JP2004061101A - 灰溶融炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】灰溶融炉の灰処理能力を低減することなく耐浸食性を向上して補修間隔を長くすることが可能な灰溶融炉を提供する。
【解決手段】本発明にあっては以下の方策により補修間隔を長くしている。
(1)出滓口側耐火レンガの厚さを灰投入口側耐火レンガの厚さより厚くする。
(2)所定時間経過後のスラグ面を予測し、この面以上の耐火レンガとして酸化物系耐火レンガとする。
(3)出滓口の冷却フィンの上面を灰溶融炉内側に向かって下降する斜面とし、この斜面上に耐火レンガを積み上げる。
(4)出滓口を大きなブロックでなく通常の耐火レンガの大きさのブロックに分割して構成する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ごみ,産業廃棄物等を焼却処理する焼却炉に用いられる火格子の温度上昇防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
灰溶融炉にあっては、灰の中に含まれている金属成分が溶融灰と一緒に流出してスラグの品質が悪化することを防止するために、溶融物の上澄みだけを出滓口から取り出す構造が一般的である。
【0003】
灰溶融炉は耐火レンガ等の耐火物で内張りされているが、全内周にわたって均一な厚さとしていた。
【0004】
また、気相部にはガスに対して強い耐腐食性を有する酸化物系耐火レンガ(例えばアルミナ−クロミナレンガ)を、液相部には溶融スラグに対して強い耐浸食性を有する炭化物系耐火レンガ(例えば炭化珪素レンガ)を使用している。
【0005】
さらに、出滓口は灰溶融炉内部の溶融スラグを溶融炉外に導出するものであり、大きい熱応力に耐えるものでなければならないが、従来は接着部分(目地)に集中的な溶損が生じ易いという経験則に基づきできる限り大きなブロックを使用し、目地を低減するという観点から3分割されたブロックをモルタルで接着した構成としていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、溶融スラグは出滓口から流出するので出滓口側の耐火レンガがより多く浸食されることとなるため、全内周にわたって耐火レンガの厚さを一定とした場合には、灰投入口側の耐火レンガは運転に支障のない厚さであるにも係らず、出滓口側の耐火レンガの厚さが不足することに起因して補修が必要となることを回避できない。特に、出滓口金属フィン上レンガについては、冷却性能上厚みを小さくする必要があり、頻繁な補修が必要となっている。
【0007】
また、液相部の耐火レンガが浸食されて溶融炉液相部の容積が増大するため、溶融スラグ面が設計位置より低下してしまう。このため、溶融スラグ面の設計位置に基づいて酸化物系耐火レンガと炭化物耐火レンガを使い分けると、耐火レンガの浸食が進んだときには炭化物系耐火レンガがガスに浸食されることに起因して、補修が必要となることを回避できない。
【0008】
さらに、三分割構造の出滓口には、熱応力により割れが発生することを回避できず、補修が必要となることを回避できない。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、灰溶融炉の灰処理能力を低減することなく耐浸食性を向上して補修間隔を長くすることが可能な灰溶融炉を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第一の発明に係る灰溶融炉は、灰投入口側内周に内張りされる耐火物の厚さを出滓口側内周に内張りされる耐火物の厚さより薄くすることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、灰投入口側内周の耐火物の厚さを出滓口側内周の耐火物の厚さより薄くすることにより、灰溶融炉の処理量を低減することなく出滓口側内周の耐火物の耐浸食性を増すことが可能となる。
【0012】
第二の発明に係る灰溶融炉は、灰溶融炉内周に内張りされる耐火物のうち灰溶融炉の予め定めた時間運転後の予想溶融スラグ面より上の部分を酸化物系耐火物とし予想溶融スラグ面より下の部分を炭化物系耐火物とすることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、予め定めた運転時間後の溶融スラグ面位置以上を酸化物系耐火物とすることにより、予め定めた運転時間後にもガスによる炭化物系耐火物の浸食を防止することが可能となる。
【0014】
第三の発明に係る灰溶融炉は、出滓口の樋の下方から灰溶融炉内部に向かって伸延する金属フィンの上面を灰溶融炉方向に向かって下降する斜面とすることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、金属フィンの上面を灰溶融炉方向に向かって下降する斜面とすることにより、冷却効果を低減することなく金属フィン上に積載される耐火物の厚さを厚くすることが可能となる。
【0016】
第四の発明に係る灰溶融炉は、出滓口を少なくとも4以上の耐火物ブロックを組み合わせて構成することを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、熱応力解析により強い熱応力が作用すると予測される面に沿って分割された耐火物ブロックを組み合わせて出滓口を構成することにより、出滓口の割れを防止することが可能となる。
【0018】
第五の発明にかかる溶融炉は、前記酸化物系耐火物は、CrとMgOとから成り、Cr100重量部に対しMgOを5〜250重量部含有することを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、前記酸化物系耐火物は気相に対してのみならず、溶融スラグに対する耐食性も高いことから、前記予想溶融スラグ面より上の部分に用いる酸化物系耐火物として、CrとMgOとから成る耐火物を用いると、前記予め定めた時間内の運転によって溶融スラグ面が予想溶融スラグ面まで低下していくまでの間、酸化物系耐火物が溶融スラグに浸漬していても、耐火物は溶融スラグによって侵食されにくく、耐火材の長寿命化を図ることができる。
ここで、重量部は重量比と同義である。例えば、Cr100重量部に対してMgO100重量部とは、CrとMgOの重量比が1:1との意である。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る灰溶融炉の断面図であって、(ロ)は垂直断面図、(イ)はX−X断面図である。
【0021】
灰溶融炉100内には炉上部に設置された灰ホッパ101からスクリュー102によって灰が供給される。灰は炉頂から炉内に挿入された負電極103と炉底から炉内に挿入された正電極104間に直流電力を供給することにより発生するプラズマにより溶融されて溶融スラグとなる。
【0022】
スラグ中の金属が溶融した溶融金属105は溶融スラグ106と分離して炉底部に沈殿し、スラグは溶融金属105の上に滞留する。溶融スラグ量が増加すると溶融スラグは出滓口107から流出して回収される。
【0023】
灰溶融炉100の下半部は耐火レンガ108及びスタンプ材109で内張りされ、上半部はキャスタブル110で内張りされており、灰溶融炉100全体はスタンプ材109及びキャスタブル110の外側に設置された水ジャケット111内を流れる水により冷却される。
【0024】
上記構成を有する灰溶融炉100にあっては、耐火レンガ108はガスあるいは溶融スラグにより化学的に浸食されるだけでなく、溶融スラグ106の出滓口107に向う流れのため、特に出滓口107側の耐火レンガ108は物理的にも浸食される。
【0025】
図2は灰溶融炉の横断面図であって、(ハ)は本発明に係る灰溶融炉の横断面図、(ニ)は従来の灰溶融炉の横断面図である。
【0026】
即ち、図2(ニ)に示すように従来は灰溶融炉内周の耐火レンガの厚さを均一としていたが、本発明にあっては図2(ハ)に示すように耐火レンガ108の厚さを出滓口107側で厚く、反対に灰投入口側を薄くして、溶融炉の横断面積を減少させることなく出滓口107側の耐火レンガ108の耐浸食性を大きくしている。
【0027】
ここで、出滓口107側の耐火レンガ108の厚さをLx、出滓口107の反対側(灰投入口側)の耐火レンガ108の厚さをLoとすると、
Lo:Lx=1:1.1〜1:4
とすること、特に
Lo:Lx=1:1.4〜1:2
とすることが望ましい。
【0028】
以下この根拠について説明する。
【0029】
過去の実績から、灰投入口側耐火レンガの浸食率(ミリメートル毎時)は、αを材質に依存する定数とすると、
0.15α〜α
であり、出滓口側の浸食率は
1.1α
である。
【0030】
また実用上耐火レンガに要求される耐久時間をT(時間)とすると、T時間経過後であっても溶融炉の安全上要求される耐火レンガの厚さの最小値Lは、
L=α・T/5=0.2α・T
程度と見積もることができる。
【0031】
従って、初期状態で必要な灰投入口側耐火レンガの厚さの最大値Lmax及び最小値Lminは、
Lmax=α・T+0.2α・T=1.2α・T
Lmin=0.15α・T+0.2α・T=0.35α・T
となる。
【0032】
一方耐久時間T経過後の出滓口側の耐火レンガの厚さLは、
L=1.1α・T+0.2α・T=1.3α・T
となる。よって、
Lmax:L=1.2α・T:1.3α・T≒1:1.1
Lmin:L=0.35α・T:1.3α・T≒1:4
となる。
【0033】
また灰投入口側耐火レンガの浸食率が正規分布に従い、0.15α〜αがいわゆる3σの範囲にあるものと仮定すれば、1σの範囲の浸食率は、
0.433α〜0.717α
となるので、初期状態で必要な灰投入口側耐火レンガの厚さLσは、
Figure 2004061101
よって、
Figure 2004061101
となる。
【0034】
以上から、
Lo:Lx=1:1.1〜1:4
とすること、特に
Lo:Lx=1:1.4〜1:2
とすることが望ましいことが判る。
【0035】
上述した範囲で耐火レンガの厚さを灰投入口側と出滓口側で異ならせたことによる灰溶融炉の横断面積を検討する。
【0036】
即ち従来の溶融炉の横断面積Scは、溶融炉の内半径をrとすれば、次式で表される。
【0037】
Sc=πr
一方本発明に基づいて灰投入口側耐火レンガの厚さを240°の範囲でy減少し、出滓口側耐火レンガの厚さを120°の範囲でy増加したときの横断面積Sは次式で表される。
【0038】
Figure 2004061101
ここで、実際にはr>>yであるので、
S≒πr
よって、
S≒Sc
が成立し、本発明を適用しても溶融炉の横断面積はほとんど変化せず、処理能力は低下することはない。
【0039】
灰溶融炉に内張りする耐火レンガとしては、酸化物系耐火レンガ(Mg0−Al、Mg0−Cr、Ni0−Al、Ni0−Cr等)、又は炭化物系耐火レンガ(SiC等)を使用することができる。
【0040】
酸化物系耐火レンガはガス雰囲気に対して強い耐浸食性を有し、炭化物系耐火レンガは液体雰囲気に対して強い耐浸食性を有する。
【0041】
従って、従来は灰溶融炉下半部のガス雰囲気部分を酸化物系耐火レンガで内張りし、液体雰囲気部分を炭化物系耐火レンガで内張りしていた。
【0042】
ところが実際には上述したように炭化物系耐火レンガは溶融スラグの流動によって浸食されるため、溶融スラグ面が低下し、炭化物系耐火レンガがガス雰囲気に晒される事態が発生する。
【0043】
しかしながら、炭化物系耐火レンガはガス雰囲気で激しく酸化し浸食が発生するため、溶融炉の耐久時間が短くなることを回避できない。
【0044】
図3は耐火レンガの積み上げ方法説明図であって、(ホ)は従来の積み上げ方法を、(ヘ)及び(ト)は本発明に係る積み上げ方法を示す。
【0045】
即ち従来は、図3(ホ)に示すように設計スラグ面以上の耐火レンガを酸化物系耐火レンガ1081とし、設計スラグ面以下の耐火レンガを炭化物系耐火レンガ1082としていた。このため、炭化物系耐火レンガ1082が化学的及び物理的に浸食されて耐久時間経過後のスラグ面まで低下すると、炭化物系耐火レンガ1082がガスに晒される状況が発生していた。
【0046】
そこで本発明においては、図3(ヘ)に示すように酸化物系耐火レンガが液体雰囲気下においてもあまり浸食されないことに鑑み、溶融炉の耐久時間T経過後の溶融スラグ面位置を予測し、少なくともその位置より上は酸化物系耐火レンガで内張りし、残りの部分を炭化物系耐火レンガで内張りする。なお、酸化物系耐火レンガとしてはMg0−Al、Mg0−Cr、Ni0−Al、Ni0−Cr等を使用することができるが、溶融スラグへの溶解度が小さく耐食性に優れるMg0−Crを使用することが望ましい。
【0047】
なお、図3(ト)に示すように、炭化物系耐火レンガ1082の内面に酸化物系耐火レンガ、特にMg0−Crレンガを貼り付ける構成としてもよい。
【0048】
図4は、Mg0−Crの混合比を適宜調整して作製した耐火材(レンガ)の、溶融スラグに対する耐食性を測定した結果を示すグラフである。横軸は100重量部のCrに対するMg0の含有量であり、縦軸は1時間あたりの腐食速度を示している。
【0049】
図4から分かるように、Cr100重量部に対してMg0を含有しない耐火材の腐食速度は0.05mm/Hであった。そして、Cr100重量部に対してMg0を5重量部含有したときは、腐食速度は減少して0.04mm/Hとなり、50重量部含有したとき、腐食速度はさらに減少して0.03mm/Hとなった。また、Mg0の含有量を250重量部まで増加させても、腐食速度は0.04mm/Hと低かった。しかし、Cr100重量部に対するMg0の含有量を300重量部まで増加させると、腐食速度は0.06mm/Hに増加してしまうことが分かった。
【0050】
このように、Crに対して含有するMg0量を変化させると溶融スラグに対する腐食速度も変化し、Mg0含有量が5〜250重量部、好ましくは50重量部であるとき、溶融スラグに対する腐食速度は著しく減少することが分かった。
【0051】
ここで、炭化物系耐火レンガである炭化珪素(SiC)レンガの溶融スラグに対する腐食速度についても測定したところ、腐食速度は0.02mm/Hであって、Mg0−Crレンガよりも低いことが分かった。また、炭化珪素(SiC)レンガのガスに対する腐食速度は、0.1mm/Hと極めて高いことが分かった。
【0052】
以上の検討から、灰溶融炉下部の溶融スラグ面の低下に関らず溶融スラグに浸漬される範囲は、溶融スラグに対する腐食速度が最も低く信頼性の高い炭化珪素(SiC)レンガを用いることが好適であることが分かった。
また、灰溶融炉の溶融スラグ面の低下を含めて腐食性ガスに晒される範囲は、ガスに対する腐食速度が高く耐食性の悪い炭化珪素(SiC)レンガを用いることは適当ではなく、ガスへの腐食速度が低く耐食性に優れた酸化物系耐火レンガ、特にCr100重量部に対してMg0含有量を5〜250重量部、好ましくは50重量部含有させた耐火材を用いることが好ましいことが分かった。すなわち、溶融スラグによって耐火レンガが腐食することでスラグ面が低下して、溶融スラグに浸漬されていた部位が炉内の腐食性ガスに晒されることとなるとき、かかる部位に用いる耐火レンガの材質としては、Cr100重量部に対してMg0含有量を5〜250重量部、好ましくは50重量部含有させた耐火材が好適であることが分かった。
【0053】
ところで、灰溶融炉の運転を継続すると、炉内に堆積するスラグおよびメタル量が増加してスラグ面が上昇するため、それまで炉内のガス(気相)に接していた耐火レンガであって溶融スラグ(液相)に接することとなる耐火レンガがある。
このような耐火レンガの材料として、Cr100重量部に対してMg0含有量を5〜250重量部、好ましくは50重量部含有させた耐火材を用いれば、灰溶融炉の運転を継続することでスラグ面が上昇し、それまでガスに接していた耐火材が溶融スラグに接することとなっても、溶融スラグに対する耐食性が高く浸食され難いため、耐火材の寿命を長くすることができる。
特に、灰溶融炉の出滓口は、通常ガス(気相)に接しているが、溶融スラグの出滓時には過大な熱応力がかかるばかりでなく、溶融スラグの流出により激しく浸食することから、出滓口の材料として、CrにMg0を含有した前記材料を用いることが好ましい。
【0054】
図5は(図1のY−Yを切断線とする)出滓口の縦断面図であって、(チ)は従来の出滓口を、(リ)は本発明に係る出滓口を示す。
【0055】
ここで、参照番号31は炭化物系耐火レンガ、32は金属(銅)製の樋、33は樋に穿孔された冷媒流路、そして34は樋32と炭化物耐火レンガ31とを接着するキャスタブルである。
【0056】
即ち従来の出滓口107にあっては金属製樋32の灰溶融炉側端面の下部は、灰溶融炉方向に伸延して冷却フィン35を構成しており、その上部を炭化物系耐火レンガ31で覆った構造であるため、耐火物レンガ31の厚さを厚くすることには限界があり長い耐久時間Tを確保することは困難であった。
【0057】
そこで本発明においては、金属樋32の灰溶融炉方向への伸延する冷却フィン35を溶融炉内部に向かって傾斜する斜面とし、斜面に沿ってキャスタブル34を介して耐火レンガ31を配置することにより、耐火レンガ31の厚さを厚くしている。
【0058】
なお、炭化物系耐火レンガで構成された出滓口31が溶融炉内部に滑り落ちることを防止するために、斜面上部に若干の水平部分を設けてもよい。
【0059】
本発明においては、前述したように出滓口側の耐火レンガの厚さを熱くしているため、冷却フィンから灰溶融炉内部に伸延する耐火レンガの長さdも必然的に長くなり出滓口の長寿命化を助長している。
【0060】
図6は従来の出滓口部の斜視図であって、出滓口31は左部311、中央部312及び右部313の三つの耐火レンガで構成されていた。
【0061】
三分割構成としている理由は、耐火レンガ同士の接続部である目地の数を可能な限り低減して、溶融炉運転中に目地から割れが発生することを防止するためである。
【0062】
しかしながら、前述したように出滓口31には大きな熱応力が作用するため、左部311、中央部312及び右部313も相当の大きさとなり各部分に割れが発生することを回避できない。
【0063】
図7は出滓口の熱応力解析モデルであって、本発明においては出滓口の熱応力解析を行い、基本的には大きい熱応力が作用する面に沿って出滓口31を一般的な耐火レンガの大きさ(114×114×230ミリメートル)以下のブロックに分割することとした。
【0064】
図8は本発明に係る出滓口部の斜視図であって、全部で27のブロックに分割されている。なお、出滓口の両側に配置されるブロックはブロックが出滓口内側に崩壊することを防止するために、高さ方向には分割せず背の高いブロックとしている。
【0065】
【発明の効果】
第一の発明に係る灰溶融炉によれば、灰投入口側内周の耐火物の厚さを出滓口側内周の耐火物の厚さより薄くすることにより、灰溶融炉の処理量を低減することなく出滓口側内周の耐火物の耐浸食性を増し、補修間隔を長くすることが可能となる。
【0066】
第二の発明に係る灰溶融炉によれば、予め定めた運転時間後の溶融スラグ面位置以上を酸化物系耐火物とすることにより、予め定めた運転時間後にもガスによる炭化物系耐火物の浸食を防止し、補修間隔を長くすることが可能となる。
【0067】
第三の発明に係る灰溶融炉によれば、金属フィンの上面を灰溶融炉方向に向かって下降する斜面とすることにより、金属フィン上に積載される耐火物の厚さを厚くし、補修間隔を長くすることが可能となる。
【0068】
第四の発明に係る灰溶融炉は、耐火物ブロックを組み合わせて出滓口を構成することにより、出滓口の割れを防止し、補修間隔を長くすることが可能となる。
【0069】
第五の発明にかかる溶融炉は、前記酸化物系耐火物は、CrとMgOとから成り、Crが100重量部に対しMgOを5〜250重量部含有することとしたので、前記予め定めた時間内の運転によって溶融スラグ面が予想溶融スラグ面まで低下していくまでの間、酸化物系耐火物が溶融スラグに浸漬していても、耐火物は侵食されにくく、耐火材の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】灰溶融炉の断面図である。
【図2】灰溶融炉の横断面図である。
【図3】耐火レンガの積み上げ方法説明図である。
【図4】CrとMgOの配合量と耐食性の関係を示す図。
【図5】出滓口の断面図である。
【図6】従来の出滓口の斜視図である。
【図7】出滓口熱応力解析モデルの斜視図である。
【図8】本発明に係る出滓口の斜視図である。
【符号の説明】
100…灰溶融炉
101…灰ホッパ
102…スクリュー
103…負電極
104…正電極
105…溶融金属
106…溶融スラグ
107…出滓口
108…耐火レンガ
109…スタンプ材
110…キャスタブル
111…水ジャケット

Claims (8)

  1. 一方側に灰投入口が、反対側に出滓口が設置される灰溶融炉であって、
    前記灰投入口側内周に内張りされる耐火物の厚さを、出滓口側内周に内張りされる耐火物の厚さより薄くすることを特徴とする灰溶融炉。
  2. 灰投入口側内周に内張りされる耐火物の厚さと出滓口側内周に内張りされる耐火物の厚さの比が1:1.1〜4である請求項1に記載の灰溶融炉。
  3. 灰投入口側内周に内張りされる耐火物の厚さと出滓口側内周に内張りされる耐火物の厚さの比が1:1.4〜2である請求項1に記載の灰溶融炉。
  4. 灰溶融炉内周に内張りされる耐火物のうち前記灰溶融炉の予め定めた時間運転後の予想溶融スラグ面より上の部分を酸化物系耐火物とし、予想溶融スラグ面より下の部分を炭化物系耐火物とすることを特徴とする灰溶融炉。
  5. 灰溶融炉内周に内張りされる耐火物のうち炭化物系耐火物の内側に酸化物系耐火物を貼り付けることを特徴とする灰溶融炉。
  6. 請求項4および5記載の灰溶融炉であって、
    前記酸化物系耐火物は、CrとMgOとから成り、Cr100重量部に対し、MgOを5〜250重量部含有することを特徴とする、請求項4および5記載の灰溶融炉。
  7. 一方側に灰投入口が、反対側に出滓口が設置される灰溶融炉であって、
    出滓口の樋の下方から灰溶融炉内部に向かって伸延する金属フィンの上面を灰溶融炉方向に向かって下降する斜面とすることを特徴とする灰溶融炉。
  8. 一方側に灰投入口が、反対側に出滓口が設置される灰溶融炉であって、
    出滓口を少なくとも4以上の耐火物ブロックを組み合わせて構成することを特徴とする灰溶融炉
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