JP2004074058A - 湿式排煙脱硫装置と方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】攪拌機を用いずに酸化用空気を微細化し、排ガス中の酸性ガスを吸収したアルカリ吸収液中の亜硫酸塩の酸化性能が高く、かつ低コストな湿式排煙脱硫装置と方法を提供すること。
【解決手段】吸収塔本体1内の循環タンク液面より高い位置に設けた液回収部14により、吸収塔内で噴霧され排ガス中の酸性ガスを吸収したアルカリ吸収液を回収して、該吸収回収液を、回収液供給管16および循環タンク6内の吸収液中に酸化空気を供給する酸化空気供給管8に接続した二流体ノズル17から循環タンク6の吸収液中に分散させる。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電用ボイラなどの燃焼装置から排出される排ガス中の二酸化硫黄(SO)を除去する湿式排煙脱硫装置に係わり、特に、酸化空気の供給方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術のスプレ方式を採用した湿式排煙脱硫装置の公知例として、脱硫装置を構成する吸収塔の概略側面図を図12に示す。この湿式排煙脱硫装置は、主に吸収塔本体1、入口ダクト2、出口ダクト3、吸収液循環ポンプ4、循環タンク6、攪拌機7、空気供給管8、ミストエリミネータ9、吸収液抜出し管10、循環配管11、スプレヘッダー12、スプレノズル13等から構成される。
【0003】
ボイラから排出される排ガスは、入口ダクト2から吸収塔本体1に導入され、塔頂部に設けられた出口ダクト3から排出される。吸収液循環ポンプ4から送られる炭酸カルシウムを含んだ吸収液5がスプレノズル13から噴射されており、吸収液5と排ガスの気液接触が行われる。このとき吸収液5は排ガス中のSOを吸収し、亜硫酸(Ca(HSO)を生成する。循環タンク6に落下した吸収液5は、タンク内を下降し、循環ポンプ4に吸込まれて再びスプレノズル13から噴射される。
【0004】
この間に、空気供給管8から供給される空気15中の酸素により吸収液中のCa(HSO が酸化され、硫酸カルシウム(石膏)が生成される。空気15は酸化用攪拌機7の背後から供給されているため、攪拌機翼の回転により微細化されている。このため、気液接触面積が増加し、酸化効率を向上させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、酸化空気の供給量を増加させる場合、酸化用攪拌機7の台数も増加させねばならない。これは、攪拌機1台あたりに供給可能な酸化空気量は限度があるためである。また、攪拌機7に限度以上の空気を供給すると、攪拌機7による空気の微細化が行われない。
【0006】
本発明の課題は、攪拌機を用いずに酸化用空気を微細化し、排ガス中の酸性ガスを吸収したアルカリ吸収液中の亜硫酸塩の酸化性能が高く、かつ低コストな湿式排煙脱硫装置と方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
下記(1)、(2)に記載した本発明では、空気を微細化する図12に示す従来技術の酸化用攪拌機7に代わる空気供給方法を提案する。吸収塔内を落下する吸収液を循環タンク液面より高位置で回収し、回収した液を二流体ノズルを介して循環タンクに流し込む。このとき、同時に酸化空気を二流体ノズルに供給することにより、微細化された気泡を循環タンクに供給することができ、低コストで排ガス中の酸性ガスを吸収したアルカリ吸収液中の亜硫酸塩の酸化性能を高くすることができる。
【0008】
本発明は次の構成から成る(1)湿式排煙脱硫装置と(2)湿式排煙脱硫方法からなる。
(1)ボイラなどの燃焼装置から排出される排ガスを入口ダクトから導入し、出口ダクトから排出する排ガス流路を有し、循環タンクから抜き出した吸収液をガス吸収部で噴霧して排ガスと気液接触させることにより、排ガス中の硫黄酸化物を処理する吸収塔と、該吸収塔から落下する吸収液を貯留する循環タンクを備えた湿式排煙脱硫装置において、吸収塔内で排ガスと気液接触させた後の吸収液と酸化空気を混合しながら循環タンクに供給するための一以上の二流体ノズルを循環タンクに設けた湿式排煙脱硫装置である。
【0009】
前記吸収塔内の循環タンク液面より高い位置に液回収部を設け、該液回収部からの回収液を循環タンクの吸収液中に供給する回収液供給管および酸化空気を循環タンク内の吸収液中に供給する酸化空気供給管を二流体ノズルに接続した構成としても良い。
【0010】
また、一以上の二流体ノズルを循環タンク底部または対向する側壁に配置する構成、又は上記一以上の二流体ノズルの二流体吹き出し方向が水平方向又は略水平方向又は水平方向より下向けになるように配置する構成により、二流体ノズルから吐出する気泡を循環タンク内に均一に分散させ又は循環タンク底面に石膏が堆積することを防止するようにしても良い。
【0011】
また、前記一以上の二流体ノズルの吐出口には気液混合流体が旋回流となって吸収液中に吐出するように、ベーンを設け、酸化空気の微細化を促進させ、吸収液の酸化効率を高めるようにしても良い。
【0012】
また、前記液回収部は、吸収塔内で排ガスと気液接触させた後の吸収液の全てを回収するために吸収塔の下部の水平方向又は略水平方向断面全域に設けた構成にしても良い。
【0013】
さらに、前記液回収部からの回収液を一以上の二流体ノズルに供給する回収液供給管には液循環用のポンプを配置しても良い。
【0014】
前記回収液供給管および酸化空気供給管内の固形物を循環タンク内に吐出させるための吸収液もしくは空気を供給するブローオフポンプを前記供給管に接続した配管系に設けても良い。
【0015】
(2) ボイラなどの燃焼装置から排出される排ガスを入口ダクトから導入し、出口ダクトから排出する排ガス流路を有し、循環タンクから抜き出した吸収液をガス吸収部で噴霧して排ガスと気液接触させることにより、排ガス中の硫黄酸化物を処理する吸収塔と該吸収塔で噴霧された吸収液を貯留する循環タンクを用いる湿式排煙脱硫方法において、吸収塔内で排ガスと気液接触した後の吸収液を酸化空気と共に一以上の二流体ノズルにより混合しながら酸化空気を微細化して循環タンク内の吸収液中に供給する湿式排煙脱硫方法である。
【0016】
前記吸収塔内の循環タンク液面より高い位置に設けた液回収部からの回収液を一以上の二流体ノズルに供給する方法を採用してもよい。
【0017】
また、一以上の二流体ノズルから吐出する気泡を循環タンク内に均一に分散させるようにする。
【0018】
さらに、一以上の二流体ノズルにより吐出される気液混合流体を循環タンク底面で又は側面から水平方向、略水平方向又は底面に向けて斜め下方向に噴射する。
【0019】
一以上の二流体ノズルにより気液混合流体を旋回させながら吸収液中に吐出させることで酸化空気を微細化して吸収液中に分散させて吸収液の酸化効率を高めることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は本発明による実施例の脱硫装置を構成する吸収塔の概略側面図を示す。この湿式排煙脱硫装置は、主に吸収塔本体1、入口ダクト2、出口ダクト3、吸収液循環ポンプ4、循環タンク6、空気供給管8、ミストエリミネータ9、吸収液抜出し管10、循環配管11、スプレヘッダー12、スプレノズル13、液回収部14、液回収供給管16、二流体ノズル17等から構成される。
【0021】
ボイラ等の燃焼装置(図示せず)から排出される排ガスは、入口ダクト2から吸収塔本体1に導入され、塔頂部に設けられた出口ダクト3から排出される。吸収液循環ポンプ4から送られる炭酸カルシウムを含んだ吸収液5がスプレノズル13から噴射されており、吸収液5と排ガスの気液接触が行われる。このとき吸収液5は排ガス中のSOを吸収し、亜硫酸(Ca(HSO)を生成する。循環タンク6に落下した吸収液5は、循環タンク6内を下降し、循環ポンプ4に吸込まれて再びスプレノズル13から噴射される。
【0022】
本実施の形態の特徴点は、吸収塔本体1の吸収塔側壁に液回収部14を設け、循環タンク6の底壁に設けた二流体ノズル17に液回収部14で回収した液を供給する、このとき循環タンク6の底壁には空気供給管8も設け、該空気供給管8から供給される酸化空気は前記液回収部14で回収した液と共に二流体ノズル17へと流れ込み、二流体ノズル17から循環タンク6内に供給される。
【0023】
図1に示す実施例において、スプレノズル13から噴射された吸収液5は、吸収塔内で排ガス中のSOを吸収する。吸収されたSO は、吸収液内のCaCOと反応し、亜硫酸(Ca(HSO)となる。吸収液は循環タンク6と液回収部14に落下する。循環タンク6の液面に落下した吸収液はタンク内を下降し、循環ポンプ4に吸込まれるまでの間の吸収液中で空気供給管8から供給される酸化空気15により酸化され、硫酸カルシウムとなる。
【0024】
したがって、循環タンク6内でいかに効率良くCa(HSOを酸化するかが重要となる。図12に示した従来技術では、空気供給管8の前方に攪拌機7のインペラが配置され、インペラの回転により、酸化空気15が微細化された気泡となる。空気の微細化により、吸収液と気泡の接触面積が増大し、酸化効率を向上させていた。しかしながら、高SO濃度排ガスを処理する場合など、吸収液中のCa(HSO量が増加し、それに伴って供給する空気量も増加する。攪拌機7の1台あたりに供給可能な酸化空気量には限度があるため、攪拌機7の設置台数も多くしなければならなかった。
【0025】
一方、図1に示す本発明の実施例では、図12に示すような酸化空気微細化用の攪拌機7は設置されていない。液回収部14に落下した吸収液は液回収供給管16を通り、二流体ノズル17へと流れ込む。このとき、循環タンク6の液面から該液回収部までの高さ分の圧力が二流体ノズル17へ流れ込む液にかかるため、高圧の回収液が多量に二流体ノズル17に流れ込む。
【0026】
一方、二流体ノズル17には、酸化空気供給管8から空気が供給されている。二流体ノズル17の内部は、図2に示す断面構造となっており、高圧の回収液と空気は混合され、微細気泡が該ノズル17の先端から放出される。ただし、二流体ノズル17の構造は必ずしも図2に示す構造である必要はなく、液と酸化用空気が混合される構造であればいかなる構造でもよい。
【0027】
以上述べたごとく、従来の酸化用攪拌機7の代わりに、吸収塔本体1の側壁に液回収部14を設置し、また循環タンク6の壁面(底壁に限らない)に二流体ノズル17を設置するのみで循環タンク6の吸収液内に供給される空気は微細化された気泡となり、気液接触を高めることによりCa(HSOを効率良く酸化できる。
【0028】
図1に示すように、循環タンク6に落下する吸収液を回収し、循環タンク6に回収した液を流入させる配管内に酸化空気を供給することは、特開平8−257347号公報記載の発明などで提案されているが、本発明は二流体ノズル17を用いて空気を微細化している点でこれらの従来の発明とは異なる。
【0029】
吸収液を循環タンク6へと流し込む配管内に酸化用空気を供給するのみでは、気泡は均一に微細化されず、酸化効率が悪い。また、従来技術において、図13に示すように循環タンク6の底部に設置した空気供給管8に供給孔21を設けて空気15を吸収液中に供給する場合もあるが、微細化された気泡は得がたい。本発明のように、二流体ノズル17を用いることにより、積極的に酸化空気を微細化させねばならない。
【0030】
本発明では、液回収部14で回収した液は二流体ノズル17から酸化空気15と共に噴射されている。液回収部14で回収した液は、SOを吸収した直後の液であり、Ca(HSO濃度が高い。液回収部14で回収された液は、二流体ノズル17により微細化された酸化空気と混合されつつ吸収液中に噴射される。高Ca(HSO濃度の吸収液と酸化空気が効率良く接触するため、酸化効率が良い。
【0031】
また、二流体ノズル17は循環タンク6底面全体に配置してある。これらの二流体ノズル17から酸化空気15が供給されるため、循環タンク6の内部には均一に酸化空気が供給される。ただし、循環ポンプ4に吸い込まれる液中に空気気泡が多く含まれる場合、循環液量の低下およびポンプ破損を防ぐために、該循環ポンプ4の付近に二流体ノズル17を配置しないようにする場合もある。
【0032】
図12に示した従来技術では、酸化用攪拌機7は、循環タンク6の側壁に設置しなければならない。このため、供給される酸化空気も循環タンク6の側壁近傍から供給されることとなり、循環タンク6の全体に均一に分散させることは難しい。
【0033】
さらに、本発明において、二流体ノズル17に供給された空気(微細気泡)は、二流体ノズル17から噴射された直後から循環タンク6の内部を上昇する。気泡の上昇に伴って、液流れも上昇流となる。一方、循環タンク6の液面には常にスプレ13から噴射された吸収液が落下している。循環タンク6の液面に落下した吸収液は、循環タンク6の内部を下降する。この下降流と二流体ノズル17から噴出した気泡による上昇流が循環タンク6の吸収液内で衝突し、液混合および気液接触を促進する。このため、酸化効率がさらに良くなる。
【0034】
図3は、図12に示す従来技術と本発明を適用した循環タンク6内での吸収液の酸化性能を比較した図である。図12に示す従来技術を適用した循環タンク6の酸化速度および空気量を1としたときの、本発明を適用した場合のそれぞれの値を示してある。供給する酸化空気量とタンク液面に落下する吸収液中の亜硫酸濃度を一定とし、本発明を適用した循環タンク6では落下する吸収液の一部を二流体ノズル17に供給した。図3より同一空気量を供給しても、従来技術と比較して本発明を適用した循環タンク6の方が、約1.2倍酸化速度が向上していることがわかる。
【0035】
図4に示す実施例は、吸収塔本体1のスプレノズルから噴射された吸収液を塔本体1の下部で一旦溜め、回収液供給管16により吸収液の全てを二流体ノズル17に供給している点で図1に示した実施例と異なる。一般に、二流体ノズル17は、気体を微細化するために供給される液量が多くなると、気泡の微細化が促進される。循環タンク6に落下する吸収液の全てを二流体ノズル17に供給することにより、図1に示した実施例よりも空気を微細化し、酸化速度を向上させることが可能である。スプレノズル13から噴射された吸収液5は、吸収塔本体1の下部で回収液供給管16に回収され、該回収液供給管16を通って循環タンク6に流れ込む。このとき、二流体ノズル17により微細気泡が供給される。二流体ノズル17から循環タンク6に流れ込む吸収液はタンク内を下降する。一方、二流体ノズル17に同時に供給される微細気泡は、前記下降流に伴って、一旦循環タンク6内を下降した後に上昇し始める。循環タンク6の底面付近には気泡が少なくなり、循環ポンプ4に吸い込まれる気泡も減少する。このため、気泡混入によるポンプ4の循環流量減少を防止することも可能となる。
【0036】
図5に示す実施例は、循環タンク6の径が小さい場合、循環タンク6の側面に二流体ノズル17を設置し、該タンク6の側面より酸化空気を供給している点で図1〜4に示した実施例と異なる。循環タンク6の径が小さい場合、タンク側壁に二流体ノズル17を設置しても、該ノズル17からの吐出流によりタンク6内に均一に気泡を分散させることが可能である。
【0037】
図6に示す実施例は、二流体ノズル17を循環タンク6の底部に水平方向に設置した点で図1〜5に示した実施例と異なる。循環タンク6の底部に二流体ノズル17を配置し、該ノズル17の長手方向を水平方向に向けることにより、該ノズル17から水平方向に噴射される吐出流により、循環タンク6の底部における石膏の堆積を防止することが可能である。
【0038】
また、図7に示すように、循環タンク6側面に設置した二流体ノズル17を下方に向け、該ノズル17からの吐出流を循環タンク16の底部に向けて噴射することにより同様の効果を得ることが可能である。
【0039】
図8に示す実施例は、液回収部14から二流体ノズル17へと液を供給する配管16に供給ポンプ18を設置した点において図1〜6に示した実施例と異なる。二流体ノズル17に供給される液は高圧でなければならない。液回収部14と循環タンク6の液面との高さの差分の圧力が、二流体ノズル17に供給される液の圧力となる。吸収塔が低く、該液回収部14を吸収塔の高位置に設置できない場合、二流体ノズル17へ液回収部14から回収液を供給する配管16に供給ポンプ18を設置し、必要な圧力を得ることができる。
【0040】
図9に示す実施例は、液回収部14から二流体ノズル17へ回収液を供給する配管16にブローオフポンプ19を設置した点において図1〜8に示した実施例と異なる。循環タンク6内の吸収液5中の石膏濃度が高く、点検時など装置を停止する場合には、ノズル17内に石膏が堆積することがある。再び装置を起動するとき、前記堆積した石膏によりノズル17が閉塞し、酸化空気が供給できないことになる。
【0041】
図9に示した実施例においては、ブローオフポンプ19を循環タンク6の側壁から配管16および空気供給管8に吸収液を供給する吸収液供給配管22に設置することにより、装置起動時において酸化空気供給管8および回収液供給管16に吸収液を送り込み、これらの配管8、16内に堆積した石膏等の固形物を取り除くことが可能となる。図9には、ブローオフポンプにより吸収液を供給する例を示したが、図示していない酸化空気供給ブロアを利用しても同様の効果が得られる。装置起動時に、酸化空気供給ブロアにより、酸化空気供給管8および回収液供給管16に酸化空気15を供給し、二流体ノズル17内に堆積した石膏を取り除くことが可能である。
【0042】
図10に示す実施例は、液を供給する必要のない二流体ノズル17を用いた点において図1〜9に示した実施例と異なる。図10に示した実施例において、二流体ノズル17に供給された酸化空気15が二流体ノズル17内部において上昇する時、その上昇流に周囲の吸収液が吸込まれて二流体ノズル17内で空気と混合され、空気15は微細化される。酸化空気15を供給するのみで空気の微細化が可能な二流体ノズル17を設置することにより、回収液を供給する必要がない。また、図10に示す装置起動時のブローオフポンプ19およびその配管は必要無く、図示していない酸化空気供給ブロアにより供給された酸化空気15および酸化空気15によって吸込まれた吸収液の流動により二流体ノズル17内に堆積した石膏を取り除くことが可能となる。
【0043】
図11に示す実施例は、二流体ノズル17の吐出口にベーン20を設け、吐出する気液混合液の流れを旋回流とする点において図1〜10に示した実施例と異なる。ノズル17の吐出口にベーン20を設けることにより、吐出する気液混合流が旋回流となり、その旋回流中において、気泡は循環タンク6内へ分散しつつ微細化される。このため、酸化効率をさらに向上させることが可能となる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、酸化用攪拌機台数を減少、または省略でき、かつ、循環タンク内に均一に微細な酸化空気の気泡を供給することができる。さらに、高亜硫酸濃度の液と酸化空気の気泡を効率良く混合させることにより、亜硫酸の酸化性能を向上させることが可能となる。従来技術よりも、設備およびランニングコストが低く、かつ高性能な湿式排煙脱硫装置と方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる実施の形態の吸収塔側壁に液回収部を設け、二流体ノズルに回収した液および酸化空気を供給し、空気を微細化している吸収塔側面図である。
【図2】図1の二流体ノズルの断面図である。
【図3】従来技術と図1に示す実施の形態の吸収塔において、亜硫酸の酸化速度を比較した図である。
【図4】本発明になる実施の形態の吸収液を塔本体下部で一旦溜め、回収液供給管により吸収液の全てを二流体ノズルに供給している吸収塔の図である。
【図5】本発明になる実施の形態の循環タンク径が小さい吸収塔を表しており、タンク側面に二流体ノズルが設置してある。
【図6】本発明になる実施の形態の二流体ノズルを循環タンク底部に水平方向に設置した吸収塔の図である。
【図7】本発明になる実施の形態の循環タンク側面に設置した二流体ノズルをタンク底部に向けてある吸収塔の図である。
【図8】本発明になる実施の形態の液回収部から二流体ノズルへと液を供給する配管にポンプを設置した吸収塔の図である。
【図9】本発明になる実施の形態の液回収部から二流体ノズルへと液を供給する配管にブローオフポンプを設置した吸収塔の図である。
【図10】本発明になる実施の形態の、液を供給する必要のない二流体ノズルを示した図である。
【図11】本発明になる実施の形態の、吐出口にベーンを設けた二流体ノズルを示した図である。
【図12】従来技術による吸収塔を表した図である。
【図13】従来技術による吸収塔を表した図である。
【符号の説明】
1 吸収塔本体      2 入口ダクト
3 出口ダクト      4 吸収液循環ポンプ
5 吸収液        6 循環タンク
7 攪拌機        8 空気供給管
9 ミストエリミネータ  10 吸収液抜出し管
11 循環配管      12 スプレヘッダー
13 スプレノズル    14 液回収部
15 酸化空気気泡    16 回収液供給管
17 二流体ノズル    18 回収液供給ポンプ
19 ブローオフポンプ  20 ベーン
21 空気供給孔     22 吸収液供給配管

Claims (15)

  1. ボイラなどの燃焼装置から排出される排ガスを入口ダクトから導入し、出口ダクトから排出する排ガス流路を有し、循環タンクから抜き出した吸収液をガス吸収部で噴霧して排ガスと気液接触させることにより、排ガス中の硫黄酸化物を処理する吸収塔と、該吸収塔から落下する吸収液を貯留する循環タンクを備えた湿式排煙脱硫装置において、
    吸収塔内で排ガスと気液接触させた後の吸収液と酸化空気を混合しながら循環タンクに供給するための一以上の二流体ノズルを循環タンクに設けたことを特徴とする湿式排煙脱硫装置。
  2. 吸収塔内の循環タンク液面より高い位置に液回収部を設け、該液回収部からの回収液を循環タンクの吸収液中に供給する回収液供給管および酸化空気を循環タンク内の吸収液中に供給する酸化空気供給管を二流体ノズルに接続したことを特徴とする請求項1記載の湿式排煙脱硫装置。
  3. 一以上の二流体ノズルを循環タンク底部または対向する側壁に配置したことを特徴とする請求項1または2記載の湿式排煙脱硫装置。
  4. 一以上の二流体ノズルの二流体吹き出し方向が水平方向又は略水平方向又は水平方向より下向けに配置したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の湿式排煙脱硫装置。
  5. 一以上の二流体ノズルの吐出口には気液混合流体が旋回流となるようなベーンを設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の湿式排煙脱硫装置。
  6. 液回収部は、吸収塔内で排ガスと気液接触させた後の吸収液の全てを回収するために吸収塔の下部の水平方向又は略水平方向断面全域に設けられたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の湿式排煙脱硫装置。
  7. 液回収部からの回収液を一以上の二流体ノズルに供給する回収液供給管には液循環用のポンプを配置したことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の湿式排煙脱硫装置。
  8. 回収液供給管および酸化空気供給管内の固形物を循環タンク内に吐出させるための吸収液もしくは空気を供給するブローオフポンプを前記供給管に接続した配管系に設けたことを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の湿式排煙脱硫装置。
  9. ボイラなどの燃焼装置から排出される排ガスを入口ダクトから導入し、出口ダクトから排出する排ガス流路を有し、循環タンクから抜き出した吸収液をガス吸収部で噴霧して排ガスと気液接触させることにより、排ガス中の硫黄酸化物を処理する吸収塔と該吸収塔で噴霧された吸収液を貯留する循環タンクを用いる湿式排煙脱硫方法において、
    吸収塔内で排ガスと気液接触した後の吸収液を酸化空気と共に一以上の二流体ノズルにより混合しながら酸化空気を微細化して循環タンク内の吸収液中に供給することを特徴とする湿式排煙脱硫方法。
  10. 吸収塔内の循環タンク液面より高い位置に設けた液回収部からの回収液を一以上の二流体ノズルに供給することを特徴とする請求項9記載の湿式排煙脱硫方法。
  11. 一以上の二流体ノズルに吐出する気泡を循環タンク内に均一に分散させることを特徴とする請求項9又は10記載の湿式排煙脱硫方法。
  12. 一以上の二流体ノズルにより吐出される気液混合流体を循環タンク底面で又は側面から水平方向、略水平方向又は底面に向けて斜め下方向に噴射することを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の湿式排煙脱硫方法。
  13. 一以上の二流体ノズルにより気液混合流体を旋回させながら吸収液中に吐出させることを特徴とする請求項9ないし12のいずれかに記載の湿式排煙脱硫方法。
  14. 吸収塔内を落下する吸収液の全てを液回収部で回収した後、該回収した液を一以上の二流体ノズルに供給することを特徴とする請求項9ないし13のいずれかに記載の湿式排煙脱硫方法。
  15. 起動時に吸収塔内で排ガスと気液接触した後の吸収液と酸化空気の気液混合流体中の固形物を吸収液又は空気により一以上の二流体ノズルから循環タンク内に吐出させることを特徴とする請求項9ないし14のいずれかに記載の湿式排煙脱硫方法。
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