JP2003131206A - 液晶パネルおよび液晶パネル用対向基板 - Google Patents

液晶パネルおよび液晶パネル用対向基板

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JP2003131206A
JP2003131206A JP2001331055A JP2001331055A JP2003131206A JP 2003131206 A JP2003131206 A JP 2003131206A JP 2001331055 A JP2001331055 A JP 2001331055A JP 2001331055 A JP2001331055 A JP 2001331055A JP 2003131206 A JP2003131206 A JP 2003131206A
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Tsutomu Imamura
努 今村
Ukon Ishihara
右近 石原
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Nippon Electric Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 所望の反射防止特性を有し、膜表面に許容範
囲を超える微小傷が形成されるのを防止することが可能
な反射防止膜を備えた対向基板を使用した液晶パネルを
提供することを目的とする。 【構成】 アクティブマトリックス基板11と、アクテ
ィブマトリックス基板11に対向配置された対向基板1
2と、各基板11、12の間隙に保持された液晶14と
を備えた液晶パネル10であって、前記対向基板12の
内表面側には、ITO膜18が形成され、外表面側に
は、高屈折率膜と低屈折率膜が交互に積層され、最外層
が酸窒化珪素膜からなる反射防止膜17が形成されてな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶プロジェクター等
の投射型液晶装置に使用される液晶パネルに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】投射型液晶装置に使用される液晶パネル
は、液晶駆動用基板であるアクティブマトリックス基板
と、主にITO膜からなる対向電極や配向膜が形成され
た対向基板と、互いに接合したアクティブマトリックス
基板と対向基板の間隙に保持された液晶とを備えた構造
を有している。
【0003】この液晶パネルを液晶プロジェクターのラ
イトバルブとして用いる場合、上記した液晶パネルを構
成する一対の基板(透明基板)の表面に、浮遊ゴミ等が
付着すると、液晶パネルで変調された投射光と共に、ゴ
ミの像(影)が拡大投射される。
【0004】すなわち、一般にアクティブマトリックス
基板は、石英ガラスから作製され、対向基板は結晶化ガ
ラスから作製されるが、これらの透明基板は、液晶パネ
ルの薄型化や軽量化を図る目的で、1.1mm又は0.
7mmにほぼ規格化された厚みを有している。そのた
め、液晶パネル(透明基板)の表面は、投射光の集光位
置である液晶から1mm程度しか離れないことになり、
液晶パネルの表面に付着したゴミが、例え10〜20μ
m程度の微小なものであっても、スクリーン上の投射画
像の画質を損なうことになる。
【0005】このような問題を解消するため、近年で
は、各透明基板の外表面にデフォーカス基板と呼ばれる
透明ガラス板を設けることにより、透明基板にゴミが直
接付着するのを防止するようにしている。また透明基板
とデフォーカス基板を樹脂等で接着し、両者の合計の厚
みを約2mm以上とすることにより、或いは、透明基板
に、デフォーカス基板を2mm程度の空隙を設けて配置
することにより、デフォーカス基板の外表面にゴミが付
着しても、ゴミと投射光の集光位置である液晶との間の
距離が、デフォーカス基板の厚み分だけ、或いは、これ
に空隙を加えた分だけ長くなる。これによりゴミの像
は、デフォーカス状態となり、スクリーン上で大きくぼ
やけるため、視覚上目立たなくなる。
【0006】ところで一般にガラスやプラスチック等の
透明基板からなる光学素子に入射した光は、3%以上反
射し、また透明基板の表裏でこの現象が起こるため、表
裏面で6%以上反射することになる。この反射は、透過
率の損失となるため、高い透過率が要求される液晶パネ
ルのデフォーカス基板のような光学素子の表面には、反
射防止膜が形成される。デフォーカス基板の表面に反射
防止膜を形成すると、表面反射による不要光が液晶パネ
ルに入射し難くなり、スイッチング素子の光リーク等が
生じるのを防ぐことができる。
【0007】液晶パネル用デフォーカス基板の場合に
は、波長450〜650nmにおける反射率が0.5%
以下であることが要求され、従来より、このような要求
を満足するため、デフォーカス基板の片面には、高屈折
率膜と低屈折率膜を交互に積層させた反射防止膜が成膜
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の液晶パネルは、
対向基板にデフォーカス基板を接着したり、対向基板に
対し、一定の間隔を設けてデフォーカス基板を接合する
ため、全体の構造が複雑化し、製造コストが高くなると
いう問題がある。そのため近年では、対向基板の厚みを
大きくすることによって、これ自体にデフォーカス機能
を付与することが考えられている。
【0009】ところで液晶パネルのアクティブマトリッ
クス基板や対向基板の内表面には、通常ITO(Ind
ium Tin Oxide)膜からなる透明電極が形
成され、上記のような厚みの大きい対向基板を作製する
場合には、その内表面側にITO膜が形成され、外表面
側に反射防止膜が形成されることになる。また対向基板
にITO膜と反射防止膜を形成した後、ITO膜上に
は、配向膜が成膜されることになるが、この成膜時、反
射防止膜を下側にして対向基板を保持台に載置するた
め、反射防止膜が保持台と擦れて、表面に微小な傷が形
成される虞れがある。
【0010】つまり、この種の反射防止膜の最外層とし
ては、膜強度、膜設計の観点から、低屈折率膜が使用さ
れ、特にシリカ膜は、成膜性と耐久性に優れているため
最も多く用いられているが、対向基板に形成される反射
防止膜に、幅20μm以上、長さ10mm以上の微小傷
が発生すると、これが原因となって投射画面に影ができ
ることがあり、反射防止膜の最外層がシリカ膜であって
も、許容範囲を越える微小傷が形成されることがある。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、所望の反射防止特性を有し、膜表面に許容範囲を
超える微小傷が形成されるのを防止することが可能な反
射防止膜を備えた対向基板を使用した液晶パネルを提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶パネルは、
アクティブマトリックス基板と、アクティブマトリック
ス基板に対向配置された対向基板と、各基板の間隙に保
持された液晶とを備えた液晶パネルであって、前記対向
基板の内表面側には、ITO膜が形成され、外表面側に
は、高屈折率膜と低屈折率膜が交互に積層され、最外層
が酸窒化珪素膜からなる反射防止膜が形成されてなるこ
とを特徴とする。
【0013】また本発明の液晶パネルは、対向基板の厚
みが、2mm以上であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の液晶パネルについ
て詳細に説明する。
【0015】本発明の液晶パネルは、対向基板の外表面
側に、高屈折率と低屈折率が交互に積層され、最外層が
酸窒化珪素膜からなる反射防止膜が形成されてなる。酸
窒化珪素膜は、透明な膜であり、屈折率が1.5以下で
あるため、最外層としてシリカ膜を使用した多層膜と近
似した光学特性が得られる。また酸窒化珪素膜は、シリ
カ膜に比べて柔軟性に富み、耐傷性に優れた膜であるた
め、他の部材と接触しても、剥離し難く、傷が発生しに
くいため好適である。酸窒化珪素膜は、SiOxNyな
る化学式で表すことができ、xは1.9以下、yは0.
9以下である。また酸窒化珪素膜中の(窒素/酸素)の
割合が、0.01〜1(原子比)であると、非常に柔軟
性に富む膜となるため、より好ましい。しかも酸素と窒
素が上記割合であると、膜の屈折率を低く抑えることが
できるため、シリカ膜の代替膜として最適である。すな
わち(窒素/酸素)の割合が1より大きいと、膜強度は
大きくなるが、屈折率が大きくなり、シリカ膜の屈折率
との差が大きくなる傾向となる。また(窒素/酸素)の
割合が0.01より小さいと、膜の柔軟性が低下する傾
向となる。
【0016】本発明における反射防止膜は、対向基体側
から、第1層として屈折率が1.9〜2.4の高屈折率
膜、第2層として屈折率が1.4〜1.5の低屈折率
膜、第3層として屈折率が1.9〜2.4の高屈折率
膜、最外層として屈折率が1.4〜1.5の酸窒化珪素
膜から構成されてなると、非常に優れた反射防止特性を
有しているため好ましい。これらの各層は、スパッタ法
で成膜すると、真空蒸着法で成膜するのに比べて、作業
性が良く、インデックスを上げることができるため好ま
しい。
【0017】上記の第1層の高屈折率層としては、酸化
チタン:TiO2(屈折率2.35)、酸化ニオブ:N
25(2.25)、酸化タンタル:Ta25(屈折率
2.10)、窒化シリコン:SiN(屈折率2.0
0)、酸化ジルコニウム:ZrO 2(屈折率2.1
0)、酸化ハフニウム:HfO2(屈折率2.20)、
酸化セリウム:CeO2(屈折率2.20)、酸化亜
鉛:ZnO(屈折率2.00)や、これらの混合物から
なる透明層が使用できるが、この層をスパッタ法で成膜
する場合は、膜の光学特性、ターゲットの製作のし易
さ、膜の均一性を考慮すると、酸化チタン、酸化ニオ
ブ、窒化シリコンが適している。この第1層は、5〜5
0nm、好ましくは10〜30nmの幾何学的厚みを有
することが望ましい。
【0018】第2層の低屈折率層としては、シリカ:S
iO2(屈折率1.46)、フッ化マグネシウム:Mg
2(屈折率1.38)、酸化アルミニウム:Al23
(屈折率1.63)や、これらの混合物からなる透明層
が使用できるが、この層をスパッタ法で成膜する場合に
は、膜の光学特性、ターゲットの製作のし易さ、膜の均
一性を考慮すると、シリカが最も適している。この第2
層は、10〜50nm、好ましくは15〜40nmの幾
何学的厚みを有することが望ましい。
【0019】尚、シリカをスパッタ法で成膜する場合、
Siターゲットを使用して反応性スパッタリングを行う
と、成膜レートが大きく、有効であるが、ターゲット表
面に絶縁膜であるSiO2が形成され、異常放電が起こ
る可能性があるため、AC電源によるスパッタ法を採用
するのが好ましい。
【0020】第3層の高屈折率層としては、酸化チタ
ン、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸
化ハフニウム、酸化セリウム、窒化シリコンや、これら
の混合物からなる透明層が使用できるが、スパッタ法で
成膜する場合は、膜の光学特性、ターゲットの製作のし
易さ、膜の均一性を考慮すると、酸化チタン、酸化ニオ
ブ、窒化シリコンが適している。この第3層は、50〜
130nm、好ましくは60〜125nmの幾何学的厚
みを有することが望ましい。特に酸化ニオブは、酸化チ
タンの約3倍の成膜レートを有し、膜厚を大きくしやす
いため最適である。
【0021】第4層の酸窒化珪素膜(SiOxNy)
は、低屈折率の透明膜であり、上記したように、この膜
はシリカ膜に比べて柔軟性に富むため、他の部材と接触
しても、剥離し難く、キズが発生しにくい。特に酸窒化
珪素膜中の(窒素/酸素)の割合が、0.01〜1(原
子比)であると、非常に柔軟性に富む膜となるため好ま
しい。しかも酸素と窒素が上記割合であると、膜の屈折
率を低く抑えることができるため、シリカ膜の代替膜と
して最適である。すなわち(窒素/酸素)の割合が1よ
り大きいと、膜強度は大きくなるが、屈折率が大きくな
り、シリカ膜の代替膜としては不向きとなる。また(窒
素/酸素)の割合が0.01より小さいと、膜の柔軟性
が低下する傾向となる。この第4層は、60〜140n
m、好ましくは60〜100nmの幾何学的厚みを有す
ることが望ましい。
【0022】また本発明においては、反射防止膜の各層
を、Ar中のO2濃度、又はN2濃度が、50%以下の条
件でマグネトロンスパッタ法により成膜すると、成膜レ
ートの大きい膜が成膜され、より安価に大量生産するこ
とが可能となるため好ましい。
【0023】さらに、この反射防止膜は、波長450〜
650nmにおける可視光反射率が0.5%以下である
ため、これを厚み2.0mm以上の耐熱性ガラス板の表
面に被覆形成して対向基板を形成することによって、優
れたデフォーカス機能が得られる。つまり上記反射防止
膜を対向基板の外側面に形成すると、表面反射による不
要光が液晶パネルに入射し難くなり、スイッチング素子
に光リーク等が生じるのを防ぐことができる。さらに、
厚みが2mm以上の対向基板の外表面にゴミが付着して
も、ゴミと投射光の集光位置である液晶との距離が、対
向基板の厚み分だけ長くなる。これによりゴミの像は、
デフォーカス状態となり、スクリーン上で大きくぼやけ
るため、視覚上目立たなくなる。従って従来のように対
向基板にデフォーカス基板を貼り付ける必要がないた
め、構造及び作業性が簡素化され、コストの低減を図る
ことが可能となる。
【0024】対向基板の材質としては、結晶化ガラス、
石英ガラス、硼珪酸ガラスが使用できるが、30〜75
0℃の温度範囲における熱膨張係数が−10〜+15×
10 -7/℃の透明結晶化ガラスは、非常に優れた耐熱性
を有し、また熱伝導率が高く、放熱作用が大きいため、
液晶に蓄積される熱が対向基板に伝導し、ここから効率
良く放熱されるため好ましい。つまり対向基板は、その
厚みが大きくなるほど、放熱機能が低下する傾向にある
が、対向基板を熱伝導率の高い結晶化ガラスから作製す
ると、2mm以上の厚みにしても十分な放熱機能が得ら
れる。
【0025】透明結晶化ガラスは、具体的には、質量百
分率で、Li2O 1〜7%、Al23 15〜35
%、SiO2 55〜70%、TiO2 1〜5%、Zr
2 0〜5%、P25 0〜5%、Na2O+K2
0.1〜5%の組成を有し、β−石英固溶体結晶を析出
し、−10〜+15×10-7/℃の熱膨張係数を有し、
3mm厚での可視光透過率が80%以上で、熱伝導率が
1.5W/m℃以上の透明結晶化ガラスが好適である。
【0026】また本発明においては、対向基板のみなら
ず、アクティブマトリックス基板の厚みも2mm以上に
すると、アクティブマトリックス基板の外表面にゴミが
付着しても、ゴミと液晶セルとの距離が2mm以上とな
り、ゴミの像がデフォーカス状態になるため好ましい。
このアクティブマトリックス基板の内表面には、TFT
(Thin Film Transistor)を形成
し、外表面には、上記のような4層構造の反射防止膜を
形成すれば良い。
【0027】ただし対向基板やアクティブマトリックス
基板の厚みがあまり大きくなりすぎると、放熱機能が著
しく低下すると共に、液晶パネルの薄型化、軽量化を図
ることが困難となるため、各々3.5mm以下に抑える
ことが望ましい。
【0028】透明結晶化ガラス基板は、石英ガラス基板
に比べて安価であるため、これを対向基板に使用する
と、材料コストの低減を図ることが可能であるが、アク
ティブマトリックス基板としては、石英ガラスを使用す
ることが好ましい。この理由は、石英ガラス基板は、結
晶化ガラス基板に比べて可視光透過率が高く(特に短波
長側の)、高画質を得やすいからである。しかも石英ガ
ラス基板は、約5×10 -7/℃の低膨張を有するため、
耐熱性に優れ、透明結晶化ガラス基板と接着する際の熱
応力も小さいという利点もある。
【0029】
【実施例】以下、本発明の液晶パネルを実施例に基づい
て詳細に説明する。
【0030】図1は、本発明の液晶パネルを示す説明図
である。
【0031】この液晶パネル10は、アクティブマトリ
ックス基板11と、対向基板12が、シ−ル材13によ
って所定の間隔で貼り合わされ、各基板11、12の間
隔には液晶14が封入された構造を有している。
【0032】アクティブマトリックス基板11は、厚み
が0.7mmの石英ガラスから作製され、その内表面に
は、TFT(図示せず)が形成されている。またアクテ
ィブマトリックス基板11の外表面には、厚みが0.7
mmの石英ガラスからなるデフォーカス基板15が樹脂
接着剤で貼り付けられており、デフォーカス基板15の
外表面には、反射防止膜16が形成されている。
【0033】また対向基板12は、Li2O−Al23
−SiO2系低膨張透明結晶化ガラス基板(熱膨張係
数:−4×10-7/℃、3mm厚での可視光透過率:8
0%以上、熱伝導率:1.7W/m℃)から作製され、
その厚みは2.2mmである。また対向基板12の外表
面には、反射防止膜17が形成され、これによって表面
反射による不要光が液晶パネルに入射するのを防いでお
り、一方、内表面には、ITO膜18からなる透明電極
と配向膜19が形成されている。
【0034】アクティブマトリックス基板11と対向基
板12に形成されたITO膜18は、マグネトロンスパ
ッタ成膜装置を用いて成膜し、デフォーカス基板15と
対向基板12の反射防止膜16、17もマグネトロンス
パッタ装置を用いて成膜した。対向基板12は、ITO
膜18を形成した後、反射防止膜17を形成し、次いで
ITO膜18の上に配向膜19を形成した。尚、反射防
止膜17を真空蒸着で成膜すると、先に形成したITO
膜18が高熱で劣化する虞れがあるため避けるべきであ
る。尚、各反射防止膜16、17は、4層構造であり、
各層の成膜は、Ar中のO2濃度が約20%の条件で行
った。表1は、アクティブマトリックス基板と対向基板
に成膜された反射防止膜16、17の膜構成(各層の材
料と幾何学的厚み)と、波長450nm、550nm、
650nmにおける反射率を示すものである。
【0035】
【表1】
【0036】表1から明らかなように、反射防止膜1
6、17は、波長450〜650nmにおける反射率が
0.5%以下と低く、十分な低反射率を備えている。
【0037】次に、上記の対向基板12の反射防止膜1
7の耐傷性を鉛筆試験で調べた。鉛筆試験は、HEID
ON表面性試験によるものであり、鉛筆角度45゜、引
っ掻き速度100mm/分、荷重200g、三菱鉛筆H
I−uniを使用して行った。対向基板12に形成され
た反射防止膜17に対して、6Hと7Hの鉛筆を使用し
て各々3回ずつ試験を行い、目視にて傷の有無を確認し
たところ、反射防止膜17には、全く傷は発生しなかっ
た。
【0038】この液晶パネル10を液晶プロジェクター
のライトバルブとして用いたところ、対向基板12の外
表面に、微小なゴミが付着しても、ゴミの像(影)は、
スクリーン上でぼやけ、拡大投射されることはなかっ
た。しかも液晶14に蓄積された熱は、対向基板12に
効率良く伝導し、温度の上昇が抑えられた。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明の液晶パネルは、最
外層にSiOxNy膜を使用した反射防止膜を対向基板
に成膜してなるため、良好な反射防止特性を有し、しか
も、この反射防止膜は他の部材と接触しても膜表面に傷
が発生し難いため、その反対面に形成されたITO膜上
に配行膜を成膜する際に、反射防止膜に微小な傷が発生
するのを抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶パネルを示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 液晶パネル 11 アクティブマトリックス基板 12 対向基板 13 シール材 14 液晶 15 デフォーカス基板 16、17 反射防止膜 18 ITO膜 19 配向膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクティブマトリックス基板と、アクテ
    ィブマトリックス基板に対向配置された対向基板と、各
    基板の間隙に保持された液晶とを備えた液晶パネルであ
    って、前記対向基板の内表面側には、ITO膜が形成さ
    れ、外表面側には、高屈折率膜と低屈折率膜が交互に積
    層され、最外層が酸窒化珪素膜からなる反射防止膜が形
    成されてなることを特徴とする液晶パネル。
  2. 【請求項2】 対向基板の厚みが、2mm以上であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の液晶パネル。
  3. 【請求項3】 一方の面にITO膜が形成され、他方の
    面に反射防止膜が形成され、前記反射防止膜は、高屈折
    率膜と低屈折率膜が交互に積層され、最外層が酸窒化珪
    素膜からなることを特徴とする液晶パネル用対向基板。
  4. 【請求項4】 一方の面に対向電極が形成され、他方の
    面に反射防止膜が形成され、前記反射防止膜は、高屈折
    率膜と低屈折率膜が交互に積層され、最外層が酸窒化珪
    素膜からなることを特徴とする液晶パネル用対向基板。
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