JP2004077351A - 角速度センサ - Google Patents

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松原 克憲
Jiro Terada
寺田 二郎
Takeshi Yamamoto
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Abstract

【課題】製造が容易な角速度センサを提供することを目的とする。
【解決手段】この目的を達成するために本発明は、XY平面に設けた基部1と、この基部1から反Y軸方向に延出した第一の音叉部25と、前記基部1からY軸方向に延出した第二の音叉部26と、前記一対の音叉片2a,2bの間にありかつこの第一の音叉部25よりも反Y軸方向に延出するように前記基部1に設けた第一の屈曲振動部28と、前記一対の音叉部3a,3bの間にありかつこの第二の音叉部26よりもY軸方向に延出するように前記基部1に設けた第二の屈曲振動部29と、駆動手段12a,13bと、検出手段16a,17aとを少なくとも備え、前記第一および第二の音叉部25,26の先端より突出した第一および第2の屈曲振動部28,29の先端部にX軸方向および反X軸方向に広がる付加質量部30を設けたものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば自動車の姿勢制御、ナビゲーション、カメラの手振れ防止、遠隔操作用のリモコンなどに用いられる角速度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の薄型の角速度センサとしては、特開平10−170276号公報に記載されたものが知られている。この角速度センサは中央部にある付加質量部が細い梁により平面内で支持された構造であり、この付加質量部を平面内で駆動するための駆動部と、平面と直交する軸周りに角速度が印加された時付加質量部に働くコリオリの力により、付加質量部が変位する変位量を検出するための検出部を備えている。この駆動部および検出部はともに櫛歯構造の電極より構成されている。
【0003】
上記駆動部においてはこの櫛歯構造の電極同士をかみ合って対向させ、これらの電極同士に働く吸引力により駆動させており、また、上記検出部においては微弱な信号を高精度に検出できるようにするためにかみ合って対向する櫛歯構造の電極同士を極めて微小な間隙で且つ高精度に形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような角速度センサは、比較的薄型の構造を実現できるものの、上記電極を形成することが煩雑であるという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、製造が容易な角速度センサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の請求項1に記載の発明は、XY平面に設けた基部と、この基部から反Y軸方向に延出した少なくとも一対の音叉片からなる第一の音叉部と、この第一の音叉部に相対向するように前記基部からY軸方向に延出した少なくとも一対の音叉片からなる第二の音叉部と、前記第一の音叉部を構成する一対の音叉片の間にありかつこの第一の音叉部よりも反Y軸方向に延出するように前記基部に設けた少なくとも一本の屈曲振動片からなる第一の屈曲振動部と、前記第二の音叉部を構成する一対の音叉片の間にありかつこの第二の音叉部よりもY軸方向に延出するように前記基部に設けた少なくとも一本の屈曲振動片からなる第二の屈曲振動部と、前記第一および第二の音叉部を駆動させるためにこの第一および第二の音叉部にそれぞれ設けた駆動手段と、前記第一および第二の屈曲振動部の変形量を検出するためにこの第一および第二の屈曲振動部にそれぞれ設けた検出手段とを少なくとも備え、前記第一および第二の音叉部の先端より突出した第一および第二の屈曲振動部の先端部にX軸方向および反X軸方向に広がる付加質量部を設けた角速度センサであり、上記構成により櫛歯構造の電極を形成する必要がなく、製造が容易であるという作用を有する。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、第一、第二の音叉部の共振周波数と第一、第二の屈曲振動部の共振周波数を近接させた構成であり、これにより駆動効率が増加し、その結果、角速度センサとしての検出感度の向上を図ることができるという作用を有する。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、第一、第二の屈曲振動部に設けられた検出手段により検出された各検出信号を差動検出処理するための処理回路が前記検出手段に接続された構成であるため、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3軸方向から加わる加速度成分に基づく外乱信号を除去できるという作用を有する。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、基部、第一、第二の音叉部および第一、第二の屈曲振動部は、圧電材料により一体に形成された構成としているため、圧電特性の均一な平板から極めて容易に一体構造として形成することができるという作用を有する。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、基部、第一、第二の音叉部および第一、第二の屈曲振動部は、恒弾性金属材料、酸化物材料または高弾性高分子材料のいずれか一つにより形成され、少なくとも前記第一、第二の音叉部および前記第一、第二の屈曲振動部のXY面上に圧電材料からなる層が設けられた構成であるため、機械的振動特性としての高いQを有する材料と圧電定数の大きな圧電材料を自由に組合わせることが可能となり、その結果、角速度センサとしての検出感度の向上を図ることができるという作用を有する。
【0011】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、第一および第二の音叉部の先端部に第一の付加質量部を設け、第一および第二の屈曲振動部の先端部の付加質量部を第二の付加質量部とし、前記第一の付加質量部の形状は前記第一もしくは第二の屈曲振動部を対称軸として略対称形でありかつ角速度が印加されるZ軸に対して略対称形であり、第二の付加質量部の形状は角速度が印加されるZ軸に対して略対称形である構成であるため、小さな角速度入力に対しても音叉部の変形量が大きくなり、これに呼応するように屈曲振動部の変形量も大きくなり、検出信号のさらなる高感度化が図れると同時に付加質量部の調整により音叉部と屈曲振動部の各共振周波数の調整が容易になるという作用を有する。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、第一、第二の音叉部の共振周波数と第一、第二の屈曲振動部の共振周波数を近接させた構成であり、これにより駆動効率が増加し、その結果、角速度センサとしての検出感度の向上を図ることができるという作用を有する。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、第一、第二の屈曲振動部に設けられた検出手段により検出された各検出信号を差動検出処理するための処理回路が前記検出手段に接続された構成であるため、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3軸方向から加わる加速度成分に基づく外乱信号を除去できるという作用を有する。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、基部、第一、第二の音叉部、第一、第二の屈曲振動部および第一、第二の付加質量部は、圧電材料により一体に形成された構成としているため、圧電特性の均一な平板から極めて容易に一体構造として形成することができるという作用を有する。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、基部、第一、第二の音叉部、第一、第二の屈曲振動部および第一、第二の付加質量部は、恒弾性金属材料、酸化物材料または高弾性高分子材料のいずれかにより形成され、少なくとも前記第一、第二の音叉部および前記第一、第二の屈曲振動部のXY面上には圧電材料からなる層が設けられた構成であるため、機械的振動特性としての高いQを有する材料と圧電定数の大きな圧電材料を自由に組合わせることが可能となり、その結果、角速度センサとしての検出感度の向上を図ることができるという作用を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の角速度センサについて実施の形態および図面を用いて説明する。
【0017】
(実施の形態1)
本実施の形態1および図1〜図8を用いて請求項1〜10に記載の発明を説明する。
【0018】
図1は、本発明の角速度センサの一実施の形態を示す平面図である。図1において、駆動方向をX軸方向、コリオリの力が発生する方向をY軸、角速度Ωの入力軸をZ軸とする。図1において、1は厚さ(Z軸方向)0.15mm、長さ(Y軸方向)11.2mm、幅(X軸方向)6.7mmの圧電体としての水晶板から構成された基部である。
【0019】
基部1から反Y軸方向に第一、第二の音叉片2a,2bが延出し第一の音叉部25が構成され、第一、第二の音叉片2a,2bとそれぞれ相対向するように基部1からY軸方向に第三、第四の音叉片3a,3bが延出し第二の音叉部26が構成されている。第一、第二の音叉片2a,2bの先端部からはX軸方向、反X軸方向にそれぞれ対称となるように第一、第二の付加質量4a,4bが延出している。同じく第三、第四の音叉片3a,3bの先端部からは、X軸方向、反X軸方向にそれぞれ対称となるように第三、第四の付加質量5a,5bが延出しており、第一、第二、第三、第四の付加質量4a,4b,5a,5bにより第一の付加質量部27が構成されている。
【0020】
基部1から第一の音叉部25の対称軸上に(すなわち、第一、第二の音叉片2a,2bの間を通り)反Y軸方向に第一の屈曲振動片6が延出し、第一の音叉部25を構成する音叉片2a,2bよりも長い第一の屈曲振動部28が構成される。同じく基部1から第二の音叉部26の対称軸上に(すなわち、第三、第四の音叉片3a,3bの間を通り)Y軸方向に第二の屈曲振動片7が延出し、第二の音叉部を構成する音叉片3a,3bよりも長い第二の屈曲振動部29が構成される。第一、第二の屈曲振動片6,7の各先端部からX軸方向及び反X軸方向に張り出すように第五、第六の付加質量8,9が設けられ、第二の付加質量部30が構成されている。基部1、第一、第二、第三、第四の音叉片2a,2b,3a,3b、第一、第二、第三、第四、第五、第六の付加質量4a,4b,5a,5b,8,9、第一、第二の屈曲振動片6,7は一体となっており、一枚の水晶板からなっている。一枚の水晶板から形成された基部1の中心部10で固定されている。
【0021】
第二、第四の音叉片2b,3bの各XY面(表面側)には、駆動手段を構成するための駆動電極12a,13aが設けられている。第一、第三の音叉片2a,3aの各XY面上(表面側)には、モニター用の検出手段を構成するための検出電極14a,15aが設けられている。第一,第二の屈曲振動片6,7のXY面上(表面側)には、角速度印加に起因したコリオリ力による屈曲変形の検出手段を構成するための検出電極16a,17aが設けられている。
【0022】
図2は駆動電極が設けられた第二の音叉片2bをXZ面で切断した断面図である。図2において、X軸方向を向く矢印Aは水晶からなる第二の音叉片2bの電気軸を示し、12bは第二の音叉片2bを挟んで駆動電極12aと対向するように第二の音叉片2bのXY面(裏面側)に設けられた駆動電極である。18は第二の音叉片2bのYZ面上(側面)に第二の音叉片2bを挟んで対向するように設けられた一対の共通電極である。19は駆動回路の出力信号源である。
【0023】
第四の音叉片3bにも上記第二の音叉片2bと同様に、駆動電極13a,13b、共通電極18が設けられている。
【0024】
次に、第二の音叉片2bの駆動原理を簡単に説明する。仮に、出力信号源19から駆動電極12a,12bに正極性の電圧が印加されると、図2に示す破線の矢印方向に電界の方向が向く。これにより第2の音叉片2bのab側は圧縮し、cd側は伸長する。また、駆動電極12a,12bに負極性の電圧が印加されると第二の音叉片2bのab側は伸長し、cd側は圧縮する。
【0025】
これらが連続的に繰り返されることで、第二の音叉片2bは、XY面内で1次モードで振動する。
【0026】
同様な駆動原理により、第四の音叉片3bもXY面内で1次モードで振動する。第二、第四の音叉片2b,3bが1次モードで振動することにより第一、第三の音叉片2a,3aも共振し、XY面内で音叉振動を開始する。
【0027】
図3はモニター用の検出電極が設けられた第一の音叉片2aをXZ面で切断した断面図である。X軸方向を向く矢印Aは、図2と同様に水晶からなる第一の音叉片2aの電気軸を示し、14bは第一の音叉片2aを挟んでモニター用の検出電極14aと対向するように第一の音叉片2aのXY面上(裏面側)に設けられたモニター用の検出電極である。18は図2と同様に、共通電極である。
【0028】
第三の音叉片3aにも第一の音叉片2aと同様に、モニター用の検出電極15a,15b、共通電極18が設けられている。
【0029】
次に、モニター用の検出電極14a,14b、共通電極18に現われる電荷に関して簡単に説明する。
【0030】
第一の音叉片2aは図2に示す第二の音叉片2bとともに音叉振動をしているため、第二の音叉片2bのab側が圧縮している時は第一の音叉片2aのgh側が圧縮する。
【0031】
また、第二の音叉片2bのcdが伸長している時は、第一の音叉片2aのef側が伸長する。
【0032】
これらの圧縮、伸長によりモニター用の検出電極14a,14bには正電荷が発生し、共通電極18には負電荷が発生する。従って、第一の音叉片2aにおいて、ef側が圧縮し、gh側が伸長した場合は、モニター用の検出電極14a,14bに負電荷が発生し、共通電極18に正電荷が発生する。
【0033】
図4は本発明の角速度センサとその駆動及び検出回路を接続したブロック図である。図4において、20は差動入力型のチャージ増幅器である。この差動入力型のチャージ増幅器20は第一、第二の屈曲振動片6,7にそれぞれ設けられた検出電極16a,17aから得られた信号を増幅し信号を90°位相シフトさせるためのものである。21は検波回路である。この検波回路21によりチャージ増幅器20の出力信号を同期検波する。22は前記検波回路21により得られた検波信号を平滑化するための平滑回路としてのローパスフィルタである。23は第二、第四の音叉片2b,3bを駆動させるための和入力型の駆動回路である。モニター用の検出電極14a,14b,15a,15bから得られる信号を駆動回路23に入力することにより第一、第二、第三、第四の音叉振動片2a,2b,3a,3bを3μmの振動振幅となるように設定しフィードバック制御する。図5は、第一、第三の音叉片2a,3aがX軸方向に、第二、第四の音叉片2b,3bが反X軸方向に駆動変形している際に、Z軸周りの角速度Ωが印加された時の第一、第二、第三、第四の音叉片2a,2b,3a,3b、第一、第二の屈曲振動片6,7の変形形態の一例を説明するための模式線図である。
【0034】
図5に示すように、Z軸周りの角速度Ωが印加されたことにより、第一、第三の付加質量4a,5aにはY軸方向に、第二、第四の付加質量4b,5bには反Y軸方向に集中的にコリオリ力が働き、このコリオリ力により、第一、第二、第三、第四の音叉片2a,2b,3a,3bの振動振幅の対称性が崩れた1次モードの変形を呈する。この対称性の崩れた第一、第二、第三、第四の音叉片2a,2b,3a,3bの応力状態を補正し、釣り合いを保つように第一の屈曲振動片6は反X軸方向に変形し、第二の屈曲振動片7は逆にX軸方向に変形する。これらの変形は印加された角速度Ωの大きさに対応するため、第一、第二の屈曲振動片6,7にそれぞれ設けられた検出電極16a,17aにより、印加された角速度Ωの大きさに対応した電荷量として検出される。第一、第二、第三、第四の付加質量4a,4b,5a,5bが設けられていることで、小さな角速度入力に対しても第一、第二の音叉部25,26の変形量がより大きくなるばかりか、第五、第六の付加質量8,9が設けられている第一、第二の屈曲振動片6,7の変形効率がさらに向上しその結果、検出信号のさらなる高感度化を図ることができる。また同時に各付加質量4a,4b,5a,5b,8,9の調整により第一、第二の音叉部25,26と第一、第二の屈曲振動部28,29の各共振周波数の調整も容易になる。
【0035】
この各共振周波数の調整方法としてはドライエッチング等で上記各付加質量4a,4b,5a,5b,8,9の質量を減らす方法が挙げられる。例えば、エッチングの方法として真空中でイオンビームもしくはアトムビームを照射する方法を挙げることができる。
【0036】
また、蒸着やスパッタ等を用いて上記各付加質量4a,4b,5a,5b,8,9の質量を増やす方法も挙げられる。例えば、金属膜を付加することが挙げられる。ここでもし検出電極14a,14b,15a,15bや駆動電極12a,12a,13a,13b等に上記金属膜が付着するおそれがある場合は金属膜の代わりに絶縁膜を付加すればよい。例えば、酸化タンタルや酸化ニオブのような比重の比較的高い材料を用いることで絶縁膜の膜厚をより薄くすることができ、その結果、周波数調整を迅速に行うことができる。
【0037】
図6は、第一、第二の音叉片2a,2bの間にある検出電極16aが設けられた第一の屈曲振動片6をXZ面で切断した断面である。図6において、X軸方向を向く矢印Aは水晶からなる第一の屈曲振動片6の電気軸を示し、16bは屈曲振動片6を挟んで検出電極16aと対向するように第一の屈曲振動片6のXY面上(裏面側)に設けられた検出電極である。18は第一の屈曲振動片6のYZ面上(側面)に第一の屈曲振動片6を挟んで対向するように設けられた一対の共通電極である。
【0038】
同じく、第三、第四の音叉片3a,3bの間にある第二の屈曲振動片7にも、第二の屈曲振動片7を挟んで検出電極17aと対向するように検出電極17bが設けられ、YZ面上(側面)には第二の屈曲振動片7を挟んで対向するように一対の共通電極18が設けられている。
【0039】
次に、第一、第二の屈曲振動片6,7に図5に示すような変形が起こった時の検出電極16a,16b,17a,17b、共通電極18に現れる電荷の発生状態を簡単に説明する。
【0040】
第一、第二の音叉片2a,2bの間にある第一の屈曲振動片6のij側は圧縮し、kl側は伸長するため、検出電極16a,16bには負電荷が発生し、共通電極18には正電荷が発生する。また、第二、第四の音叉片3a,3bの間にある第二の屈曲振動片7のij側は伸長し、kl側が圧縮するため、検出電極17a,17bには正電荷が発生し、共通電極18には負電荷が発生する。
【0041】
検出電極16a,16bから得られた電荷と検出電極17a,17bから得られた電荷をチャージ増幅器20により差動増幅することにより2倍の出力が得られる。このように本実施の形態1の構成により、駆動及び検出のための高精度な櫛歯構造の電極を形成する必要がないため製造が容易となる。また、付加質量が設けられているため小さな角速度入力に対しても音叉部の変形量が多くなり、これに呼応するように屈曲振動部の変形量も大きくなり、その結果、検出信号の高感度化を図ることができる。さらに、第一の音叉部25間、第二の音叉部26間を小さくして駆動振動の結合が容易になるように構成しているので、検出信号のさらなる高感度化を図ることができる。また、角速度以外の不要な部分(各方向から加わる加速度)により発生した電荷や温度による影響を排除する効果もある。
【0042】
本実施の形態1において、第一、第二、第三、第四の音叉片2a,2b,3a,3bの1次モードの共振周波数と第一、第二の屈曲振動片6,7の1次モードの共振周波数を近接させることにより、検出感度が高くなる。
【0043】
また、基部1の中心部10を被実装体(図示せず)に固定することにより第一、第二の音叉片2a,2bと第三、第四の音叉片3a,3bが共振しやすくなる効果がある。
【0044】
また、図7のように一枚の水晶板から形成された基部1の四隅には微小な面積で固定するための固定部として例えば、直径0.2mmの孔部30a,30b,30c,30dが形成され、孔部30a,30b,30c,30dの近傍には、機械的ダンピング効果を得るためのL字状のスリット部31a,31b,31c,31dがそれぞれ所定の位置に設けた構成としても構わない。この構成の場合、スリット部31a,31b,31c,31dを基部1に設けることにより、外乱振動が第一、第二の屈曲振動片6,7の1次モードの屈曲振動に混入するのを防止する効果がある。また、第一、第二の屈曲振動片6,7の1次モードの屈曲振動が基部1へ漏れるのを防止する働きもある。
【0045】
また、図8のように第一、第二の屈曲振動部を構成する各々1本の屈曲振動片の下端(図8A)は、第一、第二の音叉部を構成する対をなした音叉片の各下端の位置から基板1の中心部10の方向へずらし、第一の音叉部間、第二の音叉部間を小さくした構成としても構わない。このような構成にすることにより各音叉部の音叉片間が共振しやすくなり、その結果、角速度センサとしての感度をより向上させることができる。
【0046】
本実施の形態1においては、基部1、第一、第二、第三、第四の音叉片2a,2b,3a,3b、第一、第二、第三、第四、第五、第六の付加質量4a,4b,5a,5b,8,9と第一、第二の屈曲振動片6,7をいずれも一枚の水晶板から一体に形成した例について説明したが、圧電性を示す材料であれば水晶に限らず単結晶材料でも多結晶材料でも構わない。
【0047】
(実施の形態2)
本実施の形態2および図9を用いて特に請求項5,10に記載の発明について説明する。
【0048】
図9は、本発明の角速度センサの一実施の形態を説明するための平面図である。図9において、図1と同一構成部分には同一番号を付して詳細な説明を省略し、異なる部分についてのみ詳述する。図9において、基部40、第一、第二、第三、第四の音叉片41a,41b,42a,42b、第一、第二、第三、第四の付加質量43a,43b,44a,44b、第一、第二の屈曲振動片45、46と第五、第六の付加質量47,48が、恒弾性金属により一体に形成されている以外は、実施の形態1において説明した図1に示す形状寸法ともに同一である。
【0049】
第二、第四の音叉片41b,42bのXY面上には、1次モードで駆動するための圧電体セラミックス49,50が接合されている。第一、第三の音叉片41a,42aのXY面上にはモニター用の圧電体セラミックス51,52が接合されている。第一、第二の屈曲振動片45,46のXY面上(表面側)には、角速度の大きさに対応した電荷量を検出するための圧電体セラミックス53,54が接合されている。
【0050】
図9において、第一、第二、第三、第四の音叉片41a,41b,42a,42b、第一、第二の屈曲振動片45,46の変形形態、モニター時の圧電体セラミックス51,52に発生する電荷、Z軸周りの角速度Ωが印加された時の圧電体セラミックス53,54に発生する電荷の傾向は、いずれも実施の形態1と同様である。
【0051】
本実施の形態2においては、基部40、第一、第二、第三、第四の音叉片41a,41b,42a,42b、第一、第二、第三、第四、第五、第六の付加質量43a,43b,44a,44b,47,48及び第一、第二の屈曲振動片45,46を構成する材料と前記圧電体セラミックス49,50,51,52,53,54が別々の材料で構成されているため、機械的振動特性としての高いQを有する材料と圧電定数の大きな圧電材料をそれぞれ自由に組合わせることが可能となる。
【0052】
本実施の形態2において、駆動用、モニター用、印加された角速度の大きさに対応した電荷量の検出用にそれぞれ圧電体セラミックスを接合した例について説明したが、圧電性を示すものであれば各種の薄膜構成を採用することも可能である。
【0053】
なお、本実施の形態においては、第一、第二、第三、第四の音叉片2a,2b,3a,3bの各先端から外向きに凸部を有する付加質量を設けた構成について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、前記各先端から内向きに凸部を有する付加質量を設ける構成(図示せず)等にすることも可能である。
【0054】
また、本実施の形態においては、第一、第二、第三、第四の音叉片2a,2b,3a,3bと第一、第二の屈曲振動片6,7の各先端部のいずれにも付加質量が設けられた構成について説明したが、音叉片と屈曲振動片のいずれにも付加質量を設けない構成等も可能である。
【0055】
また、本実施の形態においては、第一、第二の音叉部25,26として各一対の音叉片を設け、この第一、第二の音叉部25,26のそれぞれの間に各1本の屈曲振動片6,7からなる屈曲振動部28,29を設けた構成について説明したが、一対または複数対の音叉片と一本または複数本の屈曲振動片を適宜組み合わせて設ける構成も当然可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本発明は、XY平面に設けた基部と、この基部から反Y軸方向に延出した少なくとも一対の音叉片からなる第一の音叉部と、この第一の音叉部に相対向するように前記基部からY軸方向に延出した少なくとも一対の音叉片からなる第二の音叉部と、前記第一の音叉部を構成する一対の音叉片の間にありかつこの第一の音叉部よりも反Y軸方向に延出するように前記基部に設けた少なくとも一本の屈曲振動片からなる第一の屈曲振動部と、前記第二の音叉部を構成する一対の音叉片の間にありかつこの第二の音叉部よりもY軸方向に延出するように前記基部に設けた少なくとも一本の屈曲振動片からなる第二の屈曲振動部と、前記第一および第二の音叉部を駆動させるためにこの第一および第二の音叉部にそれぞれ設けた駆動手段と、前記第一および第二の屈曲振動部の変形量を検出するためにこの第一および第二の屈曲振動部にそれぞれ設けた検出手段とを少なくとも備え、前記第一および第二の音叉部の先端より突出した第一および第二の屈曲振動部の先端部にX軸方向および反X軸方向に広がる付加質量部を設けた角速度センサであり、上記構成により櫛歯構造の電極を形成する必要がなく、製造が容易であるという作用効果を奏する。
【0057】
また、角速度センサとして従来と同程度の薄型化も実現できるという作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の角速度センサの平面図
【図2】同断面図
【図3】同断面図
【図4】本発明の一実施の形態の角速度センサを用いた回路のブロック図
【図5】本発明の一実施の形態の角速度センサの模式図
【図6】同断面図
【図7】同平面図
【図8】同平面図
【図9】同平面図
【符号の説明】
1,40 基部
2a,41a 第一の音叉片
2b,41b 第二の音叉片
3a,42a 第三の音叉片
3b,42b 第四の音叉片
4a,43a 第一の付加質量
4b,43b 第二の付加質量
5a,44a 第三の付加質量
5b,44b 第四の付加質量
6,45 第一の屈曲振動片
7,46 第二の屈曲振動片
8,47 第五の付加質量
9,48 第六の付加質量
10 中心部
12a,12b,13a,13b 駆動電極
14a,14b,15a,15b モニター用の検出電極
16a,16b,17a,17b 角速度検出用の検出電極
18 共通電極
19 駆動回路の出力信号源
20 チャージ増幅器
21 検波回路
22 ローパスフィルタ
23 駆動回路
25 第一の音叉部
26 第二の音叉部
27 第一の付加質量部
28 第一の屈曲振動部
29 第二の屈曲振動部
30a,30b,30c,30d 孔部
31a,31b,31c,31d スリット部
49,50,51,52,53,54 圧電体セラミックス

Claims (10)

  1. XY平面に設けた基部と、この基部から反Y軸方向に延出した少なくとも一対の音叉片からなる第一の音叉部と、この第一の音叉部に相対向するように前記基部からY軸方向に延出した少なくとも一対の音叉片からなる第二の音叉部と、前記第一の音叉部を構成する一対の音叉片の間にありかつこの第一の音叉部よりも反Y軸方向に延出するように前記基部に設けた少なくとも一本の屈曲振動片からなる第一の屈曲振動部と、前記第二の音叉部を構成する一対の音叉片の間にありかつこの第二の音叉部よりもY軸方向に延出するように前記基部に設けた少なくとも一本の屈曲振動片からなる第二の屈曲振動部と、前記第一および第二の音叉部を駆動させるためにこの第一および第二の音叉部にそれぞれ設けた駆動手段と、前記第一および第二の屈曲振動部の変形量を検出するためにこの第一および第二の屈曲振動部にそれぞれ設けた検出手段とを少なくとも備え、前記第一および第二の音叉部の先端より突出した第一および第二の屈曲振動部の先端部にX軸方向および反X軸方向に広がる付加質量部を設けた角速度センサ。
  2. 第一、第二の音叉部の共振周波数と第一、第二の屈曲振動部の共振周波数を近接させた請求項1に記載の角速度センサ。
  3. 第一、第二の屈曲振動部に設けられた検出手段により検出された各検出信号を差動検出処理するための処理回路が前記検出手段に接続された請求項1に記載の角速度センサ。
  4. 基部、第一、第二の音叉部および第一、第二の屈曲振動部は、圧電材料により一体に形成された請求項1に記載の角速度センサ。
  5. 基部、第一、第二の音叉部および第一、第二の屈曲振動部は、恒弾性金属材料、酸化物材料または高弾性高分子材料のいずれか一つにより形成され、少なくとも前記第一、第二の音叉部および前記第一、第二の屈曲振動部のXY面上に圧電材料からなる層が設けられた請求項1に記載の角速度センサ。
  6. 第一および第二の音叉部の先端部に第一の付加質量部を設け、第一および第二の屈曲振動部の先端部の付加質量部を第二の付加質量部とし、前記第一の付加質量部の形状は前記第一もしくは第二の屈曲振動部を対称軸として略対称形でありかつ角速度が印加されるZ軸に対して略対称形であり、第二の付加質量部の形状は角速度が印加されるZ軸に対して略対称形である請求項1に記載の角速度センサ。
  7. 第一、第二の音叉部の共振周波数と第一、第二の屈曲振動部の共振周波数を近接させた請求項6に記載の角速度センサ。
  8. 第一、第二の屈曲振動部に設けられた検出手段により検出された各検出信号を差動検出処理するための処理回路が前記検出手段に接続された請求項6に記載の角速度センサ。
  9. 基部、第一、第二の音叉部、第一、第二の屈曲振動部および第一、第二の付加質量部は、圧電材料により一体に形成された請求項6に記載の角速度センサ。
  10. 基部、第一、第二の音叉部、第一、第二の屈曲振動部および第一、第二の付加質量部は、恒弾性金属材料、酸化物材料または高弾性高分子材料のいずれか一つにより形成され、少なくとも前記第一、第二の音叉部および前記第一、第二の屈曲振動部のXY面上には圧電材料からなる層が設けられた請求項6に記載の角速度センサ。
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