JP2004083550A - 含フッ素アルキルハロゲン化物の製造方法 - Google Patents

含フッ素アルキルハロゲン化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】含フッ素アルケンを出発物質として、含フッ素アルキルハロゲン化物を効率良く製造できる方法、及び該方法を利用して含フッ素エステルを効率よく製造できる方法を提供する。
【解決手段】一般式(I):
−CH=CH                (I)
(式中、Rは、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基又は炭素数1〜20のポリフルオロアルキル基である。)で表される含フッ素アルケンと、ハロゲン化水素発生試薬群とを、触媒の存在下又は非存在下に反応させることを特徴とする、一般式 (II) :
−CHCHX         (II)
(式中、Xはハロゲン元素であり、Rは前記に同じ。)で表される含フッ素アルキルハロゲン化物の製造方法。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、含フッ素アルキルアイオダイドの製造方法、及び含フッ素エステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般式 (IV):
−CHCHOCOCR=CH             (IV)
(式中、Rは、炭素数が1〜20のパーフルオロアルキル基又は炭素数が1〜20のポリフルオロアルキル基であり、RはH又はCHである)で表される含フッ素エステルは、撥水撥油剤の原料等として有用な化合物であり、その製造方法としては、一般式 (II’) :
−CHCHI                     (II    ’)
(式中、Rは、前記に同じ)で表される含フッ素アルキルアイオダイドと、一般式 (III):
CH=CRCOOM           (III)
(式中、Mはアルカリ金属であり、Rは前記に同じ)で表されるカルボン酸塩とを反応させる方法が知られている (例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、この製造方法では、副生成物として一般式 (I):
−CH=CH2                  (I)
(式中、Rは前記に同じ)で表される含フッ素アルケンが多量に生成するという問題点がある。
【0004】
副生する含フッ素アルケン(I)については、一般式 (V):
CHCHSiR’X    3−n        (V)
(式中、nは0、1又は2、R’はアルキル基又はアリール基である。Rは前記に同じ。)で表されるオルガノフルオロシランの原料として利用できることが知られているが(例えば、特許文献2参照)、この用途だけでは需要量が充分ではなく、余剰の含フッ素アルケンを有効に利用することが望まれる。
【0005】
例えば、含フッ素アルケン (I)を含フッ素アルキルアイオダイド(II’)に変換できれば、上記した含フッ素エステル (IV)の原料としてリサイクルすることが可能となり、生産効率を向上させることができるものと期待される。
【0006】
含フッ素アルケン (I)を含フッ素アルキルアイオダイド(II’)に変換する方法としては、例えば、含フッ素アルケン(I)にヨウ化水素を付加させる方法が考えられる。しかしながら、この方法では、ヨウ化水素を一旦製造し、これを単離精製する必要があるため、製造工程が煩雑となる。しかも、ヨウ化水素は、毒性、腐食性が大きく、酸素や光の存在下で容易に分解するという性質を有するため取り扱いが困難である。
【0007】
また、含フッ素オレフィンに塩化水素 、臭化水素等のハロゲン化水素を付加させる方法としては、触媒としてAlBrを用いる方法 (例えば、非特許文献1参照)、触媒としてCaSO/Cを用いる方法 (例えば、非特許文献2参照)などが報告されているが、いずれの方法も固体触媒を分離する必要があるため、製造効率が劣るものである。
【0008】
【特許文献1】
特公昭39−18112号公報
【0009】
【特許文献2】
特開昭50−126621号公報
【0010】
【非特許文献1】
ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサエティー(J. Am. Chem. Soc.), 72, 3369 (1950)
【0011】
【非特許文献2】
ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサエティー(J. Am. Chem. Soc.), 75, 5618 (1953)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した如き従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、含フッ素アルケンを出発物質として、含フッ素アルキルハロゲン化物を効率良く製造できる方法、及び該方法を利用して含フッ素エステルを効率よく製造できる方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、含フッ素アルケンを、反応系においてハロゲン化水素を発生し得る試薬の組合せと反応させることにより、ヨウ化水素ガスを一旦製造し単離精製するという煩雑な工程を経ることなく、一工程で含フッ素アルキルハロゲン化物を製造できることを見出した。しかも、この製造方法では、固体触媒を用いることなく反応を進行させることも可能であり、非常に効率のよい方法であることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0014】
即ち、本発明は、下記の含フッ素アルキルアイオダイドの製造方法を提供するものである。
1. 一般式(I):
−CH=CH                (I)
(式中、Rは、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基又は炭素数1〜20のポリフルオロアルキル基である。)で表される含フッ素アルケンと、ハロゲン化水素発生試薬群とを、触媒の存在下又は非存在下に反応させることを特徴とする、一般式 (II) :
−CHCHX         (II)
(式中、Xはハロゲン元素であり、Rは前記に同じ。)で表される含フッ素アルキルハロゲン化物の製造方法。
2. ハロゲン化水素発生試薬群が、下記(i)〜(iv)から選ばれた少なくとも一種の組合せである上記項1に記載の方法:
(i)ハロゲン分子と水素の組合せ、
(ii)ハロゲン分子と水素化芳香族化合物の組合せ、
(iii)ハロゲン分子とカルボン酸の組合せ、
(iv)金属ハロゲン化物とリン酸等価体の組合せ。
3. ハロゲン分子が、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素及びアスタチンからなる群より選ばれた少なくとも1種である上記項2に記載の方法。
4. 水素化芳香族化合物が、部分水素化された多環構造を持つ芳香族化合物である上記項2又は3に記載の方法。
5. カルボン酸が、炭素数1〜6の脂肪族一塩基酸、炭素数1〜6の脂肪族二塩基酸、芳香族一塩基酸及び芳香族二塩基酸からなる群より選ばれた少なくとも1種である上記項2又は3に記載の方法。
6. リン酸等価体が、リン酸、ポリリン酸、メタリン酸、及び五酸化二リンと水との組合せ、からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、金属ハロゲン化物が、アルカリ金属ハロゲン化物及びアルカリ土類金属ハロゲン化物からなる群より選ばれた少なくとも1種である上記項2に記載の方法。
7. 触媒が、活性炭、金属硫酸塩、ルイス酸及び芳香族化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種である上記項1〜6のいずれかに記載の方法。
8. 金属硫酸塩が、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム及び硫酸アルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種であり、ルイス酸が、ハロゲン化ホウ素、ハロゲン化アンチモン、ハロゲン化スズ、ハロゲン化チタン、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化ガリウム、ハロゲン化砒素、ハロゲン化鉄、ハロゲン化水銀及びハロゲン化ジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種であり、芳香族化合物が、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、ナフタレン、1,2−ジヒドロナフタレン、1,4−ジヒドロナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ナフタセン、ベンズアントラセン及びベンズピレンからなる群より選ばれた少なくとも1種である上記項7に記載の方法。
9. 上記項1〜8のいずれかに記載の方法によって一般式 (II) で表される含フッ素アルキルハロゲン化物を得た後、これを、一般式 (III):
CH=CRCOOM       (III)
(式中、Mはアルカリ金属であり、RはH又はCHである。)で表されるカルボン酸塩と反応させることを特徴とする、一般式 (IV):
−CHCHOCOCR=CH             (IV)
(式中、R及びRは前記に同じ。)で表される含フッ素エステルの製造方法。
10. 一般式 (II):
−CHCHX             (II)
(式中、Rは炭素数が1〜20のパーフルオロアルキル基又は炭素数が1〜20のポリフルオロアルキル基であり、Xはハロゲン元素である。)で表される含フッ素アルキルハロゲン化物と、一般式 (III):
CH=CRCOOM       (III)
(式中、RはH又はCHであり、Mはアルカリ金属である。)で表されるカルボン酸塩とを反応させて、一般式 (IV):
−CHCHOCOCR=CH             (IV)
(式中、R及びRは前記に同じ。)で表される含フッ素エステルを製造する方法において、
副生する一般式(I)
−CH=CH                (I)
(式中、Rは前記に同じ。)で表される含フッ素アルケンを、請求項1〜8のいずれかの方法によって一般式(II)の含フッ素アルキルハロゲン化物に変換し、一般式(IV) の含フッ素エステルの製造工程における原料としてリサイクルすることを特徴とする、一般式 (IV)で表される含フッ素エステルの製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明方法は、一般式 (I) :
−CH=CH                (I)
(式中、Rは、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基又は炭素数1〜20のポリフルオロアルキル基である。)で表される含フッ素アルケンと、ハロゲン化水素発生試薬群とを、触媒の存在下又は非存在下に反応させることによる、一般式(II):
−CHCHX         (II)
(式中、Xはハロゲン元素であり、Rは前記に同じ。)で表される含フッ素アルキルハロゲン化物の製造方法である。
【0016】
本発明方法において原料として用いる一般式(I)の含フッ素アルケンは公知の化合物であり、一般式(I)におけるRは、パーフルオロアルキル基又はポリフルオロアルキル基である。パーフルオロアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状のパーフルオロアルキル基を例示することができ、具体例としては、CF、C、(n−又はiso−)C、(n−、iso−、sec−又はtert−)C、CF(CF (mは4〜19の整数)、(CFCF(CF (kは2〜17の整数) 等を挙げることができる。
【0017】
ポリフルオロアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状のポリフルオロアルキル基を例示することができ、具体例としては、CHF(CF (pは1〜5の整数)、CHF(CF (qは1〜5の整数) 等を挙げることができる。
ハロゲン化水素発生試薬群とは、反応系中でハロゲン化水素を発生し得る試薬の組合せであり、下記(i)〜(iv)の試薬の組合せを例示できる。
(i)ハロゲン分子と水素の組合せ。
(ii)ハロゲン分子と水素化芳香族化合物の組合せ。
(iii)ハロゲン分子とカルボン酸の組合せ。
(iv)金属ハロゲン化物とリン酸等価体の組合せ。
【0018】
上記(i)〜(iv)の組合せについては、一種類の組合せを単独で用いる他、二種以上の組合せを同時に用いることもできる。これらのハロゲン化水素発生試薬群はいずれも精製ヨウ化水素に比べ安価であり、安定性が大きいために取扱が容易であり、工業原料として好ましい。
上記(i)の組合せにおいて用いる原料の内で、ハロゲン分子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチンなどを例示でき、特に、塩素、臭素、ヨウ素などが好ましい。ハロゲン分子は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0019】
上記(i)の組合せでは、ハロゲン分子の使用量は、一般式(I)の含フッ素アルケン1モルに対して、0.01〜10モル程度とすることが好ましく、0.1〜1モル程度とすることがより好ましい。
【0020】
水素の使用量は、一般式(I)の含フッ素アルケン1モルに対して、0.01〜10モル程度とすることが好ましく、0.1〜1モル程度とすることがより好ましい。
【0021】
上記(ii)の組合せで用いる原料の内で、ハロゲン分子は、上記したものと同様である。
【0022】
水素化芳香族化合物としては、部分水素化された芳香族化合物を用いることができる。該芳香族化合物は、多環構造を持つことが好ましい。
【0023】
この様な多環構造を持つ部分水素化された芳香族化合物としては、水素化ナフタレン、水素化フェナントレン、水素化アントラセン、水素化ピレン、水素化ナフタセン、水素化ベンズアントラセン、水素化ベンズピレン等を例示できる。これらの内で、水素化ナフタレンが好ましく、その具体例としては、2−ジヒドロナフタレン、1,4−ジヒドロナフタレン及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン等を挙げることができる。水素化芳香族化合物は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0024】
上記(ii)の組合せにおいて、ハロゲン分子の使用量は、一般式(I)の含フッ素アルケン1モルに対して、0.01〜10モル程度とすることが好ましく、0.1〜1モル程度とすることがより好ましい。水素化芳香族化合物の使用量は、一般式(I)の含フッ素アルケン1モルに対して、0.1〜100モル程度とすることが好ましく、1〜10モル程度とすることがより好ましい。
【0025】
上記(iii)の組合せで用いる原料の内で、ハロゲン分子は、上記したものと同様である。
【0026】
カルボン酸としては、炭素数1〜6程度の脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸などが好ましく、いずれも一塩基酸又は二塩基酸を用いることができる。カルボン酸の具体例としては、脂肪族カルボン酸として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、アジピン酸等を挙げることができ、芳香族カルボン酸として、安息香酸、フタル酸等を挙げることができる。これらのカルボン酸は一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0027】
上記(iii)の組合せでは、ハロゲン分子の使用量は、一般式(I)の含フッ素アルケン1モルに対して、0.01〜10モル程度とすることが好ましく、0.1〜1モル程度とすることがより好ましい。カルボン酸の使用量は、一般式(I)の含フッ素アルケン1モルに対して、0.1〜100モル程度とすることが好ましく、1〜10モル程度とすることがより好ましい。
【0028】
上記(iv)の組合せで用いる原料の内で、金属ハロゲン化物としては、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物などを用いることができる。具体的には、ハロゲン化リチウム、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化カリウム、ハロゲン化カルシウム、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化アルミニウム等を例示できる。これらの化合物におけるハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素等が好ましい。特に、反応性の点から、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化カリウムなどのアルカリ金属ハロゲン化物が好ましい。金属ハロゲン化物は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0029】
リン酸等価体としては、例えば、リン酸、ポリリン酸、メタリン酸、及び五酸化二リンと水との組合せ、からなる群より選ばれる少なくとも1種等を用いることができる。これらのリン酸等価体は、いずれも濃度が高いものが好ましく、例えば、85〜100%程度のものを用いることができ、95〜100%程度のものが好ましい。五酸化二リンと水との組合せを用いる場合は、五酸化二リン1モルに対して、水2.5〜3.5モル程度を用いるのが好ましい。
【0030】
上記(iv)の組合せでは、金属ハロゲン化物の使用量は、一般式(I)の含フッ素アルケン1モルに対して、0.5〜2モル程度とすることが好ましい。リン酸等価体の使用量は、一般式(I)の含フッ素アルケン1モルに対して、0.1〜10モル程度とすることが好ましい。
一般式(I)の含フッ素アルケンと、ハロゲン化水素発生試薬群との反応は、触媒の存在下又は非存在下に行うことができる。具体的には、ハロゲン化水素発生試薬群として、上記(i)のハロゲン分子と水素の組合せ、又は(iv)の金属ハロゲン化物とリン酸等価体の組合せを用いる場合には、触媒の存在下に反応を行うことが必要である。上記(ii)のハロゲン分子と水素化芳香族化合物の組合せと、(iii)のハロゲン分子とカルボン酸の組合せについては、触媒の非存在下に反応を行うことも可能であるが、触媒の存在下に反応を行うことによって、収率を向上させることができる。
【0031】
触媒としては、活性炭、金属硫酸塩、ルイス酸、芳香族化合物などを用いることができる。これらの触媒は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0032】
活性炭としては、特に限定はなく、入手容易な公知の活性炭を用いることができる。
【0033】
金属硫酸塩の具体例としては、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等を挙げることができ、これらを一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0034】
ルイス酸としては、ハロゲン化ホウ素、ハロゲン化アンチモン、ハロゲン化スズ、ハロゲン化チタン、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化ガリウム、ハロゲン化砒素、ハロゲン化鉄、ハロゲン化水銀、ハロゲン化ジルコニウム等を用いることができる。これらの化合物において、ハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素等を例示できる。これらのルイス酸は一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0035】
芳香族化合物としては、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、ナフタレン、1,2−ジヒドロナフタレン、1,4−ジヒドロナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタフレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ナフタセン、ベンズアントラセン、ベンズピレンなどを用いることができ、これらを一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0036】
触媒の使用量については、活性炭、金属硫酸塩又は芳香族化合物を用いる場合には、一般式(I)の含フッ素アルケン1モルに対して、0.1〜10モル程度とすることが好ましい。また、触媒として、ルイス酸を用いる場合には、含フッ素アルケン1モルに対して0.01〜1モル程度とすることが好ましい。
【0037】
また、活性炭と金属硫酸塩は併用することができ、両者を併用することによって、反応性を向上させ、収率を上げることが可能となる。両者を併用する場合には、その割合は、活性炭1重量部に対して金属硫酸塩0.01〜10重量部程度とすることが好ましい。この場合には、反応に先立ち、減圧下(例えば、0〜1×10Pa程度)で、例えば、100〜300℃程度に加熱して触媒を活性化することが好ましい。
【0038】
一般式(I)の含フッ素アルケンと、ハロゲン化水素発生試薬群との反応では、反応温度を50〜400℃程度とすることが好ましく、100〜300℃程度とすることがより好ましい。反応時間は、通常、1〜100時間程度とすればよい。
【0039】
上記反応は、反応系内を不活性気体(N、Ar、CO等)で置換し、0〜5×10Pa程度に減圧した後、反応を行うことが好ましい。
【0040】
具体的な反応方法については、特に限定的ではないが、例えば、オートクレーブ等の圧力容器に原料、及び必要に応じて触媒を仕込み、窒素等の不活性気体で容器内を置換し、その後、減圧し、反応温度まで昇温して、同温下で所定の時間撹拌すればよい。
【0041】
本発明の製造方法によって得られる一般式 (II)の含フッ素アルキルハロゲン化物は、抽出、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの公知の方法で精製することができる。
【0042】
上記した方法によって得られた一般式(II)の含フッ素アルキルハロゲン化物は、一般式 (IV):
−CHCHOCOCR=CH             (IV)
(式中、Rは、炭素数が1〜20のパーフルオロアルキル基又は炭素数が1〜20のポリフルオロアルキル基であり、RはH又はCHである)で表される含フッ素エステルの製造原料として有効に利用できる。
【0043】
一般式(II)の含フッ素アルキルハロゲン化物から、一般式 (IV)の含フッ素エステルを得るには、一般式(II)の含フッ素アルキルハロゲン化物と、一般式(III):
CH=CHRCOOM            (III)
(式中、RはH又はCHであり、Mはアルカリ金属である。)
で表されるカルボン酸塩とを反応させればよい。この反応は、特公昭39−18112号公報などに記載されている公知の反応条件に従えばよく、例えば、常圧下、アルコール溶媒(例えば、t−ブタノール)中で含フッ素アルキルハロゲン化物(II)とカルボン酸塩(III)を混合し、通常、100〜300℃程度で1〜50時間程度加熱撹拌すればよい。この様にして得られた反応混合物を精製することにより、含フッ素エステル(IV)を得ることができる。
【0044】
上記一般式(III)において、Mで示されるアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。中でも、反応性の点からカリウムが好ましい。
【0045】
本発明の方法を用いることにより、含フッ素アルケン(I)から含フッ素エステル(IV)を効率的にしかも選択性良く製造することができる。
【0046】
尚、一般式 (II)で表される含フッ素アルキルハロゲン化物と、一般式 (III)で表されるカルボン酸塩とを反応させて、一般式 (IV)で表される含フッ素エステルを製造する方法において、副生する一般式 (I)の含フッ素アルケンを、上記した本発明方法に従って一般式 (II)の含フッ素アルキルハロゲン化物に変換し、これを上記した一般式(IV)の含フッ素エステルの製造工程に原料としてリサイクルする場合には、該含フッ素エステルの製造時に多量に副生する含フッ素アルケン(I)を有効に利用することが可能となり、一般式(IV)の含フッ素エステルの製造効率を大きく向上させることができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、下記の様な顕著な効果が奏される。
【0048】
(1)ヨウ化水素ガスを一旦製造し、単離精製するという煩雑な工程を経ることなく、しかも取り扱いの難しいヨウ化水素ガスを用いること無く、一工程で含フッ素アルキルハロゲン化物(II) を製造できる。
【0049】
(2)固体触媒を用いること無く反応を進行させることも可能であり、この場合には、固体触媒を濾過などの方法で分離する必要が無く、効率よく含フッ素アルキルハロゲン化物(II) を製造できる。
【0050】
(3)含フッ素アルケンを効率的に含フッ素アルキルハロゲン化物に変換でき、利用価値の低かった含フッ素アルケンを再利用して含フッ素エステルに導くことができる。これにより含フッ素エステルの生産効率が向上し、ひいては資源の有効利用を図ることができる。
【0051】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0052】
実施例1及び2
含フッ素アルケン(C17CH=CH)、五酸化二リン(P)及び活性炭(粒状白鷺C2X 4/6−2:武田薬品工業(株)製)を200mlSUSオートクレーブに入れ、窒素置換し、1×10Paに減圧した後、400rpmで撹拌しながら圧入管の内容物であるヨウ化カリウム水溶液を圧入した。圧入後、下記の反応による熱反応で、オートクレーブ内の温度上昇が認められた。
【0053】
3HO + P → 2HPO
温度の上昇がなくなった後、200℃まで昇温して反応を行った。
【0054】
反応の原料の仕込量及び反応条件を、表1に示す。
【0055】
【表1】
Figure 2004083550
【0056】
反応後、反応系内に水を圧入し、反応混合物をろ過した後、有機層を分離した。オートクレーブに残った活性炭にジエチルエーテルを加え、有機物をジエチルエーテルで抽出した。この操作を数回繰り返して得られたエーテル層と、ろ過により得られた有機層を混合し、ガスクロマトグラフィー(GC)で分析した。
<GC条件>
キャリアガス:ヘリウム、50ml/分
注入口:250℃
検出器:250℃、TCD 100mA
カラム:3m SE−30
カラム昇温条件:50℃、5分 → 10℃/分で昇温 → 250℃、5分
各反応における生成物の濃度(%)、選択率(%)を表2に示す。
【0057】
【表2】
Figure 2004083550
【0058】
各反応における転化率(%)を表3に示す。
【0059】
【表3】
Figure 2004083550
【0060】
上記結果より、実施例1及び2では、少なくとも転化率50%以上、選択率75%以上で目的化合物(C17CHCHI)が得られることが分かった。
【0061】
実施例3
含フッ素アルケン(C17CH=CH)40.5g(91mmol)、ヨウ素(I)11.5g(45mmol)、テトラリン(C1012)3.0g(23mmol)及び活性炭(粒状白鷺C2X 4/6−2:武田薬品工業(株)製)1.2gを200ml SUSオートクレーブに入れ、窒素置換し、1×10Paに減圧した後、400rpmで撹拌しながら200℃まで昇温して2 hr反応を行った。
【0062】
反応後、反応系内に水を圧入し、反応混合物をろ過した後、有機層を分離した。オートクレーブに残った活性炭にジエチルエーテルを加え、有機物をジエチルエーテルで抽出した。この操作を数回繰り返して得られたエーテル層と、上記ろ過により得られた有機層を混合し、実施例1と同様の条件でガスクロマトグラフィー(GC)で分析した。
【0063】
その結果、転化率2%、選択率82%で目的化合物(C17CHCHI)が得られることが分かった。
【0064】
実施例4
200ml SUS製オートクレーブに含フッ素アルケン(C17CH=CH) 40.5g(91mmol)、ヨウ素(I)11.5g(45mmol)及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(C1012)57.6g(436mmol)を入れ、窒素置換し、1×10Paに減圧した後、400 rpmで撹拌しながら200℃まで昇温して2時間反応を行った。
【0065】
反応後、得られた液をガスクロマトグラフィーで分析した。
【0066】
その結果、転化率25%、選択率83%でC17CHCHIが得られたことが確認できた。
【0067】
実施例5
1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン57.6gに代えて、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン3.0g(23mmol) 及びベンゼン32.3g(413mmol) を用い、それ以外は実施例4と同様の操作によって反応を行った。
【0068】
反応後、得られた液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、転化率3%、選択率85%でC17CHCHIが得られたことが確認できた。
【0069】
実施例6
1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン57.6gに代えて、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン3.0g(23mmol)及びトルエン38.1g(413mmol)を用い、それ以外は実施例4と同様の操作により反応を行った。
【0070】
反応後、得られた液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、転化率6%、選択率86%でC17CHCHIが得られたことが確認できた。
実施例7
反応温度を150℃、反応時間を4時間としたこと以外は、実施例4と同様の操作により反応を行った。
【0071】
反応後、得られた液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、転化率12%、選択率98%でC17CHCHIが得られたことが確認できた。
実施例8
反応温度を180℃としたこと以外は実施例7と同様の操作により反応を行った。
【0072】
反応後、得られた液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、転化率27%、選択率94%でC17CHCHIが得られたことが確認できた。
【0073】
実施例9
反応温度を170℃、反応時間を24時間としたこと以外は実施例4と同様の操作により反応を行った。
【0074】
反応後、得られた液をガスクロマトグラフィー で分析した結果、転化率50 %、選択率90%でC17CHCHIが得られたことが確認できた。
実施例10
1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンに代えて、ギ酸(HCOOH) 2.1 g (48mmol) を用い、それ以外は実施例4と同様の操作により反応を行った。
【0075】
反応後、得られた液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、転化率3%、選択率63%でC17CHCHIが得られたことが確認できた。
実施例11
1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンに代えて、シュウ酸((COOH)・2HO)2.4 g (19mmol) を用い、それ以外は実施例4と同様の操作により反応を行った。
【0076】
反応後、得られた液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、転化率5%、選択率85%でC17CHCHIが得られたことが確認できた。
実施例12
1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンに代えて、酢酸(CHCOOH)5.5g(91mmol) を用い、それ以外は、実施例4と同様の操作により反応を行った。
【0077】
反応後、得られた液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、転化率4%、選択率80%でC17CHCHIが得られたことが確認できた。
実施例13
1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンに代えて、プロピオン酸(CHCHCOOH) 6.7g(91mmol)を用い、それ以外は、実施例4と同様の操作により反応を行った。
【0078】
反応後、得られた液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、転化率5%、選択率83%でC17CHCHIが得られたことが確認できた。
実施例14
1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンに代えて、アジピン酸 ((CHCHCOOH)) 6.7g(46mmol)を用い、それ以外は、実施例4と同様の操作により反応を行った。
【0079】
反応後、得られた液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、転化率7%、選択率85%でC17CHCHIが得られたことが確認できた。
実施例15
1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンに代えて、安息香酸(CCOOH)11.1g (91mmol)を用い、それ以外は、実施例4と同様の操作により反応を行った。
【0080】
反応後、得られた液をガスクロマトグラフィー で分析した結果、転化率10%、選択率89%でC17CHCHIが得られたことが確認できた。
実施例16
1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンに代えて、フタル酸(C(COOH))7.6 g(46mmol)を用い、それ以外は、実施例4と同様の操作により反応を行った。
【0081】
反応後、得られた液をガスクロマトグラフィー で分析した結果、転化率15 %、選択率95%でC17CHCHIが得られたことが確認できた。
実施例17
触媒として活性炭1.2 gを用い、それ以外は、実施例10と同様の操作により反応を行った。
【0082】
反応後、得られた液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、転化率20 %、選択率90%でC17CHCHIが得られたことが確認できた。
実施例18
触媒として硫酸カルシウム0.3 gおよび活性炭0.9 gを用い、それ以外は、実施例10と同様の操作により反応を行った。
【0083】
反応後、得られた液をガスクロマトグラフィー で分析した結果、転化率30 %、選択率89%でC17CHCHIが得られたことが確認できた。
実施例19
触媒としてヨウ化アルミニウム0.3 gを用い、それ以外は、実施例10と同様の操作により反応を行った。
【0084】
反応後、得られた液をガスクロマトグラフィー で分析した結果、転化率5 %、選択率95%でC17CHCHIが得られたことが確認できた。

Claims (10)

  1. 一般式(I):
    −CH=CH                (I)
    (式中、Rは、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基又は炭素数1〜20のポリフルオロアルキル基である。)で表される含フッ素アルケンと、ハロゲン化水素発生試薬群とを、触媒の存在下又は非存在下に反応させることを特徴とする、一般式 (II) :
    −CHCHX         (II)
    (式中、Xはハロゲン元素であり、Rは前記に同じ。)で表される含フッ素アルキルハロゲン化物の製造方法。
  2. ハロゲン化水素発生試薬群が、下記(i)〜(iv)から選ばれた少なくとも一種の組合せである請求項1に記載の方法:
    (i)ハロゲン分子と水素の組合せ、
    (ii)ハロゲン分子と水素化芳香族化合物の組合せ、
    (iii)ハロゲン分子とカルボン酸の組合せ、
    (iv)金属ハロゲン化物とリン酸等価体の組合せ。
  3. ハロゲン分子が、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素及びアスタチンからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項2に記載の方法。
  4. 水素化芳香族化合物が、部分水素化された多環構造を持つ芳香族化合物である請求項2又は3に記載の方法。
  5. カルボン酸が、炭素数1〜6の脂肪族一塩基酸、炭素数1〜6の脂肪族二塩基酸、芳香族一塩基酸及び芳香族二塩基酸からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項2又は3に記載の方法。
  6. リン酸等価体が、リン酸、ポリリン酸、メタリン酸、及び五酸化二リンと水との組合せ、からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、金属ハロゲン化物が、アルカリ金属ハロゲン化物及びアルカリ土類金属ハロゲン化物からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項2に記載の方法。
  7. 触媒が、活性炭、金属硫酸塩、ルイス酸及び芳香族化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種である請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 金属硫酸塩が、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム及び硫酸アルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種であり、ルイス酸が、ハロゲン化ホウ素、ハロゲン化アンチモン、ハロゲン化スズ、ハロゲン化チタン、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化ガリウム、ハロゲン化砒素、ハロゲン化鉄、ハロゲン化水銀及びハロゲン化ジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種であり、芳香族化合物が、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、ナフタレン、1,2−ジヒドロナフタレン、1,4−ジヒドロナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ナフタセン、ベンズアントラセン及びベンズピレンからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項7に記載の方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の方法によって一般式 (II) で表される含フッ素アルキルハロゲン化物を得た後、これを、一般式 (III):
    CH=CRCOOM       (III)
    (式中、Mはアルカリ金属であり、RはH又はCHである。)で表されるカルボン酸塩と反応させることを特徴とする、一般式 (IV):
    −CHCHOCOCR=CH             (IV)
    (式中、R及びRは前記に同じ。)で表される含フッ素エステルの製造方法。
  10. 一般式 (II):
    −CHCHX             (II)
    (式中、Rは炭素数が1〜20のパーフルオロアルキル基又は炭素数が1〜20のポリフルオロアルキル基であり、Xはハロゲン元素である。)で表される含フッ素アルキルハロゲン化物と、一般式 (III):
    CH=CRCOOM       (III)
    (式中、RはH又はCHであり、Mはアルカリ金属である。)で表されるカルボン酸塩とを反応させて、一般式 (IV):
    −CHCHOCOCR=CH             (IV)
    (式中、R及びRは前記に同じ。)で表される含フッ素エステルを製造する方法において、
    副生する一般式(I)
    −CH=CH                (I)
    (式中、Rは前記に同じ。)で表される含フッ素アルケンを、請求項1〜8のいずれかの方法によって一般式(II)の含フッ素アルキルハロゲン化物に変換し、一般式(IV) の含フッ素エステルの製造工程における原料としてリサイクルすることを特徴とする、一般式 (IV)で表される含フッ素エステルの製造方法。
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