JP2004075757A - 水系塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】施工直後の早い時期から安定的に低汚染化を図ることができ、且つこのような低汚染効果が比較的安価に得られるような塗料組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】HLB値が5.6〜16.2、好ましくは7〜11であるアルキルリン酸エステルが、水系塗料組成物の樹脂固形分100重量部に対して0.2〜10重量部、およびコロイダルシリカが、アルキルリン酸エステルの固形分100重量部に対して50〜200重量部、含有されてなることを特徴とする水系塗料組成物による。
【選択図】 なし
【解決手段】HLB値が5.6〜16.2、好ましくは7〜11であるアルキルリン酸エステルが、水系塗料組成物の樹脂固形分100重量部に対して0.2〜10重量部、およびコロイダルシリカが、アルキルリン酸エステルの固形分100重量部に対して50〜200重量部、含有されてなることを特徴とする水系塗料組成物による。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料、塗材、あるいはトップコート等として使用され、施工後の早い時期から低汚染性を発現し得る水系塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物や橋梁等のように、屋外で使用されるものには一般にその基材の保護と意匠性の向上などを図るために、塗料あるいは塗材が塗布される。また、これら塗料等は、紫外線や風雨に晒されたり油煙や粉塵等によって徐々に劣化し、汚染される傾向にあるため、これに耐候性や撥水性を付与すべく、アクリル系共重合樹脂やフッ化炭化水素系共重合樹脂などの、いわゆるトップコートと呼ばれる樹脂を塗布して保護する場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、斯かるトップコートの表面についても、空気中の粉塵や油分、排気ガス、酸性雨、その他種々の化学成分等によって、施工直後から徐々に劣化や汚染が始まることとなる。
【0004】
従来、これらの塗料、塗材あるいはトップコートの低汚染化を図るべく、塗料組成物中にオルガノシリケート又はその縮合物と該オルガノシリケートの加水分解を促進させる界面活性剤とを所定の割合で添加し、親水化する方法が知られている(特開2000−309749公報)。
【0005】
しかしながら、斯かるオルガノシリケートやその縮合物は非常に高価であるため、塗料組成物に所望の低汚染性を発現させるべくこれを添加すると、該塗料組成物が高価となり、塗装が高コストとなるという問題がある。また、オルガノシリケート又はその縮合物は、加水分解によって親水化してはじめて低汚染性を発現するものであるが、加水分解を促進するための界面活性剤を添加した場合であっても、他の要因によってこの加水分解反応がスムーズに進行しない場合があり、安定的に効果を発現させるのが難しいという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、施工直後の早い時期から安定的に低汚染化を図ることができ、且つこのような低汚染効果が比較的安価に得られるような塗料組成物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、下記の一般式
【化2】
(式中、R1はアルキル基又はアルキルアリル基、R2は水素原子又はR1(CH2CH2O)n基、nは2〜25の整数を示す。)で表され、HLB値が5.6〜16.2、好ましくは7〜11であるアルキルリン酸エステルが、水系塗料組成物の樹脂固形分100重量部に対して0.2〜10重量部、およびコロイダルシリカが、アルキルリン酸エステルの固形分100重量部に対して50〜200重量部、含有されてなることを特徴とする水系塗料組成物を提供する。
【0008】
また、本発明は、好ましくは前記アルキルリン酸エステルが、アンモニウム塩であることを特徴とする水系塗料組成物を提供する。
【0009】
コロイダルシリカは、該水系塗料組成物の乾燥によってできた塗膜表面を、そのシラノール基によって直ちに親水性とする為、塗膜を早期に低汚染化する。
また、HLB値が5.6〜16.2のアルキルリン酸エステルは、塗膜から徐々にブリードアウトすることにより、洗浄効果を発揮する。
さらに、該アルキルリン酸エステルのアンモニウム塩であれば、水系塗料組成物中に於いてコロイダルシリカの表面を活性化させて汚染物質の脱着をよりスムーズにし、前記洗浄効果と併せた相乗作用によってより優れた汚染防止効果を奏することができる。
【0010】
尚、本発明において水系塗料組成物とは、骨材が配合されてなる塗材や、顔料が配合されてなる塗料、および骨材や顔料が配合されずに構成された塗布材料(例えばトップコートのようなもの)なども含めたものをいう。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、詳細に説明する。
【0012】
本発明におけるアルキルリン酸エステルとしては、前記式(1)で表され、HLB値が5.6〜16.2であるもの、好ましくはHLB値が7〜11であるものを使用する。具体的には、該アルキルリン酸エステルとして、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルや、ポリオキシエチレンジエチレン化フェノールエーテルリン酸エステルなどのポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル等を挙げることができる。
斯かるアルキルリン酸エステルは、例えば、スルホン酸塩系、硫酸エステル塩系、カルボン酸塩系のような他の界面活性物質と比べて本発明に係る水系塗料組成物中において優れた汚染防止効果を奏する。
【0013】
また、水系塗料組成物中で上述のようなアルキルリン酸エステルを生成するものであれば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、あるいはアンモニウム塩のいずれを用いることもできる。
ただ、本発明に係る水系塗料組成物中にナトリウムイオンやカリウムイオン等のアルカリイオンを付加した場合、前記コロイダルシリカの表面の電荷バランスを崩し、不安定化させるおそれがある。よって、そのようなアルカリイオンを含まないものとして、アルキルリン酸エステルのアンモニウム塩を用いることが好ましい。
【0014】
また、HLB値が5.6未満であるとアルキルリン酸エステルの疎水性が高くなりすぎて塗膜からアルキルリン酸エステルがブリードアウトしにくくなり、又、乳化作用が弱くなって結果的に界面活性剤としての洗浄効果がうまく発現されないこととなる。また、HLB値が15.6を越えると逆に親水性が高くなりすぎ、塗膜からのリン酸エステルのブリードアウトがはやくなるため、雨水による乳化流失が大きく耐久性が低下することとなり、好ましくない。
【0015】
リン酸エステルの含有量は、樹脂固形分100重量部に対して0.2〜10重量部とする。0.2重量部未満であれば、初期の耐汚染性を充分に発揮することができず、また、10重量部を越えて含有すると、塗膜の耐水性を大きく低下させることとなり、いずれも好ましくない。
【0016】
また、本発明におけるコロイダルシリカは、シリカゾルとも呼ばれ、負に帯電した無定形シリカ(二酸化ケイ素)が、分散媒である水の中にコロイド状に分散したコロイド懸濁液である。コロイド粒子の粒径については特に限定されないが、例えば10〜30nm程度のものを好適に使用することができる。
【0017】
コロイダルシリカの含有量は、前記リン酸エステル固形分100重量部に対して50〜200重量部とする。50重量部未満であれば、塗膜表面を覆うシリケート層が形成されにくく、また、200重量部を越えて含有しても、塗膜の耐水性をそれ以上大きく改善できず、かえってコストアップの原因となり好ましくない。
【0018】
本発明の塗料組成物を構成する合成樹脂としては、成膜するだけで塗膜を形成することのできるアクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等を使用することができる。また、イソシアネート基と反応性である水酸基を含む合成樹脂エマルションに水溶性ポリイソシアネートを含有してなるものや、エポキシ基を含む合成樹脂エマルションにポリアミンやポリアミドを含有してなる反応硬化型の2液タイプのものを使用することもできる。中でもアクリル系樹脂は、安価な割に耐候性や耐水性が良いという点で、特に好ましい。
【0019】
また、前記合成樹脂は、コロイダルシリカを分散させる必要性から、水を溶媒とした水系の合成樹脂エマルションとして調製する必要がある。また、コロイダルシリカの分散性を考慮すれば、該合成樹脂エマルションは、pHが8〜9であることが好ましい。pHが8〜9であれば、前記コロイダルシリカの分散状態が良好となり、塗料組成物中にコロイダルシリカを安定的に存在させることが可能となる。そして、このように安定的に存在したコロイダルシリカが塗膜中に均一に分散することとなり、塗膜全体の低汚染性がより均質なものとなる。
【0020】
本発明に係る水系塗料組成物によると、リン酸エステルの界面活性効果により塗膜表面が洗浄される。即ち、塗膜表面に付着した汚染物質の表面に、通常数mmの厚みに施工された塗膜中から徐々に溶出したリン酸エステルが吸着し、乳化作用により雨水等とともに該汚染物質を流し去る。そして、このようにして流出したリン酸エステルを補うように、塗膜中に残存するリン酸エステルが順次溶出することにより、初期の低汚染化を持続させることができる。
【0021】
一方、コロイダルシリカは、それ自体が数十nmの無定形シリカ粒子が水中に分散してコロイドを形成したものであり、これを塗料組成物とともに塗布して乾燥させると、該無定形シリカ粒子のシラノール基が塗膜表面を親水性にし、これによって塗膜の低汚染化が図られることとなる。
よって、本発明において使用するコロイダルシリカは、従来技術において使用されていたオルガノシリケートのように、化学反応を経て初めて塗膜に低汚染性を付与するものではなく、塗料を乾燥させるだけで塗膜に低汚染性を付与するものであるため、安定的に且つ施工後直ちに優れた低汚染化作用を備えたものとなる。
【0022】
尚、本発明に係る水系塗料組成物は、必要に応じて増粘剤、消泡剤、粘性調整剤、成膜助剤、親水性助剤などの添加剤、その他紫外線吸収剤、光安定化剤等を適宜添加することも可能である。また、天然石粉砕物、人工石粉砕物等の骨材を添加することにより、塗材として使用することもできる。
【0023】
【実施例】
(試験例1)
試験例1として、リン酸エステルのHLB値を変化させた場合の汚染防止効果に及ぼす影響を確認した。
【0024】
試験体の作製
まず、下記表1に示す配合よりなる実施例1〜6および比較例1〜3の水系塗料組成物用の添加剤を調製した。
【表1】
【0025】
次いで、上記の添加剤(コロイダルシリカ+リン酸エステル)を下記表2に示す塗材原料とともに混合し、実施例および比較例の塗材を調製した。そして、該塗材をJIS A 5430に準ずる4mm厚のスレート板を基材としてその上に2.5kg/m2となるようにアプリケーターで塗布し、20℃で7日間養生したものを試験体とした。
尚、表2中のXの値としては、表1に示した樹脂固形分100重量部に対するリン酸エステルとコロイダルシリカの合計量を、樹脂固形分(即ち、18重量部×0.5)に対する量として換算した添加量を示す。
【0026】
【表2】
【0027】
尚、樹脂エマルション、リン酸エステル、コロイダルシリカとしては、それぞれ以下のものを使用した。
材料
樹脂:アクリル系合成樹脂エマルション、大日本インキ化学工業(株)製、ボンコート930、固形分50%、
リン酸エステル:ホ゜リオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル、第一工業製薬(株)製、
プライサーフAL、 HLB値:5.6
プライサーフA207H、HLB値:7.1
プライサーフA208F、HLB値:8.7
プライサーフA212C、HLB値:9.4
プライサーフA212E、HLB値:10.3
プライサーフA219B、HLB値:16.2
コロイダルシリカ:日産化学(株)製、スノーテックス
【0028】
ただし、比較例2および3のリン酸エステルについては、HLB値が5.0および18.0のアルキルエチレングリコールにオキシ塩化リンを反応させて得られたリン酸エステルを使用した。
【0029】
油煙汚染試験
主に油煙発生装置と試料回転装置とからなる試験機の内部を70℃に保ち、該試験機に油煙を循環させつつ試験体を60分間回転暴露させる。暴露後、1%アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液で洗浄し、余分の油煙を完全除去した後、測色色差計(日本電色工業(株)製、ZE2000)でY値を測定し、次式により汚染回復率を求めた。
汚染回復率(%)=(汚染後の拡散反射率Y1/汚染前の拡散反射率Y0)×100
【0030】
暴露試験
45度に傾斜させた暴露台に各試験体を載置し、これを屋外に設置して730日暴露試験を行った。そして、暴露試験後の試験体と暴露させずに保管しておいた試験体とを目視によって対比し、両者の色合いの違いをグレースケールによる値(0〜5.0)を用いて評価した。
【0031】
表1によると、HLB値が5.6〜16.2である実施例1〜6の水系塗料組成物では、油煙汚染に対する汚染回復率と、暴露テストに対するグレースケール値のいずれにおいても良好な試験結果が得られていることがわかる。特に、HLB値が7〜11の範囲である実施例2〜5によれば、双方の試験結果で非常に優れた耐汚染効果が得られていることがわかる。
【0032】
(試験例2)
次に、試験例2として、水系塗料組成物中においてリン酸エステルに対するコロイダルシリカの添加量を一定に保ちつつ、樹脂固形分に対するリン酸エステルの配合量を変化させた場合の汚染防止効果を確認した。具体的には、下記表3に示す配合の実施例および比較例の添加剤をそれぞれ調製し、前記試験例1と同様にして塗材として塗布して試験体を作製した。そして、該試験体を用いて前記と同様の油煙汚染テストおよび暴露テストを行った。結果を表2に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
表3に示したように、リン酸エステルの添加量が樹脂固形分に対して0.2〜10重量%である実施例7〜11では、油煙汚染に対する汚染回復率、および暴露テストに対するグレースケール値のいずれにおいても良好な結果が得られていることがわかる。
【0035】
(試験例3)
アルキルリン酸エステルに対するコロイダルシリカの添加量を変化させ、汚染防止効果を確認した。具体的には、下記表4に示す配合の実施例および比較例の水系塗料組成物を調製し、前記試験例1と同様にして試験体を作製した。そして、該試験体を用いて前記油煙汚染テストおよび暴露テストを行った。結果を併せて表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】
表4に示したように、コロイダルシリカの添加量をリン酸エステルの50〜200重量%とした実施例12〜16では、いずれも油煙汚染に対する汚染回復率、および暴露テストに対する耐汚染性について良好な結果が得られていることがわかる。
【0038】
(試験例4)
アルキルリン酸エステルの代わりにスルホン酸塩系、およびカルボン酸塩系のエステルを用い、表5に示した配合の試験体を作製し、該試験体を用いて前記油煙汚染テストおよび暴露テストを行った。結果を表5に示す。
【0039】
【表5】
【0040】
表5に示したように、HLB値が同程度のエステルを用いた場合であっても、カルボン酸エステルやスルホン酸エステルを用いた比較例8〜10では耐汚染性や暴露試験結果が劣っていることがわかる。これに対し、リン酸エステルを用いた本発明の実施例4〜6では汚染回復率、暴露試験結果ともに優れた結果が得られていることがわかる。
【0041】
(試験例5)
試験例5としては、顔料を配合した水性塗料組成物を用い、アルキルリン酸エステルおよびコロイダルシリカの有無による汚染防止効果に及ぼす影響を確認した。
【0042】
試験体の作製
まず、下記表6に示す配合よりなる実施例17および比較例11の水系塗料組成物を調製し、該水系塗料組成物をJIS A 5430に準ずる4mm厚のスレート板を基材として、その上に2.5kg/m2となるようにアプリケーターで塗布し、20℃で7日間養生したものを試験体とした。
【0043】
斯かる実施例および比較例の試験体について、上記と同様の油煙汚染試験および暴露試験を行った。結果を併せて表6に示す。
【0044】
【表6】
【0045】
表6によると、耐汚染性については実施例および比較例の双方で良好な結果が得られているが、暴露試験結果についてはアルキルリン酸エステル及びコロイダルシリカの有無によって結果に大きな差が生じていることがわかる。即ち、これらを添加しない比較例9ではグレースケール値が2.5となって試験前後における色合いの差が大きくなっているのに対し、実施例16ではグレースケール値が4〜4.5という良好な結果が得られたことを示している。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る水系塗料組成物によれば、施工直後の早期の段階から安定的に低汚染化作用を発現させることができる。
また、安価なコロイダルシリカを用いることにより、このような低汚染化効果のある塗料を安価に提供することが可能となる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料、塗材、あるいはトップコート等として使用され、施工後の早い時期から低汚染性を発現し得る水系塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物や橋梁等のように、屋外で使用されるものには一般にその基材の保護と意匠性の向上などを図るために、塗料あるいは塗材が塗布される。また、これら塗料等は、紫外線や風雨に晒されたり油煙や粉塵等によって徐々に劣化し、汚染される傾向にあるため、これに耐候性や撥水性を付与すべく、アクリル系共重合樹脂やフッ化炭化水素系共重合樹脂などの、いわゆるトップコートと呼ばれる樹脂を塗布して保護する場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、斯かるトップコートの表面についても、空気中の粉塵や油分、排気ガス、酸性雨、その他種々の化学成分等によって、施工直後から徐々に劣化や汚染が始まることとなる。
【0004】
従来、これらの塗料、塗材あるいはトップコートの低汚染化を図るべく、塗料組成物中にオルガノシリケート又はその縮合物と該オルガノシリケートの加水分解を促進させる界面活性剤とを所定の割合で添加し、親水化する方法が知られている(特開2000−309749公報)。
【0005】
しかしながら、斯かるオルガノシリケートやその縮合物は非常に高価であるため、塗料組成物に所望の低汚染性を発現させるべくこれを添加すると、該塗料組成物が高価となり、塗装が高コストとなるという問題がある。また、オルガノシリケート又はその縮合物は、加水分解によって親水化してはじめて低汚染性を発現するものであるが、加水分解を促進するための界面活性剤を添加した場合であっても、他の要因によってこの加水分解反応がスムーズに進行しない場合があり、安定的に効果を発現させるのが難しいという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、施工直後の早い時期から安定的に低汚染化を図ることができ、且つこのような低汚染効果が比較的安価に得られるような塗料組成物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、下記の一般式
【化2】
(式中、R1はアルキル基又はアルキルアリル基、R2は水素原子又はR1(CH2CH2O)n基、nは2〜25の整数を示す。)で表され、HLB値が5.6〜16.2、好ましくは7〜11であるアルキルリン酸エステルが、水系塗料組成物の樹脂固形分100重量部に対して0.2〜10重量部、およびコロイダルシリカが、アルキルリン酸エステルの固形分100重量部に対して50〜200重量部、含有されてなることを特徴とする水系塗料組成物を提供する。
【0008】
また、本発明は、好ましくは前記アルキルリン酸エステルが、アンモニウム塩であることを特徴とする水系塗料組成物を提供する。
【0009】
コロイダルシリカは、該水系塗料組成物の乾燥によってできた塗膜表面を、そのシラノール基によって直ちに親水性とする為、塗膜を早期に低汚染化する。
また、HLB値が5.6〜16.2のアルキルリン酸エステルは、塗膜から徐々にブリードアウトすることにより、洗浄効果を発揮する。
さらに、該アルキルリン酸エステルのアンモニウム塩であれば、水系塗料組成物中に於いてコロイダルシリカの表面を活性化させて汚染物質の脱着をよりスムーズにし、前記洗浄効果と併せた相乗作用によってより優れた汚染防止効果を奏することができる。
【0010】
尚、本発明において水系塗料組成物とは、骨材が配合されてなる塗材や、顔料が配合されてなる塗料、および骨材や顔料が配合されずに構成された塗布材料(例えばトップコートのようなもの)なども含めたものをいう。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、詳細に説明する。
【0012】
本発明におけるアルキルリン酸エステルとしては、前記式(1)で表され、HLB値が5.6〜16.2であるもの、好ましくはHLB値が7〜11であるものを使用する。具体的には、該アルキルリン酸エステルとして、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルや、ポリオキシエチレンジエチレン化フェノールエーテルリン酸エステルなどのポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル等を挙げることができる。
斯かるアルキルリン酸エステルは、例えば、スルホン酸塩系、硫酸エステル塩系、カルボン酸塩系のような他の界面活性物質と比べて本発明に係る水系塗料組成物中において優れた汚染防止効果を奏する。
【0013】
また、水系塗料組成物中で上述のようなアルキルリン酸エステルを生成するものであれば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、あるいはアンモニウム塩のいずれを用いることもできる。
ただ、本発明に係る水系塗料組成物中にナトリウムイオンやカリウムイオン等のアルカリイオンを付加した場合、前記コロイダルシリカの表面の電荷バランスを崩し、不安定化させるおそれがある。よって、そのようなアルカリイオンを含まないものとして、アルキルリン酸エステルのアンモニウム塩を用いることが好ましい。
【0014】
また、HLB値が5.6未満であるとアルキルリン酸エステルの疎水性が高くなりすぎて塗膜からアルキルリン酸エステルがブリードアウトしにくくなり、又、乳化作用が弱くなって結果的に界面活性剤としての洗浄効果がうまく発現されないこととなる。また、HLB値が15.6を越えると逆に親水性が高くなりすぎ、塗膜からのリン酸エステルのブリードアウトがはやくなるため、雨水による乳化流失が大きく耐久性が低下することとなり、好ましくない。
【0015】
リン酸エステルの含有量は、樹脂固形分100重量部に対して0.2〜10重量部とする。0.2重量部未満であれば、初期の耐汚染性を充分に発揮することができず、また、10重量部を越えて含有すると、塗膜の耐水性を大きく低下させることとなり、いずれも好ましくない。
【0016】
また、本発明におけるコロイダルシリカは、シリカゾルとも呼ばれ、負に帯電した無定形シリカ(二酸化ケイ素)が、分散媒である水の中にコロイド状に分散したコロイド懸濁液である。コロイド粒子の粒径については特に限定されないが、例えば10〜30nm程度のものを好適に使用することができる。
【0017】
コロイダルシリカの含有量は、前記リン酸エステル固形分100重量部に対して50〜200重量部とする。50重量部未満であれば、塗膜表面を覆うシリケート層が形成されにくく、また、200重量部を越えて含有しても、塗膜の耐水性をそれ以上大きく改善できず、かえってコストアップの原因となり好ましくない。
【0018】
本発明の塗料組成物を構成する合成樹脂としては、成膜するだけで塗膜を形成することのできるアクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等を使用することができる。また、イソシアネート基と反応性である水酸基を含む合成樹脂エマルションに水溶性ポリイソシアネートを含有してなるものや、エポキシ基を含む合成樹脂エマルションにポリアミンやポリアミドを含有してなる反応硬化型の2液タイプのものを使用することもできる。中でもアクリル系樹脂は、安価な割に耐候性や耐水性が良いという点で、特に好ましい。
【0019】
また、前記合成樹脂は、コロイダルシリカを分散させる必要性から、水を溶媒とした水系の合成樹脂エマルションとして調製する必要がある。また、コロイダルシリカの分散性を考慮すれば、該合成樹脂エマルションは、pHが8〜9であることが好ましい。pHが8〜9であれば、前記コロイダルシリカの分散状態が良好となり、塗料組成物中にコロイダルシリカを安定的に存在させることが可能となる。そして、このように安定的に存在したコロイダルシリカが塗膜中に均一に分散することとなり、塗膜全体の低汚染性がより均質なものとなる。
【0020】
本発明に係る水系塗料組成物によると、リン酸エステルの界面活性効果により塗膜表面が洗浄される。即ち、塗膜表面に付着した汚染物質の表面に、通常数mmの厚みに施工された塗膜中から徐々に溶出したリン酸エステルが吸着し、乳化作用により雨水等とともに該汚染物質を流し去る。そして、このようにして流出したリン酸エステルを補うように、塗膜中に残存するリン酸エステルが順次溶出することにより、初期の低汚染化を持続させることができる。
【0021】
一方、コロイダルシリカは、それ自体が数十nmの無定形シリカ粒子が水中に分散してコロイドを形成したものであり、これを塗料組成物とともに塗布して乾燥させると、該無定形シリカ粒子のシラノール基が塗膜表面を親水性にし、これによって塗膜の低汚染化が図られることとなる。
よって、本発明において使用するコロイダルシリカは、従来技術において使用されていたオルガノシリケートのように、化学反応を経て初めて塗膜に低汚染性を付与するものではなく、塗料を乾燥させるだけで塗膜に低汚染性を付与するものであるため、安定的に且つ施工後直ちに優れた低汚染化作用を備えたものとなる。
【0022】
尚、本発明に係る水系塗料組成物は、必要に応じて増粘剤、消泡剤、粘性調整剤、成膜助剤、親水性助剤などの添加剤、その他紫外線吸収剤、光安定化剤等を適宜添加することも可能である。また、天然石粉砕物、人工石粉砕物等の骨材を添加することにより、塗材として使用することもできる。
【0023】
【実施例】
(試験例1)
試験例1として、リン酸エステルのHLB値を変化させた場合の汚染防止効果に及ぼす影響を確認した。
【0024】
試験体の作製
まず、下記表1に示す配合よりなる実施例1〜6および比較例1〜3の水系塗料組成物用の添加剤を調製した。
【表1】
【0025】
次いで、上記の添加剤(コロイダルシリカ+リン酸エステル)を下記表2に示す塗材原料とともに混合し、実施例および比較例の塗材を調製した。そして、該塗材をJIS A 5430に準ずる4mm厚のスレート板を基材としてその上に2.5kg/m2となるようにアプリケーターで塗布し、20℃で7日間養生したものを試験体とした。
尚、表2中のXの値としては、表1に示した樹脂固形分100重量部に対するリン酸エステルとコロイダルシリカの合計量を、樹脂固形分(即ち、18重量部×0.5)に対する量として換算した添加量を示す。
【0026】
【表2】
【0027】
尚、樹脂エマルション、リン酸エステル、コロイダルシリカとしては、それぞれ以下のものを使用した。
材料
樹脂:アクリル系合成樹脂エマルション、大日本インキ化学工業(株)製、ボンコート930、固形分50%、
リン酸エステル:ホ゜リオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル、第一工業製薬(株)製、
プライサーフAL、 HLB値:5.6
プライサーフA207H、HLB値:7.1
プライサーフA208F、HLB値:8.7
プライサーフA212C、HLB値:9.4
プライサーフA212E、HLB値:10.3
プライサーフA219B、HLB値:16.2
コロイダルシリカ:日産化学(株)製、スノーテックス
【0028】
ただし、比較例2および3のリン酸エステルについては、HLB値が5.0および18.0のアルキルエチレングリコールにオキシ塩化リンを反応させて得られたリン酸エステルを使用した。
【0029】
油煙汚染試験
主に油煙発生装置と試料回転装置とからなる試験機の内部を70℃に保ち、該試験機に油煙を循環させつつ試験体を60分間回転暴露させる。暴露後、1%アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液で洗浄し、余分の油煙を完全除去した後、測色色差計(日本電色工業(株)製、ZE2000)でY値を測定し、次式により汚染回復率を求めた。
汚染回復率(%)=(汚染後の拡散反射率Y1/汚染前の拡散反射率Y0)×100
【0030】
暴露試験
45度に傾斜させた暴露台に各試験体を載置し、これを屋外に設置して730日暴露試験を行った。そして、暴露試験後の試験体と暴露させずに保管しておいた試験体とを目視によって対比し、両者の色合いの違いをグレースケールによる値(0〜5.0)を用いて評価した。
【0031】
表1によると、HLB値が5.6〜16.2である実施例1〜6の水系塗料組成物では、油煙汚染に対する汚染回復率と、暴露テストに対するグレースケール値のいずれにおいても良好な試験結果が得られていることがわかる。特に、HLB値が7〜11の範囲である実施例2〜5によれば、双方の試験結果で非常に優れた耐汚染効果が得られていることがわかる。
【0032】
(試験例2)
次に、試験例2として、水系塗料組成物中においてリン酸エステルに対するコロイダルシリカの添加量を一定に保ちつつ、樹脂固形分に対するリン酸エステルの配合量を変化させた場合の汚染防止効果を確認した。具体的には、下記表3に示す配合の実施例および比較例の添加剤をそれぞれ調製し、前記試験例1と同様にして塗材として塗布して試験体を作製した。そして、該試験体を用いて前記と同様の油煙汚染テストおよび暴露テストを行った。結果を表2に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
表3に示したように、リン酸エステルの添加量が樹脂固形分に対して0.2〜10重量%である実施例7〜11では、油煙汚染に対する汚染回復率、および暴露テストに対するグレースケール値のいずれにおいても良好な結果が得られていることがわかる。
【0035】
(試験例3)
アルキルリン酸エステルに対するコロイダルシリカの添加量を変化させ、汚染防止効果を確認した。具体的には、下記表4に示す配合の実施例および比較例の水系塗料組成物を調製し、前記試験例1と同様にして試験体を作製した。そして、該試験体を用いて前記油煙汚染テストおよび暴露テストを行った。結果を併せて表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】
表4に示したように、コロイダルシリカの添加量をリン酸エステルの50〜200重量%とした実施例12〜16では、いずれも油煙汚染に対する汚染回復率、および暴露テストに対する耐汚染性について良好な結果が得られていることがわかる。
【0038】
(試験例4)
アルキルリン酸エステルの代わりにスルホン酸塩系、およびカルボン酸塩系のエステルを用い、表5に示した配合の試験体を作製し、該試験体を用いて前記油煙汚染テストおよび暴露テストを行った。結果を表5に示す。
【0039】
【表5】
【0040】
表5に示したように、HLB値が同程度のエステルを用いた場合であっても、カルボン酸エステルやスルホン酸エステルを用いた比較例8〜10では耐汚染性や暴露試験結果が劣っていることがわかる。これに対し、リン酸エステルを用いた本発明の実施例4〜6では汚染回復率、暴露試験結果ともに優れた結果が得られていることがわかる。
【0041】
(試験例5)
試験例5としては、顔料を配合した水性塗料組成物を用い、アルキルリン酸エステルおよびコロイダルシリカの有無による汚染防止効果に及ぼす影響を確認した。
【0042】
試験体の作製
まず、下記表6に示す配合よりなる実施例17および比較例11の水系塗料組成物を調製し、該水系塗料組成物をJIS A 5430に準ずる4mm厚のスレート板を基材として、その上に2.5kg/m2となるようにアプリケーターで塗布し、20℃で7日間養生したものを試験体とした。
【0043】
斯かる実施例および比較例の試験体について、上記と同様の油煙汚染試験および暴露試験を行った。結果を併せて表6に示す。
【0044】
【表6】
【0045】
表6によると、耐汚染性については実施例および比較例の双方で良好な結果が得られているが、暴露試験結果についてはアルキルリン酸エステル及びコロイダルシリカの有無によって結果に大きな差が生じていることがわかる。即ち、これらを添加しない比較例9ではグレースケール値が2.5となって試験前後における色合いの差が大きくなっているのに対し、実施例16ではグレースケール値が4〜4.5という良好な結果が得られたことを示している。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る水系塗料組成物によれば、施工直後の早期の段階から安定的に低汚染化作用を発現させることができる。
また、安価なコロイダルシリカを用いることにより、このような低汚染化効果のある塗料を安価に提供することが可能となる。
Claims (3)
- 前記アルキルリン酸エステルのHLB値が7〜11であることを特徴とする請求項1記載の水系塗料組成物。
- 前記アルキルリン酸エステルが、アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1又は2記載の水系塗料組成物。
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