JP2004076675A - 動弁装置およびこれを備えた内燃機関 - Google Patents

動弁装置およびこれを備えた内燃機関 Download PDF

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山内 幸作
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Abstract

【課題】装置のコンパクト化を図りながら、優れた特性性能を実現する動弁装置およびこれを備えた内燃機関を提供する。
【解決手段】所定の挟角で配された吸排気弁のステム端部に先端部が係合するスイングアーム21を設けるとともに、スイングアーム21の基端部を挟角の外側に配して軸支し、基端部の軸と平行な軸24を有するローラタペット22を基端部と先端部の間に設ける。ローラタペット22の軸に対して吸排気弁と反対側にカム軸11を平行に設ける。カム軸11上をローラタペット22に対向して軸方向に摺動可能に配されたカムロブを設けるとともに、該カムロブに三次元状マップを持つカム13を設け、カムロブをカム軸方向に進退可能に付勢する付勢手段をカム軸11の近傍に配する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車あるいは自動車などにおける内燃機関において、アクセル開度に応じてバルブのリフト量および作動角を無段に可変制御する動弁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の内燃機関において、以前より燃焼効率の向上を図るべく、バルブの開閉タイミングをずらして行なう可変位相方式に始まり、カム切換によるバルブリフトの可変制御やバルブ休止等が採用されてきた。なお、このカム切換方式は、低速用と高速用の2つのカムを用意し、エンジン出力に応じて作用角の小さいものから大きなものに切り換えるというものである。そして、これらのエンジンは吸気管にスロットルバルブを備えていることを前提としており、運転者の制御意思が反映されるのは、このスロットルバルブであって、動弁装置ではなかった。
【0003】
さらに最近では可変位相とカム切換の組合せが出始め、その後作用角およびリフト量を連続可変する3次元カムを使用する方式が提案されている。たとえば、直打式円筒タペットの頂部に接触角変化に対する追従機構を設け、3次元カムを軸方向にスライドさせることにより、バルブリフト量を無段階に可変するものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の動弁装置において3次元カムのスライド駆動機構等を持つため、意図する性能特性を確保しながら装置のコンパクト化等を図るのは必ずしも容易でない。また、3次元カムによるバルブリフト特性は、エンジンの出力特性と密接に関係し、カム形状等のパラメータ設定は極めて重要である。
【0005】
本発明はかかる実情に鑑み、装置のコンパクト化を図りながら、優れた特性性能を実現する動弁装置およびこれを備えた内燃機関を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の動弁装置は、所定の挟角で配された吸排気弁のステム端部に先端部が係合するスイングアームを設けるとともに、該スイングアームの基端部を挟角の外側に配して軸支し、前記基端部の軸と平行な軸を有するローラタペットを前記基端部と前記先端部の間に設け、前記ローラタペットの軸に対して前記吸排気弁と反対側にカム軸を平行に設け、前記カム軸上を前記ローラタペットに対向して軸方向に摺動可能に配されたカムロブを設けるとともに、該カムロブに三次元状マップを持つカムを設け、前記カムロブを前記カム軸方向に進退可能に付勢する付勢手段を前記カム軸の近傍に配したことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の動弁装置において、前記ローラタペットおよび前記カムの接触部位を潤滑する潤滑剤供給手段を有し、この潤滑剤供給手段は、スイングアームにおける前記ローラタペットの収容部に開設された開口を含み、この開口から前記接触部位に対して前記ローラタペットの接線方向に潤滑剤を供給する。
【0008】
また、本発明の動弁装置は、駆動モータにより回転駆動される伝達歯車の回転を、ねじ送り機構を介して軸方向のスライド運動に変換し、このスライド運動によりカムをカム軸方向にスライド移動させるようにした動弁装置であって、前記伝達歯車と前記ねじ送り機構を近接配置し、前記伝達歯車の軸受と前記ねじ送り機構とを軸方向位置で重なるように配置したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の動弁装置において、前記ねじ送り機構を介してスライド運動するスライド軸をカム軸とは別に設け、前記スライド軸を前記ねじ送り機構を介して前記伝達歯車の軸受で支持するとともに、別の複数の軸受にて支持することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の動弁装置は、所定長さの吸気管を備えたエンジンにおけるカム高さとカム作用角が連続的に変化するように形成され、カム軸と一体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成されたカムと、そのカム面に押圧されてバルブを進退させるバルブリフタとを備えた動弁装置であって、前記カムは前記カム軸の軸方向に傾斜するカム面を有し、前記カムが前記カム軸の軸方向にスライドすることにより、前記カムの作用角をエンジン回転数または車両速度に比例させ、バルブリフト量およびバルブ作動角が連続無段に可変制御されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の動弁装置において、前記カムにおける作用角の最大角と最小角の比率が、略3倍もしくはそれ以上であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の内燃機関は、吸気バルブおよび排気バルブにより吸排気を制御するようにした内燃機関であって、吸気側および排気側に請求項1〜6のいずれか1項に記載の動弁装置を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、たとえばスイングアームの基端部を吸排気弁のステム挟角の外側に配して軸支し、基端部の軸と平行な軸を有するローラタペットを基端部と先端部の間に設け、ローラタペットの軸に対して吸排気弁と反対側にカム軸を平行に設ける。これにより特にDOHCエンジンにおいてカムとプラグホールが干渉しない位置にカム軸を配置し、その内側にバルブステムを配置することでエンジンのコンパクトを図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明による動弁装置およびこれを備えた内燃機関の好適な実施の形態を説明する。
(第1の実施形態)
本発明による動弁装置は、自動二輪車あるいは四輪自動車に搭載される各種のガソリンエンジンに対して有効に適用可能であり、この実施形態ではたとえば図1に示すように自動二輪車のエンジンを例とする。
【0015】
ここで先ず、本実施形態に係る自動二輪車100の全体構成を説明する。図1において、鋼製あるいはアルミニウム合金材でなる車体フレーム101の前部には、ステアリングヘッドパイプ102によって左右に回動可能に支持された2本のフロントフォーク103が設けられる。フロントフォーク103の上端にはハンドルバー104が固定され、ハンドルバー104の両端にグリップ105を有する。フロントフォーク103の下部には前輪106が回転可能に支持されるとともに、前輪106の上部を覆うようにフロントフェンダ107が固定される。前輪106は、前輪106と一体回転するブレーキディスク108を有している。
【0016】
車体フレーム101の後部には、スイングアーム109が揺動可能に設けられるとともに、車体フレーム101とスイングアーム109の間にリヤショックアブソーバ110が装架される。スイングアーム109の後端には後輪111が回転可能に支持され、後輪111はチェーン112が巻回されたドリブンスプロケット113を介して、回転駆動されるようになっている。
【0017】
車体フレーム101に搭載されたエンジンユニット1(実線部)には、エアクリーナ114に結合する吸気管115から混合気が供給されるとともに、燃焼後の排気ガスが排気管116を通って排気される。エアクリーナ114は容量確保のためにエンジンユニット1の後方、かつ燃料タンク117およびシート118の下方にある大きなスペース内に設置される。そのため吸気管115はエンジンユニット1の後部側に結合させ、排気管116はエンジンユニット1の前部側に結合される。また、エンジンユニット1の上方には、燃料タンク117が搭載され、燃料タンク117の後方にシート118およびシートカウル119が連設される。
【0018】
ここで、エンジンユニット1のシリンダヘッド2乃至シリンダヘッドカバー2aの所定部位には、後述するアクセルモータが装着される。アクセルモータはたとえば図示例のように、シリンダヘッドカバー2aの側部に突設される。その場合、燃料タンク117の下部に設けた凹部内にアクセルモータ部分が配設されるようになっており、燃料タンク117とシリンダヘッドカバー2aは相互に干渉しないように配置される。
【0019】
さらに図1において、120はヘッドランプ、121はスピードメータ、タコメータあるいは各種インジケータランプ等を含むメータユニット、122はステー123を介してハンドルバー104に支持されるバックミラーである。また、車体フレーム101の下部にはメインスタンド124が揺動自在に取付けられ、後輪111を接地させたり地面から浮かせたりできる。車体フレーム101は、前部に設けたヘッドパイプ102から後斜め下方へ向けて延設され、エンジンユニット1の下方を包むように湾曲した後、スイングアーム109の軸支部であるピボット109aを形成してタンクレール101aおよびシートレール101bに連結している。
【0020】
この車体フレーム101には、フロントフェンダ107との干渉を避けるべく車体フレームと平行にラジエータ125が設けられるとともに、このラジエータ125から車体フレーム101に沿って冷却水ホース126が配設され、排気管116と干渉することなくエンジンユニット1に連通している。
【0021】
つぎに、図2は本発明装置の要部側断面図、図3は図2のA−A線およびB−B線に沿う断面図である。この実施形態ではエンジンユニット1として、並列2気筒エンジンであって、各気筒ごとに吸気側(IN)および排気側(EX)にそれぞれ2つのバルブ(つまり4バルブ)を有している。シリンダ内で上下に往復動するピストンの上部にシリンダヘッド2が配置され、このシリンダヘッド2内に動弁装置が収容される。
【0022】
本実施形態の動弁装置は、まず吸気側において気筒の列設方向に沿って配置されるカム/カムシャフトユニット10と、カム/カムシャフトユニット10の下側に配置されるバルブリフタユニット20と、吸気制御するバルブユニット30と、アクセル開度に応じてカムを変位させるアクセルシャフトユニット40とを含んでいる。
【0023】
また、排気側において、吸気側と実質的に同様に構成されたカム/カムシャフトユニット10Exと、カム/カムシャフトユニット10Exの下側に配置されるバルブリフタユニット20Exと、排気制御するバルブユニット30Exとを含んでいる。以下、これらのユニットに関して主に吸気側について説明するが、排気側においても同様の構成を有する。
【0024】
カム/カムシャフトユニット10およびカム/カムシャフトユニット10Exのカム13およびカム13Exは、吸気バルブ31および排気バルブ31Exのバルブリフト量、作動角およびリフトタイミングを無段段に可変制御するように構成されている。また、アクセル開度に応じてこれらのカムを変位させるアクセルシャフトユニット40を含むが、この実施形態では吸気側のカム/カムシャフトユニット10と排気側のカム/カムシャフトユニット10Exの間に配置される。すなわちアクセルシャフトユニット40は、吸気側および排気側で共用される。
【0025】
カム/カムシャフトユニット10において、カムシャフト11は、ベアリング12(図3)を介してシリンダヘッド2に回転自在に支持される。カムシャフト11にはその軸方向に後述するカム13がスライド可能に装着されるが、この例ではカムシャフト11はたとえば3条のボールスプライン11aを有し、そのガイドによってボール14を介して直線運動(リニアモーション)するようになっている。なお、カムシャフト11は中空構造とし、その中空内部に潤滑油路を形成してカム13等に注油することができる。
【0026】
カムシャフト11の一端にはスプロケット15が固着している。また、排気側のカムシャフト11Exの一端にもスプロケット15Exが固着しており、図4に示されるように、これらのスプロケット15,15Exとクランクシャフト(図示せず)の一端に固着するドライブスプロケット3との間にカムチェーン4が巻回装架される。なお、図4に示されるようにチェーンガイド5、チェーンテンショナ6およびテンショナアジャスタ7等を含み、これらによりカムチェーン4が適正走行するようになっている。
【0027】
ここで、カム13およびカム13Exは「3次元カム」として構成され、各気筒の吸気側および排気側に1つずつ設けられる。図3に示されるように長手方向(カムシャフト11の軸方向)に緩やかに傾斜するカム部が延設され、バルブリフト量を連続的に変化させる形状に成形されている。この場合、カム高さと同時にカム作用角およびリフトタイミングも変化し、すなわちバルブリフト量が大きくなるのに従ってカム作用角も大きくなり、さらにはバルブのリフトタイミングも変化させ得るように設定されている。
【0028】
バルブリフタユニット20において、この例ではバルブリフタとしてスイングアーム21とタペットローラ22を含み、スイングアーム21はその一端が吸気バルブの上端部(バルブステムエンド)に当接するように、揺動軸であるスイングアームシャフト23によって揺動可能に支持される。スイングアーム21の先端は図5にも示されるように、各気筒における2つの吸気バルブに当接すべく二股に分岐しており、すなわち単一のスイングアーム21により2つの吸気バルブを駆動するようになっている。
【0029】
スイングアーム21の基端部、すなわちスイングアームシャフト23は図2に示されるように、カムシャフト12の下方であって、吸排気バルブのバルブステムにより設定される挟角(Vバンク)の外側に配置される。なお、このVバンクの略中央部に点火プラグ挿脱用のプラグホール8が形成される。
【0030】
スイングアーム21の途中にはピン24を介して、回転摺動部であるタペットローラ22が回転自在に支持される。タペットローラ22の外周面は典型的には円弧状(R状)に形成され、カム13と点接触するようになっている。ピン24はスイングアームシャフト23と平行に配置され、またピン24に対して吸気バルブと反対側にカムシャフト11が配置されている。
【0031】
排気側において、スイングアーム21Exはその一端が排気バルブの上端部(バルブステムエンド)に当接するように、スイングアームシャフト23Exによって揺動可能に支持される。スイングアーム21Exの先端は、各気筒における2つの排気バルブに当接すべく二股に分岐しており(図5参照)、単一のスイングアーム21Exにより2つの排気バルブを駆動するようになっている。
【0032】
また、スイングアーム21Exの途中にはピン24Exを介して、回転摺動部であるタペットローラ22Exが回転自在に支持される。タペットローラ22Exの外周面は典型的には円弧状(R状)に形成され、カム13Exと点接触するようになっている。
【0033】
ここで、タペットローラ22(22Ex)およびカム13(13Ex)の接触部位を潤滑するようにした潤滑剤供給手段を有する。この潤滑剤供給手段は、図2あるいは図5に示されるようにスイングアーム21(21Ex)におけるタペットローラ22(22Ex)の収容部に開設された開口25(25Ex)を含み、この開口25(25Ex)から接触部位に対してタペットローラ22(22Ex)の接線方向に潤滑剤を供給するようになっている。なお、スイングアームシャフト23(23Ex)内には開口25(25Ex)に連通し、該開口25(25Ex)に潤滑剤を圧送する油路26(26Ex)が形成されている。
【0034】
バルブユニット30において、それぞれのバルブステム31aがバルブガイド32によってガイドされる2つの吸気バルブ31を含んでいる。また、各バルブステム31aの端部には、スイングアーム21の押圧部21aと当接するタペットシム33を有し、バルブリテーナ34とスプリングシート35の間にバルブスプリング36が装着される。
【0035】
排気側のカム/カムシャフトユニット10Ex、バルブリフタユニット20Exおよびバルブユニット30Exは、上述したように吸気側の各ユニットと基本構成は同様であるが、カム/カムシャフトユニット10Exのカム13Exの具体的な諸元についてはカム13とは異なる。
【0036】
アクセルシャフトユニット40において、カムシャフト11およびカムシャフト11Exと平行に配置されたアクセルシャフト41と、アクセルシャフト41に固着するとともにカム13およびカム13Exに連結するアクセルフォーク42を含んでいる。アクセルシャフト41はその軸方向にスライド可能にシリンダヘッド2によって支持され、一端側でネジリスプライン41aを介してドリブンギヤ43(ホイール)と係合している。ドリブンギヤ43はシリンダヘッド2に回転自在に支持され、アクセルモータ45の出力軸に固着したドライブギヤ46(ウォーム)と噛合する。
【0037】
アクセルフォーク42は、アクセルシャフト41と直交方向にカムシャフト11およびカムシャフト11Ex側へ延出し、それぞれ二股状の先端部がベアリング47を介して、カム13およびカム13Exの端部に回転自在に装着されたフォークガイド48と係合する。これによりアクセルシャフト41がその軸方向にスライドするのに連動もしくは同期して、カム13およびカム13Exがカムシャフト11およびカムシャフト11Exに沿ってそれぞれスライドする。
【0038】
このようにアクセルモータ45により回転駆動される伝達歯車としてのドリブンギヤ43の回転を、ねじ送り機構(ネジリスプライン41a)を介してアクセルシャフト41の軸方向のスライド運動に変換し、このスライド運動によりカム13をカム軸方向にスライド移動させる。この場合、図3に示されるようにドリブンギヤ43とねじ送り機構を近接配置し、ドリブンギヤ43の軸受49Aとねじ送り機構とを軸方向位置で重なるように配置する。
【0039】
また、ねじ送り機構を介してスライド運動するアクセルシャフト41をカムシャフト11およびカムシャフト11Exとは別に設け、アクセルシャフト41をねじ送り機構を介して軸受49Aで支持する。この場合、アクセルシャフト41はさらに別の複数の軸受49B,49Cにて支持される。
【0040】
ここで、カムシャフト11の他端には位相センサユニット50が設けられる。位相センサユニット50は、カムシャフト11の他端に植設されたピン51とこのピン51を検出して出力信号を得る位相センサ52を含んでいる。
【0041】
上記構成において、アクセルグリップ(もしくはアクセルペダル)を操作するとアクセルモータ45が作動し、その出力軸の回転によりアクセルシャフト41がスライドする。たとえば、エンジン低速時には図3に示されるようにタペットローラ22はカム13に対して、カム高さの低い部位に当接している。また、排気側においてタペットローラ22Exはカム13Exに対して、カム高さの低い部位に当接している。この状態で加速、すなわちアクセルを開くと、アクセルモータ45の作動によりドリブンギヤ43が回転して、アクセルシャフト41は図中、右方にスライドする。
【0042】
これによりカム13およびカム13Exはアクセルフォーク42を介して、アクセルシャフト41の動きに連動してそれぞれカムシャフト11およびカムシャフト11Exに沿って、同様に図中、右方にスライドする。なお、このときカム13およびカム13Exのスライド量や速度は、アクセルの開度および開く速さに対応している。カム13,13Exのスライドによりタペットローラ22,22Exは次第に、カム高さの高い部位に当接し、これによりカム13,13Exのリフト特性に従ってバルブリフト量が増大する。一方、減速時にはアクセルを戻すことで、上記とは逆の動作でバルブリフト量を減少させる。
【0043】
ここで、上述した本発明の動弁装置あるいは内燃機関において特に、図2等から明かなようにカムシャフト11、スイングアームシャフト23およびピン24等はVバンクの外側に配置される。なお、排気側についても同様である。これによりシリンダヘッド2の高さを低くすることができるとともに、スイングアーム21のアーム比の設定によりカム山高さを低くすることで、シリンダヘッド2の前後長も短かくすることができ、シリンダヘッド2のコンパクト化を図ることができる。
【0044】
この場合、バルブステム31aとスイングアームシャフト23の間にタペットローラ22が配置されるため、スイングアーム21のアーム比が1よりも大きくなる。なお、排気側についても同様である。これによりカム山高さを低くし、カムロブにおける軸方向のカム山傾斜角度が小さく(なだらかに)なり、カム13のスライド移動動作がスムースにし、回動・摺動する動弁系全体に加わるスライド方向の力が減少して耐久性が向上する。また、タペットローラ22の幅を狭くすることができ、タペット総重量を軽減し、特に高回転化および高加速化を図り高出力化を実現することができる。
【0045】
また、潤滑剤供給手段によればタペットローラ22(22Ex)およびカム13(13Ex)の接触部位に対して、すべての位相で潤滑剤をし、潤滑性が格段に向上する。したがって、カム13とタペットローラ22の点接触的係合を維持しつつ、カム13の軸方向移動が円滑に行なわれ、この点でも高い耐久性を確保することができる。
【0046】
カム13等の立体カムにあっては、これに摺動接触する相手部材であるタペットローラ22は、立体カムに点接触するため、このことが耐久性に影響する。そのためタペットローラ22の径は大きくしたい。本発明ではタペットローラ22をバルブ軸線上から偏倚させて2つの吸気バルブの間に配置することで、大径化とコンパクト化を両立させている。また、バルブ軸上およびタペットローラ22上に、スライドするカム13(13Ex)の占有スペースを大きく確保することができる。これによりカム13の軸方向には大きく、高さは低くできるためアクセルモータ45の上方搭載が可能になる。
【0047】
また、ドリブンギヤ43とねじ送り機構を近接配置し、ドリブンギヤ43の軸受49Aとねじ送り機構とを軸方向位置で重なるように配置する。このようにこれらの部材を集合配置することで、コンパクト化を図ることができる。そして、アクセルシャフト41をスライドさせる際、ぶれやがたつき等を抑え円滑動作を保証する。
【0048】
さらにアクセルシャフト41をカムシャフト11およびカムシャフト11Exとは別に設け、アクセルシャフト41をねじ送り機構を介して軸受49Aで支持する。また、アクセルシャフト41はさらに別の複数の軸受49B,49Cにて支持される。アクセルシャフト41をスライドさせる際、ぶれやがたつき等を抑えて円滑動作を保証する。
【0049】
(第2の実施形態)
つぎに、本発明による第2の実施形態を説明する。なお、上述の第1の実施形態と同一または対応する部材には同一符号を用いて、図面を参照して説明する。図6は本実施形態に係る要部側断面図である。この実施形態における基本構成は実質的に第1の実施形態と同様であり、その説明を省略するものとする。
【0050】
本実施形態において3次元カムを用いてバルブリフト特性を連続可変制御するが、その場合、吸気管長が固定でも実用走行回転域で最大吸気慣性効果が得られるようにエンジン回転数と吸気作用角を設定するものである。
【0051】
ところで、吸気作用角が一定の場合、各エンジン回転数でつねに吸気慣性効果を最大にするためには吸気管長を変化させる必要がある。そのためたとえば吸気管をスライドさせることで連続可変させ、あるいはバルブ等を用いて段階的に変化させる等の手法がとられる。本発明において、3次元カムを用いてバルブリフト特性をエンジン出力に合ったものにできるが、本実施形態では特に吸気作用角を好適に設定することで、吸気管長が固定でも吸気管長を連続可変する場合と同等の効果が得られるようにしている。
【0052】
ここで、最大吸気慣性効果が得られるエンジン回転数の公式を示す。
N=aθ/24Ls                   (1)
ただし、L≒π/2・√(LV/F)、L=l+Δl
ここに、a…音速=340[m/s](20℃);N…エンジン回転数[rpm];θ…有効開弁角[deg];L…等価管長[m];L…管長[m];F…吸気管断面積[m](独立ポートの場合はF=2・πd/4);V…行程容積[m];l…実管長[m];Δl…管端補正長[m]である。なお、図6に示されるように吸気管長Lには、吸気ポート9が含まれる。
【0053】
上式からK=a/24Lとし、温度および管長が固定であるとすれば、Kは一定であるためエンジン回転数Nと有効開弁角(吸気バルブの作用角)θは比例関係になる。したがって、エンジン回転数Nに比例するように有効開弁角θを設定することで、その範囲内においてはつねに最大吸気慣性効果が得られることになる。なお、吸気ポートを含めた吸気管は、エンジン回転数に関わらず、平均して略大気圧かそれよりも若干負圧である。
【0054】
図6に示すエンジンではそのエンジン仕様として、並列2気筒650cc、車両速度V10000=220km/h(6速時の最高速度)とした場合、エンジン回転数N(車両速度)と有効開弁角θの関係は図7のようになる。また、図8は、図7に示したエンジン特性を得るためのカム13のリフト特性を示している。
【0055】
図7の例では速度60km/h(N≒2730rpm)でθ=80°とし、速度180km/h(N≒8180rpm)でθ=240°としている。この回転数範囲ではほぼ最大吸気慣性効果となるようにエンジン回転数Nと有効開弁角θを設定し、これによりトップ段位(6速)の実用回転域で最大吸気慣性効果が得られ、ほぼフラットトルク化を図ることができる。
【0056】
同様に、たとえば軽4輪自動車に適用した場合、エンジン仕様として並列2気筒660cc、車両速度V1000=20km/hとした場合のエンジン回転数N(車両速度)と有効開弁角θの関係は図9のようになる。この場合、有効開弁角θを3倍程度まで可変とすれば、θ=80°;40km/hからθ=240°;120km/hと最高速度を出せる段位(4速…5速の場合が多いが、4輪車の5速はオーバトップとなる)でトップスロー下限付近から最高速度付近までの領域ほとんどをカバーすることができる。
【0057】
したがって、有効開弁角θをエンジン回転数Nに比例させ、かつ有効開弁角θを3倍程度まで可変させるように設定することで、ほとんどの実用回転域で最大吸気慣性効果が得られるとともに、吸気管長を高速側で短いものにすることができ、エンジンまわりのコンパクト化を図ることができる。特に低速出力を出すために吸気管長を長く設定したいた4輪車においては、コンパクト化による効果は極めて多大である。
【0058】
このように吸気管の断面積および長さを固定していても、作用角(すなわち吸気バルブの開弁時間)がエンジン回転数に比例して変化するため、エンジン回転数が変化してもつねに高い吸気慣性効果を維持することができる。これにより燃焼室への吸引充填効率が高く維持される。つまりエンジン回転数の全域で、谷間のないフラットなトルク特性を得ることができる。
【0059】
また、吸気慣性効果が最大となるように吸気管長を設定することで、エンジン回転数の全域で、略最大トルクを得ることができる。一方、機関速度に応じてバルブ開弁時間が変化するため、吸気管の断面積を考慮して吸気管を短くしても吸気慣性効果が得られる。
【0060】
さらに、有効開弁角θを3倍もしくはそれ以上まで可変とすることで、エンジンの実用回転数域が広く確保される。これにより変速機(自動変速機および無段変速機等を含む)の変速段に拘わらず、各変速段が受け持つ速度範囲が広くなり、運転の幅が広く実用性の高い車両を実現することができる。
【0061】
以上、本発明を種々の実施形態とともに説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
たとえば上記実施形態では2気筒エンジンの場合の例を説明したが、本発明は単気筒または3気筒以上のエンジンに対しても有効に適用可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、この種の動弁装置においてアクセル開度に応じてバルブリフト量、作動角およびリフトタイミングを無段階可変制御する。この場合、たとえばスイングアームの基端部を吸排気弁のステム挟角の外側に配して軸支し、基端部の軸と平行な軸を有するローラタペットを基端部と先端部の間に設け、ローラタペットの軸に対して吸排気弁と反対側にカム軸を平行に設ける。カムとプラグホールが干渉しない位置にカム軸を配置し、その内側にバルブステムを配置することでエンジンのコンパクトを図ることができる等の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用例に係るエンジンまわりを含む自動二輪車の構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における動弁装置の要部側断面図である。
【図3】図2のA−A線およびB−B線に沿う断面図である。
【図4】本発明の動弁装置に係るカムシャフトの回転駆動系を示す図である。
【図5】図2のC−C線に沿う断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における動弁装置の要部断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態におけるエンジン回転数と有効開弁角の関係を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るカムのリフト特性を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態における別のエンジン回転数と有効開弁角の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジンユニット、2 シリンダヘッド、2a シリンダヘッドカバー、3ドライブスプロケット、4 カムチェーン、5 チェーンガイド、6 チェーンテンショナ、7 テンショナアジャスタ、8 プラグオール、9 吸気ポート、10,10Ex  カム/カムシャフトユニット、11 カムシャフト、12ベアリング、13 カム、20,20Ex バルブリフタユニット、21 スイングアーム、22 タペットローラ、23 スイングアームシャフト、30,30Ex  バルブユニット、31 吸気バルブ、32 バルブガイド、33 タペットシム、34 タペットリテーナ、35 スプリングシート、36 バルブスプリング、40 アクセルシャフトユニット、41 アクセルシャフト、42 アクセルフォーク、43 ドリブンギヤ、45 アクセルモータ、46 ドライブギヤ、50 位相センサユニット、51 ピン、52 位相センサ。

Claims (7)

  1. 所定の挟角で配された吸排気弁のステム端部に先端部が係合するスイングアームを設けるとともに、該スイングアームの基端部を挟角の外側に配して軸支し、
    前記基端部の軸と平行な軸を有するローラタペットを前記基端部と前記先端部の間に設け、前記ローラタペットの軸に対して前記吸排気弁と反対側にカム軸を平行に設け、
    前記カム軸上を前記ローラタペットに対向して軸方向に摺動可能に配されたカムロブを設けるとともに、該カムロブに三次元状マップを持つカムを設け、
    前記カムロブを前記カム軸方向に進退可能に付勢する付勢手段を前記カム軸の近傍に配したことを特徴とする動弁装置。
  2. 前記ローラタペットおよび前記カムの接触部位を潤滑する潤滑剤供給手段を有し、
    この潤滑剤供給手段は、スイングアームにおける前記ローラタペットの収容部に開設された開口を含み、この開口から前記接触部位に対して前記ローラタペットの接線方向に潤滑剤を供給することを特徴とする請求項1に記載の動弁装置。
  3. 駆動モータにより回転駆動される伝達歯車の回転を、ねじ送り機構を介して軸方向のスライド運動に変換し、このスライド運動によりカムをカム軸方向にスライド移動させるようにした動弁装置であって、
    前記伝達歯車と前記ねじ送り機構を近接配置し、前記伝達歯車の軸受と前記ねじ送り機構とを軸方向位置で重なるように配置したことを特徴とする動弁装置。
  4. 前記ねじ送り機構を介してスライド運動するスライド軸をカム軸とは別に設け、前記スライド軸を前記ねじ送り機構を介して前記伝達歯車の軸受で支持するとともに、別の複数の軸受にて支持することを特徴とする請求項3に記載の動弁装置。
  5. 所定長さの吸気管を備えたエンジンにおけるカム高さとカム作用角が連続的に変化するように形成され、カム軸と一体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成されたカムと、そのカム面に押圧されてバルブを進退させるバルブリフタとを備えた動弁装置であって、
    前記カムは前記カム軸の軸方向に傾斜するカム面を有し、前記カムが前記カム軸の軸方向にスライドすることにより、前記カムの作用角をエンジン回転数または車両速度に比例させ、バルブリフト量およびバルブ作動角が連続無段に可変制御されることを特徴とする動弁装置。
  6. 前記カムにおける作用角の最大角と最小角の比率が、略3倍もしくはそれ以上であることを特徴とする請求項5に記載の動弁装置。
  7. 吸気バルブおよび排気バルブにより吸排気を制御するようにした内燃機関であって、
    吸気側および排気側に請求項1〜6のいずれか1項に記載の動弁装置を備えたことを特徴とする内燃機関。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013217355A (ja) * 2012-04-12 2013-10-24 Suzuki Motor Corp 内燃機関の動弁装置
JP2014034913A (ja) * 2012-08-08 2014-02-24 Suzuki Motor Corp 内燃機関の動弁装置
CN105971739A (zh) * 2016-07-27 2016-09-28 柳平 可调斜盘式无曲轴变排量发动机

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