JP2004117613A - 電子楽器 - Google Patents

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Abstract

【課題】演奏に支障をきたすことなく、楽曲の進行中に複数の分割音域の境界および同分割音域内の楽音信号の音色を変更できるようにする。
【解決手段】この電子楽器は、複数の鍵からなる鍵盤11と、所定音域を複数に分割した分割音域ごとにそれぞれ独立した音色の楽音信号を発生できる音源回路51を有する。鍵盤11による演奏に応じた楽音信号の発生は、CPU61などのコンピュータによって制御される。外部記憶装置65に和音名データを楽曲の進行に従って記憶しておき、コンピュータ制御により、楽曲の進行に従って読出した和音名データに基づいて複数の分割音域の境界が変更される。鍵盤11で演奏された鍵はいずれかの分割音域に割当てられて、同演奏鍵に対応した楽音信号の発生が制御される。また、各分割音域に応じて発生される楽音信号の音色も、音色データにより楽曲の進行に従って自動的に変更される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の音域を複数に分割した分割音域ごとにそれぞれ独立して設定された音色の楽音信号を発生可能な電子楽器、同電子楽器に適用されるコンピュータプログラムおよびデータ記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、演奏者によって操作されて所定音域内の異なる音高の楽音信号の発生をそれぞれ指示する複数の演奏操作子と、複数の演奏操作子の操作に応じて指示された音高の楽音信号を発生するとともに、所定音域を複数に分割した分割音域ごとにそれぞれ独立して設定された音色の楽音信号を発生する楽音信号発生手段とを備えた電子楽器はよく知られている。そして、これらの電子楽器においては、複数の分割音域の境界および各分割音域ごとにそれぞれ発生される楽音信号の音色を、操作パネルに設けた操作スイッチによって適宜設定するようになっている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−234747号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術において、複数の分割音域の境界を楽曲の進行中に変更する場合、演奏者は演奏操作子による電子楽器の演奏と並行して、複数の分割音域の境界を設定変更しなければならない。このことは、通常の演奏者にとっては至難のことであり、事実上不可能であった。また、各分割音域ごとの音色を演奏中に変更することも、難しいことであった。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、電子楽器の演奏に支障をきたすことなく、楽曲の進行中に複数の分割音域の境界を変更できるようにした電子楽器を提供することにある。また、楽曲の進行中に、各分割音域の音色を簡単に変更できるようにした電子楽器を提供することにある。
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の特徴は、演奏者によって操作されて所定音域内の異なる音高の楽音信号の発生をそれぞれ指示する複数の演奏操作子と、複数の演奏操作子の操作に応じて指示された音高の楽音信号を発生するとともに、所定音域を複数に分割した分割音域ごとにそれぞれ独立して設定された音色の楽音信号を発生可能な楽音信号発生手段と、複数の分割音域の境界を楽曲の進行に従って変更するための音域分割データを記憶した音域分割データ記憶手段と、音域分割データ記憶手段に記憶されている音域分割データを楽曲の進行に従って自動的に読出し、同読出した音域分割データを用いて複数の演奏操作子のうちの操作された演奏操作子を複数の分割音域のいずれかに割当てて楽音信号発生手段による楽音信号の発生を制御する音域制御手段とを備えたことにある。
【0007】
前記のように構成した本発明においては、音域制御手段により、音域分割データ記憶手段に記憶されている音域分割データは楽曲の進行に従って自動的に読出され、同読出された音域分割データを用いて操作された演奏操作子を複数の分割音域のいずれかに割当てて楽音信号発生手段による楽音信号の発生が制御される。したがって、演奏者は、演奏操作子を楽曲の進行に従って操作するだけで、同操作された演奏操作子に対応した楽音信号が各分割音域ごとに独立して設定された音色で発生される。その結果、この発明によれば、複数の分割音域を楽曲の進行に従って変更しても、演奏に支障をきたすことなく、楽曲の進行に従って変化する複数の分割音域に対応した楽音信号を発生させることができる。
【0008】
また、本発明の他の特徴は、前記発明に加えて、複数の分割音域にて発生される楽音信号の音色をそれぞれ表す音色データを楽曲の進行に従って記憶した音色データ記憶手段と、音色データ記憶手段に記憶されている音色データを楽曲の進行に従って読出し、同読出した音色データに応じて前記楽音信号発生手段から発生される楽音信号の音色を各分割音域ごとに制御する音色制御手段とを設けたことにある。
【0009】
これによれば、音色制御手段により、音色データ記憶手段に記憶されていて複数の分割音域にて発生される楽音信号の音色をそれぞれ表す音色データも、楽曲の進行に従って自動的に読出されて、各音域ごとに発生される楽音信号の音色が制御される。したがって、演奏者は、演奏操作子を楽曲の進行に従って操作するだけで、楽音信号の音色も楽曲の進行に従って変化させることができる。その結果、前記発明に加えて、発生される楽音信号に変化をもたせることができ、より良好な楽音信号を発生させることができる。
【0010】
また、本発明のさらに他の特徴は、前記音域分割データ記憶手段に記憶されている音域分割データは和音を表す和音情報からなり、前記音域決定手段が、操作された演奏操作子の属する音域を和音情報に基づいて決定するように構成したことにある。この場合、音域決定手段は、複数の分割音域の各境界をそれぞれ表す境界データを和音種類に対応させて記憶した音域分割テーブルを有していて、同音域分割テーブルを用いて、操作された演奏操作子の属する音域を順次読出された和音情報に応じて決定するようにするとよい。
【0011】
これによれば、複数の分割音域の境界を和音の進行に応じて自動的に変更できる。和音伴奏は、和音の種類によりその使用音域を異ならせるので、この和音伴奏の使用音域を回避しながら、メロディ、ベースなどの他のパートの演奏領域を有効に広げることができ、豊かな演奏を楽しむことができる。
【0012】
さらに、本発明の特徴は、前記電子楽器に適用され、前述した各種機能を実現するための電子楽器用コンピュータプログラムおよび電子楽器用データ記憶装置にもある。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明に係る電子楽器の全体を概略的に示すブロック図である。
【0014】
この電子楽器は、鍵盤11、パネル操作子群21および表示器31を備えている。鍵盤11は本発明の演奏操作子を構成する複数の鍵からなり、同複数の鍵は所定音域(例えば、C1〜C7)内にて半音ずつ変化する各音高を有する楽音の発生をそれぞれ指示する。複数の鍵の押離鍵は、バス40に接続されて複数の鍵にそれぞれ対応した複数の鍵スイッチを含む検出回路12により検出される。パネル操作子群21は、操作パネルに設けられて電子楽器の各種動作を指示する複数のパネル操作子からなる。パネル操作子群21の操作は、バス40に接続されてパネル操作子群21にそれぞれ対応した複数のパネル操作子スイッチを含む検出回路22によって検出される。表示器31は、CRT表示器、液晶表示器などで構成されており、各種情報を文字又は数字表示するものである。この表示器31は、バス40に接続された表示制御回路32により表示制御される。
【0015】
また、この電子楽器は、バス40に接続された音源回路51も備えている。音源回路51は、複数の音源チャンネルを含み、各音源チャンネルは独立して設定された制御態様(例えば、独立して設定された音色)で複数の楽音信号を同時にそれぞれ形成出力できるようになっている。本実施形態の場合、これらの複数の音源チャンネルには、少なくとも、鍵域分割による低音域チャンネル(例えば、和音根音チャンネル)、中音域チャンネル(例えば、和音チャンネル)および高音域チャンネル(例えば、メロディ音チャンネル)が含まれている。各音源チャンネルは、バス40を介して供給される演奏情報(キーコード、キーオン信号、キーオフ信号、音色制御情報など)に基づいて楽音信号を形成して出力する。音源回路51には、D/A変換器、アンプ、スピーカなどを含むサウンドシステム52が接続されており、同システム52は音源回路51からの楽音信号に対応した楽音を放音する。
【0016】
また、バス40には、CPU61,ROM62、RAM63、タイマ64および外部記憶装置65も接続されている。CPU61,ROM62、RAM63およびタイマ64はマイクロコンピュータ本体部を構成するもので、各種プログラムを実行して電子楽器の各種動作を制御する。
【0017】
外部記憶装置65は、予め組み込まれたハードディスクHDなどの記録媒体、着脱可能に組み付けられるフレキシブルディスクFD、コンパクトディスグCDなどの記録媒体と、同記録媒体に対してプログラム及びデータの読み書きを可能とするドライブ装置からなる。外部記憶装置65には、各種プログラムおよび各種データが記憶されている。特に、本実施形態では、この電子楽器でコンピュータプログラムによって実現される機能を表す図2の機能ブロック図に対応したプログラムが記憶されているとともに、複数の楽曲データ、鍵域分割データおよび音高変換データも記憶されている。なお、音高変換データに関しては、後述する動作説明時に詳しく説明する。また、各種プログラムおよび各種データの一部に関しては、ROM62にも記憶されている。
【0018】
楽曲データは、図3に示すように、複数の楽曲に対応して用意されており、各楽曲データは、ヘッダ、和音トラック、音色トラック1〜3、旋律トラック、伴奏トラックなどからなる。ヘッダは、曲名、フォーマット形式を示すデータなどからなる。和音トラックは、本発明の音域分割データ記憶手段を構成するもので、イベントデータとしての和音名(例えば、Cメジャ、Dマイナなど)を表す複数の和音名データ(和音情報)と、各和音名データの楽曲進行上のタイミング1,2などを表す複数のタイミングデータとからなる。各タイミングデータは、楽曲の先頭からの経過時間を表すデータであっても、各和音名データ間の相対時間を表すデータであってもよい。
【0019】
音色トラック1〜3は、本発明の音色データ記憶手段に対応するもので、それぞれ音源回路51の鍵域分割による低音域チャンネル、中音域チャンネルおよび高音域チャンネルの音色を設定するためのものである。各音色トラックは、各チャンネルの楽曲の進行に従って変化する音色1,2などを表すイベントデータとしての複数の音色データと、各音色データの楽曲進行上のタイミング1,2などを表す複数のタイミングデータとからなる。各タイミングデータは、楽曲の先頭からの経過時間を表すデータであっても、各音色データ間の相対時間を表すデータであってもよい。旋律トラックおよび伴奏トラックには通常の自動演奏におけるメロディおよび伴奏に関する演奏データが記憶されているが、これらに関しては本発明に直接関係しないので、それらの詳しい説明を省略する。
【0020】
鍵域分割データは、本願発明の音域決定手段の一部を構成するもので、鍵域分割テーブルの形式で前述したプログラムに付属されている。この鍵域分割データは、図4に示すように、複数の和音名(Cメジャ、Cマイナなど)と、各和音名に対応させた低音域に属する最高音の音名(例えば、C2,C3など)および高音域に属する最低音の音名(例えば、C4,C4など)とからなり、和音名に対応させて低音域、中音域および高音域の各境界を表している。そして、図示左側の音名と図示右側の音名とに挟まれた音名が中音域に属する。ただし、図示右側の音名が存在しない場合には、高音域が存在しないことを意味する。また、図示左側と右側の音名が同じ場合には、中音域が存在しないことを意味する。
【0021】
さらに、バス40には、通信インターフェース回路71も接続されている。通信インターフェース回路71は、他の電子楽器、パーソナルコンピュータ、自動演奏装置(シーケンサ)などの他の機器72に接続されて、同機器72に対する各種プログラムおよび各種データの送受信を許容する。また、この通信インターフェース回路71は、通信ネットワーク73を介してサーバコンピュータ74に接続され、同サーバコンピュータ74に対して各種プログラムおよび各種データの送受信を許容する。
【0022】
次に、上記のように構成した実施形態の動作を説明する。まず、演奏者は、外部記憶装置65およびROM61に記憶されている必要なプログラムを起動する。この起動により、前記プログラムはRAM63に転送記憶される。なお、このプログラムが外部記憶装置65およびROM61に記憶されていない場合には、他の機器72またはサーバコンピュータ74から通信インターフェース回路71および/または通信ネットワーク73を介して前記プログラムの提供を受けることも可能である。
【0023】
次に、演奏者は、図示しないプログラムの実行により、表示器31に表示される表示画面を見ながらパネル操作子群21を操作して、外部記憶装置65に記憶されている複数の楽曲データの中から演奏しよとする一つの楽曲データを選択する。この選択により、選択された曲データはRAM63に格納される。また、楽曲データに関しても、他の機器72またはサーバコンピュータ74から通信インターフェース回路71および/または通信ネットワーク73を介して入手することも可能である。
【0024】
次に、演奏者が、前記選択した楽曲データを再生しながら、鍵盤11にて同楽曲データに対応した楽曲を演奏した場合の電子楽器の動作を説明する。図2は、前記プログラムによって実現される電子楽器の機能ブロック図であるが、プログラムの各処理についても同時に表している。演奏者が、パネル操作子群21を操作することにより、楽曲データの再生開始を指示すると、読出し部S10は、前記RAM63に転送された楽曲データを楽曲の進行(時間経過)に従って、順次読出す。この読出しにおいては、和音トラック、音色トラック1〜3、旋律トラックおよび伴奏トラックに含まれるタイミングデータに基づいて、前記各トラックのイベントデータのうちで楽曲の進行タイミングと一致するイベントデータのみが読出される。
【0025】
この読出されたイベントデータは、情報種類判別部S11にて、いずれのトラックのデータであるかが判別されて、同判別結果に応じて鍵域分割状況保持部S12、音色設定部S13、和音情報保持部S14および発音制御部S15のいずれかに供給される。すなわち、和音トラック内の和音名データが読出されたならば、同和音名データは鍵域分割情報(音域分割情報)として鍵域分割状況保持部S12に供給されるとともに、和音情報保持部S14に供給される。音色トラック1〜3内の音色データが読出されたならば、同音色データは音色設定部S13に供給される。また、旋律トラックおよび伴奏トラックの演奏データが読出されたならば、同演奏データは発音制御部S15に供給される。
【0026】
鍵域分割状況保持部S12は、プログラムの起動時にRAM63内に転送記憶させた鍵域分割データからなる鍵域分割テーブル63aを参照し、前記供給された和音名データ(鍵域分割情報)に応じて低音域、中音域および高音域の各範囲を規定する音高を表す音名データを決定して、同決定した音名データを各音域ごとに記憶しておく。なお、前述のように、低音域、中音域および高音域のいずれかの音域が実質的に存在しない場合もある。
【0027】
音色設定部S13は、供給された音色データを音色トラック1〜3に対応させて、音源回路51の低音域チャンネル、中音域チャンネルおよび高音域チャンネルにそれぞれ振り分け、同音色データによって表された音色を得るための音色制御情報を前記各チャンネルごとに記憶する。和音情報保持部S14は、前記供給された和音名データを記憶する。なお、これらの鍵域分割状況保持部S12、音色設定部S13および和音情報保持部S14に記憶されている各データは、読出し部S10にて楽曲の進行に従って新たなイベントデータが読出されたときに更新される。
【0028】
次に、前記状況下で、鍵盤11にて新たな鍵が押されて楽音信号の発生が指示されると、入力部S21は新たに押された鍵を表す音名データを入力して、鍵域判別部S22に供給する。鍵域判別部S22は、この供給された音名データと、前記鍵域分割状況保持部S12に記憶保持されていて各音域の範囲を表す音名データとを比較して、鍵盤11にて押された鍵が低音域、中音域および高音域のいずれの音域に属するかを決定する。発音音色決定部S23は、前記鍵域判別部S22にて決定された音域に応じて、音色設定部S13に記憶されている音域ごとの音色制御情報を取得し、新たに押された鍵を表す音名データおよび同鍵が属する低音域、中音域および高音域のいずれかの音域を表すチャンネル情報に加え、同チャンネルに関する音色制御情報を発音音高決定部S24に供給する。
【0029】
発音音高決定部S24は、発音音色決定部S23からの新たに押された鍵音高を表す音名データを、和音情報保持部S14に前記記憶した和音名データに基づいて、現在の和音に適した音高(例えば、和音構成音)に自動変換して、同変換した音名データを、前記チャンネル情報および音色制御情報と共に発音制御部S15に供給する。なお、この発音音高決定部S24による音高変換を省略して、鍵盤11にて新たに押された鍵を表す音名データが、そのまま前記チャンネル情報および音色制御情報と共に発音制御部S15に供給されるようにしてもよい。
【0030】
この音高の変換ルールについて若干の説明を加えておくと、この変換ルールを規定するための音高変換データはRAM63内に設けた音高変換テーブル63bに記憶されている。この音高変換データは前述のようにプログラムに付随したもので、前記プログラムのRAM63への転送時に音高変換テーブル63bに書込まれる。この変換ルールは、例えば音域ごとに異なるもので、一例を上げれば、低音域では和音根音に近づく音高に変換し、中音域では和音根音と5度の関係にある音高に近づく音高に変換し、高音域では和音の構成音のいずれか近い音高に変換する。しかも、この変換ルールは、音域ごとに演奏されるパートが異なれば、演奏されるパートに合わせて音高が変換されるようになっている。さらに、この音高変換に連動して、音域ごとの音色を変更することもある。
【0031】
発音制御部S15は、発音音高決定部S24から供給された、音高変換されまたは音高変換されてない音名データ、チャンネル情報および音色制御情報を音源回路51に供給して楽音信号の発生を制御する。音源回路51は、低音域チャンネル、中音域チャンネルおよび高音域チャンネルのうちでチャンネル情報によって指定される音源チャンネルにて、音名データに対応した音高を有するとともに音色制御情報によって指定される音色を有する楽音信号を形成して出力する。そして、同楽音信号に対応した楽音が、サウンドシステム52を介して放音される。また、前述のように情報種類判別部S11から旋律トラックおよび伴奏トラックの演奏データが供給されている場合には、必要に応じて同演奏データを音源回路51に供給する。そして、音源回路51にて、旋律トラックおよび伴奏トラックの演奏データを必要に応じて再生させる。
【0032】
上記作動説明のように、上記実施形態においては、和音トラックに音域分割情報(鍵域分割情報)として記憶されている和音名データが楽曲の進行に従って自動的に読出され、同読出された和音名データを用いて、鍵盤11にて演奏された鍵を複数の分割音域(分割鍵域)のいずれかに割当てて、同演奏された鍵に対応した楽音信号の発生が制御される。したがって、演奏者は、鍵盤11を楽曲の進行に従って演奏するだけで、演奏された鍵に対応した楽音信号が各分割音域ごとに独立して設定された音色で発生される。その結果、上記実施形態によれば、複数の分割音域(分割鍵域)を楽曲の進行に従って変更しても、演奏に支障をきたすことなく、楽曲の進行に従って変化する複数の分割音域に対応した楽音信号を発生させることができる。
【0033】
また、上記実施形態においては、音色トラック1〜3から楽曲の進行に従って読出した音色データに応じて、楽音信号の音色が各分割音域(分割鍵域)ごとに変更制御される。これにより、演奏者は、鍵盤11を楽曲の進行に従って演奏するだけで、分割音域(分割鍵域)ごとの楽音信号の音色も楽曲の進行に従って自動的に変化させることができ、発生される楽音信号に変化をもたせることができて、より良好な楽音信号を発生させることができる。
【0034】
また、上記実施形態においては、和音トラックに和音名データを記憶しておき、鍵域分割テーブル63aに記憶されている鍵域分割データを用いて、鍵盤11にて演奏された鍵の属する音域を順次読出された和音名データに対応させて決定するようにした。これにより、複数の分割音域(分割鍵域)の境界が和音の進行に応じて自動的に変更されるので、和音伴奏の使用音域を回避しながら、メロディ、ベースなどの他のパートの演奏領域を有効に広げることができ、豊かな演奏を楽しむことができる。
【0035】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。
【0036】
例えば、上記実施形態においては音域分割情報(鍵域分割情報)として和音を表す和音名データを用いるようにしたが、要は、分割音域(分割鍵域)を楽曲の進行に従って順次指定できる情報であれば、いかなる情報を利用することもできる。この場合、音域(鍵域)の分割箇所を表す音名データ(ノートナンバ)を音域分割情報(鍵域分割情報)として外部記憶装置65またはその他の記憶媒体に記憶しておき、同音名データを楽曲の進行に従って読出して、分割音域(分割鍵域)を楽曲の進行に従って指定するようにするとよい。
【0037】
また、上記実施形態においては、音源回路51の低音域、中音域および高音域ごとに音色を制御するための音色データを3個の音色トラック1〜3に分けて記憶しておくようにした。しかし、複数の音域に対応した音源チャンネルごとに楽曲の進行に従って独立して音色を設定できるようにすれば、いかなる方法を採用することもできる。例えば、音色を設定するための音色データに音源チャンネルを区別できるデータを付加して、複数の音源チャンネル分の音色データを一つの音色トラックに混在させて記憶しておくようにしてもよい。また、音色トラックを特別に設けなくても、前記音源チャンネルを区別できるデータを付加した音色データを、和音トラック、旋律トラック、伴奏トラックなどの楽曲の進行に従った演奏データ内に混在させて記憶しておくようにしてもよい。
【0038】
また、音色の自動変更機能を享受しなくてもよい場合には、音色データの楽曲に従った記憶および読出しを省略してもよい。この場合、演奏者は、パネル操作子群21を演奏中に操作することにより、低音域、中音域および高音域の音源チャンネルの音色を設定することになる。
【0039】
また、上記実施形態では分割される音域数(鍵域数)を3つにしたが、この分割音域数(分割鍵域数)に関しては、2つでも、4つ以上でも、本発明は適用されるものである。さらに、上記実施形態においては、演奏操作子群として複数の鍵からなる鍵盤11を採用するようにしたが、演奏操作子群は所定音域の音高を有する楽音信号の発生を指示できるものであれば、どのような操作子群であってもよい。例えば、方形、円形などの複数の操作子をマトリクス状に配置したものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子楽器の全体を示す概略ブロック図である。
【図2】コンピュータプログラムによって実現される図1の電子楽器の機能ブロック図である。
【図3】楽曲データのフォーマット図である。
【図4】鍵域分割データのフォーマット図である。
【符号の説明】
11…鍵盤、21…パネル操作子群、31…表示器、51…音源回路、61…CPU、62…ROM、63…RAM、65…外部記憶装置、71…通信インターフェース回路。

Claims (5)

  1. 演奏者によって操作されて所定音域内の異なる音高の楽音信号の発生をそれぞれ指示する複数の演奏操作子と、
    前記複数の演奏操作子の操作に応じて指示された音高の楽音信号を発生するとともに、前記所定音域を複数に分割した分割音域ごとにそれぞれ独立して設定された音色の楽音信号を発生可能な楽音信号発生手段と、
    前記複数の分割音域の境界を楽曲の進行に従って変更するための音域分割データを記憶した音域分割データ記憶手段と、
    前記音域分割データ記憶手段に記憶されている音域分割データを楽曲の進行に従って読出し、同読出した音域分割データを用いて前記複数の演奏操作子のうちの操作された演奏操作子を前記複数の分割音域のいずれかに割当てて前記楽音信号発生手段による楽音信号の発生を制御する音域制御手段と
    を備えたことを特徴とする電子楽器。
  2. 前記請求項1に記載した電子楽器において、さらに、
    前記複数の分割音域にて発生される楽音信号の音色をそれぞれ表す音色データを楽曲の進行に従って記憶した音色データ記憶手段と、
    前記音色データ記憶手段に記憶されている音色データを楽曲の進行に従って自動的に読出し、同読出した音色データに応じて前記楽音信号発生手段から発生される楽音信号の音色を前記各分割音域ごとに制御する音色制御手段と
    を設けたことを特徴とする電子楽器。
  3. 前記請求項1または請求項2に記載した電子楽器において、
    前記音域分割データ記憶手段に記憶されている音域分割データは和音を表す和音情報からなり、
    前記音域決定手段が、前記操作された演奏操作子の属する音域を前記和音情報に基づいて決定するように構成した電子楽器。
  4. 演奏者によって操作されて所定音域内の異なる音高の楽音信号の発生をそれぞれ指示する複数の演奏操作子と、
    前記複数の演奏操作子の操作に応じて指示された音高の楽音信号を発生するとともに、前記所定音域を複数に分割した分割音域ごとにそれぞれ独立して設定された音色の楽音信号を発生可能な楽音信号発生手段とを備えた電子楽器に適用され、
    記憶手段に記憶されていて前記複数の分割音域の境界を楽曲の進行に従って変更するための音域分割データを楽曲の進行に従って自動的に読出し、
    前記読出した音域分割データに応じて前記複数の演奏操作子のうちの操作された演奏操作子を前記複数の分割音域のいずれかに割当てて前記楽音信号発生手段による楽音信号の発生を制御するようにしたことを特徴とする電子楽器用コンピュータプログラム。
  5. 演奏者によって操作されて所定音域内の異なる音高の楽音信号の発生をそれぞれ指示する複数の演奏操作子と、
    前記複数の演奏操作子の操作に応じて指示された音高の楽音信号を発生するとともに、前記所定音域を複数に分割した分割音域ごとにそれぞれ独立して設定された音色の楽音信号を発生可能な楽音信号発生手段とを備えた電子楽器に適用され、
    前記複数の分割音域の境界を楽曲の進行に従って変更するための音域分割データを楽曲の進行に従って記憶したことを特徴とする電子楽器用データ記憶装置。
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