JP2002356350A - ガラスセラミックス、ガラスセラミックス基板、液晶パネル用対向基板および液晶パネル用防塵基板 - Google Patents
ガラスセラミックス、ガラスセラミックス基板、液晶パネル用対向基板および液晶パネル用防塵基板Info
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Abstract
低比重などの特性を有するガラスセラミックスおよびガ
ラスセラミックス基板を提供する。 【解決手段】 SiO2 55〜70モル%、Al2O3
13〜23モル%、アルカリ金属酸化物11〜21モ
ル%(ただし、Li2O 10〜20モル%で、Na2O
とK2Oの合計量0.1〜3モル%)、TiO2 0.1
〜4モル%およびZrO2 0.1〜2モル%を含むと
共に、前記各成分の合計含有量が95モル%以上であっ
て、BaO 0〜0.2モル%未満、P2O5 0〜0.
1モル%未満、B2O3 0〜0.3モル%未満、SnO
2 0〜0.1モル%未満のガラスセラミックス用母材
ガラスに熱処理を施し、β−石英系固溶体を含む結晶相
を析出させたガラスセラミックス、およびそれからなる
ガラスセラミックス基板である。
Description
ス、ガラスセラミックス基板、液晶パネル用対向基板お
よび液晶パネル用防塵基板に関する。さらに詳しくは、
本発明は、低熱膨張性、可視光領域における高透過性、
低比重などの特性を有するガラスセラミックスおよび液
晶プロジェクター用防塵基板あるいは液晶素子における
薄膜トランジスタ付基板に対向する基板(TFT対向基
板)などとして好適に用いられる、上記ガラスセラミッ
クスからなるガラスセラミックス基板、並びに該ガラス
セラミックス基板を用いてなる液晶パネル用の対向基板
と防塵基板に関するものである。
ラスセラミックスは、低膨張特性を有するガラスとして
広く知られている。例えば、特公昭47−5558号公
報には室温付近の熱膨張係数が±0.2×10-7/℃で
あるガラスセラミックスが記載されている。大型天体望
遠鏡の反射鏡やレーザージャイロスコープ、原器や定
盤、耐熱調理器具などの用途に用いられている。
なくても黄色ないし褐色に着色しており、一般的なガラ
スに比べて透過率が悪いために、石英ガラスの代替用途
には透過率が障害となることが多かった。
ジェクターが市販されている。この液晶プロジェクター
の心臓部は石英基板で作られた液晶パネルであるが、液
晶パネル表面に異物が付着した際にそれが投影されない
よう、デフォーカスのための防塵ガラスが液晶パネルの
両側に接着されている。本来この防塵ガラスには液晶基
板と同じ石英を用いることが望ましいが、石英ガラスは
高価なため、低膨張透明ガラスセラミックスを使用する
ものもある。同様に液晶パネルを構成する2枚のガラス
のうち、TFTを形成しない側の基板(対向基板とい
う)にも低膨張透明ガラスセラミックスを使用するもの
もある。しかしながら、前述のように、従来の低膨張透
明ガラスセラミックスは石英ガラスに比べて短波長域の
透過率が著しく悪いため、液晶プロジェクターの画質性
能を低下させてしまう。特に400nm付近の透過率が
低く、肉眼ではガラスが黄色あるいは褐色に見える。そ
のため投影画像もそのガラスの着色の影響を受けるのを
免れなかった。
防塵ガラスの接着に紫外線硬化樹脂を使えなかった。そ
のため熱硬化樹脂を使用して接着していることが多い
が、熱硬化は処理に時間がかかるため生産性に問題があ
った。さらにこの種の低膨張透明ガラスセラミックスは
溶融ガラスの粘度が高く、溶融ガラスの対流が起こりに
くいので均質なガラスを得ることが難しい。しかも溶融
温度が高いため溶融製造装置の制約が大きく、超高温溶
融炉が必要となり製造コストが高くなるという欠点があ
った。
晶化処理に時間がかかり、生産性が低いという問題もあ
った。前述の特公昭47−5558号公報記載のガラス
セラミックスの実施例では昇温速度が8℃/時間で保持
時間が4〜100時間とされている。例えば、800℃
で24時間保持する実施例の場合、冷却開始までに32
時間要する。
クスの比重は2.5以上のものが多い。液晶ディスプレ
イを始め、透明ガラスセラミックスの用途では比重は重
要なファクターとなる。石英ガラスの比重は2.2であ
るため、石英ガラス代替のためには比重の大きさが障害
となることもある。このような事情から、低膨張透明ガ
ラスセラミックスの透過率や溶融性を改善しようという
試みが、これまで種々なされている。
開平2−293345号公報にはTiO2を含有しない
ガラスセラミックスが記載されている。不純物であるF
eイオンなどが共存するとガラスセラミックスを著しく
着色するとされているTiイオンを含有しないことで着
色を抑える試みである。このガラスセラミックスにおい
ては、TiO2はガラスセラミックスの核形成成分であ
るのでZrO2に置き換えているが、本来ZrO2はガラ
スに溶けにくい成分であるため、溶け残りやすく均質な
ガラスが得にくく、溶融に1600℃程度の高温が必要
である。
6重量%含有し、かつ実質的にNa2OとK2Oを含まな
い低膨張透明ガラスセラミックスが記載されている。し
かしながら、このガラスセラミックスは、Na2OとK2
Oを含有しない上、Li2Oの含有量も6重量%以下で
あるため、溶融粘度が高く、均質化に時間がかかる。さ
らに結晶化速度を抑制する成分であるNa2OとK2Oを
含有しないため、ガラスの結晶化速度が大きくなり、結
晶化中のガラスにクラックが発生しやすい。したがっ
て、それを防ぐためには結晶化が急激に起こらないよ
う、昇温速度を非常に遅くするか、比較的低温で長時間
保持するなどの処理が必要である。例えば、この実施例
では核形成温度と結晶成長温度でそれぞれ10時間ずつ
保持している。どちらにせよ、結晶化処理に時間がかか
り、生産性が低下しやすい。また透明性も従来品よりは
向上しているが、未だ400nm付近およびそれ以下の
透過率が低く黄色みを帯びている。したがってディスプ
レイ用途には不向きである。
事情のもとで、容易に溶融可能であって、短時間の結晶
化処理により、低熱膨張性、可視光領域における高透過
性、低比重などの特性を有するガラスセラミックスおよ
びこのガラスセラミックスからなるガラスセラミックス
基板、並びに該ガラスセラミックス基板を用いてなる液
晶パネル用の対向基板と防塵基板を提供することを目的
とするものである。
達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を有
するガラスセラミックス用母材ガラスを熱処理し、β−
石英系固溶体を含む結晶相を析出させてなるガラスセラ
ミックス、β−石英系固有体を含む結晶相を有し、かつ
特定の物性を有するガラスセラミックスが、その目的に
適合し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。
5〜70モル%、Al2O3 13〜23モル%、アルカ
リ金属酸化物11〜21モル%(ただし、Li2O 1
0〜20モル%で、Na2OとK2Oの合計量0.1〜3
モル%)、TiO2 0.1〜4モル%およびZrO
20.1〜2モル%を含むと共に、前記各成分の合計含
有量が95モル%以上であって、BaO 0〜0.2モ
ル%未満、P2O5 0〜0.1モル%未満、B2O3 0
〜0.3モル%未満、SnO2 0〜0.1モル%未満
のガラス組成を有するガラスセラミックス用母材ガラス
に熱処理を施し、β−石英系固溶体を含む結晶相を析出
させたことを特徴とするガラスセラミックス(以下、ガ
ラスセラミックスIと称す。)、
s2O、MgO、CaO、SrO、ZnO、La2O3、
Nb2O5、Y2O3、Bi2O3、WO3、As2O3、Sb2
O3、FおよびSO3の中から選ばれる少なくとも1種の
成分を、該成分とBaO、P2O5、B2O3およびSnO
2との合計量が5モル%以下となる割合で含む第(1)
項に記載のガラスセラミックス、
O3 13〜23モル%、アルカリ金属酸化物11〜2
1モル%(ただし、Li2O 10〜20モル%で、N
a2OとK2Oの合計量0.1〜3モル%)、TiO2
0.1〜4モル%およびZrO20.1〜2モル%を含
むと共に、前記各成分の合計含有量が95モル%以上の
ガラス組成を有するガラスセラミックス用母材ガラスに
熱処理を施し、β−石英系固溶体を含む結晶相を析出さ
せ、厚さ5mmに換算して、400〜750nmにおけ
る分光透過率が70%以上であることを特徴とするガラ
スセラミックス(以下、ガラスセラミックスII−1と称
す。)、
O3 13〜23モル%、アルカリ金属酸化物11〜2
1モル%(ただし、Li2O 10〜20モル%で、N
a2OとK2Oの合計量0.1〜3モル%)、TiO2
0.1〜4モル%およびZrO20.1〜2モル%を含
むと共に、前記各成分の合計含有量が95モル%以上の
ガラス組成を有するガラスセラミックス用母材ガラスに
熱処理を施し、β−石英系固溶体を含む結晶相を析出さ
せ、厚さ1.1mmに換算して、400〜750nmに
おける分光透過率が85%以上であることを特徴とする
ガラスセラミックス(以下、ガラスセラミックスII−2
と称す。)、
が、Cs2O、MgO、CaO、SrO、BaO、Zn
O、La2O3、Nb2O5、Y2O3、Bi2O3、WO3、
P2O5、B2O3、As2O3、Sb2O3、SnO2、Fお
よびSO3の中から選ばれる少なくとも1種の成分を5
モル%以下の割合で含む第(3)項または第(4)項に
記載のガラスセラミックス、
る平均線膨張係数が−10×10-7/℃〜+10×10
-7/℃である第(1)項ないし第(5)項のいずれか1
項に記載のガラスセラミックス、(7)β−石英系固溶
体を含む結晶相を有し、かつ厚さ5mmに換算して、4
00〜750nmにおける分光透過率が70%以上であ
ること、30〜300℃の範囲の温度における平均線膨
張係数が−10×10-7/℃〜+10×10-7/℃であ
ることを特徴とするガラスセラミックス(以下、ガラス
セラミックスIII−1と称す。)、
し、かつ厚さ1.1mmに換算して、400〜750n
mにおける分光透過率が85%以上であること、30〜
300℃の範囲の温度における平均線膨張係数が−10
×10-7/℃〜+10×10-7/℃であることを特徴と
するガラスセラミックス(以下、ガラスセラミックスII
I−2と称す。)、(9)結晶相が占める体積が50%
以上である第(1)項ないし第(8)項のいずれか1項
に記載のガラスセラミックス、
が5〜100nmである第(1)項ないし第(9)項の
いずれか1項に記載のガラスセラミックス、(11)比
重が2.2以上2.5未満である第(1)項ないし第
(10)項のいずれか1項に記載のガラスセラミック
ス、(12)第(1)項ないし第(11)項のいずれか
1項に記載のガラスセラミックスからなるガラスセラミ
ックス基板、
た対向電極とを有する液晶パネル用対向基板であって、
前記透光性基板として、第(12)項に記載のガラスセ
ラミックス基板を用いたことを特徴とする液晶パネル用
対向基板、(14)液晶パネルが、(a)基板と該基板
上に設けられた画素電極と該画素電極に接続されたスイ
ッチング素子を有する駆動基板と、(b)前記駆動基板
と所定の間隔を介して対向して設置され、かつ透光性基
板と、該透光性基板上の前記画素電極と対向する位置に
対向電極を備えた対向基板と、(c)前記駆動基板と対
向基板との間に所定の間隔を保って形成され、かつ前記
画素電極と対向電極との間に印加される電圧により駆動
される液晶層とを有するものである第(13)項に記載
の液晶パネル用対向基板、
素子に対向する透光性基板上の位置に、遮光膜を有す第
(14)項に記載の液晶パネル用対向基板、(16)透
明基板と、その上に形成された反射防止膜を備えた液晶
パネル用防塵基板であって、前記透明基板として、第
(12)項に記載のガラスセラミックス基板を用いたこ
とを特徴とする液晶パネル用防塵基板、(17)透明基
板と、その上に形成された反射防止膜を備えた液晶パネ
ル用防塵基板であって、前記透明基板として、厚さ5m
mに換算して、400〜750nmにおける分光透過率
が70%以上であるガラスセラミックス基板を用いたこ
とを特徴とする液晶パネル用防塵基板、
反射防止膜を備えた液晶パネル用防塵基板であって、前
記透明基板として、厚さ1.1mmに換算して、400
〜750nmにおける分光透過率が85%以上であるガ
ラスセラミックス基板を用いたことを特徴とする液晶パ
ネル用防塵基板、(19)ガラスセラミックス基板が、
β−石英系固溶体を含む結晶相を有し、30〜300℃
の範囲の温度における平均線膨張係数が−5×10-7/
℃〜+5×10-7/℃である第(17)項または第(1
8)項に記載の液晶パネル用防塵基板、
が2.2以上2.5未満である第(17)、第(18)
項または第(19)項に記載の液晶パネル用防塵基板、
および(21)(a)基板と該基板上に設けられた画素
電極と該画素電極に接続されたスイッチング素子を有す
る駆動基板と、(b)前記駆動基板と所定の間隔を介し
て対向して設置され、かつ透光性基板と、該透光性基板
上の前記画素電極と対向する位置に対向電極を備えた対
向基板と、(c)前記駆動基板と対向基板との間に所定
の間隔を保って形成され、かつ前記画素電極と対向電極
との間に印加される電圧により駆動される液晶層とを有
する液晶パネルにおける、前記駆動基板および前記対向
基板の少なくとも一方の外側に設けられる第(16)項
ないし第(20)項のいずれか1項に記載の液晶パネル
用防塵基板、を提供するものである。
は、以下に示すガラスセラミックスI、ガラスセラミッ
クスIIおよびガラスセラミックスIIIの3つの態様があ
る。なお、ガラスセラミックIIには、ガラスセラミック
II−1とII−2が、ガラスセラミックスIIIには、ガラ
スセラミックスIII−1とIII−2がある。
O2 55〜70モル%、Al2O313〜23モル%、
アルカリ金属酸化物11〜21モル%(ただし、Li2
O10〜20モル%で、Na2OとK2Oの合計量0.1
〜3モル%)、TiO20.1〜4モル%およびZrO2
0.1〜2モル%を含むと共に、前記各成分の合計含
有量が95モル%以上であって、BaO 0〜0.2モ
ル%未満、P 2O5 0〜0.1モル%未満、B2O3 0
〜0.3モル%未満、SnO2 0〜0.1モル%未満
のガラス組成を有するガラスセラミックス用母材ガラス
に熱処理を施し、β−石英系固溶体を含む結晶相を析出
させたものであり、ガラスセラミックスIIには、SiO
2 55〜70モル%、Al2O3 13〜23モル%、
アルカリ金属酸化物11〜21モル%(ただし、Li2
O 10〜20モル%で、Na2OとK2Oの合計量0.
1〜3モル%)、TiO2 0.1〜4モル%およびZ
rO2 0.1〜2モル%を含むと共に、前記各成分の
合計含有量が95モル%以上のガラス組成を有するガラ
スセラミックス用母材ガラスに熱処理を施し、β−石英
系固溶体を含む結晶相を析出させ、厚さ5mmに換算し
て、400〜750nmにおける分光透過率が70%以
上のもの(ガラスセラミックスII−1)と、SiO2
55〜70モル%、Al2O3 13〜23モル%、アル
カリ金属酸化物11〜21モル%(ただし、Li2O
10〜20モル%で、Na2OとK2Oの合計量0.1〜
3モル%)、TiO2 0.1〜4モル%およびZrO 2
0.1〜2モル%を含むと共に、前記各成分の合計含
有量が95モル%以上のガラス組成を有するガラスセラ
ミックス用母材ガラスに熱処理を施し、β−石英系固溶
体を含む結晶相を析出させ、厚さ1.1mmに換算し
て、400〜750nmにおける分光透過率が85%以
上のもの(ガラスセラミックスII−2)とがあり、ガラ
スセラミックスIIIには、β−石英系固溶体を含む結晶
相を有し、かつ厚さ5mmに換算して、400〜750
nmにおける分光透過率が70%以上であって、30〜
300℃の範囲の温度における平均線膨張係数が−10
×10-7/℃〜+10×10-7/℃のもの(ガラスセラ
ミックスIII−1)と、β−石英系固溶体を含む結晶相
を有し、かつ厚さ1.1mmに換算して、400〜75
0nmにおける分光透過率が85%以上であって、30
〜300℃の範囲の温度における平均線膨張係数が−1
0×10-7/℃〜+10×10-7/℃のもの(ガラスセ
ラミックスIII−2)がある。
いて説明する。該ガラスセラミックスIおよびIIに用い
られるガラスセラミックス用母材ガラスの特徴は、Li
2O、Na2O、K2Oなどのアルカリ金属成分を従来の
低膨張透明ガラスセラミックスより多く含むことであ
る。これによって、ガラスの溶融粘度を低下させ均質
なガラスセラミックスが容易に得られるようになる、
溶融温度を下げることができるので溶融装置の制約が小
さくなる、溶融温度が低いのでガラス溶融中に容器や
耐火物から不純物が混入しにくくガラスセラミックスの
着色を低く抑えられる、結晶化時間を短縮しても結晶
化時にクラックが発生しないため製造コストも安くでき
る、ガラスセラミックスの比重を軽くできるなどのメ
リットがある。
を含有すると析出結晶が大きくなり、ガラスセラミック
スの透明性が著しく損なわれるとされてきた(特許25
16537号など)。本発明者はLi2Oを多く含有し
ても他の成分で結晶析出をコントロールすることで、結
晶の粗大化を防ぐことができることを見いだした。
モル%以上含有することで、ガラスの溶融粘度を下げ、
溶融ガラスの対流を促進し均質性を向上させるととも
に、溶融温度を低下させ、ガラス溶解容器からの異物混
入による着色も防止できることを見いだした。それと同
時に比重も軽くできる。
多く含有することも特徴である。従来の透明ガラスセラ
ミックスでは熱膨張係数を大きくするこれらのアルカリ
金属成分の含有量を極力低く抑えている(特開昭62−
182135号公報など)。本発明者はNa2Oおよび
/またはK2Oを多く含有しても析出結晶量が増えるこ
とによってバランスするガラス組成を有する母材ガラス
を使用することによって、30〜300℃の範囲の温度
における平均線膨張係数が−10×10-7/℃〜+10
×10-7/℃であるガラスセラミックスが得られること
を見いだした。
ことにより、結晶相がアモルファス相中に分散したガラ
スセラミックスが得られる。析出する結晶相のうち、合
計体積が最も多いものはβ−石英固溶体および/または
β−ユークリプタイト固溶体(以下これらをβ−石英系
固溶体という。)である。中でも、このβ−石英系固溶
体の結晶相のみを析出させることが好ましい。また結晶
相の大きさ(平均結晶粒径)は5〜100nm程度であ
り、ガラスセラミックス中で結晶相が占める体積は50
%以上とすることが好ましい。
スの急激な結晶化を抑制し、ガラスセラミックスの曇り
や着色を防止すると共に、結晶化中のクラックを抑える
効果がある。これによって、結晶化処理の昇温速度を大
きくでき、短時間での処理が可能になった。
IIに用いられるガラスセラミックス用母材ガラスの好ま
しい組成範囲について述べる。SiO2はガラスの基本
成分であり、β−石英系固溶体を形成するために不可欠
な成分でもある。55モル%未満では耐失透性が悪化
し、透明なガラスセラミックスが得られない。逆に70
モル%を越えると溶融が困難になる。したがってSiO
2の含有量は55〜70%に限定される。好ましくは6
3〜68%である。
のに不可欠な成分である。13モル%未満では結晶が粗
大化し、透明なガラスセラミックスが得られない。逆に
23モル%を越えるとガラスの耐失透性が悪化し、ガラ
スセラミックスが白濁しやすくなる。したがってAl2
O3の含有量は13〜23モル%に限定される。好まし
くは15〜20モル%である。
のに不可欠な成分である。Li2Oが10モル%未満で
はガラスの粘度が高く、溶融が困難になる。逆に20モ
ル%を越えると結晶が粗大化し透明なガラスセラミック
スが得られない。したがってLi2Oの含有量は10〜
20モル%に限定される。好ましくは12〜17モル%
である。
せるとともに、熱膨張特性を調整でき、ガラスの結晶化
速度を抑制し、白濁やクラックを抑えることができる重
要な成分である。Na2OとK2Oの合計含有量が0.1
モル%未満では上記効果がなく、3モル%を越えると熱
膨張係数が大きくなりやすい。したがってNa2OとK2
Oの含有量は0.1〜3モル%に限定される。好ましく
は0.5〜2モル%であり、より好ましくは1〜2モル
%である。
未満では、ガラスの粘度が高くなり、均質なガラスを得
ることが困難になる。逆に21モル%を越えると結晶の
粗大化を制御しきれず、無色透明なガラスセラミックス
が得られない。したがってアルカリ金属酸化物の合計量
は11〜21%に限定される。好ましくは12〜17モ
ル%である。
ある。0.1モル%未満ではその効果がなく、熱処理で
結晶化が起こりにくい。逆に4モル%を越えると耐失透
性が悪化する。したがってTiO2の含有量は0.1〜
4モル%に限定される。好ましい含有量は1〜3モル%
である。
共存すると著しくガラスセラミックスを着色させるが、
本発明のガラスセラミックスは光学ガラス級の原料を使
用することによって実質的にFeイオンを含まない。し
たがってTiO2を含有するにもかかわらず無色透明な
ガラスセラミックスを得ることができる。そのため核形
成成分としてZrO2を単独で使用する場合と比べてZ
rO2の含有量を減らすことができる。これによって溶
融温度を下げることができ、TiO2とZrO2の共存に
よって、より微細な結晶を多く析出させることができ、
このことがさらに透過率の向上につながる。
iO2と併用して用いることによって、微細な結晶を析
出することができる重要な成分である。ZrO2の含有
量が0.1モル%未満ではその効果が無く、逆に2モル
%を越えるとガラスに溶けにくくなる。従ってZrO2
の含有量は0.1〜2モル%に限定される。好ましくい
含有量は0.5〜1.5モル%である。
O、ZnO、La2O3、Nb2O5、Y2O3、Bi2O3、
WO3、P2O5、B2O3、As2O3、Sb2O3、Sn
O2、FおよびSO3は必須成分ではないが、溶融粘度の
低下、清澄、熱膨張係数や透過率の調整などの目的で5
モル%以下の範囲で適宜用いることができる。5モル%
を越えると、耐失透性、透過率などに悪影響を与える。
a2OやK2Oに比べて原料が高価である上、ガラスセラ
ミックスの比重を大きくする。したがってCs2Oの含
有量は1モル%未満が好ましい。
スセラミックスの熱膨張性の調整の目的で用いることが
できる。特に熱膨張係数を容易に高めることができるの
で好ましい成分である。しかしMgOは400nm近傍
の透過率を低下させ、ガラスセラミックスを褐色に着色
しやすい。したがってMgOの含有量は0〜3モル%が
好ましい。特に好ましくは0〜1モル%である。
クスの熱膨張特性を調整するのに用いることができる
が、析出結晶が粗大化しやすくガラスセラミックスの透
過率を低下させやすい。特にSrO、BaOはその傾向
が顕著である。また、SrO、BaOを加えると、比重
も大きくなりやすい。特に、BaOは着色防止の点か
ら、その含有量は0.2モル%未満が好ましく、より好
ましくは0.1モル%以下、さらに好ましくは含有しな
いことが望ましい。
で3モル%未満が好ましい。さらにSrOは、BaOと
同様に含有しない方が望ましい。ZnOは溶融性向上と
透過率の維持の点で特に好ましいが、比重を増加させや
すい。ZnOの含有量は0〜3モル%が好ましい。特に
好ましくは0〜1モル%である。
よる可視光散乱(特に短波長側の散乱)によるガラスセ
ラミックスの着色防止の観点から、P2O5の含有量は
0.1モル%未満が好ましく、より好ましくは0.05
モル%以下、さらに好ましくは含有しないことが望まし
い。また、B2O3の含有量は0.3モル%未満が好まし
く、より好ましくは0.1モル%未満、さらに好ましく
は含有しないことが望ましい。本発明では、Li2O並
びにアルカリ金属酸化物の合計量を所定の範囲としてい
るので、これらの組成の含有量を低減あるいは排除して
もガラスの溶解性が損なわれることがない。
用に制約が大きいが、清澄剤として有効な成分であり、
しかもガラスセラミックスの透過率、ガラスの均質性を
低下させないので特性上は好ましく用いられる。0.5
モル%を越えると清澄効果は変わらないので、As2O3
の含有量は0.5モル%以下が好ましく、As2O3を含
有しないものがさらに好ましい。従来のガラスセラミッ
クス用母材ガラスでは、As2O3は清澄剤としての機能
だけでなく、着色を抑える働きもしていた。したがっ
て、従来の母材ガラスでは有毒成分であるにもかかわら
ず、As2O3を含有させていたが、本発明の母材ガラス
ではAs2O3を加えなくても、ガラスセラミックスの着
色を抑えることができ、可視光領域における分光透過率
および波長400nmにおける透過率を高くすることが
できる。
分であるが、0.1モル%以上含有させるとガラスセラ
ミックスを着色しやすいので、Sb2O3の含有量は0.
1モル%未満が好ましい。さらに好ましくは0.05モ
ル%以下である。本発明のガラスセラミックスはガラス
の溶融粘度が低いため、Sb2O3が0.05モル%以下
でも充分な清澄作用を得ることができる。
ル%以上含有させるとガラスセラミックスを着色しやす
いので、SnO2の含有量は0.1モル%未満が好まし
く、より好ましくは0.05モル%以下、さらに好まし
くは含有しないことが望ましい。
ある。SO3の清澄剤としての効果は古くから知られて
おり、ソーダライムガラスには広く用いられている。本
発明者は、SO3はガラスの清澄作用だけでなく、ガラ
スセラミックスの着色防止およびZrO2の溶解促進に
非常に有効であることを見出した。SO3は含有成分の
硫酸塩として導入することができる。特にアルカリ成分
の硫酸塩(例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸
リチウム)や、硫酸ジルコニウムなどが好ましく用いら
れる。Sb2O3をこの種のガラスに使用すると溶解ガラ
ス表面に不混和層が生じることがある。また、ZrO2
原料がその不混和層に取り込まれ、ZrO2の溶解を妨
げ、最後まで溶け残ることがある。SO3は原料のガラ
ス化反応を促進し、Sb2O3のように不混和層にZrO
2を取り囲んで溶け残りを生じさせることがない。SO3
の好ましい含有量としては、0.1モル%以上3モル%
未満のアルカリ成分に相当する硫酸塩で導入するのがよ
い。その他の成分は本発明の目的を損なわない範囲で含
有させることができるが、比重を増加させやすく、あま
り好ましくはない。
は、結晶相の過度な成長や母材ガラス中に含まれている
着色成分に起因する。着色成分は、Fe、V、Mn、N
i、Co、Cu、Ce、Crなどの化合物またはイオン
であり、可視光全域(400〜750nm)にわたり、
厚さ5mmに換算して分光透過率が70%以上、好まし
くは90%以上の高い透過率を有するガラスセラミック
スII−1を得る点から、また、厚さ1.1mmに換算し
て分光透過率が85%以上の高い透過率を有するガラス
セラミックスII−2を得る点から、これらの着色成分に
ついては排除することが望ましい。
うにする。 SiO2 55〜70モル%、 Al2O3 13〜23モル%、 アルカリ金属酸化物の合計量 11〜21モル%、 Li2O 10〜20モル%、 Na2OとK2Oの合計量 0.1〜3モル%、 TiO2 0.1〜4モル%、 ZrO2 0.1〜2モル%、 上記成分の合計含有量 95モル%以上。
m)にわたり、高い透過率を得るために、 BaO 0〜0.2モル%未満、 P2O5 0〜0.1モル%未満、 B2O3 0〜0.3モル%未満、 SnO2 0〜0.1モル%未満、
を含まないもの、As2O3を含まないもの、SrOおよ
びBaOを含まないものが望ましく、酸化鉄、鉛化合
物、As2O3を含まないもの、酸化鉄、鉛化合物、Sr
O、BaOを含まないもの、As2O3、SrO、BaO
を含まないものがより望ましく、酸化鉄、鉛化合物、A
s2O3、SrO、BaOを含まないものがさらに望まし
い。また、SnO2は清澄効果が小さい上、着色が大き
いので、0.1モル%未満に抑えることが好ましく、含
まない方がさらに好ましい。さらに、母材ガラスの製造
過程で耐失透性を向上させるためにCaOは含まない方
が好ましい。また、Sb2O3は0.05モル%以下であ
ることが好ましく、含まない方がさらに好ましい。さら
に、原料の一部に硫酸塩を使用するのが好ましい。
しては、必須成分であるLi2Oに加え、Na2Oまたは
K2Oの2成分、あるいはNa2OおよびK2Oの3成分
からなることが望ましい。Cs2Oは高価な上、比重を
大きくするので含まない方がより好ましい。
rO、BaO、ZnO、La2O3、Nb2O3、Y2O3、
Bi2O3、WO3、P2O5、B2O3、As2O3、Sb2O
3、SnO2、FおよびSO3の群から選ばれた少なくと
も1種の成分を任意成分として5モル%以下含有させる
ことができるが、任意成分は酸化物として含有させるこ
とが好ましい。上記任意成分を加える場合は、ZnOま
たはSb2O3、あるいはZnOおよびSb2O3を加える
ことが好ましい。
に好ましい組成はモル%表示で、SiO2を63〜68
%、Al2O3を15〜20%、Li2Oを12〜17
%、Na 2OとK2Oを合計含有量で0.5〜2%、Ti
O2を1〜3%、ZrO2を0.5〜1.5%、MgOを
1%以下、ZnOを1%以下、Sb2O3を0.1%未満
含むものであり、比重を増加させないために、上記成分
よりなる組成がさらに好ましい。さらに上記組成範囲に
おいて、Na2OとK2Oを合計含有量を1〜2%とする
ことが好ましい。なお、ガラス原料の調合時の組成、母
材ガラスの組成、ガラスセラミックスの組成はそれぞれ
概ね同じである。
に制限はなく、従来慣用されている方法を用いることが
できる。例えば、ガラス原料として酸化物、水酸化物、
炭酸塩、硝酸塩、塩化物、硫酸塩などを適宜用い、所望
の組成になるように秤量し、混合して調合原料とする。
これを耐熱坩堝に入れ1450〜1550℃程度の温度
で溶融し、撹拌、清澄して均質な溶融ガラスとする。従
来のガラスセラミックス用母材ガラスでは溶融温度を1
600℃程度とかなり高温にしなければならなかった
が、上記母材ガラスでは1550℃以下で溶解すること
ができる。本発明のガラスセラミックスが着色しない理
由は、母材ガラスの組成にあるが、さらに加えて、16
00℃程度の高温にしなくても溶融が可能なため、溶融
時のガラスが触れる容器や耐火物から不純物が混入しに
くくなるためである。不純物にはガラスセラミックスを
着色してしまう物質も含まれている。母材ガラスの組成
ならびに比較的低温における溶融がガラスセラミックス
の着色を抑えている。
ロックを形成した後、ガラスの徐冷点近くに加熱した炉
に移し、室温まで冷却する。本発明のガラスセラミック
スIおよびIIは、前述のガラスセラミックス用母材ガラ
スに熱処理を施し、β−石英系固溶体を含む結晶相を析
出させたものであり、そして、ガラスセラミックスII−
1は、厚さ5mmに換算して、400〜750nmにお
ける分光透過率が70%以上のものである。また、ガラ
スセラミックスII−2は、厚さ1.1mmに換算して、
400〜750nmにおける分光透過率が85%以上の
ものである。
おいては、30〜300℃の範囲の温度における平均線
膨張係数が−10×10-7/℃〜+10×10-7/℃の
範囲に制御することができる。
1は、β−石英系固溶体を含む結晶相を有し、かつ厚さ
5mmに換算して、400〜750nmにおける分光透
過率が70%以上であって、30〜300℃の範囲の温
度における平均線膨張係数が−10×10-7/℃〜+1
0×10-7/℃のものである。また、ガラスセラミック
スIII−2は、β−石英系固溶体を含む結晶相を有し、
かつ厚さ1.1mmに換算して、400〜750nmに
おける分光透過率が85%以上であって、30〜300
℃の範囲の温度における平均線膨張係数が−10×10
-7/℃〜+10×10-7/℃のものである。
−石英系固溶体を含む結晶相とは、β−石英固溶体およ
び/またはβ−ユークリプタイト固溶体を含む結晶相の
ことをいう。中でもガラスセラミックス中の結晶相のう
ち、β−石英系固溶体の占める体積割合が最も多いもの
が好ましく、結晶相がβ−石英系固溶体のみからなるも
のがより好ましい。また、結晶相が占める体積は、通常
50%以上であり、結晶相の大きさ(平均結晶粒径)
は、通常5〜100nmである。
いては、ガラスセラミックスに光を透過させるカラーデ
ィスプレイ用途には三原色(波長435.8nm、54
6.1nm、700nm)における透過率が重要であ
る。三原色波長における透過率が全て80%以上である
ことが好ましく、85%以上であることがさらに好まし
い。本発明のガラスセラミックスは、通常厚さ5mmに
換算して430nmにおける透過率が80%以上であ
り、三原色波長の透過率が全て80%以上であることが
好ましい。
mにおける透過率が85%以上であり、同じく厚さ1.
1mmに換算して三原色波長の透過率が全て85%以上
であることが好ましい。
透過率が高いだけではなく、紫外域における立ち上がり
が従来のガラスセラミックスに比べて短波長側にシフト
している。これはガラスセラミックスの結晶化速度を制
御することによって、析出するβ−石英系固溶体の結晶
粒径をより小さく揃えることができたためと考えられ
る。本発明のガラスセラミックスは、紫外線硬化に有用
な波長365nmの光の透過率が厚さ1mmに換算して
概ね70%以上であるので、紫外線硬化に充分な紫外線
を透過供給できる。したがって紫外線硬化樹脂を有効に
利用することができ、これによって接着工程に要する時
間を大幅に短縮でき、液晶プロジェクターを始め、幅広
い分野で製造コストを低減することができる。
00℃の範囲の温度における平均線膨張係数を−10×
10-7/℃〜+10×10-7/℃とすることができ、前
述の可視光領域において高い透過率を有すると共に、広
い温度範囲で熱膨張による体積変化が小さい。また、耐
熱衝撃性にも優れている。したがって、石英ガラスの代
替品として使用し得ると同時に、石英ガラスと接合して
も、熱膨張、収縮によって、反りや変形が起こりにくい
といった効果がある。好ましい平均線膨張係数は、−5
×10-7/℃〜+5×10-7/℃、さらに好ましくは−
2×10-7/℃〜+2×10-7/℃が望ましい。本発明
のガラスセラミックスを液晶プロジェクター用防塵基板
あるいは液晶素子における薄膜トランジスタ付基板に対
向する基板に使用する場合、液晶プロジェクターの使用
環境、製造プロセスにおける温度環境(30〜150
℃)の範囲の温度における平均線膨張係数が−10×1
0-7/℃〜+10×10-7/℃、好ましくは−5×10
-7/℃〜+5×10-7/℃、さらに好ましくは−2×1
0-7/℃〜+2×10-7/℃とすることが望ましい。
比重を2.2以上2.5未満とすることができ、低比重
である。従来の透明ガラスセラミックスの比重は、2.
5以上のものが多く、石英ガラスの比重は2.2である
ため、石英ガラス代替用としては大きな障害となってい
た。これに対し、本発明のガラスセラミックスは、石英
ガラスに近い低比重を有しており、石英ガラス代替用と
して有利である。
下に示す方法により製造することができる。前述のガラ
スセラミックス用母材ガラスのブロックを、適宜切断
し、室温から750℃以上の温度に加熱して結晶化を行
う。この結晶化においては、室温から950℃程度まで
徐々に昇温するか、あるいは段階的に昇温する方法を用
いることができるが、好ましくは、650〜750℃の
温度で30分〜2時間程度保持した後、800〜950
℃の温度に昇温し30分〜2時間程度保持する2段階の
熱処理がよい。昇温速度は50〜300℃/時間が好ま
しい。従来のガラスセラミックスに比べると、結晶化処
理工程が短時間で済む。また溶融ガラスを薄板状に成形
して母材ガラスを作製し、これに結晶化処理を施した
後、主表面に研削、研磨加工を施すか、あるいは、母材
ガラスの主表面に研削、研磨加工を施してガラスセラミ
ックス基板を得ることができる。このようにして得られ
たガラスセラミックス基板は、可視光領域において高い
透過率を示し、軽量かつ低熱膨張性を備え、化学的にも
安定している。このような基板は、ディスプレイ用基
板、特にポリシリコン液晶ディスプレイ用に対向し、液
晶ディスプレイを構成する基板(TFT対向基板)や、
液晶プロジェクター用防塵基板、天体望遠鏡や半導体露
光装置の反射鏡用基板、回折格子、情報記録媒体用基
板、定盤などに使用することができる。
電膜を、液晶プロジェクター用防塵基板には、反射防止
膜を設けてもよい。また上記ガラスセラミックスの用途
としては、石英ガラスの代替品や測定原器、レーザー発
振器やレーザージャイロスコープなどの部品を示すこと
ができる。
パネル用の対向基板および防塵基板に用いる場合につい
て説明する。一般に、液晶用表示装置に用いられる液晶
パネルは、液晶層と、液晶層を挟んで互いに対向して設
けられ、液晶層を保持・駆動するための、駆動基板及び
対向基板を有している。駆動基板は、基板と、基板上に
設けられた画素電極と画素電極に接続されたスイッチン
グ素子を有している。一方、対向基板は、透光性基板
と、この透光性基板上の画素電極と対向する位置に設け
られた対向電極を備えている。液晶層は、これらの駆動
基板、対向基板の間に配向膜を介して保持され、画素電
極と対向電極との間に印加される電圧により駆動され
る。
記画素電極及び対向電極により制御される液晶層の配向
によって、各画素ごとに透過率が制御され、所定の画像
を形成する。更に、上述した液晶パネルにおいては、放
熱の目的及び液晶パネルに塵などが付着した場合の画質
劣化を防止するために、駆動基板と対向基板のうち少な
くとも1つの外側に、防塵基板として、所定の厚さの透
光性基板が接合される場合がある。本発明のガラスセラ
ミックスを用いた基板は、このような液晶パネルの対向
基板用、及び、防塵基板用の透光性基板として好適に用
いることができる。
造の1例を示す模式図であって、本発明においては、液
晶パネル1の対向基板2の透光性基板13および防塵基
板4a、4bの透明基板14a、14bとして、前述の
本発明のガラスセラミックス基板が用いられる。
用いた対向基板2について説明する。対向基板2は、本
発明のガラスセラミックス基板を用いた透光性基板13
上に、対向電極20が設けられた構造をしている。又、
必要に応じて、駆動基板に形成されたスイッチング素子
17に入射光が入射するのを防止するための遮光層19
が駆動基板のスイッチング素子17に対向する位置にマ
トリックス状に設けられる。
る材料であれば良い。遮光層としては、遮光層の吸収に
よる熱によって液晶パネルの誤作動を防止するために、
光の入射側は高反射膜であることが好ましい。さらに、
液晶層内の迷光を防止するために、駆動基板側は低反射
膜であることが好ましい。より好ましくは、遮光層19
は、光の入射側に高反射膜、駆動基板側に低反射膜を積
層した積層膜とすることが望ましい。この遮光層は、公
知のフォトリソグラフィ法等により、透光性基板13上
に形成することができる。
0は、駆動基板3の画素電極16と共に、液晶層15の
配向を制御する。この対向電極20は入射光に対して透
明な材料で形成される。例えば、透明導電膜が挙げら
れ、可視光に対しては、ITO膜などが公知の方法にて
形成される。
るため、対向基板の手前(光入射側)に、マイクロレン
ズアレイが形成された基板を設けてもよい。また、必要
に応じて、対向基板にカラーフィルタを設けてもよく、
この場合カラー表示が可能となる。
用いた防塵基板4a,4bについて説明する。防塵基板
4a,4bは、放熱及び、対向基板2や駆動基板3に付
着した塵などによる画質の低下を防止するため、対向基
板2あるいは駆動基板3の外側に接合される。この防塵
基板4a,4bは、本発明のガラスセラミックスを用い
た透明基板14a,14b上に反射防止膜21a,21
bが設けられた構造をしている。
基板4aの光の入射側には、反射防止膜21aが設けら
れている。また、駆動基板3の外側に防塵基板4bが設
けられる場合には、光の出射側に反射防止膜21bが設
けられる。反射防止膜21a,21bとしては、使用す
る入射光に対する反射防止特性を有するものが用いら
れ、例えば可視光の場合、TiO2とSiO2の交互積層
膜などが知られている。反射防止膜21a,21bは、
スパッタ法や蒸着等の公知の方法で透明基板14a,1
4b上に形成することができる。
るいは、駆動基板3との接合は、紫外線硬化樹脂などの
接着剤により行うのが好ましい。本発明のガラスセラミ
ックス基板は、従来のガラスセラミックス基板と比較
し、紫外線硬化に有用な365nm付近での透過率に優
れているため、紫外線硬化樹脂による接合が可能であ
る。
び駆動基板3の外側に設けられていてもよく、又、いず
れか一方に設けられていてもよい。また、駆動基板3の
スイッチング素子を駆動する配線への光の入射を防止す
るため、防塵基板の外周部に所定の幅の遮光膜を設ける
ことができる。以上のように、本発明のガラスセラミッ
クス基板を液晶パネル用の対向基板、防塵基板用の透光
性基板として使用することができる。
mに換算して、400〜750nmにおける分光透過率
が70%以上および/または厚さ1.1mmに換算して
400韓750nmにおける分光透過率が85%以上で
あるガラスセラミックス基板を用いた液晶パネル用防塵
基板をも提供する。前記ガラスセラミックス基板として
は、β−石英系固溶体を含む結晶相を有し、30〜30
0℃の範囲の温度における平均線膨張係数が−5×10
-7/℃〜+5×10-7/℃であるものが好ましく、また
比重2.2以上2.5未満のものが好ましい。
域、特に従来のガラスセラミックスと比較して短波長領
域の透過率が良いため、液晶パネルによって形成される
像に着色の影響が少ない。また、従来のガラスセラミッ
クスと比較して、比重が軽いため、液晶パネルの軽量化
に有利である。更には、ガラス自身の生産性が良いた
め、基板が低コストで得られる。このような点から、本
発明のガラスセラミックスを液晶パネル用基板として使
用した場合、従来より使用されている石英ガラスの代替
品として、液晶パネルの低コスト化に有用である。
を用いた対向基板、防塵基板は、液晶ディスプレイ、液
晶プロジェクタなどの液晶表示装置の液晶パネルに好適
に用いることができる。
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定さ
れるものではない。 実施例1〜10、比較例1〜3 原料は酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、硫
酸塩などを使用し、表1〜表3の組成になるように秤
量、混合してバッチ原料を作製した。ここで、ガラスの
清澄、溶融促進および着色防止の目的で、Na2O、K2
O、Li2Oのうち、合計0.5〜2モル%を硫酸塩原
料を使用した。なお、硫酸塩は、そのほとんどが加熱溶
融、清澄過程で分解、揮発してしまうので、得られるガ
ラス中にはほとんど残らない。したがって、表において
は、特にSO3という表記はしていない。
〜1550℃に加熱、溶融、撹拌し、均質化、清澄を行
った後、鋳型に流し込んだ。ガラスが固化した後、次い
でガラスの徐冷点近くに加熱しておいた電気炉に移し、
室温まで徐冷した。
00×2mmのガラスを切り出し、電気炉中で加熱し結
晶化してガラスセラミックスを作製した。結晶化は表1
〜表3のように第1保持温度と第2保持温度の2段階で
一定時間保持して行った。第1保持温度までの昇温速度
は200℃/時間、第1保持温度から第2保持温度まで
の昇温速度は60℃/時間で行った。
スの物性を下記のようにして測定すると共に、析出結晶
相のX線回折を行った。その結果を表1〜表3に示す。 (1)平均線膨張係数 熱機械分析装置(TMA)で測定した値から、30〜3
00℃の温度範囲における平均線膨張係数を算出したも
のである。(日本光学硝子工業会規格を準用し、温度範
囲を100〜300℃から30〜300℃に修正した平
均線膨張係数を用いた。)
度計を使用して測定した。 (3)比重 日本光学硝子工業会規格に基づいて比重計で測定した。 (4)析出結晶相の大きさ(平均結晶粒径) 電子顕微鏡により、析出結晶相の大きさ(平均結晶粒
径)を測定した。
換算した波長400〜750nmにおける分光透過率は
すべて70%以上であり、厚さ1.1mmに換算した波
長400〜750nmのける分光透過率はすべて85%
以上であった。また、ガラスセラミックス中で析出結晶
相が占める割合は、50%以上であった。
は、小数点以下2桁目を四捨五入して表示した。
ミックス板の両主面に研削、研磨加工を施すことによ
り、ガラスセラミックス基板が得られる。用途に応じて
基板各部の寸法を決めれば、ディスプレイ用基板、特に
TFT対向基板や、液晶プロジェクター用防塵基板、天
体望遠鏡や半導体露光装置の反射鏡用基板、回折格子、
情報記録媒体用基板、定盤などに使用することができ
る。また上記ガラスセラミックスの用途としては、石英
ガラスの代替品や測定原器、レーザー発振器やレーザー
ジャイロスコープなどの部品を示すことができる。
いて液晶プロジェクタの液晶パネルに用いられる対向基
板を作製した例である。図2は、本実施例の対向基板3
0を示す模式図である。この対向基板30は、本発明の
ガラスセラミックスからなる透光性基板31上に、対向
電極32が設けられた構造を有している。
ラスセラミックス板の両主面に研削、研磨加工を施した
後切断し、大きさ200mm×200mm、1.1mm
の厚さのガラス基板を作製した。次に、このガラス基板
の一面上に、液晶を駆動するための対向電極としてのI
TO膜を140nm形成した。ITO膜の形成は、スパ
ッタリング法によって行った。得られたITO膜のシー
ト抵抗は20Ω/□であった。
0mm×18mmの大きさに切断した。これにより、基
板31上にITO膜32が形成された本実施例の液晶パ
ネル用対向基板30が得られた。
を用いて、投射型液晶プロジェクタ用の液晶パネルを作
成したところ、実施例1〜10のいずれのガラスセラミ
ックスを用いた場合でも、着色の少ない良質な像が得ら
れ、本発明のガラスセラミックスを用いた液晶パネル用
対向基板は、従来の石英を用いた対向基板の代替品とし
て、使用が可能なことが確認できた。
スセラミックスを用いて液晶プロジェクタの液晶パネル
に用いられる対向基板を作製した例である。実施例11
との相違点は、本実施例では、本発明のガラスセラミッ
クスを用いた透光性基板上に、駆動基板に形成されるT
FTなどのスイッチング素子に光が入射するのを防止す
るための遮光層(ブラックマトリクス)をパターン状に
形成した点である。図3(a)〜(d)は本実施例の対
向基板の製造工程を示す模式図である。
〜10のガラスセラミックス板から、大きさ200mm
×200mm、厚さ1.1mmのガラス基板41を作製
した。次に、このガラス基板41の一面上に、遮光層4
2を100nmの厚さに形成した。(図3(a))遮光
層42は、ガラス基板側に形成される入射光に対して高
反射な膜と、液晶側に形成される低反射膜の2層の積層
構造とした。本実施例では高反射膜としてアルミニウム
層を用い、低反射膜として、窒化クロム層を用いた。
グ法を用いた。具体的には、ターゲット材として、幅1
5cmのターゲット材中、基板搬入側の5cm幅がアル
ミニウムで、基板搬出側の10cm幅がクロムとなって
いるターゲット材を用い、インラインスパッタ装置を用
いてこのターゲットを連続的にスパッタすることにより
成膜した。また、窒化クロム成膜時には、基板搬出側か
ら窒素を含むアルゴンガスを流しながら、成膜を行っ
た。
ミニウム薄膜を20nm、その上に、窒化クロム薄膜を
80nm形成した。この際、アルミニウム薄膜と窒化ク
ロム薄膜の間には、アルミニウムと窒化クロムの両方を
含む混合領域が形成された。この混合領域中、アルミニ
ウムの濃度は、ガラス基板側から窒化クロム層側へ連続
的に減少していた。
ン44を形成した。遮光層42のパターン44は、対向
基板に液晶層を挟んで対向して設けられる駆動基板のス
イッチング素子への光の入射を防止する位置に設けられ
る。
光性樹脂(レジスト)43を500nmの厚みで塗布し
た。(図3(b))さらに、フォトマスクを用い、この
レジスト層を幅4μm、ピッチ26μmのマトリックス
状に形成した。
形成した基板をクロムエッチング液(和光純薬社製HY
液)に浸漬して、形成されているレジストパターンに従
って、窒化クロム薄膜をエッチングして、窒化クロム薄
膜にパターンを形成した。次いで、この基板をレジスト
除去液であるアルカリ性水溶液に浸漬し、レジストを除
去すると同時にアルミニウム薄膜をエッチングして、ア
ルミニウム薄膜に窒化クロム薄膜パターンに従ったパタ
ーンを形成した。このようにして、遮光層42に、遮光
層パターン44を形成した。(図3(c))
に、ガラス基板上に、液晶駆動用の電極として対向電極
であるITO膜45を140nmの厚さに形成した。
(図3(d)) ITO膜の形成は、スパッタリング法によって行った。
得られたITO膜45のシート抵抗は25Ω/□であっ
た。
5を形成したガラス基板41を20mm×18mmの大
きさに切断した。これにより、本実施例の液晶パネル用
対向基板が得られた。
を用いて、投射型液晶プロジェクタ用の液晶パネルを作
成したところ、実施例1〜10のいずれのガラスセラミ
ックスを用いた場合でも、着色の少ない良質な像が得ら
れ、本発明のガラスセラミックスを用いた液晶パネル用
対向基板は、従来の石英を用いた対向基板の代替品とし
て、使用が可能なことが確認できた。
プロジェクタの液晶パネル用に用いられる防塵基板を作
製した例である。図4は本実施例の防塵基板50を示す
模式図である。
よって得られたガラスセラミックス板の両主面に研削、
研磨加工を施した後切断し、大きさ200mm×200
mm、1.1mmの厚さのガラス基板を作製した。
(波長430〜650nm)に対する反射防止膜を形成
した。反射防止膜は、ガラス基板側から、酸化アルミニ
ウム(Al2O3)層,酸化ジルコニウム(ZrO2)
層,フッ化マグネシウム(MgF2)層が積層された3
層構造をしており、各層の膜厚はそれぞれ、約83n
m,約132nm,約98nmである。
蒸着によって成膜することにより作製した。この反射防
止膜を形成した基板の可視光(波長430〜650n
m)に対する透過率は96%以上で、反射率は0.6%
以下であった。
大きさ25mm×18mmに切断した。このようにし
て、透明基板51上に反射防止膜52が形成された本実
施例の防塵基板50を得た。
塵基板50を用いて、投射型液晶プロジェクタ用の液晶
パネルを作製した。防塵基板は、対向基板及び駆動基板
の外側へ接合し、接合には、紫外線硬化樹脂を用いた。
紫外線硬化型樹脂を使用したため、従来の熱硬化性樹脂
を用いて接合した場合と比較し、接着工程に要する時間
を大幅に短縮できた。
実施例1〜10のいずれのガラスセラミックスを用いた
場合でも、着色の少ない良質な像が得られ、本発明のガ
ラスセラミックスを用いた防塵基板は、石英を用いた防
塵基板の代替品として使用が可能なことが確認できた。
なお、本発明のガラスセラミックスを用いた、液晶パネ
ル用対向基板及び防塵基板は、反射型プロジェクタ等、
反射型の液晶パネルにも使用することができる。
るガラスセラミックス用母材ガラスは、溶融温度が比較
的低いので、一般的な光学ガラスの溶融炉を用いて極め
て均質性の良い母材ガラスを得ることができるととも
に、着色し難い組成に加えてガラス溶融中に容器や耐火
物から着色の原因となる不純物が混入しにくいので、可
視光領域における高い分光透過率、低熱膨張特性、低い
比重の本発明のガラスセラミックスを比較的短時間の結
晶化処理によって作製することができる。
光領域における高い分光透過率、低熱膨張特性を備え
た、比重の小さなガラスセラミックスであるので、高価
な石英ガラスの代替材料として使用することができる。
また熱膨張率が小さいので、耐熱衝撃性に優れた材料を
提供することも出来る。
は、基板材料として上記ガラスセラミックスを用いてい
るので、透明、低熱膨張、軽量などの特徴を有し、液晶
プロジェクター用防塵基板などの各種用途に好適に用い
られる。また、本発明のガラスセラミックス基板を用い
た液晶パネル用の対向基板および防塵基板は、軽量であ
って、液晶パネルの軽量化に有利である上、ガラスセラ
ミックス自体の生産性がよいため、低コストで得られ
る。
す模式図である。
模式図である。
Claims (21)
- 【請求項1】 SiO2 55〜70モル%、Al2O3
13〜23モル%、アルカリ金属酸化物11〜21モ
ル%(ただし、Li2O 10〜20モル%で、Na2O
とK2Oの合計量0.1〜3モル%)、TiO2 0.1
〜4モル%およびZrO2 0.1〜2モル%を含むと
共に、前記各成分の合計含有量が95モル%以上であっ
て、BaO 0〜0.2モル%未満、P2O5 0〜0.
1モル%未満、B2O3 0〜0.3モル%未満、SnO
2 0〜0.1モル%未満のガラス組成を有するガラス
セラミックス用母材ガラスに熱処理を施し、β−石英系
固溶体を含む結晶相を析出させたことを特徴とするガラ
スセラミックス。 - 【請求項2】 ガラスセラミックス用母材ガラスが、C
s2O、MgO、CaO、SrO、ZnO、La2O、N
b2O5、Y2O3、Bi2O3、WO3、As2O3、Sb2O
3、FおよびSO3の中から選ばれる少なくとも1種の成
分を、該成分とBaO、P2O5、B2O3およびSnO2
との合計量が5モル%以下となる割合で含む請求項1に
記載のガラスセラミックス。 - 【請求項3】 SiO2 55〜70モル%、Al2O3
13〜23モル%、アルカリ金属酸化物11〜21モ
ル%(ただし、Li2O 10〜20モル%で、Na2O
とK2Oの合計量0.1〜3モル%)、TiO2 0.1
〜4モル%およびZrO2 0.1〜2モル%を含むと
共に、前記各成分の合計含有量が95モル%以上のガラ
ス組成を有するガラスセラミックス用母材ガラスに熱処
理を施し、β−石英系固溶体を含む結晶相を析出させ、
厚さ5mmに換算して、400〜750nmにおける分
光透過率が70%以上であることを特徴とするガラスセ
ラミックス。 - 【請求項4】 SiO2 55〜70モル%、Al2O3
13〜23モル%、アルカリ金属酸化物11〜21モ
ル%(ただし、Li2O 10〜20モル%で、Na2O
とK2Oの合計量0.1〜3モル%)、TiO2 0.1
〜4モル%およびZrO2 0.1〜2モル%を含むと
共に、前記各成分の合計含有量が95モル%以上のガラ
ス組成を有するガラスセラミックス用母材ガラスに熱処
理を施し、β−石英系固溶体を含む結晶相を析出させ、
厚さ1.1mmに換算して、400〜750nmにおけ
る分光透過率が85%以上であることを特徴とするガラ
スセラミックス。 - 【請求項5】 ガラスセラミックス用母材ガラスが、C
s2O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、L
a2O3、Nb2O5、Y2O3、Bi2O3、WO 3、P
2O5、B2O3、As2O3、Sb2O3、SnO2、Fおよ
びSO3の中から選ばれる少なくとも1種の成分を5モ
ル%以下の割合で含む請求項3または4に記載のガラス
セラミックス。 - 【請求項6】 30〜300℃の範囲の温度における平
均線膨張係数が−10×10-7/℃〜+10×10-7/
℃である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のガラ
スセラミックス。 - 【請求項7】 β−石英系固溶体を含む結晶相を有し、
かつ厚さ5mmに換算して、400〜750nmにおけ
る分光透過率が70%以上であること、30〜300℃
の範囲の温度における平均線膨張係数が−10×10-7
/℃〜+10×10-7/℃であることを特徴とするガラ
スセラミックス。 - 【請求項8】 β−石英系固溶体を含む結晶相を有し、
かつ厚さ1.1mmに換算して、400〜750nmに
おける分光透過率が85%以上であること、30〜30
0℃の範囲の温度における平均線膨張係数が−10×1
0-7/℃〜+10×10-7/℃であることを特徴とする
ガラスセラミックス。 - 【請求項9】 結晶相が占める体積が50%以上である
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のガラスセラミ
ックス。 - 【請求項10】 結晶相の大きさ(平均結晶粒径)が5
〜100nmである請求項1ないし9のいずれか1項に
記載のガラスセラミックス。 - 【請求項11】 比重が2.2以上2.5未満である請
求項1ないし10のいずれか1項に記載のガラスセラミ
ックス。 - 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれか1項に
記載のガラスセラミックスからなるガラスセラミックス
基板。 - 【請求項13】 透光性基板と、その上に設けられた対
向電極とを有する液晶パネル用対向基板であって、前記
透光性基板として、請求項12に記載のガラスセラミッ
クス基板を用いたことを特徴とする液晶パネル用対向基
板。 - 【請求項14】 液晶パネルが、(a)基板と該基板上
に設けられた画素電極と該画素電極に接続されたスイッ
チング素子を有する駆動基板と、(b)前記駆動基板と
所定の間隔を介して対向して設置され、かつ透光性基板
と、該透光性基板上の前記画素電極と対向する位置に対
向電極を備えた対向基板と、(c)前記駆動基板と対向
基板との間に所定の間隔を保って形成され、かつ前記画
素電極と対向電極との間に印加される電圧により駆動さ
れる液晶層とを有するものである請求項13に記載の液
晶パネル用対向基板。 - 【請求項15】 さらに、駆動基板のスイッチング素子
に対向する透光性基板上の位置に、遮光膜を有する請求
項14に記載の液晶パネル用対向基板。 - 【請求項16】 透明基板と、その上に形成された反射
防止膜を備えた液晶パネル用防塵基板であって、前記透
明基板として、請求項12に記載のガラスセラミックス
基板を用いたことを特徴とする液晶パネル用防塵基板。 - 【請求項17】 透明基板と、その上に形成された反射
防止膜を備えた液晶パネル用防塵基板であって、前記透
明基板として、厚さ5mmに換算して、400〜750
nmにおける分光透過率が70%以上であるガラスセラ
ミックス基板を用いたことを特徴とする液晶パネル用防
塵基板。 - 【請求項18】 透明基板と、その上に形成された反射
防止膜を備えた液晶パネル用防塵基板であって、前記透
明基板として、厚さ1.1mmに換算して、400〜7
50nmにおける分光透過率が85%以上であるガラス
セラミックス基板を用いたことを特徴とする液晶パネル
用防塵基板。 - 【請求項19】 ガラスセラミックス基板が、β−石英
系固溶体を含む結晶相を有し、30〜300℃の範囲の
温度における平均線膨張係数が−5×10-7/℃〜+5
×10-7/℃である請求項17または18に記載の液晶
パネル用防塵基板。 - 【請求項20】 ガラスセラミックス基板が、比重が
2.2以上2.5未満である請求項17、18または1
9に記載の液晶パネル用防塵基板。 - 【請求項21】 (a)基板と該基板上に設けられた画
素電極と該画素電極に接続されたスイッチング素子を有
する駆動基板と、(b)前記駆動基板と所定の間隔を介
して対向して設置され、かつ透光性基板と、該透光性基
板上の前記画素電極と対向する位置に対向電極を備えた
対向基板と、(c)前記駆動基板と対向基板との間に所
定の間隔を保って形成され、かつ前記画素電極と対向電
極との間に印加される電圧により駆動される液晶層とを
有する液晶パネルにおける、前記駆動基板および前記対
向基板の少なくとも一方の外側に設けられる請求項16
ないし20のいずれか1項に記載の液晶パネル用防塵基
板。
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