JP2004088983A - インバータ搭載型回転電機及び回路装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モータ本体2の軸方向一方に近接配置され、主面32、33が略径方向に延在するヒートシンク30のモータ側主面32に平滑コンデンサ11を、反モータ側主面33に半導体スイッチング素子4、5を実装する。これにより小型化、軽量化が可能なインバータ搭載型回転電機を実現することができる。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータ搭載型回転電機及びそれに好適な回路装置に関し、特に車両用インバータ搭載型回転電機及びそれに好適な回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両用モータとして電源がバッテリすなわち直流電源であるにもかかわらず、半導体技術の進歩もあって信頼性、制御性、効率などの観点から車両用モータとして交流機(同期機)の採用が主流となりつつある。
【0003】
この場合、モータ駆動(あるいは回生発電)のために直流電力を三相交流電力に変換するインバータ回路が必要となるが、インバータ回路とモータとの間の配線抵抗や配線インダクタンスが大きいと、電力損失、発熱、電磁波ノイズ、重量増大などの多くの不利益が生じるために、このインバータ回路をモータに直接搭載することがたとえば下記特許文献1に提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−292703号公報
【0005】
この公報のインバータ搭載型回転電機は、モータ本体に対して軸方向に隣接する位置に配置されるインバータ回路を有し、このインバータ装置とモータ本体との間にヒートシンク(本発明でいう冷却体)が介設され、これにより、モータ本体の発熱がインバータ回路を構成する半導体スイッチング素子に影響を与えにくいという効果を奏することができる。
【0006】
また、モータは、それ自体相当の高温となるうえ、このモータ本体に一体に実装されるインバータ回路も大きな発熱を生じるので、インバータ装置を構成する半導体スイッチング素子を破壊、損傷から保護するべく、ヒートシンクおよびモータ本体を液冷することも、上記公報は開示している。
【0007】
また、下記特許文献2は、本願発明に関連してモータのエンドフレームの外表面にインバータ装置内蔵のケースを装着したインバータ固定型モータを開示している。
【0008】
【特許文献2】特開平11ー164521号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種のインバータ装置では、多相インバータ回路を構成する半導体スイッチング素子とともにリップル電流を低減するための平滑コンデンサを必須構成要素としているが、高周波スイッチングによ生じるリップル電流が流れる平滑コンデンサは高温となりやすく、それにより寿命の低下や絶縁低下といった問題が生じるため、従来のインバータ装置では半導体スイッチング素子とともにこの平滑コンデンサもヒートシンクに密着させて冷却するのが通常である。
【0010】
上記公報の回路部品配置では、ヒートシンクの反モータ側の主面(モータ本体に対して軸方向反対側の主面をいう)にインバータ装置が配置されるため、平滑コンデンサは半導体スイッチング素子とともにこのヒートシンクの反モータ側主面に密着されている。
【0011】
しかしながら、このような平滑コンデンサ配置を採用するインバータ搭載型回転電機では、大型で大きな設置面積を要する平滑コンデンサをインバータ回路の横側に配置されるために、ヒートシンクの主面面積が増大し、その結果として、インバータ装置およびヒートシンクの径方向および周方向の長さ(軸方向と直角な面積)が増加し、全体としてインバータ装置およびヒートシンクのスペース、重量が増大するという欠点があった。
【0012】
この問題を改善するために、従来公知の2階建て形式のインバータ装置を採用することも可能である。この2階建て形式のインバータ装置とは、ヒートシンク上に相対的により冷却重要性が高い半導体スイッチング素子を実装し、更にこの半導体スイッチング素子の上方すなわちヒートシンクから離れる方向に平滑コンデンサを機械的に支持することである。もちろん、平滑コンデンサも冷却しなければならないので、ヒートシンクと平滑コンデンサとを熱的に良好に結合する工夫(たとえば、良熱伝導部材を介在させたり、ヒートシンクが半導体スイッチング素子の間を貫いて平滑コンデンサ側に延在する突起をもつなど)は必要となる。このようにすれば、全体として、ヒートシンクやインバータ装置全体の重量、体格を低減することができる。また、上記公報の一平面配置方式に比べて、半導体スイッチング素子と平滑コンデンサとの間の接続配線距離を短縮しやすいので、この接続配線のインダクタンスを低減して、高周波スイッチングノイズ電圧を軽減して平滑コンデンサを小型化できる効果を期待することもできる。
【0013】
しかしながら、この方式は、上記したように半導体スイッチング素子と平滑コンデンサとの間に相当のギャップを必要とするため、インバータ搭載型回転電機の軸方向長さが異常に増大し、この回転電機の車両への搭載性が悪化するという厄介な問題を派生するうえ、上述のように平滑コンデンサの冷却性が悪化するという問題を根本的に解決することが容易でなかった。
【0014】
また、特許文献2のインバータ装置付きモータは、体格が大きい平滑コンデンサを含むインバータ装置のケースをエンドフレームの外端面に固定することを開示するが、このような構造では、インバータ装置を構成するスイッチング素子、平滑コンデンサ、制御マイコン(コントローラ)の冷却が容易でないという問題点があった。
【0015】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、平滑コンデンサおよび半導体スイッチング素子両方の良好な冷却性とを確保しつつ車両搭載性にも優れたインバータ搭載型回転電機及びそれに好適な回路装置を提供することを、その目的としている。
【0016】
【課題を解決する手段】
請求項1記載の本発明のインバータ搭載型回転電機は、交流モータからなるモータ本体と、前記モータ本体の軸方向一方側に固定されて直流電源と前記モータ本体のステータコイルとの間の電力移動を制御するインバータ装置とを備え、前記インバータ装置は、前記直流電源と前記ステータコイルとの間に介設されて直交変換を行うインバータ回路を構成する所定数の半導体スイッチング素子と、前記インバータ回路の一対の直流端子間に接続されて前記インバータ回路のスイッチングノイズを低減する平滑コンデンサと、前記半導体スイッチング素子および前記平滑コンデンサに接して前記半導体スイッチング素子および前記平滑コンデンサを冷却する冷却体とを有するインバータ搭載型回転電機において、
前記平滑コンデンサは、径方向に延在する前記冷却体の一対の主面のうち、前記モータ本体に面する側のモータ側主面に固定され、前記半導体スイッチング素子は、前記冷却体の前記一対の主面のうち、前記モータ本体に面しない側の反モータ側主面に固定されていることを特徴としている。
【0017】
すなわち、本発明は、径方向に延在するヒートシンクとしての冷却体のモータ本体側の主面を両方とも回路部品としての半導体スイッチング素子冷却面および平滑コンデンサ冷却面として用いることにより、冷却体(ヒートシンク)を大幅に小型化しても半導体スイッチング素子および平滑コンデンサを良好に冷却できるとともに、上記二階建てインバータ装置構造に比較して半導体スイッチング素子と平滑コンデンサとの間のギャップを省略できるのでインバータ搭載型回転電機の軸方向長も縮小することができ、更に平滑コンデンサを冷却体に強固に固定することができるので、車載に必要な耐振性が向上し、結局、体格、重量、車両搭載性に優れたインバータ搭載型回転電機を実現することができる。
【0018】
なお、本発明と同種の技術思想として、冷却体のモータ本体側の主面に半導体スイッチング素子を実装し、反モータ側主面に平滑コンデンサを固定することも考えられる。しかし、この案では、もっとも良好な冷却性を必要とする半導体スイッチング素子が、伝導、対流、放射の熱伝播経路を通じてモータ本体の発熱の影響を受けやすくなるため、半導体スイッチング素子の温度が上昇してしまうという欠点がある。
【0019】
すなわち、この発明によれば、半導体スイッチング素子を、発熱体又は高温体としてのモータ本体に対して冷却体と平滑コンデンサとの両方を隔てて配置することができるので、もっとも良好な冷却性を必要とするモータ本体の発熱の影響を軽減することもできる。
【0020】
なお、冷却体は、少なくとも略径方向に延在する一対の主面をもつのであれば、形状自由であり、かつ、空冷、液冷を問わない。
【0021】
好適な態様において、前記インバータ装置は、前記冷却体の前記反モータ側主面に電気絶縁体を介して密接された第一導体と、前記第一導体上に実装される前記半導体スイッチング素子により構成される前記インバータ回路の上アーム素子とを有する。このようにすれば、上アーム素子をなす半導体スイッチング素子を良好に冷却することができる。
【0022】
好適な態様において、前記第一導体は、電源平滑コンデンサ(以下。単に平滑コンデンサともいう)の高位電源端に接続される高圧ライン(高位直流電源ライン)を構成する。このようにすれば、配線構造を簡素化することができる。
【0023】
好適な態様において、前記インバータ装置は、前記冷却体の前記反モータ側主面に直接密接された第二導体と、前記第二導体上に実装される前記半導体スイッチング素子により構成される前記インバータ回路の下アーム素子とを有する。このようにすれば、下アーム素子をなす半導体スイッチング素子を良好に冷却することができる。
【0024】
好適な態様において、前記第二導体は、前記ステータコイルの引き出し線に接続されるインバータ回路の交流出力線を構成する。このようにすれば、配線構造を簡素化することができる。
【0025】
好適な態様において、前記インバータ装置は、前記冷却体の前記反モータ側主面に接して前記インバータ回路の状態に関する情報を外部に出力する制御マイコンを有する。このようにすれば、インバータ装置の制御マイコンの冷却も好適とすることができる。なお、この制御マイコンは、当然、なんらかの良熱伝導性部材を介して冷却体に接することができる。
【0026】
好適な態様において、前記冷却体は、前記モータ側主面に開口を有して冷却流体流路をなす溝部を有し、前記平滑コンデンサは、前記冷却体の前記モータ側主面に固定されて前記溝部の前記開口を閉鎖する。このようにすれば、冷却体を、内部に冷却流体通路を有する液冷構造とする場合であっても、平滑コンデンサを簡素な構造で良好に冷却することができる。以下、更に詳しく説明する。
【0027】
冷却体の内部に冷却流体通路を設ける場合、この冷却流体通路をその入口、出口を除いて密閉構造とする必要が生じる。このような密閉構造の冷却媒体通路を設ける従来公知の通常方法では、冷却体の一主面に開口を有する溝部を設け、この一主面を蓋板などで閉鎖するのが最も簡素な構造となる。
【0028】
しかし、この密閉構造の冷却媒体通路をもつ冷却体であっても、蓋板を製造してそれを冷却体の本体に固定するという構造、製造工程の追加が必要となり、更に、冷却流体からみて平滑コンデンサの冷却熱伝達通路に蓋板が介在されるために平滑コンデンサの冷却性が低下するという問題があった。
【0029】
これに対して、この実施態様によれば、上記した蓋板を用いることなく、冷却流体の溝部の開口を平滑コンデンサにより直接に閉鎖する構造を採用している。もちろん、この場合、平滑コンデンサと冷却体との固定工程が必要となるが、蓋板を用いる場合でも蓋板と平滑コンデンサとの良好な熱的接触のためにこれら両者を固定する工程は必要であるため、同じである。更に細かく言えば、この冷却流体通路付きの冷却体はインバータ回路のスイッチング素子に対してヒートシンク機能と液体冷却機能とを奏する。ヒートシンク機能は、良好な熱伝導性をもつ金属ブロック部分が最も好適であり、この金属ブロック部分はできるだけスイッチング素子に近接配置して、それらの間の熱抵抗を低減してヒートシンク機能すなわちスイッチング素子の一時的な大発熱をこの金属ブロック部分の熱容量により良好に吸収することが好ましい。蓋板もこの金属ブロック部分と同様に上記ヒートシンク機能をもつが、蓋板は冷却流体通路としての溝部を区画する冷却体の隔壁部分を通じてスイッチング素子から熱を受け取らざるを得ないために、スイッチング素子に隣接する上記金属ブロック部分より格段にヒートシンク機能が低下する。
【0030】
したがって、蓋板を省略し、その厚さの分だけ上記金属ブロック部分すなわち溝部よりもスイッチング素子に近接する冷却体の部分の厚さを増加すれば、蓋板なしの冷却体は、蓋板付きの冷却体に比較してその全厚さを変更することなくヒートシンク機能すなわち過渡的熱吸収機能を改善できるわけである。
【0031】
請求項8記載の本発明の回路装置は、互いに平行な一対の主面を有するヒートシンクと、前記ヒートシンクの一主面に固定されるコンデンサと、前記ヒートシンクの他主面に固定される回路部とを備える回路装置において、前記ヒートシンクは、前記ヒートシンクの前記一主面に開口を有して冷却流体流路をなす溝部を有し、前記コンデンサは、前記ヒートシンクの前記一主面に固定されて前記溝部の前記開口を閉鎖することを特徴としている。
【0032】
本発明によれば、上記した理由により、簡素な構造にもかかわらず、回路部及びコンデンサを良好に冷却可能な回路装置を実現することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
走行動力を発生する車両用回転電機としての本発明のインバータ搭載型回転電機の好適な実施態様を以下の実施例を参照して説明する。
(実施例1)
(回路説明)
このインバータ搭載型回転電機の回路を図1に示す回路図を参照して説明する。
【0034】
1はバッテリ、2は三相同期機からなるモータ本体、3はインバータ装置であり、インバータ装置3はバッテリ1とモータ本体2との間で直交変換動作を行ってバッテリ1とモータ本体2との間の電力移動を行う。
【0035】
インバータ装置3は、MOSトランジスタからなる半導体スイッチング素子4〜9を有する三相インバータ回路10と、平滑コンデンサ11と、電流センサ12と、制御マイコンとしてのゲートコントローラ13とを有し、ゲートコントローラ13は外部のコントローラ14にインバータ装置3の情報を出力し、コントローラ14からのトルク指令および電流センサ12からの電流計測値に基づいて三相インバータ回路10を断続制御してモータ本体2を制御する。
【0036】
平滑コンデンサ11は、半導体スイッチング素子4〜9の断続により発生する電圧変動を吸収して直流ライン15、16の電位変動の抑止を行い、そのバッテリ1への悪影響および電磁波ノイズ放射の軽減を行う。17は、平滑コンデンサ11の正極端子と高位側の直流ライン15とを接続する導体線であり、18は、平滑コンデンサ11の負極端子と低位側の直流ライン16とを接続する導体線である。
【0037】
この種のインバータ装置3の構造および動作自体はもはや周知事項であるので、これ以上の説明は省略する。
【0038】
(装置構造)
次に、この実施例のインバータ搭載型回転電機の構造を図2を参照して以下に説明する。図2はこの回転電機の軸方向模式断面図である。
【0039】
モータ本体2は、ステータコア21、ステータコイル22、永久磁石が埋設されたロータ23、回転軸24を有している。25はステータコイル22のコイルエンドである。ステータコア21は図示しないフレームに固定され、ステータコイル22はステータコア21に装備され、ロータ23は回転軸24に嵌着、固定され、回転軸24は上記フレームに回転自在に支承されている。この種のモータ本体2自体は周知の構成であるので、これ以上の説明は省略する。もちろん、モータ本体2を公知の他の形式の交流モータに置換することは可能である。
【0040】
図2において、図1に示すインバータ装置3の半導体スイッチング素子4、5、平滑コンデンサ11、電流センサ12が図示され、更に、インバータ装置3の主要構成要素としてのヒートシンク(冷却体)30が図示されている。
【0041】
ヒートシンク(冷却体)30は、図示しないフレームに固定された厚い角平板形状を有しており、内部に水冷通路31を有している。水冷通路31はヒートシンク30の径方向中央部および径方向外側に形成されているが、ヒートシンク30の径方向内側には形成されていない。ヒートシンク30は、モータ本体2の軸方向一方側にコイルエンド25に対して所定間隔を隔ててその一対の主面32、33が径方向となるように配設されている。
【0042】
ヒートシンク30のモータ本体2側の主面32には、平滑コンデンサ11と電流センサ12とが搭載、固定されている。平滑コンデンサ11は水冷通路31に隣接して配設されている。
【0043】
電流センサ12は、スリット付きリング状のフェライトコア121と、このスリットに収容されるホール素子122とを有しており、フェライトコア121の中央孔には、コイルエンド25から軸方向に突出するステータコイル22の引き出し線221が貫通している。また、この引き出し線221はヒートシンク30の孔を厚さ方向に貫通してヒートシンク30の反モータ側主面33から軸方向に突出している。
【0044】
ヒートシンク30の反モータ側主面33には、三相インバータ回路10を構成する半導体スイッチング素子4〜9およびそれらを接続するための配線導体が、ゲートコントローラ13とともに搭載されている。ただし、前述した用に、図2では、三相インバータ回路10のうち、半導体スイッチング素子4、5とそれらに関連する配線導体のみが図示されている。
【0045】
半導体スイッチング素子4〜9は、水冷通路31に隣接してヒートシンク30の反モータ側主面33に実装されている。高位側の直流ライン15は、薄い電気絶縁フィルムを挟んでヒートシンク30の反モータ側主面33上に固定され、低位側の直流ライン16は、ヒートシンク30の反モータ側主面33上に直接固定されているが薄い絶縁フィルムを介して設けてもよい。また、ヒートシンク30の反モータ側主面33上には、薄い電気絶縁フィルムを挟んで三相インバータ回路10の三相の交流ラインが固定されている。19はこの三相の交流ラインのうちのU相交流ラインである。これらの各ラインは平銅線からなる。
【0046】
下アーム側の半導体スイッチング素子5、7、9は交流ライン上に固定され、上アーム側の半導体スイッチング素子4、6、8は直流ライン15上に固定されている。
【0047】
ステータコイル22の三相の引き出し線221の先端は、これら交流ラインに個別に接続されている。図2では、U相の引き出し線221がU相の交流ライン19と接続され、この接続部位は樹脂20により絶縁被覆されている。
【0048】
15’は、上アーム側の半導体スイッチング素子4の低位主電極端子と交流ライン15とを結ぶ配線であり、19’は、下アーム側の半導体スイッチング素子5の低位主電極端子と直流ライン16とを結ぶ配線である。
【0049】
直流ライン15は、配線17を通じて平滑コンデンサ11の高位電極端子に接続され、直流ライン16は、配線18を通じて平滑コンデンサ11の低位電極端子に接続されている。
【0050】
ゲートコントローラ13は、直流ライン16上に電気絶縁されて搭載され、ヒートシンク30から電気絶縁された配線123を通じてホール素子122からの検出信号を受け取り、図示しない配線を通じて各半導体スイッチング素子4〜9のゲート電極端子に制御電圧を印加する。
【0051】
(実施例効果)
このような平滑コンデンサ11と半導体スイッチング素子4〜9の配置をもつこの実施例のインバータ搭載型回転電機は、ヒートシンクの主面を半導体スイッチング素子冷却面および平滑コンデンサ冷却面として用いることにより冷却体(ヒートシンク)を小型化することができるうえ、同一側に半導体スイッチング素子4〜9と平滑コンデンサ11とを二階建てに形成する場合に比較して回転電機の総軸長を短縮することができ、更に平滑コンデンサ11を反モータ側主面33に、半導体スイッチング素子4〜9をモータ側主面32に配置するのに比較して半導体スイッチング素子4〜9の冷却性を向上することができ、実用性に優れたインバータ搭載型回転電機を実現することができる。
(実施例2)
他の実施例を図3、図4参照して説明する。図3はこの回転電機の軸方向模式断面図、図4はその要部拡大断面図である。
【0052】
この実施例のインバータ搭載型回転電機は、主として実施例1のヒートシンク(冷却体)30の水冷通路(溝部)31を軸方向モータ側に開口させるとともに、平滑コンデンサ11の平坦な底面110をヒートシンク30のモータ側の主面301に密着、固定させて水冷通路31の平滑コンデンサ11により閉鎖する点をその特徴としている。
【0053】
更に具体的に説明すると、平滑コンデンサ11は、フイルムコンデンサであって、その樹脂ケース111に収容された誘電フィルムとそれを挟む一対の電極とからなる電極アセンブリ112を収容している。したがって、平滑コンデンサ11の平坦な底面110とは、平滑コンデンサ11の樹脂ケース111の平坦な底面を意味し、ヒートシンク30のモータ側の主面301には水冷通路31が開口されている。なお、たとえば迷路状に構成されたこのような水冷通路31の形成は通常のアルミダイキャスト法により容易に製造することができる。
【0054】
この実施例では、平滑コンデンサ11の樹脂ケース111の平坦な底面110とヒートシンク30のモータ側の主面301との接合を樹脂接着剤を用いた接着により実施しているが、その他、樹脂ケース111に金属を蒸着乃至固着し、この金属とヒートシンクとを半田などで接合してもよい。また、平滑コンデンサ11とヒートシンク30とを図示しない締結ボルトなどによりOリングを介して締結してもよい。なお、この締結ボルトは、ヒートシンク30をモータハウジングに固定するのに共用してもよい。
(変形態様)
上記実施例2では、ヒートシンク30のモータ側の主面301を平坦面としたが、ヒートシンク30のモータ側の主面301に平滑コンデンサ11の樹脂ケース全体がその厚さ方向に一部又は全部落ち込む凹部を設け、この凹部に平滑コンデンサ11を一部又は全部を埋設することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のインバータ搭載型回転電機の回路図である。
【図2】図1のインバータ搭載型回転電機の模式軸方向断面図である。
【図3】実施例2の回転電機の軸方向模式断面図である。
【図4】図3の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 バッテリ
2 モータ本体
3 インバータ装置
4〜9 半導体スイッチング素子
10 三相インバータ回路
11 平滑コンデンサ
30 ヒートシンク(冷却体)
Claims (8)
- 交流モータからなるモータ本体と、前記モータ本体の軸方向一方側に固定されて直流電源と前記モータ本体のステータコイルとの間の電力移動を制御するインバータ装置とを備え、
前記インバータ装置は、
前記直流電源と前記ステータコイルとの間に介設されて直交変換を行うインバータ回路を構成する所定数の半導体スイッチング素子と、
前記インバータ回路の一対の直流端子間に接続された平滑コンデンサと、
前記半導体スイッチング素子および前記平滑コンデンサに接して前記半導体スイッチング素子および前記平滑コンデンサを冷却する冷却体と、
を有するインバータ搭載型回転電機において、
前記平滑コンデンサは、
径方向に延在する前記冷却体の一対の主面のうち、前記モータ本体に面する側のモータ側主面に固定され、
前記半導体スイッチング素子は、
前記冷却体の前記一対の主面のうち、前記モータ本体に面しない側の反モータ側主面に固定されていることを特徴とするインバータ搭載型回転電機。 - 請求項1記載のインバータ搭載型回転電機において、
前記インバータ装置は、
前記冷却体の前記反モータ側主面に電気絶縁体を介して密接された第一導体と、
前記第一導体上に実装される前記半導体スイッチング素子により構成される前記インバータ回路の上アーム素子と、
を有することを特徴とするインバータ搭載型回転電機。 - 請求項2記載のインバータ搭載型回転電機において、
前記第一導体は、
前記直流電源の高位電極端子を構成することを特徴とするインバータ搭載型回転電機。 - 請求項2記載のインバータ搭載型回転電機において、
前記インバータ装置は、
前記冷却体の前記反モータ側主面に直接密接された第二導体と、
前記第二導体上に実装される前記半導体スイッチング素子により構成される前記インバータ回路の下アーム素子と、
を有することを特徴とするインバータ搭載型回転電機。 - 前記第二導体は、
前記ステータコイルの引き出し線に接続される前記インバータ回路の交流出力線を構成することを特徴とするインバータ搭載型回転電機。 - 請求項1記載のインバータ搭載型回転電機において、
前記インバータ装置は、
前記冷却体の前記反モータ側主面に接して前記インバータ回路の状態に関する情報を外部に出力する制御マイコンを有することを特徴とするインバータ搭載型回転電機。 - 請求項4記載のインバータ搭載型回転電機において、
前記冷却体は、前記モータ側主面に開口を有して冷却流体流路をなす溝部を有し、
前記平滑コンデンサは、前記冷却体の前記モータ側主面に固定されて前記溝部の前記開口を閉鎖することを特徴とするインバータ搭載型回転電機。 - 互いに平行な一対の主面を有するヒートシンクと、前記ヒートシンクの一主面に固定されるコンデンサと、前記ヒートシンクの他主面に固定される回路部とを備える回路装置において、
前記ヒートシンクは、前記ヒートシンクの前記一主面に開口を有して冷却流体流路をなす溝部を有し、
前記コンデンサは、前記ヒートシンクの前記一主面に固定されて前記溝部の前記開口を閉鎖することを特徴とする回路装置。
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