、Ta、HfOから選ばれる材料、前記低屈折率層が、SiO、であることを特徴とする請求項4記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
  6. 前記透明基板は、屈折率が1.46〜1.53のガラス基板であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
  7. 前記反射防止膜が形成される側のガラス基板表面の表面粗さは、中心線平均粗さRaで0.5nm以下であることを特徴とする請求項6記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
  8. 前記高屈折率層と前記低屈折率層との間に、透明導電膜を形成することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
  9. 前記反射防止膜付き基板は、液晶パネル用防塵基板であることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
  10. 前記液晶パネルは、投射型液晶プロジェクター用液晶パネルであることを特徴とする請求項9記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
  11. 前記反射防止膜付き基板は、固体撮像素子用カバーガラスであることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の反射防止膜付き基板の製造方法。
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