JP2004106540A - 複合体およびその製造方法、並びにセラミック基板の製造方法 - Google Patents

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鈴木 晋一
Koichi Nagata
永田 公一
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Abstract

【課題】空隙部を具備するセラミック基板を製造するのに好適に用いられる複合体とその製造方法と、それを用いて層間剥離や変形のない空隙部を有するセラミック基板を得る。
【解決手段】実質的に同一の厚みのセラミックグリーンシート1および焼失性シート2を作製する工程と、セラミックグリーンシート1の所定箇所に貫通穴3を形成する工程と、貫通穴3を形成したセラミックグリーンシート1に焼失性シート2を積層する工程と、セラミックグリーンシート1における貫通穴3形成部分を焼失性シート2側から押圧することによって、焼失性シート2の一部を貫通穴3内に埋め込み、セラミックグリーンシート1と焼失性シート2と一体化した複合体を作製し、この複合体を、他のセラミックグリーンシートおよび/または他の複合体と積層して積層体を作製し、焼成して、焼失性シートを熱分解除去することによって、焼失性シート部分に空隙部7を形成したセラミック基板Dを得る。
【選択図】図1

Description

 本発明は、セラミックグリーンシートと焼失性シートとが一体化した複合体の製造方法と、それを用いたセラミック基板の製造方法に関するものであり、詳細には、電子部品などを収納するための空隙部を形成するのに好適な製造方法に関する。
 従来、セラミックスを絶縁基板材料とする配線基板は、セラミック絶縁層が多層に積層された絶縁基板の表面又は内部にメタライズ配線層が配設された構造からなり、代表的な例として、LSI等の半導体素子などを収納したパッケージが挙げられる。このようなパッケージとしては、絶縁基板材料として従来よりアルミナ等のセラミックスからなるものが多用され、さらに最近では、銅メタライズ配線層との同時焼成を可能にしたガラスセラミックスなどの低温焼成型の焼結体を絶縁基板とするものも実用化されている。
 このような半導体素子などの電子部品を収納するための空隙部を有するセラミック基板を製造するには、一般には、所定の比率で調合したセラミック原料粉末に、適当な有機バインダを添加し、有機溶媒中に分散してスラリーを調製し、従来周知のドクターブレード法やリップコーター法等のキャスト法により、所定の厚みのセラミックグリーンシートを成形する。
 そして、適当な金属粉末に有機バインダ、溶剤、可塑材を添加混合して得た金属ペーストを前記グリーンシートに周知のスクリーン印刷法により所定の配線パターンに印刷塗布するとともに、マイクロドリルやレーザーでスルーホールを形成して貫通穴内に金属ペーストを充填して、ビア導体を形成する。
 そして、電子部品を収納する空隙部を形成するために、グリーンシートの所定箇所に、貫通穴を打ち抜き加工を行う。
 その後、図4の従来法の工程図における(a)に示すように、上記貫通穴20が形成されたグリーンシート21a、21bを他のグリーンシート21c、21d、21eとともに、適当な密着液を用いて複数積層し、得られたセラミック積層成形体を所定の条件で焼成することによって、図4(b)に示すような電子部品収納用の空隙部22を有する基板23が得られる。
特開平10−12345号公報
 このようなセラミック基板23においては、基板の小型化を図る上で、配線パターン、およびビアホールの微細化が必要であり、積層時の精度の向上が不可欠である。
 しかし、空隙部22を具備する基板は、空隙部22を構成する貫通穴20が形成されたグリーンシート21a、21bを他のグリーンシート21c、21d、21eと積層する際、空隙部22とそれ以外の部分とで圧力のバラツキが生じ、積層時に変形が生じやすく、この変形を防止するために圧力を低減すると、グリーンシート間の密着不良が発生するという問題があった。ここでいう変形とは、図4に示すように、グリーンシート21a〜21eの積層体に対する垂直方向の加圧により、空隙部22周辺部のグリーンシート21a、21bに発生する水平方向の変形と、グリーンシート21cにおける空隙部22の底部が膨らむ変形が挙げられる。この内、空隙部22底部の膨らみは、LSIチップなどの電子部品を搭載する際にボンディング不良が発生するという問題があった。
 また、この空隙部22底部の膨らみは、積層圧力を下げることにより低減されるものの、この場合、空隙部22周辺部に層間剥離(デラミネーション)24が発生するという問題があった。
 従って、本発明は、このような空隙部を具備するセラミック基板を製造するのに好適に用いられるセラミックスグリーンシートと焼失性シートとが一体化した複合体と、その製造方法と、それを用いて層間剥離や変形のない空隙部を有するセラミック基板の製造方法を提供することを目的とするものである。
 本発明の複合体は、セラミックグリーンシートの所定箇所に形成された貫通穴内に、実質的に該グリーンシートと同一の厚みからなる焼失性シートが埋め込まれてなることを特徴とするものである。
 また、かかる複合体の第1の複合体の製造方法によれば、セラミックグリーンシートおよび焼失性シートを作製する工程と、前記セラミックグリーンシートの所定箇所に貫通穴を形成する工程と、前記貫通穴を形成したセラミックグリーンシートに前記焼失性シートを積層する工程と、前記セラミックグリーンシートにおける貫通穴形成部分を前記焼失性シート側から押圧することによって、前記焼失性シートの一部を前記貫通穴内に埋め込み、セラミックグリーンシートと焼失性シートと一体化した複合体を作製する工程と、を具備することを特徴とするものである。
 また、第2の複合体の製造方法によれば、セラミックグリーンシートおよび焼失性シートを作製する工程と、前記セラミックグリーンシートおよび焼失性シートを積層する工程と、前記積層体の所定箇所に前記焼失性シート側から押圧して、前記焼失性シートの押圧部分を前記セラミックグリーンシート側に移行させて、セラミックグリーンシートと焼失性シートと一体化した複合体を作製する工程と、を具備すること特徴とするものである。
 また、本発明によれば、上記第1、第2の複合体の製造方法における複合体を、他のセラミックグリーンシートおよび/または他の複合体と積層して積層構造体を作製する工程と、を具備することによって多層構造の基板に適用される複合体を形成することができる。
 また、本発明によれば、上記の積層構造体を焼成して、前記焼失性シートを熱分解除去することによって、積層焼結体内に変形のない空隙部を具備するセラミック基板を製造することができる。
 また、本発明によれば、前記セラミックグリーンシートの表面に、導体材料によって回路パターンを形成することによって、空隙部を有する多層回路基板を製造することができ、前記空隙部には、IC素子、SAW素子などの電子部品を収納することによって、パッケージ基板を形成するこができる。
 なお、本発明における前記焼失性シートとしては、平均粒径が1〜10μmの樹脂ビーズを含有するもの、または前記焼失性シートが、カーボン粉末をシート化したカーボンシートからなり、該カーボンシートは、熱分解性樹脂を20〜80質量%と、少なくともカーボンを20〜80質量%含有するシートが好適に用いることによって、焼失性シートのセラミックグリーンシートへのパンチングによる埋め込み性、空隙部の底部への加圧性を高めることができる。
 本発明によれば、セラミックグリーンシートと焼失性シートが部分的に一体化した複合体を1回または2回のパンチング処理によって容易に形成することができる。
 しかも、複合体は、セラミックグリーンシートの貫通穴内に焼失性シートが一体的に複合化されているために、セラミックグリーンシート単体の取り扱いが容易であるとともに、複数のグリーンシート同士の積層時に空隙部内には焼失性シートが埋め込まれているために、積層時に高い圧力を印加した場合であっても、空隙部底部が加圧されることにより、空隙部底部の膨らみを発生させることなく、デラミネーションが発生しない高い積層圧力の印加が可能となる。その結果、積層体におけるデラミネーションの発生、変形、防止することができる。
 また、かかる複合体を用いて他のセラミックグリーンシートや他の複合体とともに積層し、これを熱処理し、焼成することによって、前記焼失性シートを焼失せしめることによって、平坦度を高めた空隙部を形成することができる結果、空隙部の底面への電子部品の実装信頼性を高めることができる。
 本発明の第1の複合体の製造方法について図1の工程図をもと説明する。先ず、セラミックグリーンシート1および焼失性シート2を作製する。このセラミックグリーンシート1は、その用途に応じて、その厚みは任意の厚みでもよいが、焼失性シート2との複合化を図る上で、セラミックグリーンシートの厚みは20〜400μmが適当である。また、焼失性シート2は、実質的にこのセラミックグリーンシート1と近似した厚さであることが望ましく、焼失性シート2の厚みtは、グリーンシート1の厚みtに対して、0.9t〜1.1tであることが望ましい。
 まず、セラミックグリーンシート1に対して空隙部を形成するための貫通穴3を形成する。この貫通穴3は、例えば、打ち抜き加工、スリット加工、レーザー加工のうちの1つの方法で形成できる。特に、後述する一連の作業の流れ性の点から、パンチによる打ち抜き加工が最もよい。
 図1は、打ち抜き加工による貫通穴3の形成によるものである。この貫通穴3は、図1(a)に示す様に、駆動部である上プレス4と、グリーンシート1を支持するとともに、開口5が形成された下プレス6により構成される打ち抜きプレスを準備し、グリーンシート1を下プレス6上に載置し、図1(b)に示す様に、上プレス4を下方に駆動することにより、図1(c)に示す様に、グリーンシート1に対して貫通穴3を形成する。
 次に、図1(d)に示すように、貫通穴3を形成したグリーンシート1の表面に、焼失性シート2を載置する。そして、図1(e)に示すように、上プレス4を駆動する。この時、上プレス4の駆動量を調整し、駆動停止位置をグリーンシート1の上面側に設定する。これによって、焼失性シート2の打ち抜きと同時に、グリーンシート1に予め形成された空隙部3に焼失性シート2の打ち抜き部2a部を埋め込むことができる。
 その後、上パンチ4、焼失性シート2を除去することによって、図1(f)に示すように、グリーンシート1の所定箇所に形成された貫通穴3内に焼失性シート2が埋め込まれ、一体化された複合体Aを作製することができる。
 また、本発明の第2の製造方法について図2をもとに説明する。この図2の方法によれば、図1と同様に、実質的に同一の厚みからなるセラミックグリーンシート1および焼失性シート2を作製する。
 そして、図2(a)に示すように、グリーンシート1を下プレス6上に載置するとともに、図2(b)に示すように、セラミックグリーンシート1の上側に焼失性シート2を積層する。この時、グリーンシート1とは、後述する通り、焼失性シート2を剥離除去するために、両者は軽く接着材等で仮止めしておくことが望ましい。
 そして、図2(c)に示すように、前述した通り、上プレス4を駆動し、上プレス4の駆動停止位置をグリーンシート1の上面側に設定する。これによって、グリーンシート1と焼失性シート2の打ち抜きと同時に行う。
 その後、上パンチ4、焼失性シート2を剥離除去するとともに、グリーンシート1を下パンチ6から剥離することによって、図2(d)に示すように、グリーンシート1の所定箇所に形成された貫通穴3内に焼失性シート2が埋め込まれ、一体化された複合体Aを作製することができる。
 このように、本発明によれば、パンチを用いて、セラミックグリーンシート1の貫通穴3内にこのグリーンシート1と実質的に同一の厚みの焼失性シート2を埋め込んだ複合体を1つまたは2つのプレス処理にて容易に形成することができる。
 また、上記の第1の製法および第2の製法においては、工程数からは、プレス処理1回の第2の方法が、プレス処理2回の第1の方法よりも工程の簡略化に効果的である。また、第2の方法においては、セラミックグリーンシート1に対して予め貫通穴を形成した後に焼失性シートの一部を埋め込むために、複合体における焼失性シートとセラミックグリーンシートとの境界部分の平滑性が優れ、精度が高く、外観も良好な埋め込み処理を行うことができる。
 次に、本発明によれば、かかる複合体は、空隙部を有する多層構造のセラミック基板を作製するのに好適に用いられる。そこで、図3の工程図をもとに、そのセラミック基板を作製するための方法について説明する。
 図3(a)(b)に示すように、図1または図2で作製された複合体A1を同様にして作製された複合体A2や焼失性シートと複合化されていない他のグリーンシートB1、B2、B3とともに密着液などを用いて積層一体化して積層体Cを作製する。
 そして、この積層体Cを前記焼失性シートが熱分解除去されるとともに、セラミックグリーンシートが焼成、緻密化するように焼成することによって、図3(c)に示すように、焼失性シート2を埋め込んだ部分を熱分解除去して空隙部7を具備するセラミック基板Dを形成することができる。
 かかる方法において、積層一体化にあたっては、従来のように、シート自体に大きな空隙部が存在しないために、個々のシートにおける取り扱いが非常に容易で、従来のような、大きな貫通穴が形成されたシートの取り扱い時におけるシートの変形や破損などが発生することがない。
 また、本発明においては、上記グリーンシートの積層一体化にあたっては、3〜7MPaの圧力を印加することが積層不良、あるいは焼成後のデラミネーションの発生を防止する上で望ましい。
 しかも、本発明の方法によれば、高い圧力を印加しても、貫通穴が焼失性シートによって埋め込まれているために、空隙部が形成される部分の底部に対しても焼失性シート2を介して十分に圧力が印加される。その結果、空隙部を形成する底部のグリーンシートの変形や焼成後のデラミネーションの発生も抑制することができる。
 なお、このグリーンシート1には、セラミック配線基板などへの適用を図る上で、図3に示すように、適宜、グリーンシート1に対してメタライズ配線層8を形成することができる。このメタライズ配線層8は、金属粉末に有機バインダ、溶剤、可塑材を添加混合して得た金属ペーストを積層一体化する前に、グリーンシート1に周知のスクリーン印刷法により、所定のパターンに印刷塗布する。また、前記グリーンシートにマイクロドリルやレーザー加工によってスルーホールを形成し、スルーホール内に金属ペーストを充填することによってビア導体9を形成することができ、このビア導体9によって異なる層間に形成されたメタライズ配線層8同士を電気的に接続することができる。
 本発明において用いられるグリーンシート1は、所定の比率で調合したセラミック原料粉末に、適当な有機バインダを添加し、有機溶媒中に分散させることによりスラリーを調製し、従来周知のドクターブレード法やリップコーター法等のキャスト法により、所定の厚みのグリーンシート1を作製する。このグリーンシートの厚みは、通常、20〜400μmが適当である。
 一方、本発明において用いられる焼失性シート2は、プレスによる打ち抜き加工性、および、焼成段階における熱分解性に優れることが望ましく、良好な打ち抜き加工性を得るためには、シート中に粉末状のフィラー成分を添加することが望ましい。
 このフィラーは、焼成時における熱分解性が良好であり、特に樹脂ビーズ、カーボン粉末が有効である。従って、焼失性シートとしては、平均粒径が1〜10μmの樹脂ビーズを含有するシートまたはカーボン粉末をシート化したカーボンシートが好適に用いられる。
 樹脂ビーズ含有シートにおける樹脂ビーズは、ビーズ間の凝集を防止するともに焼失性シート表面の平滑性を高める上で平均粒径が1〜20μmであることが望ましい。また、この樹脂ビーズは、アクリル系、スチレン系、ブチラール系の群から選ばれる少なくとも1種からなることが望ましく、特に、架橋タイプのアクリル樹脂からなることが望ましい。これは、アクリル樹脂ビーズの有機溶剤への溶解を防ぐためである。
 上記の樹脂ビーズを含有するシートを作製するには、樹脂ビーズ100重量部に対し、熱分解性樹脂を40〜80重量部添加することが望ましい。
 一方、カーボンシートとしては、カーボン粉末20〜80質量%と、熱分解性樹脂である有機バインダが20〜80質量%の割合からなることが望ましい。用いるカーボン粉末の平均粒径は3〜100μm、特に5〜50μmが適当である。
 本発明における焼失性シート中に配合される熱分解性樹脂としては、ポリビニルアルコールとブチルアルデヒドを重合反応させて得られるブチラール系樹脂、あるいはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート等のモノマー組成がアルキルメタクリレート、アルキルアクリレートのいずれか、またはその混合物からなる重合体からなるアクリル系樹脂が挙げられるが、特に水酸基やカルボキシル基を導入したアクリル系樹脂が好適に用いられる。
 上記所定の組成にて作成したスラリーを従来周知のロールコーター、グラビアコーター、ブレードコーター等のコーティング方式により剥離剤処理を施したキャリアーシート上に塗布し、乾燥させることにより焼失性シートを作製することができる。その他、上記組成物を用いて、プレス成形法、押し出し成形法等を用いてシート化することも可能である。
 平均粒径が1.8μmのガラスを60体積%と、平均粒径が2.4μmのアルミナ粉末40体積%からなるセラミック組成物100質量部に、有機バインダとしてポリイソブチルメタクリレートを12質量部、溶媒としてトルエンを54質量部の割合で混合し、ボールミルで24時間混合してスラリーを調製した。このスラリーを用いてドクターブレード法によって縦20mm×横20mm×厚さ120μmのグリーンシートAを作製した。
 また、このグリーンシートAには、平均粒径が1.5μmの銅粉末100質量部に、有機バインダとしてアクリル系樹脂を12質量部、溶媒としてテルピネオールを10質量部の割合で混合した金属ペーストを調製し、上記グリーンシートAの表面に、スクリーン印刷法により、所定のパターンに印刷塗布する。また、前記グリーンシートにピン加工によって直径が70μmのスルーホールを形成し、スルーホール内に前記金属ペーストを充填することによってビア導体を形成した。
 一方、焼失性シートとして、平均粒径が5μmのアクリル樹脂ビーズ100質量部に対して、有機バインダとして水酸基を導入したアクリル系樹脂を60質量部、溶媒としてトルエンを220質量部の割合で添加、混合してスラリーを調製した後、ドクターブレード法によって厚さ120μmの焼失性シート作製した。
 次に、前記グリーンシートAに対して、図1に示すようなパンチング装置によって、中央部に縦2.2mm×横3mmの大きさの貫通穴を形成した。
 次に、貫通穴を形成したグリーンシートAの上に、アクリル系樹脂に可塑材を添加した接着剤を用いて、焼失性シートBを吸着搬送装置を用いてグリーンシートA上に積層した後、パンチング装置における上パンチを下げ、上パンチの下面がグリーンシートAの表面と同一平面となるところまで下ろした。
 上パンチを上げ、グリーンシートAを確認した結果、グリーンシートAの貫通穴部分に、焼失性シートが埋め込まれた構造の複合体C1が形成されていた。
 次に、上記のようにして作製した複合体C1,さらに同様にして作製された貫通穴に焼失性シートが埋め込まれた複合体C2を積層するとともに、焼失性シートと複合化されていない通常の配線パターンが形成されたグリーンシートD1、D2、D3の延べ5層のグリーンシートを密着液を用いて積層した。また、積層にあたっては、積層体に対して、60℃の温度に加熱しながら、5MPaの圧力を印加した。
 この加圧して積層した1つの試料について、焼失性シートを埋め込んだ部分についてグリーンシート側の変形を観察した結果、グリーンシートに対しては、全く変形は認められなかった。
 次に、この積層体を250〜450℃の窒素雰囲気中で2時間、昇温加熱して焼失性シートおよび有機バインダを熱分解除去した後、さらに900℃まで昇温してグリーンシートを焼結した。
 その結果、焼失性シートを埋め込んで部分が熱分解除去され空隙部が形成されたセラミック配線基板が得られた。
 作製したセラミック配線基板に対して、空隙部の底部表面の平坦度を触針法によって測定した結果、0.8μmであり、平坦度の高い底面が形成され、基板の変形がほとんどないことが確認された。また、空隙部形成部分を切断し、その積層部分の状態を双眼顕微鏡で観察した結果、全く層間剥離等の発生は全く認められなかった。
 実施例1で作製したグリーンシートAおよび焼失性シートBを図2に示すように、積層した後、パンチング装置における上パンチを下げ、上パンチの下面がグリーンシートAの表面と同一平面となるところまで下ろした。
 上パンチを上げ、グリーンシートAを確認した結果、グリーンシートAの貫通穴部分に、焼失性シートBが埋め込まれた構造の複合体C3が形成されていた。
 そして、この後は、実施例1と全く同様にして、グリーンシートC3と、焼失性シートと複合化されていない通常の配線パターンが形成されたグリーンシートD1、D2、D3の延べ5層のグリーンシートを密着液を用いて積層し、60℃の温度に加熱しながら、5MPaの圧力を印加した。
 この加圧して積層した1つの試料について、焼失性シートを埋め込んだ部分についてグリーンシート側の変形を観察した結果、グリーンシートに対しては、全く変形は認められなかった。
 その後、この積層体を250〜450℃の窒素雰囲気中で2時間、昇温加熱して焼失性シートおよび有機バインダを熱分解除去した後、さらに900℃まで昇温して焼結した結果、焼失性シートを埋め込んだ部分が熱分解除去され空隙部が形成されたセラミック配線基板が得られた。
 作製したセラミック配線基板に対して、空隙部の底部表面の平坦度を触針法によって測定した結果、1μmであり、平坦度の高い底面が形成され、基板の変形がほとんどないことが確認された。また、空隙部形成部分を切断し、その積層部分の状態を双眼顕微鏡で観察した結果、全く層間剥離等の発生は全く認められなかった。
比較例1
 実施例1と同様にして作製されたグリーンシートA1、A2に対して、貫通穴を形成した後、焼失性シートを埋め込むことなく、貫通穴をそれぞれ形成した。
 そして、貫通穴を形成していない実施例1、2で用いたグリーンシートD1,D2,D3とともに、グリーンシートA1,A2の延べ5層のグリーンシートを密着液を用いて、60℃の温度に加熱しながら、5MPaの圧力を印加した。
 この加圧して積層した1つの試料について、焼失性シートを埋め込んだ部分についてグリーンシート側の変形を観察した結果、グリーンシートの空隙部の底面に盛り上がりが確認された。
 次に、この積層体を250〜450℃の窒素雰囲気中で2時間、昇温加熱して有機バインダを熱分解除去した後、さらに900℃まで昇温してグリーンシートを焼結し、空隙部が形成されたセラミック配線基板が得られた。
 作製したセラミック配線基板に対して、空隙部の底部表面の平坦度を触針法によって測定した結果、6μmであり、平坦度の悪い底面が形成され、基板の変形が認められた。また、空隙部形成部分を切断し、その積層部分の状態を双眼顕微鏡で観察した結果、層間剥離等の発生は全く認められなかった。
比較例2
 比較例1において、貫通穴を形成していない実施例1、2で用いたグリーンシートD1、D2、D3とともに、貫通穴を形成しただけのグリーンシートA1、A2の延べ5層のグリーンシートを密着液を用いて、60℃の温度に加熱しながら、2MPaの比較例1より低い圧力を印加して積層する以外は、全く同様にして空隙部を有するセラミック配線基板を作製した。
 作製したセラミック配線基板に対して、空隙部の底部表面の平坦度を触針法によって測定した結果、2μmと、平坦度の比較的良好な底面が形成され、基板の変形は認められなかったが、空隙部形成部分を切断し、その積層部分の状態を双眼顕微鏡で観察した結果、層間剥離等の発生が部分的に見られた。
 平均粒径が40μmのカーボン粉末60質量%に、有機バインダとして40質量%のガラス転移点が60℃のブチラール樹脂を添加し、かかる組成物100質量部に対して、150重量部のトルエンを添加した後、ボールミルによって混合し、スラリー混合物を作製した。その後、このスラリーを減圧下で、撹拌脱泡し、ドクターブレード法により、厚み200μmの焼失性シートを作製した。
 この焼失性シートを用いる以外は実施例1と全く同様な方法で、空隙部を有するセラミック配線基板を作製した。
 かかる製造過程で、焼失性シートを埋め込んだ部分についてグリーンシート側の変形を観察した結果、グリーンシートに対しては、全く変形は認められなかった。
 作製したセラミック配線基板に対して、空隙部の底部表面の平坦度を触針法によって測定した結果、0.9μmであり、平坦度の高い底面が形成され、基板の変形がほとんどないことが確認された。また、空隙部形成部分を切断し、その積層部分の状態を双眼顕微鏡で観察した結果、全く層間剥離等の発生は全く認められなかった。
本発明における複合体の製造方法の一例を説明するための工程図である。 本発明における複合体の製造方法の他の例を説明するための工程図である。 本発明の複合体を用いた空隙部を有するセラミック基板の製造方法を説明するための工程図である。 従来の空隙部を有するセラミック基板の製造方法を説明するための工程図である。
符号の説明
1 セラミックグリーンシート
2 焼失性シート
3 貫通穴
4 上パンチ
5 開口
6 下パンチ
7 空隙部
8 メタライズ配線層
9 ビア導体
A,A1,A2 複合体
B グリーンシート
C 積層体
D セラミック基板

Claims (13)

  1. セラミックグリーンシートの所定箇所に形成された貫通穴内に、実質的に該グリーンシートと同一の厚みからなる焼失性シートが埋め込まれてなることを特徴とする複合体。
  2. 前記焼失性シートが、平均粒径が1〜10μmの樹脂ビーズを含有することを特徴とする請求項1記載の複合体。
  3. 前記焼失性シートが、カーボン粉末をシート化したカーボンシートからなることを特徴とする請求項1記載の複合体。
  4. 前記焼失性シートが、熱分解性樹脂を20〜80質量%と、少なくともカーボンを20〜80質量%含有することを特徴とする請求項3記載の複合体。
  5. 実質的に同一の厚みのセラミックグリーンシートおよび焼失性シートを作製する工程と、
    前記セラミックグリーンシートの所定箇所に貫通穴を形成する工程と、
    前記貫通穴を形成したセラミックグリーンシートに前記焼失性シートを積層する工程と、
     前記セラミックグリーンシートにおける貫通穴形成部分を前記焼失性シート側から押圧することによって、前記焼失性シートの一部を前記貫通穴内に埋め込み、セラミックグリーンシートと焼失性シートと一体化した複合体を作製する工程と、
    を具備することを特徴とする複合体の製造方法。
  6. 実質的に同一の厚みのセラミックグリーンシートおよび焼失性シートを作製する工程と、
    前記セラミックグリーンシートおよび焼失性シートを積層する工程と、
    前記積層体の所定箇所に前記焼失性シート側から押圧して、前記焼失性シートの押圧部分を前記セラミックグリーンシート側に移行させて、セラミックグリーンシートと焼失性シートと一体化した複合体を作製する工程と、
    を具備すること特徴とする複合体の製造方法。
  7. 請求項5または請求項6記載の複合体を、他のセラミックグリーンシートおよび/または他の複合体と積層して積層体を作製する工程を具備することを特徴とする複合体の製造方法。
  8. 請求項7における積層体を焼成して、前記焼失性シートを熱分解除去することによって、焼失性シート部分に空隙部を形成することを特徴とするセラミック基板の製造方法。
  9. 前記セラミックグリーンシートの表面に、導体材料によって回路パターンが形成されてなる請求項8記載のセラミック基板の製造方法。
  10. 前記空隙部に電子部品が収納されることを特徴とする請求項8記載のセラミック基板の製造方法。
  11. 前記焼失性シートが、平均粒径が1〜10μmの樹脂ビーズを含有することを特徴とする、請求項8乃至請求項10のいずれか記載のセラミック基板の製造方法。
  12. 前記焼失性シートが、カーボン粉末をシート化したカーボンシートからなることを特徴とする請求項9記載のセラミック基板の製造方法。
  13. 前記焼失性シートが、熱分解性樹脂を20〜80質量%と、少なくともカーボンを20〜80質量%含有することを特徴とする請求項12記載のセラミック基板の製造方法。
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