JP2004077281A - ナビゲーション装置の地図表示方法 - Google Patents

Abstract

【課題】車車間通信を利用して、周辺車両の位置や進行方向、速度を表示できるようにする。
【解決手段】周辺車両の情報を収集する手段を設け、自車ＣＡＲが交差点、曲がり角などの見通しの利かない領域に接近した時、収集手段より周辺車両１〜１０の情報を取得し、収集領域を拡大表示すると共に、周辺車両をその所在位置に表示する。また、周辺車両の進行方向及び速度を矢印及びその長さで表示する。更に、各周辺車両の表示優先順位を、ドライバの注意すべき度合に基づいて決定し、該優先順位に基づいて周辺車両の表示を制御（例えば、明度制御、表示／非表示制御）する。
【選択図】　　図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナビゲーション装置の地図表示方法に係わり、特に、自車が交差点、曲がり角などの見通しの利かない地点に接近したとき周辺車両をその所在位置に表示するナビゲーション装置の地図表示方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
通信技術の発達に伴い車−車間など移動体同士の通信（車車間通信という）が可能になっている。しかし、従来の車車間通信では、運転手が接続したい相手を特定し、ネットワークを介して該相手と接続し、通信を行うものであった。あるいは、従来の車車間通信では、自車の位置、速度を基に道路状況、交通事故状況をセンターあるいは、後続車に情報として伝えるものであった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来の車車間通信では、自車周辺のドライバーの安全、ＨＭＩを考慮した情報の表現方法に何等工夫がなされていなかった。例えば、交差点における地図をスクリーン一杯に拡大表示し、且つ、周辺車両の位置や進行方向、速度を表示できれば安全運転上便利であるが、従来は、車車間通信を利用してかかる表示を行うものはなかった。また、周辺地図を三次元表示しているとき、周辺車両が建造物に隠れて見えない時、警報を出力できれば安全運転上便利であるが、従来は、車車間通信を利用してかかる警報を出力するものはなかった。
以上から本発明の目的は、車車間通信を利用して、周辺車両の位置や進行方向、速度を表示できるようにすることである。
本発明の別の目的は、車車間通信を利用して、周辺車両が建造物に隠れて見えないときの警報表示をできるようにすることである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明の第１の地図表示方法は、周辺車両の情報を収集する手段を設け、自車が交差点、曲がり角などの見通しの利かない地点に接近した時、前記収集手段より周辺車両情報を取得し、前記収集手段による周辺車両情報収集領域を拡大表示すると共に、前記取得した周辺車両情報に基づいて周辺車両をその所在位置に表示する。また、周辺車両の進行方向及び速度を矢印及びその長さで表示する。更に、各周辺車両の表示優先順位を、ドライバの注意すべき度合に基づいて決定し、該優先順位に基づいて周辺車両の表示を制御（例えば、明度制御、表示／非表示制御）する。この地図表示方法によれば、車車間通信を利用して、周辺車両の位置や進行方向、速度を表示できるようになり、ドライバの安全運転につながる。
【０００５】
本発明の第２の周辺車両表示方法は、周辺車両の情報を収集する手段を設け、自車が交差点、曲がり角などの見通しの利かない地点に接近した時、前記収集手段より周辺車両情報を取得し、周辺車両が建造物などにより隠れているか調べ、隠れている場合には警報表示する。この地図表示方法によれば、車車間通信を利用して、周辺車両が建造物に隠れて見えないときの警報表示をすることができる。
【０００６】
【発明の実施の形態】
（Ａ）本発明の概略
図１は本発明の第１の概略説明図であり、（ａ）は通常の地図表示例、（ｂ）は交差点に接近した時の本発明の地図表示例である。なお、（ａ）では、便宜上、他車１〜１０及び周辺領域境界線ＭＡＲを表示しているが実際には表示されていない。
図中、ＳＣＲはスクリーン、ＣＡＲは自車、１〜１０は周辺車両、ＭＡＲは周辺領域境界線、すなわち、その中に存在すれば周辺車両であると認定するための周辺領域の境界線であり周辺領域の大きさは予め設定されている。各車両は車車間通信手段、例えばブルーツース（Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ）機器を備えている。
【０００７】
自車ＣＡＲが通常の地図表示をしながら走行中、交差点等見通しが利かない領域に差し掛かかると、ナビゲーション装置の車車間通信手段は周辺車輌より周辺車両情報を取得する。ついで、（ｂ）に示すように、境界線ＭＡＲで囲まれた周辺領域を拡大表示すると共に、周辺車両をその所在位置に表示する。また、周辺車両の進行方向及び速度を矢印及びその長さで表示する。更に、各周辺車両の表示優先順位を、ドライバの注意すべき度合に基づいて決定し、該優先順位に基づいて周辺車両の表示を制御する。例えば、自車の走行に影響のある車のみを表示し、走行に影響のない車を表示しない。あるいは、優先順位が低い車両は目だたない色で表示したり、明度を制御して薄い色で表示する。なお、（ｂ）では、周辺車両であっても、自車の走行に影響しない車輌２，６，９，１０を表示しない。これは、あまり多くの情報を表示するとドライバーの注意が散漫になるからである。
【０００８】
上記の表示制御中に、曲がり角を通過して、安全確認の必要度が低下すれば、通常のナビ案内にもどり、画面の表示領域も元の状態に戻す（（ｂ）−（ａ））。
以上のように地図表示すれば、車車間通信を利用して、周辺車両の位置や進行方向、速度を表示できるようになってドライバの安全運転上好都合である。また、ドライバの注意すべき度合に基づいて、他車の表示を制御するようにしたから見やすくできる。
【０００９】
図２は本発明の第２の概略説明図である。自車周辺の地図を三次元立体表示（３Ｄ表示）している場合において、自車ＣＡＲの位置から建造物Ｂの陰になって他車ＭＣが見えない場合、三次元立体表示上に隠れ車両が存在する旨の警報表示をする。今後カーナビ案内地図が３Ｄ化され、建物の大きさ、高さが表示されるようになると、自車位置により他車、オートバイ等が建物等の陰になり見えない事態が頻繁に生じる。このように他車が見えない状態にあるときは、ドライバーに警告表示する。警告方法は、カーナビ画面に表示を行う、あるいは音声による警告を発する等の方法が考えられる。
【００１０】
（Ｂ）全体の構成
図３は本発明のシステム構成図であり、ナビゲーション装置５０と車車間通信装置６０が設けられ、それらの間は相互に通信可能に接続されている。
ナビゲーション装置５０は、車両周辺の地図表示制御、目的地までの経路探索制御及び経路案内制御などを行うナビゲーション制御部５１、地図記憶媒体から必要な地図データを読み取ってナビゲーション制御部に入力する地図供給部５２、地図表示のための各種コマンドを入力するコマンド入力部５３、車両の現在位置を検出する現在位置検出部５４、地図や誘導経路その他の表示を行う表示部５５、車車間通信装置との間の通信を司るインターフェース部５６等を備えている。
【００１１】
車車間通信装置６０は、周辺車両と通信を行う通信手段、例えば、ブルーツース（Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ）機器６１、車車間通信を制御する車車間通信制御部６２、ナビゲーション装置との間の通信を司るインターフェース部６３など備えている。
Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈは移動体と固定、あるいは移動体と移動体の電子装置間、又はそれぞれの間のケーブル代替を意図した無線リンクであり、データを１スロット当たり６２５μｓのＴＤＤ（Ｔｉｍｅ−Ｄｉｖｉｓｉｏｎ　Ｄｕｐｌｅｘ）方式でパケット転送し、パケット毎に周波数が変化する周波数ホッピングを採用している。同じ周波数ホッピングシーケンスを用いて、１台のマスターと最大７台のスレーブでピコネットを形成して通信を行う。Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈの仕様の詳細については、Ｓｐｅｃｉｆｉｃａｔｉｏｎ　ｏｆ　ｔｈｅ　Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ　Ｓｙｓｔｅｍ　Ｖｅｒｓｉｏｎ　１．ＯＡに記述されている。
【００１２】
要約すると、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈにおいて、マスターは通信したい時、周辺にどのようなスレーブが存在するかをＩＱパケットによりＩｎｑｕｉｒｙ（問い合わせ）を行ない、各スレーブはＦＨＳパケットでコネクション確立に必要なＢｌｕｅｔｏｏｔｈデバイス・アドレスやクロック情報をマスターに応答する。すなわち、Ｉｎｑｕｉｒｙすることで該Ｉｎｑｕｉｒｙに応答する全てのスレーブのデバイス・アドレスやクロック情報を収集することができる。なお、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈデバイス・アドレスは全てのＢｌｕｅｔｏｏｔｈ機器に与えられる一意のアドレスである。
【００１３】
しかる後、マスターは選択した所定スレーブのＢｌｕｅｔｏｏｔｈデバイス・アドレス及びクロック情報を使ってＰａｇｅという処理を行なって該スレーブと実際にコネクションを確立し、データの送受を行なう。すなわち、マスターは選択した所定スレーブ宛にＩＤパケットを送信し、このＩＤパケットに対する受信確認をスレーブから受け取ると、マスターはそのスレーブに対してＦＨＳパケットを送信し、自分のＢｌｕｅｔｏｏｔｈデバイス・アドレスとクロック情報を伝え、以後、通信フェーズに移行する。
【００１４】
（Ｃ）周辺車両表示制御
図４は本発明の周辺車両表示制御フローである。
ナビゲーション制御部５１は走行に応じて地図、誘導経路などの表示を行うと共に、自車が交差点、曲がり角など見通しの利かない地点（交差点とする）に到達したか監視し（ステップ１０１）、交差点近傍に到達すれば、車車間通信装置６０に周辺車両情報を要求する（ステップ１０２）。この要求を受信すれば、車車間通信制御部６２は、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ機器６１を用いて車車間通信により、周辺車両情報を収集し、ナビゲーション制御部５１に送信する（ステップ１０３）。周辺車両情報は、位置、速度、方向、車種（セダン、ワゴン、トラック、オートバイ等）、ＫＵＲＵＭＡＮＯ色等を含んでいる。
【００１５】
ナビゲーション制御部５１は、受信した各周辺車両の周辺車両情報を用いてドライバに対する危険度合を求め、該危険度合により表示優先順位を決定する（ステップ１０４）。自車と反対車線走行中の車両（図１（ａ）の車両９、１０）や自車の車線から離れてゆく車両で、該車線から相当距離の車両（図１の車両２，６）は優先順位が小さい。自車前方の車両や自車の車線に接近中の車両の優先順位は高い。
ついで、現在地図を三次元立体表示中であるかチェックし（ステップ１０５）、三次元立体表示中でなければ、周辺領域内の地図をスクリーン一杯に拡大描画すると共に（図１（ｂ）参照）、該拡大地図上の所在位置に周辺車両を表示優先順位に従って表示する（ステップ１０６）。図１では、表示優先順位の低い周辺車両２，６，９，１０を表示せず、表示優先順位の高い車輌１，３〜５，８のみを表示している。また、表示する周辺車輌図形は、車別が判る図形、大きさ、色で表示するものとし、かつ、周辺車両の進行方向及び速度を矢印及びその長さで表示する。
【００１６】
以後、交差点を通過したか監視（ステップ１０７）、通過してなければ、ステップ１０２以降の処理を繰り返し、通過すれば、通常表示に戻し（ステップ１０８）、処理を終了する。
一方、ステップ１０５において、三次元立体表示中であれば、取得済みの周辺車輌情報を参照して建造物により隠れて見えなくなっている車輌が存在するか判別し（ステップ１０９）、存在すれば、警報出力、例えば、”コーナ車注意”を三次元立体画像上に表示してドライバに注意を促す（ステップ１１０）。しかる後、交差点を通過したか監視（ステップ１０７）、通過してなければ、ステップ１０２以降の処理を繰り返し、通過すれば、通常表示に戻し（ステップ１０８）、処理を終了する。
【００１７】
【発明の効果】
以上本発明によれば、車車間通信を利用して、周辺車両の位置や進行方向、速度を表示するため、ドライバの安全運転につながり、好ましい。
また、本発明によれば、ドライバの注意すべき度合に基づいて周辺車輌の表示優先順位を決定し、該優先順位に基づいて周辺車輌の表示を制御するようにしたから、注意しなければならない車輌を容易に把握することができる。
また、本発明によれば、車車間通信を利用して、建造物に隠れて見えない周辺車輌を認識して警報表示をするため、事故防止に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の概略説明図である。
【図２】本発明の第２の概略説明図である。
【図３】本発明のシステム構成図である。
【図４】本発明の周辺車両表示制御フローである。
【符号の説明】
５０　ナビゲーション装置
５１　ナビゲーション制御部
５２　地図供給部
５３　コマンド入力部
５４　現在位置検出部
５５　表示部
６０　車車間通信装置
６１　通信手段、例えば、ブルーツース（Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ）機器
６２　車車間通信制御部

Claims (4)

1. 自車周辺の地図を表示するナビゲーション装置の地図表示方法において、
   周辺車両の情報を収集する手段を設け、
   自車が交差点、曲がり角などの見通しの利かない地点に接近した時、前記収集手段より周辺車両情報を取得し、
   前記収集手段による周辺車両情報収集領域を拡大表示すると共に、前記取得した周辺車両情報に基づいて周辺車両をその所在位置に表示する、
   ことを特徴とするナビゲーション装置の地図表示方法。
2. 各周辺車両の表示優先順位を、ドライバの注意すべき度合に基づいて決定し、
   該優先順位に基づいて周辺車両の表示を制御する、
   ことを特徴とする請求項１記載の地図表示方法。
3. 周辺車両の進行方向及び速度を矢印及びその長さで表示する、
   ことを特徴とする請求項１又は２記載の地図表示方法。
4. 自車周辺の地図を三次元で立体表示するナビゲーション装置の地図表示方法において、
   周辺車両の情報を収集する手段を設け、
   自車が交差点、曲がり角などの見通しの利かない地点に接近した時、前記収集手段より周辺車両情報を取得し、
   該取得した周辺車両情報に基づいて周辺車両が建造物などにより隠れているか調べ、隠れている場合には警告、または警報表示する、
   ことを特徴とするナビゲーション装置の地図表示方法。

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