JP2004082804A - 衝突物保護装置 - Google Patents

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高橋 昭夫
Shinkichi Asanuma
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Abstract

【課題】二次衝突を含む衝突の際に加えられる衝撃力から衝突物を十分に保護できる衝突物保護装置を提供する。
【解決手段】衝突物保護装置1は、車両への衝突を検知或いは予知すると、インフレータ4でエアバッグ5にガスを充填して前記エアバッグ5を車両前部の上面A2に膨張展開させ、膨張展開した前記エアバッグ5のクッション作用により、車両に衝突する際に衝突物に加えられる衝撃力を吸収緩和するよう構成された衝突物保護装置1であって、前記エアバッグユニット3を構成するエアバッグ5は、エアバッグ本体51と、前記エアバッグ本体51の両側縁部から前端縁部に沿って設けられたチューブ状の形状保持バッグ52とを備えることを特徴とする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、車両が歩行者等の衝突物に衝突した際に、衝撃を吸収して衝突物を保護する衝突物保護装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
走行中の車両が歩行者に衝突すると、衝突された歩行者が下半身を車体前部で衝打されて、車体前部のフロントガラスやエンジンフードの上面等に二次衝突することが知られており、この二次衝突の際に衝突物に加えられる衝撃力を吸収緩和するための衝突物保護装置が考えられている。
【0003】
従来の衝突物保護装置は、歩行者に加えられる衝撃力を吸収緩和するためのエアバッグとエアバッグを膨張させるためのインフレータとを車両のエンジンフードの後方寄りに内蔵しており、車両と歩行者との衝突を検知すると、インフレータでエアバッグにガスを充填して膨張させて、膨張するエアバッグによりエンジンフードの後端側を上方に約100mm程度持ち上げた状態で支持する。このようにして、エンジンフードの後端側を支持するように膨張したエアバッグのクッション作用により、板厚の薄い鋼板から形成されたエンジンフードの変位及び変形と共に、エンジンフードに二次衝突する際に歩行者に加えられる衝撃力を吸収緩和して、歩行者を二次衝突から保護するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、エンジンフードによりその上方を覆われるエンジンルーム内には各種の補機類やボデーメンバ等が装備されていることから、車両のエンジンフードには下面側への変形が阻害される箇所があり、エンジンフードの後端部を上方に100mm程度持ち上げただけでは、二次衝突の際に加えられる衝撃力から歩行者を保護するのに十分なエンジンフードの変位ストロークを得られない場合がある。また、車両のエンジンフードには、剛性を高めるために変形し難くなっている部分もあり、このような部分に歩行者が二次衝突した場合にも二次衝突の際の衝撃力から歩行者を十分に保護できないおそれがある。特に、中速〜高速域においては、二次衝突の際に歩行者に加えられる衝撃力が大きいことから、十分な効果を得られない場合がある。
【0005】
このため、中速〜高速域においても二次衝突の際に歩行者に加えられる衝撃力を十分に吸収緩和できるように、エアバッグの展開量を増大させて車両のエンジンフードの後端側の持上げ量を増大させて吸収しろを大きくすることも考えられている。しかし、エアバッグの展開量を増大させると、収納時における折り畳み状態でのエアバッグの容量や、エアバッグを膨張させるためのガス発生剤の量も増大することとなるが、従来の衝突物保護装置が格納されるダッシュボードアッパやフロントエンド付近では、十分な収納スペースを確保できず、中速〜高速域において十分な効果を発揮できる程度にエアバッグの展開量を増大させることができなかった。
【0006】
また、従来の衝突物保護装置には、車両への歩行者の衝突を検出すると、車両のエンジンフード内に収納されたインフレータで同じく車両のエンジンフード内に収納されたエアバッグ内にガスを充填して、エアバッグを車両のエンジンフード上に膨張展開させるよう構成されたものもある。このような構成の衝突物保護装置では、エアバッグが車両のエンジンフードの上面を全面に亘ってほぼ均一な厚さで覆うように膨張展開することから、中速〜高速域において十分な効果を発揮すべく吸収しろを大きくとろうとすれば、エアバッグ全体としての展開量を大きくする必要がある。しかしながら、ダッシュボードアッパやフロントエンド付近には十分な収納スペースが確保できないことから、中速〜高速域での二次衝突の際に加えられる衝撃力を十分に吸収緩和できるだけの十分な展開量を得られなかった。
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、二次衝突を含む衝突の際に加えられる衝撃力から衝突物を十分に保護できる衝突物保護装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の衝突物保護装置は、車両への衝突を検知或いは予知すると、インフレータでエアバッグにガスを充填して前記エアバッグを車両前部の上面に膨張展開させ、膨張展開した前記エアバッグのクッション作用により、車両に衝突する際に衝突物に加えられる衝撃力を吸収緩和するよう構成された衝突物保護装置であって、前記エアバッグユニットを構成するエアバッグは、エアバッグ本体と、前記エアバッグ本体の両側縁部から前端縁部に沿って設けられたチューブ状の形状保持バッグとを備えることを特徴とする。
【0009】
この衝突物保護装置は、例えば、車両前端部に設けられた検出器等により車両への歩行者等の衝突を検知或いは予知するとインフレータでエアバッグにガスを充填して、車両前部の上面であるフロントガラスからエンジンフードの上面にかけてエアバッグを膨張展開させ、膨張展開したエアバッグのクッション作用により、歩行者等の衝突物が車両に衝突する際に衝突物に加えられる衝撃を吸収緩和するものである。
【0010】
そして、この衝突物保護装置では、エアバッグユニットを構成するエアバッグは、エアバッグ本体と、このエアバッグ本体の両側縁部から前端縁部に沿って設けられたチューブ状の形状保持バッグとを備える。
【0011】
車両の走行中においては、車両前方からの走行風にあおられるため、例えば、車両のルーフに収容されたエアバッグを車両前部の上面に膨張展開させようとすると、エアバッグが車両前部の上面を覆う正常な状態で膨張展開しない虞がある。しかし、この構成によれば、チューブ状に形成された形状保持バッグが、内部にガスを充填されると車両前方に向けて伸長するように膨張して、エアバッグ本体の両側縁部から前端縁部に沿って車両前部の上面に膨張展開する。このため、内部にガスを充填されたエアバッグ本体を、車両前方からの走行風に関わらす、車両前部の上面を覆う正常な状態で膨張展開させられ、衝突の際に衝突物に加えられる衝撃力をエアバッグで十分に吸収緩和できる。また、膨張展開したエアバッグ本体の両側縁部から前端縁部に沿って形状保持チューブが膨張展開することから、エアバッグ上に保持された衝突物が、形状保持チューブによりエアバッグ上からの落下を規制され、エアバッグ上から路上に脱落するのを避けられる。
【0012】
この場合、膨張展開したエアバッグを車両前部の上面に固定するための固定磁石を前記エアバッグに取り付ける構成によれば、膨張展開したエアバッグが固定磁石により車両前部の上面に固定されることから、車両前方からの走行風に関わらず、エアバッグを車両前部の上面を覆う正常な状態で膨張展開させられる。
【0013】
前記衝突物保護装置においては、前記形状保持バッグは、前記エアバッグ本体に比べて弾性の高い材質から形成されていることが好ましい。車両前部の上面であるエンジンフードの両側縁部及び前端縁部は、エンジンフードの中央部に比べて高い強度に設定されており、しかも下面側に変形しづらい構成となっているが、この構成によれば、弾性の高い材質から形成された形状保持バッグが、エンジンフードの上面の両側縁部及び前端縁部を覆うため、エンジンフードの両側縁部又は前端縁部に衝突する衝突物に加えられる衝撃力を、形状保持バッグで十分に吸収緩和できる。
【0014】
また、前記形状保持バッグは、前記インフレータで内部にガスが充填されることにより、車両のルーフから車両前部の上面に前記エアバッグ本体と一体に膨張展開するよう構成してもよい。エアバッグ本体と形状保持バッグとをそれぞれ別個の手段で膨張展開させる場合には、エアバッグ本体と形状保持バッグとの膨張展開を一体に行わせられずに、エアバッグ本体を車両前部の上面を覆う正常な状態で膨張展開させられない虞がある。しかし、エアバッグ本体と形状保持バッグとを同一のインフレータを用いて膨張展開させる構成によれば、エアバッグ本体と形状保持バッグとの膨張展開を確実に連動させられることから、エアバッグを車両前部の上面に正常な状態で膨張展開させられる。
【0015】
前記エアバッグ本体は、車両前部の上面に膨張展開した状態において、車両に衝突した歩行者が二次衝突する際の頭部の移動軌跡に沿った部分が上方に膨出するように形成されていることが好ましい。車両に衝突した歩行者が車両前部の上面に頭から倒れ込むことから、二次衝突に際しては歩行者の頭部に大きな衝撃力が加えられるが、この構成によれば、二次衝突の際に歩行者の頭部に加えられる衝撃力を、吸収しろの最も大きな部分で吸収緩和できる。また、二次衝突の際の歩行者の頭部の移動軌跡に沿った部分のみが上方に膨出するように形成することにより、エアバッグ全体としての展開量をそれほど大きくせずに吸収しろの大きな部分を設けることができ、二次衝突の際に加えられる衝撃力から歩行者を保護できる。
【0016】
前記エアバッグには、内部に充填されたガスを外部に放出するためのガス放出穴が少なくとも一つ開口していることが好ましい。走行中の車両が衝突物との衝突後に直ちに停止できないことから、エアバッグが衝突の際に衝突物に加えられる衝撃力を吸収した後も膨張した状態を保つと、衝突物がエアバッグ上で不安定な状態で保持されるため、エアバッグで保護された衝突物がエアバッグ上から路上に脱落する虞がある。しかし、この構成によれば、衝突の際に衝突物に加えられる衝撃力の吸収に伴い、エアバッグ内に充填されたガスが外部に放出されるため、二次衝突した衝突物がエアバッグ上に安定して保持された状態を保ち、エアバッグ上から衝突物が路上に脱落するのを防止できる。
【0017】
前記エアバッグは、車両前部の上面に膨張展開した状態において、車両の運転席に着座した運転手が車両前方を見通せるように、その後端側から前端側にかけて貫通して形成された視界確保孔を有することが好ましい。この衝突物保護装置においては、エアバッグが車両のルーフから車両前部の上面に膨張展開することにより、車両への衝突の際に加えられる衝撃力から衝突物を保護するようになっているため、エアバッグによる吸収しろを大きくしようとすると運転手が車両前方を見通すことができなくなる虞がある。しかし、この構成によれば、エアバッグが膨張展開した状態でも、運転手が視界確保孔から車両前方の見通しを確保できる。
【0018】
この場合、前記エアバッグは、車両前部の上面に膨張展開した状態において、車両の運転席に着座した運転手が車両前方を見通せるように少なくとも一部を透明体から形成することにより、エアバッグが膨張展開した状態における運転手からの車両前方の見通しを更に良好にできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る衝突物保護装置を説明する。参照する図面において、図1は一実施形態に係る衝突物保護装置1が設けられた車両の概略を説明する斜視図である。
【0020】
衝突物保護装置1は、図1及び図2に示すように、車両前端部のフロントバンパA1に設けられた衝突予知センサ2と、衝突予知センサ2が車両への衝突物の衝突を予知するとインフレータ4でエアバッグ5にガス充填して車両前方に向けて膨張させ、エンジンフードA2上に膨張展開させるエアバッグユニット3と備える。
【0021】
衝突予知センサ2は、車両走行時における車両の歩行者等の衝突物への衝突を予知するためのものである。衝突予知センサ2は、超音波を車両の進行エリアに向けて発信し、その反射波を受信することで車両の歩行者への衝突を予知する超音波センサであり、車両前端部に設けられたフロントバンパA1の前面側に、車両前方の全域に亘って埋設されている。
【0022】
エアバッグユニット3は、図2に示すように、衝突予知センサ2による車両への歩行者の衝突の検出に伴いガスを発生させるインフレータ4と、インフレータ4で内部にガスが充填されて車両のフロントガラスからエンジンフードA2の上面にかけて膨張展開するエアバッグ5とからなる。エアバッグユニット3は、車両のルーフ前端部A3上に載置された、薄型の箱形状を呈したケーシングA31に収納されるようになっている。
【0023】
エアバッグユニット3を構成するエアバッグ5は、二次衝突の際に歩行者等の衝突物に加えられる衝撃力を緩和するためのものであり、図1に示すように、車両のフロントガラスからエンジンフードA2の上面にかけて膨張展開して、二次衝突する衝突物を受けるようになっている。エアバッグ5は、エアバッグ本体51と、エアバッグ本体51の両側縁部から先端縁部に沿って、エアバッグ本体51に一体に設けられたチューブ状の形状保持バッグ52とからなる。
【0024】
エアバッグ本体51は、例えば、ナイロン(ポリアミド(PA))等の合成樹脂繊維等から形成されており、インフレータ4で内部にガスが充填されることにより膨張し、図1に示すように、車両のフロントガラスからエンジンフードA2の上面にかけて膨張展開して、二次衝突する衝突物を受けるようになっている。エアバッグ本体51は、膨張展開した状態において、図5(b),(c)に示すように、車両に衝突した歩行者の二次衝突の際の頭部の移動軌跡に沿った部分が上方に膨出して、全体として側面視略山形形状を呈するようになっている。エアバッグ本体51は、内部に充填されたガスを外部に放出するための複数のガス放出穴511と、運転手の車両前方の見通しを確保するための複数の視界確保孔512と、エアバッグ5を車両のエンジンフードA2上に固定するための固定磁石513とを備える。
【0025】
ガス放出穴511は、二次衝突の際に衝突物に加えられる衝撃力の吸収に伴いエアバッグ5の内部に充填されたガスを外部に放出するためのものであり、エアバッグ5の上面の幅方向中央部に互いに所定間隔離間して複数形成されている。視界確保孔512は、エアバッグ5が車両のエンジンフードA2上に膨張展開した状態における、車両の運転席に着座した運転手の車両前方の見通しを確保するためのものであり、エアバッグ5の後端側の下面から前端側の上面にかけてを貫通するように形成されている。固定磁石513は、車両のエンジンフードA2上に膨張展開したエアバッグ5が車両のエンジンフードA2の上面を覆うように膨張展開した状態を保つためのものであり、可撓性を有する板状の磁石をエアバッグ5の下面に縫い付けて構成されている。
【0026】
形状保持バッグ52は、エアバッグ本体51の両側縁部から前端縁部に沿って、エアバッグ本体51に内包されて設けられたチューブ状のエアバッグであり、インフレータ4で内部にガスが充填されることにより膨張し、図1に示すように、車両のエンジンフードA2の上面の両側縁部から前端縁部にかけて膨張展開して、二次衝突する衝突物を受けるようになっている。形状保持バッグ52は、ナイロン(ポリアミド(PA))等の合成樹脂繊維等から形成されている。
【0027】
インフレータ4は、ケーシングA31の後方寄りにケーシングA31の幅方向に沿って配設されており、内部にガス発生剤が充填されている。インフレータ4は、車両が所定の速度(例えば40km/h)以上の走行速度で走行している際に衝突予知センサ2が車両の歩行者等の衝突物への衝突を予知すると、着火電流が供給されて内部に充填されたガス発生剤が着火されてガスを発生し、発生したガスをエアバッグ本体51及び形状保持バッグ52に充填するようになっている。
【0028】
このような構成の衝突物保護装置1は、常時は、図2及び図5(a)に示すように、車両のルーフ前端部A3上に載置されたケーシングA31にエアバッグユニット3が収納されている。この場合、エアバッグユニット3は、図2に示すように、エアバッグ5が折り畳まれた状態でケーシングA31に収納されている。
【0029】
この状態から、車両が所定の速度(例えば40km/h)以上の走行速度で、例えば、歩行者から所定距離以内に接近すると、フロントバンパA1に取付けられた衝突予知センサ2がこの衝突を予知して、インフレータ4がガスを発生させ、発生したガスがエアバッグ5を構成するエアバッグ本体51内に充填される。内部にガスが充填されるエアバッグ本体51は、車両のルーフ先端部A3から車両前方に向けて、図3,図4に順に示すように膨張し、車両のエンジンフードA2上に車両のエンジンフードA2の上面を覆うように膨張展開する。一方、形状保持バッグ52もインフレータ4で内部にガスが充填されて、図3,図4に順に示すように、エアバッグ本体51の膨張展開に連動して、車両のルーフ先端部A3から車両前方に向けて、車両のエンジンフードA2上面に、車両のエンジンフードA2の両側縁部から前端縁部にかけてをエアバッグ本体51を取り囲むようにして膨張展開する。この場合、車両の衝突に伴い車両前部が破損する虞もあるが、エアバッグユニット3を車両のルーフ先端部A3に収納していることから、車両の破損の影響をほとんど受けることなく、装置を作動させることができる。
【0030】
車両前方に向けて膨張するエアバッグ5は、車両前方からの走行風にあおられるが、形状保持バッグ52がエアバッグ本体51と一体に車両前方に向けて膨張して、エアバッグ本体51を両側から支持することにより、エアバッグ本体51を車両のエンジンフードA2の上面を覆う正常な状態で膨張展開させられる。
【0031】
この場合、エアバッグ本体51と形状保持バッグ52とを同一のインフレータ4で膨張させるため、エアバッグ本体51と形状保持バッグ52とを確実に一体に膨張展開させることができる。また、固定磁石513が車両のエンジンフードA2の上面に磁着することによりエアバッグ5が車両のエンジンフードA2に固定されることから、車両前方からの走行風に関わらず、膨張展開したエアバッグ5が車両のエンジンフードA2の上面を覆う正常な状態に保つことができる。
【0032】
車両に衝突した歩行者は、図5(a)〜(c)に順に示すように、エアバッグ5上に頭部から倒れ込み、二次衝突の際に歩行者に加えられる衝撃力がエアバッグ5で吸収緩和されるが、エアバッグ5が二次衝突する際の歩行者の頭部の移動軌跡に沿った部分が上方に膨出して、全体として側面視略山形形状を呈しているため、二次衝突する歩行者の頭部をエアバッグ5の最も吸収しろのある部分で受けることができ、二次衝突の際に加えられる衝撃力を十分に吸収緩和できる。また、エアバッグ5とインフレータ4とをエアバッグユニット3として、大きな収納スペースを確保できる車両のルーフ先端部A3に収納することから、エアバッグ5として展開量の大きなものを用いることができ、中速〜高速域における二次衝突の際に加えられる大きな衝撃力も十分に吸収緩和できる。
【0033】
この場合、比較的高い強度に設定されているエンジンフードの両側縁部及び前端縁部を、形状保持バッグ52が確実に覆うため、二次衝突の際にエンジンフードA2の両側縁部又は前端縁部から加えられる衝撃力を効果的に低減できる。また、二次衝突する歩行者は、エアバッグ本体51で衝撃力を吸収緩和された後、形状保持バッグ52で保持されるため、高い強度に設定されているエンジンフードの両側縁部及び前端縁部から加えられる衝撃力を十分に吸収緩和できる。
【0034】
二次衝突の際に加えられる衝撃力を吸収緩和する際、エアバッグ5のガス放出穴51からはエアバッグ5の内部に充填されたガスが外部に放出されて、二次衝突した歩行者がエアバッグ5上に安定した状態で保持される。このため、二次衝突した歩行者がエアバッグ5上から路上に脱落するのを防止できる。また、エアバッグ5に視界確保孔52が形成されているため、車両の運転席に着座した運転手は、視界確保孔52から、車両のエンジンフードA2上に膨張展開したエアバッグ5を通して車両前方を見通すことができる。
【0035】
なお、本発明の衝突物保護装置は、前記実施の形態での衝突物保護装置1に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない限り適宜変更して差し支えない。例えば、前記実施の形態では、エアバッグ5の後端側の下面から前端側の上面にかけてを貫通するように形成された視界確保孔52から運転手が車両前方を見通せるようにしたが、エアバッグ5を塩化ビニール(PCV)やポリエチレン(PE)等の透明体から形成することにより、エアバッグ5が膨張展開した状態における運転手からの車両前方の見通しを更に良好にできる。
【0036】
前記実施の形態では、エアバッグ5とインフレータ4とからなるエアバッグユニット3を、車両のルーフ先端部A3上に載置されたケーシングA31に収納するよう構成したが、必ずしもケーシングA31を別途設ける必要はなく、例えば、ルーフ先端部A3を部分的に***させる等して、エアバッグユニット3をルーフ先端部A3に直接収納することもできる。
【0037】
前記実施の形態では、エアバッグ本体51と形状保持バッグ52とを同一のインフレータ4を用いて膨張展開させるように構成した。しかし、エアバッグ本体51と形状保持バッグ52とは必ずしも同一のインフレータ4を用いて膨張させる必要はなく、例えば、それぞれ別個のインフレータ4を用いて、又は、ばね等の付勢手段の付勢力や圧縮空気を用いて車両前方に伸長させてもよい。
【0038】
車両の衝突を予知するための衝突予知センサ2としては、前記実施の形態のように超音波センサを用いるものに限らず、他の公知のセンサ等を用いることができる。また、衝突を検知する場合の手段としては、例えばタッチセンサ等を適用できる。この場合、タッチセンサをフロントバンパA1の前面側に幅方向の全域に亘ってに埋設し、車両の前方から入力される衝突荷重で圧縮されることにより接点が導通するように構成できる。
【0039】
前記実施の形態では、エアバッグ本体51の両側縁部から前端縁部に沿って設けられた形状保持バッグ52が、エアバッグ本体51に内包されるよう構成されていたが、図6に示すように、エアバッグ本体51の外側に設けるよう構成してもよい。前記実施の形態では、エアバッグ本体51のみがガス放出穴511を備える構成であったが、エアバッグ本体51だけでなく形状保持バッグ52もガス放出穴511を備えるように構成してもよい。また、形状保持バッグ52の重量をエアバッグ本体51の重量より重く設定することにより、車両前方からの走行風によりエアバッグ5があおられにくくなり、エアバッグ5を車両のエンジンフードA2上面を覆う正常な状態で膨張展開させられる。
【0040】
前記実施の形態では、インフレータ4とエアバッグ5とをエアバッグユニットとして、車両のルーフ前端部A3上に載置されたケーシングA31に収納するように構成したが、必ずしもインフレータ4とエアバッグ5とでエアバッグユニット3を構成する必要はなく、エアバッグ5のみをケーシングA31に収納してインフレータ4を車両における他の部位に収納する構成としてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の衝突物保護装置によれば、展開量の大きなエアバッグを用いることができ、また、エアバッグ本体を車両前部の上面を覆う正常な状態で膨張展開させられ、さらに、衝突に伴う車両前部の破損の影響を受けることなく装置を作動させられることから、衝突の際に加えられる大きな衝撃力を十分に吸収緩和できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る衝突物保護装置を備える車両を示す斜視図である。
【図2】同衝突物保護装置を構成するエアバッグユニットの収納状態を説明する図である。
【図3】同エアバッグユニットを構成するエアバッグが膨張展開する状態を説明する図である。
【図4】同エアバッグユニットを構成するエアバッグが膨張展開する状態を説明する図である。
【図5】(a)〜(c)は同衝突物保護装置を備える車両に歩行者が二次衝突する状態を順に説明する図である。
【図6】本発明に係る衝突物保護装置の他の例を説明する図である。
【符号の説明】
1   衝突物保護装置
2   衝突検出センサ
3   エアバッグユニット
4   インフレータ
5   エアバッグ
51  エアバッグ本体
511 ガス放出穴
512 視界確保孔
513 固定磁石
52  形状保持バッグ

Claims (1)

  1. 車両への衝突を検知或いは予知すると、インフレータでエアバッグにガスを充填して前記エアバッグを車両前部の上面に膨張展開させ、膨張展開した前記エアバッグのクッション作用により、車両に衝突する際に衝突物に加えられる衝撃力を吸収緩和するよう構成された衝突物保護装置であって、
    前記エアバッグユニットを構成するエアバッグは、エアバッグ本体と、前記エアバッグ本体の両側縁部から前端縁部に沿って設けられたチューブ状の形状保持バッグとを備えることを特徴とする衝突物保護装置。
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KR102676350B1 (ko) * 2021-05-24 2024-06-17 현대모비스 주식회사 보행자에어백 쿠션

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