JP2004071151A - 光ディスク装置 - Google Patents

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Kazuhiko Nakane
中根 和彦
Hiroyuki Ohata
大畑 博行
Masahito Nagasawa
長沢 雅人
Kenji Goshima
五嶋 賢治
Sadanobu Ishida
石田 禎宣
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Abstract

【課題】 溝部の記録トラックと溝間部の記録トラックを交互に接続し1本の記録スパイラルを形成するようにした光ディスクにおいて、セクタ同期を確実に確保できる光ディスク装置を得る。
【解決手段】 識別信号の一部を溝部の中心から半径方向の一方の向きに一定量変位して配置し、識別信号の他の一部を溝部の中心から半径方向で逆の向きに同量変位して配置した光ディスクのトラッキングエラー信号の波形からセクタ識別信号のタイミングを検出し、該タイミングに基づいてセクタ同期を確保するようにした。
【選択図】    図4

Description

 この発明は、案内溝によって形成された凹部の記録トラックと案内溝の間に形成された凸部の記録トラックの両方に信号を記録するようにした光ディスク装置に関するものである。
 大容量の書換可能型光ディスク媒体の記録方式として記録密度向上のために案内溝の溝部(グルーブ:G、ともいう)と溝間部(ランド:L、ともいう)の両方にデータを記録するいわゆるランド/グルーブ記録方式が提案されている。同一のグルーブピッチのディスクで、記録トラックピッチを半減できるために高密度化への効果が大きい。溝部と溝間部は、その形状から、それぞれ凹部と凸部という呼び方をすることもある。
 従来のランド/グルーブ記録光ディスクとしては、例えば、図13に示したような特開昭63−57859号公報に記載されたものがある。図13にあるように、ディスク基板上に刻まれた案内溝により、グルーブ部94とランド部95が形成され、その上に記録膜91が形成されている。記録ピット92はグルーブ部94とランド部95の両方の記録膜上に記録される。ディスク上でグルーブ部94とランド部95は、それぞれ連続した記録トラックを成している。この記録媒体を記録再生する光ディスク装置の集光スポット93はどちらかの記録トラック上を走査しながら情報を記録/再生する。従来のランド/グルーブ記録フォーマットでは、案内溝がディスク上で連続していたので、グルーブ部94もランド部95も記録トラックが連なって、それぞれが連続した1本づつの記録スパイラルを成している。
 次に、シングルスパイラル・ランド/グルーブフォーマットについて説明する。図14は、ディスク1周に相当する溝部の記録トラック(以降、グルーブトラックとも記す。)とこの溝部の間に設けるやはりディスク1周に相当する溝間部の記録トラック(以降、ランドトラックとも記す。)を交互に接続し1本の記録スパイラルを形成するようにしたフォーマットを有する光ディスクの構成を示す図である。図14に示すような溝部の記録トラックと前記溝間部の記録トラックを交互に接続し1本の記録スパイラルを形成するようにしたフォーマットを有する光ディスクとしては、例えば特開平4−38633号公報や特開平6−274896号公報に記載されたものがある。このような光ディスクのフォーマットを、ここではシングルスパイラル・ランド/グルーブフォーマット、あるいは、SS−L/Gフォーマットと呼ぶことにする。
 SS−L/Gフォーマットのディスクは、記録トラックがディスク上で連続しているため、データの連続的な記録再生に適する、という大きな特長を持っている。たとえば、ビデオファイル用途では、データの連続記録再生が必須である。ところが、図13に示したような従来のランド/グルーブ記録では、ランドトラックとグルーブトラックがそれぞれ1本の記録スパイラルを構成しているので、例えばランドトラックからグルーブトラックへ引き続き記録再生を行う際に、ディスク1面中に少なくとも1箇所いおいて、ランドトラックとグルーブトラックとの間をつなぐアクセスにより連続記録再生が中断される。このことは、グルーブトラックからランドトラックへ引き続き記録再生を行う際も同様である。このような記録再生の中断を避けるには、コストアップ要因であるバッファメモリの増設が必要になるが、シングルスパイラル・ランド/グルーブフォーマットにすればこれが不要になる。
 反面、SS−L/Gフォーマットではトラッキングサーボの極性をディスク1周に1回切り替えなければならず、この切替点の検出が困難なためトラッキングサーボをかけるのも困難であり、実用化が進んでいなかった。実際、前記の特開平4−38633号公報や特開平6−274896号公報においても、光ディスクをSS−L/Gフォーマットにする点については開示されているものの、具体的な切替点の検出方法までの開示はない。
 SS−L/Gフォーマットのディスクにトラッキングサーボをかけるには、溝部の記録トラックと溝間部の記録トラックを交互に接続している接続点を正確に検出して、そこでトラッキングサーボ極性を溝部の記録トラックをトラッキングするように設定するか、溝間部の記録トラックをトラッキングするように設定するかのサーボ極性を切替えることが必要である。溝部の記録トラックと溝間部の記録トラックを交互に接続している接続点の検出方法の一例は、特開平6−290465号公報と特開平7−57302号公報に開示されている。
 特開平6−290465号公報に示されているのは、溝部の記録トラックと溝間部の記録トラックの接続点に一定周波数の凹凸を設ける方法である。図15に同公報に記載された光ディスク記録媒体の構成を示す。ここでは、図15中のA1,A2,A3,B1,B2等に接続点がある。溝部と溝間部の各接続点の間は、溝部、あるいは、溝間部がそれぞれ連続しており、トラックアドレスなどの位置情報は、溝のウォブリングによるとしている。
 また、特開平7−57302号公報に示されているのは、溝部の記録トラックと溝間部の記録トラックの接続点に溝の存在しない平坦部や所定のビットパターンを設ける方法である。図16に同公報に記載された光ディスク記録媒体の構成を示す。(a)は接続点に平坦部を設ける例、(b)は所定のビットパターンを設ける例である。この従来例では、トラックアドレスなどの位置情報に関する開示はなく、溝部と溝間部の各接続点の間は、溝部、あるいは、溝間部がそれぞれ連続していると考えられる。
 さて、記録トラックを複数の記録セクタで構成して、各記録セクタに固有の識別情報を付与するようなセクタフォーマット構成をとるディスクに接続点検出用のビットパターン情報を付加する場合を考える。溝のウォブリングにより識別情報を付与する方法では情報記録部の溝に断続部分が生じないので接続点の誤検出の問題は生じない。しかし、短いセクタ単位での記録再生がしにくいなど、セクタ記録の機能に制約を受ける。
 これに対して、従来のISO光磁気ディスクのように、アドレスなどを表すプリフォーマットされた識別情報とユーザデータを記録する情報記録部を記録トラック上に分離して配置するフォーマットを採る場合には、識別情報と溝部・溝間部の接続点とが同様の記録形態で表されていると誤検出する問題が生じる。これを避けるには、識別情報と溝部・溝間部の接続点検出用のビットパターンを確実に判別できるようにしておくことが必要になる。特開平7−57302に開示されている例では接続点以外に図16(b)に示すようなピット列の入る場所がないから誤検出の問題は生じない。しかし、プリフォーマットする識別情報を接続点検出用のビットパターンと同様なピット列パターンで記録トラック中に配置する場合、接続点を高い信頼性で検出するには、正確なビット同期をとってビット情報を再生することが必要になる。これは、接続点を一定周波数のパターンか所定のパターンかなどどう表すかによらず、ビットパターンに基づいて接続点を検出する場合に共通なことである。
 正確なビット同期をとってビット情報を再生するには安定したトラッキングが確立しているのが前提であり、つまり、溝部と溝間部の接続点が正確に検出されトラッキングが切替えられているのが前提であり、そのためには、正確なビット同期をとって、接続点検出用のビットパターンと識別情報を正確に弁別しながら再生することが必要になる、という循環論理に陥ってしまうことになる。このことは、従来開示されている技術だけでは、記録トラックが複数セクタで構成されていて、プリフォーマットした識別情報と情報記録部が分離配置されているフォーマットの光ディスクでは、シングルスパイラル・ランド/グルーブ記録フォーマットを実現するために必須となる溝部・溝間部の接続点の安定な検出が困難であることを示している。
 さてここで、従来のランド/グルーブ記録方式の光ディスクに提案されている識別信号プリピットの入れ方について述べる。シングルスパイラルでない従来のランド/グルーブ記録方式において、識別信号プリピットの入れ方には図17に示すような3通りが知られている。ランド/グルーブ独立アドレス方式とも呼ばれる図17(a)に示す方法では、ランドトラックのセクタとグルーブトラックのセクタにそれぞれ固有のセクタアドレスが付けられる。識別信号を表わすピット幅をグルーブ幅と同一にすると、隣接トラックのセクタの識別信号プリピットがつながってしまい、信号を検出することができなくなるので、識別信号のピット幅は、グルーブ幅より狭く、通常、グルーブ幅の半分程度とされる。
 ところがこの時、光ディスクの原盤作成工程においてプリピットをカッティングするビームとグルーブをカッティングするビームのビーム径を変えなければ、このように幅の異なるグルーブとプリピットを連続して形成することができない。したがって、グルーブカッティング用のビームとピットカッティング用のビームの2つのビームを用いて原盤のカッティングをおこなわなければならない。2本のビームの中心がずれると、識別信号プリピットの再生中と情報記録信号の記録/再生中とでトラッキングのオフセットが生じてしまい、再生データの品質を悪化させる。具体的にはトラッキングのずれにより誤り率が増加し、データの信頼性の低下を招く。このため2本のビームの位置合わせに高い精度が要求され、ディスク原盤作製工程におけるコストアップの要因となる。
 こうした事情を考慮すると、ディスク作製の精度、コスト面から見て、グルーブとピットを1本のビームでカッティングできる図17(b)、または、(c)に示す方式が望ましい。図17(b)、(c)には、グルーブ幅とプリピット幅を略等しくすることのできる識別信号プリピットの付加方法を示す。
 図17(b)は特開平6−176404号公報に記載されている従来の光ディスクであり、ランド/グルーブ共用アドレス方式とも呼ばれる。隣り合う1組のグルーブトラックとランドトラックの中心付近に識別信号のプリピットを配置し、両トラックで同一の識別信号プリピットを共用する方式である。
 また、図17(c)は特開平5−282705号公報に記載されている従来の光ディスクであり、時分割のL/G独立アドレス方式である。ランドトラック、グルーブトラックそれぞれに独立のアドレスを付加することとし、ただし、隣接するトラックで識別信号のプリピットが隣合わないように、トラックに平行な向きにそれぞれのプリピットの配置する位置をずらせたものである。
 識別信号や接続点検出用の情報を付加する方法を考える場合にもう一つ考慮しておくべき点は、欠陥に対する耐性である。識別信号や接続点検出用の情報を読みとってトラッキング極性を切替えるとき、媒体上のわずかな欠陥によって判定を誤り、溝部と溝間部を間違うことがあってはならない。媒体上の微細な傷、媒体膜に穴があき反射率の低下する欠陥ホール等の典型的な媒体欠陥に対して、接続点を誤検出しないことが重要である。
 さらに、識別信号や接続点検出用の情報を付加する方法を考える場合にに、それと関連してサーボ特性への配慮も求められる。
 SS−L/Gフォーマットにおいては、ランドとグルーブの両方に記録をおこなうためトラック密度が高い。このためトラッキングオフセットが大きくなると隣接トラックからのクロストークによる再生信号品質の劣化、例えばジッタの増加によるエラーレート増大が生じたり、記録中に隣接トラックの一部を消してしまうクロスイレーズといった問題が発生したりする。トラッキングオフセットの原因となる誤差は、光ヘッド系、ディスク上のトラック配置、サーボ回路系で複合して発生するので、ランドトラックとグルーブトラックにそれぞれ異なる大きさで発生するのが一般的である。
 クロストークやクロスイレーズを回避するには、ランドとグルーブの各トラックに応じてそれぞれ異なる大きさのオフセット補償を施す必要がある。従来のランド/グルーブ方式、つまり、グルーブトラック、ランドトラックのみでそれぞれ各1本の記録スパイラルを構成する方式においては、各トラックを連続してトラッキングしている最中に、ランド/グルーブ各トラックに応じたオフセット補償をある程度時間をかけておこない、調整後はその補償量を保持しておくことができたので、オフセット補償を容易におこなうことができた。
 ところが、SS−L/Gフォーマットのディスクではランドトラックとグルーブトラック間のトラッキング極性の切り替えをディスク1回転につき1回という高い頻度でおこなわなければならないので、トラッキングオフセット補償を短時間に正確におこなう必要性が出てくる。このように、SS−L/Gフォーマットにおいては、トラッキングオフセット補償に配慮した識別信号の付加方法が求められることになる。
 上に述べたランド/グルーブ記録への識別信号挿入方式の従来例にある方式では、SS−L/Gフォーマットのディスクに求められる、こうした媒体欠陥への対応やトラッキングオフセット補償に必要な特性を満たすことができなかった。
 たとえば、前記図17(b)に示したランド/グルーブ共用アドレス方式の場合、識別信号再生中には、ピットが片側だけにあるので、トラッキングオフセットが増加する一方である。また、図17(c)に示したようなL/G独立アドレス方式の場合、図17(b)の場合も同様であるが、トラッキングオフセットの検出が難しい。
 次に、光ディスクのドライブ動作に係わる点ついて述べる。溝部と溝間部の接続点の迅速・正確な検出は、光ディスクの駆動中にディスクの回転数が変化するような制御方式を適用した場合には、さらに困難になる。ところが主にデータの連続した記録再生が必須となるビデオ用途に考えている光ディスクでは、このような制御方式を適用することになる。その事情を説明する。
 書換形光ディスクにおいて再生専用型光ディスクとの互換を重視すると、記録媒体として、光学系を再生専用型光ディスクと共用化しやすい相変化媒体が適する。しかし、現在のところ実用化可能な記録再生性能を有する相変化媒体では、PWM記録した時に記録再生特性を満足できる記録線速度の対応範囲が狭い。具体的には、ディスク回転をCAV(Constant Angular Velocity)制御した場合、内周でのディスク回転数と外周でのディスク回転数が同一となり、記録線速度は外周で内周の2.5倍から3倍程度まで速くなる。このように広い記録線速度に対して、現行媒体では対応が困難である。
 ディスク回転をCAV制御した場合、内周で必要なデータレートを得られる回転数に固定すると、外周では信号処理回路系に内周の3倍近い高速処理が要求され、ローコストなハードウェアでの実現が難しいという問題が生じる。また、ビデオ用途を考えると、データレートを光ディスクの内外周で一定することが望ましい。
 そこでディジタルビデオ記録用途を考える書換形光ディスクでは、媒体特性と回路性能の2つの理由により、ZCLV(Zoned Constant Linear Velocity)、すなわち、光ディスクを径方向に複数のゾーンに分割し、ディスク回転数をゾーンによって切替え、全ゾーンで転送レート一定、線速度もほぼ一定とする方式が現実的である。
 ここで問題になるのは、ZCLVではゾーン境界通過時にディスク回転数切替えが必要であり、あるゾーンから別のゾーンに移った際にディスク回転数が新たに移ったゾーンの規定回転数に整定(安定)するまでの整定待ち時間が必要になることと、この間にセクタ間隔が変動するためにセクタ同期が一旦はずれた状態になる可能性が高くセクタ同期を迅速に再確立する必要が生じることである。同時に、ランドトラックとグルーブトラックの接続点も迅速正確に検出する必要がある。
 さらに、従来のランド/グルーブ記録方式の光ディスク装置について説明しておく。図18は特開平6−176404号公報に記載されている従来の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。図18において、100は光ディスク、101は半導体レーザ、102は半導体レーザ101からのレーザ光を平行光にするコリメートレンズ、103はハーフミラー、104はハーフミラー103を通過した平行光を光ディスク上に集光するための対物レンズ、105は対物レンズ104およびハーフミラー103を通過した光ディスク100からの反射光を受光する光検出器であり、トラッキング誤差信号を得るためにディスクのトラック方向と平行に2分割され2つの受光部からなる。106は対物レンズ104を支持するアクチュエータであり、以上点線で囲ってある部分107はヘッドベースに取り付けられており、光ヘッドを構成する。108は光検出器105が出力する検出信号が入力される差動アンプ、109は差動アンプ108からのトラッキング誤差信号を、後述するシステムコントロール部から制御信号T1を入力され、トラッキング制御部110へトラッキング誤差信号を出力する極性反転部である。ここでトラッキング制御の極性は、トラッキング誤差信号を差動アンプ108からそのままの極性でトラッキング制御部110に入力した場合、グルーブの記録トラックにトラッキング引き込みが行われるものとする。110は極性反転部109からの出力信号と後述するシステムコントロール部121から制御信号T2が入力され、後述する駆動部120及びトラバース制御部116へトラッキング制御信号を出力するトラッキング制御部である。111は光検出器105が出力する検出信号が入力され和信号を出力する加算アンプ、112は加算アンプ111からの高周波成分を入力され、ディジタル信号を後述する再生信号処理部113及びアドレス再生部114に出力する波形整形部、113は再生データを出力端子へ出力する再生信号処理部である。114は波形整形部からディジタル信号を入力され、アドレス信号を後述するアドレス算出部115に出力するアドレス再生部、115はアドレス再生部114からアドレス信号を、システムコントロール部121から制御信号T1を入力され、正確なアドレス信号をシステムコントロール部121へ出力するアドレス算出部である。116は後述するシステムコントロール部121からの制御信号T3により、後述するトラバースモータ117に駆動電流を出力するトラバース制御部、117は光ヘッド107を光ディスク100の半径方向に移動させるトラバースモータである。118は記録データが入力され、記録信号を後述するレーザ(LD)駆動部119に出力する記録信号処理部、119は後述するシステムコントロール部121より制御信号T4を、記録信号処理部118より記録信号を入力され、半導体レーザ101に駆動電流を入力するレーザ駆動部である。120はアクチュエータ106に駆動電流を出力する駆動部である。121はトラッキング制御部110、トラバース制御部116、アドレス算出部115、極性反転部109、記録信号処理部118、LD駆動部に制御信号T1からT4を出力し、アドレス算出部115からアドレス信号を入力されるシステムコントロール部である。
 以上のように構成された従来の光ディスク装置の動作を、同図にしたがって説明する。半導体レーザ101から出力されたレーザ光は、コリメートレンズ102によって平行光にされ、ビームスプリッタ103を経て対物レンズ104によって光ディスク100上に収束される。光ディスク100によって反射されたレーザ光は、記録トラックの情報を持ち、対物レンズ104を経てビームスプリッタ103によって光検出器105上に導かれる。光検出器105は、入射した光ビームの光量分布変化を電気信号に変換し、それぞれ差動アンプ108、加算アンプ111に出力する。差動アンプ108は、それぞれの入力電流を電流電圧変換(I−V変換)した後差分をとって、プッシュプル信号として出力する。極性反転部109はシステムコントロール部からの制御信号T1によってアクセスしているトラックがランドかグルーブを認識し例えばランドの場合にのみ極性を反転する。トラッキング制御部110は入力されたトラッキング誤差信号のレベルに応じて、駆動部120にトラッキング制御信号を出力し、駆動部120はこの信号に応じてアクチュエータ106に駆動電流を流し、対物レンズ104を記録トラックを横切る方向に位置制御する。これにより、光スポットがトラック上を正しく走査する。一方加算アンプ111は受光部105の出力電流を電流電圧変換(I−V変換)した後加算し、和信号として波形整形回路112へ出力する。波形整形回路112はアナログ波形のデータ信号とアドレス信号を、一定のしきい値でデータスライスしてパルス波形とし、再生信号処理部113およびアドレス再生部114へ出力する。再生信号処理部113は入力されたディジタルのデータ信号を復調し、以後誤り訂正などの処理をほどこして再生データとして出力する。アドレス再生部114は入力されたディジタルのアドレス信号を復調し、ディスク上の位置情報としてアドレス算出部115に出力する。アドレス算出部115は光ディスク100から読み取ったアドレス信号とシステムコントロール部121からのランド/グルーブ信号よりアクセスしているセクタのアドレスを算出する。算出方法については後で述べる。システムコントロール部121は、このアドレス信号をもとに現在光ビームが所望のアドレスにあるかどうかを判断する。トラバース制御部116は、光ヘッド移送時にシステムコントロール部121からの制御信号T3に応じて、トラバースモータ117に駆動電流を出力し、光ヘッド107を目標トラックまで移動させる。この時トラッキング制御部110は、同じくシステムコントロール部121からの制御信号T2によってトラッキングサーボを一時中断させる。また、通常再生時には、トラッキング制御部110から入力されたトラッキング誤差信号に応じて、トラバースモータ117を駆動し、再生の進行に沿って光ヘッド107を半径方向に徐々に移動させる。記録信号処理部118は、記録時において入力された記録データに誤り訂正符号等を付加し、符号化された記録信号としてLD駆動部119に出力する。システムコントロール部121が制御信号T4によってLD駆動部119を記録モードに設定するとLD駆動回路119は、記録信号に応じて半導体レーザ101に印可する駆動電流を変調する。これによって、光ディスク100上に照射される光スポットが記録信号に応じて強度変化し、記録ピットが形成される。一方、再生時には制御信号T4によってLD駆動部119は再生モードに設定され、半導体レーザ101を一定の強度で発光するよう駆動電流を制御する。これにより、記録トラック上の記録ピットやプリピットの検出が可能になる。
 こうした従来の光ディスク装置では、識別信号は和信号として波形整形回路112で処理された信号に基づいて再生される。SS−L/Gフォーマットのディスクをかけた場合でもやはり、ランドトラックとグルーブトラックとの接続点は、同じく和信号として波形整形回路112で処理された信号に基づいて再生されることになる。したがって接続点を高い信頼度で正確に検出するには、少なくとも、アドレス情報などを表す識別信号と、接続点検出用のビットパターンをかなり異なったものとして設定しておく必要がある。
 トラッキング引込み直後であってデータやアドレスの再生準備のできていない場合でも、接続点は検出しなければならないので、接続点検出用のビットパターンは同期はずれの状態でも再生可能でなければならない。これにはふつう、長いビット数を割り当てて、低周波数すなわち長ピットのビットパターンのプリピットを設けておくことになる。冗長度をなるべく下げて実効的な記録密度を向上しようとしている大容量光ディスクにおいて、こうしたパターンに長いビットを割り当てるのは得策ではない。
 従来のランド/グルーブ記録光ディスク媒体および光ディスク装置は、以上のように構成されていたので、シングルスパイラル・ランド/グルーブ記録フォーマットにそのまま識別信号の付加方法を適用した場合、ランドトラックとグルーブトラックの接続点を高い信頼度で正確に検出するのが難しいという問題点があった。
 また、接続点を識別信号と分離して容易に検出できるようなビットパターンにすると長いビット数が必要であり、実効的な記録密度が低下するという問題があった。
 また、シングルスパイラル・ランド/グルーブ記録フォーマットでは、トラッキングオフセット補償を短時間に正確におこなう必要性が出てくるのに対して、トラッキングオフセットの検出が難しいという問題があった。
 この発明は以上のような問題点を解決するためになされたもので、シングルスパイラル・ランド/グルーブフォーマットの光ディスクにおいて、実効的な記録密度が低下させることなくランドトラックとグルーブトラックの接続点を容易にそして確実に検出してトラッキングサーボの極性を切替えることができ、また、トラッキングオフセット補償を短時間に正確におこなうことができる光ディスク媒体を駆動する光ディスク装置を得ることを目的とする。
 また、シングルスパイラル・ランド/グルーブフォーマットをディスク回転数やセクタ数がゾーンで変化するZCLV方式やゾーンによりセクタ数やデータ周波数の変化するZCAV方式に適用したときに、ゾーン境界通過後のセクタ同期を素早く再確立してアクセス速度の向上することのできる光ディスク媒体を駆動する光ディスク装置を得ることを目的とする。
 請求項1に記載の光ディスク装置は、ディスク上に円周状に形成された溝部と該溝部の間の溝間部の両方を情報記録部とし、情報記録部に光ビームの照射による局所的光学定数変化、もしくは物理形状変化を生ぜしめることにより情報信号を記録するとともに、ディスク媒体1周分に相当する前記溝部の記録トラックとディスク媒体1周分に相当する前記溝間部の記録トラックを交互に接続して1本の記録スパイラルを形成した光ディスク媒体であって、前記記録トラックは長さの等しい整数個の記録セクタで構成され、それぞれの前記記録セクタの先頭部分にはアドレス情報を表わす識別信号を含む識別信号部が、隣接する記録セクタの識別信号部と同一半径上に整列するように配置され、前記識別信号部は第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分が溝部あるいは溝間部の中心から半径方向の一方の向きに一定量変位して配置され、第2の部分が溝部あるいは溝間部の中心から半径方向の他方の向きに前記一定量と同量変位して配置された光ディスク媒体に情報を記録し、あるいは記録された情報を再生する光ディスク装置において、2分割された受光面を含む光検知器を有する光ヘッドと、前記光検知器の差信号から2値化差信号を生成する差信号波形整形部と、前記2値化差信号から前記識別信号部に対応した識別信号ゲート信号を出力する再生差信号処理部とを有し、前記光ディスク媒体を記録あるいは再生する時に、前記2値化差信号の波形から記録セクタ識別信号のタイミングを検出して、該タイミングに基づいてセクタ同期を確保するようにしたことを特徴とする。
 請求項2に記載の光ディスク装置は、ディスク上に円周状に形成された溝部と該溝部の間の溝間部の両方を情報記録部とし、情報記録部に光ビームの照射による局所的光学定数変化、もしくは物理形状変化を生ぜしめることにより情報信号を記録するとともに、ディスク媒体1周分に相当する前記溝部の記録トラックとディスク媒体1周分に相当する前記溝間部の記録トラックを交互に接続して1本の記録スパイラルを形成した光ディスク媒体であって、前記記録トラックは長さの等しい整数個の記録セクタで構成され、それぞれの前記記録セクタの先頭部分にはアドレス情報を表わす識別信号を含む識別信号部が、隣接する記録セクタの識別信号部と同一半径上に整列するように配置され、前記識別信号部は第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分が溝部あるいは溝間部の中心から半径方向の一方の向きに一定量変位して配置され、第2の部分が溝部あるいは溝間部の中心から半径方向の他方の向きに前記一定量と同量変位して配置された光ディスク媒体に情報を記録し、あるいは記録された情報を再生する光ディスク装置において、2分割された受光面を含む光検知器を有する光ヘッドと、前記光検知器の差信号から2値化差信号を生成する差信号波形整形部と、前記2値化差信号から前記識別信号部に対応した識別信号ゲート信号を出力する再生差信号処理部とを備え、前記光ディスク媒体を記録あるいは再生する時に、前記2値化差信号の波形から次の記録セクタの識別信号の出現タイミングを推定するようにしたことを特徴とする。
 この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
 本発明請求項1に記載の光ディスク装置においては、シングルスパイラル・ランド/グルーブ記録の光ディスクに対して、セクタ同期の検出を迅速化、正確化、容易化したことにより、ランドトラックとグルーブトラックの接続点を確実に、かつ、容易に検出することが可能になる。
 ディスク回転数やセクタ数がゾーンで変化するZCLV方式において、ゾーン境界通過後のセクタ同期を素早く再確立できるようになるので効果が顕著であり、アクセス速度の向上を可能にする。ゾーンによりセクタ数やデータ周波数の変化するZCAV方式においても、ゾーン境界通過後のセクタ同期を素早く再確立できるようになるので効果が顕著であり、アクセス速度の向上を可能にする。
 本発明請求項2に記載の光ディスク装置においては、シングルスパイラル・ランド/グルーブ記録の光ディスクに対して、1つのセクタの識別信号検出後、次のセクタの識別信号までの時間を推定することが可能になる。
 以下、この発明の実施の形態を図をもとに具体的に説明する。
実施の形態1.
 本実施の形態は、シングルスパイラルーランド/グルーブ記録(SS−L/G)フォーマットの光ディスク媒体に関するものである。尚、本実施の形態は、光ディスク媒体が円周状の境界により複数のゾーンに分割されたものとして説明する。
 図1は本発明の実施の形態1である光ディスク媒体のトラックレイアウトを示す図であり、1つのゾーン内のトラックと記録セクタの配置及び記録セクタの構成を示している。図に示すように、溝部(グルーブ、凹部)のトラック(グルーブトラック)と溝間部ランド、凸部)のトラック(ランドトラック)がディスク1周毎に交互に1回接続され、1本の記録スパイラル(螺旋状(スパイラル状)の記録トラック)が構成される。なおここでは、溝部の幅と溝間部の幅が等しいものとする。つまり、溝幅と溝間の幅は、トラックピッチに等しく、溝間隔の1/2にとっている。
 また、1本の記録トラックは整数個の記録セクタ、ここでは例として12セクタで構成されており、それぞれのセクタの先頭部分には、プリフォーマットされた識別信号部(識別信号領域)が付加されている。従来例と異なるのは、ランドトラックとグルーブトラックが識別信号部のプリピットで断続している点、言い換えれば、識別信号部のプリピットを介して接続されている点であり、各セクタの識別信号部がセクタの識別用の識別情報を保持している(含んでいる)のと同時に、溝トラックと溝間トラックの接続点検出用の情報も保持している(含んでいる)点である。そして、記録トラックを構成する記録セクタはその先頭部分にプリフォーマットされた識別信号部とユーザデータや各種管理情報の記録可能な情報記録部とからなる。
 図2はこの発明の実施の形態1である光ディスク媒体の記録セクタ内の識別信号部におけるプリピットの配置およびそのアドレス値を説明するための模式図である。識別信号部は走査方向で見て前部と後部の2つの部分からなり、前部は溝部から溝幅の1/2だけ外周側に変位して配置される。後部は溝部から溝幅の1/2だけ内周側に変位して配置される。
 次に識別信号部におけるセクタアドレスなどの識別情報の付加方法について述べる。溝部(図中、凹部と示す。)のアドレスはその情報記録部直前の識別信号部の中に、溝部中心から溝幅の1/2だけ外周に変位して配置した溝部の前部識別信号部に付加する。また、溝間部(図中、凸部と示す。)のアドレスはその溝間部の記録トラックの1本外周側の溝部の記録トラックの情報記録部直前の識別信号部の中に、溝部中心から溝幅の1/2だけ内周側に変位して配置した後部識別信号部に付加する。結果として、溝間部のアドレスはその情報記録部直前の識別信号部の中に、溝間部中心から溝幅の1/2だけ外周側に変位して配置された溝部の後部識別信号部に付加した形となる。このように、溝間部のアドレスは溝間部ではなく、溝部に付加された形となり、溝間部における識別信号部には識別信号が含まれていないことになる。
 そして、識別信号部にはセクタ識別情報はセクタアドレスだけでなく、各溝部、溝間部のセクタが持つ各々のトラッキング極性に関する情報も保持されている(含まれている)。
 これは、ディスク原盤カッティング時に生じるトラッキングオフセットが、溝部の記録トラックをカッティングする時に溝部のアドレスと溝間部のアドレスを同時にカッティングする方が小さいことを考慮するからである。トラッキングオフセット特性から見て、溝部の記録トラックをカッティングする時に溝部のアドレスをカッティングし、溝間部の記録トラックをカッティングする時に溝間部のアドレスをカッティングする方がトラッキングオフセットが小さいなら、別々にカッティングすればよい。
 識別信号をトラック中心から溝幅の1/2だけ変位させたのは、識別情報を溝トラックと溝間トラックで共用することになるために、どちらのトラックを走査しているときにもほぼ同品質の識別情報を読み取ることができるようにするためである。溝幅がトラックピッチと等しくない場合には、変位の量はトラックピッチの1/2とすればよい。
 次に、ディスク1周に1回、ディスクの半径方向に整列して存在するランドとグルーブの接続部での識別信号部におけるプリピットとアドレス付加について説明する。図3はこの発明の実施の形態1である光ディスク媒体のランドとグルーブの境界線における記録セクタ内の識別番号プリピットの配置およびそのアドレス値を説明するための模式図である。SS−L/Gフォーマットディスクでは、半径方向に1個所溝部の記録トラックと溝間部の記録トラックが接続される境界線がある。溝部の記録トラックと溝間部の記録トラックの接続点の直後の記録セクタにおいては、その識別信号部の識別信号の配置が境界部以外の識別信号の配置と同様に、前部は溝部から溝幅の1/2だけ外周側に変位して配置する。後部は溝部から溝幅の1/2だけ内周側に変位して配置する。アドレス値の付加も境界部以外と同様に、溝部のアドレスはその情報記録部直前の溝部から溝幅の1/2だけ外周に変位して配置した前部識別信号部に付加する。また、溝間部のアドレスはその情報記録部直前の溝間部から溝幅の1/2だけ外周側に変位して配置した後部識別信号部に付加される。
 溝部の記録トラックと溝間部の記録トラックの接続点(接続部)を検出するには、トラッキングのかけられた状態では、識別信号領域において、前半部分と後半部分がトラック中心に対して内周側/外周側のどちらに変位しているかを見る。各セクタのアドレスに関しては、溝部のセクタは溝部から溝幅の1/2だけ外周側に変位している前半の識別信号、また溝間部のセクタは溝間部から溝幅の1/2だけ外周に変位している後半の識別信号からアドレスを特定できる。いずれも外周側に変位した部分が自セクタのアドレスを、内周側に変位した部分は1トラック内周に隣接するセクタのアドレスを表現している。
 さてここで、トラック接続部の検出に関して、シークしたときの対応について考える。このとき、ゾーン境界部通過直後にプリフォーマット識別信号の出現間隔がステップ状に変化するので、セクタ同期が外れ易くなる。SS−L/Gフォーマットでは、この場合にもランド/グルーブ切替え点を確実に検出できるようにする必要がある。
 ZCLVでは異なるゾーンにシークしたとき、ディスク回転数がゾーン毎の規定値に整定するまでの間識別信号が所定の時間間隔で検出されなくなり、セクタ同期がはずれた状態になる。通常のL/G記録ディスクではこのような場合、ランド・グルーブトラックのどちらにトラッキングをかけても安定してトラッキングを引込むことができた。しかし、SS−L/G記録ディスクでは、トラッキング引込み直後にランド/グルーブ切替え点が現れるとトラッキングがはずれる可能性がある。このトラッキング引込み失敗のエラー発生確率自体は低く、リトライすれば回復できるが、アクセスの速度と信頼性を向上するために、こうした場合でも確実にトラッキングを引込むようにするのが望ましい。
 実施の形態1に示したSS−L/G記録ディスクに対する識別信号の付加方法によれば、上に述べたように識別信号の変位の向きのその順序によって極性を確実に判別することができるので、従来のSS−L/G記録ディスクで起こりがちであったこうしたトラッキング引込み失敗を避けることが可能になる。
 さらにそのほかの機能および効果の一つとして、トラックオフセット補正について述べる。光ディスク規格ISO/IEC 9171−1,2”130mm Optical Disk Cartridge Write Once for Information Interchange”, 1990.等に用いられているように、サンプルサーボ方式の光ディスクでは、記録トラック上のトラック中心から左右に一定量だけ変位させた位置にトラックオフセット検出ピット対を設けて、トラッキングオフセット量を検出し、補正する方法が知られている。
 光ビームがトラックオフセット検出ピット対の中間を通過すると、検出ピット対の再生信号振幅は等しくなる。一方にオフトラックしていると、片側のピットの再生信号振幅が増加し、反対側のピットの再生信号振幅が減少するので、これによって、光ビームのトラックオフセット量を検出し補正をかけることで、光ビームがトラック中心を通過するように制御することができる。本発明では、これと同じ原理と効果を、シングルスパイラルランドグルーブ記録フォーマットに組み込むことができる。
 いま、光ビームが特定の溝部記録セクタ中の情報記録部(情報記録領域)から、次の溝部記録セクタの識別信号部(識別信号領域)に入ったとする。識別信号部の先頭はディスク外周に溝幅の1/2だけずれているので、それに対応したトラッキング誤差信号が出力される。しばらくすると今度はディスク内周に溝幅の1/2だけずれた識別信号部があるので、それに対応したトラッキング誤差信号が出力される。この2つの誤差信号は理想的には対称的に検出されればトラック中心を走査していることになる。よって内周と外周にずれて配置された識別信号部から検出されるトラッキング誤差信号の大きさを比較することにより、トラック中心にサーボをコントロールすることが可能になる。
 このように本発明のSS−L/G記録ディスクに対する識別信号の付加方法によれば、サーボ特性を改善することも同時に実現可能となる。
 さらにほかの機能および効果の一つとして、媒体欠陥に対する耐性について説明する。例えば、既に従来例の図17(b)に説明した識別信号の付加方法と比較した場合、本発明では、差信号が一定時間ある高いレベル以上を維持した後、さらに一定時間逆に低いレベル以下を維持するという非常に現れにくい波形を、ランドトラックとグルーブトラックの接続点の表現、及びセクタの識別信号の表現に使っているので、現実のゴミ付着や媒体欠陥、記録膜劣化などによって生じる信号変化と間違って誤検出することがほとんど生じることがない。
 これに対して図17(b)の方法では、1箇所に欠陥などがあっただけで識別信号で現れるのと同じような差信号の変動が現れるので、トラッキング極性を誤認したり、識別信号と誤認したりする。媒体欠陥に対する耐性という観点からしても、本発明の方が非常に優れている。
 さらに、別の極性判別方法を採ることも可能である。識別信号の中には、当該セクタのアドレスの他に、当該セクタがランドセクタかグルーブセクタかを示す極性情報が入っている。正常にトラッキングしているときは識別情報が確実に読めるので、この情報にしたがって極性を設定することも当然可能である。
 上に述べた識別信号の変位の向きとその順序によって極性を判別する方法と識別信号中の極性情報を併用することにより、さらに確実で信頼性の高いトラッキング極性の設定が実現できる。
 以上に述べたように識別信号の一部である第1の部分を溝部の中心から半径方向の一方の向き、例えば外周側へ一定量変位して配置し、前記識別信号の他の一部である第2の部分を溝部の中心から半径方向の他方の向き、すなわち例えば内周側へ前記一定量と同量変位して配置すると共に、このディスクを再生するときに、トラッキングエラー信号、すなわち、ラジアル方向のトラッキングセンサの差信号を閾値の異なる2つのコンパレータで2値化して、その変化を見ることにより、各記録セクタのトラッキング極性を判定することができ、ランドトラックとグルーブトラックとの接続点を確実に検出することができるようになった。
実施の形態2.
 本実施の形態は実施の形態1で説明した光ディスク媒体を記録再生する装置に関するものである。図4はこの発明の実施の形態1である光ディスク装置の構成を示すブロック図である。図4において100は光ディスク、101は半導体レーザ、102はコリメートレンズ、103はハーフミラー、104は対物レンズ、105は光検出器、106はアクチュエータ、107は光ヘッド、108は差信号検出部、109は極性反転部、110はトラッキング制御部、111は加算アンプ、112は和信号波形整形部、113は再生信号処理部、114はアドレス再生部、116はトラバース制御部、117はトラバースモータ、118は記録信号処理部、119はレーザ駆動部、120は駆動部であり、以上は図18に示した従来の光ディスク装置と基本的には同じものであるので、従来例と同一符号を付して詳細な説明は省略する。
 図18と異なる部分の構成について説明する。1は差信号検出部からのアナログ波形のトラッキングエラー信号を適切なレベルでスライスしてディジタル値に変換し、2値化差信号を出力する差信号波形成形部、2は2値化差信号から識別信号を抽出してトラッキング極性を判別し、極性検出信号を極性制御部8、極性情報再生部4、アドレス再生部5、情報再生部6に出力する再生差信号処理部である。8は再生差信号処理部2から極性検出信号とシステムコントロール部から制御信号を受け、極性反転部109とトラッキング制御部110に極性設定信号と制御ホールド信号を出力する極性制御部である。
 3は和信号に対して波形処理して得られた2値化和信号から、アドレス情報や極性情報を含む識別信号を再生する再生信号処理部、4は識別信号からセクタのトラッキング極性を示す極性情報を抽出する極性情報再生部、5は識別信号からセクタアドレス情報を再生するアドレス再生部、6はディスク上の情報記録部に記録されたユーザの情報を再生する情報再生部である。再生された極性情報とアドレス情報はシステムコントロール部へ送られ、トラッキング極性や、トラッキング制御のサンプルホールド状態の制御に用いられる。
 7は再生差信号処理部2、極性情報再生部4、アドレス再生部5から識別信号に関する情報を入力され、極性制御部8、トラバース制御部116、LD駆動部および記録信号処理部118に制御信号を出力するシステムコントロール部である。
 次に、特に光ディスクの溝部のトラックと溝間部のトラックの接続点の前後における動作を説明する。
 図2と図3に示したSS−L/Gフォーマットのディスクに対してトラッキングをかける手順と方法を図5に示す。グルーブとプリフォーマットした識別信号の配置を図5(a)に示す。溝部の識別信号のうち前半部分をグルーブ中心に対して外周側にトラックピッチの略1/2変位させ、後半部分をグルーブ中心に対して内周側にトラックピッチの略1/2変位させるように配置すると、ランドトラック・グルーブトラックが接続する境界セクタ部分とそうでない通常セクタ部分の識別信号配置は、それぞれ図2、図3に示したと同様、図5(a)中に示すように異なる。
 図5(a)〜(e)にランド/グルーブ切替えセクタと他の通常セクタのプリフォーマット識別信号付近を通過時のトラッキング系・識別信号検出系の動作、及び、ランド/グルーブ切替えの仕組みを示す。(b)はトラッキングエラー信号、(c)はトラッキングサーボ系の制御動作の状態、(d)は識別信号検出ウィンドウ信号、(e)はトラッキング極性情報を含むプリフォーマット識別信号の読み取りデータ、である。
 識別信号部分の通過時のトラッキングエラー信号の挙動を説明するために、たとえばグルーブトラックをトラッキングしている光ビームを考える。この光ビームが記録トラック上をトレースしている最中のトラッキングエラー信号、すなわち、プッシュプル方式トラッキングセンサの差信号の様子を図5(b)に示す。
 光スポットが通常のグルーブセクタの識別信号部を通過中は、識別信号部の前半部分が外周側に変位しているので、トラッキングエラー信号には、スポットがグルーブ中心から内周側へ略1/2トラックピッチ変位、すなわち、トラッキングエラー信号としては最大限変位していることを示す信号を得る。また、識別信号部の後半部分は内周側に変位しているので、トラッキングエラー信号には、スポットがグルーブ中心から外周側へ略1/2トラックピッチ変位、すなわち、トラッキングエラー信号としては前半部分とは逆方向に最大限変位していることを示す信号を得る。
 このように、識別信号部再生時のトラッキング誤差信号が、識別信号部の前半部分でトラッキングが内周へずれていることを示し、続いて後半部分でトラッキングが外周へずれていることを示すことから、この識別信号部に続く記録セクタは溝部のトラックの記録セクタであると判定できる。このような識別信号部におけるトラッキングエラー信号の挙動は、どのグルーブトラックのセクタでも共通である。
 次に、ランド/グルーブ接続部でグルーブトラックからランドトラックへ移る境界でのトラッキングエラー信号の変化を考える。ランドセクタの識別信号部においては、前半部分が内周側に変位し、後半部分は外周側に変位している。したがって、トラッキングエラー信号には、識別信号部の前半部分では光スポットがグルーブ中心から外周側へ略1/2トラックピッチ変位していることを示すトラッキングエラー信号が現れ、後半部分ではスポットがグルーブ中心から内周側へ略1/2トラックピッチ変位していることを示すトラッキングエラー信号が現れる。
 このように、識別信号部再生時のトラッキング誤差信号が、識別信号部の前半部分でトラッキングが外周へずれていることを示し、続いて後半部分でトラッキングが内周へずれていることを示すことから、この識別信号部に続く記録セクタは溝間部のトラックの記録セクタであると判定できる。このような識別信号部分におけるトラッキングエラー信号の挙動は、どのランドトラックのセクタでも共通である。
 各トラック先頭セクタの始端(先頭部分)にある識別信号部では、トラッキングエラー信号の極性変化が、それまでトレースしていたセクタの先頭部分とは逆になる。このようにして得られる識別信号部を通過中のトラッキングエラー信号を、図5(b)中に一点鎖線で示すようなつの閾値をもったコンパレータによって2値化信号を得て、この2値化信号の極性によってそのセクタがランドトラックかグルーブトラックかを判別できるようになる。
 なお、トラッキングサーボ系は、識別信号部程度の長さではほとんど応答しないように帯域を設計するのが一般的であり、たとえ識別信号部とトレース中にトラッキングエラー信号が発生しても、光ビームはトラック中心、つまり識別信号部においてプリフォーマットされたピットのサイドエッジ部をトレースし続ける。あるいは実用的方法として、トラッキングサーボ系への余分な外乱を遮断するために識別信号部直前でトラッキングエラー信号をサンプルホールドし、識別信号部をトラッキング制御オフのまま慣性で通過させることも可能である。図5の(c)にはこの状態を示している。
 セクタアドレス等の識別信号情報の読出しは、図5の(d)に示すような識別信号検出ウィンドウ信号により周期的に現れる識別信号にセクタ同期保護をかけ、毎回再同期を繰返しながら行う。さらに、識別信号中にランド/グルーブのトラッキング極性に関する情報を用意しておけば確実にランド/グルーブ切替えができる。またこれと共に、上述したように、セクタ同期保護用の識別信号検出ウィンドウ信号を利用してトラッキングエラー信号にゲートをかけ、エラー極性の判別を行えば、ディスク1周に1回現れるランド/グルーブ切替え点は容易に検出でき、SS−L/G記録におけるトラッキング極性切替えと設定の信頼性を向上することが可能になる。
 以上に述べた、ランド/グルーブのトラック接続点の検出方法を、光ディスク装置内のトラッキングと識別信号検出に係わる回路ブロックにおいて、実際に行う信号処理の手順を説明する。
 図6に差信号検出部108、差信号波形成形部1、及び再生差信号処理部2のブロック構成を示す。また、記録トラックをトラッキング中の各信号の変化を図7に示す。差信号検出部108を構成する差動入力アンプにおいて、2分割光検知器105の2つの出力信号の差を取り、プッシュプル方式トラッキングサーボ系に使用する差信号として出力される。
 差信号は差信号波形整形部1で2値化される。このとき、識別信号部で、プリピットが光ビームの進行方向に対して左右にそれぞれトラックピッチの1/2だけ変位していることを検知するために、コンパレータにより、それぞれ閾値をLthとRthの2レベル用意し、光ビームのトラッキングが図7中トレース方向に対し左側(内周側)に変位していることを示す2値化信号L0と、右側(外周側)に変位していることを示す2値化信号R0を生成する。差信号レベルがLth以上ならL0はHi、Lth以下ならL0はLoになる。また差信号レベルがRth以下ならR0はHi、Rth以上ならR0はLoになる。L0、R0の様子は図7(c)、(d)に示すようになる。Lth、Rthの設定値は、たとえば、トラッキングのずれ量が1/4トラックピッチに相当する差信号のレベルに設定する。設定値が小さすぎた場合には、外乱によりトラッキングのずれが生じたときに誤検出する恐れがあり、大きすぎた場合には、ディスク面へのゴミ付着などによる反射率変動で識別信号の変位を見逃す恐れがあるので、その間の適切な値とする。図7に示すように識別信号の振幅中央でもよい。
 2値化差信号は、再生差信号処理部2でディジタル処理され、当該セクタがランドセクタか、グルーブセクタかの極性判別信号を出力する。同時に、識別信号の出現間隔を推定するための検出ゲート信号も生成する。再生差信号処理部の回路は、図6に示すように、遅延回路、判定回路から構成する。
 識別信号は、溝が情報で変調されて断続し、ピット列の形となっているので、2つの2値化差信号L0、R0もデータ信号周波数で変調された波形である。遅延回路では、入力された2つの2値化差信号L0、R0のそれぞれについて、ピット列を再生したパルス列が一定時間:t1以上続くかどうかをモニタし、図7中(e)、(f)に示すように、一定時間:t1以上続いたときにそれぞれ、L検出信号:L1、R検出信号:R1を出力する。L1、R1にはいずれも少なくとも識別信号部の間Hiとなるようにパルス幅t3を与えている。t1の長さは、ディスクの線速度変動に対するある程度の余裕を見て識別信号部に相当する長さより短い範囲内で、媒体欠陥など他の雑音と判別可能なようにできるだけ長く設定する。
 グルーブセクタの識別信号では、L0にパルス列がt1以上続いた後、R0にパルス列がt1以上続く。したがって、識別信号の前半部分と後半部分がそれぞれ正常に認識されると、R1がLoからHiに立ち上がるとき、L1はHi状態にある。なお、L1がLoからHiに立ち上がるときには、R1はまだLo状態である。
 ここで、R1の立ち上がりエッジでL1をラッチして図7中(g)に示すような信号GPを作成し、L1の立ち上がりエッジでR1をラッチして図7中(h)に示すような信号LPを作成する。グルーブセクタの識別信号では、識別信号の前半部分と後半部分が認識された時点で、GPはHi状態、LPはLo状態となる。
 一方、ランドセクタの識別信号では、まずR0にパルス列がt1以上続いた後、L0にパルス列がt1以上続く。したがって、識別信号の前半部分と後半部分がそれぞれ正常に認識されると、L1がLoからHiに立ち上がるとき、既にR1はHi状態にある。R1がLoからHiに立ち上がるときには、L1はまだLo状態である。つまり、ランドセクタの識別信号では、識別信号の前半部分と後半部分が認識された時点で、LPはHi状態、GPはLo状態となる。このように、LPはランドの極性検出信号、GPはグルーブの極性検出信号となっている。各記録セクタの識別信号から、この2つの極性検出信号のどちらかが検出される。
 LP、GPのいずれかが立ち上がってからセクタの情報記録部の長さに相当する時間が経過後、次のセクタの識別信号が現れる。2つの極性検出信号は、次セクタの識別信号の直前でLo状態にリセットされる。このリセット処理は、図7中(i)に識別領域検出ゲート信号:IDGと表した信号の立ち上がりエッジにより行う。IDGは1つのセクタの識別信号検出後、次のセクタの識別信号までの時間を推定する信号であり、極性検出信号がHi状態になったときLo状態にリセットされ、次のセクタの識別信号の出現直前となる時間:t5経過後にHi状態になる。通常のセクタ同期がかかって識別信号を読み取りながらのトラッキング中は、IDGがHiの期間中に識別信号が現れるので、IDGがLoの期間中の差信号に現れるノイズを除去し、識別信号を検出する予測ゲート信号の機能がある。
 このようにすれば、トラッキング中は差信号のみで識別信号の存在、及び識別信号の変位方向を検出し、その変位の向きと順序によって当該セクタがランドセクタか、グルーブセクタかを検出することができる。この方法によれば、各セクタ毎に、記録トラックの溝部と溝間部の接続点が現れるか否かを判定することになるので、確実な検出が実現可能となる。
 また、識別信号の同期すなわちセクタ同期が外れているとき、識別領域検出ゲート信号:IDGはHi状態にあるので、2値化信号波形に識別信号が含まれていれば、上の説明から明らかなように、識別信号のタイミングを検出してセクタ同期を素早く確立することが可能である。
 このとき、識別信号を差信号で検出しているので、トラッキング引き込み後は識別信号以外の部分では、情報記録部にデータが記録されているかいないかにかかわらず、差信号にレベルの大きな信号の現れることはない。これはトラッキングサーボが正常にかかっている最中にトラッキングエラー信号がほとんどでないことからも了解できる。したがって、識別信号を容易検出できるという特長を認めることができる。
 次に極性制御部の動作を説明する。図8に極性制御部8の構成を示す。極性制御部8は、極性検出信号Gp及びLpを受けて、極性反転部109にトラッキング極性を指定する極性設定信号LGSETを送るとともに、トラッキング制御部110に制御の継続/ホールドを指示する制御ホールド信号HOLDを送る機能を持つ。装置制御のシーケンスの中でトラッキングをON/OFFする動作についてシステムコントロール部からの信号(TS制御信号)も受けるので、これらを総括してトラッキングの極性と制御動作を決定している。
 図8(a)に極性制御部8の回路ブロックを示し、図8(b)に2つの極性検出信号と識別領域検出ゲート信号IDGの状態と各状態でのトラッキング極性の設定例を示す。識別信号が正常に検出されている状態では、極性検出信号GP、LPのどちらか一方がHiのときは、Hi側の極性に設定すればよい。それ以外の場合には、デフォルト状態を決めておく方が装置制御に便利であり、グルーブ極性に設定するようにした。トラッキング極性設定信号LGSETがHiの時にはランドをトラッキングし、Loの時にはグルーブをトラッキングする。ただし、識別信号部分に入ったときには、HOLD信号をトラッキング制御部110に送って、一旦トラッキング制御を停止するようにする。
 なお、図5の(c)にはこのランド/グルーブ/停止という3状態のトラッキング制御状態を1本の信号レベルで表現している。
実施の形態3.
 この発明の別の実施の形態を図をもとに具体的に説明する。
 図9に再生差信号処理部2の別のブロック構成を示す。記録トラックをトラッキング中の各信号の変化は図7に示すものと同じである。2分割光検知器105の出力から2値化差信号の出力までは、図6、図7と同様である。ここでは、図9に示すように、再生差信号処理部2を計数回路、判定回路の2ブロックから構成する。
 識別信号は、溝が情報で変調されて断続し、ピット列の形となっているので、差信号波形成形部1からの2つの2値化差信号L0、R0もデータ信号周波数で変調されたピット列の波形である。計数回路では、入力された2つの2値化差信号L0、R0のそれぞれについて、一定時間:t2(t2>t1)以内に2値化差信号に所定数以上のパルスが現れるかどうかをモニタし、一定数以上現れたときにそれぞれ、L検出信号:L1、R検出信号:R1を出力する。L1、R1にはいずれも少なくとも識別信号部をトレースする間Hiとなるようにパルス幅t3を与えている。前記実施の形態2に説明した例と同じくt1の長さは、ディスクの線速度変動に対するある程度の余裕を見て識別信号部に相当する長さより短い範囲内で、媒体欠陥など他の雑音と判別可能なようにできるだけ長く設定する。
 識別信号部には、フォーマットに定められる規定数のプリフォーマットデータが入っているので、識別信号部の前半部分、後半部分のそれぞれに、ある一定数以上のパルスが含まれている。識別信号の検出には、規定の時間内に一定数以上のパルスが入力されることを条件にすれば、識別信号を検出できる。
 図9に示す回路では、アップダウンカウンタのUP入力にL0を入力し、DOWN入力に判定期間t2を与え、雑音パルスを除去するためのクリア信号を入力する。具体的には、遅いクロック信号でも良い。アップダウンカウンタにおいては、識別信号の部分では、L0に入力されるパルスで規定パルス数までカウントし、L1にHiを出力する。L1は時間t3の間Hiが続き、t3経過したところでt3タイマによってリセットされる。t3タイマはL1からHiを入力されると時間t3後にアップダウンカウンタをクリア(リセット)する回路である。
 もう一方のアップダウンカウンタにはアップダウンカウンタのUP入力にL0を入力し、DOWN入力に判定期間t2を与え、雑音パルスを除去するためのクリア信号を入力する。動作はL0が入力されるアップダウンカウンタと同様にしてR1を出力する。
 以下、判定回路では、前記実施の形態2に説明した例と同じく、L1、R1を判断して極性検出信号Gp及びLpを生成する。グルーブセクタやランドセクタの識別信号の認識・判定は、実施の形態1と同様に行うことができる。
実施の形態4.
 この発明の別の実施の形態を図をもとに具体的に説明する。
 図10に差信号検出部108、差信号波形成形部1、及び再生差信号処理部2の別のブロック構成を示す。記録トラックをトラッキング中の各信号の変化を図11に示す。2分割検知器105の出力から2値化差信号の出力までは、図6、図7と同様である。図10に示すように、再生差信号処理部2を、補正回路、遅延回路、判定回路の3ブロックから構成する。
 識別信号は、溝が情報で変調されて断続し、ピット列の形となっているので、差信号波形成形部1からの2つの2値化差信号L0、R0もデータ信号周波数で変調された波形である。補正回路では、入力された2つの2値化差信号から、識別信号の前半部分、後半部分の有無を検出できるようにするために、ピット列波形を例えばリトリガラブルなモノマルチ・バイブレータなどを使用して、識別信号の前半部分、後半部分で、それぞれ連続な1パルスになるように波形を補正している。L0を補正して2値化補正差信号L2を、R0を補正して2値化補正差信号R2を生成する。
 遅延回路では、前記実施の形態1に説明した例と同じく入力された2つの2値化差信号L2、R2のそれぞれについて、ピット列を再生したパルス列が一定時間:t1以上続くかどうかをモニタし、一定時間:t1以上続いたときにそれぞれ、L検出信号:L3、R検出信号:R3を出力する。L3、R3にはいずれも少なくとも識別信号部の間Hiとなるようにパルス幅t3を与えている。
 以下、グルーブセクタやランドセクタの識別信号の認識・判定は、実施の形態2と同様に行うことができる。
実施の形態5.
 この発明のさらに別の実施の形態を図をもとに具体的に説明する。
 図12に、差信号検出部108の周波数特性を制限して、前記実施の形態3に説明している差信号波形成形部1における処理を簡単化した例を示す。トラッキング制御系では、通常、サーボ制御帯域の差信号さえ検出できれば良いため、差信号検出の差動入力アンプは帯域の狭い安価なアンプが使用できる。識別信号は、溝が情報で変調されて断続し、ピット列の形となっているが、この場合の差信号波形は、図12(b)に示すように低域フィルタ処理がかけられて平滑化された波形になっている。
 以下、再生差信号処理部2における処理は、前記実施の形態3におけるブロックの中で補正回路が不要となり、2値化補正差信号を直接、図11中のL2、L3と同様に扱うことができる。
 以降の処理は実施の形態3と同じである。
 なお、上記実施の形態2〜5においては、主にトラッキングセンサ出力信号の差信号から識別信号の変位の向きとその順序を判別し、それによりトラッキング極性を判別する動作について説明したが、トラッキングセンサ出力信号の和信号から識別信号中の極性情報極性情報再生部4により再生し、それを上記差信号から得たトラッキング極性判別結果と併用することにより、さらに確実で信頼性の高いトラッキング極性の設定が実現できる。
 また、上記各実施の形態において示した識別信号、並びにトラック接続点の検出方法は、もちろん本発明を説明するための一例であり、同様の機能は種々の回路構成で実現できる。また、本発明が以上の実施の形態に限定されるものでないことは言うまでもない。
この発明の実施の形態1である光ディスク媒体のトラックレイアウト説明する模式図である。 この発明の実施の形態1である光ディスク媒体の記録セクタ内の識別信号の配置およびそのアドレスを説明するための模式図である。 この発明の実施の形態1である光ディスク媒体のランドとグルーブの境界線における記録セクタ内の識別番号の配置およびそのアドレスを説明するための模式図である。 この発明の実施の形態2である光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2である記録セクタのトラッキング極性の認識方法を説明するタイミング図である。 この発明の実施の形態2である光ディスク装置の再生差信号処理部の回路ブロック図である。 この発明の実施の形態2である記録セクタのトラッキング極性の認識方法を説明する詳細なタイミング図である。 この発明の実施の形態2である光ディスク装置の極性制御部の回路ブロックと機能を説明する図である。 この発明の実施の形態3である光ディスク装置の再生差信号処理部の回路ブロック図である。 この発明の実施の形態4である光ディスク装置の再生差信号処理部の回路ブロック図である。 この発明の実施の形態4である記録セクタのトラッキング極性の認識方法を説明する詳細なタイミング図である。 この発明の実施の形態5である記録セクタのトラッキング極性の認識方法を説明する詳細なタイミング図である。 従来のランド/グルーブ記録光ディスクの例を示す図である。 従来のシングルスパイラル・ランド/グルーブ記録フォーマットを有する光ディスクの例を示す図である。 従来のシングルスパイラル・ランド/グルーブ記録光ディスクのランド/グルーブ接続点の例を示す図である。 従来のシングルスパイラル・ランド/グルーブ記録光ディスクのランド/グルーブ接続点の他の例を示す図である。 従来のランド/グルーブ記録方式における識別信号のレイアウトを示す図である。 従来の光ディスク装置の構成を表すブロック図である。
符号の説明
 1 差信号波形成形部、2 再生差信号処理部、3 再生信号処理部、4 極性情報再生部、5 アドレス再生部、6 情報再生部、7 システムコントロール部、8 極性制御部、91 記録膜、92記録ピット、93 集光スポット、94 グルーブ部、95 ランド部、100 光ディスク、101 半導体レーザ、102 コリメートレンズ、103 ハーフミラー、104 対物レンズ、105 光検出器、106 アクチュエータ、107 光ヘッド、108 差動アンプ、109 極性反転部、110 トラッキング制御部、111 加算アンプ、112 波形整形部、113 再生信号処理部、114 アドレス再生部、115 アドレス算出部、116 トラバース制御部、117 トラバースモータ、118 記録信号処理部、119 レーザ駆動部、120 駆動部、121 システムコントロール部。

Claims (2)

  1. ディスク上に円周状に形成された溝部と該溝部の間の溝間部の両方を情報記録部とし、情報記録部に光ビームの照射による局所的光学定数変化、もしくは物理形状変化を生ぜしめることにより情報信号を記録するとともに、ディスク媒体1周分に相当する前記溝部の記録トラックとディスク媒体1周分に相当する前記溝間部の記録トラックを交互に接続して1本の記録スパイラルを形成した光ディスク媒体であって、前記記録トラックは長さの等しい整数個の記録セクタで構成され、それぞれの前記記録セクタの先頭部分にはアドレス情報を表わす識別信号を含む識別信号部が、隣接する記録セクタの識別信号部と同一半径上に整列するように配置され、前記識別信号部は第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分が溝部あるいは溝間部の中心から半径方向の一方の向きに一定量変位して配置され、第2の部分が溝部あるいは溝間部の中心から半径方向の他方の向きに前記一定量と同量変位して配置された光ディスク媒体に情報を記録し、あるいは記録された情報を再生する光ディスク装置において、
     2分割された受光面を含む光検知器を有する光ヘッドと、
     前記光検知器の差信号から2値化差信号を生成する差信号波形整形部と、
     前記2値化差信号から前記識別信号部に対応した識別信号ゲート信号を出力する再生差信号処理部とを有し、
     前記光ディスク媒体を記録あるいは再生する時に、前記2値化差信号の波形から記録セクタ識別信号のタイミングを検出して、該タイミングに基づいてセクタ同期を確保するようにしたことを特徴とする光ディスク装置。
  2. ディスク上に円周状に形成された溝部と該溝部の間の溝間部の両方を情報記録部とし、情報記録部に光ビームの照射による局所的光学定数変化、もしくは物理形状変化を生ぜしめることにより情報信号を記録するとともに、ディスク媒体1周分に相当する前記溝部の記録トラックとディスク媒体1周分に相当する前記溝間部の記録トラックを交互に接続して1本の記録スパイラルを形成した光ディスク媒体であって、前記記録トラックは長さの等しい整数個の記録セクタで構成され、それぞれの前記記録セクタの先頭部分にはアドレス情報を表わす識別信号を含む識別信号部が、隣接する記録セクタの識別信号部と同一半径上に整列するように配置され、前記識別信号部は第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分が溝部あるいは溝間部の中心から半径方向の一方の向きに一定量変位して配置され、第2の部分が溝部あるいは溝間部の中心から半径方向の他方の向きに前記一定量と同量変位して配置された光ディスク媒体に情報を記録し、あるいは記録された情報を再生する光ディスク装置において、
     2分割された受光面を含む光検知器を有する光ヘッドと、
     前記光検知器の差信号から2値化差信号を生成する差信号波形整形部と、
     前記2値化差信号から前記識別信号部に対応した識別信号ゲート信号を出力する再生差信号処理部とを備え、
     前記光ディスク媒体を記録あるいは再生する時に、前記2値化差信号の波形から次の記録セクタの識別信号の出現タイミングを推定するようにしたことを特徴とする光ディスク装置。
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