JP2004122020A - 超純水製造装置及び該装置における超純水製造供給システムの洗浄方法 - Google Patents

超純水製造装置及び該装置における超純水製造供給システムの洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超純水製造装置の新規起動時や運転休止後の運転再開時に行うシステム洗浄を短時間で行い、通常運転に切り換えるまでの装置の立ち上げ時間を短縮する。
【解決手段】一次純水を貯留する純水貯槽5と、純水貯槽5から送水される一次純水を処理して超純水を製造する二次処理装置と、超純水をユースポイント7に送水する供給ライン6と、ユースポイント7における残余の超純水を純水貯槽5に戻す返送ライン15とを備えた超純水製造装置において、返送ライン15に不純物除去装置16を設ける。システム系内を洗浄液で洗浄後、洗浄液を不純物除去装置16に通水して処理を行い、この処理水を純水貯槽5に戻すようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイス、液晶ディスプレイ、シリコンウエハ、プリント基板等の電子部品製造工場、原子力発電所或いは医薬品製造工場で広く利用されている超純水を製造するための超純水製造装置に関し、更には該装置における超純水製造供給システムの洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体デバイス、液晶ディスプレイ、シリコンウエハ、プリント基板等の電子部品製造工程或いは原子力発電所における発電工程更には医薬品製造工程においては、イオン状物質、微粒子、有機物、溶存ガス及び生菌等の不純物含有量が極めて少ない超純水が使用されている。特に、半導体デバイスをはじめとする電子部品の製造工程においては、多量の超純水が使用されており、近年、半導体デバイスの集積度の向上に伴って超純水に対する要求水質は益々厳しくなってきている。
【0003】
例えば、半導体製造に用いられる超純水としては下記の表1に示す水質が要求され、このような水質の超純水を用いるすすぎ工程においては、超純水由来の汚染物質が半導体基板表面に付着することはないとされている。
【0004】
【表1】
Figure 2004122020
【0005】
超純水製造装置は、原水を凝集沈殿装置、砂濾過装置、活性炭濾過装置、除濁膜装置、浸透膜装置、2床3塔式イオン交換装置、混床式イオン交換装置、精密濾過装置、電気再生式イオン交換装置、真空脱気装置、膜脱気装置等で処理して一次純水を得る一次系純水製造装置と、一次純水を純水貯槽に貯留すると共に、該純水貯槽から供給される一次純水を、紫外線殺菌や紫外線酸化を含む紫外線照射装置、イオン交換処理装置(カートリッジポリッシャー)、精密濾過膜装置や限外濾過膜装置や逆浸透膜装置のような膜処理装置等で処理して二次純水を得る二次系純水製造装置とから構成される。一次純水を二次処理することによって、一次純水中に残留する微粒子、コロイダル物質、有機物、金属、陰イオン等を可及的に取り除いて超純水を得る。
【0006】
得られた超純水はユースポイント(使用場所)に送られ、各種の用途に供されると共に、残余の超純水はリターン配管を通って純水貯槽に返送される。このように、一般に超純水製造装置は純水貯槽から供給される一次純水を処理して得られる超純水をユースポイントに送る配管と、ユースポイントで使用されなかった残余の超純水を純水貯槽に戻す配管とからなる循環系の配管構造を有している。
【0007】
ここにおいて、超純水製造装置を新規に設置するため装置組み立て作業を行う際に系内に微粒子、生菌等が混入する問題があり、また既存装置であってもその通常運転後、一定期間休止状態においたときに系内に微粒子、生菌等が発生するという問題がある。即ち、装置の新規起動時や既存装置の運転再開時にシステム循環系内での微粒子の混入、発生や、生菌の混入、発生更には配管等の接液部材からの金属の溶出,TOCの発生、増加等の問題が生じており、これに対する対策として通常運転に先立ちシステム循環系を予め洗浄することが行われている。
【0008】
この新規起動時や運転再開時にシステム循環系を洗浄することに関し、特開平7−195073号公報はイソプロピルアルコール等のアルコール洗浄液を用いてシステム循環系を洗浄することを開示している(特許文献1参照)。
【0009】
また特開2000−317413号公報はテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液等の塩基性洗浄液を用いてシステム循環系の洗浄を行うことを開示している(特許文献2参照)。
【0010】
更に特開2002−52322号公報には、微粒子の表面電位を変化させる洗浄液、例えば前記した塩基性洗浄液や界面活性剤等を用いてシステム循環系の洗浄を行うことが記載されている(特許文献3参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開平7−195073号公報(第2頁)
【特許文献2】
特開2000−317413号公報(第2頁)
【特許文献3】
特開2002−52322号公報(第2頁)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1においては、比較的高濃度のアルコール洗浄液を用いるので、微粒子等の洗浄除去処理後、システム内の残留アルコールを除去するための洗浄に時間がかかるという問題がある。
【0013】
また特許文献2及び特許文献3においては、塩基性洗浄液を用いる場合、比較的低濃度の洗浄液を用いることができるが、微粒子等の洗浄除去処理後の塩基性洗浄液除去に同様に時間がかかるという問題がある。
【0014】
即ち、洗浄液を使用する場合には、洗浄処理後に系内に洗浄液成分が残留しないように充分に押出洗浄及びすすぎ洗浄を行なう必要があり、従来はこの押出、すすぎ洗浄に相当の時間を要していた。押出、すすぎ洗浄工程を安全で確実に行うためには、薬品の取り扱い、機器・バルブ操作のタイミング(浸漬、循環、ブロー、押出し、循環通水(通常復帰)等の各操作のタイミング)において作業員の充分な注意と経験、判断が必要であり、作業員に対する負荷が多い。特に、ブロー、押出し、循環通水のタイミングは、排出液(洗浄液薬品)の取り扱いに注意しながら且つ水質を確認しながら行わなければならず、作業員の経験と勘に頼る要素が多分にあり、そのため作業の非能率さ、不正確さは避けることができず、その結果、系内洗浄後、通常運転に復帰するまでの時間に長時間を要し、新規運転時の立ち上げ時間、或いは運転再開時の立ち上げ時間が長くなるという問題点を生じる。
【0015】
また、系内洗浄後、通常運転に復帰するまでの時間に長時間を要するということは、押出、すすぎ洗浄に用いる純水の消費量も多大となることを意味し、水回収率の低下を招き、経済性が低下する。
【0016】
一方、通常運転時であっても次のような問題が生じる。即ち、前記したようにユースポイントで使われなかった残余の超純水はリターン配管を通して純水貯槽に戻され循環使用されるが、このユースポイントから純水貯槽に至るリターン配管の長さは一般に長大であり、この配管の長さに起因する水質の低下という問題がある。
【0017】
つまり、リターン配管の長さが長いために管体、継ぎ手、弁類の数も多く、微粒子、生菌、TOC等が超純水に混入したり、金属が超純水に溶出したりする虞があり、しかも移送される超純水が管内壁に接触している時間が長いため、その分、微粒子、生菌、TOC、金属等の混入、溶出の確率も高くなる。その結果、水質の低下した超純水が純水貯槽に戻されることになり、純水貯槽からユースポイントに超純水を供給するに当たり、その供給ライン上の各種処理装置、特にイオン交換処理装置(カートリッジポリシャー)の負荷が増大するという問題点を生じる。
【0018】
本発明は上記した種々の問題点を解決するためなされたもので、超純水製造装置の新規起動時や既存装置の運転再開時にシステム循環系を効率よく洗浄でき且つ洗浄に要する時間や装置立ち上げに要する時間を大幅に短縮できる機構を備えた超純水製造装置及び該装置における超純水製造供給システムの洗浄方法を提供することを目的とする。
【0019】
また本発明はリターン配管内を流れる超純水に微粒子、生菌、TOC、金属等が混入、溶出するのを防止して、常に水質良好な超純水を純水貯槽に循環するようにした超純水製造装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一次純水を処理して超純水を製造する二次処理装置と、超純水をユースポイントに送水する供給ラインと、ユースポイントにおける残余の超純水を前記二次処理装置の前段に戻す返送ラインとを備えた超純水製造装置において、返送ラインに不純物除去装置を設けたことを特徴とする超純水製造装置である。
【0021】
不純物除去装置としては、イオン交換処理装置、膜処理装置、活性炭処理装置が挙げられ、これらのうちの1つを用いても或いは2つ以上組み合わせて用いてもよい。
【0022】
また本発明は、一次純水を処理して超純水を製造する二次処理装置と、超純水をユースポイントに送水する供給ラインと、ユースポイントにおける残余の超純水を前記二次処理装置の前段に戻す返送ラインとを備えた超純水製造装置における超純水製造供給システムを洗浄する方法であって、システム系内に洗浄液を供給して該システム系内を洗浄する工程と、洗浄液を返送ラインに設けた不純物除去装置により処理を行う工程とからなることを特徴とする超純水製造供給システムの洗浄方法である。
【0023】
不純物除去装置による処理としては、イオン交換処理、膜処理、活性炭処理が挙げられ、これらのうちの1つの処理を行っても或いは2つ以上の処理を組み合わせて行ってもよい。
【0024】
洗浄工程において用いられる洗浄液としては、塩基性水溶液、酸性水溶液、界面活性剤水溶液、過酸化水素水溶液が挙げられ、これらの中から適宜選択して用いられる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は本発明装置の実施態様を示す略図であり、1は原水槽、2は前処理装置、3は前段貯槽、4は一次純水装置、5は純水貯槽である。6は供給ラインで、この供給ライン6は純水貯槽5とユースポイント7の間を繋ぎ、超純水をユースポイント7に送水するものである。この供給ライン6には純水貯槽5から送水される一次純水を処理して超純水を製造する二次処理装置が設置されている。この二次処理装置として、紫外線酸化装置10、イオン交換処理装置(カートリッジポリッシャー)11、膜処理装置12が順次設けられている。8はポンプ、9は熱交換器である。
【0026】
イオン交換処理装置(カートリッジポリッシャー)11は強酸性及び強塩基性イオン交換樹脂を混合充填してカートリッジ構造としたものである。また膜処理装置12としては、限外濾過膜装置、精密濾過膜装置、逆浸透膜装置等が用いられる。13はイオン交換処理装置11への通水を回避するためのバイパス配管、14は純水貯槽5に洗浄剤を供給する洗浄剤槽である。
【0027】
15はユースポイント7と純水貯槽5の間を繋ぎ、残余の超純水を純水貯槽5に戻すリターン配管としての返送ラインであり、この返送ライン15と前記供給ライン6とで超純水の循環系が構成されている。
【0028】
返送ライン15には不純物除去装置16が設けられている。この不純物除去装置16としては、イオン交換処理装置、膜処理装置、活性炭処理装置等、種々の処理装置を用いることができ、またそれらの処理装置のうちの1つを用いても或いは2つ以上を組み合わせて用いてもよい。どの処理装置を用いるか、どのような処理装置の組み合わせにするかは、使用する洗浄液自体の成分や、洗浄時に洗浄液に溶解或いは混入される他の成分、または通常運転(循環通水)時に残余の超純水に溶解或いは混入してくる他の成分等によって決定される。イオン交換処理装置はイオン性物質を、膜処理装置は微粒子や生菌を、活性炭処理装置は過酸化水素等をそれぞれ除去する。
【0029】
前記したように、使用する洗浄液自体の成分等によってどの処理装置を用いるかが決定されるが、例えば、洗浄液がテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)である場合には、不純物除去装置16としてイオン交換処理装置又は膜処理装置が用いられ、また洗浄液が塩酸水溶液等の酸性水溶液である場合には、不純物除去装置16としてイオン交換処理装置(アニオン交換樹脂装置)又は膜処理装置が用いられる。更に洗浄液が界面活性剤水溶液である場合には、不純物除去装置16としてイオン交換処理装置、膜処理装置又は活性炭処理装置が用いられ、また洗浄液が過酸化水素水溶液である場合には、不純物除去装置16として活性炭処理装置が用いられる。
【0030】
イオン交換処理装置に使用されるイオン交換体としては、強酸性、弱酸性の陽イオン交換樹脂、強塩基性、弱塩基性の陰イオン交換樹脂等の公知のものを用いることができる。陽イオン交換樹脂はH形、陰イオン交換樹脂はOH形として使用することが好ましい。
【0031】
前記したように、イオン交換処理装置(カートリッジポリッシャー)11が供給ライン6に設置され、ここで精度の高い脱イオン処理が行われるので、不純物除去装置16として用いられるイオン交換処理装置としては、イオン交換処理装置(カートリッジポリッシャー)11で使用されるような高品質のイオン交換樹脂を必ずしも用いる必要はない。
【0032】
不純物除去装置16として用いられる膜処理装置としては、精密濾過膜装置、限外濾過膜装置、逆浸透膜装置等が挙げられる。精密濾過膜装置は微粒子を、限外濾過膜装置は微粒子、生菌を、逆浸透膜装置は微粒子、生菌の他、イオン成分をそれぞれ除去できる。
【0033】
不純物除去装置16として用いられる活性炭処理装置も公知のものを用いることができ、該活性炭処理装置は過酸化水素の他、界面活性剤等の有機物を除去することができる。更に活性炭処理装置はオゾンや次亜塩素酸等の酸化性物質を除去することができる。ここにおいて活性炭処理装置とは、活性炭を用いるものに限定されず、合成炭素系粒状吸着剤を用いるものも含まれる概念である。合成炭素系粒状吸着剤としては、ロームアンドハース社製のアンバーソープ(商品名)を好適に用いることができる。アンバーソープは、巨大網目構造を有するスチレン−ジビニルベンゼンタイプのスルホン酸型イオン交換樹脂の熱分解物である。アンバーソープの中では、グレード572が特に好ましい。
【0034】
尚、不純物除去装置16として、上記したイオン交換処理装置、膜処理装置、活性炭処理装置の他、紫外線照射装置、脱気装置等を単独或いは適宜組み合わせて用いることもできる。
【0035】
17は不純物除去装置16への通水を回避するために設けられたバイパス配管である。
【0036】
返送ライン15は二次処理装置の前段である純水貯槽5に連結される他、途中で分岐して前段貯槽3に連結される配管18及び原水槽1に連結される配管19がそれぞれ設けられている。20はブロー配管である。
【0037】
上記の如く構成される超純水製造装置において、超純水の製造工程は以下の通りである。
【0038】
即ち、原水槽1から供給される原水を前処理装置2によって処理し、処理水を一旦、前段貯槽3に入れ、次いで一次純水装置4によって濾過処理、逆浸透膜処理、イオン交換処理、フィルター処理等を行い一次純水を得る。
【0039】
得られた一次純水は純水貯槽5に貯留され、以後の工程において二次処理が行われる。即ち、純水貯槽5に貯留されている一次純水はポンプ8により熱交換器9に送られ、ここで水温を調節したのち、紫外線酸化装置10に送られ、ここで有機物が分解される。次いで、イオン交換処理装置(カートリッジポリッシャー)11でイオン性不純物が除去され、更に膜処理装置12で微粒子等が除去され、これにより超純水が得られる。
【0040】
得られた超純水はユースポイント7に送られ、各種の用途に供されると共に、残余の超純水はリターン配管としての返送ライン15を通り、少なくともその一部は返送ライン15に設けられた不純物除去装置16を通って純水貯槽5や前段貯槽3や原水槽1に戻される。
【0041】
次に、装置の新規起動時におけるシステム系内の洗浄或いは所定期間運転休止後、運転を再開する時におけるシステム系内の洗浄について以下説明する。
【0042】
洗浄剤槽14より純水貯槽5に洗浄剤が供給され、純水に洗浄剤を所定濃度で溶解してなる洗浄液が調製され、この洗浄液はポンプ8によって供給ライン6に送り出される。
【0043】
洗浄液としては、pH8以上の塩基性水溶液、pH6以下の酸性水溶液(例えば、塩酸水溶液)、濃度1mg/L以上の界面活性剤水溶液、濃度1000mg/L以上の過酸化水素水溶液等を用いることができる。
【0044】
上記塩基性水溶液としては、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、ホウ酸ナトリウム水溶液等を用いることができるが、特にTMAH水溶液を用いることが好ましい。TMAH水溶液を用いる場合、その添加量はTMAH濃度1〜1000mg/Lとなるように添加することが好ましい。TMAH濃度が1mg/L未満であると洗浄力(微粒子及び有機物の除去能力)が低下し充分でなく、一方、TMAH濃度が1000mg/Lを超える高濃度となると洗浄力はそれ以上増大せず、むしろ洗浄後にTMAHが多量に残留する虞があり好ましくない。TMAHの濃度は3〜300mg/Lが好ましく、より好ましくは10〜100mg/Lである。
【0045】
上記酸性水溶液としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の無機酸の水溶液、酢酸、クエン酸、シュウ酸等の有機酸の水溶液、また弱塩基と強酸の塩からなる水溶液(例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等の水溶液)を用いることができる。洗浄効果を高めるには、pH4以下にすることが好ましく、例えば、塩酸を用いる場合、HCl濃度を約5mg/L以上とする。
【0046】
上記界面活性剤水溶液としては、アルキルアミンの無機酸、有機酸及び、第四級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の陽イオン界面活性剤、ポリオキシエチレン付加型等の非イオン界面活性剤、アミノ酢酸基等の両性イオン基を持つ両性界面活性剤を用いることができる。界面活性剤の濃度は1〜1000mg/Lで、好ましくは10〜100mg/Lとする。
【0047】
上記過酸化水素水溶液は、常温では1〜5%、好ましくは1〜3%で使用する。また、40℃程度に加温して用いる場合は、1000〜5000mg/L程度で洗浄効果が得られる。
【0048】
供給ライン6に送り出された洗浄液は熱交換器9によって温度調節される。洗浄液の温度はシステムを構成する機器類や部材類、配管等の耐熱温度を超えない範囲であればよい。一般には温度が高い程洗浄効果が高くなるので、器材の耐熱温度を超えない範囲で高温とすることが好ましい。
【0049】
温度調節後、洗浄液は紫外線酸化装置10を通り、バイパス配管13を経由して膜処理装置12を通ると共に、供給ライン6から連続して返送ライン15に流れ、バイパス配管17を経由して純水貯槽5に戻される。このように、供給ライン6と返送ライン15とからなる循環系に洗浄液を繰り返し循環流通させ、超純水製造供給システムを洗浄する。
【0050】
上記洗浄液の流通循環過程において、イオン交換処理装置11に通液せずにバイパス配管13を通すようにしたのは、洗浄液成分が除去されるのを防止するためである。例えば、洗浄液としてTMAH水溶液を用いる場合、洗浄液をイオン交換処理装置11に通すと脱イオン処理によりTMAH成分が除去されてしまうのでこれを防ぐためである。またTMAHで脱着された汚染物質がイオン交換樹脂に吸着して逆汚染することもあるので、この理由からも洗浄液をイオン交換処理装置11に通液しないようにすることが好ましい。
【0051】
不純物除去装置16に通液せずにバイパス配管17を通すようにしたのも同様の理由であり、不純物除去装置16としてイオン交換処理装置を含む場合は同様に、TMAH成分が脱イオンされてしまうのでこれを防ぐためバイパス配管17を通すようにしたものである。但し、不純物除去装置16として膜処理装置を用いる場合において、該膜処理装置として精密濾過膜や限外濾過膜を使用した場合で洗浄液の成分濃度が実質的に低下しないときはバイパス配管17に通液せずに不純物除去装置16に通液してもよい。
【0052】
本発明において、システム系内に洗浄液を供給して該システム系内を洗浄するとは、上記した如きシステム系内に洗浄液を流通循環させて洗浄することに限定されるものではなく、システム系内に洗浄液を供給してシステム系内を洗浄液で満たし、その後そのまま静置して浸漬状態で洗浄するいわゆる浸漬洗浄であってもよい。またシステム系の全部を洗浄することに限定されず、その一部を洗浄するようにしてもよい。従って例えば、紫外線酸化装置10、膜処理装置12等の処理装置のみ或いは供給ライン6、返送ライン15のみを洗浄することもできる。
【0053】
洗浄終了後、洗浄液処理工程に移る。この工程においては、洗浄液を循環系に循環送液する際、不純物除去装置16に通液させる。しかし、ここにおいても洗浄液はイオン交換処理装置11に通さず、バイパス配管13を通すようにする。洗浄液をイオン交換処理装置11に通すと、該装置の負荷が大きくなり、また汚染物質が吸着するので、これを避けるためである。
【0054】
供給ライン6から返送ライン15へと洗浄液を流通させるが、この工程の初期において洗浄液濃度が高く、不純物除去装置16の負荷が高くなるので、これを軽減するため洗浄液を該装置16に通さずにバイパス配管17に通し、洗浄液を返送ライン15から純水貯槽5に戻さずにブロー配管20に通して該洗浄液を適当量ブローすることが好ましい。ブローした排水は適宜排水処理した後、系外に放流する。
【0055】
適当量、ブローした後、洗浄液は不純物除去装置16によって処理される。例えば、不純物除去装置16がイオン交換処理装置である場合は洗浄液中のイオン成分、例えば洗浄剤がTMAHである場合のTMAHイオン、洗浄剤が塩酸である場合の塩化物イオン、洗浄剤が界面活性剤である場合の界面活性剤成分を除去し、また不純物除去装置16が逆浸透膜装置である場合は同様にTMAH成分、酸成分、界面活性剤成分を除去し、更に不純物除去装置16が活性炭処理装置である場合は界面活性剤成分や過酸化水素成分(洗浄剤が過酸化水素である場合)を除去する。また不純物除去装置16が限外濾過膜装置や精密濾過膜装置の場合は、洗浄液で洗い出された微粒子や菌を除去する。
【0056】
不純物除去装置16によって処理された洗浄液は純水貯槽5に戻されるが、洗浄液の純度が低い場合は純水貯槽5に戻さずに、配管18を通して前段貯槽3に戻すようにする。不純物除去装置16としてイオン交換処理装置を用いる場合、イオン交換樹脂から初期溶出物が流出するので、この場合も洗浄液を前段貯槽3に戻すようにすることが好ましい。前段貯槽3に戻された洗浄液は一次純水装置4によって処理され、純水貯槽5に戻され、一次純水として補給される。もし、洗浄液の純度が更に低い場合には、配管19を通して原水槽1に戻し、前処理装置2等による処理を順次行って純水貯槽5に戻し、一次純水として補給するようにする。
【0057】
洗浄液を不純物除去装置16に通すに当たり、洗浄液の全量を通さずに一部を通し、残りの一部をバイパス配管17に通すようにしてもよい。
【0058】
洗浄液を不純物除去装置16に通して処理を行い、その処理された処理水を純水貯槽5に戻し、これを再び供給ライン6に送って循環させ、不純物除去装置16に通す工程を繰り返し行い、それによりシステム系内の洗浄液濃度を低下させ、処理水の純度を向上させる。
【0059】
洗浄液処理終了後、純水貯槽5より送り出される純度の高い処理水を紫外線酸化装置10、イオン交換処理装置11、膜処理装置12に順次通液して処理を行い、二次純水を製造する。この時点で通常運転に切り換える。この場合、供給ライン6と返送ライン15とからなる循環系を二次純水が循環して流れるが、繰り返し循環流通している間に二次純水の純度が更に向上し、ある時点で要求水質に到達する。通常、この要求水質に到達した時点でユースポイント7において超純水が使用される。
【0060】
このように、本発明は洗浄工程終了後に、洗浄液を不純物除去装置16に通して処理を行うので、システム系内の洗浄液の水質を短時間で良好なものとすることができ、洗浄を効率的に行うことができる。その結果、洗浄時間を大幅に短縮でき、通常運転に切り換えるための立ち上げ時間を短縮することが可能となる。
【0061】
本発明は上記の如くTMAH等の洗浄剤を一次純水に溶解してなる洗浄液を用いてシステム洗浄を行う場合に限られず、純水又は超純水を用いてシステム洗浄を行ってもよい。この場合、比抵抗値が1MΩcm以上の純水又は超純水を用いることが好ましい。
【0062】
通常運転に切り換えた後、超純水は供給ライン6と返送ライン15とからなる循環系を循環して流れる。即ち、供給ライン6を通して超純水がユースポイント7に供給され、このユースポイント7において使用されなかった残余の超純水は返送ライン15を通り純水貯槽5に戻される。一般に返送ライン15の長さが長大であると超純水への微粒子、生菌、TOC等の混入或いは金属の溶出という問題が生じるが、本発明においては、返送ライン15に不純物除去装置16を設置したので、仮に前記した微粒子、生菌、TOC等の混入或いは金属の溶出が生じたとしても、超純水が不純物除去装置16により処理されることによって、それらの微粒子、生菌、TOC、金属等は確実に除去される。その結果、常に水質良好な超純水を純水貯槽5に戻すことができ、循環系におけるイオン交換処理装置(カートリッジポリッシャー)11等の二次処理装置の負荷を低減することができる。
【0063】
このように不純物除去装置16は、システム洗浄の際の洗浄液の処理という機能の他に、通常運転時においてリターン配管(返送ライン15)を流れる超純水の処理という機能をも有しており、同時に2つの機能を併有するものである。リターン配管(返送ライン15)を流れる超純水の処理は、リターン配管(返送ライン15)の長さが長いということに起因して微粒子、生菌、TOC、金属等が混入、溶出した超純水に対する処理を行うものであるから、この処理の目的に照らせば不純物除去装置16は、できるだけ純水貯槽5に近い位置に設置することが好ましい。
【0064】
図2は本発明の別の実施態様を示すもので、機能水供給ラインを併設した超純水製造装置を示す。図2は構造的には、図1の超純水製造装置に機能水供給機構を付加したもので、図中、図1と同一の構成を示すものは同一符号をもって示す。供給ライン6から分岐して機能水供給ライン21が設けられ、この機能水供給ライン21に機能水製造装置22が設置されている。
【0065】
本発明において、機能水としては水素水、オゾン水等が挙げられ、またそれらは酸、アルカリ添加によってpHを調節したものであってもよい。水素水やオゾン水はガス溶解装置により水素ガスやオゾンガスを超純水に溶解して製造される。ガス溶解装置としては例えば中空糸膜等のガス透過膜を備えた構造のものが用いられる。
【0066】
供給ライン6より分岐して機能水製造装置22に超純水が供給され、ここで水素ガスやオゾンガスが超純水に溶解され、機能水が製造される。該装置22によって製造された機能水は機能水供給ライン21を通り、ユースポイント7に供給され、各種用途に利用される。機能水が水素水である場合、例えば半導体ウエハ製造工程において、微粒子の除去処理に用いられ、また機能水がオゾン水である場合、同工程における金属除去処理或いは有機物除去処理に用いられる。
【0067】
機能水供給ライン21には返送ライン23が連続して設けられており、該返送ライン23には不純物除去装置24が設置されている。25はバイパス配管である。
【0068】
不純物除去装置24はシステム洗浄における洗浄工程終了後に洗浄液の処理を行なう機能と、機能水成分である水素やオゾン等を除去する機能とがある。前者の機能のためには図1の実施態様の説明で述べたように、不純物除去装置24としてイオン交換処理装置、膜処理装置、活性炭処理装置等を用いることができ、具体的にはそれらのうちの1つの装置或いはそれらの2つ以上の装置を組み合わせて用いることができる。
【0069】
また後者の機能のためには、脱気装置が用いられ、更に機能水が酸、アルカリ添加によりpH調節されたものである場合にはイオン交換処理装置も用いられる。脱気装置は例えば、ガス透過膜を備えた公知の膜脱気装置等を用いることができる。尚、機能水がオゾン水である場合、前記脱気装置以外に活性炭処理装置(ここにいう活性炭の概念には上記したように、合成炭素系粒状吸着剤を含むものである)や紫外線照射装置を用いることもでき更には過酸化水素と接触させてオゾンを分解する装置を用いることもできる。
【0070】
返送ライン23は純水貯槽5に接続され、不純物除去装置24で処理された処理水を純水貯槽5に戻す。純水貯槽5に戻された処理水は超純水製造用として或いは機能水製造用として再び系内に送られる。
【0071】
返送ライン23には、洗浄工程終了後の洗浄液をブローするためのブロー配管26、洗浄液を原水槽1に戻すための配管27、洗浄液を前段貯槽3に戻すための配管28がそれぞれ分岐状に設けられている。
【0072】
29はユースポイントから排出された薬液濃度の比較的薄い排水を貯留するための回収水槽、30は回収水槽29より送り出される排水を処理する回収処理装置であり、回収処理装置30によって処理された処理水は原水槽1に戻され再利用される。
【0073】
31はユースポイントから排出された薬液濃度の比較的濃い排水を貯留するための排水槽、32は排水槽31より送り出される排水を処理する排水処理装置であり、排水処理装置32によって処理された処理水は系外に放流される。
【0074】
ブロー配管20及び/又はブロー配管26から排出された排水は、その純度(薬液濃度)に応じて回収水槽29又は排水槽31に送られて回収又は排水処理が行なわれる。
【0075】
上記の如く構成される機能水供給ラインを併設した超純水製造装置において、装置の新規起動時や運転休止後の運転再開時に系内の微粒子、生菌、TOC、金属等を除去するため図1に示す実施態様において説明したと同様、システムの洗浄を行う必要がある。洗浄方法は前記実施態様において説明した方法と同様である。
【0076】
即ち、供給ライン6と返送ライン15とからなる循環系と、機能水供給ライン21と返送ライン23とからなる循環系との2つの循環系に洗浄液を流して繰り返し循環させて洗浄を行う。或いは2つの循環系に洗浄液を満たして一定時間静置させて洗浄することもできる。洗浄液は前記実施態様の場合と同様な洗浄液を用いることができる。
【0077】
上記洗浄工程において、イオン交換処理装置11、不純物除去装置16及び不純物除去装置24には洗浄液を通さず、それぞれバイパス配管13、17、25に洗浄液を通すようにする。
【0078】
洗浄工程終了後、洗浄液処理工程に移るが、この洗浄液処理工程において、初期の薬液濃度の高い洗浄液はブロー配管20、26からブローして排出する。次いで、不純物除去装置16、24に洗浄液を通して該装置16、24によりTMAH等の洗浄剤成分の除去を行う。この不純物除去処理の行われた洗浄液は純水貯槽5に戻され、再度システム系に送られ繰り返し洗浄液処理が行われる(この間、洗浄液はイオン交換処理装置11には通さず、バイパス配管13に通すようにする)。比較的純度の低い洗浄液は純水貯槽5に戻さず、原水槽1或いは前段貯槽3に戻すようにする。
【0079】
洗浄液処理終了後、純水貯槽5より送り出される純度の高い処理水を紫外線酸化装置10、イオン交換処理装置11、膜処理装置12に順次通液して処理を行い、二次純水を製造する。この時点で通常運転に切り換える。かくしてユースポイント7において超純水の利用が可能となる。
【0080】
このように、図2に示す実施態様において、洗浄工程終了後に洗浄液を不純物除去装置16、24に通して処理を行うので、システム系内の洗浄液の水質を短時間で良好なものとすることができ、洗浄を効率的に行うことができる。その結果、洗浄時間を短縮できることにより、通常運転復帰までの立ち上げ時間を大幅に短縮することができる。
【0081】
以下、実施例、比較例を示す。
実施例
図1に示す超純水製造装置を用いて下記工程からなる処理を行った。
工程1: 超純水製造装置を1ヶ月間運転した後、ユースポイントでの超純水の使用を中止し、装置の運転を停止した。
工程2: 運転停止から2日後、洗浄剤槽14より純水貯槽5にTMAHを供給し、純水貯槽5内の純水がpH10になるようにTMAHを添加し(約20mg/L)、洗浄液を調製した。
工程3: ポンプ8を起動し、熱交換器9で23℃に温度調節した洗浄液をシステム系内に送り、1時間系内を循環させて洗浄を行った。このときイオン交換処理装置11及び不純物除去装置16(H形の強酸性陽イオン交換樹脂とOH形の強塩基性陰イオン交換樹脂の混床)には洗浄液を通さず、それぞれバイパス配管13、17に洗浄液を通した。
工程4: 洗浄液を不純物除去装置16に通水し、この処理水を前段貯槽3に戻した。同時に一次純水装置4から純水貯槽5に純水を補給して系内に送り、洗浄液の処理を行った。
工程5: 洗浄液処理を1時間行った後、不純物除去装置16からの処理水を純水貯槽5に戻し、この純水貯槽5から供給ライン6に送られる純水を紫外線酸化装置10、イオン交換処理装置11(即ち、バイパス配管13に通さずにイオン交換処理装置11に通すようにする)、膜処理装置12に順次送って処理を行い、通常運転に復帰させた。
【0082】
上記処理において、装置立ち上げ作業開始から通常運転復帰までの時間及び要求水質に到達するまでの時間を測定し、且つ通常運転に復帰してから要求水質に到達するまでの水質(微粒子数)の変化を測定した。結果を図4に示す。
【0083】
比較例
図3に示す超純水製造装置を用いた。図中、40は原水槽、41は前処理装置、42は前段貯槽、43は一次純水装置、44は純水貯槽、45は洗浄剤槽、46はポンプ、47は熱交換器、48は紫外線酸化装置、49はイオン交換処理装置、50はバイパス配管、51は膜処理装置、52は供給ライン、53はユースポイント、54は返送ライン、55はブロー配管である。この比較例における装置は図1に示す実施例の装置と異なり、返送ライン54に不純物除去装置を設置しておらず、且つ洗浄液を原水槽40や前段貯槽42に戻す配管を備えていない。
【0084】
上記超純水製造装置を用いて下記工程からなる処理を行った。
工程1: 超純水製造装置を1ヶ月間運転した後、ユースポイントでの超純水の使用を中止し、装置の運転を停止した。
工程2: 運転停止から2日後、洗浄剤槽45より純水貯槽44にTMAHを供給し、純水貯槽44内の純水がpH10になるようにTMAHを添加し(約20mg/L)、洗浄液を調製した。
工程3: ポンプ46を起動し、熱交換器47で23℃に温度調節した洗浄液をシステム系内に送り、1時間系内を循環させて洗浄を行った。このときイオン交換処理装置49には洗浄液を通さず、バイパス配管50に洗浄液を通した。
工程4: 洗浄液をブロー配管55より排出した。同時に一次純水装置43から純水貯槽44に純水を補給して系内に送り、押出洗浄を行った。排出された排水を弱酸性の陽イオン交換樹脂により脱イオン処理を行った。
工程5: 洗浄液のTMAH濃度が充分に低減されたことを確認してから、純水貯槽44から供給ライン52に送られる純水を紫外線酸化装置48、イオン交換処理装置49(即ち、バイパス配管50に通さずにイオン交換処理装置49に通すようにする)、膜処理装置51に順次送って処理を行い、通常運転に復帰させた。
【0085】
上記処理において、装置立ち上げ作業開始から通常運転復帰までの時間及び要求水質に到達するまでの時間を測定し、且つ通常運転に復帰してから要求水質に到達するまでの水質(微粒子数)の変化を測定した。同様に結果を図4に示す。
【0086】
図4において、T、T、T、t、tはそれぞれ下記内容を示している。
【0087】
: 装置立ち上げ作業開始時間
: 実施例における装置の通常運転復帰時間
: 実施例における装置の要求水質到達時間
: 比較例における装置の通常運転復帰時間
: 比較例における装置の要求水質到達時間
実施例の工程2〜工程5までに要した時間(即ち、図4のTからTまでの時間)は4時間であり、比較例の工程2〜工程5までに要した時間(即ち、図4のTからtまでの時間)は12時間であった。従って、通常運転に復帰するまでの装置の立ち上げ時間が実施例においては比較例に比べて3分の1に短縮されることが判った。
【0088】
その結果、実施例における装置立ち上げ作業開始から微粒子に関する水質が要求水質(0.05μm以上の微粒子が1個/mL以下)に到達するまでの時間(T)は14.5時間であり、一方、比較例における当該時間(t)は24時間であり、実施例においては比較例に比べて上記時間が大幅に短縮された。また比抵抗,TOC、金属等の場合も同様な傾向が得られた。
【0089】
【発明の効果】
本発明は、ユースポイントにおける残余の超純水を二次処理装置の前段に戻す返送ラインに不純物除去装置を設け、洗浄工程終了後、洗浄液を不純物除去装置に通水して処理を行うようにしたものであるから、洗浄液に含まれる洗浄剤成分を効率よく除去でき、従来のように作業者の経験と勘に頼る必要はなくなり、洗浄に要する時間を大幅に短縮できる。その結果、装置の新規起動時や運転休止後の運転再開時において行われるシステム洗浄を短時間で行うことができ、通常運転に復帰するまでの装置の立ち上げ時間を従来に比べ著しく短縮でき、操業効率を高める効果がある。
【0090】
本発明によれば、洗浄液を不純物除去装置により処理しながら循環系内を循環させることにより、効率よく洗浄剤成分の濃度を低下できるので押出洗浄が不要であるか或いは押出洗浄するとしても工程の初期にのみ行えばよく、従って余分な水を消費することがなく、水資源の有効利用が可能となり、またエネルギーの浪費を防止できる。
【0091】
また本発明によれば、リターン配管(返送ライン)内を流れる超純水を不純物除去装置により処理するので、仮に該超純水に微粒子、生菌,TOC、金属等が混入、溶出したとしても、それら微粒子等を確実に除去でき、従って、たとえリターン配管の長さが長大なものであっても、常に水質良好な超純水を二次処理装置の前段に循環でき、二次処理装置におけるイオン交換処理装置の負荷を低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の第1の実施態様を示す略図である。
【図2】本発明装置の第2の実施態様を示す略図である。
【図3】従来装置を示す略図である。
【図4】装置立ち上げ時間と水質の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
5   純水貯槽
6   供給ライン
7   ユースポイント
15  返送ライン
16  不純物除去装置

Claims (5)

  1. 一次純水を処理して超純水を製造する二次処理装置と、超純水をユースポイントに送水する供給ラインと、ユースポイントにおける残余の超純水を前記二次処理装置の前段に戻す返送ラインとを備えた超純水製造装置において、返送ラインに不純物除去装置を設けたことを特徴とする超純水製造装置。
  2. 不純物除去装置がイオン交換処理装置、膜処理装置、活性炭処理装置のうちの1つ又は2つ以上の組み合わせからなるものである請求項1記載の超純水製造装置。
  3. 一次純水を処理して超純水を製造する二次処理装置と、超純水をユースポイントに送水する供給ラインと、ユースポイントにおける残余の超純水を前記二次処理装置の前段に戻す返送ラインとを備えた超純水製造装置における超純水製造供給システムを洗浄する方法であって、システム系内に洗浄液を供給して該システム系内を洗浄する工程と、洗浄液を返送ラインに設けた不純物除去装置により処理を行う工程とからなることを特徴とする超純水製造供給システムの洗浄方法。
  4. 不純物除去装置による処理がイオン交換処理、膜処理、活性炭処理のうちの1つ又は2つ以上の組み合わせからなるものである請求項3記載の超純水製造供給システムの洗浄方法。
  5. 洗浄液が、塩基性水溶液、酸性水溶液、界面活性剤水溶液、過酸化水素水溶液のいずれかである請求項3記載の超純水製造供給システムの洗浄方法。
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