JP2004065762A - 車両用シート構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】シートバックを前倒させてもその隣のシートの乗員が自然な姿勢で腕を載せることができ、しかも腕を載せる面が汚れるのを防止することができる車両用シート構造の提供。
【解決手段】前倒可能なシートバック23を有するシート構造であって、シートバックの背面24側に該背面24よりも凹む収納凹部30を形成し、該収納凹部30に収納されるとともに該収納凹部30の開口側の端縁部33側に回動可能に連結され該端縁部33側を中心に回動して背面24に載置されるアームレスト32を設けてなる。
【選択図】 図4
【解決手段】前倒可能なシートバック23を有するシート構造であって、シートバックの背面24側に該背面24よりも凹む収納凹部30を形成し、該収納凹部30に収納されるとともに該収納凹部30の開口側の端縁部33側に回動可能に連結され該端縁部33側を中心に回動して背面24に載置されるアームレスト32を設けてなる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用シート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用シート構造に関する技術として、例えば、特開2001−17265号公報、特開2001−17268号公報等に開示されたものがある。これらの公報には、リクライニング不可な三人掛けシートの中央シート部のシートクッション部分の前面側に凹部を設け、この凹部にアームレストを回動可能に設けて、アームレストを回動させることで凹部に収納したり、凹部から突出させたりするものであって、しかもアームレストが着脱可能に設けられているものが記載されている。
【0003】
ところで、荷室拡大等を目的として、例えば三人掛けシートのシートバックを三分割して前倒可能としたり、三人掛けシートのシートバックを二対一に二分割して前倒可能としたりする構造がある。すなわち、この構造の場合、いずれかのシートに乗員が着席せず、しかも荷室拡大が必要であるときに、空席のシートのシートバックを前倒させて使用する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この場合、上記公報のようにシートバックの前面側にアームレストが設けられていると、このシートバックを前倒させた場合にアームレストを使用できない。このような場合には、やむを得ず、前倒したシートバックを他のシートに着席する乗員用のアームレスト代わりに使用する場合がある。しかしながら、このようにシートバックを前倒状態としてこれをアームレストとして使用しようとした場合、シートバックの厚さではアームレストとしての使用には高さが不足するため、乗員は不自然な姿勢となってしまう。また、前倒状態のシートバックの背面は、荷室面として使用されるため、汚れていてアームレストとしての使用には適さない場合がある。
【0005】
したがって、本発明は、シートバックを前倒させてもその隣のシートの乗員が自然な姿勢で腕を載せることができ、しかも腕を載せる面が汚れるのを防止することができる車両用シート構造の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、前倒可能なシートバック(例えば実施の形態におけるシートバック23)を有するシート構造であって、前記シートバックの背面(例えば実施の形態における背面24)側に該背面よりも凹む収納凹部(例えば実施の形態における収納凹部30)を形成し、該収納凹部に収納されるとともに該収納凹部の開口側の端縁部(例えば実施の形態における端縁部33)側に回動可能に連結され該端縁部側を中心に回動して前記背面に載置されるアームレスト(例えば実施の形態におけるアームレスト32)を設けてなることを特徴としている。
【0007】
これにより、シートバックを前倒させた状態でその上部側となる背面側に設けられた収納凹部からこの収納凹部に収納されていたアームレストを収納凹部の開口側の端縁部側を中心に回動させて背面に載置させる。すると、シートバックの上にアームレストが載置されるため、十分な高さが得られる。しかも、この状態におけるアームレストの上面は、収納時は収納凹部内に隠れる部分であるため、荷物等が載置される収納状態では汚れることがない。また、アームレストを取り出した後の収納凹部は物品の一時収納が可能な一時収納部として使用できる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記シートバックは、左右両側の側部シート(例えば実施の形態における側部シート11)の間に配置される中央シート(例えば実施の形態における中央シート12)のシートバックであり、前記アームレストが前記収納凹部の左右の各端縁部側に回動可能にそれぞれ連結されていることを特徴としている。
【0009】
これにより、中央シートのシートバックを前倒させた状態でその上部側となる背面側に設けられた収納凹部からこの収納凹部に収納されていた両アームレストをそれぞれ収納凹部の開口側の各端縁部側を中心に回動させて背面に載置させる。すると、シートバックの収納凹部の左右両側にアームレストが載置される。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記シートバックには、隣り合うシートバックを着脱自在に連結するための連結部(例えば実施の形態におけるロック部26)が前記背面側に設けられており、前記アームレストは、前記背面に載置された状態で前記連結部を覆い隠すことを特徴としている。
【0011】
このように、アームレストを収納凹部から取り出して、シートバックの背面に載置させると、連結部を覆い隠すことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態の車両用シート構造を図面を参照して以下に説明する。なお、以下の説明における前後左右は車体における前後左右である。
【0013】
本実施形態の車両用シート構造は、図1に示すように、車両の乗員室内において前後二列に設けられるシートのうち、後列のシートに適用されており、さらに言えば、左右両側に配置される一対の側部シート11とこれら側部シート11の間に配置される中央シート12とを有する三人掛けシートの中央シート12に適用されている。
【0014】
後列の左右一対の側部シート11は、それぞれ、シートクッション部14とシートクッション部14の後端側に回動可能に連結されたシートバック15とを有しており、シートバック15が前倒可能となっている。すなわち、各シートバック15は、図1に示すように鉛直に対し傾斜し乗員の着席を可能とする着席可能状態と、図2に示すようにシートクッション部14に重なり合うように前倒する前倒状態との間で回動可能となっている。なお、シートバック15の背面16は、前倒状態においてはほぼ水平に沿いかつ上側に向くことになる。
【0015】
各側部シート11のシートバック15の左右方向における中央シート12に対し反対側の背面16側には、図3に示すように、車体側のコ字状の係合部18に対し着脱可能とされ、上記着席状態でこの係合部18に係合することでこの係合部18に固定されるロック部19が設けられている。さらに、各側部シート11のシートバック15の上部には各ロック部19による係合部18への係合固定を解除するための操作部20が設けられている。
【0016】
これら側部シート11の間に設けられる中央シート12は、両側部シート11の左右方向幅よりも幅狭とされている。この中央シート12は、シートクッション部22とシートクッション部22の後端側に回動可能に連結されたシートバック23とを有しており、図1および図2に示すようにシートバック23が前倒可能となっている。すなわち、シートバック23は、鉛直に対し傾斜し乗員の着席を可能とする着席可能状態と、シートクッション部22に重なり合うように前倒する前倒状態との間で回動可能となっている。なお、シートバック23の背面24は、前倒状態においてはほぼ水平に沿いかつ上側に向くことになる。ここで、シートクッション部22は両側のシートクッション部14と一体物となっている。
【0017】
中央シート12のシートバック23の左右方向における一方側具体的には左側の背面24側には、図3に示すように、一方側具体的には左側の側部シート11のコ字状の係合部25に対し着脱可能とされ、この係合部25に係合することでこの係合部25に固定されるロック部26が設けられている。さらに、中央シート12のシートバック23の上部にはロック部26による係合部25への係合固定を解除するための操作部27が設けられている。
【0018】
この中央シート12のシートバック23の背面24側には、図4にも示すように、中央側の所定範囲に矩形状をなして背面24よりも凹む収納凹部30が形成されている。すなわち収納凹部30は左右方向に沿う一対の面と着席状態で上下方向に沿う一対の面とを有している。
【0019】
そして、中央シート12の収納凹部30の左右方向の幅のほぼ半分の幅を有し、かつ収納凹部30とほぼ同じ高さを有する略角柱状の一対のアームレスト32が、それぞれ収納凹部30の開口側の左右の各端縁部33側を中心に回動可能となるように中央シート12にそれぞれ連結されている。
【0020】
ここで、両側部シート11のシートバック15および中央シート12のシートバック23の背面16,24は、全面的に荷室フロアと同じカーペット面とされており、中央シート12のシートバック23の背面24に貼り付けられるカーペットに各アームレスト32が貼り付けられることで、各アームレスト32は中央シート12との境界部分のカーペットからなる連結部34を介して中央シート12に回動可能に連結されている。
【0021】
各アームレスト32は、図5にも示すように、収納凹部30に嵌合収納されることで、シートバック23の背面24と面一となる。なお、このとき表面となるカーペット面からなるアームレスト32の背面36には例えば布からなる取っ手37が取り付けられている。
【0022】
そして、対応する取っ手37を引くと、アームレスト32は、図4に示すように、連結部34すなわち収納凹部30の開口側の端縁部33側を中心に回動して収納凹部30から取り出されるとともに収納凹部30の左右方向外側に移動する。最終的に、その背面36がシートバック23の背面24に重ね合わせられるようにしてシートバック23の背面24に載置される。
【0023】
なお、この状態で、一方具体的には左側のアームレスト32はシートバック23のロック部26を覆い隠すことになる。また、この状態でアームレスト32の露出する部分すなわち背面36を除く部分は、すべてシート表皮とされている。さらに、収納凹部30の底面は、パッドの外側にワイヤフレームを配設し、その外側にハードボードを配設して、その外側をシート表皮で覆うことで構成されている。上記各アームレスト32は、勿論、それぞれ独立して収納および取り出し可能である。
【0024】
以上に述べた車両用シート構造によれば、中央シート12のシートバック23を前倒させた状態でその上部側となる背面24側に設けられた収納凹部30からこの収納凹部30に収納されていたアームレスト32を収納凹部30の開口側の端縁部33側を中心に回動させて背面24に載置させる。すると、シートバック23の上にアームレスト32が載置されるため、十分な高さが得られる。しかも、この状態におけるアームレスト32の上面は、収納時は収納凹部30内に隠れる部分であるため、荷物等が載置される収納状態では汚れることがない。また、アームレスト32を取り出した後の収納凹部30は物品の一時収納が可能な一時収納部として使用できる。したがって、シートバック23を前倒させてもその隣の側部シート11の乗員が自然な姿勢で腕を載せることができ、しかも腕を載せる面が汚れるのを防止することができる。
【0025】
しかも、中央シート12のシートバック23の収納凹部30からこの収納凹部30に収納されていた両アームレスト32をそれぞれ収納凹部30の開口側の左右の各端縁部33側を中心に回動させてシートバック23の背面24に載置させる。すると、シートバック23の収納凹部30の左右両側にそれぞれアームレスト32が載置される。したがって、左右の側部シート11のそれぞれの乗員が自然な姿勢で腕を載せることができる。
【0026】
さらに、アームレスト32を収納凹部30から取り出して、シートバック23の背面24に載置させると、ロック部26を覆い隠すことができる。したがって、乗員がロック部26の油分等で汚れてしまうのを防止できる。
【0027】
なお、以上の実施形態においては、車両の乗員室内の最後列の三人掛けシートの中央シートに適用した例を説明したが、前後方向におけるいずれの列のシートに適用しても良く、側部シートに適用しても良い。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に係る発明によれば、シートバックを前倒させた状態でその上部側となる背面側に設けられた収納凹部からこの収納凹部に収納されていたアームレストを収納凹部の開口側の端縁部側を中心に回動させて背面に載置させる。すると、シートバックの上にアームレストが載置されるため、十分な高さが得られる。しかも、この状態におけるアームレストの上面は、収納時は収納凹部内に隠れる部分であるため、荷物等が載置される収納状態では汚れることがない。また、アームレストを取り出した後の収納凹部は物品の一時収納が可能な一時収納部として使用できる。したがって、シートバックを前倒させてもその隣のシートの乗員が自然な姿勢で腕を載せることができ、しかも腕を載せる面が汚れるのを防止することができる。
【0029】
請求項2に係る発明によれば、中央シートのシートバックを前倒させた状態でその上部側となる背面側に設けられた収納凹部からこの収納凹部に収納されていた両アームレストをそれぞれ収納凹部の開口側の各端縁部側を中心に回動させて背面に載置させる。すると、シートバックの収納凹部の左右両側にアームレストが載置される。したがって、左右の側部シートのそれぞれの乗員が自然な姿勢で腕を載せることができる。
【0030】
請求項3に係る発明によれば、アームレストを収納凹部から取り出して、シートバックの背面に載置させると、連結部を覆い隠すことができる。したがって、乗員が連結部の油分等で汚れてしまうのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の車両用シート構造を含む車両の乗員室内の一状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の車両用シート構造を含む車両の乗員室内の別の状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態の車両用シート構造におけるシートの分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態の車両用シート構造の一状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態の車両用シート構造の別の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 側部シート
12 中央シート
23 シートバック
24 背面
26 ロック部(連結部)
30 収納凹部
32 アームレスト
33 端縁部
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用シート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用シート構造に関する技術として、例えば、特開2001−17265号公報、特開2001−17268号公報等に開示されたものがある。これらの公報には、リクライニング不可な三人掛けシートの中央シート部のシートクッション部分の前面側に凹部を設け、この凹部にアームレストを回動可能に設けて、アームレストを回動させることで凹部に収納したり、凹部から突出させたりするものであって、しかもアームレストが着脱可能に設けられているものが記載されている。
【0003】
ところで、荷室拡大等を目的として、例えば三人掛けシートのシートバックを三分割して前倒可能としたり、三人掛けシートのシートバックを二対一に二分割して前倒可能としたりする構造がある。すなわち、この構造の場合、いずれかのシートに乗員が着席せず、しかも荷室拡大が必要であるときに、空席のシートのシートバックを前倒させて使用する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この場合、上記公報のようにシートバックの前面側にアームレストが設けられていると、このシートバックを前倒させた場合にアームレストを使用できない。このような場合には、やむを得ず、前倒したシートバックを他のシートに着席する乗員用のアームレスト代わりに使用する場合がある。しかしながら、このようにシートバックを前倒状態としてこれをアームレストとして使用しようとした場合、シートバックの厚さではアームレストとしての使用には高さが不足するため、乗員は不自然な姿勢となってしまう。また、前倒状態のシートバックの背面は、荷室面として使用されるため、汚れていてアームレストとしての使用には適さない場合がある。
【0005】
したがって、本発明は、シートバックを前倒させてもその隣のシートの乗員が自然な姿勢で腕を載せることができ、しかも腕を載せる面が汚れるのを防止することができる車両用シート構造の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、前倒可能なシートバック(例えば実施の形態におけるシートバック23)を有するシート構造であって、前記シートバックの背面(例えば実施の形態における背面24)側に該背面よりも凹む収納凹部(例えば実施の形態における収納凹部30)を形成し、該収納凹部に収納されるとともに該収納凹部の開口側の端縁部(例えば実施の形態における端縁部33)側に回動可能に連結され該端縁部側を中心に回動して前記背面に載置されるアームレスト(例えば実施の形態におけるアームレスト32)を設けてなることを特徴としている。
【0007】
これにより、シートバックを前倒させた状態でその上部側となる背面側に設けられた収納凹部からこの収納凹部に収納されていたアームレストを収納凹部の開口側の端縁部側を中心に回動させて背面に載置させる。すると、シートバックの上にアームレストが載置されるため、十分な高さが得られる。しかも、この状態におけるアームレストの上面は、収納時は収納凹部内に隠れる部分であるため、荷物等が載置される収納状態では汚れることがない。また、アームレストを取り出した後の収納凹部は物品の一時収納が可能な一時収納部として使用できる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記シートバックは、左右両側の側部シート(例えば実施の形態における側部シート11)の間に配置される中央シート(例えば実施の形態における中央シート12)のシートバックであり、前記アームレストが前記収納凹部の左右の各端縁部側に回動可能にそれぞれ連結されていることを特徴としている。
【0009】
これにより、中央シートのシートバックを前倒させた状態でその上部側となる背面側に設けられた収納凹部からこの収納凹部に収納されていた両アームレストをそれぞれ収納凹部の開口側の各端縁部側を中心に回動させて背面に載置させる。すると、シートバックの収納凹部の左右両側にアームレストが載置される。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記シートバックには、隣り合うシートバックを着脱自在に連結するための連結部(例えば実施の形態におけるロック部26)が前記背面側に設けられており、前記アームレストは、前記背面に載置された状態で前記連結部を覆い隠すことを特徴としている。
【0011】
このように、アームレストを収納凹部から取り出して、シートバックの背面に載置させると、連結部を覆い隠すことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態の車両用シート構造を図面を参照して以下に説明する。なお、以下の説明における前後左右は車体における前後左右である。
【0013】
本実施形態の車両用シート構造は、図1に示すように、車両の乗員室内において前後二列に設けられるシートのうち、後列のシートに適用されており、さらに言えば、左右両側に配置される一対の側部シート11とこれら側部シート11の間に配置される中央シート12とを有する三人掛けシートの中央シート12に適用されている。
【0014】
後列の左右一対の側部シート11は、それぞれ、シートクッション部14とシートクッション部14の後端側に回動可能に連結されたシートバック15とを有しており、シートバック15が前倒可能となっている。すなわち、各シートバック15は、図1に示すように鉛直に対し傾斜し乗員の着席を可能とする着席可能状態と、図2に示すようにシートクッション部14に重なり合うように前倒する前倒状態との間で回動可能となっている。なお、シートバック15の背面16は、前倒状態においてはほぼ水平に沿いかつ上側に向くことになる。
【0015】
各側部シート11のシートバック15の左右方向における中央シート12に対し反対側の背面16側には、図3に示すように、車体側のコ字状の係合部18に対し着脱可能とされ、上記着席状態でこの係合部18に係合することでこの係合部18に固定されるロック部19が設けられている。さらに、各側部シート11のシートバック15の上部には各ロック部19による係合部18への係合固定を解除するための操作部20が設けられている。
【0016】
これら側部シート11の間に設けられる中央シート12は、両側部シート11の左右方向幅よりも幅狭とされている。この中央シート12は、シートクッション部22とシートクッション部22の後端側に回動可能に連結されたシートバック23とを有しており、図1および図2に示すようにシートバック23が前倒可能となっている。すなわち、シートバック23は、鉛直に対し傾斜し乗員の着席を可能とする着席可能状態と、シートクッション部22に重なり合うように前倒する前倒状態との間で回動可能となっている。なお、シートバック23の背面24は、前倒状態においてはほぼ水平に沿いかつ上側に向くことになる。ここで、シートクッション部22は両側のシートクッション部14と一体物となっている。
【0017】
中央シート12のシートバック23の左右方向における一方側具体的には左側の背面24側には、図3に示すように、一方側具体的には左側の側部シート11のコ字状の係合部25に対し着脱可能とされ、この係合部25に係合することでこの係合部25に固定されるロック部26が設けられている。さらに、中央シート12のシートバック23の上部にはロック部26による係合部25への係合固定を解除するための操作部27が設けられている。
【0018】
この中央シート12のシートバック23の背面24側には、図4にも示すように、中央側の所定範囲に矩形状をなして背面24よりも凹む収納凹部30が形成されている。すなわち収納凹部30は左右方向に沿う一対の面と着席状態で上下方向に沿う一対の面とを有している。
【0019】
そして、中央シート12の収納凹部30の左右方向の幅のほぼ半分の幅を有し、かつ収納凹部30とほぼ同じ高さを有する略角柱状の一対のアームレスト32が、それぞれ収納凹部30の開口側の左右の各端縁部33側を中心に回動可能となるように中央シート12にそれぞれ連結されている。
【0020】
ここで、両側部シート11のシートバック15および中央シート12のシートバック23の背面16,24は、全面的に荷室フロアと同じカーペット面とされており、中央シート12のシートバック23の背面24に貼り付けられるカーペットに各アームレスト32が貼り付けられることで、各アームレスト32は中央シート12との境界部分のカーペットからなる連結部34を介して中央シート12に回動可能に連結されている。
【0021】
各アームレスト32は、図5にも示すように、収納凹部30に嵌合収納されることで、シートバック23の背面24と面一となる。なお、このとき表面となるカーペット面からなるアームレスト32の背面36には例えば布からなる取っ手37が取り付けられている。
【0022】
そして、対応する取っ手37を引くと、アームレスト32は、図4に示すように、連結部34すなわち収納凹部30の開口側の端縁部33側を中心に回動して収納凹部30から取り出されるとともに収納凹部30の左右方向外側に移動する。最終的に、その背面36がシートバック23の背面24に重ね合わせられるようにしてシートバック23の背面24に載置される。
【0023】
なお、この状態で、一方具体的には左側のアームレスト32はシートバック23のロック部26を覆い隠すことになる。また、この状態でアームレスト32の露出する部分すなわち背面36を除く部分は、すべてシート表皮とされている。さらに、収納凹部30の底面は、パッドの外側にワイヤフレームを配設し、その外側にハードボードを配設して、その外側をシート表皮で覆うことで構成されている。上記各アームレスト32は、勿論、それぞれ独立して収納および取り出し可能である。
【0024】
以上に述べた車両用シート構造によれば、中央シート12のシートバック23を前倒させた状態でその上部側となる背面24側に設けられた収納凹部30からこの収納凹部30に収納されていたアームレスト32を収納凹部30の開口側の端縁部33側を中心に回動させて背面24に載置させる。すると、シートバック23の上にアームレスト32が載置されるため、十分な高さが得られる。しかも、この状態におけるアームレスト32の上面は、収納時は収納凹部30内に隠れる部分であるため、荷物等が載置される収納状態では汚れることがない。また、アームレスト32を取り出した後の収納凹部30は物品の一時収納が可能な一時収納部として使用できる。したがって、シートバック23を前倒させてもその隣の側部シート11の乗員が自然な姿勢で腕を載せることができ、しかも腕を載せる面が汚れるのを防止することができる。
【0025】
しかも、中央シート12のシートバック23の収納凹部30からこの収納凹部30に収納されていた両アームレスト32をそれぞれ収納凹部30の開口側の左右の各端縁部33側を中心に回動させてシートバック23の背面24に載置させる。すると、シートバック23の収納凹部30の左右両側にそれぞれアームレスト32が載置される。したがって、左右の側部シート11のそれぞれの乗員が自然な姿勢で腕を載せることができる。
【0026】
さらに、アームレスト32を収納凹部30から取り出して、シートバック23の背面24に載置させると、ロック部26を覆い隠すことができる。したがって、乗員がロック部26の油分等で汚れてしまうのを防止できる。
【0027】
なお、以上の実施形態においては、車両の乗員室内の最後列の三人掛けシートの中央シートに適用した例を説明したが、前後方向におけるいずれの列のシートに適用しても良く、側部シートに適用しても良い。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に係る発明によれば、シートバックを前倒させた状態でその上部側となる背面側に設けられた収納凹部からこの収納凹部に収納されていたアームレストを収納凹部の開口側の端縁部側を中心に回動させて背面に載置させる。すると、シートバックの上にアームレストが載置されるため、十分な高さが得られる。しかも、この状態におけるアームレストの上面は、収納時は収納凹部内に隠れる部分であるため、荷物等が載置される収納状態では汚れることがない。また、アームレストを取り出した後の収納凹部は物品の一時収納が可能な一時収納部として使用できる。したがって、シートバックを前倒させてもその隣のシートの乗員が自然な姿勢で腕を載せることができ、しかも腕を載せる面が汚れるのを防止することができる。
【0029】
請求項2に係る発明によれば、中央シートのシートバックを前倒させた状態でその上部側となる背面側に設けられた収納凹部からこの収納凹部に収納されていた両アームレストをそれぞれ収納凹部の開口側の各端縁部側を中心に回動させて背面に載置させる。すると、シートバックの収納凹部の左右両側にアームレストが載置される。したがって、左右の側部シートのそれぞれの乗員が自然な姿勢で腕を載せることができる。
【0030】
請求項3に係る発明によれば、アームレストを収納凹部から取り出して、シートバックの背面に載置させると、連結部を覆い隠すことができる。したがって、乗員が連結部の油分等で汚れてしまうのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の車両用シート構造を含む車両の乗員室内の一状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の車両用シート構造を含む車両の乗員室内の別の状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態の車両用シート構造におけるシートの分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態の車両用シート構造の一状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態の車両用シート構造の別の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 側部シート
12 中央シート
23 シートバック
24 背面
26 ロック部(連結部)
30 収納凹部
32 アームレスト
33 端縁部
Claims (3)
- 前倒可能なシートバックを有するシート構造であって、前記シートバックの背面側に該背面よりも凹む収納凹部を形成し、該収納凹部に収納されるとともに該収納凹部の開口側の端縁部側に回動可能に連結され該端縁部側を中心に回動して前記背面に載置されるアームレストを設けてなることを特徴とする車両用シート構造。
- 前記シートバックは、左右両側の側部シートの間に配置される中央シートのシートバックであり、前記アームレストが前記収納凹部の左右の各端縁部側に回動可能にそれぞれ連結されていることを特徴とする請求項1記載の車両用シート構造。
- 前記シートバックには、隣り合うシートバックを着脱自在に連結するための連結部が前記背面側に設けられており、前記アームレストは、前記背面に載置された状態で前記連結部を覆い隠すことを特徴とする請求項1または2記載の車両用シート構造。
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